JP5422134B2 - 浸漬型平版印刷版用自動現像方法 - Google Patents

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Description

本発明は、平版印刷版を作製する浸漬型平版印刷版用自動現像方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷とは、水と印刷インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
このように従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、環境および安全上、より中性域に近い現像液での処理や少ない廃液が課題として挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっており、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
一方、近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述のように、現像液の低アルカリ化、処理工程の簡素化は、地球環境への配慮と省スペース、低ランニングコストへの適合化との両面から、従来にも増して強く望まれるようになってきている。しかし前述のように、現像処理工程は一般にpH10以上のアルカリ水溶液で現像した後、水洗浴にてアルカリ剤を流し、その後、親水性樹脂を主とするガム液で処理するという3つの工程からなっており、そのため自動現像機自体も大きくスペースを取ってしまい、さらに現像廃液、水洗廃液、ガム廃液処理の問題等、環境およびランニングコスト面での課題を残している。
これに対して、例えば、特許文献1には、pH10〜12.5の水溶液で処理する現像方法が提案されているが、水洗及びガム液処理工程を必要としており、環境およびランニングコスト面の課題解決には至らない。
また、特許文献2の実施例にはpH11.9〜12.1の水溶性高分子化合物を含有する処理液による1浴処理が記載されている。しかしながら、pH12のアルカリが版面に付着したままの原版は、作業者に対する安全面で問題がある上に、原版作成後に印刷までの経時が長くなると画像部が次第に溶解して耐刷性や着肉性の低下を招く。また、特許文献3にはpH3〜9の水溶性高分子化合物を含有する処理液による1浴処理が記載されている。特許文献4には、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩を有するpH8.5〜11.5の現像処理が記載されている。
ところが、低アルカリ化、工程の簡素化は現像処理工程に大きな負荷を与える。例えば、アルカリ現像液では、感光層を容易に溶解除去できていたが、低アルカリ現像液では、容易に感光層を除去することはできない。このため、必然的に溶解できずに残存した感光層が再び、版に付着し、版上カスとなり、外観不良、ひいては印刷時の汚れを引き起こしていた。また、時には、残像した感光層により、処理機内が汚染され、メンテに時間や労力を要する度合いが大きくなった。
また一方で、低アルカリ化、工程の簡素化に伴い、処理機の方も、現像液に浸漬する構成ではなく、水平に搬送し、スプレーにより現像液を供給するタイプの物が使用されていた。
しかしながら、この水平搬送式の構成は、液はねにより液が飛散しやすく、飛散した液が乾燥し、カス化する問題があった。本質的に、水平搬送式の構成は、非稼動時に現像液が乾燥しやすく、擦り材(ブラシ)、ローラ等も乾燥により、汚れが生じやすいし、汚れからカスが生じる問題を避けて通れない。このため水平搬送式の設計は、非常に困難で、技術的ハードルが高かった。
特開平11−65126号公報 欧州特許第1868036号明細書 特表2007−538279号公報 特開平11−65126号公報
本発明は上記水平搬送式自動現像装置の欠点を解決するためになされたものであり、高品質の平版印刷版を作製することが可能な平版印刷版を作製できる浸漬型平版印刷版用自動現像方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の浸漬型平版印刷版用自動現像方法の発明は、支持体上の画像記録層が画像露光された平版印刷版原板を炭酸イオン、炭酸水素イオン及び水溶性高分子化合物を含有する水溶液からなる現像液が満たされた現像槽に浸漬した状態で非画像部の除去が行われる浸漬型平版印刷版用自動現像方法において、
処理パスラインを形成する浸漬型の前記現像槽と前記処理パスライン外に設けた外部タンクとの間で前記現像液を前記浸漬型現像槽の液面を一定に保つように循環させ、
前記平版印刷版原版が搬送されてきたかどうかの有無及びその搬送された前記平版印刷版原版の版面積を測定する版検出センサからの信号と、運転条件に合わせて設定された補充条件とに基づいて、前記補充条件に見合う量の現像液を前記現像槽に補充することを特徴としている。
本発明によれば、自動現像装置内の汚染の問題やカスの問題が生じることなく、一定品質の平版印刷版を生産することができる。
また、現像液が常時一定液面に保たれるので、常に良好な処理が行なわれ、かつ循環して使用するので現像液補充量、廃液量低減によるランニングコストダウン、更に環境面にも有利な平版印刷板を作製できる自動現像装置が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施形態1に係る自動現像装置の構成図である。
図1に示すように、この自動現像装置2は、感光性平版印刷版(以下「PS版」という。)4を現像し、かつガム処理も行なう現像部6と、現像後のPS版4を乾燥する乾燥部10とを備えている。
自動現像装置2の側板12には挿入口14が形成され、挿入口14から挿入されたPS版4は、搬送ローラ(搬入ローラ)16により現像部6へ搬送される。挿入口14には、ゴムブレード18が備えられ、PS版4が挿入されていないとき、挿入口14はゴムブレード18により閉じられている。
現像部6の現像槽20内には、搬送方向上流側から順に、搬送ローラ22、ブラシローラ24、スクイズローラ26が備えられ、これらの間の適所にバックアップローラ28が備えられている。PS版4は搬送ローラ22により搬送されながら現像液中を浸漬されてブラシローラ24を回転させることによりPS版4の非画像部の除去を行なって現像処理される。これについては後で詳述する。
現像処理されたPS版4は搬送ローラ(搬出ローラ)16により次の乾燥10へ搬送される。
乾燥部10は、搬送方向上流側から順に、ガイドローラ36、一対の串ローラ38が設けられている。また、乾燥部10には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部10には排出口40が設けられ、乾燥手段により乾燥されたPS版4は排出口40から排出される。また、乾燥部10と現像部6との間の通路にはシャッター44が設けられ、PS版4が通路46を通過していないとき、通路46はシャッター44により閉じられている。
現像槽20には槽壁と一体に箱状の遮蔽蓋60が設けられている。遮蔽蓋60の底壁は、搬送ローラ22、ブラシローラ24、バックアップローラ28の上部外周面と接触しないように、円弧状に連続して湾曲し、ローラ等と干渉しないようになっている。
遮蔽蓋60が箱状であることにより、現像槽20の上部に気密空間が画成されており、現像部6内の空気量ができる限り少なくされている。また、遮蔽蓋60が設けられていることにより、現像液と空気との接触面積ができる限り少なくされている。
上記構成の自動現像装置2は、その入口にゴムブレード62が搬入ローラ16に接触状態で配設され、現像部6が外部雰囲気に対して実質的に気密に構成されており、外気が流入しないようになっている。
また、現像部6の出口にもゴムブレード62が搬出ローラ16に接触状態で配設され、実質的に気密に構成されており、乾燥部10内の空気が現像部6に流入しないようになっている。
したがって、現像部6はPS版4の通過時には空気が若干流入するものの、実質的に気密であり、空気がほとんど流入しない密閉型構成である。
なお、98は種々の必要な情報を視覚で知らせる表示装置であり、99は聴覚で知らせる警報装置である。
次に、現像部6について詳述する。
現像槽20には、現像液の第1循環用配管80が接続される。第1循環用配管80中には、現像液循環用ポンプ71、電導度センサ73及びフィルタ(図示せず)がそれぞれ設けられる。
現像液循環用ポンプ71は、現像槽20内の現像液を、現像槽20底部の吸入孔から第1循環用配管80中に吸入させるとともに、第1循環用配管80中を流通させ、再び現像槽20中に吐出させる。前記フィルタは、第1循環用配管80中を流れる現像液を濾過する。前記電導度センサ73は、第1循環用配管80中を流れる現像液の電導度を測定する。
また、現像部6には、第2循環用配管90と、第2循環用配管90に接続される現像液貯留タンク55と、第2循環用配管90に介在される現像液供給ポンプ74とが設けられ、現像槽20からオーバーフローした現像液は第2循環用配管90を介して現像液貯留タンク55に戻される。
具体的に説明すると、現像槽20近傍には、現像液58を補充する第2循環用配管90,90aが一対設けられる。現像液58の第2循環用配管90は、他端(図1中下端)を外部タンク55に接続されており、配管中には、現像液供給ポンプ74が設けられている。現像液供給ポンプ74は、現像液58を外部タンク55から現像槽20に計量して供給する。即ち、第2循環用配管90、現像液供給ポンプ74、外部タンク55によって現像液循環手段が構成されている。
上記現像液供給ポンプ74は、版検出センサ27及び時間計測部52に基づいて、現像液の補充条件等が記憶された制御ROM及びRAM51及び時間計測部52を備えた制御装置50によって制御される。即ち、制御装置50は、版が搬送されてきたかどうかの有無及びその搬送された版の版面積等を測定可能な版検出センサ27から信号に基づいて、現像液供給ポンプ74を制御し、自動現像装置2の実際の運転条件に合わせて設定された現像液の制御ROM及びRAM51によって記憶された補充条件に基づいて補充を行う。これにより制御装置50は、補充条件に見合う量の現像液58を現像液貯留タンク55から例えば版1枚毎の処理毎に補充する。ここで、処理補充としては、版1枚毎とせず、複数の版が通過した後に補充する等して構成してもよい。
この自動現像装置2では、搬入側の搬送ローラ対16を通過したPS版4の画像記録面を、その画像記録面が現像液58に浸かった状態でブラシローラ(擦り部材)24により擦り、PS版4の画像記録層の非露光部を除去することで現像を行う。ここで、現像槽20に満たされた現像液58に浸漬された状態で擦ることによって、現像液58の飛散が殆ど生じない。これにより、飛散による現像機内の汚染、カス発生が生じることはない。特に、回転ブラシロールを用いて、現像液58に浸漬した状態で擦る際には、液の飛散の観点から、擦り部材は、直径の1/3以上は現像液58中に浸漬している状態が好ましく、より好ましくは、1/2以上が浸漬している状態である。
現像槽20を形成するために、平版印刷原版は、水平よりも下側に搬送され、現像液58に浸漬され、現像液58中を搬送される。
擦り部材による擦り処理は、現像液に浸漬して、ある時間経過してから行われた際に効果が大きい。本システムにおける現像は、まず、現像液58が平版印刷原版感光層内に浸透し、その後非画像部の感光層除去が簡便に行えるようになる。従って、擦り動作を行うまでに予め、現像液58に浸した状態とするほうが、効果的に感光層を除去することが可能となる。その経過時間は実験によれば、除去動作を受ける部位が液に浸かるかスプレーからの液で濡れてから2sec以上であり、より好ましくは、5sec以上、更に好ましくは10sec以上である。現像処理は、通常60sec以内で行われるため、経過時間も必然的に50secよりも短くなる。
ここで、現像液58に浸漬する前に、スプレー管S1等を用いて、PS版の感光層を現像液58と接触させることができる。この場合、スプレーするのは外部タンク中の現像液でもよいし、別のタンクに用意したフレッシュな現像液でもよい。感光層を現像液58に接触させてから、現像は現像液58中で行われる擦りまでの時間が長くとれるため、より効果的に現像を行うことができる。また、現像液58に接触させることにより、適宜、現像液58中に浸漬させてから、擦り取るまでの時間を適宜短縮することができる。また、液の浸透を促進させるために、現像液58に接触させた状態で、PS版4を振動させる手法も適宜用いることができる。
よって、現像液58中に浸漬した後、PS版4が現像液58から出るまでの間をtsecとれば、擦り材24による擦り処理は、t/2sec後、もしくはそれ以降に行われることが好ましい。従って、現像槽20の中間もしくは後半部で現像を行うことが望ましい。勿論、現像槽20を長くしたり、搬送速度を遅くしたりして、現像液58中に浸漬する時間を長くすれば、擦り処理を現像槽前半部で行うことも可能であるが、本システムは、常に安定した現像処理を付与するために、擦り材24による擦り処理を中間、もしくは後半で行うこととするものである。
さて、擦り部材24を用いて現像処理を行った後、PS版4は現像液58を出る。この時、使用状況にもよるが、現像液58が疲労してくると、場合によってはカスが付着しやすい状況になってくる。このような場合でも、浸漬処理時に用いる現像液58よりも、疲労度の少ない現像液貯留タンク55内の現像液58を直接スプレー管S2により、PS版4に吐出することによって、PS版上に付着したカス等の異物を落とすことができる。
このスプレーによるカスの除去は、前述したように現像槽20の現像液58の疲労度が高くなってきたときに効果が著しい。このスプレー管S2から吐出される循環系には、特に目の細かいフィルタを適宜用いることができる。
この場合には、処理浴内だけで汚れのないPS版4を得ることができ、適宜、処理浴以降の工程を省略することができる。
このように、1浴だけで処理を行なった後に、乾燥部10が設けられ、1浴目で現像と同時に不感脂化処理された版が、乾燥部10にて乾燥される。このように1浴だけで、処理を完結させる場合、装置コストを下げられると同時に、省スペース化が可能になる。しかも、外部タンクをおいて現像液58を循環させているので、常時現像液の液面を一定レベルに維持することが出来、現像処理が安定する。
また、従来装置ではまだ現像能力がある現像液でも一部廃液として捨てられる構成となっていたが、本発明では現像液を循環させることで、現像液の現像能力を100%利用することができ、現像液の寿命をコントロールできる。
しかも、オーバーフローにより簡易に液面の高さをコントロールできる。
そして、水溶性樹脂を含むことによって既存の自動現像機の持つ構成部品を有効利用でき、小規模な改良で大きな効果を得ることができる。
自動現像機を用いる場合、例えば、現像槽に仕込んだ現像液58をポンプで汲み上げてスプレーノズルから吹き付けて処理する方式(特許文献3参照)、現像液58が満たされた槽中に液中ガイドロールなどによってPS版4原板を浸漬搬送させて処理する方式、実質的に未使用の現像液58を一版毎に必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式のいずれの方式が一般的には用いられるが、液の飛散防止という観点からすれば、PS版4原板を浸漬搬送させて処理する方式が優れている。また、露光装置と自動現像装置とが一体に組み込まれた装置によってPS版4を作製することもできる。
露光装置による露光処理において、PS版4原版は、線画像や網点画像等を有する透明原画を通して露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。露光に好適な光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノランプ、メタルハイラドランプ、ストロボ、紫外線、赤外線、レーザー光線などが挙げられる。特にレーザー光線が好ましく、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザー、波長250〜420nmの光を放射する紫外線半導体レーザー、可視光を放射するアルゴンイオンレーザー、FD−YAGレーザーなどが挙げられる。なかでも、製版の簡易化の点からは、白灯または黄色灯下で作業を行うことができる赤外線または紫外線を放射するレーザーが好ましい。
本発明に使用される擦り部材は、PS版4原板の画像記録面を擦ることができる部材であれば何でも良いが、特に、回転軸を中心に回転することで画像記録面を擦ることが可能な部材(例えば、公知のチャンネルブラシ、ねじりブラシ、植え込みブラシ、絨毯ブラシ、およびモルトンローラなど)を使用することが好ましい。
チャンネルブラシとしては、実開昭62-167253号、実開平4-63447号、実開平4-64128号、特開平6−186751号の各公報に開示されているような、長尺のいわゆるチャンネルブラシ(帯状ブラシ)を、ローラ本体表面に螺旋状に巻付けたものが用いられる。
ねじりブラシとしては、特開平3−87832号の各公報に開示されているようなシャフトに設けられた螺旋状の溝内にねじりブラシを挿入してシャフトへ螺旋状に巻き付けたものが用いられる。
植え込みブラシとしては、シャフトローラに***をあけ、ブラシ材料を植え込む方法で作成されるものが用いられる。
絨毯ブラシとしては、特開2001−5193号、特開2001−66788号の各公報に開示されているようなシャフトローラの周面に織物に毛材が織り込まれた細長の帯体を巻き付けたものが用いられる。
モルトンローラとしては、特開平10−198044号の広報に開示されているようなローラー部に繊維製の編成物からなる筒状の摺接材を被せて装着側の端部を緊締したものが使用できる。
擦り部材として回転する部材を用いる場合、その擦り部材の回転数は、PS版4原板の非露光部の画像記録層の除去性を向上させるために、なるべく速いことが好ましいが、自動現像装置の耐久性、製造コスト、現像液58の飛散及びPS版4原板の露光部の損傷等の観点から、30〜1000rpm、より好ましくは50〜500rpmが好ましい。
擦り部材としてブラシを用いる場合、そのブラシの本数は、一本以上有ればよく、複数本有していても良い。2本以上の場合は、一本以上を、PS版4原板の処理方向と逆の方向に回転させても良い。さらに、回転する擦り部材を用いる場合には、擦り部材を回転軸方向に揺動させながら現像処理を行っても良い。擦り部材を回転軸方向に揺動させることで、PS版4原板の非画像部の除去をより効果的に行うことができ、より高品質のPS版4を作製することが可能となる。
擦り部材に用いるブラシの材質は、馬の毛、豚の毛等の天然繊維、人造繊維、金属繊維などが知られているが、耐薬品性より人造繊維が好ましい。人造繊維としては、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン類、アセチルセルロース等のセルロース類、ポリウレタン等のポリウレタン類、ポリフェニレンサルファイト、エチレン・4弗化エチレン共重合体、ポリ弗化ビニリデン等の弗素樹脂類が用いられるが、弾性、剛性、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性、給水性、吸湿性等を考慮すると、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン12、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましく、より好ましくはナイロンナイロン6・6、ナイロン6・10、6・12、ナイロン12、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンが用いられる。ポリエステル類ではとくにポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましい。ポリオレフィン類では特にポリプロピレンが好ましい。
ブラシの毛の太さは特に限定はされないが、0.01mmから1.0mmが好ましく、より好ましくは、0.1mmから0.5mmが好ましい。ブラシの太さが0.01mmより細いと擦り性が劣り、1.0mmより太いと、版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、ブラシの毛の長さは特に限定されないが、通常3mmから50mmの範囲で用いられる。3mmより短くするとPS版4原板へのあたりが不均一になって版面に擦り傷を付けやすくなるためである。また、50mmより長い場合には、長くすることによる現像処理上のメリットが見出されなくなり、経済的にも不利である。モルトンローラの場合は、編成物からなる筒状の摺接材を被せるため、毛材の太さや長さの規定は不要である。
このように、第1の実施の形態によれば、現像槽内で現像と同時に不感脂化処理されたPS版4が乾燥部10にて乾燥されるようにしたので、処理を完結させる場合、装置コストを下げられると同時に、省スペース化が可能になり、しかも現像液内で現像・擦り処理を行なうので、同じ低アルカリ化処理を行なう水平搬送式自動現像装置と比べて液はねによる液飛散がなくなり、したがってまた、飛散した液が乾燥し、カス化する問題も解消する。しかも、現像液58を循環させているので、常時現像液の液面を一定レベルに維持することが出来、現像処理が安定する。
<第2の実施の形態>
図2は本発明の第2の実施の形態に係る自動現像装置の構成図である。
図2において、2”は本発明の第2の実施の形態に係る自動現像装置である。自動現像装置2”において、本発明の第1の実施の形態に係る自動現像装置2(図1)と共通する符号は同一機能を示すので、重複説明は省略する。
図2において、現像部6は図1に示す構成と原則同じである。異なるのは、現像部6の上流に前加熱(プレヒート)部と前水洗(プレ水洗)部を設けた点である。
前加熱部は、現像部6の搬送方向上流側に設置され、PS版を搬送しながら指定したPS版面温度を指定した時間だけ維持する機能を持つ。
前水洗部は、現像部6の搬送方向上流側、且つ前加熱部の搬送方向下流側に設置され、PS版を搬送しながらPS版表面を水洗水によって洗浄し冷却する機能を持つ。前水洗部を通過したPS版は洗浄された状態で自動的に次工程である現像部6に搬送される。
これらの工程が導入されることで全体の装置が大きくなってしまうデメリットはあるが、耐刷性等の品質を向上させたり、品質を安定化させることができる。
なお、上記前加熱部と前水洗部の2つの工程は双方入れることもあるが、何れか一方が導入されてもよい。
図3は従来の自動現像装置に僅かな改良を加えることで本発明の装置ができあがるという本発明の省資源に優しい特長を説明する構成図で、(a)は実施の形態2に係る自動現像装置、(b)は従来補充方式の自動現像装置のそれぞれの構成図である。
図3(b)において、200”は従来の自動現像装置で、その現像処理工程はプレヒート部とプレ水洗部を経て、現像部60でアルカリ現像液で現像した後、水洗部にてアルカリ剤を流し、その後、ガム部にて親水性樹脂を主とするガム液で処理し、乾燥部で乾燥させるという工程からなっている。
現像部60’で使用する現像液はpH10以上のアルカリ現像液であり、アルカリ現像液は現像液貯留タンク55'から現像液補充用配管90'を介して現像槽20に供給される。
一方、オーバーフローした現像液は現像済み現像液(廃液)として廃液用配管90’’を介して廃液タンク100に排出される。廃液タンク100が廃水で一杯になったら廃液タンク100は装置から搬出され、中の廃水が除去された後、また装置内に戻される。
pHが8.5〜10.5の現像液を用いる本発明をこの従来の自動現像装置に適用するとき、実に僅かな改良だけで、従来の自動現像装置に本発明の機能を持たせることができるので、廃棄部品の少ない、省資源・環境に優しいものとすることができる。
図3(a)は実施の形態3で説明した自動現像装置であり、図3(b)との相違点は、
(1)第2循環用配管90aとして、図3(b)の廃液用配管90’’の先端を廃液タンク100ではなくて、現像液貯留タンク55に接続していること。
(2)現像液貯留タンク55にpHが8.5〜10.8の現像液を供給すること。
以上の2つの作業で、既存の自動現像機の持つ構成部品を有効利用でき、小規模な改良で大きな効果を得ることができる。
[ネガ型平版印刷版原版]
本発明におけるネガ型平版印刷版原版について、その構成を順次説明する。
〔支持体〕
最初に、本発明で使用する平版印刷版原版の支持体について説明する。
支持体は、表面が親水性であれば如何なるものでも使用され得るが、寸度的に安定な板状物が好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、また、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む。)、亜鉛、銅等のような金属またはその合金(例えばケイ素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルとの合金)の板、更に、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のようなプラスチックのフィルム、上記の如き金属または合金がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。これらの支持体のうち、アルミニウム板は寸度的に著しく安定であり、しかも安価であるので特に好ましい。更に、特公昭48−18327号公報に記載されているようなポリエチレンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが結合された複合体シートも好ましい。通常その厚さは0.05mm〜1mm程度である。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、後述する砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは隔極酸化処理等の表面処理がなされていることが好ましい。
[砂目立て処理]
砂目立て処理方法は、塩酸または硝酸電解液中で電気化学的に砂目立てする電気化学的砂目立て方法、およびアルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を砂目立てするボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を砂目立てするブラシグレイン法のような機械的砂目立て法を用いることができ、上記砂目立て方法を単独あるいは組み合わせて用いることもできる。例えば、特開昭56−28893号には、機械的砂目立て、化学的エッチングおよび電解グレインを行う方法が記載されている。
具体的には、有用な表面粗さを作る方法は、塩酸または硝酸電解液中で化学的に砂目立てする電気化学的方法であり、適する電流密度は100C/dm2〜400C/dm2の範囲である。さらに具体的には、0.1〜50%の塩酸または硝酸を含む電解液中、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100C/dm2〜400C/dm2の条件で電解を行うことが好ましい。
このように砂目立て処理されたアルミニウム支持体は、酸またはアルカリにより化学的にエッチングされる。酸をエッチング剤として用いる場合は、微細構造を破壊するのに時間がかかる。この問題は、アルカリをエッチング剤として用いることにより改善できる。
好適に用いられるアルカリ剤は、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、濃度と温度の好ましい範囲はそれぞれ1〜50%、20〜100℃であり、アルミニウムの溶解量が5〜20g/m3となるような条件が好ましい。
エッチングの後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が挙げられる。特に電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、特開昭53−12739号に記載されているような50〜90℃の温度で15〜65質量%の硫酸と接触させる方法、および、特公昭48−28123号に記載されているアルカリエッチングする方法が好ましく挙げられる。
好ましいアルミニウム支持体の表面粗さ(Ra)は、0.3〜0.7μmである。
[陽極酸化処理]
以上のようにして砂目立て処理されたアルミニウム支持体は、さらに陽極酸化処理を施してもよい。陽極酸化処理は、当該技術分野において従来から行われている方法で行うことができる。
具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルフォン酸等あるいはこれらの二種以上を組み合わせて、水溶液または非水溶液中でアルミニウムに直流または交流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間10〜100秒の範囲が適当である。
これらの陽極酸化処理のうちでも特に英国特許第1,412,768号に記載されている、硫酸中、高電流密度で陽極酸化する方法、および、米国特許第3,511,661号に記載されているリン酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
陽極酸化皮膜は1〜10g/m2であることが好ましい。1g/m2未満であると版に傷が入りやすく、10g/m2を超えると製造に多大な電力が必要となり経済的に不利である。好ましくは、1.5〜7g/m2であり、更に好ましくは、2〜5g/m2である。
更に、支持体は、砂目立て処理および陽極酸化処理後に、封孔処理を施されてもよい。封孔処理は、熱水および無機塩または有機塩を含む熱水溶液への支持体の浸漬並びに水蒸気浴などによって行われる。また支持体には、アルカリ金属珪酸塩によるシリケート処理や、たとえば弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理などの表面処理が施されてもよい。
支持体(アルミニウム板の場合には、上記の如く適宜表面処理を施されたアルミニウム板が好ましい)上に、例えば、光重合型感光性組成物からなる画像記録層を塗工し、次いで必要により保護層を塗工することで、平版印刷版原版が形成されるが、画像記録層を塗工する前に必要に応じて有機または無機の下塗り層を設けてもよいし、特開平7−159983号に開示されているようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基を支持体表面に共有結合させるゾル−ゲル処理を施してもよい。
有機下塗層を形成する物質としては、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、黄色染料、アミン塩等が挙げられる。
具体的には、有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸等のアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、ポリビニルホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸等の有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸等の有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸等の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニン等のアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれる。これらは二種以上混合して用いてもよい。
有機下塗層は次のような方法で設けることが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液を支持体上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、タノール、メチルエチルケトン等の有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、支持体を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水等によって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、有機化合物の0.005〜10質量%の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等いずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpHを調節することにより、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、平版印刷版原版の調子再現性改良のために、黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性が得られない場合がある。また、200mg/m2より大きくても同様である。
無機下塗り層に用いられる物質としては、酢酸コバルト、酢酸ニッケル、フッ化チタン酸カリウム等の無機塩等が挙げられる。無機下塗り層の設け方は、上記した有機下塗り層と同様である。
下塗り層としては、ホスホン酸基、リン酸基又はスルホン酸基のいずれか1 種を側鎖に有する重合体または共重合体を有することが耐刷性向上の観点から 好ましい。共重合体の場合、これらの基を有する重合成分を10〜90モル% 有することが好ましく、20〜50モル%有することがより好ましい。さらに 、共重合体が側鎖にエチレン性不飽和結合を有することが好ましい。側鎖にエ チレン性不飽和結合を有する重合成分を10〜90モル%有することが好まし く、15〜40モル%有することがより好ましい。
〔画像記録層〕
本発明で使用する平版印刷版原版の画像記録層(以下、感光層とも云う)は、基本成分として、(i)増感剤、(ii)光重合開始剤、(iii)エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物及び(iv)バインダーポリマーを含有する。
〔増感剤〕
本発明で使用される増感剤は、吸収したレーザー光のエネルギーを光重合開始剤へエネルギー移動又は電子移動により伝達することが可能な色素である。
上記機能を有する増感剤であれば特に吸収波長は限定されず、露光に用いるレーザーの波長により適宜選択されるが、本発明では、特に、360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感剤および赤外線吸収剤が好ましく用いられる。
〔360nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感剤〕
この様な増感剤としては、例えば、下記一般式(2)に示されるメロシアニン色素類、下記一般式(3)で示されるベンゾピラン類、クマリン類、下記一般式(4)で表される芳香族ケトン類、下記一般式(5)で表されるアントラセン類、等を挙げることができる。
Figure 0005422134
(式(2)中、AはS原子もしくは、NR6を表し、R6は一価の非金属原子団を表し、Yは隣接するAおよび隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、X1、X2はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、X1、X2は互いに結合して色素の酸性核を形成してもよい。)
Figure 0005422134
(式(3)中、=Zは、オキソ基、チオキソ基、イミノ基または上記部分構造式(1')で表されるアルキリデン基を表し、X1、X2は一般式(2)と同義であり、R7〜R12はそれぞれ独立に一価の非金属原子団を表す。)
Figure 0005422134
(式(4)中Ar3は、置換基を有していてもよい芳香族基またはヘテロ芳香族基を表し、R13は一価の非金属原子団を表す。好ましいR13は、芳香族基またはヘテロ芳香族基であって、Ar3とR13が互いに結合して環を形成してもよい。)
Figure 0005422134
(式(5)中、X3、X4、R14〜R21はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、好ましいX3、X4はハメットの置換基定数が負の電子供与性基である。)
一般式(2)から(5)における、X1からX4、R6からR21で表される一価の非金属原子団の好ましい例としては、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等)、ヘテロアリール基(例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等のヘテロアリール環から誘導される基)、アルケニル基(例えばビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基、等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等)、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、等が挙げられ、以上の一価の非金属原子団のうち、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基が特に好ましい。
一般式(2)に於けるYが隣接するAおよび隣接炭素原子と共同して形成する色素の塩基性核としては、5、6、7員の含窒素あるいは含硫黄複素環が挙げられ、好ましくは5、6員の複素環である。
含窒素複素環の例としては例えば、L.G.Brooker et al., J. Am. Chem. Soc., 73, 5326-5358(1951)および参考文献に記載されるメロシアニン色素類における塩基性核を構成するものとして知られるものをいずれも好適に用いることができる。具体例としては、チアゾール類(例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4ーフェニルチアゾール、5−メチルチアゾール、5−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジフェニルチアゾール、4,5−ジ(p−メトキシフェニルチアゾール)、4−(2−チエニル)チアゾール等)、ベンゾチアゾール類(例えば、ベンゾチアゾール、4−クロロベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、7−クロロベンゾチアゾール、4−メチルベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、4−フェニルベンゾチアゾール、5−フェニルベンゾチアゾール、4−メトキシベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、6−ヨードベンゾチアゾール、4−エトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、テトラヒドロベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジオキシメチレンベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、6−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール等)、ナフトチアゾール類(例えば、ナフト[1,2]チアゾール、ナフト[2,1]チアゾール、5−メトキシナフト[2,1]チアゾール、5−エトキシナフト[2,1]チアゾール、8−メトキシナフト[1,2]チアゾール、7−メトキシナフト[1,2]チアゾール等)、チアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール類(例えば、4’−メトキシチアナフテノ−7’,6’,4,5−チアゾール等)、オキサゾール類(例えば、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4−フェニルオキサゾール、4,5−ジフェニルオキサゾール、4−エチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、5−フェニルオキサゾール等)、ベンゾオキサゾール類(ベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、6−メチルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、4,6−ジメチルベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、4−エトキシベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、6−メトキシベンゾオキサゾール、5−ヒドロキシベンゾオキサゾール、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール等)、ナフトオキサゾール類(例えば、ナフト[1,2]オキサゾール、ナフト[2,1]オキサゾール等)、セレナゾール類(例えば、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール等)、ベンゾセレナゾール類(例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、テトラヒドロベンゾセレナゾール等)、ナフトセレナゾール類(例えば、ナフト[1,2]セレナゾール、ナフト[2,1]セレナゾール等)、チアゾリン類(例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン等)、キノリン類(例えば、キノリン、3−メチルキノリン、5−メチルキノリン、7−メチルキノリン、8−メチルキノリン、6−クロロキノリン、8−クロロキノリン、6−メトキシキノリン、6−エトキシキノリン、6−ヒドロキシキノリン、8−ヒドロキシキノリン等)、イソキノリン類(例えば、イソキノリン、3,4−ジヒドロイソキノリン等)、ベンズイミダゾール類(例えば、1,3−ジエチルベンズイミダゾール、1−エチル−3−フェニルベンズイミダゾール等)、3,3−ジアルキルインドレニン類(例えば、3,3−ジメチルインドレニン、3,3,5,−トリメチルインドレニン、3,3,7,−トリメチルインドレニン等)、ピリジン類(例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等)等を挙げることができる。
また、含硫黄複素環の例としては、例えば、特開平3−296759号記載の色素類におけるジチオール部分構造をあげることができる。
具体例としては、ベンゾジチオール類(例えば、ベンゾジチオール、5−t−ブチルベンゾジチオール、5−メチルベンゾジチオール等)、ナフトジチオール類(例えば、ナフト[1,2]ジチオール、ナフト[2,1]ジチオール等)、ジチオール類(例えば、4,5−ジメチルジチオール類、4−フェニルジチオール類、4−メトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジメトキシカルボニルジチオール類、4,5−ジトリフルオロメチルジチオール、4,5−ジシアノジチオール、4−メトキシカルボニルメチルジチオール、4−カルボキシメチルジチオール等)を挙げることができる。
以上、述べた複素環に関する説明に用いた記述は、便宜上、慣例上、複素環母骨格の名称を用いたが、増感剤の塩基性骨格部分構造をなす場合、例えばベンゾチアゾール骨格の場合は3-置換-2(3H)-benzothiazolylidene基のように、不飽和度を一つ下げたアルキリデン型の置換基形で導入される。
350nmから450nmの波長域に吸収極大を持つ増感剤のうち、高感度の観点からより好ましい増感剤は下記一般式(1)で表される増感剤である。
Figure 0005422134
(一般式(1)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環またはヘテロ環を表し、Xは酸素原子、硫黄原子またはN−(R3)をあらわす。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1またはR2とR3はそれぞれ互いに結合して、脂肪族性または芳香族性の環を形成してもよい。)
一般式(1)について更に詳しく説明する。R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアルケニル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換の芳香族複素環残基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
1、R2およびR3の好ましい例について具体的に述べる。好ましいアルキル基の例としては、炭素数が1から20までの直鎖状、分岐状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素数1から12までの直鎖状、炭素数3から12までの分岐状、ならびに炭素数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、
N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SO3H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO32)およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、
ジアルキルホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノ基(−PO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−PO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−PO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO32)およびその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPO3H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPO3H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、窒素、酸素、硫黄原子の少なくとも一つを含有する単環もしくは多環芳香族環基が用いられ、特に好ましいヘテロアリール基の例としては、例えば、チオフェン、チアスレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサジン、ピロール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドリジン、インドイール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナンスリン、アクリジン、ペリミジン、フェナンスロリン、フタラジン、フェナルザジン、フェノキサジン、フラザン、フェノキサジン等のヘテロアリール環から誘導される基があげられ、これらは、さらにベンゾ縮環してもよく、また置換基を有していてもよい。
アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。これら置換基の内、更により好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素数1から12までの直鎖状、炭素数3から12までの分岐状ならびに炭素数5から10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。
前記置換基とアルキレン基を組み合わせることにより得られるR1、R2およびR3として好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、
スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
1、R2およびR3として好ましいアリール基の具体例としては、1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
1、R2およびR3として好ましい置換アリール基の具体例としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、
アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリルフェニル基、1−プロペニルメチルフェニル基、2−ブテニルフェニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができる。
1、R2およびR3として好ましい置換もしくは非置換のアルケニル基及び置換もしくは非置換の芳香族複素環残基の具体例としては、前述のアルケニル基及びヘテロアリール基に関して記載したものと同様のものを挙げることができる。
次に、一般式(1)におけるAについて説明する。Aは置換基を有してもよい芳香族環基またはヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環基またはヘテロ環基の具体例としては、一般式(1)中のR1、R2およびR3で記載したアリール基及びヘテロアリール基と同様のものが挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される増感剤は、上に示したような酸性核や活性メチレン基を有する酸性核と、置換もしくは非置換の芳香族環またはヘテロ環との縮合反応によって得られる。具体的には特公昭59−28329号の記載を参照して合成することができる。
以下に一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例(D1)から(D42)を示す。また、酸性核と塩基性核を結ぶ2重結合による異性体については、どちらかの異性体に限定されるものではない。
増感剤は、構造により吸光係数がことなるため、添加量は使用する増感剤の構造により異なる。添加量は、感光性層のレーザー発光波長に対する吸光度が、0.6以下になる量が適当である。好ましくは、吸光度が0.05から0.55の範囲であり、より好ましくは、0.1から0.3の範囲であり、さらに好ましくは0.1から0.45の範囲になるような添加量である。
Figure 0005422134
Figure 0005422134
〔赤外線吸収剤〕
本発明に使用する赤外線吸収剤は、近赤外線〜赤外線レーザーに対する感度を高めるために用いられる成分である。該赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有しており、赤外線吸収剤とも称される。ただし、この赤外線吸収剤が吸収したエネルギーを重合開始剤に対してエネルギー移動して重合開始する機構を排除するものではない。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1,200nmに吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましい。
(近)赤外線を吸収する染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号公報、特開昭59−84356号公報、特開昭60−78787号公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号公報、特開昭58−181690号公報、特開昭58−194595号公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号公報、特開昭58−224793号公報、特開昭59−48187号公報、特開昭59−73996号公報、特開昭60−52940号公報、特開昭60−63744号公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書に記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書に記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書に記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)に記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載のピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報に記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に記載のピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、上記赤外線吸収剤の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 0005422134
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記式(A−I)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 0005422134
式(A−I)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は下記構造式(A−Ia)で示される基を表す。X2は、酸素原子、N−R3(R3は水素原子又は1価の有機基を表す。)又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環基又はヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa-は後述するZa-と同義である。Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基又はハロゲン原子を表す。なお、本発明でPhはフェニル基を表す。
Figure 0005422134
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合して5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環基、ナフタレン環基が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、炭素原子数20以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、式(A−I)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる式(A−I)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号0017〜0019に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において光熱変換の機能に使用することができる顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)に記載の顔料が含まれる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、ロソ顔料、ニトロ顔料、天然料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05〜1μmの範囲にあることがより好ましく、0.1〜1μmの範囲にあることがさらに好ましい。この範囲で、顔料分散物の感光層中での良好な安定性と均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。赤外線吸収剤はマイクロカプセルに内包させて添加することもできる。
赤外線吸収剤の添加量としては、感光層の波長760nm〜1,200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.1〜1.5の範囲にあるように添加することが好ましく、より好ましくは、0.2〜1.2の範囲、さらに好ましくは、0.3〜1.0の範囲である。この範囲内であると、感光層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
感光層の吸光度は、感光層に添加する赤外線吸収剤の量と感光層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの感光層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
Figure 0005422134
<重合開始剤>
本発明において、感光層に用いられる重合開始剤は、光又は熱エネルギーによりラジカルを発生する光又は熱重合開始剤であり、エチレン性不飽和化合物の重合を開始又は促進する化合物である。重合開始剤は、公知のラジカル重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などから適宜選択して用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物が挙げられる。
上記有機ハロゲン化合物としては、具体的には、若林等、"Bull. Chem. Soc. Japan", 42, 2924 (1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開53−133428号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M. P. Hutt, "Journal of Heterocyclic Chemistry", 1 (No.3) (1970)に記載の化合物が挙げられる。中でも、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物及びs−トリアジン化合物が好適である。
より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基が、s−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体及びオキサジアゾール環に結合したオキサジアゾール誘導体が挙げられる。具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンや下記化合物等が挙げられる。
Figure 0005422134
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上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4'−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ化合物としては例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
アジド化合物は、アジド基が直接又はカルボニル基又はスルホニル基を介して芳香環に結合している芳香族アジド化合物である。これらは光によりアジド基が分解して、ナイトレンを生じ、ナイトレンが種々の反応を起こして不溶化するものである。
好ましい芳香族アジド化合物としては、アジドフェニル、アジドスチリル、アジドベンザル、アジドベンゾイル及びアジドシンナモイルの如き基を1個又はそれ以上含む化合物が挙げられ、例えば、4,4’−ジアジドカルコン、4−アジド−4’−(4−アジドベンゾイルエトキシ)カルコン、N,N−ビス−p−アジドベンザル−p−フェニレンジアミン、1,2,6−トリ(4’−アジドベンゾキシ)ヘキサン、2−アジド−3−クロロ−ベンゾキノン、2,4−ジアジド−4’−エトキシアゾベンゼン、2,6−ジ(4’−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドベンゾフェノン、2,5−ジアジド−3,6−ジクロロベンゾキノン、2,5−ビス(4−アジドスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−アジドシンナモイル)チオフェン、2,5−ジ(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドフェニルメタン、1−(4−アジドフェニル)−5−フリル−2−ペンタ−2,4−ジエン−1−オン、1−(4−アジドフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−ペンタ−1,4−ジエン−3−オン、1−(4−アジドフェニル)−3−(1−ナフチル)プロペン−1−オン、1−(4−アジドフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−プロパン−1−オン、1−(4−アジドフェニル)−5−フェニル−1,4−ペンタジエン−3−オン、1−(4−アジドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−2−プロペン−1−オン、1−(4−アジドフェニル)−3−(2−フリル)−2−プロペン−1−オン、1,2,6−トリ(4’−アジドベンゾキシ)ヘキサン、2,6−ビス−(4−アジドベンジリジン−p−t−ブチル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドベンザルアセトン、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4’−アジドベンザルアセトフェノン−2−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−α−カルボン酸、ジ−(4−アジド−2’−ヒドロキシベンザル)アセトン−2−スルホン酸、4−アジドベンザルアセトフェノン−2−スルホン酸、2−アジド−1,4−ジベンゼンスルホニルアミノナフタレン、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸アニリド等を挙げることができる。
またこれらの低分子量芳香族アジド化合物以外にも特公昭44−9047号、同44−31837号、同45−9613号、同45−24915号、同45−25713号、特開昭50−5102号、同50−84302号、同50−84303号、同53−12984号の各公報に記載のアジド基含有ポリマーも好適である。
上記有機過酸化物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、3,3',4,4'−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号、特開平5−83588号の各公報に記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)フェニル)チタニウム、並びに特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報に記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号の各明細書等に記載の種々の化合物、具体的には、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ブロモフェニル))4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2'−ビス(o,o'−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ素化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号、特許第2764769号、特開2002−116539号の各公報、Martin Kunz, Rad Tech '98. Proceeding April, 19-22, 1998, Chicago等に記載の有機ホウ酸塩、特開平6−157623号、特開平6−175564号、特開平6−175561号の各公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号、特開平7−128785号、特開平7−140589号、特開平7−306527号、特開平7−292014号の各公報に記載の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が挙げられる。
上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2003−328465号公報等に記載の化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J. C. S. Perkin II, 1653-1660 (1979)、J. C. S. Perkin II, 156-162 (1979)、Journal of Photopolymer Science and Technology, 202-232 (1995)、特開2000−66385号公報、特開2000−80068号公報記載の化合物が挙げられる。具体例としては、下記の構造式で示される化合物が挙げられる。
Figure 0005422134
上記オニウム塩化合物としては、例えば、S. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng., 18, 387 (1974)、T. S. Bal et al., Polymer, 21, 423 (1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、同第4,069,056号明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号明細書、米国特許第339,049号、同第410,201号,580号、同第3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J. V. Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 1307 (1977)、J. V.
Crivello et al., J. Polymer Sci., Polymer Chem.Ed., 17, 1047 (1979)に記載のセレノニウム塩、C. S. Wen et al., The Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p.478, Tokyo, Oct. (1988)に記載のアルソニウム塩等が挙げられる。
本発明において、これらのオニウム塩化合物は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
好適に用いられるオニウム塩化合物は、下記式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 0005422134
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表す。好ましい置換基としては炭素数12以下のアルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下のアルキニル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数12以下のアルキルアミノ基、炭素数12以下のジアルキルアミノ基、炭素数12以下のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数12以下のチオアルキル基、炭素数12以下のチオアリール基が挙げられる。Z11-は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオンスルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン及びスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21及びAr22は、各々独立に置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表す。好ましい置換基としては炭素数12以下のアルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下のアルキニル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数12以下のアルキルアミノ基、炭素数12以下のジアルキルアミノ基、炭素数12以下のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数12以下のチオアルキル基、炭素数12以下のチオアリール基が挙げられる。Z21-は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32及びR33は、各々独立に置換基を1〜6個有していて
もよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。置換基としては、炭素数12以下のアルキル基、炭素数12以下のアルケニル基、炭素数12以下のアルキニル基、炭素数12以下のアリール基、炭素数12以下のアルコキシ基、炭素数12以下のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数12以下のアルキルアミノ基、炭素数12以下のジアルキルアミノ基、炭素数12以下のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数12以下のチオアルキル基、炭素数12以下のチオアリール基が挙げられる。Z31-は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
以下に、式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
重合開始剤としては、特に反応性、安定性の面から、有機ハロゲン化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物が好ましく、より好ましくは有機ハロゲン化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム塩化合物である。
重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の含有量は、感光層全固形分に対し好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは0.8〜20重量%である。
<共増感剤>
感光層には、共増感剤を用いることができる。共増感剤とは、感光層に添加したときに、感光層の感度をさらに向上させることができる添加剤である。その作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。すなわち、先述の重合開始剤の光吸収により開始される光反応と、それに引き続く付加重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、過酸化物、酸化剤、還元剤等)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。共増感剤は、大きくは、(a)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(b)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(c)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、もしくは連鎖移動剤として作用するもの、に分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては、通説がない場合も多い。
(a)還元されて活性ラジカルを生成する化合物
炭素−ハロゲン結合を有する化合物:還元的に炭素−ハロゲン結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、トリハロメチル−s−トリアジン類、トリハロメチルオキサジアゾール類等が好適に使用できる。
窒素−窒素結合を有する化合物:還元的に窒素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的にはヘキサアリールビイミダゾール類等が好適に使用される。
酸素−酸素結合を有する化合物:還元的に酸素−酸素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、有機過酸化物類等が好適に使用される。
オニウム化合物:還元的に炭素−ヘテロ結合や酸素−窒素結合が解裂し、活性ラジカルを発生すると考えられる。具体的には、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類等が好適に使用される。
(b)酸化されて活性ラジカルを生成する化合物
アルキルアート錯体:酸化的に炭素−ヘテロ結合が解裂して活性ラジカルを生成すると考えられる。具体的には、例えばトリアリールアルキルボレート類が好適に使用される。
アルキルアミン化合物:酸化により窒素に隣接した炭素上のC−X結合が解裂し、活性ラジカルを生成するものと考えられる。Xとしては、水素原子、カルボキシル基、トリメチルシリル基、ベンジル基等が好適である。具体的には、例えば、エタノールアミン類、N−フェニルグリシン類、N−トリメチルシリルメチルアニリン類等が挙げられる。
含硫黄、含錫化合物:上述のアミン類の窒素原子を硫黄原子、錫原子に置き換えたものが、同様の作用により活性ラジカルを生成しうる。また、S−S結合を有する化合物もS−S解裂による増感が知られる。
α−置換メチルカルボニル化合物:酸化によりカルボニル−α炭素間の結合解裂により、活性ラジカルを生成しうる。また、カルボニルをオキシムエーテルに変換したものも同様の作用を示す。具体的には、2−アルキル−1−[4−(アルキルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1類、並びに、これらとヒドロキシアミン類とを反応したのち、N−OHをエーテル化したオキシムエーテル類、及びN−OHをエステル化したオキシムエステル類を挙げることができる。
スルフィン酸塩類:還元的に活性ラジカルを生成しうる。具体的は、アリールスルフィン酸ナトリウム等を挙げることができる。
(c)ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換もしくは連鎖移動剤として作用する化合物
ラジカルと反応し高活性ラジカルに変換もしくは連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、もしくは、酸化された後、脱プロトンする事によりラジカルを生成しうる。具体的には、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。
連鎖移動剤は感度及び保存安定性向上に寄与する。
連鎖移動剤としては、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類等)を好ましく用いることができる。中でも、下記式(T)で表されるチオール化合物が特に好適に使用される。連鎖移動剤としてこのチオール化合物を用いることによって、臭気の問題、及び感光層からの蒸発や他の層への拡散による感度減少を回避し、保存安定性に優れ、かつ高感度の平版印刷版原版及び高耐刷の平版印刷版が得られる。
Figure 0005422134
式(T)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、AはN=C−N部分と共に炭素原子を有する5員又は6員のヘテロ環を形成する原子団を表し、Aはさらに置換基を有してもよい。
さらに好ましくは下記式(TA)又は式(TB)で表されるものが使用される。
Figure 0005422134
式(TA)及び式(TB)中、Rはアルキル基又はアリール基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基、アルキル基又はアリール基を表す。
以下に、式(T)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
Figure 0005422134
Figure 0005422134
連鎖移動剤の使用量は感光層の全固形分に対し、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。
〔エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物〕
本発明使用されるエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物は、エチレン性不飽和二重結合基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物の中から任意に選択することができる。例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはこれらの共重合体ならびにこれらの混合物等の化学的形態をもつものである。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に記載の光硬化性モノマーおよびオリゴマーも使用することができる。
具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−6ELH、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−100(新中村化学工業製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(共栄社油脂製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、SH−380G、SH−500、SH−9832(根上工業製)、PLEX6661−O(独・Degussa社製)等を挙げることができる。
エチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物の使用量は、感光層の全固形分に対して5〜90質量%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜75質量%の範囲である。
〔バインダーポリマー〕
本発明で使用するバインダーポリマーは、特に限定されることは無いが、弱アルカリ水溶液への溶解性・現像性の観点から酸基を有する有機重合体が好ましく、特にカルボン酸含有の有機重合体がさらに好ましい。この様な有機重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭54−92723号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体、ヒドロキシル基を有する付加重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが挙げられる。
さらに、特公平7−120040号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号に記載のポリウレタン樹脂も弱アルカリ水可溶または膨潤性バインダーとして有用である。
バインダーポリマーとしては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂 が好ましく用いられる。
本発明で使用するバインダーポリマーの好適な一例は、(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位及び(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位を有する共重合体である。
(a)カルボン酸を含有する繰り返し単位(以下、繰り返し単位(a)とも云う)の具体例としては以下の(a−1)から(a−13)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005422134
繰り返し単位(a)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜50、好ましくは5〜25、より好ましくは5〜15である。
(b)ラジカル架橋性を付与する繰り返し単位(以下、繰り返し単位(b)とも云う)の具体例としては以下の(b−1)から(b−11)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005422134
繰り返し単位(b)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの5〜90、好ましくは20〜85、より好ましくは40〜80である。
本発明におけるバインダーポリマーは、下記式(1)で表される繰り返し単位(以下、繰り返し単位(1)とも云う)を有しても良い。
Figure 0005422134
式(1)中、Xは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、Yは水素原子、炭素数1から12のアルキル基、炭素数5から12の脂環式アルキル基、炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。Zは酸素原子、硫黄原子または−NH−基を表し、R1は炭素数1から18のアルキル基、炭素数5から20の脂環構造を有するアルキル基または炭素数6から20の芳香環を有する基を表す。
繰り返し単位(1)の具体例としては、以下の(1-1)〜(1−9)に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005422134
繰り返し単位(1)の含有量は、総繰り返し単位数を100とした場合、そのうちの1〜40、好ましくは3〜25、より好ましくは、5〜15である。
繰り返し単位(a)、(b)、(1)の好適な組み合わせの具体例としては、下記表1に示す(PP-1)〜(PP−10)があげられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0005422134
本発明におけるバインダーポリマーとして用いるウレタン樹脂は架橋性基を有することが好ましい。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に画像記録層中で起こるラジカル重合反応の過程でバインダーポリマーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、下記一般式(1A)〜(3A)で表される官能基が特に好ましい。
Figure 0005422134
一般式(1A)において、Rl〜R3はそれぞれ独立に、水素原子または1価の有機基を表す。R1としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。R2、R3としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、または−N(R12)−を表し、R12は、水素原子または1価の有機基を表す。R12の1価の有機基としては、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。なかでも、R12としては水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
導入し得る置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。
Figure 0005422134
一般式(2A)において、R4〜R8は、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表す。R4〜R8としては、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
導入し得る置換基としては、一般式(1A)と同様のものが例示される。また、Yは、酸素原子、硫黄原子、または−N(R12)−を表す。R12は、一般式(1A)のR12と同義であり、好ましい例も同様である。
Figure 0005422134
一般式(3A)において、R9〜R11は、それぞれ独立に水素原子または1価の有機基を表す。R9としては、好ましくは、水素原子または置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、メチル基がラジカル反応性の高いことから好ましい。R10、R11としては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、なかでも、水素原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基がラジカル反応性の高いことから好ましい。
導入し得る置換基としては、一般式(1A)と同様のものが例示される。また、Zは、酸素原子、硫黄原子、−N(R12)−、または置換基を有してもよいフェニレン基を表す。R12は、一般式(1A)のR12と同義であり、好ましい例も同様である。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、側鎖に架橋性基の他に弱アルカリ水可溶性基、例えばカルボキシル基などを有することが好ましい。ポリウレタン樹脂は、画像記録層の酸価が低くとも未露光部の現像性を低下させることなく、露光部の現像ダメージを抑制することができ、良好な汚れ性と高い耐刷性を兼ね備えることができる点で好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリウレタン樹脂は、(i)ジイソシアネート化合物、(ii)カルボキシル基を有するジオール化合物、(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物および必要であれば(iv)カルボキシル基を有さないジオール化合物を重付加反応させることにより得られる樹脂である。
以下にポリウレタン樹脂の原料であるジイソシアネート化合物およびジオール化合物について説明する。
(i)ジイソシアネート化合物
ジイソシアネート化合物としては、式(4)で表されるジイソシアネート化合物が挙げられる。
OCN−L−NCO (4)
式(4)中、Lは置換基を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。必要に応じ、Lはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。より具体的にはLは、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。
具体的には以下に示すものが挙げられる。すなわち、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等のような脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等のような脂環式ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のようなジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。耐刷性と汚れ性のバランスの点で、2種以上を組み合わせて用いるのが好ましく、芳香族ジイソシアネート化合物(Lが芳香族基)と脂肪族ジイソシアネート化合物(Lが脂肪族基)をそれぞれ少なくとも1種ずつ用いることが特に好ましい。
ジイソシアネートの使用量は、ジオール化合物に対してモル比で好ましくは0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1である。ジイソシアネート化合物をジオール化合物に対して過剰に用い、ポリマー末端にイソシアネート基が残存するような場合には、ウレタン化反応終了後にアルコール類またはアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成されることが好ましい。
(ii)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物
少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物としては、式(5)、(6)、(7)のジオール化合物および/または、テトラカルボン酸2無水物をジオール化合物で開環させた化合物が挙げられる。カルボン酸2無水物を開環させるために使用されるジオール化合物を使用することができる。
Figure 0005422134
1は水素原子、置換基(例えば、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR113、−OR113、−NHCONHR113、−NHCOOR113、−NHCOR113、−OCONHR113(ここで、R113は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ基を示し、好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L10、L11、L12はそれぞれ同一でも相違していてもよく、単結合、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは炭素数1〜20個のアルキレン基、炭素数6〜15個のアリレン基、さらに好ましくは炭素数1〜8個のアルキレン基を示す。また必要に応じ、L10、L11、L12中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。なおR1、L10、L11、L12のうちの2または3個で環を形成してもよい。Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。
式(5)、(6)または(7)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
また、少なくとも一つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のジオール化合物の生成において用いられる好ましいテトラカルボン酸2無水物としては、式(8)、(9)、(10)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005422134
式中、L21は単結合、置換基(例えばアルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、ハロゲノ、エステル、アミドの各基が好ましい。)を有していてもよい二価の脂肪族または芳香族炭化水素基、−CO−、−SO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。好ましくは単結合、炭素数1〜15個の二価の脂肪族炭化水素基、−CO−、−SO2−、−O−または−S−を示す。R2、R3は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、またはハロゲノ基を示す。好ましくは、水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール、炭素数1〜8個のアルコキシ、またはハロゲノ基を示す。またL21、R2、R3のうちの二つが結合して環を形成してもよい。R4、R5は同一でも相違していてもよく、水素原子、アルキル、アラルキル、アリールまたはハロゲノ基を示す。好ましくは水素原子、炭素数1〜8個のアルキル、または炭素数6〜15個のアリール基を示す。またL21、R4、R5のうちの二つが結合して環を形成してもよい。L22、L23は同一でも相違していてもよく、単結合、二重結合、または二価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは単結合、二重結合、またはメチレン基を示す。Aは単核または多核の芳香環を示す。好ましくは炭素数6〜18個の芳香環を示す。
上記式(8)、(9)または(10)で示される化合物としては、具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4'−スルホニルジフタル酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'−[3,3'−(アルキルホスホリルジフェニレン)−ビス(イミノカルボニル)]ジフタル酸二無水物、ヒドロキノンジアセテートとトリメット酸無水物の付加体、ジアセチルジアミンとトリメット酸無水物の付加体などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(大日本インキ化学工業(株)製、エピクロンB−4400)、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などの脂環族テトラカルボン酸二無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環することにより、(ii)少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物を合成することができる。ただし、ジオール化合物と(i)ジイソシアネート化合物との反応を初めに行い、この反応物と上記テトラカルボン酸二無水物とを反応させることにより本発明のポリウレタン樹脂を合成することも可能であり、この方法も本発明の観点に包含される。すなわち、テトラカルボン酸二無水物とジオール化合物から由来する構造単位をポリウレタン樹脂中に導入する方法としては、以下の方法がある。
a)テトラカルボン酸二無水物をジオール化合物で開環させて得られたアルコール末端の化合物と、ジイソシアネート化合物とを反応させる方法。
b)ジイソシアネート化合物をジオール化合物過剰の条件下で反応させ得られたアルコール末端のウレタン化合物と、テトラカルボン酸二無水物とを反応させる方法。
少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物のうち、一般式(5)で表される化合物は、溶剤溶解性が高く、合成が容易であるためより好ましい。また、少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物は、ポリウレタン樹脂バインダーがカルボキシル基を0.2〜4.0meq/g、好ましくは0.3〜3.0meq/g、さらに好ましくは0.4〜2.0meq/g、特に好ましくは0.5〜1.5meq/g、最も好ましくは0.6〜1.2meq/gの範囲で有するような量においてポリウレタン樹脂バインダーに導入される。従って、少なくとも一つのカルボキシル基を有するジオール化合物由来の構造のポリウレタン樹脂バインダー中における含有量は、カルボキシル基の数、他のジオール成分として何を用いるか、得られるポリウレタン樹脂バインダーの酸価や分子量、現像液の組成やpH等によって適宜選択されるが、例えば、5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%、より好ましくは15〜35モル%である。
(iii)架橋性基を有するジイソシアネート化合物
架橋性基を有するジイソシアネート化合物としては、例えば、トリイソシアネート化合物と、架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させて得られる生成物がある。
トリイソシアネート化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005422134
架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物としては、例えば下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
ここで、ポリウレタン樹脂の側鎖に架橋性基を導入する方法としては、ポリウレタン樹脂製造の原料として、側鎖に架橋性基を含有するジイソシアネート化合物を用いる方法が好適である。トリイソシアネート化合物と架橋性基を有する単官能のアルコールまたは単官能のアミン化合物1当量とを付加反応させることにより得ることできるジイソシアネート化合物であって、側鎖に架橋性基を有するものとしては、例えば、下記に示すものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005422134
(iv)その他のジオール化合物
ポリウレタン樹脂の側鎖に不飽和基を導入する方法としては、前述の方法の他に、ポリウレタン樹脂製造の原料として、側鎖に不飽和基を含有するジオール化合物を用いる方法も好適である。そのようなジオール化合物は、例えば、トリメチロールプロパンモノアリルエーテルのように市販されているものでもよいし、ハロゲン化ジオール化合物、トリオール化合物、アミノジオール化合物と、不飽和基を含有するカルボン酸、酸塩化物、イソシアネート、アルコール、アミン、チオール、ハロゲン化アルキル化合物との反応により容易に製造される化合物であってもよい。これら化合物の具体的な例として、下記に示す化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005422134
さらに別のその他のジオール化合物としては下記一般式(A’)で表されるエチレングリコール化合物を挙げることができる。
HO−(CH2CH2O)n−H (A’)
(式中、nは1以上の整数を表す。)
また、末端にヒドロキシル基を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダム共重合体やブロック共重合体も挙げられる。
さらに、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が27以上100以下)、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が22以上100以下)、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が23以上100以下)、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が18以上100以下)も用いることができる。より具体的には、一般式(A’)で表されるエチレングリコール化合物が汚れ性の点で好ましく、nが2〜50のエチレングリコール化合物がより好ましく、nが3〜30のエチレングリコール化合物がさらに好ましく、nが4〜10のエチレングリコール化合物が特に好ましい。
Figure 0005422134
具体的には、1,2−プロピレングリコール、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、テトラ−1,2−プロピレングリコール、ヘキサ−1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジ−1,3−プロピレングリコール、トリ−1,3−プロピレングリコール、テトラ−1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジ−1,3−ブチレングリコール、トリ−1,3−ブチレングリコール、ヘキサ−1,3−ブチレングリコール、平均分子量400のポリプロピレングリコール、平均分子量700のポリプロピレングリコール、平均分子量1000のポリプロピレングリコール、平均分子量2000のポリプロピレングリコール、平均分子量3000のポリプロピレングリコール、平均分子量4000のポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が26以下)、ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が21以下)、水添ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が22以下)、水添ビスフェノールFのエチレンオキシド付加体(エチレンオキシドの付加数が17以下)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、水添ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート等が挙げられる。
また、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)で表される化合物のポリエーテルジオール化合物も好適に用いることができる。
Figure 0005422134
式(a)および(b)中、R6は水素原子またはメチル基を表す。ただし、式(a)においては、R6はメチル基を表す。また、Xは、以下の基を表す。
Figure 0005422134
a,b,c,d,e,f,gはそれぞれ2以上の整数を示す。好ましくは2〜100の整数である。
さらに、式(11)、(12)で表されるポリエステルジオール化合物も具体例として挙げることができる。
Figure 0005422134
式中、L1、L2およびL3はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示し、L4は2価の脂肪族炭化水素基を示す。好ましくは、L1、L2、L3はそれぞれアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリレン基を示し、L4はアルキレン基を示す。またLl、L2、L3、L4中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n1、n2はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
さらに、式(13)で表されるポリカーボネートジオール化合物も具体例として挙げることができる。
Figure 0005422134
式(13)中、L5はそれぞれ同一でも相違してもよく2価の脂肪族または芳香族炭化水素基を示す。好ましくは、L5はアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリレン基を示す。またL5中にはイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエーテル、カルボニル、エステル、シアノ、オレフィン、ウレタン、アミド、ウレイド基またはハロゲン原子等が存在していてもよい。n3はそれぞれ2以上の整数であり、好ましくは2〜100の整数を示す。
式(11)、(12)または(13)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。具体例中のnは2以上の整数である。
Figure 0005422134
さらに、以下に示すジオールも好ましく用いられる。
Figure 0005422134
Figure 0005422134
また、下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
Figure 0005422134
式(16)中、R7、R8はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、好ましくは、シアノ、ニトロ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR、−OR、(ここで、Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアリ−ル基、アラルキル基を示す。)などの各基を置換基として有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
式(16)で示されるジオール化合物としては、具体的には以下に示すものが挙げられる。
Figure 0005422134
式(17)としては、2−ブチン−1,4−ジオール、式(18)としては、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、trans−2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
また、下記式(19)、(20)に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−L8−NH−CO−L9−CO−NH−L8−OH (19)
HO−L9−CO−NH−L8−OH (20)
式中、L8、L9はそれぞれ同一でも相違していてもよく、置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L8、L9中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド、ウレイド基などを有していてもよい。なおL8、L9で環を形成してもよい。
式(19)または(20)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。
Figure 0005422134
さらに、下記式(21)、(22)に示すジオール化合物も好適に使用できる。
HO−Ar2−(L16−Ar3)n−OH (21)
HO−Ar2−L16−OH (22)
式中、L16は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲノの各基が好ましい。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を示す。必要に応じ、L16中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基を有していてもよい。
Ar2、Ar3は同一でも相違していてもよく、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を示し、好ましくは炭素数6〜15個の芳香族基を示す。nは0〜10の整数を示す。
式(21)または(22)で示されるジオール化合物としては具体的には以下に示すものが含まれる。
すなわち、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノン、4−メチルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−アセチルカテコール、3−メトキシカテコール、4−フェニルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−エチルレゾルシン、4−t−ブチルレゾルシン、4−ヘキシルレゾルシン、4−クロロレゾルシン、4−ベンジルレゾルシン、4−アセチルレゾルシン、4−カルボメトキシレゾルシン、2−メチルレゾルシン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、テトラメチルハイドロキノン、テトラクロロハイドロキノン、メチルカルボアミノハイドロキノン、メチルウレイドハイドロキノン、メチルチオハイドロキノン、ベンゾノルボルネン−3,6−ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、3,3'−ジクロロビスフェノールS、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−チオジフェノール、2,2'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,4−ビス(2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピル)ベンゼン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルアミン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジルアルコール、4−ヒドロキシフェネチルアルコール、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、レゾルシンモノ−2−ヒドロキシエチルエーテル等が挙げられる。下記に示すジオール化合物も好適に使用できる。
(v)その他のアミノ基含有化合物
本発明におけるポリウレタン樹脂バインダーにおいて、さらに下記式(31)、(32)に示すアミノ基含有化合物を組み合わせてジイソシアネート化合物と反応させ、ウレア構造を形成してポリウレタン樹脂の構造に組み込んでもよい。
Figure 0005422134
式中、R106、R106'はそれぞれ同一でも相違していてもよく、水素原子、置換基(例えばアルコキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、エステル、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよいアルキル、アラルキル、アリール基を示し、好ましくは水素原子、置換基としてカルボキシル基を有していてもよい炭素数1〜8個のアルキル、炭素数6〜15個のアリール基を示す。L17は置換基(例えば、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ、アリーロキシ、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、カルボキシル基などの各基が含まれる。)を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基または複素環基を示す。必要に応じ、L17中にイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばカルボニル、エステル、ウレタン、アミド基などを有していてもよい。なおR106、L17、R106'のうちの2個で環を形成してもよい。
式(31)、(32)で示される化合物の具体例としては以下に示すものが含まれる。
すなわち、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−アミノ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、リジン、L−シスチン、イソホロンジアミン等のような脂肪族ジアミン化合物;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、ベンジジン、o−ジトルイジン、o−ジアニシジン、4−ニトロ−m−フェニレンジアミン、2,5−ジメトキシ−p−フェニレンジアミン、ビス−(4−アミノフェニル)スルホン、4−カルボキシ−o−フェニレンジアミン、3−カルボキシ−m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノフェニルエーテル、1,8−ナフタレンジアミン等のような芳香族ジアミン化合物;2−アミノイミダゾール、3−アミノトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、4−アミノピラゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−5−カルボキシ−トリアゾール、2,4−ジアミノ−6−メチル−S−トリアジン、2,6−ジアミノピリジン、L−ヒスチジン、DL−トリプトファン、アデニン等のような複素環アミン化合物;エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−アミノエトキシエタノール、2−アミノチオエトキシエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、o−アミノフェノール、4−メチル−2−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−メトキシ−3−アミノフェノール、4−ヒドロキシベンジルアミン、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノサリチル酸、4−ヒドロキシ−N−フェニルグリシン、2−アミノベンジルアルコール、4−アミノフェネチルアルコール、2−カルボキシ−5−アミノ−1−ナフトール、L−チロシン等のようなアミノアルコールまたはアミノフェノール化合物。
本発明におけるバインダーポリマーとしては、ポリウレタン合成時に側鎖に架橋性基を導入して得られる上記のポリウレタン樹脂のほかに、特開2003−270775号に記載されるようなカルボキシル基を有するポリウレタンに高分子反応で架橋性基を導入して得られるポリウレタン樹脂を用いることもできる。
本発明では、融点が45℃以上のモノマーと上記架橋性基を有するウレタン樹脂との組み合わせが特に好ましく用いられる。かかるウレタン樹脂の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005422134
感光層の現像性を維持するためには、使用されるバインダーポリマーは適当な分子量を有することが好ましく、質量平均分子量は5000〜300000であるのが好ましい。より好ましい範囲は、20000〜150000である。
バインダーポリマーは、感光性層中に任意な量で含有させることができるが、90質量%を超える場合には形成される画像強度等の点で好ましい結果を与えない場合があるので、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。
本発明で使用される感光層においては、以上の基本成分の他に、必要により、他の成分を含有させることができる。例えば、画像露光に使用するレーザー発光波長±50nmの光を吸収可能な染料または顔料を含有してもよい。但し、これらの染料または顔料は、増感色素とは異なり、光重合開始剤へのエネルギーの伝達を行う機能は有さない。
上記染料または顔料は、レーザー発光波長±50nm間の波長の光を吸収できる染料または顔料であればとくに制限されないが、レーザー発光波長±50nm間に吸収極大を有する染料または顔料が好ましく、より好ましくは、レーザー発行波長±20nm間に吸収極大を有する染料または顔料が好ましく、さらには、レーザー発光波長と同じ波長に吸収極大を有する染料または顔料が好ましい。
本発明では、特に350nmから450nmの光を発する青ないし紫外領域のレーザーによる露光が望ましく、このレーザーに対応した染料または顔料としては、黄色の染料または顔料が望ましい。
黄色の染料の例としては、黄色酸性染料が挙げられる。具体的な例としては、染料便覧に掲載されている酸性染料、C.I. Acid Yellowの一群が挙げられる。特に有効な染料としては、C.I. Acid Yellow 17、C.I. Acid Yellow 19、C.I. Acid Yellow 23、C.I. Acid Yellow 38、C.I. Acid Yellow 42、C.I. Acid Yellow 61、C.I. Acid Yellow 72、C.I. Acid Yellow 141が挙げられる。
また、以下に示す染料も好ましく用いられる。
Figure 0005422134
黄色顔料の例としては、Novoperm Yellow H2G、Seikafast Yellow 2200、Seikafast Yellow 2300、Seikafast Yellow、HOSTACOPY Y501、イエローマスターバッチ、PV Fast Yellow HG、Novoperm Yellow P-HG、Novoperm Yellow M2R等が挙げられる。
このような染料または顔料を使用することにより、レーザの反射光や散乱光の影響によるシャドー部のつまり・つぶれの抑止効果が発現し、高精細AMスクリーン印刷やFMスクリーン印刷、特にFMスクリーンを使用した露光時にも中間調の平網ムラのない良好な印刷物を与える印刷版を提供することができる。
前記染料または顔料の感光層への添加量は、感光層の質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上である。また、感光層までの到達光量を保ち、感度を良好な範囲に保つという観点から、10質量%以下の添加量が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
また、本発明で使用される感光層においては、感光層を形成するための組成物(光重合型感光性組成物)の製造中あるいは保存中においてエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合禁止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、前記組成物の全成分の約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の約0.5質量%〜約10質量%が好ましい。
感光層の着色を目的として、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue 15:3、15:4、15:6等)、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。着色剤の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の約0.5質量%〜約5質量%が好ましい。
硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤の添加量は、光重合型感光性組成物の全成分の10質量%以下が好ましい。
感光層を形成するための組成物には、塗布面質を向上するために界面活性剤を添加することができる。好適な界面活性剤としては、たとえばフッ素系ノニオン界面活性剤を挙げることができる。
本発明において、感光層用組成物は、後に詳述する支持体上に、塗工され感光層を形成する。感光層用組成物を支持体上に塗工する際には有機溶剤に溶かして塗布液が作製される。使用し得る溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメーチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチル等がある。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使用することができる。塗布溶液中の固形分濃度は、1〜50質量%が適当である。
本発明の平版印刷版原版において感光層の被覆量は、塗布乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約10g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜5g/m2であり、更に好ましくは0.5〜3g/m2である。
〔保護層〕
前記感光層の上には、酸素の重合禁止作用を防止するために酸素遮断性の保護層(オーバーコート層)を設けることが好ましい。
保護層の塗布質量は0.5〜3.0g/m2の範囲が好ましい。0.5g/m2未満では感度が低下することがあり、3.0g/m2を超えると処理プロセスの負担が増大することがある。好ましくは、0.7〜2.5g/m2の範囲である。
保護層は水溶性重合体を含有することが好ましく、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、およびその部分エステル、エーテルおよびアセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せしめるような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有する共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールとしては、加水分解度が71〜100%、重合度が300〜2400の範囲のものが好適である。具体的には株式会社クラレ製PVA-105, PVA-110, PVA-117, PVA-117H, PVA-120, PVA-124, PVA-124H, PVA-CS, PVA-CST, PVA-HC, PVA-203,PVA-204, PVA-205, PVA-210, PVA-217, PVA-220, PVA-224, PVA-217EE, PVA-217E, PVA-220E, PVA-224E, PVA-405, PVA-420, PVA-613, L-8,等が挙げられる。また、加水分解度が88〜100%未満のポリビニルアセテートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニルホルマールおよびポリビニルアセタール等が挙げられる。その他有用な水溶性重合体としてはポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴム等が挙げられ、水溶性重合体は単独または併用して用いてもよい。
本発明において、特に好適な結果を得るためには、ポリビニルアルコールの加水分解度が95%以上のものを使用することが望ましい。
保護層には、変性ポリビニルアルコールも用いることができる。特に酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
(酸変性ポリビニルアルコール)
酸変性ポリビニルアルコールとしては、酸基を適当量含有するビニルアルコール系重合体であれば特に制限は無い。特にスルホン酸基又はカルボキシル基を適当量含有するビニルアルコール系重合体が好ましく用いられ、前者をスルホン酸変性ポリビニルアルコール、後者をカルボン酸変性ポリビニルアルコールという。
酸変性ポリビニルアルコールは、酸基を有する単量体を酢酸ビニルと共に重合した後、酢酸ビニルの一部又は全てをケン化してビニルアルコールとする方法により合成することが好ましいが、ポリビニルアルコールのヒドロキシル基に酸基を有する化合物を結合させて合成することも可能である。
スルホン酸基を有する単量体としては、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩等があげられる。スルホン酸基を有する化合物としては、P−スルホン酸ベンズアルデヒド及びそれら塩等のスルホン酸基を有するアルデヒド誘導体があげられ、従来公知のアセタール化反応による導入が可能である。
カルボキシル基を有する単量体としては、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、アクリル酸及びそれらの塩、並びにアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル等のメタクリル酸エステル類等があげられる。カルボキシル基を有する化合物としては、アクリル酸等の単量体があげられ、従来公知のマイケル付加反応による導入が可能である。
酸変性ポリビニルアルコールは適宜合成したものであっても良く、市販品であっても良い。
酸変性ポリビニルアルコールは、感光層の現像除去性の低下を抑制することができる。なかでも、ケン化度が91モル%以上のものが好ましい。
このような高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールの具体例としては、カルボキシ変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製KL−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−618(ケン化度94モル%、平均重合度1800)、KM−118(ケン化度97モル%、平均重合度1800)、KM−106(ケン化度98.5モル%、平均重合度600)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセナールT−330H(ケン化度99モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−330(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−350(ケン化度94モル%、平均重合度1700)、ゴーセナールT−230(ケン化度96.5モル%、平均重合度1500)、ゴーセナールT−215(ケン化度96.5モル%、平均重合度1300)、ゴーセナールT−HS−1(ケン化度99モル%、平均重合度1300)、日本酢ビ・ポバール株式会社製の、AF−17(ケン化度96.5モル%、平均重合度1700)、AT−17(ケン化度93.5モル%、平均重合度1700)が挙げられる。
また、スルホン酸変性ポリビニルアルコールとして、例えば、株式会社クラレ製の、SK−5102(ケン化度98モル%、平均重合度200)、日本合成化学工業株式会社製の、ゴーセランCKS−50(ケン化度99モル%、平均重合度300)が挙げられる。
また、感光層の現像除去性の低下をより効果的に抑制するという観点から、ビニルアルコール単位の平均重合度が100〜800の酸変性ポリビニアルコールを使用することが特に好ましい。このような低重合度、且つ、高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールを用いることで、酸素遮断性の優れた特徴を保持しつつ、感光層の現像除去性の低下を効果的に抑制し得る保護層を得ることができる。
上記のような低重合度、且つ、高ケン化度の酸変性ポリビニルアルコールとしては、ケン化度が91モル%以上、且つ、ビニルアルコール単位の平均重合度が100〜800の、イタコン酸やマレイン酸により変性されたカルボキシ変性ポリビニルアルコールや、スルホン酸変性ポリビニルアルコールが好ましい。
る酸変性ポリビニルアルコールの変性度とは、酸変性ポリビニルアルコールの共重合体中に含まれる酸基を有するユニットのモル比を表す。酸変性ポリビニルアルコールの変性度は、0.1〜20モル%が好ましく、0.2〜5モル%がより好ましい。
保護層塗布液を作製する際に用いる溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を純水と混合して用いてもよい。塗布液中の固形分の濃度は1〜20質量%が適当である。保護層には、さらに塗布性を向上させるための界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。水溶性の可塑剤としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加してもよい。保護層の被覆量は乾燥後の質量で約0.1g/m2〜約15g/m2の範囲が好ましく、より好ましくは1.0g/m2〜約5.0g/m2である。
[平版印刷版の作製方法]
次に本発明に係る平版印刷版原版を用いた平版印刷版の作製方法について詳細に説明する。本発明の平版印刷版の作製方法は、平版印刷版原版を画像露光(露光工程)した後、炭酸イオン、炭酸水素イオン及び水溶性高分子化合物を含有する水溶液で処理(現像工程)することを特徴とする。必要により、上記露光工程と現像工程の間及び/又は現像工程の後に、平版印刷版原版を全面露光及び/又は加熱する工程を設けてもよい。
平版印刷版原版の画像露光は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光する方法、デジタルデータによるレーザー光走査する方法等で行なわれる。望ましい露光光源の波長は350nmから450nmである。
350nm〜450nmの光を発する入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。ガスレーザとして、Arイオンレーザ(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザ(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザとしてN2レーザ(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。この中でAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
走査露光方式の平版印刷版原版露光装置に関しては、露光機構としては内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式のいずれでもよく、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用できる。
また、本発明に使用可能な他の露光光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も挙げられる。
次に、現像工程について詳述する。通常の処理工程においては、前水洗工程により保護層を除去し、次いでアルカリ現像を行い、後水洗工程でアルカリを除去し、ガム引き工程でガム処理を行い、乾燥工程で乾燥するのに対して、本発明においては、炭酸イオン、炭酸水素イオン及び水溶性高分子化合物を含有する水溶液を用いることにより、現像とガム引きを同時に行うことを特徴としている。よって後水洗工程は特に必要とせず、一液で現像とガム引きを行ったのち、乾燥工程を行うことができる。さらに、保護層の除去も現像及びガム引きと同時に行うことができるので、前水洗工程も必要としない。現像及びガム引きの後、スクイズローラー等を用いて余剰の処理液を除去してから乾燥を行うことが好ましい。
現像工程は、擦り部材を備えた自動処理機により好適に実施することができる。自動処理機としては、例えば、画像露光後の平版印刷版原版を搬送しながら擦り処理を行う、特開平2−220061号、特開昭60−59351号に記載の自動処理機や、シリンダー上にセットされた画像露光後の平版印刷版原版をシリンダーを回転させながら擦り処理を行う、米国特許5148746号、同5568768号、英国特許2297719号に記載の自動処理機等が挙げられる。なかでも、擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。
本発明に使用する回転ブラシロールは、画像部の傷つき難さ、さらには、平版印刷版原版の支持体の腰の強さ等を考慮して適宜選択することができる。回転ブラシロールとしては、ブラシ素材をプラスチックまたは金属のロールに植え付けて形成された公知のものが使用できる。例えば、特開昭58−159533号、特開平3−100554号に記載のものや、実公昭62−167253号に記載されているような、ブラシ素材を列状に植え込んだ金属またはプラスチックの溝型材を芯となるプラスチックまたは金属のロールに隙間なく放射状に巻き付けたブラシロールが使用できる。
ブラシ素材としては、プラスチック繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロン6.6、ナイロン6.10等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル等のポリアクリル系、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系の合成繊維)を使用することができ、例えば、繊維の毛の直径は20〜400μm、毛の長さは5〜30mmのものが好適に使用できる。
回転ブラシロールの外径は30〜200mmが好ましく、版面を擦るブラシの先端の周速は0.1〜5m/secが好ましい。回転ブラシロールは、複数本用いることが好ましい。
回転ブラシロールの回転方向は、平版印刷版原版の搬送方向に対し、同一方向であっても、逆方向であってもよいが、2本以上の回転ブラシロールを使用する場合は、少なくとも1本の回転ブラシロールが同一方向に回転し、少なくとも1本の回転ブラシロールが逆方向に回転することが好ましい。これにより、非画像部の感光層の除去がさらに確実となる。さらに、回転ブラシロールをブラシロールの回転軸方向に揺動させることも効果的である。
現像工程のあと、連続的又は不連続的に乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥は熱風、赤外線、遠赤外線等によって行う。
本発明の平版印刷版の作製方法において好適に用いられる自動処理機の構造の1例を図1に模式的に示す。図1の自動処理機は、基本的に現像部6と乾燥部10からなり、平版印刷版原版4は現像槽20で、現像とガム引きを行い、乾燥部10で乾燥される。
現像工程に使用される処理液(以下現像液とも云う)は、炭酸イオン、炭酸水素イオン及び水溶性高分子化合物を含有する水溶液である。炭酸イオン、炭酸水素イオンが存在することで緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
現像液のpHは、緩衝作用を生じるpHであれば特に限定されないが、pH8.5〜10.8の範囲であることが好ましい。8.5を下回ると非画像部の現像性が低下し、10.8を上回ると空気中の炭酸ガスの影響により処理能力が低下する。
炭酸塩及び炭酸水素塩の総量は、アルカリ水溶液の質量に対して1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、4〜12質量%が特に好ましい。総量が1質量%以上であると現像性、処理能力が低下せず、20質量%以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的に他のアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
本発明に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)およびその変性体、プルラン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。水溶性高分子化合物の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
大豆多糖類としては、従来知られているものが使用でき、例えば市販品としてソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
変性澱粉としては、下記一般式(III)で示されるものが好ましい。一般式(III)で示される澱粉としては、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等のいずれの澱粉も使用できる。これらの澱粉の変性は、酸または酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
Figure 0005422134
式(III)中、エーテル化度(置換度)はグルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲で、nは3〜30の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。
水溶性高分子化合物の中でも特に好ましいものとして、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の処理液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
処理液は界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系等)を含有してもよい。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類およびアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
本発明においては、ソルビトールおよび/またはソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、ノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は単独もしくは組み合わせて使用することができる。界面活性剤の現像液中における含有量は0.01〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。
本発明の処理液には上記の他に、湿潤剤、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、有機溶剤、無機酸、無機塩などを含有することができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、湿潤剤は処理液の全質量に基づいて0.1〜5質量%の量で使用される。
防腐剤としては、フェノールまたはその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。防腐剤の添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、処理液に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましい。
キレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。キレート剤は処理液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量は処理液に対して0.001〜1.0質量%が好適である。
消泡剤としては一般的なシリコン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系のHLBの5以下等の化合物を使用することができる。シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型および可溶化等がいずれも使用できる。消泡剤の含有量は、処理液に対して0.001〜1.0質量%の範囲が好適である。
有機酸としては、クエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、サリチル酸、カプリル酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸などが挙げられる。有機酸は、そのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩の形で用いることもできる。有機酸の含有量は処理液に対して0.01〜0.5質量%が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。現像液が有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
無機酸および無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。無機塩の含有量は処理液の全質量に基づいて0.01〜0.5質量%の量が好ましい。
現像の温度は、通常60℃以下、好ましくは15〜40℃程度である。自動現像機を用いる現像処理においては、処理量に応じて現像液が疲労してくることがあるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
本発明の平版印刷版の作製方法においては、必要に応じ、露光から現像までの間に、全面を加熱してもよい。この様な加熱により、画像記録層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。
加熱の条件はこれら効果のある範囲で適宜設定することができる。加熱手段としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。例えば、版面到達温度が70〜150℃の範囲で、1秒〜5分間の間で保持することにより行なうことができる。好ましくは80℃〜140℃で5〜1分間、より好ましくは90℃〜130℃で10〜30秒間である。この範囲であると上記の効果を効率よく得られ、また熱による印刷版の変形などの悪影響が無い点で好ましい。
加熱処理に用いられる加熱処理手段は、露光工程に用いられるプレートセッタおよび現像処理工程に使用される現像装置とお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインが挙げられる。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていても良く、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていてもよい。
使用する平版印刷版原版が作業環境における周囲の光の影響を受け易い場合は、上記の製版ラインがフィルタまたはカバーなどで遮光されていることが好ましい。
また、現像後の印刷版に対して、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行ってもよい。全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。十分な耐刷性を得るためには露光量としては少なくとも10mJ/cm2以上が好ましく、より好ましくは100mJ/cm2以上である。
全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは、35〜130℃であり、さらに好ましくは、40〜120℃である。具体的には、特開2000-89478号公報に記載の方法を利用することができる。
また、耐刷性等の向上を目的として、現像後の印刷版を非常に強い条件で加熱することもできる。加熱温度は、通常200〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じる恐れがある。
このようにして得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
<実施例>
図3(a)、
現像液タンク容量 92リットル、
本発明における外置きタンクの容量は8リットル、合計100リットル、
外置きタンクと本体現像タンクとの液循環用ポンプ容量は毎分200cc、
〈現像液〉表2に示す水溶液を作成した。(単位はg)
Figure 0005422134
平版印刷版原版:
[支持体例 1]
(支持体1:陽極酸化アルミニウム支持体)
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)陽極酸化処理
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
上記支持体に下記の下塗り液を、バーコーターを用いて乾燥塗布量6mg/m2となるよう、塗布したあと80℃で20秒間乾燥したものをそれぞれ支持体1とした。
〔下塗り液〕
ポリマー(SP2) 0.3g
純水 60.0g
メタノール 939.7g
ポリマー(SP2)の構造式
Figure 0005422134
〔感光層+保護層〕
これらの支持体の上にバーコーターを用いて下記組成の感光性組成物を塗布した後、90℃で1分間乾燥した。乾燥後の感光性組成物の質量は1.35g/m2であった。
なお、バインダーポリマーは、表1に示したPP−3を用いた。増感色素は具体例に示した(D40)を用いた。メルカプト基含有ヘテロ環化合物は、具体例に示したSH−8を用いた。
デグサ社製 PLEX6661−O 1.69質量部
バインダーポリマー PP−3 1.87質量部
増感色素(D40) 0.13質量部
BIMD 0.46質量部
(黒金化成社製ヘキサアリールビスイミダゾール)
ε−フタロシアニン(F1)分散物(25%MEK分散液) 1.70質量部
メルカプト基含有ヘテロ環化合物 SH−8 0.34質量部
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF−780F
(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03質量部
クペロンAL(和光(株)社製)
トリクレジルホスフェート10%溶液 0.12質量部
メチルエチルケトン 27.0質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 26.7質量部
Novoperm Yellow H2G(Clariant(株)社製) 0.20質量部
なお、この光重合型感光性組成物で使用した、ε−フタロシアニン(F1)は、下記化学式の化合物である。バインダーポリマー PP−3は、繰り返し単位モル比、左から順に、10:14:76であり、重量平均分子量9万である。BIMDは、下記化学式の化合物である。
Figure 0005422134
〔ε−フタロシアニン(F1)〕
Figure 0005422134
〔BIMD〕
この感光性層上に、
ゴーセランCKS−50(日本合成化学(株)製、ケン化度:99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%)
1.80質量部
ポリビニルピロリドン 0.40質量部
EMALEX710(日本乳化剤(株)製ノニオン界面活性剤) 0.04質量部
パイオニンD230(竹本油脂(株)製界面活性剤) 0.05質量部
ルビスコールV64W(BASF社製) 0.06質量部
下記構造のスルホン酸基含有ポリマー13%水溶液 0.36質量部
純 水 36.0質量部
Figure 0005422134
からなる保護層用水溶液を乾燥塗布質量が2.5g/m2となるようにバーコーターで塗布し、120℃で1分間乾燥させた。
〔現像処理〕
総面積2000m2を約1ヶ月かけて図3(a)に示した自動現像装置で現像。補充無し。現像液総使用量は100リットルであった。
〔比較例1〕
図3(b)に示した自動現像装置
現像液タンク容量 92リットル
現像液 高アルカリ現像液 pH 12
処方 純水 950.0g
EDTA(テトラジアミン四酢酸塩) 1.5g
炭酸カリウム 2.2g
KOH(48%) 1.5g
ポリエチレンナフチルエーテル(C=14) 46.0g
平版印刷版原版:富士フイルム社製 CTPプレート LP−NNV(光重合型CTP平版印刷版)
現像処理 総面積2000m2を約1ヶ月かけて図3(b)に示した自動現像装置で現像。現像性能を維持するために上記現像液を補充した。総使用量は258リットルに達した。
〔実施例2〕
(シリカ含有有機樹脂粒子の水分散物の作製)
(1)アートパールJ−7P水分散物の調製
分散安定性向上を目的として、ノニオン界面活性剤(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710)を3.0重量部と雲母分散物(コープケミカル(株)MEB−3L 固形分濃度3.4%)を77.0重量部添加し、混合した。この水溶液に、シリカ複合架橋アクリル樹脂粒子(根上工業(株)製アートパールJ−7P、平均粒子径6.6μm)を20重量部加え、(株)日本精機製作所製エースホモジナイザーで、10,000rpmで、15分間分散し、アートパールJ−7P水分散物1を得た。
なお、アートパールJ−7Pについて、TEM観察及び蛍光X線分析を行い、表面にシリカが存在していることを確認した。この水分散物は後述の保護層の塗布液に使用した。
<平版印刷版原版Aの作製>
(支持体1の作製)
厚さ0.30mm、幅1030mmのJIS A 1050アルミニウム板を用いて、以下に示す表面処理を行った。
(表面処理)
表面処理は、以下の(a)〜(f)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理及び水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
(a)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、70℃でエッチング処理を行い、アルミニウム板を5g/m2溶解した。その後水洗を行った。
(b)温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後水洗した。
(c)60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。この時の電解液は、硝酸1重量%水溶液(アルミニウムイオン0.5重量%、アンモニウムイオン0.007重量%含む)、温度30℃であった。交流電源は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが2msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で250C/cm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後水洗を行った。
(d)アルミニウム板を苛性ソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%でスプレーによるエッチング処理を35℃で行い、アルミニウム板を0.2g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分の除去と、生成したピットのエッジ部分を溶解し、エッジ部分を滑らかにした。その後水洗した。
(e)温度60℃の硫酸濃度25重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後スプレーによる水洗を行った。
(f)硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5重量%含む)、温度33℃、電流密度が5(A/dm2)で、50間陽極酸化処理を行った。その後水洗を行った。この時の陽極酸化皮膜重量が2.7g/m2であった。
このようにして得られたアルミニウム支持体の表面粗さRa(中心線平均粗さ)は0.27μm(測定機器;東京精密(株)製サーフコム、蝕針先端径2ミクロンメーター)であった。
次に、下記中間層塗布液(1)を乾燥塗布量が10mg/m2になるように上記の表面処理を施したアルミニウム支持体上に塗布して、乾燥した。
〔中間層塗布液(1)〕
・下記の化合物(1) 0.017重量部
・メタノール 9.00重量部
・水 1.00重量部
Figure 0005422134
(平版印刷版原版の作製)
上記の中間層を付与した支持体上に、画像形成層(感光層)塗布液(1)をバー塗布した後、100℃、75秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像形成層(感光層)を形成した。画像形成層の上に、さらに下記組成の保護層塗布液(1)を乾燥時の塗布量が0.5g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、100℃90秒の条件にてオーブンで乾燥し、平版印刷版原版Aを得た。
画像形成層(感光層)塗布液(1)は下記感光液(1)及びマイクロカプセル液(1)を塗布直前に混合し、撹拌することにより得た。
(感光液(1))
・バインダーポリマー PP−3 0.162重量部
・下記重合開始剤(1) 0.100重量部
・下記赤外線吸収剤(1) 0.020重量部
・エチレン性不飽和化合物
アロニックスM315(東亞合成(株)製) 0.385重量部
(イソシアヌル酸のエチレンオキサイド3モル付加物のトリアクリレート)
・下記フッ素系界面活性剤(1) 0.044重量部
・クリスタルバイオレット(保土谷化学(株)製) 0.050重量部
・メチルエチルケトン 1.091重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 8.609重量部
Figure 0005422134
Figure 0005422134
Figure 0005422134
(マイクロカプセル液(1))
・下記の通り合成したマイクロカプセル(1) 2.640重量部
・水 2.425重量部
(マイクロカプセル(1)の合成)
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75%酢酸エチル溶液)10重量部、アロニックスM−215(東亞合成(株)製;ビス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート トルエン混合物)6.00重量部、及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12重量部を酢酸エチル16.67重量部に溶解した。水相成分としてPVA−205の4重量%水溶液37.5重量部を調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25重量部に添加し、室温で30分撹拌後、40℃で2時間撹拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、15重量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
(保護層塗布液(1))
・ポリビニルアルコール(6%水溶液) 2.24重量部
(CKS50、(株)日本合成化学製、ケン化度98.5%、重合度300)
・界面活性剤 2.15重量部
(日本エマルジョン(株)製、エマレックス710、1%水溶液)
・雲母分散液(3.4%水分散物) 3.75重量部
(コープケミカル(株)製、鱗状合成雲母(ソマシフMEB3L))
・前述アートパールJ−7P水分散物1 0.20重量部
・蒸留水 10.60重量部
〔現像処理〕
総面積2000m2を約1ヶ月かけて図3(a)に示した自動現像装置で現像。補充無し。現像液総使用量は100リットルであった。
〔比較例2〕
自現機図3(b)に示した自動現像装置
現像液タンク容量 92リットル
現像液 高アルカリ現像液 pH 12
処方 純水 950.0g
EDTA(テトラジアミン四酢酸塩) 1.5g
炭酸カリウム 2.2g
KOH(48%) 1.5g
ポリエチレンナフチルエーテル(C=14) 46.0g
平版印刷版原版:富士フイルム社製 CTPプレート LP−NNV(光重合型CTP平版印刷版)
現像処理 総面積2000m2を約1ヶ月かけて図3(b)に示した自動現像装置で現像。現像性能を維持するために上記現像液を補充した。総使用量は358リットルに達した。
本発明の第1の実施の形態に係る自動現像装置の構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る自動現像装置の構成図である。 従来の自動現像装置に僅かな改良を加えることで本発明の装置ができあがるという省資源に優しい優位性を説明する構成図で、(a)は第2の実施の形態に係る自動現像装置、(b)は従来製品のそれぞれの構成図である。
符号の説明
2、2’、2” 本発明に係る自動現像装置
4 感光性平版印刷版(PS版)
6 現像部
10 乾燥部
12 側板
14 挿入口
16 搬送ローラ(搬入ローラ)
18 ゴムブレード
20 現像槽
22 搬送ローラ
24 ブラシローラ
26 スクイズローラ27 版検出センサ
28 バックアップローラ
36 ガイドローラ
38 串ローラ
40 排出口
46 通路
50 制御装置
51 制御ROM及びRAM
52 時間計測部
55 現像液貯留タンク
58 現像液
60 遮蔽蓋
62 ゴムブレード
71 現像液循環用ポンプ
73 電導度センサ
74 現像液供給ポンプ
80 第1循環用配管
90 第2循環用配管
98 表示装置
99 警報装置

Claims (1)

  1. 支持体上の画像記録層が画像露光された平版印刷版原板を炭酸イオン、炭酸水素イオン及び水溶性高分子化合物を含有する水溶液からなる現像液が満たされた現像槽に浸漬した状態で非画像部の除去が行われる浸漬型平版印刷版用自動現像方法において、
    処理パスラインを形成する浸漬型の前記現像槽と前記処理パスライン外に設けた外部タンクとの間で前記現像液を前記浸漬型現像槽の液面を一定に保つように循環させ、
    前記平版印刷版原版が搬送されてきたかどうかの有無及びその搬送された前記平版印刷版原版の版面積を測定する版検出センサからの信号と、運転条件に合わせて設定された補充条件とに基づいて、前記補充条件に見合う量の現像液を前記現像槽に補充することを特徴とする浸漬型平版印刷版用自動現像方法。
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