JP5507628B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに用いられる電子写真用トナーとその製造方法に関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。高画質化の観点からは、トナーを小粒径化する必要があり、従来の溶融混練・粉砕法に代わり、重合法や乳化分散法などのケミカル法により得られる、いわゆるケミカルトナーが提案されており、小粒径でかつ粒度分布がシャープである点から注目されている。
溶融混練・粉砕法で得られるトナーは、凹凸部位を有する不定形の形状であるために、容易に帯電する。しかしながら、ケミカル法で得られるトナーは、その形状が球状であるため、トナー自身の帯電発生部位がほとんどなく、荷電制御剤をトナー表面に局在化させることが必要となる。
そこで、荷電制御剤をトナー表面に局在化したトナーとして、平均粒子径が8μm程度の乳化粒子に、荷電制御剤を内包する樹脂粒子分散液を混合して乾燥させて得られるトナーが開示されている(特許文献1)。
また、荷電制御剤を付着させるコア粒子を乳化凝集法で作製するトナーとして、樹脂粒子を含む分散液中で、凝集粒子を形成し合一粒子を得たあと、荷電制御剤を内包したスチレンアクリル樹脂粒子を添加して得られるトナー(特許文献2)、樹脂粒子を含む分散液中で、凝集粒子を形成する工程の開始から終了までの間に荷電制御剤を添加して得られるトナー(特許文献3)、樹脂粒子を含む分散液中で凝集粒子を形成し、荷電制御剤粒子と、スチレンアクリル樹脂を付着させ、加熱して合一粒子を得られるトナー(特許文献4)が開示されている。
さらに、トナー母粒子(コア粒子)と荷電制御剤を添加して混合して得られるトナー(特許文献5)が報告されている。
特開平10−293419号公報 特開2002−82490号公報 特開2000−347449号公報 特開2000−267348号公報 特開2002−357929号公報
近年の電子写真システムの高画質化及び高速化に対しては、前記従来のトナーでは、帯電性がいまだ不十分である。本発明は、荷電制御剤をトナー表面に存在させ、かつ、小粒径で粒度分布が狭いトナーを得ることができる電子写真用トナーの製造方法、及び該製造法を用いて得られる画像特性に優れた電子写真用トナーに関する。
本発明は、
(1)以下の工程を有する電子写真用トナーの製造方法、
(A)水系媒体中で、樹脂を含有する、体積中位粒径(D50)が1〜10μmのコア粒子を得る工程
(B)工程(A)で得られたコア粒子に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子を得る工程、及び
(C)工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子を加熱して合一粒子を得る工程
(2)工程(B)が、工程(A)で得られたコア粒子を含有するコア粒子分散液に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を含有する複合微粒子分散液を添加して、複合微粒子付着コア粒子を含有する複合微粒子付着コア粒子分散液を得る工程である、上記(1)記載の電子写真用トナーの製造方法、
(3)工程(A)のコア粒子が、樹脂粒子を含む分散液中の樹脂粒子を凝集させて得られる凝集粒子である、上記(1)又は(2)に記載の電子写真用トナーの製造方法、
(4)複合微粒子が、(1)荷電制御剤を水系媒体中に分散して分散液を調製する工程、(2)工程(1)で得られた荷電制御剤分散液と、ポリエステルを含む樹脂とを、水性媒体中で混合させて乳化させる工程、を有する製造方法により得られる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のトナーの製造方法、及び
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの製造方法で得られた電子写真用トナー、
に関する。
本発明の電子写真用トナーの製造方法によれば、荷電制御剤をトナー表面に存在させ、かつ、小粒径で粒度分布が狭いトナーを得ることができ、また該製造方法を用いて得られる画像特性に優れた電子写真用トナーを提供できる。
以下、本発明の電子写真用トナーの製造方法について説明する。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、(A)水系媒体中で、樹脂を含有する、体積中位粒径(D50)が1〜10μmのコア粒子を得る工程、(B)工程(A)で得られたコア粒子に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を含む複合微粒子を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子を得る工程、及び(C)工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子を加熱して合一粒子を得る工程、を有する製造方法であり、また、上記製造方法において、工程(B)が、工程(A)で得られたコア粒子を含有するコア粒子分散液に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を含有する複合微粒子分散液を添加して、複合微粒子付着コア粒子を含有する複合微粒子付着コア粒子分散液を得る工程である製造方法であり、更に上記いずれかの製造方法において、工程(A)のコア粒子が、樹脂粒子を含む分散液中の樹脂粒子を凝集させて得られる凝集粒子である製造方法である。
[工程(A)]
工程(A)は、水系媒体中で、樹脂を含有する、体積中位粒径(D50)が1〜10μmのコア粒子を得る工程であり、具体的にはこれを含有するコア粒子分散液を得る工程である。コア粒子分散液を得る方法としては、例えば、溶剤に溶解した樹脂を含有するコア粒子組成物を水中で懸濁し、その後溶剤を留去することによりコア粒子を得る方法、乳化重合により得られた樹脂粒子に着色剤などの他の材料を添加し、乳化粒子を凝集、会合させることにより樹脂粒子を得る乳化重合凝集法、界面活性剤等の存在下、結着樹脂を乳化して得られた樹脂粒子に着色剤などの他の材料を添加し、樹脂粒子を凝集、会合させることによりコア粒子を得る乳化凝集法、懸濁重合法により直接コア粒子を得る重合法など種々の方法が採用できる。本発明においては、トナーの小粒径化の観点から、乳化凝集法が好ましい。以下、乳化凝集法について説明する。
乳化凝集法においては、工程(A)は樹脂粒子を含む分散液中の樹脂粒子を凝集させ、コア粒子である凝集粒子を得る工程であり、先ず、樹脂を含有する樹脂粒子を水系媒体中で調製する。
樹脂粒子を構成する樹脂
樹脂粒子を構成する樹脂には、トナーの定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルが含有されることが好ましい。ポリエステルの含有量は、定着性及び耐久性の観点から、樹脂中、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質100重量%であることが更に好ましい。
ポリエステル以外の樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレンリル共重合体、エポキシ、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
このアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
このカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃程度の温度で縮重合することにより製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジオクチル酸錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
トナーの保存性の観点から、ポリエステルの軟化点は70〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。酸価は、乳化する際の製造性の観点から、6〜35mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。軟化点や酸価はアルコールとカルボン酸の仕込み比率、縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
トナーの耐久性の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜10,000が好ましく、2,000〜8,000がより好ましい。
尚、本発明において、ポリエステルには、ポリエステルのみならず、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれる。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
尚、樹脂が複数の樹脂を含有する場合には、前記樹脂の軟化点、ガラス転移点、酸価及び数平均分子量は、各樹脂の混合物としての軟化点、ガラス転移点、酸価及び数平均分子量を意味し、各々の値は上記ポリエステルの値と同様の値であることが好ましい。
さらに、上記樹脂は、定着性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することができ、一方のポリエステル(イ)の軟化点は70℃以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(ロ)の軟化点のポリエステルの軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(イ)とポリエステル(ロ)の重量比(イ/ロ)は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
水系媒体
樹脂を分散させる水系媒体は水を主成分とするものである。環境性の観点から、水系媒体中の水の含有量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。
水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が使用できる。本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく、水のみを用いて結着樹脂を微粒化させることが好ましい。
樹脂粒子の分散液の調製
本発明においては、水系媒体中で樹脂を含有する樹脂粒子の分散液を調製する。この調製は、樹脂粒子の小粒径化及び得られるトナーの狭い粒径分布化の観点から、樹脂を乳化させて行うことが好ましい。
上記水系媒体中で樹脂を乳化させて得られる樹脂粒子の分散液中には、前記樹脂、必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤などの添加剤を含有させることができる。特に、荷電制御剤として金属塩を樹脂粒子分散液中に含有させることにより、樹脂が金属架橋するため、得られるトナーは幅広い定着領域を確保できる。
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電性の観点から、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、より好ましくは5重量部以下、更に好ましくは3重量部以下である。分散液中に荷電制御剤を含有させる場合には、その下限値は、帯電特性の観点から、0.01重量%であることが好ましい。
尚、樹脂粒子を分散させた分散液中に荷電制御剤を含有させる場合には、荷電制御剤の分散性の観点から、荷電制御剤と樹脂粒子を構成する樹脂とを予め溶融混練して、得られた混練物を水系媒体中で乳化する方法、荷電制御剤を水系媒体中で分散して分散液を調製し、水系媒体中で樹脂を乳化させる際に、該荷電制御剤分散液を添加する方法が好ましい。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤がいずれも使用できる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料やアクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、チアゾール系等の各種染料を1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有量は、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、分散性及び樹脂粒子との凝集性の観点から、水系媒体中で分散させて使用することが好ましい。
離型剤の含有量は、添加効果及び帯電性への悪影響を考慮して、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜15重量部がより好ましい。
本発明においては、樹脂を乳化させるに際して、樹脂の乳化性の向上などの観点から、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.1〜3.5重量部、更に好ましくは、0.1〜3重量部の界面活性剤を存在させることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。前記アニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この乳化工程においては、樹脂にアルカリ水溶液を加え、樹脂及び必要に応じて用いられる添加剤を分散させることが好ましい。
前記アルカリ水溶液は1〜20重量%の濃度のものが好ましく、1〜10重量%の濃度のものがより好ましく、1.5〜7.5重量%の濃度のものが更に好ましい。用いるアルカリについては、ポリエステルが塩になったときその界面活性能を高めるようなアルカリを用いることが好ましい。具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの1価のアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。
分散後、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の温度で中和させた後、ガラス転移点以上の温度で水系媒体を添加して、転相乳化させることにより、樹脂分散液を製造することができる。
上記水系媒体の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る観点から、樹脂粒子を構成する樹脂100g当たり好ましくは0.5〜50g/min、より好ましくは0.5〜40g/min、さらに好ましくは0.5〜30g/minである。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持すればよく、O/W型の乳化液を形成した後の水の添加速度に特に制限はない。
当該樹脂粒子分散液の製造に用いる水系媒体としては、前述の水系媒体と同じものを挙げることができる。
水系媒体の量は、後の凝集処理で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して100〜2,000重量部が好ましく、150〜1,500重量部がより好ましい。
また、この際の温度は、微細な樹脂粒子を分散させた分散液を調製する観点から、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の範囲が好ましい。乳化を前記範囲の温度で行うことにより、乳化がスムーズに行われ、また加熱に特別の装置を必要としない。この点から、上記温度は、樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点+10℃以上であることが好ましく、また、軟化点−5℃以下であることが好ましい。
このようにして得られた樹脂粒子を分散させた分散液における樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は、後の凝集処理での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.6μmである。ここで「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。その測定方法は後述の通りである。
樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を得る他の方法としては、例えば、まず、目的とする樹脂粒子原料として重縮合性単量体を水系媒体中に例えば機械的シェアや超音波などにより乳化分散させる方法が挙げられる。この際、必要に応じて、重縮合触媒、界面活性剤などの添加剤も水溶性媒体に添加する。そして、この溶液に対して例えば加熱などを施すことで、重縮合を進行させる。例えば、結着樹脂がポリエステルである場合は、前述のポリエステルの重縮合性単量体、重縮合触媒が使用でき、界面活性剤としては前述のものが同様に使用できる。
通常、重縮合樹脂は重合時に脱水を伴うために原理的に水系媒体中では進行しない。しかしながら、例えば、水系媒体中にミセルを形成せしめるような界面活性剤とともに重縮合性単量体を水系媒体中に乳化せしめた場合、単量体がミセル中のミクロな疎水場に置かれることによって、脱水作用が生じ、生成した水はミセル外の水系媒体中に排出せしめ重合を進行させることができる。このようにして、低エネルギーで、水系媒体に重縮合樹脂の樹脂粒子が乳化分散した分散液が得られる。
コア粒子である凝集粒子を得る工程
この工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。凝集剤としては、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。本発明においては、凝集剤として、高精度のトナーの粒径制御及びシャープな粒度分布を達成する観点から、1価の塩を用いることが好ましい。ここで1価の塩とは、該塩を構成する金属イオン又は陽イオンの価数が1であることを意味する。1価の塩としては、4級塩のカチオン性界面活性剤等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩等の無機系凝集剤が用いられるが、本発明においては、高精度のトナーの粒径制御及びシャープな粒度分布を達成する観点から、分子量350以下の水溶性含窒素化合物が好ましく用いられる。
分子量350以下の水溶性含窒素化合物は、樹脂粒子を速やかに凝集させる観点から、酸性を示す化合物であることが好ましく、その10重量%水溶液の25℃でのpH値が4〜6であるものが好ましく、4.2〜6のものがより好ましい。また、高温高湿における帯電性等の観点から、その分子量が350以下のものが好ましく、300以下のものがより好ましい。このような水溶性含窒素化合物としては、例えば、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等のアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウムハライド等の4級アンモニウム塩等が挙げられるが、生産性の点から、硫酸アンモニウム(10重量%水溶液の25℃でのpH値、以下pH値という:5.4)、塩化アンモニウム(pH値:4.6)、テトラアンモニウムブロマイド(pH値:5.6)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(pH値:5.8)が好ましく挙げられる。
凝集剤の使用量は、使用する凝集剤の電荷の価数により異なるが、1価の凝集剤を用いた場合、凝集性の観点から、樹脂粒子を構成する樹脂100重量部に対して、2重量以上50重量部以下が好ましく、3.5重量部以上40重量部以下がより好ましく、3.5重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
凝集剤の添加は、均一な凝集を行うために、系内のpHを調整した後で、かつ樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点以下の温度、好ましくはガラス転移点―10℃以下の温度で行うのが望ましい。また、凝集剤は水系媒体溶液にして添加することができる。凝集剤は、一時に添加しても良いし、断続的あるいは連続的に添加してもよい。さらに、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
また、工程(A)におけるコア粒子である凝集粒子の体積中位粒径(D50)は、高画質化及び工程(B)で複合微粒子を均一に付着をさせる観点から、1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmであることがより好ましく、3〜8μmがさらに好ましい。
工程(B)に供するコア粒子としては凝集粒子そのものであってもよく、凝集粒子を後述の工程(C)により合一した粒子であってもよいが、複合微粒子の付着性の観点から、合一していない凝集粒子をコア粒子として使用することが好ましい。
工程(A)で得られる凝集粒子の分散液中における固形濃度は、生産性及び凝集制御の観点から、5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%である
[工程(B)]
工程(B)は、工程(A)で得られたコア粒子に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子を得る工程である。
複合微粒子を構成する樹脂
複合微粒子を構成する樹脂は、ポリエステルを含有するものであり、ポリエステルの含有量は、定着性及び耐久性の観点から、複合微粒子を構成する樹脂中、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質100重量%であることが更に好ましい。ポリエステルの種類及びポリエステル以外の樹脂としては、前述のコア粒子としての凝集粒子を構成する樹脂と同種のものが使用できる。ポリエステルは、前述のコア粒子としての凝集粒子を構成する樹脂に含有されるポリエステルと同様のモノマーを使用して同様の製造方法により得られる。
耐久性及び保存性の観点から、複合微粒子を構成する樹脂は、コア粒子を構成する樹脂よりもガラス転移点が高い樹脂であることが好ましく、その差は3℃以上20℃以下であること好ましく、5℃以上20℃以下であることがより好ましい。
酸基を有する樹脂を使用する場合には、環境変動による影響を低減させる観点から、複合微粒子を構成する樹脂は、コア粒子を構成する樹脂よりも酸価が低いことが好ましく、3mgKOH/g以上低いことが好ましく、5mgKOH/g以上低いことがより好ましい。
荷電制御剤
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられるが、これらの中でも、帯電特性の観点から、サリチル酸の金属塩、第四級アンモニウム塩が好ましく、サリチル酸の金属塩がより好ましい。サリチル酸の金属塩としては、式(1)
Figure 0005507628
(式中、R9及びR10は、それぞれ炭素数1〜8のアルキル基、好ましくはtert−ブチル基を表わし、Mはクロム、鉄又は亜鉛を示す)で表される化合物が好ましい。
サリチル酸の金属塩の市販品としては、「ボントロンE−81」(金属;クロム)、「ボントロンE−84」(金属;亜鉛)、(オリエント化学工業社製)等がある。
複合微粒子中の荷電制御剤の含有量は、複合微粒子を構成する樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0,01〜7.5重量部がより好ましく、0.01〜5重量部が更に好ましい。
複合微粒子の調製
本発明において、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子は、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する微粒子、又はポリエステルを含む樹脂微粒子及び荷電制御剤微粒子を含有する微粒子を包含する。すなわち、複合微粒子を含有する複合微粒子分散液を調製する場合、複合微粒子分散液としては、荷電制御剤を含有する分散液(荷電制御剤微粒子分散液ともいう)及びポリエステルを含む樹脂を含有する分散液(ポリエステルを含む樹脂微粒子分散液ともいう)を各々独立に調製してもよいし、荷電制御剤を含有するポリエステルを含む樹脂を含有する複合微粒子分散液(荷電制御剤含有樹脂微粒子分散液ともいう)として調製してもよい。
荷電制御剤微粒子及びポリエステルを含む樹脂を含有する樹脂微粒子の調製
荷電制御剤微粒子分散液は、水系媒体中で、必要に応じて界面活性剤を添加して、ホモミキサー等の混合機で混合して分散することで調製できる。界面活性剤の種類や量は、前記工程(A)における樹脂粒子を構成する樹脂の乳化液の調製方法と同様である。
また、ポリエステルを含む樹脂微粒子分散液は、前述の工程(A)の樹脂粒子分散液の調製方法と同様にして調製できる。
荷電制御剤を含有するポリエステルを含む樹脂を含有する複合微粒子の調製
荷電制御剤を含有するポリエステルを含む樹脂を含有する複合微粒子を含有する荷電制御剤含有樹脂微粒子分散液は、(1)ポリエステルを含む樹脂と荷電制御剤とを同一系内に添加して乳化を行う方法、(2)荷電制御剤を予めポリエステルを含む樹脂と溶融混練して、得られた混練物を水系媒体中に乳化する方法、(3)荷電制御剤を水系媒体中で分散して分散液を調製し、水系媒体中でポリエステルを含む樹脂を乳化させる際に該荷電制御剤の分散液を添加する方法等により調製することができる。なお、この場合、ポリエステルを含む樹脂が、荷電制御剤存在下で乳化されているため、得られる乳化粒子(荷電制御剤含有樹脂微粒子)は、ポリエステルを含む樹脂が荷電制御剤を内包する状態になっていると考えられる。
ポリエステルを含む樹脂と荷電制御剤を含有する複合微粒子を含有する複合微粒子分散液の調整において、複合微粒子を構成する樹脂を乳化させるに際しては、工程(A)における樹脂の乳化液の調製方法と同様に界面活性剤を使用することが好ましく、好ましい界面活性剤の種類や量は、上記樹脂の乳化液の調製方法における場合と同様である。この際、「樹脂粒子」を「複合微粒子」と読み替える。
複合微粒子分散液中には、前記ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤に、必要に応じて着色剤、離型剤などの添加剤を含有することができる。着色剤、離型剤等は前記工程(A)の樹脂粒子分散液の調製工程で述べたのものを使用することができる。これらの添加剤は、上述のポリエステルを含む樹脂微粒子を含有する樹脂微粒子分散液及び荷電制御剤微粒子分散液を各々独立に調製する場合、その一方あるいは両方の分散液に添加することができる。
複合微粒子分散液中の固形濃度は、分散液の安定性及び凝集粒子へ均一な付着をさせる観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%である。
このようにして得られる複合微粒子分散液中の、荷電制御剤微粒子、ポリエステルを含む樹脂を含有する樹脂微粒子、及び、複合微粒子の各々の体積中位粒径(D50)は、均一に凝集させる観点から、0.05〜2μmが好ましく、0,05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましく、0.05〜0.3μmがさらに好ましい。
尚、本発明においては、コア粒子を乳化凝集法において製造する場合、工程(B)において調製される複合微粒子を含有する複合微粒子分散液を、工程(A)における樹脂粒子分散液として使用することも可能である。この場合、複合微粒子分散液は樹脂粒子分散液と、複合微粒子は樹脂粒子と読み替える。
複合微粒子付着コア粒子を得る工程
工程(B)においては、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子の分散液、又はポリエステルを含む樹脂微粒子及び荷電制御剤微粒子からなる複合微粒子を含有する複合微粒子の分散液を、工程(A)で得られたコア粒子の分散液に添加する。複合微粒子分散液を添加する方法としては、荷電制御剤微粒子分散液とポリエステルを含む樹脂微粒子分散液とをそれぞれ独立に、同時にあるいは交互に、又は混合してコア粒子表面に添加して付着させる方法、荷電制御剤含有樹脂微粒子分散液を添加する方法等があるが、複合微粒子の小粒径化及び得られるトナーの粒径分布をシャープにする観点から、荷電制御剤含有樹脂微粒子分散液を添加する方法が好ましい。
本発明では、工程(B)は、工程(A)で得られた水系媒体中のコア粒子としての凝集粒子を含有した分散液に、荷電制御剤及びポリエステルを含む樹脂を含有する複合微粒子の分散液、又はポリエステルを含む樹脂微粒子及び荷電制御剤微粒子からなる複合微粒子を含有する複合微粒子の分散液を添加して、凝集粒子表面に複合微粒子を付着させて、複合微粒子付着コア粒子を得る工程であることが好ましく、ポリエステルを含む樹脂微粒子及び荷電制御剤微粒子からなる複合微粒子を含有する複合微粒子の分散液を添加して、凝集粒子表面に複合微粒子を付着させて、複合微粒子付着コア粒子(荷電制御剤付着凝集粒子ともいう)を得る工程であることがさらに好ましい。
複合微粒子分散液の添加時期は、付着させる複合微粒子の量と、目的とするトナーの体積中位粒径(D50)に応じて、適宜調整できる。なお、乳化凝集法においては、複合微粒子をコア粒子としての凝集粒子の表面に1μmの厚さで被覆した体積中位粒径(D50)が5μmのトナーを得るためには、凝集粒子が4μmに成長した段階で、複合微粒子を添加して付着させれば良い。
複合微粒子の、コア粒子に対する添加割合は、得られるトナー帯電を均一にする観点から、コア粒子中の樹脂100重量部に対して、複合微粒子中の樹脂が、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜90重量部、更に好ましくは20〜80重量部である。
当該工程(B)においては、複合微粒子分散液を1回又は複数回に分割して添加することができる。本発明においては、狭い粒度分布を有するトナー粒子を得る観点から、複合微粒子分散液を複数回に分割して添加することが好ましい。尚、本発明において、一定時間で複合微粒子分散液を連続して添加する場合は、1回の添加工程とみなす。
コア粒子を乳化凝集法で調製する場合、複合微粒子分散液を1回又は複数回に分割して添加する際の凝集剤の添加は次のように行う。すなわち、コア粒子中の樹脂100重量部に対して、添加する複合微粒子を構成する樹脂が30重量部未満である場合は、形成される複合微粒子付着コア粒子の粒度分布の制御などの観点から、凝集剤の添加は任意である。一方、複合微粒子分散液を30重量部以上添加する場合は、凝集性及び形成する複合微粒子付着コア粒子の粒度分布の観点から、凝集剤を添加することが好ましく、その場合、複合微粒子と凝集剤とを各々独立して同時に添加するか、又は交互に添加することがより好ましく、独立して同時に添加することがさらに好ましい。
当該工程(B)において、複合微粒子分散液を複数回に分割して添加する場合、各々の分散液に含まれる複合微粒子の量は同量であることが好ましく、また、凝集剤を分割して添加する場合には、各々の凝集剤は同量であることが好ましい。また、複合微粒子分散液を複数回に分割して添加する場合、その回数については特に制限はないが、形成される複合微粒子付着コア粒子の粒度分布及び生産性などの観点から、2〜10回が好ましく、2〜8回がより好ましい。
また、コア粒子を乳化凝集法で調製する場合、凝集性及び形成される複合微粒子付着コア粒子の粒度分布などの観点から、複数回の複合微粒子分散液の添加において、添加の後5〜15分間、更には5〜30分間、特に5分〜2時間熟成させることが好ましく、複数回添加の全ての添加について、上記熟成時間を設けることがより好ましい。なお、上記熟成時間は、添加終了後、次の添加における凝集剤及び/又は複合微粒子分散液の添加開始迄の時間とする。
凝集剤の使用量は、トナー粒子の小粒径化及び狭い粒度分布の達成などの観点から、複合微粒子100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜28重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。なお、凝集剤については、前記工程(A)で使用した凝集剤と同様のものを使用することができる。この凝集剤は水系媒体に溶解させて添加することが好ましい。
当該工程(B)においては、コア粒子を含む分散液の温度を、好ましくは(T1−25)〜(T1+5)℃、より好ましくは(T1−25)〜T1℃、さらに好ましくは(T1−20)〜T1℃に維持しながら添加することで、コア粒子表面に複合微粒子を均一に付着させることができる。尚、T1とは、コア粒子を構成する樹脂のガラス転移点及び複合微粒子を構成する樹脂のガラス転移点のうち、値の低い方のガラス転移点を意味する。
このようにして形成された複合微粒子付着コア粒子は、通常、複合微粒子が、コア粒子表面に凝集付着してなる構造を有するものであり、所謂カプセル構造を有すると考えられる。
本発明の好ましい態様として、コア粒子の体積中位粒径(D50)が2〜6μm、複合微粒子の体積中位粒径(D50)が120〜180nmである場合には、得られるトナー粒子の狭い粒度分布の達成および生産性の観点から、複合微粒子の添加速度は、コア粒子を構成する樹脂100重量部に対して、複合微粒子を構成する樹脂が0.01〜3重量部/分となるような速度が好ましく、より好ましくは0.01〜2重量部/分、更に好ましくは0.01〜1重量部/分となるような速度である。
複合微粒子の添加速度は、コア粒子の体積中位粒径(D50)と複合微粒子の体積中位粒径(D50)により異なり、前述の例と比較して、コア粒子と複合微粒子の粒径差が大きな場合は添加速度を遅くした方が好ましく、粒径差が小さい場合は添加速度を速くしてもよい。
さらに、工程(A)におけるコア粒子分散液中の固形濃度(コア粒子の量)と工程(B)の複合微粒子分散液中の固形濃度(複合微粒子量)が各々5重量%以内であれば、凝集性および生産性の観点から、コア粒子中の樹脂100重量部に対して、複合微粒子を構成する樹脂が、0.05〜2.0重量部/分となるような添加速度が好ましく、より好ましくは0.05〜1.5重量部/分、更に好ましくは0.01〜1.0重量部/分となるような速度である。
さらに、工程(B)においては、トナー粒子の粒径制御の観点から、複合微粒子を含む複合微粒子分散液を添加して、コア粒子に複合微粒子を付着させた後に、前述の界面活性剤を添加することが好ましく、下記式(1)で表わされるアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することがさらに好ましい。
R−O−(CH2CH2O)nSO3M (1)
(式中、Rはアルキル基を示し、nは0〜15の平均付加モル数を示し、Mは1価のカチオンを示す。)
式(1)において、Rで表わされるアルキル基としては、凝集粒子への吸着性およびトナーへの残留性の観点から、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数8〜18、更に好ましくは炭素数8〜15のものが挙げられ、具体的には、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。nは1〜15の平均付加モル数であるが、粒径制御の観点から、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の数である。Mは1価のカチオンであるが、粒径制御の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムであり、より好ましくはナトリウム、アンモニウムである。
また、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に制限はないが、凝集粒子への吸着性およびトナーへの残留性の観点から、式(2)
R−Ph−SO3M (2)
(式中、Rは直鎖のアルキル基を示し、Phはフェニル基、Mは1価のカチオンである。)
Rで表わされる直鎖のアルキル基は、式(1)のRのうち直鎖のものと同じであり、例えば、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基など挙げられ、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、これらの硫酸ナトリウム塩が好適に用いられる。
上記アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、又は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、1種で用いてもよいが、2種以上組み合わせて使用することもできる。
上記アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加量は、凝集停止性およびトナーへの残留性の観点から、複合微粒子付着コア粒子を構成する樹脂(すなわち、コア粒子を構成する樹脂及び複合微粒子を構成する樹脂の総量)100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜8重量部である。これらは、上記添加量であれば、いかなる形態で添加してもよいが、生産性の観点から、水溶液で添加することが好ましい。上記各塩は、一時に添加しても良いし、断続的あるいは連続的に添加してもよい。
工程(B)においては、高画質化の観点から、複合微粒子付着コア粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜10μmがより好ましく、3〜10μmが更に好ましい。
[工程(C)]
工程(C)は、工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子、好ましくはその分散液を加熱して合一粒子を得る工程であり、工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子のコア粒子と複合微粒子とを融着させ、合一粒子を得る工程である。コア粒子を乳化凝集法で調製する場合は、工程(C)は、複合微粒子付着コア粒子を加熱して工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子の、コア粒子としての凝集粒子を合一させると共に、複合微粒子を融着させて合一粒子を得る。
本発明においては、前記工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子を加熱して、コア粒子としての凝集粒子を合一させると共に、複合微粒子を、前記凝集粒子及び/又は該凝集粒子を合一させてなる合一粒子に融着させることが好ましい。すなわち、複合微粒子付着コア粒子は、工程(B)においては、コア粒子としての凝集粒子中の樹脂粒子同士、複合微粒子付着コア粒子中の複合微粒子同士、及び、複合微粒子付着コア粒子中のコア粒子と複合微粒子とが電気的に付着/接触している状態であったものが、工程(C)により、コア粒子としての凝集粒子が一体となり合一されると共に、複合微粒子同士が、又はコア粒子としての凝集粒子及び/又は合一粒子の表面に複合微粒子が融着されて一体となり、合一粒子となったものである。
このときの加熱温度は、目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び荷電制御剤付着凝集粒子の融着性の観点から、複合微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上、軟化点+20℃以下が好ましく、より好ましくはガラス転移点+5℃以上、軟化点+15℃以下であり、さらに好ましくはガラス転移点+10℃以上、軟化点+10℃以下である。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度が好ましい。
なお、上述の説明は、上記合一が単一の複合微粒子粒子内において生じる場合を述べたものであり、そのような合一が複合微粒子付着コア粒子同士の間で起こる場合を述べたものではない。
得られた合一粒子は、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子となる。ここで、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、洗浄工程においてトナー表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
高画質化の観点から、合一粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜8μmが更に好ましい。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナーは、工程(A)、工程(B)及び工程(C)を有する前記製造方法により得られるものであり、高精細、高画質に適した小粒径で、高精度の粒径制御が可能であり、かつ粒度分布が狭く、帯電特性及び定着性に優れたものである。すなわち(A)水系媒体中で、樹脂を含有する、体積中位粒径(D50)が1〜10μmのコア粒子、好ましくは、樹脂粒子を含む分散液中の樹脂粒子を凝集させて得られる凝集粒子を得る工程、(B)工程(A)で得られたコア粒子、好ましくはその分散液に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子、好ましくはその分散液を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子、好ましくはその分散液を得る工程、及び(C)工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子、好ましくはその分散液を加熱して合一粒子を得る工程、を有する製造方法、により得られるトナーである。上記、工程(A)、工程(B)及び工程(C)の各工程については、前述の通りである。
トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。また、ガラス転移点は、耐久性の観点から、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。なお、軟化点及びガラス転移点の測定方法は、樹脂におけるこれらの測定方法に準ずる。
トナー中に含まれる着色剤の含有量は、樹脂粒子を構成する樹脂及び樹脂微粒子を構成する樹脂の総量100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
トナー中に含まれる荷電制御剤の全含有量は、コア粒子を構成する樹脂及び複合微粒子を構成する樹脂の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜7.5重量部がより好ましく、0.01〜5重量部が更に好ましい。
本発明のトナーは、前記製造方法で得られたトナー粒子をトナーとして使用してもよいし、外添剤として流動化剤等の助剤をトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。
高画質化の観点から、トナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜8μmが更に好ましい。また、前述の凝集粒子、合一粒子及びトナー粒子のCV値は、いずれも30以下が好ましく、より好ましくは27以下である。本発明のトナーは、上記粒径及びCV値を有することが好ましい。ここで、トナー粒子の粒径及び粒度分布は、後述の方法で測定することができる。本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下に、実施例等を挙げて本発明を更に具体的に示すが、本発明の実体は、以下の実施例等には限定されない。
以下の実施例等においては、各性状値は次の方法により測定、評価した。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
[樹脂及びトナーの軟化点及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で−10℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。なお、ガラス転移点は、樹脂の非晶質部分に特有の物性であり、一般には非晶質ポリエステルで観測されるが、結晶性ポリエステルでも非晶質部分が存在する場合には観測されることがある。
[樹脂の数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、樹脂をクロロホルムに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業(株)製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定
下記装置を用いて、クロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[樹脂粒子、荷電制御剤微粒子、ポリエステルを含む樹脂を含有する樹脂微粒子、荷電制御剤を含有するポリエステルを含む樹脂を含有する複合微粒子、及び離型剤微粒子の粒径及び粒度分布]
(1)測定装置:レーザー散乱型粒径測定機(堀場製作所製、LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)、体積平均粒径(D4)を測定する。粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積平均粒径(D4)×100)で示す。
[乳化液の固形濃度]
赤外線水分計(株式会社ケツト科学研究所:FD−230)を用いて、乳化液5gを乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて、ウェットベースの水分%を測定する。固形分は下記の式に従って算出した。
固形分(%)=100−M
M:ウェットベース水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
[コア(凝集)粒子、複合微粒子付着コア粒子、合一粒子、及びトナーの粒径及び粒度分布]
・測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプバージョン1.19(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%濃度となるように前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
・粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)で示す。
製造例1(ポリエステルAの製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8,320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1,592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32g窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)下230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下で反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステルAの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/g、数平均分子量は3,760であった。
製造例2(ポリエステルBの製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1750g、ポリオキシエチレン(2.0)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1625g、テレフタル酸1145g、ドデセニルコハク酸無水物161g、トリメリット酸無水物480g及び2−エチルヘキサン酸スズ26gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステルBの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は21mgKOH/g、数平均分子量は3,394であった。
製造例3(マスターバッチAの製造)
製造例1で得たポリエステルAの微粉末70重量部及び大日精化製銅フタロシアニンのスラリー顔料(ECB−301:固形分46.2重量%)を顔料分30重量部になるようにヘンシェルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗砕して青色顔料を30重量%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗砕品(マスターバッチA)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は全て微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
製造例4(マスターバッチBの製造)
ポリエステルAの微粉末100重量部、荷電制御剤ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)10重量部をヘンシェルミキサーを用いて1500r/mの攪拌回転数で1分間混合した後、二軸型連続混練機「PCM−30」(池貝社製)を用いてフィード量10kg/min、200r/m、混練温度100℃で溶融混練し、得られた混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗砕してマスターバッチBを得た。
製造例5(樹脂粒子分散液Aの製造)
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A 800g、ポリエステル樹脂B 525g、マスターバッチA 250g(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びマスターバッチAに用いた樹脂を前記配合割合で混合溶融した樹脂の軟化点は114℃、ガラス転移点は64℃であった)、及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックス G−15(花王社製)」[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)]100g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」[ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)]15g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液689gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を95℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を15g/minで滴下し、合計2845gを添加した。また、脱イオン水を滴下する間、系内の温度は95℃に保持した。冷却後、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂粒子を分散させた分散液Aを得た。得られた樹脂粒子分散液A中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は0.15μm、固形分濃度は31重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
製造例6(樹脂粒子分散液Bの製造)
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステルA 299g、ポリエステルB 210g、マスターバッチA 130g(ポリエステルA、ポリエステルB及びマスターバッチAに用いた樹脂を前記配合割合で混合溶融した樹脂の軟化点は114℃、ガラス転移点は64℃であった)、及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックス G−15(花王社製)」[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)]40g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」ポリ[オキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)]6g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液274gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を95℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6g/minで滴下し、合計1135gを添加した。また、脱イオン水を滴下する間、系内の温度は95℃に保持した。冷却後、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂粒子を分散させた分散液Bを得た。得られた樹脂粒子分散液B中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は0.15μm、固形分濃度は32重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
製造例7(複合微粒子分散液Cの製造)
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステルA 725g、ポリエステルB 525g、マスターバッチA 250g、マスターバッチB 82.5g(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、マスターバッチA及びマスターバッチBに用いた樹脂を前記配合割合で混合溶融した樹脂の軟化点は114℃、ガラス転移点は64℃であった)及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックス G−15(花王社製)」[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)]100g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」[ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)]15g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液689gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を95℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を15g/minで滴下し、合計2845gを添加した。また、脱イオン水を滴下する間、系内の温度は95℃に保持した。冷却後、150メッシュ(目開
き:105μm)の金網を通して、分散液Cを得た。得られた複合微粒子分散液B中の複合微粒子の体積中位粒径(D50)は0.18μm、固形分濃度は32重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
製造例8(複合微粒子分散液Dの製造)
5リットル容のステンレス釜で、ポリエステルA 330g、ポリエステルB 210g、マスターバッチB 66g(ポリエステルA、ポリエステルB及びマスターバッチBに用いた樹脂を前記配合割合で混合溶融した樹脂の軟化点は114℃、ガラス転移点は64℃であった)、及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックス G−15(花王社製)」[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:15重量%)]40g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」[ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)]6g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液279gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を95℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6g/minで滴下し、合計1135gを添加した。また、脱イオン水を滴下する間、系内の温度は95℃に保持した。冷却後、150メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、複合微粒子分散液Dを得た。得られた複合微粒子分散液D中の複合微粒子の体積中位粒径(D50)は0.16μm、固形分濃度は31重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
製造例9(帯電制御剤微粒子分散液Eの製造)
2リットル容のビーカーに帯電制御剤「E−84(オリエント工業社製)」の水スラリー品(固形分33.4重量%)331gに、脱イオン水273gを投入し、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、5000rpmで5分間混合した。この混合液をマイクロフルタイザーM−140K(マイクロフルイデックス社製)を用いて、150MPaで10分間分散し、帯電制御剤分散液Eを得た。得られた分散液E中の帯電制御剤微粒子の体積中位粒径(D50)は0.46μm、CV値は53であり、固形分濃度は25.5重量%であった。
製造例10(離型剤微粒子分散液Fの製造)
1リットル容のビーカーで、脱イオン水400gにアルケニルコハク酸ジカリウム水溶液「ラテムルASK(花王(株)社製)、有効濃度28%」3.57gを溶解させた後、カルナウバロウワックス(加藤洋行社製、融点85℃)100gを分散させた。この分散液を90〜95℃に温度を保持しながら、Ultrasonic Homogenizer600W (日本精機社製)で30分間分散処理を行い、分散液Fを得た。得られた分散液F中の離型剤微粒子の体積中位粒径(D50)は0.47μm、CV値は26、固形分濃度は22重量%であった。
実施例1(シアントナー1の製造)
[工程(A):樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集させ、コア(凝集)粒子を得る工程]
樹脂粒子分散液B 200g、離型剤微粒子分散液F 15g、脱イオン水55gを脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した2リットル容四つ口フラスコに入れ、室温下混合した。次に、カイ型の攪拌機で攪拌下、この混合物に硫酸アンモニウム(シグマアルドリッチジャパン社製 特級)14gを112gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温で10分かけて滴下した。その後、混合分散液を54℃まで昇温し凝集粒子を形成させ、54℃で3時間保持した。得られたコア(凝集)粒子の体積中位粒径(D50)は3.8μmであり、固形分濃度は17重量%であった。
[工程(B):工程(A)で得られたコア(凝集)粒子に、複合微粒子を付着させて、複合微粒子付着コア粒子を得る工程]
工程(A)で得たコア(凝集)粒子に、複合微粒子分散液D 20gと脱イオン水6gを混合したものを25分間(1g/分;凝集粒子を構成する樹脂成分100重量部に対して、複合微粒子を構成する樹脂成分が0.4重量部/分)で滴下し、その後54℃で20分間保持した。この操作をさらに2回繰り返した後、分散液D 20gと脱イオン水6gを混合したもの、及び、硫酸アンモニウム1.4gを脱イオン水18gに溶解させた水溶液を別々に同時に25分間で滴下し、その後54℃で20分間保持した。この操作をさらに1回繰り返した後、ポリオキシエチレン(2モル)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム水溶液(固形分:28重量%)17gを脱イオン水150gで希釈した水溶液を添加して複合微粒子付着コア粒子(荷電制御剤付着凝集粒子)を形成した。この時、複合微粒子付着コア粒子の体積中位粒径(D50)は5.1μm、CV値は26であった。
[工程(C):工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子を加熱して合一粒子を得る工程]
工程(B)で複合微粒子付着コア粒子を形成した後、77℃まで昇温した。77℃で1時間保持した後、室温まで冷却した。この間で、トナー形状が複合微粒子付着コア粒子から合一粒子へ変化した。合一粒子の体積中位粒径(D50)は5.0μm、CV値は27であった。
合一粒子を含有した分散液を、吸引ろ過工程、洗浄工程及び乾燥工程を経てトナー粒子を得た。このトナー粒子100重量部に対して、1.0重量部の疎水性シリカ(キャボット社製、キャボシールTS720)をヘンシェルミキサーを用いて外添し、シアントナー1とした。シアントナー1の体積中位粒径(D50)は4.8μm、CV値は26であった。
実施例2(シアントナー2の製造)
樹脂粒子分散液Bを樹脂粒子分散液Aに、複合微粒子分散液Dを複合微粒子分散液Cに変えた以外は、実施例1と同様にしてシアントナー2を調整した。シアントナー2の体積中位粒径(D50)は4.6μm、CV値は25であった。
実施例3(シアントナー3の製造)
工程(A)の樹脂粒子分散液Aを複合微粒子分散液Cに変えた以外は、実施例2と同様にしてシアントナー3を調整した。シアントナー3の体積中位粒径(D50)は4.6μm、CV値は24であった。
参考例1(シアントナー6の製造)
工程(B)の複合微粒子分散液Cを、樹脂粒子分散液A 20gと荷電制御剤微粒子分散液E 0.12gに変えた以外は、実施例2と同様にしてシアントナー6を調整した。シアントナー6の体積中位粒径(D50)は5.0μm、CV値は24であった。
比較例1(シアントナー4の製造)
工程(B)の複合微粒子分散液Cを樹脂粒子分散液Aに変えた以外は、実施例2と同様にしてシアントナー4を調整した。シアントナー4の体積中位粒径(D50)は5.2μm、CV値は23であった。
比較例2(シアントナー5の製造)
工程(B)の複合微粒子分散液Cを樹脂粒子分散液Aに変えた以外は、実施例3と同様にしてシアントナー5を調整した。シアントナー5の体積中位粒径(D50)は5.4μm、CV値は24であった。
実施例1〜3、参考例1及び比較例1〜2の各々において得られたコア(凝集)粒子、複合微粒子付着コア粒子、合一粒子及びトナーの粒径及びCV値を表1に示す。
また、得られた各トナーについて、下記のように印字評価を行った。結果を表1に示す。
[感光体カブリ]
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、標準の現像バイアスで未定着画像を印刷した。印刷後、感光体上のカブリをメンディングテープで採取し、ブランクの白色度との差(ΔE)を測定し、感光体カブリの程度を以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
4:0.5未満であり、実使用上特に良好である。
3:0.5以上0.7未満であり、実使用上良好である。
2:0.7以上1.0未満であり、実使用上問題はない。
1:1.0以上であり、実使用上使用不可である。
[紙面カブリ]
非磁性一成分現像装置「MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、標準の現像バイアスで定着画像を印刷した。印刷後、紙面上のカブリの程度を、ブランクの白色度との差(ΔE)を測定し、紙面上のカブリの程度を以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
4:0.3未満であり、実使用上特に良好である。
3:0.3以上0.5未満であり、実使用上良好である。
2:0.5以上0.7未満であり、実使用上問題はない。
1:0.7以上であり、実使用上使用不可である。
Figure 0005507628
以上の結果より、実施例のトナーはいずれも、感光体上及び紙面上のカブリが少ないため、高画質画像を実現できていることがわかる。これに対して、荷電制御剤が含有されていない比較例1や、工程(A)でのみ荷電制御剤を添加して得られた比較例2では、感光体上及び紙面上のカブリが多くなり、画質に問題があることがわかる。荷電制御剤がトナー表面近傍に存在しておらず、球状であるためにトナー自身の帯電発生部位がないために、トナーが十分帯電できないためと考えられる。
本発明の製造方法によれば、荷電制御剤をトナー表面に存在させることができる、小粒径でかつ粒度分布が狭い電子写真用トナーを製造しうることから、本発明のトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに使用される電子写真用トナーに好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. A)水の含有量が90重量%以上である水系媒体中樹脂が分散されてなる、樹脂粒子を含む分散液において、前記分散液中の樹脂粒子を凝集させることにより、体積中位粒径(D50)が1〜10μmのコア粒子を得る工程
    (B)工程(A)で得られたコア粒子に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子を得る工程、及び
    (C)工程(B)で得られた複合微粒子付着コア粒子を加熱して合一粒子を得る工程
    を有する電子写真用トナーの製造方法であって、
    前記複合微粒子が、前記荷電制御剤を予め前記ポリエステルを含む樹脂と溶融混練して得られた混練物を、水系媒体中に乳化することにより調製されるものであり、
    工程(B)が、工程(A)で得られたコア粒子を含有するコア粒子分散液の温度を(T1−25)〜T1℃(ただし、T1は、コア粒子を構成する樹脂のガラス転移点及び複合微粒子を構成する樹脂のガラス転移点のうち、値の低い方のガラス転移点を意味する)に維持しながら、前記コア粒子分散液に、前記複合微粒子を添加して付着させ、複合微粒子付着コア粒子を得る工程である、電子写真用トナーの製造方法。
  2. 前記複合微粒子が、前記荷電制御剤を予め前記ポリエステルを含む樹脂と溶融混練して得られた混練物と、ポリエステルを、水系媒体中に乳化することにより調製されるものである、請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 工程(B)が、工程(A)で得られたコア粒子を含有するコア粒子分散液に、ポリエステルを含む樹脂及び荷電制御剤を含有する複合微粒子を含有する複合微粒子分散液を添加して、複合微粒子付着コア粒子を含有する複合微粒子付着コア粒子分散液を得る工程である、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 複合微粒子の体積中位粒径(D50)が0.05〜2μmである、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 複合微粒子中の荷電制御剤の含有量が、複合微粒子中の樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部である、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 複合微粒子を構成する樹脂の量が、コア粒子を構成する樹脂100重量部に対して5〜100重量部である、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 工程(C)において、加熱を、複合微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上、軟化点+20℃以下で行う、請求項1〜のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法で得られる電子写真用トナー。
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