JP5349375B2 - 放電加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放電加工装置に関し、特に細穴放電加工において安定に貫通加工を行う放電加工装置に関するものである。
加工用電極と被加工物との加工間隙に所定のタイミングでオン/オフするパルス列を所定の休止時間毎に断続させて電力を供給することにより放電加工する放電加工装置として、コンデンサの充放電を利用した放電加工装置が知られている。
加工用電極としてパイプ電極を用いて、パイプ電極の先端から加工液を流しながら被加工物を加工する細穴放電加工においては、パイプ電極が被加工物を貫通した時点から加工穴中に加工液が満たされなくなり、加工屑の排出が適切に行われないため、加工用電極と被加工物との短絡が頻発するなどの加工不安定状態になりやすい。
このような細穴放電加工において、加工用電極と被加工物が短絡した場合に流れる短絡電流は、パイプ電極の消耗量を増やしたり加工を不安定にしたり、また短絡が長く続くと微細なパイプ電極を赤熱または熱損させたりする虞がある。これらの問題点を解決する技術として、下記特許文献1などが存在する。
特許文献1に示された技術では、加工用電極と被加工物との短絡が発生したときに、パルスの発生を停止させ、短絡電流が流れるのを最低限に抑える技術が開示されている。
国際公開第2006/046630号
しかしながら、特許文献1に示された技術では、加工用電極と被加工物とが短絡した場合に、短絡の解消のため、加工送りを後退あるいは停滞させる必要がある。このため、被加工物を貫通した時点から頻発する短絡の発生を短時間で解消することができず、被加工物の加工が完了するまでに時間がかかる、という問題があった。
また、細穴放電加工中は、加工用電極の底面のみでなく、加工用電極の側面でも放電が発生するため、加工深さが深くなるほど加工用電極の側面における放電により加工用電極が細くなる。先端が細化した加工用電極で被加工物を貫通した場合、被加工物を貫通した瞬間は、入口径に比べて出口径が小さくなる。加工用電極の細化した部分が被加工物を抜けきるまで加工送りを継続することにより、入口径と同等の出口径を確保することが可能であるが、上述したように加工屑の排出が適切に行われない状態で加工することとなるため、加工用電極と被加工物との短絡が頻発するなどの加工不安定状態が継続する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出入口径差の小さな貫通加工を行う際の加工時間を短縮するとともに、安定な加工状態にて貫通加工を行うことを可能とする放電加工装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる放電加工装置は、加工用電極と被加工物との加工間隙である極間に、所定のタイミングでオン/オフするパルス列に同期させた加工用電力を、所定期間毎に断続させて供給することにより極間電圧を印加し、前記極間に生じる放電を利用して、前記被加工物を加工する放電加工装置であって、前記極間電圧が短絡検出閾値以下であることを検出する短絡検出回路と、前記極間電圧が前記短絡検出閾値よりも高い不安定検出閾値以下であることを検出する不安定検出回路と、前記極間電圧が前記短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である場合に、前記極間への前記加工用電力の供給を停止すべく、前記パルス列における所定のパルスの発生を停止させる信号および前記加工用電極の加工送りを減速させる信号を生成して出力する制御回路と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、出入口径差の小さな貫通加工を行う際の加工時間を短縮するとともに、安定な加工状態にて貫通加工を行うことができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる放電加工装置の一構成例を示す図である。 図2は、極間が十分に広く、極間放電が発生していない場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。 図3は、放電加工において最適な状態で極間放電が発生した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。 図4は、細穴放電加工中の加工用電極の支持端の位置に対する極間電圧値毎の頻度の関係を示す図である。 図5は、細穴放電加工中において加工用電極が被加工物を貫通する前後における極間状態の変化を示す図である。 図6は、極間の短絡が発生したと判定した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。 図7は、極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態で極間放電が発生したと判定した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。 図8は、実施の形態1にかかるパルスマスク制御の有無による細穴放電加工結果の差異を示す図ある。 図9は、実施の形態2にかかる放電加工装置の一構成例を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる放電加工装置を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる放電加工装置の一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる放電加工装置は、加工用電極2と、加工液中に微小間隙をおいて対抗配置された加工用電極2と被加工物3との間(以下「極間」という)に加工電力を供給する直流電源1と、直流電源1から供給される加工電力をスイッチングするスイッチング素子(例えば、MOS−FET)4と、極間に並列に接続されたコンデンサ6と、コンデンサ6に並列に接続されたコンデンサ6の放電用抵抗7と、加工電流制限用の電流制限抵抗5と、電流制限抵抗5に直列に接続されたダイオード10と、パルス信号8aを発生するパルス発生装置8と、NC装置などからなるパルス発生/停止条件設定部9と、極間の電圧(以下「極間電圧」という)が予め設定された短絡検出閾値以下である場合に短絡検出信号を出力する短絡検出回路11と、極間電圧が予め設定された不安定検出閾値以下である場合に不安定検出信号を出力する不安定検出回路14と、短絡検出回路11からの短絡信号および不安定検出回路14からの不安定検出信号に基づいてパルス停止信号12aおよび加工送りを減速あるいは後退させる信号を出力する制御回路12と、パルス発生装置8からのパルス信号8aと制御回路12からのパルス停止信号12aとの論理積をとりスイッチング素子4を駆動するための駆動信号13aを出力するAND回路13とを備えている。
つぎに、実施の形態1にかかる放電加工装置の動作について説明する。なお、本願発明の要部を成す短絡検出回路11、不安定検出回路14、および制御回路12を備える構成は、それぞれが連携動作することにより、後述するパルスマスク制御を行う。ここでは、本願発明の理解を容易とするため、放電加工装置の基本的な動作について、図1〜図3を参照して説明する。
実施の形態1にかかる放電加工装置は、極間の絶縁破壊による放電(以下「極間放電」という)を利用し、被加工物3を加工する。図2は、極間が十分に広く、極間放電が発生していない場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。また、図3は、放電加工において最適な状態で極間放電が発生した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。
図1において、パルス発生/停止条件設定部9には、予めパルス発生装置8が出力するパルス信号8aのオン/オフ時間やパルス発生期間、パルス列中のパルス数、パルス列とパルス列との間のパルス休止期間、等のパルス発生条件および、制御回路12が短絡検出信号および不安定検出信号を検出した際にパルス停止信号12aをLOW信号とするパルスマスク制御のためのパルス停止条件が設定されている。なお、パルス停止条件については後述する。
パルス発生装置8は、パルス発生条件設定部9からのパルス発生条件に基づき動作し、図2(a)に示すパルス信号8aを出力する。図2に示す例では、パルス発生期間をT1、パルス列中のパルス数を8パルス、パルス発生期間T1後に次のパルス列を発生させるまでのパルス休止期間をT2としている。
AND回路13は、パルス信号8aとパルス停止信号12aとの論理積をとり駆動信号13aを出力する。パルス停止信号12aがHIGH信号であれば、駆動信号13aとパルス信号8aとは同一タイミングの波形となる(図2(a),(b)参照)。また、詳細については後述するが、パルスマスク制御によりパルス停止信号12aがLOW信号となっている期間は、駆動信号13aは、その期間のパルスがマスクされた波形となる。
スイッチング素子4は、駆動信号13aがHIGHの期間(以下「パルスオン期間」という)はオンとなり、駆動信号13aがLOWの期間(以下「パルスオフ期間」という)はオフとなる。パルスオン期間において、直流電源1は、ダイオード10および電流制限抵抗5を介して、極間、極間に並列に接続されたコンデンサ6、および放電用抵抗7に電気的に接続される。
パルス発生装置8がパルス列の1パルス目のパルスを発生すると、パルスオン期間において、コンデンサ6は充電され、極間電圧は上昇する。その後、パルスオフ期間において、コンデンサ6は、コンデンサ6の静電容量値および放電用抵抗7の抵抗値によりほぼ決まる時定数で放電する。以降、パルスオン期間およびパルスオフ期間を繰り返す毎に、コンデンサ6は、充放電を繰り返す。なお、コンデンサ6の静電容量値および放電用抵抗7の抵抗値は、パルス列発生期間T1におけるパルス列の数パルス目に、放電加工において最適な状態で極間放電が発生するように設定されている。コンデンサ6が充放電を繰り返す毎に、極間電圧は徐々に上昇し、極間が開放状態、すなわち、極間が十分に広く、極間放電が発生しない場合は、パルス列(ここでは、8パルス)の終了時点では、極間電圧は直流電源1の電圧V1付近まで上昇する(図2(c)参照)。
パルス列(ここでは、8パルス)が終了すると、パルス発生期間T1後のパルス休止期間T2において、極間電圧は0V付近まで徐々に下降する。パルス発生装置8は、パルス休止期間T2後に、次のパルス列を発生する(図2(a)参照)。
図3に示すように、放電加工において最適な状態では、パルス列発生期間T1におけるパルス列の数パルス目に、極間放電が発生する。図3に示す例では、パルス列の3パルス目(図3のA点)、4パルス目(図3のB点)、および7パルス目(図3のC点)で極間放電が発生している。
図3中に示すA点では、パルス列の3パルス目の電圧上昇中に極間放電が発生している。このときの極間電流(図3(d)参照)の値は、コンデンサ6に充電された電荷による放電電流と、直流電源1からスイッチング素子4、ダイオード10と充電電流制限抵抗器5を通して流れる充電電流とを加えた値となる。
図3中に示すB点では、A点に続いて極間の絶縁破壊が起こりやすい状態が継続したために極間放電が発生している。このときの極間電流(図3(d)参照)の値は、コンデンサ6の充電電圧(すなわち、極間電圧)がやや低い状態で極間放電が発生したために、A点における極間電流値よりも若干低くなっている。
図3中に示すC点では、B点で極間放電が発生した後の5パルス目から7パルス目に至る過程で、徐々に極間電圧が上昇してから、7パルス目の電圧上昇中に極間放電が発生している。このときの極間電流(図3(d)参照)の値は、A点と同等の極間電圧において極間放電が発生したために、A点における極間電流値と同等となっている。
つぎに、実施の形態1にかかる放電加工装置のパルスマスク制御の概念について説明する。特許文献1に示されるとおり、極間電圧を予め決められた閾値と比較することにより、極間の短絡を判別する方法が知られている。これはつまり、極間電圧を観測することにより、極間の状態が判別できることを示している。本願発明者は、細穴放電加工において、加工用電極が被加工物を貫通加工した時点から加工が完了するまでの間は、極間の短絡が発生した場合よりも極間電圧がやや高い電圧となることが多いことを見出した。
図4は、細穴放電加工中の加工用電極の支持端の位置に対する極間電圧値毎の頻度の関係を示す図である。図4において、横軸は加工用電極の支持端の位置を示し、縦軸は極間電圧値毎の頻度を示している。図4において、実線で示したグラフは、極間電圧値が20V以上であった頻度を示し、破線で示したグラフは、極間電圧値が15V〜20Vであった頻度を示し、一点鎖線で示したグラフは、極間電圧値が15V以下であった頻度を示している。なお、図4に示す極間電圧値は、パルス列中の1パルス目のパルスオン期間における最大極間電圧値である。
なお、図4に示すデータの採取に際して、加工用電極はΦ0.7mmの黄銅パイプ電極とし、被加工物には厚さ15mmのNi合金を使用している。加工用電極の支持端の位置は、加工開始位置、すなわち、極間放電が発生し始めた位置を基準(0mm)としている。また、出入口の穴径差を無くすために十分な最大位置を設定している。加工終了後における加工用電極の消耗量は約9mmであったため、約24mmの位置において、加工用電極が被加工物を貫通したと言える。なお、図4に示すデータは、実施の形態1にかかるパルスマスク制御を行って採取したデータである。
図4に示すように、加工開始位置(0mm)から24mm付近の位置までは、放電加工において最適な状態で極間放電が発生していることを示す20V以上の極間電圧値となる頻度が大きく(80%付近)、極間の短絡が発生していることを示す15V以下の極間電圧値となる頻度は比較的小さい(15%付近)。一方、加工用電極が被加工物を貫通した瞬間の位置を示す24mm付近の位置以降、20V以上の極間電圧値となる頻度が小さくなり(50%付近)、15V以下の極間電圧値となる頻度が大きくなっている(30%付近)。
また、加工開始位置(0mm)から24mm付近まではほとんど発生していない(約5%以下)、15〜20Vの極間電圧値となる頻度は、24mm付近以降は明らかに大きくなっている(25%付近)。すなわち、加工用電極が被加工物を貫通した瞬間以降、極間の短絡に至らず、且つ、極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態で極間放電が発生した頻度が大きくなっていることを表している。
加工用電極が被加工物を貫通する前後の極間状態については、図5に示す極間状態のモデルにより説明することができる。図5は、細穴放電加工中において加工用電極が被加工物を貫通する前後における極間状態の変化を示す図である。図5(a)に示すように、加工用電極2が被加工物3を貫通する前は、加工用電極2から噴出させている加工液により加工屑15が加工穴の入口側から加工液とともに適宜排出されるが、加工用電極2が被加工物3を貫通した後は、図5(b)に示すように、貫通した加工穴の出口側から加工液が抜け出てしまうため、加工屑15が加工穴外へ排出され難くなる。このため、加工用電極2が被加工物3を貫通した後の極間は、加工用電極2が被加工物3を貫通する前よりも加工屑15で満たされた状態となる。
この極間が加工屑15で満たされた状態では、加工用電極2と被加工物3との距離よりも加工用電極2と加工屑15との距離の方が短いため、極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態における極間放電が発生しやすくなる。このため、図4に示すように、加工用電極が被加工物を貫通した瞬間の位置(図4に示す加工用電極の支持端の移動距離が24mm付近)以降、15〜20Vの極間電圧値となる頻度が大きくなっている。この極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態における極間放電は、加工に寄与しないばかりでなく、加工屑15の連結による極間の短絡を引き起こすため、加工用電極2が被加工物3を貫通した後は、極間の短絡が頻発するなどの加工不安定状態になりやすい。
本願発明者は、細穴放電加工において、被加工物を貫通してから入口径と同等の出口径となるまで安定加工を継続させるためには、極間電圧が十分に立ち上がり切らない状態における極間放電が発生した場合に、パルスの発生をマスクするパルスマスク制御を行うことが効果的であることを見出した。また、極間電圧が十分に立ち上がり切らない状態における極間放電が発生した場合は、パルスの発生をマスクするとともに、パルスの発生をマスクする期間は加工送りの減速を行うことにより、極間の短絡の頻発を防止することができる。なぜなら、パルスの発生をマスクした期間は、加工が行われないため、同じ速度で加工送りを行うと、極間の距離が狭くなり、極間の短絡が発生しやすくなってしまうためである。
つぎに、実施の形態1にかかる放電加工装置におけるパルスマスク制御の動作について、図1、図6および図7を参照して説明する。図6は、極間の短絡が発生したと判定した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。また、図7は、極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態で極間放電が発生したと判定した場合における各部のタイムチャートの一例を示す図である。
パルス発生/停止条件設定部9には、上述したパルス発生条件に加え、パルス列における何パルス目のパルスオン期間において短絡検出信号および不安定検出信号の有無を判別するかを定めた検出信号判別パルス、検出信号判別パルスのパルスオン期間において、不安定検出信号有りであり、且つ、短絡検出信号有りである場合におけるパルス停止信号12aのLOW期間t1(図6(b)参照)、検出信号判別パルスのパルスオン期間において、不安定検出信号有りであり、且つ、短絡検出信号無しである場合におけるパルス停止信号12aのLOW期間t2(図7(b)参照)、等のパルス停止条件が予め設定されている。
短絡検出回路11は、極間電圧値と予め決められた短絡検出閾値とを比較し、極間電圧値が短絡検出閾値を下回った場合に短絡検出信号を出力する。この短絡検出閾値は、極間の短絡が発生したことを確実に検出するため、0Vに近い値とするのがよい(図6(d)参照)。具体的には、例えば1V〜20Vに設定する。なお、この短絡検出閾値は、直流電源1の電圧V1の値に応じて設定値を変えてもよい。
不安定検出回路14は、極間電圧値と予め決められた不安定検出閾値とを比較し、極間電圧値が不安定検出閾値を下回った場合に不安定検出信号を出力する。この不安定検出閾値は、短絡検出回路11において設定した短絡検出閾値の1.1倍〜1.5倍の値とするのがよい(図7(d)参照)。不安定検出閾値を短絡検出閾値の1.1倍未満に設定した場合は、短絡検出閾値との差が小さいため、検出信号判別パルスにおける極間電圧値が短絡検出閾値以上、且つ、不安定検出閾値以下となるパルス発生期間が少なく、被加工物3を貫通した後の極間状態を判別し難い。また、不安定検出閾値が短絡検出閾値の1.5倍以上に設定した場合は、ほとんどのパルス発生期間において検出信号判別パルスにおける極間電圧値が不安定検出閾値以下となってしまうため、制御回路12から出力されるパルス停止信号12aによりマスクされるパルスが多くなり、加工が停滞してしまう。なお、この不安定検出閾値は、短絡検出閾値と同様に、直流電源1の電圧V1の値に応じて設定値を変えてもよい。
制御回路12は、検出信号判別パルスのパルスオン期間において、短絡検出信号および不安定検出信号の有無を判別する。なお、図6および図7に示す例では、パルス列における1パルス目を検出信号判別パルスとしている。
不安定検出信号有りであり、且つ、短絡検出信号有りである場合には、極間の短絡が発生したことを示している。したがって、制御回路12は、そのパルス列を短絡発生パルス列と判定し、LOW期間t1の間、パルス停止信号12aをLOW信号とする(図6(b)参照)とともに、加工送りを制御する制御部(図示せず)に加工送りの後退を指示する信号を出力する。なお、図6に示す例では、短絡発生パルス列と判定したパルス列における3パルス目以降のパルスをマスクするように設定している。
不安定検出信号有りであり、且つ、短絡検出信号無しである場合には、極間の短絡に至らず、且つ、極間が加工屑に満たされ極間電圧値が十分に立ち上がりきらない状態における極間放電が発生し、放電を継続して発生させるには不安定な状態であることを示している。したがって、制御回路12は、そのパルス列を加工不安定パルス列と判定し、LOW期間t2の間、パルス停止信号12aをLOW信号とする(図7(b)参照)とともに、加工送りを制御する制御部(図示せず)に加工送りの減速を指示する信号を出力する。図7に示す例では、加工不安定パルス列と判定したパルス列における3パルス目以降のパルスをマスクするように設定している。
AND回路13は、パルス信号8aとパルス停止信号12aとの論理積をとり駆動信号13aを出力する。AND回路13から出力される駆動信号13aは、パルス停止信号12aがLOW信号である期間のパルスがマスクされ、図6(c)および図7(c)に示す波形となる。
図8は、実施の形態1にかかるパルスマスク制御の有無による細穴放電加工結果の差異を示す図ある。図8において、横軸は加工時間を示し、縦軸は加工用電極の支持端の位置を示している。また、図8において、実線で示したグラフは、実施の形態1にかかるパルスマスク制御を適用した場合の加工結果を示し、破線で示したグラフは、実施の形態1にかかるパルスマスク制御を適用せず、特許文献1に示される従来技術を用いた場合の加工結果を示している。
図8に示すデータの採取に際しては、図4に示すデータを採取した場合と同様に、加工用電極はΦ0.7mmの黄銅パイプ電極とし、被加工物には厚さ15mmのNi合金を使用している。加工用電極の支持端の位置は、加工開始位置、すなわち、極間に放電が発生し始めた位置を基準(0mm)としている。また、出入口の穴径差を無くすために十分な最大位置(図8に示す例では35mm)を設定している。加工終了後における加工用電極の消耗量は約9mmであったため、約24mmの位置において、加工用電極が被加工物を貫通したと言える。
図8に示すように、実施の形態1にかかるパルスマスク制御を適用しない場合(図8において破線で示したグラフ)は、加工用電極が被加工物を貫通した瞬間の位置(約24mm付近)以降、極間の短絡が頻発するなどのために、加工送りを後退あるいは停滞させるなど、加工が不安定で、且つ、加工時間が長い。
一方、実施の形態1にかかるパルスマスク制御を適用した場合(図8において実線で示したグラフ)は、加工用電極が被加工物を貫通した瞬間の位置(約24mm付近)以降、加工用電極の支持端の移動速度は若干低下しているものの、加工送りを後退あるいは停滞させることなく、加工は安定かつ短時間で終了している。なぜなら、極間が加工屑で満たされた状態におけるパルスの発生をマスクすることにより、極間の加工屑の排出が進み、極間の短絡の頻発を防ぐためである。
以上のように、実施の形態1にかかる放電加工装置によれば、極間が加工屑で満たされた状態におけるパルスの発生をマスクすることにより、極間電圧が十分に立ち上がりきらない状態における極間放電を防止するとともに、加工送りを減速させるようにしたので、加工用電極が被加工物を貫通した後における加工屑の連結による極間の短絡の頻発を防止することができ、出入口径差の小さな貫通加工を行う際の加工時間を短縮し、安定な加工状態にて貫通加工を行うことができる。
また、短絡検出回路および不安定検出回路による検出結果を判別する検出信号判別パルスをパルス列中における先頭のパルスとし、極間が加工屑に満たされ極間電圧値が十分に立ち上がりきらない状態における極間放電が発生した場合や、極間の短絡が発生した場合に、検出信号判別パルスの後の2パルス目からパルスの発生を停止させるようにしたので、必要以上に極間に短絡電流が流れることがなくなり、短絡電流が流れ続けることによる被加工物の加工面の荒れや加工用電極の異常磨耗を防止することができる。
実施の形態2.
本実施の形態1では、検出信号判別パルスのパルスオン期間における極間電圧値が予め設定した不安定検出閾値以下であれば、常にそのパルス列におけるパルスの発生をマスクするようにしているが、実施の形態1において説明した図4に示すように、極間電圧値毎の頻度を求めることが可能であるので、例えば、極間電圧値が不安定検出閾値以下であり、且つ、短絡検出閾値以上となる加工不安定パルス列の発生頻度が20%以上になった時点で、加工用電極が被加工物を貫通したと判断し、加工用電極が被加工物を貫通したと判断したパルス列以降において、パルスマスク制御を行うようにすることも可能である。
図9は、実施の形態2にかかる放電加工装置の一構成例を示す図である。なお、実施の形態1と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図9に示すように、実施の形態2にかかる放電加工装置における制御回路16は、一定期間中における短絡検出信号および不安定検出信号の検出回数をカウントし、不安定検出信号有りであり、且つ、短絡検出信号無しである加工不安定パルス列の発生頻度を算出する加工不安定パルス列発生頻度算出部16aを備えている。
制御回路16は、加工不安定パルス列の発生頻度が一定割合以上となった時点で、加工用電極2が被加工物3を貫通したと判断し、加工用電極2が被加工物3を貫通したと判断したパルス列以降において、パルスマスク制御を行う。パルスマスク制御については、実施の形態1と同様であるので、以下の説明は省略する。
以上のように、実施の形態2にかかる放電加工装置によれば、加工不安定パルス列の発生頻度が一定割合以上となった時点で、加工用電極が被加工物を貫通したと判断し、加工用電極が被加工物を貫通したと判断したパルス列以降において、パルスマスク制御を行うようにしたので、加工用電極が被加工物を貫通する前のパルス列においてパルスをマスクすることがなくなり、実施の形態1と比較して、さらに加工時間を短縮することが可能である。
なお、実施の形態では、パルス列における1パルス目を短絡検出回路および不安定検出回路による検出結果を判別する検出信号判別パルスとして説明したが、パルス列における2パルス目以降のパルスを検出信号判別パルスとしてもよい。
また、検出信号判別パルス後の2パルス目以降のパルスをマスクするように設定したが、検出信号判別パルス直後のパルス以降のパルスをマスクするように設定するようにしてもよい。あるいは、検出信号判別パルス後の数パルスはパルスを発生させ、その後のパルスをマスクするように設定してもよい。加工用電極の径や材質、あるいは被加工物の厚さや材質等の条件により、加工用電極の温度上昇や消耗量が変わるため、それらの条件に応じて設定するのがよい。例えば、加工用電極としてφ2mmの黄銅パイプ電極を用い、被加工物の材質が鉄系材料である場合は、被加工物の材質がNi合金の場合と比較し、加工用電極の消耗量が少なく先端が細化し難いため、検出信号判別パルス後の3パルスはパルスを発生させ、4パルス目以降のパルスをマスクするように設定して最適であった。
なお、加工不安定パルス列および短絡発生パルス列を検出した際、加工不安定パルス列および短絡発生パルス列だけでなく、加工不安定パルス列および短絡発生パルス列以降の複数パルス列のパルスをマスクすることも可能であるが、パルスをマスクしたパルス列では、検出信号判別パルスを検出することができない。したがって、実施の形態において説明したように、1パルス列毎にパルスマスク制御を実施することにより、より的確に極間の状態を捉えることができるためより良い。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる放電加工装置は、穴加工を行う放電加工において、出入口径差の小さな貫通加工を行う際の加工時間を短縮するとともに、安定な加工状態にて貫通加工を行うことができる発明として有用である。
1 直流電源
2 加工用電極
3 被加工物
4 スイッチング素子
5 電流制限抵抗
6 コンデンサ
7 コンデンサの放電用抵抗
8 パルス発生装置
8a パルス信号
9 パルス発生/停止条件設定部
10 ダイオード
11 短絡検出回路
12,16 制御回路
12a パルス停止信号
13 AND回路
13a 駆動信号
14 不安定検出回路
15 加工屑
16a 加工不安定パルス列発生頻度算出部

Claims (6)

  1. 加工用電極と被加工物との加工間隙である極間に、所定のタイミングでオン/オフするパルス列に同期させた加工用電力を、所定期間毎に断続させて供給することにより極間電圧を印加し、前記極間に生じる放電を利用して、前記被加工物を加工する放電加工装置であって、
    前記極間電圧が短絡検出閾値以下であることを検出する短絡検出回路と、
    前記極間電圧が前記短絡検出閾値よりも高い不安定検出閾値以下であることを検出する不安定検出回路と、
    前記極間電圧が前記短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である場合に、前記極間への前記加工用電力の供給を停止すべく、前記パルス列における所定のパルスの発生を停止させる信号および前記加工用電極の加工送りを減速させる信号を生成して出力する制御回路と、
    を備える
    ことを特徴とする放電加工装置。
  2. 前記制御回路は、前記パルス列中における先頭のパルスを検出信号判別パルスとし、前記検出信号判別パルスに同期した前記加工用電力の印加時において、前記短絡検出回路および前記不安定検出回路による検出結果を判別することを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 前記制御回路は、前記極間電圧が前記短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である場合に、前記検出信号判別パルスの後の2パルス目からパルスの発生を停止させることを特徴とする請求項2に記載の放電加工装置。
  4. 加工用電極と被加工物との加工間隙である極間に、所定のタイミングでオン/オフするパルス列に同期させた加工用電力を、所定期間毎に断続させて供給することにより極間電圧を印加し、前記極間に生じる放電を利用して、前記被加工物を加工する放電加工装置であって、
    前記極間電圧が短絡検出閾値以下であることを検出する短絡検出回路と、
    前記極間電圧が前記短絡検出閾値よりも高い不安定検出閾値以下であることを検出する不安定検出回路と、
    一定期間中における前記短絡検出回路および前記不安定検出回路による検出結果に基づいて、前記極間電圧が短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である頻度を算出し、前記頻度が一定割合以上となった時点以降において、前記極間電圧が短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である場合に、前記極間への前記加工用電力の供給を停止すべく、前記パルス列における所定のパルスの発生を停止させる信号および前記加工用電極の加工送りを減速させる信号を生成して出力する制御回路と、
    を備える
    ことを特徴とする放電加工装置。
  5. 前記制御回路は、前記パルス列中における先頭のパルスを検出信号判別パルスとし、前記検出信号判別パルスに同期した前記加工用電力の印加時において、前記短絡検出回路および前記不安定検出回路による検出結果を判別することを特徴とする請求項4に記載の放電加工装置。
  6. 前記制御回路は、前記頻度が一定割合以上となった時点以降において、前記極間電圧が前記短絡検出閾値以上であり、且つ、前記極間電圧が前記不安定検出閾値以下である場合に、前記検出信号判別パルスの後の2パルス目からパルスの発生を停止させることを特徴とする請求項5に記載の放電加工装置。
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