JP5405141B2 - 平版印刷版の作製方法 - Google Patents
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Description
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
また、特許文献2の実施例にはpH11.9〜12.1の水溶性高分子化合物を含有する処理液による処理が記載されている。しかしながら、この処理により得られた印刷版は、pH12のアルカリが版面に付着したままの状態であり、作業者に対して安全面で問題がある上に、印刷版作成後に印刷までの経時が長くなると画像部が次第に溶解して耐刷性や着肉性の低下を招く。特許文献3にはpH3〜9の水溶性高分子化合物を含有する処理液による処理が記載されている。しかし、この処理液は塩基成分を含まないため、感光層のポリマーを親水性にして現像可能とする必要があり、耐刷性が著しく低下するという問題がある。
また、特許文献4には、アルカリ金属の炭酸塩と炭酸水素塩の水溶液で現像する方法が記載されているが、ガム液処理工程が設けられており、前述のような地球環境への配慮と省スペース、低ランニングコストを解決するものではなかった。特許文献5には、pH9.5〜14のアルカリ溶液を用いて現像処理した後、ガム処理工程を行わない態様が記載されているが、現像処理性、現像後の版面ベトツキ、現像カス、繰り返しランニング適性等の面で未だ不充分であった。
さらに、特許文献2、5においてはガム液処理工程を行わない態様であるために、表面保護機能に乏しく、すなわち非画像部が外的要因で汚れやすく、特に現像後の版の非画像部を素手で持った際に生じるに印刷汚れ(以降、指紋跡汚れともいう)が課題であった。
従って本発明は、親水性支持体上に、下記(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含有する画像記録層を有するネガ型平版印刷版原版を画像露光した後、低分子ヒドロキシカルボン酸イオン、pH緩衝剤、及び界面活性剤を含有するpH8.5〜10.8の水溶液で処理することを特徴とする平版印刷版の作製方法である。
(i)増感色素
(ii)重合開始剤
(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物
(iv)バインダーポリマー
本発明で使用する上記水溶液に含ませる界面活性剤の一例として、両性界面活性剤が挙げられる。
本発明で使用する上記水溶液に含ませるpH緩衝剤の例として、(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、又は(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。中でも(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオンが好ましく使用される。
本発明で用いるネガ型平版印刷版原版において、(iv)バインダーポリマーの例として、側鎖に酸基、例えばカルボン酸基を有するバインダーポリマーが挙げられる。該ネガ型平版印刷版原版の例として、画像記録層上に保護層を有するものが挙げられる。該保護層の実施態様として、酸変性ポリビニルアルコールを含有する保護層がある。
本発明の平版印刷版の作製方法は、上記水溶液による1液処理で実施することができる。
本発明はさらに、上記作製方法で得られた平版印刷版に向けられている。
また、本発明により得られた平版印刷版によれば、耐刷性が良好で、現像後印刷までに印刷版を保存した場合でも、耐刷性の低下が起こらない。
さらに、弱アルカリ性処理液での1液現像が可能になるため、高い安全性、処理工程の簡素化、地球環境への配慮、省スペース、低ランニングコストへの適合等のメリットを提供できる。
本発明におけるネガ型平版印刷版原版について、その構成を順次説明する。
最初に、本発明で使用する平版印刷版原版の支持体について説明する。
支持体は、表面が親水性であれば如何なるものでも使用され得るが、寸度的に安定な板状物が好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、また、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む。)、亜鉛、銅等のような金属またはその合金(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)の板、更に、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属または合金がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。更に、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。通常その厚さは0.05mm〜1mm程度である。
[砂目立て処理]
砂目立て処理方法は、塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て方法、およびアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。例えば、特開昭56−28893号公報には、機械的砂目立て、化学的エッチングおよび電解グレインを行う方法が記載されている。
具体的には、有用な表面粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法であり、適する電流密度は100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好ましい。
好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であり、アルミニウムの溶解量が5〜20g/m3となるような条件が好ましい。
エッチングの後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度で15〜65質量%の硫酸と接触させる方法、および、特公昭48−28123号公報に記載されているアルカリエッチングする方法が好ましく挙げられる。
好ましいアルミニウム支持体の表面粗さ(Ra)は、0.3〜0.7μmである。
以上のようにして砂目立て処理されたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理を施してもよい。陽極酸化処理は、当該技術分野において従来から行われている方法で行うことができる。
具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて、水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当である。
これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸中、高電流密度で陽極酸化する方法、および、米国特許第3,511,661号明細書に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが好ましい。1g/m2未満であると版に傷が入りやすく、10g/m2を超えると製造に多大な電力が必要となり経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/m2であり、更に好ましくは、2〜5g/m2である。
具体的には、有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、ポリビニルホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸等の有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれる。これらは二種以上混合して用いてもよい。
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpHを調節することにより、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、平版印刷版原版の調子再現性改良のために、黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性が得られない場合がある。また、200mg/m2より大きくても同様である。
本発明で使用する型平版印刷版原版の画像記録層(以下、感光層とも云う)は、基本成分として、(i)増感色素、(ii)光重合開始剤、(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物及び(iv)バインダーポリマーを含有する。
本発明で使用される増感色素は、吸収したレーザー光のエネルギーを光重合開始剤へエネルギー移動又は電子移動により伝達することが可能な色素である。
上記機能を有する増感色素であれば特に吸収波長は限定されず、露光に用いるレーザーの波長により適宜選択されるが、本発明では、特に、360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素が好ましく用いられる。この様な増感色素としては、例えば、下記一般式(2)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(3)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(4)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(5)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等)を挙げることができる。
ルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO3H2)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
R15〜R32は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但し、R15〜R24の少なくとも一つは、炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
本発明で使用される重合開始剤としては、特許、文献等で公知である種々の光重合開始剤、あるいは2種以上の光重合開始剤の併用系(光重合開始系)を適宜選択して使用することができる。本発明においては単独で用いる光重合開始剤、2種以上の光重合開始剤を併用した系を総括して単に光重合開始剤という。
例えば400nm付近の光を光源として用いる場合、ベンジル、ベンゾイルエーテル、ミヒラーズケトン、アントラキノン、チオキサントン、アクリジン、フェナジン、ベンゾフェノン、ヘキサアリールビスイミダゾール化合物等が広く使用されている。
ヘキサアリールビスイミダゾール化合物は2種以上併用してもよい。
本発明使用されるエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはこれらの共重合体ならびにこれらの混合物等の化学的形態をもつものである。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−6ELH、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−100(新中村化学工業製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(共栄社油脂製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、SH−380G、SH−500、SH−9832(根上工業製)、PLEX6661−O(独・Degussa社製)等を挙げることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物の使用量は、感光層の全固形分に対して5〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜75質量%の範囲である。
本発明で使用するバインダーポリマーは、特に限定されることは無いが、弱アルカリ水溶液への溶解性・現像性の観点から酸基を有する有機重合体が好ましく、特にカルボン酸含有の有機重合体がさらに好ましい。この様な有機重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。
さらに、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号に記載のポリウレタン樹脂も弱アルカリ水可溶または膨潤性バインダーとして有用である。
バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく用いられる。
1から18のアルキル基、炭素数5から20の脂環構造を有するアルキル基または炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。
繰り返し単位(1)の具体例としては、以下の(1-1)〜(1−9)に示す構造が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下にポリウレタン樹脂の原料であるジイソシアネート化合物およびジオール化合物について説明する。
ジイソシアネート化合物としては、式(4)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
OCN−L−NCO (4)
ジイソシアネートの使用量は、ジオール化合物に対してモル比で好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1である。ジイソシアネート化合物をジオール化合物に対して過剰に用い、ポリマー末端にイソシアネート基が残存するような場合には、ウレタン化反応終了後にアルコール類またはアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成されることが好ましい。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
架橋性基を有するジイソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネート化合物と、架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させて得られる生成物がある。
トリイソシアネート化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリウレタン樹脂の側鎖に不飽和基を導入する方法としては、前述の方法の他に、ポリウレタン樹脂製造の原料として、側鎖に不飽和基を含有するジオール化合物を用いる方法も好適である。そのようなジオール化合物は、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルのように市販されているものでもよいし、ハロゲン化ジオール化合物、トリオール化合物、アミノジオール化合物と、不飽和基を含有するカルボン酸、酸塩化物、イソシアネート、アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化アルキル化合物との反応により容易に製造される化合物であってもよい。これら化合物の具体的な例として、下記に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(式中、nは1以上の整数を表す。)
式(11)、(12)または(13)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。具体例中のnは2以上の整数である。
HO−L8−NH−CO−L9−CO−NH−L8−OH (19)
HO−L9−CO−NH−L8−OH (20)
HO−Ar2−(L16−Ar3)n−OH (21)
HO−Ar2−L16−OH (22)
式(21)または(22)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
ロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル等が挙げられる。下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
本発明におけるポリウレタン樹脂バインダーにおいて、さらに下記式(31)、(32)に示すアミノ基含有化合物を組み合わせてジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込んでもよい。
硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の10質量%以下が好ましい。
感光層を形成するための組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。好適な界面活性剤としては、たとえばフッ素系ノニオン界面活性剤を挙げることができる。
本発明の平版印刷版原版において感光層の被覆量は、塗布乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5g/m2であり、更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
前記感光層の上には、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層(オーバーコート層)を設けることが好ましい。
保護層の塗布質量は0.5〜3.0g/m2の範囲が好ましい。0.5g/m2未満では感度が低下することがあり、3.0g/m2を超えると処理プロセスの負担が増大することがある。好ましくは、0.7〜2.5g/m2の範囲である。
本発明において、特に好適な結果を得るためには、ポリビニルアルコールの加水分解度が95%以上のものを使用することが望ましい。
(酸変性ポリビニルアルコール)
酸変性ポリビニルアルコールとしては、酸基を適当量含有するビニルアルコール系重合体であれば特に制限は無い。特にスルホン酸基又はカルボキシル基を適当量含有するビニルアルコール系重合体が好ましく用いられ、前者をスルホン酸変性ポリビニルアルコール、後者をカルボン酸変性ポリビニルアルコールという。
酸変性ポリビニルアルコールは、酸基を有する単量体を酢酸ビニルと共に重合した後、酢酸ビニルの一部又は全てをケン化してビニルアルコールとする方法により合成することが好ましいが、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基に酸基を有する化合物を結合させて合成することも可能である。
酸変性ポリビニルアルコールは適宜合成したものであっても良く、市販品であっても良い。
酸変性ポリビニルアルコールは、感光層の現像除去性の低下を抑制することができる。なかでも、ケン化度が91モル%以上のものが好ましい。
このような高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールの具体例としては、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製KL−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−618(ケン化度94モル%、平均重合度1800)、KM−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−106(ケン化度98.5モル%、平均重合度600)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセナールT−330H(ケン化度99モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−330(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−350(ケン化度94モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−230(ケン化度96.5モル%、平均重合度1500)、ゴーセナールT−215(ケン化度96.5モル%、平均重合度1300)、ゴーセナールT−HS−1(ケン化度99モル%、平均重合度1300)、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、AF−17(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、AT−17(ケン化度93.5モル%、平均重合度1700)が挙げられる。
また、スルホン酸変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製の、SK−5102(ケン化度98モル%、平均重合度200)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセランCKS−50(ケン化度99モル%、平均重合度300)が挙げられる。
酸変性ポリビニルアルコールの変性度とは、酸変性ポリビニルアルコールの共重合体中に含まれる酸基を有するユニットのモル比を表す。酸変性ポリビニルアルコールの変性度は、0.1〜20モル%が好ましく、0.2〜5モル%がより好ましい。
次に本発明に係る平版印刷版原版を用いた平版印刷版の作製方法について詳細に説明する。本発明の平版印刷版の作製方法は、平版印刷版原版を画像露光(露光工程)した後、低分子ヒドロキシカルボン酸イオン、pH緩衝剤、及び界面活性剤を含有するpH8.5〜10.8の水溶液で処理(現像工程)することを特徴とする。必要により、上記露光工程と現像工程の間及び/又は現像工程の後に、平版印刷版原版を全面露光及び/又は加熱する工程を設けてもよい。
ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は20〜400μm、毛の長さは5〜30mmのものが好適に使用できる。
回転ブラシロールの外径は30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は0.1〜5m/secが好ましい。回転ブラシロールは、複数本用いることが好ましい。
本発明で使用する該水溶液を以下、処理液あるいは現像液とも云う。
本発明で使用する現像液に用いられる低分子ヒドロキシカルボン酸イオンは、分子量500以下の低分子化合物であって、低分子ヒドロキシカルボン酸イオンを現像液中に存在させるには、低分子ヒドロキシカルボン酸を現像液に加えて、その後pHを調整してもよいし、低分子ヒドロキシカルボン酸塩を現像液に加えてもよい。また、カルボン酸を二つ以上有する低分子ヒドロキシカルボン酸は、該水溶液中においては少なくとも1つがイオンになっていればよい。
また、カルボン酸基を1つ以上有し、かつ水酸基を2つ以上有する化合物も、低分子ヒドロキシカルボン酸として好ましく用いられる。そのような低分子ヒドロキシカルボン酸の具体例として、グルコン酸、酒石酸、メバロン酸、パントイン酸、キナ酸、シキミ酸、ジヒドロキシ安息香酸誘導体、トリヒドロキシ安息香酸誘導体、ウンベル酸、コーヒー酸、ジメチロールプロピオン酸、カルミン酸などが挙げられる。これらの中でも、グルコン酸、酒石酸、メバロン酸、シキミ酸、没食子酸、ジメチロールプロピオン酸、カルミン酸が好ましく用いられる。また、水酸基を4つ以上有する低分子ヒドロキシカルボン酸も好ましく用いられる。そのような例として好ましくは、グルコン酸、カルミン酸が挙げられる。
低分子ヒドロキシカルボン酸塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここでpH緩衝剤とは、アルカリ性の緩衝剤であり、例えば(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及びそれらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン-炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は(c)水溶性のアミン化合物-そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせである。
ここで用いるホウ酸あるいはホウ酸塩は、特に限定されないが、ホウ酸としてオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、中でもオルトホウ酸及び四ホウ酸が好ましい。また、ホウ酸塩としてアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩などが挙げられ、中でもオルトホウ酸塩、四ホウ酸塩、特にアルカリ金属の四ホウ酸塩が好ましい。好ましい四ホウ酸塩として、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム及び四ホウ酸リチウムなどが挙げられ、中でも四ホウ酸ナトリウムが好ましい。ホウ酸塩を2種以上併用してもよい。
本発明で使用するホウ酸あるいはホウ酸塩として、特に好ましいのは、オルトホウ酸、四ホウ酸あるいは四ホウ酸ナトリウムである。現像液にホウ酸及びホウ酸塩を併用してもよい。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有している水溶性アミン化合物が好ましい。該水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、これらの基を複数合わせ持っていても良い。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合は、アミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。本発明におけるアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、Cの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
状態A 状態B
(たとえば、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基などを表わし、その少なくとも1つは水酸基を有するアルキル基である。)
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがある。これらの中で、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしてはクロルイオンが好ましい。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、芳香族スルホン酸塩類、芳香族置換ポリオキシエチレンスルホン酸塩類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
界面活性剤は単独もしくは組み合わせて使用することができる。界面活性剤の現像液中における含有量は0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
式<2>中、R18、R19およびR20は、各々水素原子またはアルキル基を表す。但し、R18、R19およびR20のすべてが、水素原子であることはない。
式<1>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R8〜R11の炭素数の総和は好ましくは、8〜25であり、より好ましくは11〜21である。
式<2>で示される化合物において、総炭素数値が大きくなると疎水部分が大きくなり、水系の現像液への溶解が困難となる。この場合、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、良化はするが、総炭素数値が大きくなりすぎた場合、適正混合範囲内で界面活性剤を溶解することはできない場合がある。従って、R18〜R20の炭素数の総和は好ましくは、8〜22であり、より好ましくは10〜20である。
水溶性樹脂は2種以上を併用することもできる。水溶性樹脂の処理液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
加熱処理に用いられる加熱処理手段は、露光工程に用いられるプレートセッタおよび現像処理工程に使用される現像装置とお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインが挙げられる。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていても良く、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていてもよい。
また、現像後の印刷版に対して、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行ってもよい。全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。十分な耐刷性を得るためには露光量としては少なくとも10mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは100mJ/cm2以上である。
全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、35〜130℃であり、さらに好ましくは、40〜120℃である。具体的には、特開2000-89478号公報に記載の方法を利用することができる。
また、耐刷性等の向上を目的として、現像後の印刷版を非常に強い条件で加熱することもできる。加熱温度は、通常200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる恐れがある。
このようにして得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
[支持体の作製]
厚さ0.03mmのアルミニウム板(JIS A1050)を用いて以下の表面処理を行なった。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、下記硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
支持体1〜3に下記の下塗り液1を、バーコーターを用いて乾燥塗布量2mg/m2となるよう塗布し、80℃で20秒間乾燥して支持体7〜9を作製した。
下記ポリマー(SP1) 0.3g
純水 60.0g
メタノール 939.7g
〔下塗り液2〕
・下記ゾル液 200g
・メタノール 800g
・ホスマーPE(ユニケミカル(株)製) 52g
・メタノール 44g
・水 14g
・85質量%リン酸 11g
・テトラエトキシシラン 36g
・3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 12g
下記ポリマー(SP2) 0.3g
純水 60.0g
メタノール 939.7g
<感光層1>
支持体上にバーコーターを用いて下記組成の感光層塗布液1を塗布した後、90℃で1分間乾燥し感光層1を形成した。感光層の乾燥塗布量は1.35g/m2であった。
(感光層塗布液1)
重合性化合物 デグサ社製 PLEX6661−O 1.69質量部
前記バインダーポリマー PP−3(表1参照) 1.87質量部
(モノマー共重合のモル比 a-1:b-1:1-2=14:76:10、重量平均分子量9万)
前記増感色素(D40) 0.13質量部
下記重合開始剤(黒金化成社製) 0.46質量部
下記ε−フタロシアニン(F1)の25%MEK分散物 1.70質量部
前記メルカプト基含有ヘテロ環化合物(SH−8) 0.34質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤 メガファックF−780F
(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03質量部
クペロンAL(和光(株)社製)(トリクレジルホスフェート10%溶液)
0.12質量部
メチルエチルケトン 27.0質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.7質量部
Novoperm Yellow H2G(Clariant(株)社製) 0.20質量部
支持体上に下記組成の感光層塗布液2を乾燥塗布質量が1.4g/m2となるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて感光層2を形成した。
(感光層塗布液2)
重合性化合物(化合物A) 4.0 質量部
バインダーポリマー(バインダーA) 2.0 質量部
下記増感色素(C−1) 0.32質量部
下記重合開始剤(D−1) 0.61質量部
下記連鎖移動剤(E−1) 0.57質量部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.020質量部
ε―フタロシアニン顔料分散物 0.71質量部
(顔料:15質量部、分散剤 下記ポリマー(1):10質量部、
溶剤: シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−
メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.016質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45質量部
支持体上に、下記組成の感光層塗布液3をバー塗布した後、100℃、44秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/m2の感光層を形成した。
(感光層塗布液3)
下記バインダーポリマーPU−A 0.45g
下記重合性化合物(1) 0.52g
(PLEX 6661−O、デグサジャパン(株)製)
下記増感色素(1) 0.04g
下記重合開始剤(1) 0.08g
下記共増感剤(1) 0.05g
ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤 下記ポリマー(1):10質量部、
溶剤: シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−
メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
熱重合禁止剤 0.006g
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
下記フッ素系界面活性剤(1) 0.002g
1−メトキシ−2−プロパノール 8.0g
メチルエチルケトン 8.0g
<保護層1>
感光性層上に、下記組成の保護層塗布液を乾燥塗布質量が2.5g/m2となるようにバーコーターで塗布し、120℃で1分間乾燥して保護層1を形成した。
(保護層塗布液)
PVA105(ケン化度98モル%、クラレ(株)製) 1.80質量部
ポリビニルピロリドン 0.40質量部
EMALEX710(日本乳化剤(株)製ノニオン界面活性剤) 0.04質量部
パイオニンD230(竹本油脂(株)製界面活性剤) 0.05質量部
ルビスコールV64W(BASF社製) 0.06質量部
下記ポリマーの13%水溶液 0.36質量部
純 水 36.0質量部
保護層1において、PVA105をゴーセランCKS−50(日本合成化学(株)製、ケン化度:99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%)に変更した以外保護層1の形成と同様にして保護層2を形成した。
感光層上に、ポリビニルアルコール(けん化度98モル%、重合度500)80質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製、ルビスコールK−30)17質量%、下表記載のフッ素系界面活性剤1.0質量%および界面活性剤パイオニンD230(竹本油脂(株)製)を2質量%の混合水溶液をワイヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて125℃で75秒間乾燥して乾燥塗布量2.45g/m2の保護層3を形成した。
感光層上に、下記組成の保護層塗布液をバー塗布した後、125℃で70秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.25g/m2の保護層を形成した。
(保護層塗布液)
下記雲母分散液 0.6g
スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.8g
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製(ケン化度:
99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%))
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量:7万) 0.001g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002g
水 13g
水368gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになる迄分散し、雲母分散液を得た。
上記各平版印刷版原版を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載)により画像露光した。画像描画は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で行なった。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った後、下記組成の各処理液を用い、図1に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。自動現像処理機は、25Lの現像槽を有し、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシロールを1本有し、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。処理液の温度は30℃であった。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
水 7839.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1860
(両性界面活性剤 川研ファインケミカル(株))
グルコン酸ナトリウム 150
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7619.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
(両性界面活性剤 川研ファインケミカル(株))
グルコン酸ナトリウム 150
TSA739 (東芝シリコーン製) 20 (有効成分の固形分として)
EDDS (エチレンジアミンジサクシネート) 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
グルコン酸ナトリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
ヒドロキシアルキル化澱粉 550
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
シキミ酸ナトリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
没食子酸ナトリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
ジメチロールプロピオン酸ナトリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
カルミン酸カリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
メバロン酸ナトリウム 100
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7069.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1500
ソフタゾリンLAO 360
キナ酸カリウム 150
TSA739 20 (有効成分の固形分として)
EDDS 200 (有効成分の固形分として)
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 7839.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ソフタゾリンLPB-R 1860
2-ヒドロキシ酪酸ナトリウム 150
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
水 8769.8
炭酸ナトリウム無水塩 100
炭酸水素ナトリウム 50
ニューコールB4SN(61%水溶液)(アニオン系界面活性剤) 930
グルコン酸ナトリウム 150
2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3ジオール 0.1
2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 0.1
各平版印刷版原版を用いて、指紋跡汚れ性、汚れ防止性、処理性、版面の面状、版面のベトツキ、及び耐刷性を以下のように評価した。
上記の手法により現像した印刷版の非画像部を親指で10秒間押し付け、その版を室温25度、湿度70%の環境下にて現像した印刷版を合紙等で保護をすることなく、1日間放置した。その版を印刷し、押し付けた場所が印刷汚れにならないか評価した。
◎:放置経時期間を3日まで延長しても、汚れにならない。
○:印刷汚れにならない
△:ポツ状の僅かな印刷汚れが認められるが、許容範囲
×:指の後の印刷汚れになる
○〜△:○と△の間
各平版印刷版について上記の条件で印刷を行い、1万枚印刷した後における非画像部のブランケットの汚れを目視で評価した。ブランケットの汚れが無しの場合:○、ブランケットの汚れが殆ど無しの場合:△、ブランケットの汚れがありの場合:×、と評価した。
なお、○−△は○と△の中間レベルを意味する。
各平版印刷版原版を上記の条件で1週間かけて500m2現像処理した際に、自動現像機の漕壁に付着したカスの発生状況を目視観察した。発生したカスは、主として保護層のバインダーに起因するものである。
カスの発生がない場合:○、カスの発生あるが許容レベルの場合:△、カス発生が顕著な場合:×と評価した。
版面の現像処理後における、処理液の塗布状態を目視で観察した。相対比較として、均一に塗布されている場合:○、やや塗布ムラがあるが許容レベルの場合:△、塗布ムラがひどい場合:× ○〜△はその中間のレベルである。
<版面のベトツキ>
上記500m2現像処理した最後の版を手で触った際の、版面のベトツキの程度を比較した。相対比較として、サラサラしている場合:○、ベトベトしている場合:×、中間程度の場合:△とした。
印刷枚数を増やしていくと徐々に平版印刷版上に形成された感光層の画像が磨耗しインキ受容性が低下するため、これに伴い、印刷物における画像のインキ濃度が低下する。そこで、インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性(作製直後)を評価した。また、平版印刷版を作製後、温度25℃、湿度60%の環境下で1週間放置した後、上記の条件で印刷を行い、耐刷性(1週間後)を同様に評価した。
評価の結果を表2〜5に示す。
6 現像部
10 乾燥部
16 搬送ローラ
20 現像槽
22 搬送ローラ
24 ブラシローラ
26 スクイズローラ
28 バックアップローラ
36 ガイドローラ
38 串ローラ
Claims (15)
- 親水性支持体上に、下記(i)、(ii)、(iii)および(iv)を含有する画像記録層を有するネガ型平版印刷版原版を画像露光した後、低分子ヒドロキシカルボン酸イオン、pH緩衝剤、水溶性樹脂、及び界面活性剤を含有するpH8.5〜10.8の水溶液で処理することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(i)増感色素
(ii)重合開始剤
(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物
(iv)バインダーポリマー - 該低分子ヒドロキシカルボン酸イオンが、カルボン酸基を少なくとも2つ有するヒドロキシカルボン酸イオンである、請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該低分子ヒドロキシカルボン酸イオンが、クエン酸イオン、酒石酸イオン及びリンゴ酸イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該低分子ヒドロキシカルボン酸イオンが、水酸基を4つ以上有するヒドロキシカルボン酸イオンである、請求項1または2のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該水溶液に含まれる界面活性剤が両性界面活性剤である、請求項1〜4のいずれか1項記載の平版印刷版の作製方法。
- 該pH緩衝剤が(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、並びに(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- (i)増感色素が、350nmから450nmの波長域に吸収極大を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- (i)増感色素が、下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される増感色素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 画像露光が350nmから450nmの光を発するレーザーを用いて行われる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- (iv)バインダーポリマーが、側鎖に酸基を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該酸基がカルボン酸基である、請求項10に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該平版印刷版原版が、画像記録層上に保護層を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該保護層が酸変性ポリビニルアルコールを含有する、請求項12に記載の平版印刷版の作製方法。
- 該水溶液による処理が、現像処理およびガム引き処理を1液で同時に行う1液処理である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の作製方法で得られた平版印刷版。
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