JP5414864B1 - ワイヤカット放電加工装置の加工電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り量が多い加工工程で加工速度を低下させずに加工面粗さを小さくすることが望まれている。
【解決手段】放電回路1は、主電源回路1Aと補助電源回路1Bを有する。主電源回路1Aは、可能な限り抵抗とインダクタンスが小さくされる。放電回路1は、直流電源11と、加工間隙10と直流電源11との間に直列に設けられるスイッチング素子12と、放電発生検出信号を出力する電圧検出器2と、放電電流が所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号を出力する電流検出器3と、スイッチング素子12を制御するパルス発生装置4を含んでなる。パルス発生装置4は、放電が発生した後にスイッチング素子12を高周波の所定の繰返し周波数でオンオフし、電流検出信号に基づいて十分な電流値の放電電流が流れなくなったと判断されるときにスイッチング素子12をオフする。
【選択図】図1

Description

本発明は、工具電極と被加工物との間に形成される加工間隙に間歇的に放電電流を供給する加工電源装置に関する。特に、本発明は、荒加工工程から中加工工程において加工面粗さをより小さくすることができるワイヤカット放電加工装置の加工電源装置に関する。
加工電源装置の放電回路は、加工間隙に繰返し放電電流パルスを供給する方式によって、蓄勢式と非蓄勢式に分けることができる。蓄勢式の放電回路は、加工間隙に並列に接続されているコンデンサの充放電によって加工間隙に間歇的に放電電流を供給する。非蓄勢式の放電回路は、基本的にスイッチング素子のオンオフによって加工間隙に間歇的に放電電流を供給する。
蓄勢式の放電回路は、立上がりが比較的急峻な波形の放電電流パルスを供給することができる。しかしながら、蓄勢式の放電回路は、放電電流パルスの供給がコンデンサの充放電に依存する。そのため、放電電流パルスの時間幅とピーク電流値がばらついて放電電流パルスの波形が不揃いになり、加工面粗さが不均一である。また、比較的長い休止時間を要するとともに、立上がり時間の短縮に限界があるので、加工速度を向上させることが難しい。
一方、非蓄勢式の放電回路は、放電電流パルスの供給がスイッチング素子のオンオフ時間に依存するので、放電痕の大きさの差がより小さく、加工面粗さのばらつきがより小さい。特に、放電が発生してから予め決められた所定時間後にスイッチング素子をオフすることによって時間幅とピーク電流値が同じ放電電流パルスを一定の休止時間の間隔で供給することができるので、放電毎に波形が揃った放電電流パルスを連続して供給することができる(以下、オンクランプ方式と称する)。
しかしながら、オンクランプ方式の放電回路では、放電の発生を検出してからスイッチング素子をオフするまでに要する時間よりも短い繰返し周波数で放電電流パルスを供給することができず、加工速度の向上に限界がある。ただし、非蓄勢式の放電回路は、蓄勢式の放電回路のように放電電流パルスの持続時間がコンデンサの放電時間に依存しないので、放電電流パルスの時間幅を相応に長くすることによって、波形が揃った大きな電流密度の放電電流パルスを供給することができる。
したがって、非蓄勢式の放電回路では、時間幅の比較的長い放電電流パルスを供給することによって放電エネルギを大きくし、放電一発毎の取り量を多くして加工速度を向上させることができる。このとき、放電一発毎の放電エネルギが大きくなるほど放電痕が大きくなるので、加工面粗さが荒くなる。そこで、一般的には、荒加工工程から、中加工工程、中仕上げ加工工程、仕上げ加工工程を経て、最終仕上げ加工工程に至るまで複数の加工工程で加工面粗さが段階的におおよそ半減していくように加工するようにされている。
当然のことではあるが、目標となる所望の加工面粗さを得るまでの加工工程数が少ないほど、加工時間が短くなる。したがって、荒加工工程から中加工工程において加工時間を余計に要することなく、加工面粗さをより小さくすることができるなら、加工工程数を大幅に減らすことが期待できる。特に、ワイヤ電極を工具電極とするワイヤカットでは、繰返し周波数が1MHz以上の高周波で放電を発生させて加工すると、より微細な放電痕を得ることができ、加工面粗さを向上させることができることが知られている。
しかしながら、実質的に最大の加工速度で加工できるように相当高いピーク電流値の放電電流パルスが要求される荒加工工程においては、オンクランプ方式によって1MHz以上の高周波で放電を発生させることが極めて困難である。そこで、高周波交流電圧を供給することによって高周波で放電を発生させ、より微細な放電痕を得るようにする加工方法が利用されている(特許文献1参照)。
国際公開2002−58874号公報
高周波交流電圧を供給して加工する場合、加工間隙に電圧を印加してから放電が発生するまでの避けることができない不特定の遅れ時間(以下、放電待機時間という)を無視して交流が連続して供給されるため、放電痕は微細になるが、加工面粗さは不均一になる。荒加工工程から中加工工程における加工面粗さのばらつきは、オンクランプ方式で仕上げ加工工程を行なうことによって取り除くことができる。しかしながら、荒加工工程から中加工工程において高周波交流電圧を供給して加工すると、交流パルス間に休止時間が殆どないことから加工が不安定であり、加工速度が低下する。
また、加工工程に関わらず、休止時間が殆どない状態で交流を供給し続けると、加工に寄与しない無負荷放電あるいは不良放電が頻発するようになる。加工に寄与しない放電の数が多いほど加工効率が低下するので、一定の周期毎に途中で高周波交流電圧の印加を一定期間停止する十分な休止時間を設ける必要がある。休止時間が長くなるほど加工速度が低下するが、供給される放電電流の放電エネルギが大きいほどより長い休止時間が要求されるので、高周波交流電圧を供給して加工する方法は、取り量の多い荒加工工程から中加工工程には不適である。
本発明は、上記課題に鑑みて、荒加工工程から中加工工程のような取り量が比較的多い加工工程において、加工速度を低下させることなく、加工面粗さをより小さくすることができる新規な加工電源装置を提供することを主たる目的とする。本発明のワイヤカット放電加工装置で得ることができる利益は、具体的な実施の形態の説明において詳しく示される。
本発明の加工電源装置は、上記課題を解決するために、可能な限り抵抗とインダクタンスが小さくされた主電源回路(1A)とその主電源回路(1A)に並列に接続された補助電源回路(1B)とを有する放電回路(1)を含んでなる加工電源装置において、主電源回路(1A)と補助電源回路(1B)のそれぞれにおいて加工間隙(10)に直列に設けられる直流電源(11、21)と、主電源回路(1A)と補助電源回路(1B)のそれぞれにおいて加工間隙(10)と直流電源(11、21)との間に直列に設けられる1以上のスイッチング素子(12、22)と、加工間隙(10)に放電が発生したことを示す放電発生検出信号(St)を出力する電圧検出器(2)と、放電電流が所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号(Si)を出力する電流検出器(3)と、補助電源回路(1B)のスイッチング素子(2)をオンして加工間隙(10)に補助電源回路(1B)の直流電源(1)の電圧を印加し放電発生信号(St)を入力してから前記主電源回路(1A)のスイッチング素子(12)を設定された放電周波数(Mo)に従って高周波の所定の周波数で繰返しオンオフして繰返し所定のパルス幅の単位放電電流パルスを供給するとともに加工間隙(10)に主電源回路(1A)から供給される放電電流が流れ始めてから予め設定されたピーク電流値まで立ち上がるまでの所定時間後に補助電源回路(1B)のスイッチング素子(22)をオフし電流検出信号(Si)に基づいて加工間隙(10)に十分な電流値の放電電流が流れなくなったと判断されるときに主電源回路(1A)のスイッチング素子(12)をオフするように制御するパルス発生装置(4)と、を備えるようにする。
上記加工電源装置は、好ましくは、補助電源回路(1B)が電流制限抵抗(23)を含むようにされる。
また、上記加工電源装置は、好ましくは、電流検出器(2)が、所定の電流値以上の放電電流が流れなくなったことを示す第1の電流検出信号(Sr)と放電電流が設定された加工条件のピーク電流値以下であることを示す第2の電流検出信号(Si)とに分けて電流検出信号を出力するようにされる。
放電が発生してから放電電流が流れなくなるまでの間、設定された放電周波数に従って高周波の所定の周波数でスイッチング素子を高速にオンオフさせるので、加工工程で要求される取り量に対して放電エネルギが相当小さい放電電流パルスが周波数に依存して多数供給される。そのため、放電痕を小さくでき、相対的に放電痕の大きさの差もより小さくなるので、加工面粗さを向上させることができる。
一方、比較的長い期間で見ると、見掛け上、時間幅の長い大きな放電電流パルスを供給しているとみなすことができる。そのため、加工工程全体で平均加工電流が小さくならず、加工速度が低下しない。また、放電電流が流れなくなったときから必要十分な一定の休止時間を設けるので、加工が安定して加工効率が低下せず、同時に不必要に休止時間を取らないので、加工速度が向上する。
したがって、本発明のワイヤカット放電加工装置によると、荒加工工程から中加工工程までの取り量が比較的多い加工工程において、加工速度を低下させることなく、加工面粗さを小さくすることができる。その結果、加工工程数を減らすことができ、加工時間を短縮できる効果を奏する。
本発明の加工電源装置を示すブロック図である。 本発明の加工電源装置において加工間隙の極間電圧の波形と加工間隙に供給される放電電流の波形を示すタイミングチャートである。 本発明の加工電源装置において加工間隙における極間電圧と放電電流の波形である。
図1に示されるワイヤカット放電加工装置の加工電源装置は、ワイヤカットの荒加工工程から中加工工程に適する。加工電源装置は、放電回路1と、電圧検出器2と、電流検出器3と、パルス発生装置4と、を含んでなる。放電回路1は、ワイヤ電極5と被加工物6との間に形成される加工間隙10を含む。加工間隙10は、直流電源11を含む加工電源装置の本体(電源側)から離れてワイヤカット放電加工装置の本機(機械側)に設けられる。
放電回路1は、可能な限り抵抗とインダクタンスが小さくされている。実施の形態の加工電源装置の放電回路1は、電流制限抵抗を含まず可能な限り抵抗が小さくされた主電源回路1Aと電流制限抵抗を含む補助電源回路1Bとを有する。補助電源回路1Bは、加工間隙10に放電を誘起するための電圧を印加する。主電源回路1Aは、加工間隙10に放電が発生して放電電流が流れ始めたときに加工のための主たる放電電流を供給する。補助電源回路1Bは、設計上設けられているので、主電源回路1Aが補助電源回路1Bの機能を含む場合は、主電源回路1Aは放電回路1と同じである。
主電源回路1Aは、加工間隙10に直列に設けられる可変の直流電源11と、加工間隙10と直流電源11との間に直列に設けられる1以上のスイッチング素子12と、加工間隙10に並列に接続される検出抵抗13と、加工間隙10とスイッチング素子12との間に直列に設けられる検出抵抗14と、加工間隙10とスイッチング素子12との間で直流電源11を含む加工電源装置の本体(電源側)と加工間隙10を含むワイヤカット放電加工装置の本機(機械側)とを接続する低インダクタンス線15と、検出抵抗14と低インダクタンス線15との間に直列に挿設される逆流阻止ダイオード16と、を含んでなる。
実施の形態の主電源回路1Aの直流電源11は、15V〜450Vの直流電圧を出力する。スイッチング素子12は、立上がりの性能と耐圧性能に優れるタイプの電解効果トランジスタ(MOSFET)である。低インダクタンス線15は、同軸ケーブルである。逆流阻止ダイオード16は、加工間隙10に発生する逆起電圧に因る逆流電流が直流電源11に還流することを防ぐ。
主電源回路1A(放電回路1)は、加工間隙10における抵抗と小さい抵抗値の検出抵抗14を除いて直流電源11に直列に電流を制限する抵抗器または抵抗素子を有していない。したがって、主電源回路1は、実質的な抵抗要素を含まず、可能な限り抵抗が小さくされている。そのため、主電源回路1Aでは、直流電源11の出力電圧に対する電流の損失が低減され、より高いピーク電流値の放電電流パルスを得ることができる。その結果、主電源回路1Aでは、高周波の放電電流パルスを供給することができる。
また、主電源回路1A(放電回路1)は、コイルまたはインダクタンス素子を有していない。また、主電源回路1Aは、低インダクタンス15を設けて線間インダクタンスを小さくしている。したがって、放電回路1は、実質的に最低限のインダクタンス成分を有し、可能な限りインダクタンスが小さくされている。そのため、主電源回路1Aでは、より急峻な立上がりの放電電流パルスを得ることができる。その結果、主電源回路1Aでは、高周波の放電電流パルスを供給することができる。
補助電源回路1Bは、加工間隙10に直列かつ主電源回路1Aの直流電源11に並列に設けられる直流電源21と、加工間隙10と直流電源21との間に直列に設けられる1以上のスイッチング素子22と、加工間隙10と直流電源21との間でスイッチング素子22に直列に設けられる電流制限抵抗23と、直流電源21に直列に設けられる逆流阻止ダイオード24と、直流電源21とスイッチング素子22との間に設けられるスイッチング素子のブリッジ回路でなる極性切換回路25と、を含んでなる。
実施の形態の補助電源回路1Bの直流電源21は、80Vの直流電圧を出力する。スイッチング素子22は、スイッチング素子12と基本的に同じ構成である。電流制限抵抗23は、加工間隙10に放電が発生した直後に流れる放電電流が途中で途切れることがない範囲で電流値を十分に小さくする相応の抵抗値を有する。逆流阻止ダイオード24は、突発電流が直流電源21を含む補助電源回路1Bに還流することを防ぐ。極性切換回路25は、直流電源21から出力される直流電圧の極性を選択的に切り換える。
電圧検出器2は、検出抵抗13とデジタルコンパレータ2Aとを含んでなる。電圧検出器2は、加工間隙10の極間電圧が基準電圧以下になったときに加工間隙10に放電が発生したことを示す放電発生検出信号を出力する。具体的に、電圧検出器2は、検出抵抗13にかかる電圧を取得してデジタルコンパレータ2Aの入力端子Aに入力し、基準電圧を入力端子Bに入力する。デジタルコンパレータ2Aは、入力端子Aに入力される極間電圧が入力端子Bに入力される基準電圧のデータと一致したときに信号電圧を出力する。
基準電圧は、放電が発生したときに加工間隙10に補助電源回路1Bから供給される電流が流れ始めて極間電圧が降下したことが最小の遅延時間で確実に検出できる適切な値に設定される。例えば、直流電源21の電圧が90Vのとき、基準電圧は87Vにされる。デジタルコンパレータ2Aの基準電圧のデータは、制御装置100によって書き換えることができる。デジタルコンパレータ2Aは、出力した信号電圧によってリセットされる。
電流検出器3は、検出抵抗14と差動増幅器3Aとを含んでなる。電流検出器3は、放電電流が所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号を出力する。実施の形態の電流検出器3は、所定の電流値以上の放電電流が流れなくなったことを示す第1の電流検出信号と放電電流が設定された加工条件のピーク電流値以下であることを示す第2の電流検出信号とに分けて電流検出信号を出力するようにされている。
差動増幅器3Aは、一方の入力端子に検出抵抗14の両端にかかる電圧を入力し、他方の入力端子に基準電圧を入力する。差動増幅器3Aは、検出抵抗14の両端の電圧が基準電圧を下回るときに信号電圧を出力する。言い換えると、差動増幅器3Aは、主電源回路1Aを流れる電流が基準電圧に相当する基準電流以下であるときに信号電圧を出力している。したがって、差動増幅器3Aは、放電電流が所定の電流値以下であることを示す電流検出信号を出力する。基準電圧は、制御装置100から出力される切換信号によって変更される。
実施の形態の電流検出器3では、差動増幅器3Aの基準電圧は、予め設定された加工条件のピーク電流値(加工電流)に相当する電圧値に設定される。したがって、実施の形態の電流検出器3の差動増幅器3Aは、主電源回路1Aを流れる放電電流が設定された加工条件のピーク電流値以下であることを示す第2の電流検出信号を出力する。
電流検出器3は、ピークホールド回路3Bと、デジタルコンパレータ3Cと、を含んでなる。検出抵抗14の両端にかかる電圧は、ピークホールド回路3Bを通してデジタルコンパレータ3Cに出力される。デジタルコンパレータ3Cは、所定周期毎に検出抵抗14の両端にかかる電圧と比較電圧とを比較して信号電圧を出力する。言い換えると、デジタルコンパレータ3Cは、所定期間中に主放電回路1Aを流れる電流がセットされている比較電圧に相当する比較電流以上または以下であるときに信号電圧を出力する。したがって、デジタルコンパレータ3Cは、所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号を出力する。
具体的に、ピークホールド回路3Bは、所定周期毎に所定期間中の検出抵抗14の最大電圧を保持する。ピークホールド回路3Bは、所定周期毎に保持した最大電圧に基づいて電圧波形を矩形波に整形し、所定期間中の最大電圧を示す信号電圧に変換して出力する。したがって、ピークホールド回路3Bは、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器の機能を含んでいて、主電源回路1Aの電流変化に置換え可能なデジタル波形の電圧変化を出力する。
デジタルコンパレータ3Cは、入力端子Aにピークホールド回路3Bから出力される電圧変化を入力する。他方、入力端子Bに制御装置100から比較電圧を入力する。ここで、比較電圧は、所望の放電電流が流れているかどうかを判断することができる加工条件のピーク電流値よりも十分に低い予め設定された所定の判断基準値に相当する電圧値である。デジタルコンパレータ3Cは、加工間隙10に一定時間以上電圧が印加されない休止時間中にリセットされる。
実施の形態の電流検出器3におけるデジタルコンパレータ3Cは、ピークホールド回路3Bを通して取得される検出抵抗14の両端の電圧変化が比較電圧よりも低くなったたときに信号電圧を出力する。言い換えると、デジタルコンパレータ3Cは、主電源回路1Aを流れる電流が予め設定された所定の電流値以下であるときに信号電圧を出力している。したがって、デジタルコンパレータ3Cは、所定の電流値以上の放電電流が流れなくなったことを示す第1の電流検出信号を出力する。
パルス発生装置4は、制御装置100から入力する加工条件のデータをセットするデータセレクタのような図示しない設定回路と、設定回路から入力する加工条件のデータと電圧検出器2から入力する放電発生検出信号ないし電流検出器3から入力する電流検出信号とに基づいてスイッチング素子をオンオフ制御するゲート信号を出力する図示しない出力回路と、を有する。
パルス発生装置4は、主電源回路1Aのスイッチング素子12をオンして加工間隙10に直流電源11の直流電圧を印加し、加工間隙10に放電を発生させる。実施の形態の加工電源装置のように放電を誘起するための補助電源回路1Bが設けられているときは、パルス発生装置4は、補助電源回路1Bのスイッチング素子22をオンして加工間隙10に直流電源21の直流電圧を印加する。
パルス発生装置4は、放電が発生して電圧検出器2から放電発生信号を入力してからスイッチング素子12を予め設定された放電周波数に従って1MHz以上の高周波の所定の周波数で繰返しオンオフして高周波の放電電流パルスを供給する。以下の説明では、便宜上、本発明における高周波の放電電流パルスを特に単位放電電流という。
また、パルス発生装置4は、電流検出器3から出力される放電電流が所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号に基づいて加工間隙10に十分な電流値の放電電流が流れなくなったと判断されるときに主電源回路1Aのスイッチング素子12をオフする。実施の形態の加工電源装置のように電流検出器3が第1の電流検出信号と第2の検出信号とに分けて電流検出信号を出力しているときは、パルス発生装置4は、第1の電流検出信号に基づいて加工間隙10に十分な電流値の放電電流が流れなくなったと判断する。
放電回路1には、電流制限抵抗が設けられていないので、パルス発生装置4は、電流制限回路としてゲート回路4Aを含んでなる。パルス発生装置4は、ゲート回路4Aを通してゲート信号を出力して放電回路1のスイッチング素子をオンオフ制御する。実施の形態の加工電源装置の放電回路1は、主電源回路1Aと補助電源回路1Bを有するので、パルス発生装置4は、第1のゲート信号を主電源回路1Aのスイッチング素子12に供給し、第2のゲート信号を補助電源回路1Bのスイッチング素子22に供給する。
具体的に、ゲート回路4Aの複数のアンドゲートは、それぞれ、パルス発生装置から出力されてくる第1のゲート信号または第2のゲート信号と電流検出器3の差動増幅器3Aから出力されてくる電流検出信号(第2の電流検出信号)との論理和を出力する。第2の電流検出信号は、放電電流が設定された加工条件のピーク電流値以下であるときに出力されているので、主電源回路1Aの電流が設定されたピーク電流値を超えたときに第1のゲート信号と第2のゲート信号が出力されなくなる。
したがって、ゲート回路4Aは、常時、主電源回路1A(放電回路1)を流れる放電電流が設定された加工条件のピーク電流値を超えないように、主電源回路1Aのスイッチング素子12と補助電源回路1Bのスイッチング素子22をオンオフしている。結果的に、電流制限回路の機能を有するゲート回路4Aによって、主放電回路1Aから電流制限抵抗を除くことができる。
実施の形態のパルス発生装置4は、より具体的には、加工条件として設定されたオフ時間の終了後に第2のゲート信号を出力してスイッチング素子22をオンし、加工間隙10に補助電源回路1Bの直流電源21の電圧を印加して放電を発生させる。放電が発生して1発目の単位放電電流が設定されたピーク電流値まで立ち上がったときに、第2のゲート信号の出力を停止してスイッチング素子22をオフし、補助電源回路1Bを遮断する。
一方、パルス発生装置4は、放電が発生して電圧検出器2から放電発生検出信号を入力したら第1のゲート信号を出力してスイッチング素子12をオンして放電電流を供給する。そして、1発目の単位放電電流が設定されたピーク電流値まで立ち上がるころに第1のゲート信号の出力を停止する。1発目の単位放電電流パルス以降、パルス発生装置4は、電流検出器3の電流検出信号を入力して、加工間隙10に放電電流が減衰して流れなくなるまで予め設定された放電周波数に従う1MHz以上の高周波の所定のオンオフ繰返し周波数でスイッチング素子12を高速にオンオフさせる。
ところで、図3に示される実施の形態の加工電源装置から供給される放電電流パルスの波形は、荒加工工程において主電源回路1Aから供給される放電電流パルスの波形である。高周波の放電電流は、時間の経過とともに減衰するので、単位放電電流の振幅が徐々に小さくなっていく。特に、荒加工工程では、供給し得る最大のピーク電流値の放電電流を供給するため、長期間継続して設定されたピーク電流値の単位放電電流を得ることが難しい。
そこで、実施の形態の加工電源装置では、電流検出器3が第2の電流検出信号を出力する判断基準値を放電電流が途切れない程度に可能な限り低い値にして、放電が途切れて主電源回路1Aに電流が流れることができなくなるまで高周波の放電電流を供給するようにしている。このとき、単位放電電流毎の放電痕の大きさの差がより大きくなるので、加工面粗さは不均一である。しかしながら、放電痕の大きさが十分に小さいので、仕上げ加工工程以降の加工速度と加工面粗さに大きな差を生じさせない。そして、放電電流を供給し得る限り休止しないで供給し続けるので、加工速度が向上する利益がある。
第2の電流検出信号を出力する判断基準値をピーク電流値より低く中間値よりも高い値に設定したときは、単位放電電流毎の放電痕の大きさの差を比較的小さく抑えることができるので、加工面粗さをより向上させることができる。ただし、単位放電電流のピーク電流値が一時的に低下するということがあり得るので、放電が流れなくなったと判断するまでに数発程度の単位放電電流の持続時間相当の所定期間を設けることが望ましい。
第2の電流検出信号を出力する任意の判断基準値は、最終的に所望の加工面粗さを得るまでの総合の加工時間から決めることができる。特に、上記判断基準値は、被加工物の材質のように加工状態に比較的大きい影響を与えるいくつかの因子に基づいて変更されることが望ましい。
実施の形態の加工電源装置は、図1に示されるように、主電源回路1Aのスイッチング素子12を第1のスイッチング素子12Aと第2のスイッチング素子12Bとに分けて設けている。パルス発生装置4は、同じゲート信号を各スイッチング素子12に分配して出力する。そのため、スイッチング素子12がオフするときに、主電源回路1Aが加工間隙10から実質的に切り離されるので、放電電流の“キレ”を良くして立上がりと立下がりが急峻な高周波の放電電流を安定して連続して供給できる利点がある。
このとき、パルス発生装置4は、第1のスイッチング素子12Aと第2のスイッチング素子12Bに、独立して異なるゲート信号を供給することもできる。例えば、同じ繰返し周波数の第1のゲート信号を単位放電電流の持続時間(パルス幅)ずつ時間的にずらして第1のスイッチング素子12Aと第2のスイッチング素子12Bにそれぞれ供給するようにすると、1発の放電エネルギの大きさを制御することが可能になる。
以上に説明される実施の形態の加工電源装置は、放電が発生してから、荒加工工程ないし中加工工程で加工条件として設定される可能性のある高いピーク電流値で極端に短い持続時間の三角波の高周波の放電電流を集中して連続的に加工間隙に供給できる。そして、時間の経過とともに放電電流が減衰して放電電流が流れなくなった時点で直ちに放電電流の供給を中断し、必要十分な休止時間だけ放電電流の供給を休止するように動作する。
その結果、高周波で供給される単位放電電流は、それぞれのピーク電流値と持続時間の差が小さく、殆ど同じ三角波の波形を有する。そのため、全体的に放電痕の大きさが小さく、各放電痕どうしの大きさの差が比較的小さい。また、加工に寄与しない無負荷放電あるいは不良放電が供給されにくく、加工工程全体の加工時間に対する休止時間の割合を少なくすることができる。その結果、加工速度を低下させずに、加工面粗さを向上することができる。
以下に、図1に示される実施の形態の加工電源装置の動作を説明する。図2におけるMgateは第1のゲート信号の波形、Vgは加工間隙10の極間電圧の波形、Stは放電発生検出信号の波形、Agateは第2のゲート信号の波形、Isは加工間隙10の放電電流の波形である。
操作者は、予め任意の加工条件のデータを制御装置100に入力し設定する。加工条件のデータは、制御装置100の記憶装置に記憶される。記憶装置に記憶された加工条件のデータまたは加工条件に基づく切換信号は、加工をするときに、電圧検出器2と、電流検出器3と、パルス発生装置4にそれぞれ出力される。 実施の形態の加工電源装置の動作に必要な加工条件のデータは、具体的に、休止時間(オフ時間)Ofと、1MHz以上の高周波の放電の繰返し周波数(放電周波数)Moと、単位放電電流の持続時間(パルス幅)Maと、印加電圧(直流電源電圧)Voと、加工電流(ピーク電流値)Ipである。
制御装置100は、オフ時間Ofと、放電周波数Moと、パルス幅Maとの各加工条件のデータをパルス発生装置4に出力し、パルス発生装置4は、各加工条件のデータを設定回路にセットする。また、制御装置100は、印加電圧Voに基づく切換信号を可変の直流電源11に出力して直流電源電圧を印加電圧Voにするとともに、放電の発生を検出するための基準電圧Vrのデータを電圧検出器2のデジタルコンパレータ2Aに出力して入力端子Bにセットする。
同時に、制御装置100は、設定された加工条件のピーク電流値Ipを電圧に置き換えた基準電圧Vdに従う切換信号を電流検出器3の差動増幅器3Aの基準電圧入力側の可変抵抗に出力する。また、放電電流が流れているかどうかを判断する判断基準値に相当する比較電圧Irを電流検出器3のデジタルコンパレータ3に出力して入力端子Bにセットする。
パルス発生装置4は、加工中、設定回路に設定された加工条件のオフ時間Ofを計測する。設定されたオフ時間Of経過した時刻t1で、パルス発生装置4は、第2のゲート信号Agateを出力する。パルス発生装置4から出力された第2のゲート信号Agateは、ゲート回路4Aを通して補助電源回路1Bのスイッチング素子22のゲートに供給される。その結果、スイッチング素子22がオンして補助電源回路1Bの直流電源21から放電を誘起するための直流電圧が加工間隙10に印加される。
時刻t1の時点では、放電電流Isが放電回路1に流れていないので、電流検出器3の差動増幅器3Aから第1の電流検出信号Srと第2の電流検出信号Siが出力されていない。そして、時刻t1から不特定の放電待機時間Tw後の時刻t2で加工間隙10に放電が発生すると、加工間隙10に放電電流Isが流れ始めて極間電圧Vgが急激に降下する。このとき、補助電源回路1Bの電流制限抵抗23が十分に大きいので放電電流Isは徐々に増大する。
極間電圧Vgの降下に合わせて電圧検出器2の検出抵抗13の両端の電圧が降下して、極間電圧Vgが基準電圧Vr以下になる。そのため、デジタルコンパレータ2Aが信号電圧を出力して、その信号電圧でデジタルコンパレータ2Aの出力がリセットされる。その結果、電圧検出器2のデジタルコンパレータ2Aから短い時間幅の放電発生検出信号Stがパルス発生装置4に出力される。
パルス発生装置4は、電圧検出器2から放電発生検出信号Stを入力すると、時刻t2から少しの遅延時間後の時刻t3で第1のゲート信号Mgateを出力する。そして、主電源回路1Aのスイッチング素子12がオンして主電源回路1Aから大きい電流が加工間隙10に供給される。このとき、第2のゲート信号Agateが出力されたままであるので、主電源回路1の直流電源11の電圧が重畳され、放電電流Isが設定されたピーク電流値Ipまで急激に立ち上がる。
パルス発生装置4は、第1のゲート信号Mgateを出力してから予め設定されたパルス幅Maに従う所定時間後の時刻t4で第1のゲート信号Mgateと第2のゲート信号Agateの出力を停止する。そのため、時刻t4で主電源回路1Aのスイッチング素子12と補助電源回路1Bのスイッチング素子22が共に非導通になる。その結果、極間電圧Vgが急速に降下し、放電電流Isが設定されたピーク電流値Ipから急激に立ち下がって時刻t5で消弧する。
設定されたパルス幅Maの間に放電電流Isが設定されたピーク電流値Ipを超えて立ち上がるときは、電流検出器3の差動増幅器3Aから第2の電流検出信号Siが出力されなくなる。ゲート回路4Aに第2の電流検出信号Siが入力されなくなったときは、ゲート回路4Aから第1のゲート信号Mgateと第2のゲート信号Agateが共に出力されなくなるので、スイッチング素子12とスイッチング素子22が全てオフになって、放電電流Isが設定された加工条件のピーク電流値Ipを超えない。
もっとも、供給し得る最大の加工電流で加工する荒加工工程において、1MHz以上の高周波で単位放電電流を供給するときに、単位放電電流のパルス幅Maの間に放電電流Isが何回もピーク電流値Ipに到達することは稀であるので、図2の放電電流Isにおいて斜線で示される従来のパルス幅の長い放電電流パルスのような台形波は見られず、実際には、図3に示されるような鋭い三角波の放電電流パルスが連続して供給されている。
パルス発生装置4は、放電が発生してから1発目の単位放電電流を供給した以降は、設定された放電周波数Moとパルス幅Maに従ってスイッチング素子12が1MHz以上の高周波でオンオフを繰り返すように、第1のゲート信号Mgateを出力する。したがって、パルス発生装置4は、第1のゲート信号Mgateの出力を停止してから放電周波数Moとパルス幅Maで決まる休止幅τoff後の時刻t6に再び第1のゲート信号Mgateを出力する。
実施の形態の加工電源装置では、電流検出器3のデジタルコンパレータ3Cの比較電圧Ir、言い換えると、第2の電流検出信号Srの判断基準値は、放電電流が途切れない程度に可能な限り小さい最小値Iminに設定されている。そのため、実質的に、主電源回路1Aに電流が流れ続けている間は、設定された放電周波数Moに従って高周波の所定の周波数で第1のゲート信号Mgateが出力され、主電源回路1Aのスイッチング素子12が繰返し高速でオンオフされて、単位放電電流が供給される。
放電電流Isが時間の経過とともに減衰していき、遂に第2の電流検出信号の判断基準値Ir(Imin)を下回って放電電流Isが流れなくなった時刻t7で、パルス発生装置4は、第1のゲート信号Mgateの出力を停止して第1のスイッチング素子12をオフするとともに、設定された加工条件のオフ時間Ofの計測を開始する。そして、オフ時間Of経過後の時刻t8で再び第2のゲート信号Agateを出力して補助電源回路1Bのスイッチング素子22をオンする。
実施の形態の加工電源装置では、1発当たりの電流密度が小さい単位放電電流が1MHz以上の高周波で供給されるので、取り量の多い荒加工工程から中加工工程において放電痕を小さくすることができ、加工面粗さが向上する。また、放電痕を小さくすることによって、放電痕どうしの大きさの差が小さくなる。そのため、仕上げ加工工程で加工効率を下げることなく加工面粗さをより均一にすることができる。
一方で、放電待機時間Twを含む電圧供給期間ON中に、加工間隙10には、図2の極間電圧Vgにおいて斜線で示されるような従来の荒加工工程から中加工工程で供給される平均加工電圧Vmと差がない平均加工電圧が供給され、1MHz以上の放電周波数の放電電流は、極短い休止幅τoffの間隔で密集して供給される。放電電流Isが流れなくなるまで加工を継続し、放電電流Isが流れなくなったときに必要最低限度のオフ時間Ofだけ加工を休止させるので、加工が安定して無負荷放電あるいは不良放電の発生率が低いだけではなく、無駄に休止時間を設けていないので、加工効率が高く、加工速度が低下しない。
変形された加工電源装置では、放電周波数Moとパルス幅Maで決まる休止幅τoffに基づいて加工間隙10に十分な放電電流Isが流れているかどうかを判断するための「所定期間T」を設定する。変形された加工電源装置は、第2の電流検出信号Srを得るためのデジタルコンパレータ3Cの比較電圧Irで規定される比較基準値Irを設定されたピーク電流値Ipの中間値よりも大きい値に設定したときに有効である。
比較基準値が設定し得る最小値Iminに設定されている場合は、比較基準値を下回る単位放電電流が供給された後に再び大きなピーク電流値の単位放電電流が流れる可能性が極めて低い。しかしながら、比較基準値が比較的大きい値であるときは、例えば、図2の放電電流Isにおいて網掛で示される単位放電電流Wvのように、仮に判断基準値を下回る単位放電電流が供給されたとしても、次に十分に大きいピーク電流値の単位放電電流が得られる可能性がある。
そこで、所定期間Tの間で十分に大きい電流値の放電電流Isが継続して得ることができるかどうかを判断することができるようにする。所定期間Tを設けて加工間隙10に十分に大きい電流値の放電電流Isが流れているかどうかを判断することによって、可能な限り不必要に比較的長いオフ時間Ofを取らないようにすることができるので、加工速度の低下を抑えることができる。所定期間Tは、1発から十数発の単位放電電流が供給される程度の長さである。
他の変形された加工電源装置では、放電電流Isがデジタルコンパレータ3Cの比較電圧Irで規定される比較基準値を下回ったときに、放電電流の供給を中断しないで、一時的に電圧値が高く時間幅が短い電圧パルスを供給するように変更し、設定されたパルス幅Maよりも短いパルス幅Mbの単位放電電流を供給するようにする。この変形された加工電源装置は、特に無負荷放電が頻発するような加工に有効である。
例えば、図2に示されるように、時刻t9で無負荷放電が発生するようなときには、単位放電電流のエネルギを可能な限り変えないように、時刻t10で比較的電圧が高くパルス幅が短い電圧パルスを加工間隙10に供給することによって正常な放電を誘引し、次に正常な単位放電電流が供給される可能性が高くなる。そして、次の単位放電電流を供給する時刻t11で設定どおりの単位放電電流を供給するようにする。その結果、無負荷放電が頻発するときに、不必要に長いオフ時間Ofをとることを避けることができ、加工速度の低下を抑えることができる。
図2の斜線で示される放電電流Isの波形は、オンクランプ方式の加工電源装置で荒加工工程において供給される比較的長いパルス幅の電流密度が大きい台形波の放電電流パルスの波形を示す。図2から明らかなように、本発明の加工電源装置によって供給される放電電流パルスは、小さい放電エネルギの単位放電電流の集合体であり、各単位放電電流パルスによる放電痕は小さくされる。一方で、休止幅τoffの期間中加工を休止しても、極間電圧Vgが持続するため、休止幅τoffは瞬間的である。その結果、不特定の加工期間中の平均加工電流は十分に大きい。
したがって、本発明の加工電源装置では、比較的加工条件のピーク電流値の値が大きい荒加工工程から中加工工程において、加工速度を犠牲にすることなく、加工面粗さを小さくすることができる。具体的には、例えば、加工速度3.5mm/minで目標の加工面粗さが18μmRzの従来のセカンドカットを同じピーク電流値で本発明の加工電源装置によって加工した結果、加工速度が4.5mm/minで8μmRzの加工面粗さを得ることができた。
以上に説明される実施の形態の加工電源装置は、すでにいくつかの具体的な例が示されているが、本発明の技術思想に反しない限りにおいて、実施の形態と同じ構成に限定されることなく、種々の変形が可能である。また、本発明の加工電源装置には、例えば、中仕上げ加工以降に有効な放電加工回路、あるいは被加工物が超硬合金のときに有益な高周波交流電源回路のような他の放電回路を組み合わせて設けることができる。
本発明は、金属加工に利用することができる。特に、本発明の加工電源装置は、ワイヤカットに有益である。本発明によると、比較的取り量の多い加工工程において加工速度を低下させることなく、加工面粗さを向上させることによって、加工時間を大幅に短縮することができ、金型あるいは部品の製造技術の発展に寄与する。
1 放電回路
1A 主電源回路
1B 補助電源回路
2 電圧検出器
2A デジタルコンパレータ
3 電流検出器
3A 差動増幅器
3B ピークホールド回路
3C デジタルコンパレータ
4 パルス発生装置
4A ゲート回路
5 ワイヤ電極
6 被加工物
10 加工間隙
11 直流電源
12 スイッチング素子
13 検出抵抗
14 検出抵抗
15 低インダクタンス線
16 逆流阻止ダイオード
21 直流電源
22 スイッチング素子
23 電流制限抵抗
24 逆流阻止ダイオード
25 極性切換回路

Claims (4)

  1. 可能な限り抵抗とインダクタンスが小さくされた主電源回路と前記主電源回路に並列に接続された補助電源回路とを有する放電回路を含んでなる加工電源装置において、前記主電源回路と前記補助電源回路のそれぞれにおいて加工間隙に直列に設けられる直流電源と、前記主電源回路と前記補助電源回路のそれぞれにおいて前記加工間隙と前記直流電源との間に直列に設けられる1以上のスイッチング素子と、前記加工間隙に放電が発生したことを示す放電発生検出信号を出力する電圧検出器と、放電電流が所定の電流値以上または以下であることを示す電流検出信号を出力する電流検出器と、前記補助電源回路の前記スイッチング素子をオンして前記加工間隙に前記補助電源回路の前記直流電源の電圧を印加し前記放電発生信号を入力してから前記主電源回路の前記スイッチング素子を設定された放電周波数に従って高周波の所定の周波数で繰返しオンオフして繰返し所定のパルス幅の単位放電電流パルスを供給するとともに前記加工間隙に前記主電源回路から供給される放電電流が流れ始めてから予め設定されたピーク電流値まで立ち上がるまでの所定時間後に前記補助電源回路の前記スイッチング素子をオフし前記電流検出信号に基づいて前記加工間隙に十分な電流値の放電電流が流れなくなったと判断されるときに前記主電源回路の前記スイッチング素子をオフするように制御するパルス発生装置と、を備えたワイヤカット放電加工装置の加工電源装置。
  2. 前記補助電源回路が電流制限抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置の加工電源装置。
  3. 前記電流検出器は、所定の電流値以上の放電電流が流れなくなったことを示す第1の電流検出信号と放電電流が設定された加工条件のピーク電流値以下であることを示す第2の電流検出信号とに分けて前記電流検出信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工装置の加工電源装置。
  4. 前記第1の電流検出信号の判断基準値は、放電電流が途切れない程度に可能な限り小さい値に設定されることを特徴とする請求項3に記載のワイヤカット放電加工装置の加工電源装置。
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