JP4042485B2 - 放電加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放電加工、特にワイヤ放電加工に係わり、加工速度を向上させるための加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
周知のようにワイヤ放電加工装置は、絶縁液中で、電極としての細いワイヤと被加工物との間に直流電源よりパルス状の電圧を印加することにより、ワイヤ電極と被加工物との間にパルス状の電流を流してパルス放電を発生させ、放電によって発生する熱と圧力によって、上記被加工物をパルス毎に除去するものである。
【0004】
図9は、例えば特開平8−118147号公報に示された従来の放電加工装置における電源回路の構成(従来技術▲1▼)を示す接続回路図である。図において、70は比較的低電圧の出力電圧E1を可変に設定し、供給する第1の直流電源、71は例えば半導体スイッチである第1のスイッチ回路、72は電流制限抵抗器、73はダイオードで、これら第1の直流電源70、第1のスイッチ回路71、電流制限抵抗器72、及びダイオード73によりワイヤ電極1と被加工物2との間に第1の直流回路を形成している。74は高電圧の出力電圧E2を有する第2の直流電源、75は例えば半導体スイッチから構成される第2のスイッチ回路、76はダイオードで、これら第2の直流電源74、第2のスイッチ回路75、及びダイオード76によりワイヤ電極1と被加工物2との間に第2の直流回路を形成している。77は出力電圧E3を可変に設定でき、上記第1の直流電源70及び第2の直流電源74に対して逆極性の電圧を持つ第3の直流電源、78は例えば半導体スイッチである第3のスイッチ回路、79は電流制限抵抗器で、これら第3の直流電源77、第3のスイッチ回路78、電流制限抵抗器79によりワイヤ電極1と被加工物2との間に第3の直流回路を形成している。また、8は加工用電源制御回路、9はワイヤ電極1と被加工物2との間における加工電圧を検出する電圧検出回路、91,92は分圧用抵抗器である。
【0005】
第1の直流電源70の負極は、ダイオード73のカソードに接続され、ダイオード73のアノードはワイヤ電極1に接続されている。これに対し、第1の直流電源70の正極は、電流制限抵抗器72を介して第1のスイッチ回路71のドレインに接続され、第1のスイッチ回路71のソースは被加工物2に、第1のスイッチ回路71のゲートは加工用電源制御回路8に接続されている。第2の直流電源74の負極は、ダイオード76のカソードに接続され、ダイオード76のアノードはワイヤ電極1に接続されている。これに対し、第2の直流電源74の正極は、第2のスイッチ回路75のドレインに接続され、第2のスイッチ回路75のソースは被加工物2に、第2のスイッチ回路75のゲートは加工用電源制御回路8に接続されている。第3の直流電源77の正極は、ワイヤ電極1に接続されている。これに対して、第3の直流電源77の負極は、電流制限抵抗器79を介して第2のスイッチ回路78のドレインに接続され、第3のスイッチ回路78のソースは被加工物2に、第3のスイッチ回路78のゲートは加工用電源制御回路8に接続されている。
【0006】
図10は、図9に示すワイヤ放電加工装置の電源回路における動作を示すタイミングチャートである。図において、(a)は加工間隙の電圧波形、(b)は加工間隙に流れる電流波形、(c)は第1のスイッチ回路71のタイミングTR1を示す信号波形、(d)は第2のスイッチ回路75のタイミングTR2を示す信号波形、(e)は第3のスイッチ回路78のタイミングTR3を示す信号波形を示している。なお、(c)(d)及び(e)において、信号波形が“1”の時に、第1のスイッチ回路71、第2のスイッチ回路75、及び第3のスイッチ回路78をONさせる。
【0007】
図10に示すように、第1のスイッチ回路71のタイミングTR1により比較的低電圧の直流電源E1を加工間隙に印加する。すると、第1のスイッチ回路71がONした後、放電が開始されるまでの加工間隙の電圧は、第1の直流電源70の直流電圧E1まで上昇し、放電開始と共に加工間隙の電圧はアーク電位まで低下する。この放電開始と同時に、第2のスイッチ回路75がONされ、第2の直流電源74により加工電流が供給されると、図10(b)に示したように加工間隙の電流波形は所定の勾配で電流が増加する。所定時間(図10(c)で示される“1”の期間)の後、第1のスイッチ回路71がOFFになると、第3のスイッチ回路78がONされ、加工間隙の電圧(以下、加工間隙電圧Vgとする)は図10(a)に示されるように、第3の直流電源77の直流電圧E3まで直流電圧E1と逆極性側に上昇する。その後、第3のスイッチ回路78がOFFになると、第1のスイッチ回路71が再度ONになり、上述した動作をくり返し、放電加工が継続される。
【0008】
加工電流波形は図10(b)に示されるように略三角波形となる。電流の立ちあがり速度(di/dt)は浮遊のインダクタンスLと電源電圧E2、アーク電圧をvとするとおよそ(E2―v)/Lとなる。TR2のON時間が等しい場合にピーク電流を増やそうとすれば電源電圧E2を高めれば良い。電源電圧E2は200V〜400V程度で構成されることが多い。
【0009】
一方、電源電圧E1は電源電圧E2よりも低く40V〜150V程度である。電源電圧E1を最初に印加するのは放電を検出するため(あるいは誘発するため)であり、このとき極間に印加する電圧パルスを放電検出パルスまたは予備放電パルスと呼ぶ。また、放電検出パルス(予備放電パルス)印加により発生する放電を予備放電と呼ぶ。電源電圧E1が高ければ放電しやすくなるため放電周波数が増加する一方、高すぎると前サイクルで放電した箇所が再度放電しやすくなってしまう。この現象が続くと集中放電となってしまう。集中放電とは、本来電極とワーク間に均一に生じるべき放電が、何らかの原因である一箇所に連続して生じてしまう現象であり、ワイヤ放電加工装置ではワイヤ断線を引き起こす主原因とされている。逆に電源電圧E1を低くすると集中放電は起こりにくくなるが放電周波数も低くなるため加工速度が低下してしまう。
【0010】
このように電源電圧E1には前のサイクルで放電していない箇所の放電を誘発する(予備放電を行う)という目的が、電源電圧E2にはこの予備放電を検出後に大電流を供給して主に加工に寄与する主放電を発生させるという違う目的があるため、少なくとも荒加工と呼ばれる放電加工の第1段階ではE1<E2となるように構成される。
【0011】
電源電圧E3は加工間隙の極性が偏らないように印加される。上記趣旨から考えるならば電源電圧はE1、E2だけ存在していれば良いことになるが、加工液に水が用いられているため加工間隙の極性が偏っていると電触してしまうのである。そこで、電気的に中性となるように電源電圧E3を印加している。
【0012】
図11は特開平11−48039号公報に開示される別の放電加工装置における電源回路の構成(従来技術▲2▼)を示す回路図である。図において、11aは主直流電源であり、11bは主直流電源11aの出力電圧よりも低い電圧を供給する副直流電源である。T1、T2、T3はFETで構成される第1、第2、第3のスイッチング素子である。そして、主直流電源11aのプラス側端子は第1のスイッチング素子T1を介して被加工物2に接続され、また副直流電源11bのプラス側端子は第3のスイッチング素子T3を介して被加工物2に接続されている。また、主直流電源11a、副直流電源11bのマイナス側端子は第2のスイッチング素子T2を介して電極1に接続されている。さらに、スイッチング素子T1、T2、T3を構成するFETのゲートG1〜G3にはそれぞれスイッチング素子ドライブ回路(図示は省略)が接続され、各スイッチング素子ドライブ回路はパルス分配回路(図示は省略)から出力されるパルスによって、各スイッチング素子T1〜T3を制御するようになっている。
【0013】
図12は図11に示す放電加工装置の動作タイミングと、放電電流(加工電流)波形との関係を示す図である。
まず、放電加工が開始されると、電極1と被加工物2との放電可能な状況にあわせてパルス幅設定データt1、t2が設定され、この設定内容に基づき、スイッチング素子ドライブ回路からパルス幅t2のパルス信号が出力され、第2、第3のスイッチング素子T2,T3が図12(ロ)(ハ)に示すようにオン状態にされる。
【0014】
この結果、副直流電源11bの電圧が第3のスイッチング素子T3、第2のスイッチング素子T2を介して、被加工物2と電極1との間に印加されて、副直流電源11bから電流I1(=I0)が流れ、通電ポイントが確保される(図12(ホ)参照)。すなわち予備放電である。
続いて設定された遅れ時間をおいて、残っているスイッチング素子ドライブ回路から電流ピーク値設定用データで設定された時間幅t1のパルスが出力され、第1のスイッチング素子T1がオン状態にされる(図12(イ)参照)。
【0015】
この結果、高い電圧の主直流電源11aから電流が流れ始め、被加工物2と電極1との間に、図12(ニ)に示すごとく加工電流I0が急峻な立ち上がりで上昇する。そして、設定された時間幅t1が経過して、第1のスイッチング素子T1がオフ状態になると、加工電流I0の上昇が停止し、加工間隙には再び副直流電源11bから電流I1が供給され、加工電流I0がそのピーク値に維持されて流れることになる。
【0016】
この後、設定されたパルス幅設定用の時間t2が経過して、第2、第3のスイッチング素子T2,T3がオフ状態にされると、回路中のインダクタンスによって蓄積された誘導エネルギーによる電流I2、I3が主直流電源11aに帰還される(図12(ヘ)(ト)参照)。
【0017】
従来技術▲1▼では加工間隙に流れる電流が三角波であったが、従来技術▲2▼のような回路構成とすることにより電流波形を略矩形波とすることも可能である。三角波は容易な回路構成で実現可能である反面、加工間隙を流れる電流のピーク値やパルス幅を独立に制御することができないが、矩形波とすれば上記ピーク値やパルス幅を自由に設定することができる。
【0018】
集中放電についてさらに付け加える。
集中放電は上述のように加工間隙に印加される電圧が高い場合においても起こりやすいが、放電の周波数が増加してもまた起こりやすくなる。加工間隙の絶縁を回復し、前サイクルでの放電履歴を消すためにはある程度の時間が必要とされている。しかし、放電加工装置においては放電による加工進み速度を上げるために放電の頻度(放電周波数)を上げることが重要である。加工速度を上げるために放電周波数を上げると、放電と放電の間の休止時間が短くなり、その結果、集中放電が起こりやすくなってしまう。
【0019】
集中放電の検出に関する技術には、例えば特開平1−121127号公報、特開平7−108418号公報などいくつか提案されている。およそこれらの集中放電検出方法は、ワイヤが上下2箇所の通電子を介して電流を供給されていることに着目し、放電開始時における上部通電子から供給される電流、および下部通電子から供給される電流を情報源に放電位置を特定するものである。
【0020】
このような検出器を用いれば、例えば特開平3−86427号公報に開示されるように、予備放電用の補助電源を設け、補助電源からの放電電流により放電箇所を特定し、同一箇所での放電が連続していると判断した場合は主電源からの放電電流を小さくするといった制御を行うこともできる。
【0021】
また、特開昭47−44491号公報などには、上下2箇所の電流から放電位置を検出するのではなく、非放電状態の無負荷時間から加工間隙の状態を推測し、集中放電を検出する方法が開示されている。例えば無負荷時間が短い場合、あるいは短い状態が連続する場合は放電が集中していると判断するもので、これを用いて休止時間を強制的に設けてもよいし、放電電流を小さくするといった制御をおこなってもよい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、集中放電による断線を回避すべく、強制的に休止時間を設ける場合は結果的に放電数が減少し、加工速度が低下してしまうという問題があった。
また、集中放電が起こらないような低い放電周波数で加工速度を確保しようとする場合は1回あたりの投入エネルギー量を増やさなければならない。つまり1回あたりの放電電流のピーク値を高める必要がある。このとき加工間隙に電流を供給するループにはワイヤも含まれるため、電流ピーク値の上昇は実効電流の上昇、すなわちワイヤの発熱につながってしまう。ワイヤの抵抗成分による損失が大きくなると、ワイヤの断線耐力の低下をもたらし、結果的に加工速度の低下につながってしまうという問題があった。
【0023】
ワイヤの抵抗成分のみならず、回路系全体の抵抗成分を考えた場合においても電流の実効値を低くした方が不要な発熱を押さえることができエネルギーの利用効率が高くなる。換言すれば、大電流−低周波による加工よりも小電流−高周波による加工の方が回路及び電源を小型化することができ、設計が容易といえる。
【0024】
また、集中放電を検出して投入エネルギーを減らす場合には、当然ながら減らした分だけ加工速度の低下につながるという問題がある。
【0025】
このように集中放電という現象に対する解決策としては、従来の技術では休止させる、集中放電を検出した後に加工パワーを低くするなど、加工速度が低下する方向でしか集中放電を回避する方法がなかった。
【0026】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、放電が集中するという現象を、ワイヤ断線を引き起こさない範囲で積極的に利用し、集中放電を制御することで、加工速度が向上できる放電加工方法を得ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の放電加工方法は、被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すことにより上記被加工物を放電加工するものである。
【0028】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、放電位置検出器により、主放電パルス電流の供給により放電した時の放電位置を検出し、同一箇所で所定の回数放電するまで主放電パルス電圧を複数回印加するものである。
【0031】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、検出パルス電圧の無負荷時間が設定時間より長い場合は、無負荷時間が設定時間より短い場合より、主放電パルス電圧の印加数を少なくし、且つ1回あたりの主放電パルス電圧のパルス幅または電流ピーク値を高めるものである。
【0032】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、予備放電検出後に供給される複数回の主放電パルス電流のうち、少なくとも検出パルス電圧印加後の第1主放電パルス電流は、上記第1主放電パルス電流より後の主放電パルス電流より低く設定するものである。
【0033】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、予備放電検出後に印加される複数回の主放電パルス電圧印加時における電極と被加工物との間の電圧値または電圧パルス幅を監視し、設定値を超える場合は上記主放電パルス電圧の印加を止めるものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態全般に係わるワイヤ放電加工装置の構成を示すブロック図である。図において、1はワイヤ電極、2はワイヤ電極1に所定間隔離れて配置された被加工物、20aはワイヤ電極1に電流を供給するための上部給電子、20bは下部給電子、3はワイヤ電極1の上部および下部に設置される電流検出のためのロゴスキーコイル、4は被加工物2を載置するテーブル、5aは被加工物2をX軸方向に移動させるX軸駆動モータ、5bは被加工物2をY軸方向に移動させるY軸駆動モータ、6はX軸駆動モータ5aおよびY軸駆動モータ5bを制御する軸駆動制御装置、7はワイヤ電極1と被加工物2との加工間隙に放電電流パルスを供給する加工用電源回路、18は加工用電源回路7のスイッチング動作を制御する加工用電源制御回路、9は加工間隙における加工電圧を検出する電圧検出回路、19はロゴスキーコイル3により検出された電流から放電位置を検出するための放電位置検出回路、10は軸駆動制御装置6に軸移動指令を送出し、かつ加工用電源制御回路8に加工条件パラメータを送出するNC制御装置、12はNC制御装置10に入力される加工経路情報及び加工電気条件パラメータ等を表わすNCプログラムである。
【0036】
NC制御装置10にはNCプログラム12が記録されたテープまたはフロッピディスクまたは操作盤(図示せず)により、加工経路情報および加工電気条件パラメータが入力される。入力された加工電気条件パラメータは、加工用電源制御回路18に出力され、この加工用電源制御回路18において、入力された加工電気条件パラメータに基づき、所定のパルス幅、休止時間等を持った駆動信号を発生し、加工用電源回路7を制御する。加工用電源回路7はこれら駆動信号によって駆動され、所定の電圧パルスを発生する。出力された電圧パルスは、上部給電子20a及び下部給電子20bを通してワイヤ電極1に印加され、放電中はワイヤ電極1と被加工物2との加工間隙に電流が流れる。このとき、ワイヤの上部及び下部に設置されたロゴスキーコイルにより電流を検出し、放電位置検出回路19が集中放電状態か否かを判断する。この情報は加工用電源制御回路18にフィードバックされる。
【0037】
このように所定の電流パルスがワイヤ電極1と被加工物2との加工間隙に供給されるとともに、加工間隙には一般に水または水系の加工液が供給されることによってワイヤ放電加工が行われる。
【0038】
図2は本発明の実施の形態全般に係わる加工用電源回路7の回路構成を詳細に示す接続回路図である。図において、11aは主直流電源、11bは副直流電源、11cは予備放電用電源(検出パルス発生用電源)である。FETをはじめとする半導体スイッチS3,S4,S5,S6と抵抗R1とダイオードD3,D4,D5,D6と上記予備放電用電源11cとで予備放電回路(検出パルス発生回路)を形成している。また、主直流電源11aと副直流電源11bとスイッチS1,S2とダイオードD1,D2とで主放電回路(主放電パルス発生回路)を形成している。各スイッチS1〜S6のゲートは加工用電源制御回路18に接続されている。主放電回路の構成は従来技術例▲2▼と同等であり、予備放電用の回路を別途付け加えた構成と考えてよい。これらの回路がフィーダ線などを介してワイヤ電極1と被加工物2とに接続される。通常は被加工物2が接地される。
予備放電用電源11cの電圧は例えば60Vに設定し、主直流電源11aの電圧は400V、副直流電源11bの電圧は80Vに設定する。
【0039】
上記のような構成の放電加工装置において、本実施の形態1においては、放電位置検出回路19を使用しない制御方法について説明する。図3は回路動作を説明するための図であり、ロゴスキーコイル3や位置検出回路19は無くてもよい。図3において、スイッチS1〜スイッチS6までのゲート入力信号をそれぞれ(イ)〜(ヘ)に、加工間隙の電圧を(ト)に、加工間隙の電流波形を(チ)に示す。まず、タイミングt1においてスイッチS5S6のゲートに信号が入ると両スイッチはONとなる。これにより予備放電用電源11c−スイッチS5加工間隙抵抗R1−スイッチS6−予備放電用電源11cのループで電流が流れる。t1からt2までの期間は非放電(無負荷)状態であるため加工間隙には予備放電用電源11cの電圧がそのまま印加されることになる。即ち、放電検出パルス電圧が印加される。
【0040】
タイミングt2において予備放電が発生すると、この予備放電による電圧低下を電圧検出回路9が検出し、スイッチS5、スイッチS6の信号はOFFされる。と同時に、スイッチS1、スイッチS2がONされる。これにより主直流電源11a−スイッチS2−加工間隙−スイッチS1−主直流電源11aのループで電流が流れ始める。なお、主直流電源11aよりも副直流電源11bの方が電源電圧が低く設定されているため、このとき副直流電源11bからの電流の供給はない。このとき加工間隙の電圧はアーク電圧(およそ10〜30V)により規定され、およそ一定値となる。電流波形は予備放電時には抵抗R1で規定されて微弱に流れるが、主放電電流に切り替わると極性が反転して大電流が流れ始める。このとき電流は浮遊のインダクタンスと(主直流電源電圧−アーク電圧)との関係で求まる傾きで上昇していく。
【0041】
タイミングt3ではスイッチS2のみオフされる。これにより主直流電源11aからの電流の供給は止まり、副直流電源11bから副直流電源11b−ダイオードD2−加工間隙−スイッチS1−副直流電源11bのループで電流が供給される。副直流電源11bの電圧は低く設定されているため電流の上昇は小さい。
【0042】
タイミングt4において、スイッチS1がオフされると浮遊のインダクタンスに蓄えられたエネルギーは加工間隙−ダイオードD1−主直流電源11a−副直流電源11b−ダイオードD2―加工間隙のループで電源側に回生していく。これにより従来技術▲2▼のように略矩形電流を得ることができる。およそタイミングt2〜t4までの動作において加工間隙に発生する電圧を第1主放電パルス電圧(以下、第1主放電パルスと記す)、加工間隙に流れる電流を第1主放電電流パルスと呼ぶことにする。
【0043】
その後、任意の時間を経たタイミングt5では再度スイッチS1、スイッチS2がオンされる。タイミングt2のときには予備放電を検知した後にスイッチS1,S2が印加されていたが、タイミングt5では予備放電パルスは印加しない。従って、加工間隙には瞬時主直流電源11aの電圧がかかることになる。加工間隙に高い電圧が印加されると放電しやすくなる反面、集中放電、即ち前回放電した箇所が再度放電し易くなることはすでに述べた。すなわち、タイミングt5における加工間隙の放電箇所はタイミングt2における放電箇所とおよそ等しいと推測できる。
【0044】
タイミングt5〜t7の動作(第2主放電パルス(電圧)の印加)はタイミングt2〜t4(第1主放電パルスの印加)と等しい。また、この後スイッチS1、スイッチS2をオンオフさせて再度加工間隙に電圧を印加する(第3主放電パルス(電圧)の印加)。主放電パルスが3回印加されたタイミングt8のあと所定の休止期間が設けられる。
【0045】
なお、主放電パルスを連続印加する場合、印加直後には加工間隙におよそ主直流電源電圧が印加されると述べた。しかしこれは厳密には、パルスの立ち上がり速度と放電の遅れ時間との関係によっては主直流電源電圧に至る前に放電開始する場合もある。第3主放電パルスはこのときの様子を示している。もちろん印加直後からアーク電圧となる場合もありうる。印加直後にアーク電圧となるような場合は加工間隙の状態が放電の非常に起こりやすいものということができるし、主直流電源電圧まで印加される場合はそれに比べると放電が起こりにくい状態ということもできる。
【0046】
所定の休止期間を経て、タイミングt9ではスイッチS3S4がオンされる。これにより予備放電用電源11cから予備放電電源11c−スイッチS3抵抗R1加工間隙−スイッチS4−予備放電電源11cのループで電流が流れる。すなわち、加工間隙の電圧はタイミングt1とは異なり、逆極性となる。
【0047】
タイミングt10において、電圧検出回路9が電圧低下(上昇)を検出することにより予備放電を検出すると、スイッチS3S4のオフ、スイッチS1、スイッチS2のオンを行う。これ以降の動作は上述のタイミングt2〜t4、t5〜t7と同じであるため省略する。タイミングt2とタイミングt10とでは予備放電電流の流れる向きが異なるが、特に問題はない。
【0048】
なお、連続して印加される主放電パルスのパルス数は本実施の形態では3回であったが、任意に設定して良い。最大連続パルス数は集中放電による断線限界ということになる。
【0049】
また、タイミングt13においては電圧を印加するものの放電しなかった場合を示した。このような状態においては主直流電源11aの電圧がそのまま加工間隙に印加されることになる。また、印加パルスをGNDに戻す回路も設けていないため、次のタイミングt14のパルス印加まで連続したパルスのように加工間隙に印加し続けることになる。もちろん完全に放電しない場合以外にもパルスの途中から放電を開始する場合も考えられるが、いずれの場合においても加工間隙に投入される電力が低下するだけであり、断線には至らない。
【0050】
連続する複数の主放電パルス間の時間間隔(例えばタイミングt4〜タイミングt5)は、同一箇所に放電を連続させ、積極的に集中放電を利用するという本発明の趣旨から考えれば極力短い方が良い。一方、主放電パルスと予備放電パルスとの間の休止期間(例えばタイミングt8〜タイミングt9)は、別の箇所に放電させたいという趣旨であるから極力長い方が良い。結果、少なくとも(t5−t4)<(t9−t8)の関係がある。従来技術においては集中放電をさせないように、いわば全ての放電休止時間に(t9−t8)程度の時間を設けていた。しかし、上述のように放電を集中させてもよい時間幅と集中させたくない時間幅にめりはりをつけることで時間利用率を向上させることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では矩形電流パルスを印加できる回路構成としているが、三角形状の電流パルスを流すような回路構成としてもよい。三角形状の電流パルスで考えるならば、従来、電流のピーク値を高めていた電流形状が低いピーク値で周波数が増えた構成となるため、電源設計は比較的容易になる。
【0052】
また、従来技術▲2▼に記載されるように、図11に示す回路構成で、図12のような放電制御動作を行うと、加工電流波形は低いピーク値の矩形電流波形とすることができる。ただし、この場合には、同一電荷量(エネルギー量)を確保するためにパルス幅は広くせざるをえない。すなわち従来技術▲2▼が比較的、長パルス・低ピーク・低周波な加工波形となるのに対して、本実施の形態で示す加工電流波形は、同一電荷量を複数の電流パルスに分散して供給する形態であるので、いわば、短パルス・低ピーク・高周波なものということができる。加工現象はアーク放電を利用した被加工物の溶融・飛散であるから、パルス幅が長くなってしまうと熱が加工領域周辺に逃げてしまい、加工効率が低下してしまう。逆にいえば、本実施の形態のような短パルス波形を繰り返し印加したほうが加工効率は高いといえる。
【0053】
このように、本実施の形態においては、放電を集中させてもよい時間幅と集中させたくない時間幅にめりはりをつけ、時間利用率を向上させることができるので、加工速度が向上できる。
また、加工電流波形を、短パルス・低ピーク・高周波なものとすることができるため、電流の実効値を低減することができ、回路容量を小さくすることができる。その結果、回路及び電源を小型化することができ、設計が容易となる。
さらに従来、加工パワーは加工電流時間幅、周波数等で設計されてきたが、本実施の形態のようにすることにより、主放電パルス数で設計することができ、設計が容易となる。
【0054】
なお、本実施の形態では予備放電パルスを両極性とし、被加工物に対してワイヤが正、負と交互に変化する例を示してきた。パルスの両極性化は電触を防ぐためのものであるから、従来技術▲1▼で示したように、負パルス側では放電の検出を行わず、片極だけを検出パルスとして利用し、主放電パルスと連動させてもよい。しかし、本実施の形態で示したような両極性駆動とすることで、より放電周波数の高周波化が期待できる。
ただし、従来技術▲1▼において単純に放電の高周波化を図っても集中放電しやすいだけである。本実施の形態に示すごとく、所定の休止期間を設けて集中放電を制御(回避)するような回路構成と組み合わせることで真の効果を得ることができる。
【0055】
実施の形態2.
本実施の形態2においては、ロゴスキーコイル3や放電位置検出回路19を用いた制御・動作例について説明する。
図4は放電位置検出回路19の構成を示すブロック図である。図4において、21,22はゲイン調整用オペアンプ、23は加算器と除算器で構成された除算ブロック、24−1〜24−10はコンパレータ及びカウンタからなる計数ブロックである。上部電流Iu及び下部電流Idをロゴスキーコイル3で検出し、ゲイン調整用オペアンプ21,22を通した後、除算ブロック23に信号が送られる。除算ブロック23ではオペアンプ21,22からの出力D、Uに対してD/(D+U)、またはU/(D+U)の値を算出する。また、加工用電源制御回路18から加工用電源7に送られる信号の一部が除算ブロック23に送られる。これは除算ポイント(あるいは除算結果を取り込むポイント)を決めるための信号で、例えばスイッチS1の立ち下りをトリガとする信号を用いればよい。計数ブロック24−1〜24−10にはそれぞれレベル調整されたコンパレータが設けられており、除算ブロック23の出力結果によりどの位置で放電しているのかが求まるような構成となっている。さらに各係数ブロックに対応する位置情報が判断された場合は放電位置に対応するブロックのカウンタがカウントアップし、カウントアップした値が設定値よりも大きいと判断したときに加工用電源制御回路18に信号が出力され、所定の休止期間を経て次のサイクルの予備放電パルスが印加される。カウンタは係数ブロックより加工用電源制御回路18へ出力される上記信号、もしくは予備放電パルスの制御信号をトリガにリセットされる。
【0056】
図5は加工間隙の電圧波形(a)、上部給電子20aから流れ込む電流波形(b)、下部給電子20bから流れ込む電流波形(c)、合計電流波形(d)を示している。実施の形態1で述べたように予備放電パルスが印加され、放電を検出後に主放電パルスが印加される。図5では例えば同一箇所に3回の主放電パルスが印加されれば、そこで主放電パルスの印加を止め、所定の休止期間を経て再度予備放電パルスが印加されるように設定したときの波形を示している。電流波形(b)及び電流波形(c)において、第1主放電パルス▲1▼、第2主放電パルス▲2▼、及び第3主放電パルス▲3▼に対応する電流のピーク値は等しく、合計電流波形(d)との比においても変化はない。従って第1主放電パルスの印加後には同一箇所で3回主放電パルスが印加されたものと判断し、次のタイミングでは次のサイクルの予備放電パルスを印加している。
【0057】
次のサイクルの予備放電パルスを印加後の第1主放電パルス▲4▼以降も同様に判断していくが、図5では第1主放電パルス▲4▼と第2主放電パルス▲5▼では放電箇所が異なり、電流波形(b)または電流波形(c)に示すように、第1主放電パルス▲4▼と第2主放電パルス▲5▼とに対応する電流波形は変化している。従って第2主放電パルス▲5▼印加後の状態では、第1主放電パルス▲4▼で1回、第2主放電パルス▲5▼で1回と、それぞれ別々のカウンタで1回づつカウントされることになる。さらに第3主放電パルス▲6▼では電圧が加工間隙に印加されるものの放電が生じていない。このときにはカウントもされない。続いて第4主放電パルス▲7▼、第5主放電パルス▲8▼が印加されるが、これら主放電パルス▲7▼、▲8▼では主放電パルス▲4▼と同一放電箇所で放電しており、第1主放電パルス▲4▼でカウントされたカウンタが合計3回カウントされることとなる。この結果を受けて主放電パルスの連続印加を停止し、休止期間を挟んで次サイクルの予備放電パルスが印加される。主放電パルスの連続印加数は最初のサイクルでは3回(主放電パルス▲1▼〜▲3▼)、次のサイクルでは5回(主放電パルス▲4▼〜▲8▼)と異なるが、同一箇所での放電はそれぞれ同じであるため、ワイヤに対するダメージはほぼ同等といえる。
【0058】
実施の形態1では放電位置によらず設定された所定の回数だけ連続して主放電パルスを印加していたが、本実施の形態2においては同一箇所において設定された所定の回数、放電したと判断したときに初めて主放電パルスの連続印加を止めている。従って一つのサイクルにおける主放電パルスの連続印加数は決まってはいない。もちろん、最大印加数を決めてもよいし、連続印加される総合電流値を積分してリミットを設けてもよい。主放電電流は完全に流れる場合も、全く流れない場合(主放電パルス▲6▼参照)も、そしてその中間となる途中から流れ始める場合も存在する。従って、総合電流値の積分で予備放電1回に対応する加工電流量を規定すれば制御しやすいというメリットもある。
【0059】
なお、上部(下部)から流れる電流ピークだけで位置を特定するのでなく、除算ブロック23を用いて判断するのは、このように途中で放電が開始する場合など全体の電流値が変化する場合にも対応するためである。
【0060】
このような構成とすることにより実施の形態1以上に時間利用率を高めることができ加工速度の高速化が期待できる。
【0061】
実施の形態3.
本実施の形態3においては、放電位置検出回路19を利用したときの制御応用例についてさらに説明する。例えば図5において、予備放電を検出した後に印加される第1主放電パルス▲1▼,▲4▼が同じ位置で放電する場合、同一箇所で4回連続して放電することになる。これでは放電数を制御しているとはいえず、結果、集中放電による断線が発生してしてしまう。実施の形態1,2で説明したように、集中放電させたい箇所の休止時間を短く、集中放電させたくない箇所の休止時間を長くと、メリハリをつけているためこのような頻度は低いが、完全にないともいえない。
【0062】
そこで、本実施の形態では、放電位置検出回路19における検出結果を基に、第1主放電パルス▲1▼、▲4▼が同一箇所と判定した場合、次に印加されるべき主放電パルス▲5▼は印加しないようにするものである。あるいは、通常が3回連続で主放電パルスを印加する条件であれば、2回までとするなど加工条件を低くしてもよい。
これにより不本意な集中放電が発生したとしてもワイヤダメージを軽減することができる。
【0063】
なお、本実施の形態は必ずしも実施の形態2と併用する必要はなく、実施の形態1のように、放電の有無、放電場所によらず設定された回数の主放電パルスを連続印加するような制御に併用してもよい。
【0064】
実施の形態4.
実施の形態1〜3で説明したように、主放電パルスを複数回連続印加した場合であってもそのうちのいくつかは全く放電しない、もしくは途中から放電するため加工間隙に流れる電流が十分でない可能性がある。極端な場合では主放電パルスを連続印加せず、1回の主放電パルスのエネルギーを高めたほうが逆に早く加工できる可能性もある。そこで、本実施の形態4ではこのような可能性のある場合には主放電パルスの連続印加は行わず、1回あたりの主放電パルスのエネルギーを高める制御例について説明する。
【0065】
図6は実施の形態4の制御例を説明するための図であり、加工間隙の電圧波形(a)及び電流波形(b)を示している。なお、本実施の形態では放電位置検出回路は用いない。図において、T1,T2,T3はそれぞれ予備放電パルスにおける無負荷時間を示している。またT2期間中の予備放電パルスは負極、T1,T3期間中の予備放電パルスは正極に印加されている。
【0066】
まず、予備放電パルスが印加され、予備放電を検出すると主放電パルスが印加される。ここで主放電パルスは少なくとも2種類の幅をもつ。予備放電パルスの無負荷時間が設定時間τよりも長い場合は、長いパルス幅で且つ1回の主放電パルスを、短い場合には短いパルス幅で、例えば3回連続の主放電パルスを印加する。本実施の形態では、無負荷時間の長さでその後に印加される主放電パルスの印加条件を分けている。これは、無負荷時間が長い場合は加工間隙の状態が放電しにくい状態に、短い場合には加工間隙の状態が放電しやすい状態になっているためである。このような加工間隙の状態は、連続印加する主放電パルスの時間間隔が高々数十〜百μs程度では変化しない。すなわち、無負荷時間が長い条件で主放電パルスを複数回連続して印加したとしても、上述のように放電しないものが多々発生する可能性がある。そこで、図6に示すように、T1>τの時は、1回の主放電パルスのエネルギーを高め、長いパルス幅の主放電パルスとして、主放電し易くする。ただしワイヤのダメージを少なくするために、印加する主放電パルスは1回とする。T2、T3<τの時には、実施の形態1と同様、短い主放電パルスを3回加工間隙に印加するようにしている。
【0067】
なお、図6では、T2に連動して印加される3つの主放電パルスにおいて、第2主放電パルスでは放電していない例を示した。本実施の形態では、T2、T3<τの時には、放電、非放電によらず規定回数だけ主放電パルスを印加しているが、実施の形態2で示したように、放電位置検出回路19を用いて、集中電流を計測し、同一箇所で所定回数、放電するまで主放電パルスを印加するという構成にしてもよいし、主放電パルスと放電検出回路と連動させて主放電パルス印加で放電した数のみをカウントしてもよい。しかしながらすでに説明したように、無負荷時間が短い場合には加工間隙が放電しやすい状態であるため、非放電数も少ない。従って複雑な回路構成を負荷しなくとも、前述の図6に示すような動作を行うもので、十分精度の高い加工制御を行うことができる。
【0068】
このようにすることにより、簡単な回路構成で、より加工速度の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では無負荷時間が長い時の主放電パルス幅を長く設計しているが、印加電圧値を高めることで電流ピーク値を高めてもよい。このようにしても同一箇所への入力エネルギーはパルス幅を広げたときと同等であり、同じ効果を得ることができる。
また、無負荷時間が長い時の主放電パルスの印加回数は1回としたが、無負荷時間が短いときより減らせばよい。
【0069】
実施の形態5.
前述のように、予備放電パルス印加後の主放電は前サイクルで放電した箇所とは別の箇所で放電していることが望ましく、主放電パルス印加後に再度主放電パルスが連続して印加されるときは、先の主放電パルスで放電した箇所と同一の箇所で放電していることが望ましい。また、これらの放電箇所は印加電圧に依存するため予備放電パルスは比較的低く、主放電パルスは比較的高く設定すればよい。しかしながら、まれに予備放電で放電しながら、第1主放電パルスが印加しても放電しない場合(カラ放電と呼ぶ)が起こることがある。このときには加工間隙には高い電圧が印加されることになり、前のサイクルで放電した箇所が再度放電してしまう「不本意な集中放電」が起こりやすい。
【0070】
そこで、本実施の形態では主放電パルス発生回路を複数の電圧が出力できるようにし、少なくとも予備放電直後の主放電パルスは低電圧にすることでこのような不本意な集中放電を防止し、より良い制御を行うようにしたものである。
【0071】
これを実現するための回路構成はどのような形態のものでもよく、単純に複数の電源電圧を持つものを並列に接続して構成すればよい。ここでは、図2に示す回路構成をそのまま利用して三角波電流を出力し、副直流電源11bも主直流電源11a同様にパルス電流の立ち上がりから使用する形態について説明する。
【0072】
図7は本実施の形態における回路動作を説明するための図であり、符号はすべて実施の形態1(図3)で示したものと等しい。図において、左側は不完全放電のときの様子、右側は完全放電のときの様子を示している。ただし、予備放電パルスが負極時の様子は省略している。
【0073】
予備放電パルスの印加方法は図3と同様であり、スイッチS5S6のゲートに信号が入ると予備放電用電源11c−スイッチS5加工間隙抵抗R1−スイッチS6−予備放電用電源11cのループで電流が流れ、加工間隙に予備放電が発生する。検出パルス印加中に放電開始すれば、電圧検出回路9が働き、スイッチS5S6をOFFと同時にスイッチS1がONとなる。これにより副直流電源11b−ダイオードD2−加工間隙−スイッチS1−副直流電源11bのループで電流が流れ始める。放電を検出した後の動作であるからほとんどの場合、このときの主放電パルスで電流が流れる(a’参照)が、まれに予備放電パルスで放電が終了し、主放電パルスにまで放電が続かない場合(a参照)がある。スイッチS1をOFFすると、a’のように放電した場合には浮遊インダクタンスに蓄えられたエネルギーが加工間隙ーダイオードD1−主直流電源11a−副直流電源11b−ダイオードD2−加工間隙のループで回生していく。
【0074】
ここで引き続き主放電パルスを連続印加する。不完全放電状態においては第1発目の主放電パルスで放電しなかったため、仮に高電圧がここで印加されてしまうと前サイクルで放電した箇所が再放電してしまう可能性がある。そこで2発目の主放電パルスも1発目同様に副直流電源11bを利用して行う。副直流電源11bの電圧設定はおよそ80Vであり、予備放電用電源11cの電圧設定60Vに近い。そのためこのときの副直流電源11bは予備放電と同様の働きをすることになる。
【0075】
3、4発目に連続印加される主放電パルスは主直流電源11aを利用して行う。具体的にはスイッチS1、スイッチS2が同時にONとなることで主直流電源11a−スイッチS2−加工間隙−スイッチS1ー主直流電源11aのループで電流が流れる。放電状態にある場合には加工間隙にはアーク電圧しか発生しないため、a’,b’とc’,d’とにそれほど大きな違いは見られないが、加工間隙を流れる電流のピーク値はa’,b’に比べてc’,d’は高い。
パルス終了後には加工間隙−ダイオードD1−主直流電源11a−副直流電源11b−ダイオードD2−加工間隙のループでエネルギーが回生されていく。
【0076】
このように加工間隙の電圧を徐々に高めることにより少なくとも不本意な集中放電を抑制することができる。
【0077】
実施の形態6.
実施の形態4において、予備放電パルスの無負荷時間の長さにより加工間隙の状態がおよそ推測できることはすでに述べた。一方、図3、図5、図6、及び図7において、主放電パルスを印加中の加工間隙の電圧波形と電流波形を比較すると、連続印加される主放電パルスの印加直後の電圧値により加工間隙の状態も判断できることがわかる。主放電パルスを連続印加中の加工間隙の状態とは同一箇所への放電(集中放電)の頻度と考えてもよい。そこで、本実施の形態においては、連続印加される主放電パルスに対する加工間隙の電圧をモニタリングして集中放電を判断する方法について説明する。すなわち、これにより位置検出回路、ロゴスキーコイルを設ける必要がなくなる。
【0078】
図8は本実施の形態に係わる加工間隙の電圧・電流波形を示している。主放電パルスに対する加工間隙の電圧のモニタリングには電圧検出方式(図8の左側)とパルス幅検出方式(図8の右側)が考えられる。もちろんこの2つを組み合わせてもよい。
まず、電圧検出方式について述べる。電圧検出は例えば図1における電圧検出回路9と同様のものをもう一つ設ければよい。アーク電圧レベルと主直流電源電圧レベルとの間に検出レベルを設けて設定する。予備放電パルス印加後の主放電パルスは予備放電から放電電流が持続するため、加工間隙の電圧はアーク電圧となる。その後さらに主放電パルスを印加するが、集中放電している場合は比較的放電しやすい状態であるから放電遅れ時間は短い。従って、主直流電源電圧に達する前に放電する率が高い。結果、加工間隙の電圧は設定レベル以下となる。しかし、仮に加工間隙が放電しにくい状態になると放電遅れ時間も長くなり、設定レベルを超えた電圧が加工間隙に印加されてしまう。このときの放電は集中放電ではない可能性がある。実施の形態2のように放電位置検出回路19と組み合わせて集中放電数が設定値に達するまで主放電パルスを連続印加する場合には問題ないが、実施の形態1のように集中放電の有無によらず主放電パルスを規定回数のみ印加する場合は十分集中放電を制御しているとはいえない。そこで、このように加工間隙の電圧が設定レベルを超え、集中放電していないと思われる時には主放電パルスの印加を止め、次サイクルへと動作を移し、確実に各サイクルで集中放電を利用するようにする。これにより、ロゴスキーコイルなどを使用せずとも簡単な回路構成で集中放電を制御することができる。
【0079】
パルス幅検出方式は、例えば、主直流電源電圧が加工間隙に印加される時間幅が設定パルス幅よりも長いか短いかを判断するものであり、設定パルス幅より長ければ次のサイクルへと動作を移す。もちろんこのときの電圧設定は必ずしも主直流電源電圧にしなくてもよく、上記電圧検出方式のようにアーク電圧と主直流電源電圧との間の電圧に設定してもよい。主直流電源電圧に設定した場合は上記電圧に設定した場合以上に緩やかな検出となる。
加工間隙の放電しにくい状態が強まると、放電開始電圧(加工間隙に表れる電圧)が高くなり、さらに強まるとその最大電圧が印加されつつ放電遅れ時間が大きくなる。従って、主放電パルスのパルス幅が規定されている場合は、放電電流が小さくなることになる。このような状態は上記電圧検出方式以上に集中放電していない可能性が強く、検出後には主放電パルスの連続印加を停止し、次サイクルに動作を移すことが望ましい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように、この発明の放電加工方法は、被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すので、加工速度が向上できる。
【0081】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、放電位置検出器により、主放電パルス電流の供給により放電した時の放電位置を検出し、同一箇所で所定の回数放電するまで主放電パルス電圧を複数回印加するので、時間利用率を高めることができ、更なる加工速度の高速化が期待できる。
【0084】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、検出パルス電圧の無無負荷時間が設定時間より長い場合は、無負荷時間が設定時間より短い場合より、主放電パルス電圧の印加数を少なくし、且つ1回あたりの主放電パルス電圧のパルス幅または電流ピーク値を高めるので、より加工速度の向上を図ることができる。
【0085】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、予備放電検出後に印加される複数回の主放電パルス電流のうち、少なくとも検出パルス電圧印加後の第1主放電パルス電流は、上記第1主放電パルス電流より後の主放電パルス電流より低く設定するので、不本意な集中放電を抑制することができる。
【0086】
また、本発明の放電加工方法は、上記加工方法に加え、予備放電検出後に印加される複数回の主放電パルス電圧印加時における電極と被加工物との間の電圧値または電圧パルス幅を監視し、設定値を超える場合は上記主放電パルス電圧の印加を止めるので、簡単な回路構成により確実に各サイクルで集中放電を利用できるようになり、加工速度が向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のワイヤ放電加工装置を示すブロック図である。
【図2】 この発明のワイヤ放電加工装置に係わる加工用電源回路を示す回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係わる放電位置検出回路の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係わる放電位置検出回路の動作を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態4によるワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態5によるワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態6によるワイヤ放電加工装置の動作を示す図である。
【図9】 従来の放電加工装置における電源回路(従来技術▲1▼)の構成を示す回路図である。
【図10】 従来技術▲1▼の電源回路の動作を説明する図である。
【図11】 従来の他の放電加工装置における電源回路(従来技術▲2▼)の構成を示す回路図である。
【図12】 従来技術▲2▼の電源回路の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極、2 被加工物、3 ロゴスキーコイル、4 テーブル、5aX軸駆動モータ、5b Y軸駆動モータ、6 軸駆動制御装置、7 加工用電源回路、8 加工用電源制御回路、9 電圧検出回路、10 NC制御装置、11a 主直流電源、11b 副直流電源、11c 予備放電用電源(検出パルス発生用電源)、12 NCプログラム、18 加工用電源制御回路、19 放電位置検出回路、20a 上部給電子、20b 下部給電子、21,22 ゲイン調整用オペアンプ、23 除算ブロック、24−1〜24−10 計数ブロック、70 第1の直流電源、71 第1のスイッチ回路、72 電流制限抵抗器、73,76 ダイオード、74 第2の直流電源、75 第2のスイッチ回路、77 第3の直流電源、78 第3のスイッチ回路、79 電流制限抵抗器、91,92分圧用抵抗器。

Claims (4)

  1. 被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すことにより上記被加工物を放電加工する方法であって、放電位置検出器により、上記主放電パルス電流の供給により放電した時の放電位置を検出し、同一箇所で所定の回数放電するまで上記主放電パルス電圧を複数回印加することを特徴とする放電加工方法。
  2. 被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すことにより上記被加工物を放電加工する方法であって、上記検出パルス電圧の無負荷時間が設定時間より長い場合は、上記無負荷時間が上記設定時間より短い場合より、上記主放電パルス電圧の印加数を少なくし、且つ1回あたりの上記主放電パルス電圧のパルス幅または電流ピーク値を高めることを特徴とする放電加工方法。
  3. 被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すことにより上記被加工物を放電加工する方法であって、上記予備放電検出後に供給される複数回の上記主放電パルス電流のうち、少なくとも上記検出パルス電圧印加後の第1主放電パルス電流は、上記第1主放電パルス電流より後の主放電パルス電流より低く設定することを特徴とする放電加工方法。
  4. 被加工物と所定間隔離して対向配置された電極との間に検出パルス電圧を印加して予備放電を発生させる工程、上記予備放電を検出する工程、上記予備放電を検出後、主放電パルス電圧を複数回印加して上記被加工物と上記電極との間に主放電パルス電流を複数回供給し、主に加工に寄与する主放電を発生させる工程、及び上記検出パルス電圧の印加と複数回の上記主放電パルス電流の供給を、所定の休止期間を経て複数サイクル繰り返す工程を施すことにより上記被加工物を放電加工する方法であって、上記予備放電検出後に印加される複数回の上記主放電パルス電圧印加時における上記電極と上記被加工物との間の電圧値または電圧パルス幅を監視し、設定値を超える場合は上記主放電パルス電圧の印加を止めることを特徴とする放電加工方法。
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