以下、本発明の最良な実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、これら実施の形態について適用する構成部材の寸法、材質、形状、及びそれらの相対配置等は、特定的な記載が無い限りはこの発明の範囲をそれら記載事項のみに限定する趣旨のものではない。
〔第1実施形態〕
以下に、画像形成装置の第1の実施形態について図1〜図6により詳しく説明する。
[画像形成装置の全体構成]
まず、画像形成装置の全体構成について、図2及び図3を参照して概要説明する。なお、図2は第1実施形態に係る画像形成装置の一態様であるカラーレーザープリンタ100の全体構成を示す概略断面図、図3は同じくカラーレーザープリンタ100の中間転写ユニット16の挿抜時の開口部周辺構成を示す斜視図である。
図2に示すカラーレーザープリンタ100は、複数の感光体(以下、感光ドラムという)1を備えている。ここでは、4個の感光ドラム1a,1b,1c,1dを備えている。各感光ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、帯電手段2、露光手段3、現像手段24、一次転写手段12、クリーニング手段6等が配設され、これらにより画像形成手段を構成されている。帯電手段2(帯電ローラ2a,2b,2c,2d)は感光ドラム表面を均一に帯電する。露光手段3は画像情報に基づいてレーザービームを照射し感光ドラム上に静電潜像を形成する。現像手段24(現像ローラ24a,24b,24c,24d)は静電潜像にトナーを付着させてトナー像として顕像化する。一次転写手段12(一次転写ローラ12a,12b,12c,12d)は感光体1上のトナー像を中間転写ベルト11に転写させる。クリーニング手段6(クリーニングブレード6a,6b,6c,6d)は転写後の感光体1表面に残った転写後トナーを除去する。
像担持体としての感光ドラム1a,1b,1c,1dは、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成したものである。感光ドラムは、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達することにより、図2の矢印Q方向に回転駆動される。
帯電手段2a,2b,2c,2dは、ローラ状に形成された導電性ローラ(帯電ローラ)である。この帯電ローラを感光ドラム1a,1b,1c,1d表面に当接させるとともに、不図示の電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光ドラム1a,1b,1c,1d表面を一様に帯電させるものである。
ここでは、上記感光ドラム1a,1b,1c,1dと、帯電ローラ2a,2b,2c,2d、現像ローラ24a,24b,24c,24d及びクリーニングブレード6a,6b,6c,6dとを、一体的にカートリッジ化している。このように一体的にカートリッジ化して、プロセスカートリッジ7(7a,7b,7c,7d)としてカラーレーザープリンタ100に着脱可能に構成されている。
これら4個のプロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dは、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk)のトナーによる画像を形成する点で相違している。また、プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dは、現像ユニット4a,4b,4c,4dと、クリーナユニット5a,5b,5c,5dによって構成されている。
このうち前者の現像ユニット4a,4b,4c,4dは、それぞれ現像ローラ24a,24b,24c,24dと、現像剤塗布ローラ25a,25b,25c,25d、及びそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナーを収納したトナー収納部を有している。
一方、後者のクリーナユニット5a,5b,5c,5dは、それぞれ感光ドラム1a,1b,1c,1dと、帯電ローラ2a,2b,2c,2dと、クリーニングブレード6a,6b,6c,6dと、廃トナー容器とを有している。
また、それらプロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dは、装置本体の水平方向の寸法を小さくし、装置本体の小型化を図るために、図2に示す通り上下斜め方向に配置されている。
露光手段3は、プロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dの鉛直下方に配置され、画像信号に基づく露光を、各感光ドラム1a,1b,1c,1dに対して行うことで、各感光ドラム1a,1b,1c,1dの表面に静電潜像を形成する。
また現像ローラ24a,24b,24c,24dは上記感光ドラム1a,1b,1c,1d表面にそれぞれ隣接し、不図示の駆動部により回転駆動されると共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印加することにより現像を行う。また現像剤塗布ローラ25a,25b,25c,25dはそれぞれ現像ローラ24a,24b,24c,24dに当接し、それぞれにトナーを供給する。
また一次転写ローラ12a,12b,12c,12dは各感光ドラム1a,1b,1c,1dに対向して、中間転写ベルト11の内側に配設されており、不図示のバイアス印加手段により転写バイアスを印加する構成となっている。
さらに中間転写ベルト11は、駆動ローラ13、二次転写対向ローラ14、テンションローラ15に張架されている。中間転写ベルト11は、テンションローラ15により張力がかけられており、図示しない駆動源からの駆動によって駆動ローラ13が回転することにより、矢印R方向に駆動される。
またこれら転写ローラ12a,12b,12c,12d、駆動ローラ13、二次転写対向ローラ14、テンションローラ15は中間転写フレーム70,71(図3参照)に軸受(不図示)を介して軸支されている。中間転写ベルト11は、これらのローラ類に巻回されている状態で中間転写ユニット16を形成している。
更に中間転写ユニット16は、プリンタ100本体に対して挿抜可能に構成されている。詳しくは、中間転写ユニット16は、カラーレーザープリンタ100本体に対し上下斜め方向に配置されているプロセスカートリッジ7a,7b,7c,7dがなす角度とほぼ平行(矢印T方向)に、着脱可能に構成されている。
上述の構成により,感光ドラム1a,1b,1c,1dは、帯電ローラ2a,2b,2c,2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、露光手段3によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像には現像ローラ24a,24b,24c,24dによって反転現像されることで負極性のトナーが付着し、感光ドラム1a,1b,1c,1d上にそれぞれY、M、C、Bkのトナー像が形成される。
感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成されたトナー像は、転写ローラ12a,12b,12c,12dに正極性のバイアスを印加することにより、各感光ドラム1a,1b,1c,1d上のトナー像が順次中間転写ベルト11上に重ねて一次転写される。その多重転写されたトナー像は二次転写部17へ搬送される。
一方、上記で説明した画像形成動作と同期して、給送装置18やレジストローラ対19等からなる搬送機構によって記録媒体としてのシート材Sが二次転写部17へ向けて給送される。
給送装置18は、複数のシート材Sを収納する給送カセット23と、シート材Sを給送する給送ローラ8と、給送されたシート材Sを搬送する搬送ローラ対20とを有している。
給送カセット23は図2中本体手前方向へ引き抜くことができるよう構成されている。ユーザーは給送カセット23を引き抜き、装置本体から取り出した後、シート材Sをセットし装置本体へ挿入することでシート補給が完了する。
給送カセット23に収納されたシート材Sは、給送ローラ8、分離パッド9によって一枚ずつ分離(摩擦片分離方式)給送され、搬送ローラ対20によりさらに下流へと搬送される。
搬送ローラ対20により給送装置18から搬送されたシート材Sはレジストローラ対19によって搬送ガイド32、ベルト前ガイド73、転写前搬送ガイド31、からなる搬送路を通過し、二次転写部17に到達する。
二次転写部17において、二次転写ローラ21に正極性のバイアスを印加することにより、搬送されたシート材Sに、中間転写ベルト11上の4色のトナー像を一括して二次転写することが可能である。
二次転写部17にてトナー像を表面に転写されたシート材Sは中間転写ベルト11と二次転写ローラ21により更に下流側に位置する定着部22へと挟持搬送される。
定着部22は、シート材S上に転写されたトナー像に熱、圧力を加えて画像をシート材S上に永久画像として定着させるものである。
定着ベルト22aは円筒形状であり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材(不図示)にガイドされており、加圧ローラ22bと所定の圧接力をもって定着ニップを形成する。
また、加圧ローラ22bは不図示の駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト22aが回転し、不図示の内部ヒータにより定着ベルト22aが加熱される。
定着部22に搬送された未定着トナー像を有するシート材Sは、定着ベルト22aと加圧ローラ22bとで形成される定着ニップ部において加熱及び加圧され、シート材S上の未定着トナー像が加熱定着される。同時に定着ニップ部に挟持搬送され、トナー像が定着されたシート材Sは、排出ローラ対26によって排出トレイ27排出される。
一方、トナー像転写後に、感光ドラム1a,1b,1c,1d表面に残ったトナーは、クリーニングブレード6a,6b,6c,6dによって除去され、除去されたトナーはクリーナユニット5a,5b,5c,5d内の廃トナー容器に回収される。
また、シート材Sへの二次転写後に中間転写ベルト11上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置28によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
[二次転写部周辺構成及び動作説明]
続いて、図1〜図6を参照して、第1実施形態における中間転写ユニット及び二次転写ユニットの周辺構成、及び、中間転写ユニットの着脱動作について説明する。
図1は第1実施形態に係る画像形成装置における画像形成動作時の二次転写部周辺構成を示す部分断面図である。図4は同じく画像形成装置における二次転写ユニットの開放状態から画像形成動作時に至る動作を示す動作説明図である。図5は同じく画像形成装置における中間転写フレームと二次転写ローラの位置関係を示す簡略図である。図6は同じ画像形成装置における不完全挿入の中間転写ユニットに対する二次転写ユニットの動作説明図である。
また一部を除いて、本体正面側のみの説明としているが、本体対向側にも同様の部品及び形状を有し、同様の動作、効果を発揮するものとして、ここでは説明を省略する。ここで、本体正面側とは、図2に示すドラムの軸方向手前側である。一方、本体対向側とは、図2に示すドラムの軸方向奥側である。
[カバー部材の開閉]
図2に示すように、カラーレーザープリンタ100本体の右側外装面を有する開閉カバー(開閉部材)30が、カバー回動支点29を中心に回動開閉可能に設けられている。
[画像形成動作時の状態]
また、図1に示すように、二次転写ユニット76は、二次転写フレーム72、二次転写ローラ21、二次転写ローラ押圧バネ74、二次転写ローラホルダ75、転写前搬送ガイド31等から構成されている。
本実施形態では、二次転写ローラホルダ(二次転写ローラ保持部材)75が、二次転写ローラ軸の両端部に遊嵌され、二次転写ローラ押圧バネ(押圧手段)74を保持している。そして、その二次転写ローラホルダ75のアーム部75aが、二次転写フレーム72のフック部72cに係止されることで、二次転写ユニット76として一体的に構成されている。このように構成することで、二次転写ローラホルダ75は、二次転写ローラ押圧バネ74の押圧方向に移動可能に、かつ、後述する二次転写ローラホルダ75の回転軌跡Eが内外にシフトするよう揺動可能に、二次転写ユニット76に支持される。
この二次転写ユニット76は、二次転写フレーム72の回転中心72aを中心にプリンタ本体に対し開閉動作可能に設置されている。また、図1に示すとおり、画像形成時には二次転写フレーム位置決めボス72bが、本体側板80のスリット部80e及び本体側板80に対し回動可能に設置された二次転写ユニット位置決めアーム82の位置決め部82cによって保持される。これにより、プリンタ100本体に対する二次転写ユニット76の姿勢が決定する。位置決めアーム82の位置決め部82cは、位置決めアーム82の回動中心82aに対し同心円の円弧形状で構成されており、位置決めアーム82の停止位置に関わらずほぼ同じ位置に二次転写フレーム位置決めボス72bを保持することが可能となる。
この時、二次転写ローラ21の位置は、二次転写ローラホルダ75の、中間転写フレーム70の位置決めガイド70aによる規制と、二次転写ローラ押圧バネ74の押圧力及び二次転写ローラ21のローラ硬度によって決定される。これにより二次転写部17において画像形成に必要なニップが形成される。ここで、二次転写部17におけるニップとは、中間転写ベルト11を介して対向する、二次転写対向ローラ14と二次転写ローラ21の当接部である。
位置決めガイド70aは、中間転写ベルト11を介して、二次転写対向ローラ14に二次転写ローラ21を当接するように、二次転写ローラホルダ75を案内する。位置決めガイド70aは、二次転写ローラホルダ75の押圧方向への移動を案内し、後述するように二次転写ローラホルダ75の回転軌跡が内外にシフトしないように二次転写ローラホルダ75を規制している。
また、図1に示すとおり、駆動ローラ13の両端部に位置し、かつ中間転写フレーム70に嵌合する駆動ローラ軸受79は、本体側板(本体フレーム)80に形成された突き当て部80a,80bに当接する。さらに図示しない中間転写フレーム70のテンションローラ15近傍に設置された被ガイド部(不図示)が、ガイドレール77の一部(不図示)に当接する。このようにすることで、上記画像形成動作時において、装置本体に対する中間転写ユニットの位置を決定している。
ここでは駆動ローラ軸受79が中間転写フレーム70に嵌合し、更に駆動ローラを保持する構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、中間転写ベルト11のテンションによる張力を受ける軸受を別途設けて中間転写フレーム70に嵌合させる。そして、駆動ローラ軸受79は、駆動ローラ13とのガタまたは中間転写フレーム70とのガタの少なくとも一方を、別途設けた軸受の駆動ローラ13に対するガタより大きくとる。このようにすることで1対の軸受にかかる負担を少なくする構成にしてもよい。
[中間転写ユニット挿抜動作]
中間転写ユニット16をカラーレーザープリンタ100本体から抜き出すには、まず図3の状態、即ち、開閉カバー30及び二次転写ユニット76を開放し、中間転写ユニット16を挿抜可能な開口を確保する必要がある。
開閉カバー30を開放方向へ回転させると、開閉カバー30の開閉連動機構(不図示)により、二次転写位置決めアーム82,83が図1に示す位置より図3に示す位置へ回転すると同時に、二次転写フレーム72を開放方向へ回転する。
開閉カバー30と二次転写フレーム72は、図3に示す位置まで回転し、図3に示す姿勢で保持される。こうすることで、前述の開口が確保され、カラーレーザープリンタ100本体からの中間転写ユニット16の挿抜が可能となる。
また、図3に示す如く開閉カバー30と二次転写フレーム72を開放することで、搬送ガイド32等の搬送経路の一部が露出する。これにより、レジストローラ対19から二次転写部17の間の搬送路内での紙詰まり等の処理も容易に行うことができる。
前述の如く中間転写ユニット16を挿抜可能な開口を確保した後、中間転写フレーム70,71に設置された取手部70c,71cを図1または図3に示す矢印U方向に引っ張る。これにより、駆動ローラ13の両端部に位置する駆動ローラ軸受79が本体側板80のガイド部80c(図1参照)に案内されて、中間転写ユニット16が本体外部へ移動する。なお、本体側板80に対向配置される本体側板81においても、ガイド部80cと同様の効果を発揮するガイド形状を設けているが、ここでは便宜上省略し、本体側板80側のみ説明を行う。
また、本体側板80,81の本体内側には、中間転写ユニット16の挿抜方向に延設されたガイドレール77,78(図3参照)がそれぞれ対向する位置(本体正面側と本体対向側)に設けられている。ガイドレール77,78は、中間転写フレーム70,71の被ガイド部(不図示)に対し上下方向への規制・挿抜時の案内部材となる。これにより、駆動ローラ軸受79が本体側板80のガイド部80cから離れた後も、中間転写フレーム70,71の被ガイド部(不図示)がガイドレール77,78に保持・案内される。こうすることで中間転写ユニット16をスムーズにカラーレーザープリンタ100本体外へ抜き出すことができる。
一方、中間転写ユニット16をカラーレーザープリンタ100本体内に装着する際には、中間転写フレーム70,71の被ガイド部(不図示)をガイドレール77,78に合わせ入れる。抜き出し時と同様、中間転写フレーム70,71の被ガイド部がガイドレール77,78に保持・案内される。こうすることで中間転写ユニット16をスムーズにカラーレーザープリンタ100本体内部方向へ挿入することができる。
中間転写ユニット16を上記要領でカラーレーザープリンタ100本体内部方向へ挿入すると、駆動ローラ軸受79が本体側板80のガイド部80cに当接し、そのガイド部80cに沿って中間転写ユニット16は移動する。更に中間転写ユニット16を押し込むと、駆動ローラ軸受79が、図1に示すようにガイド部80cの頂点部80dを越えて、突き当て部80a,80bに突き当たる。こうすることで、中間転写ユニット16がプリンタ100本体の画像形成動作位置に位置決めされ、カラーレーザープリンタ100本体への中間転写ユニット16の装着動作は完了する。
次に、開閉カバー30を閉塞方向へ回転させる。すると、図示しない開閉連動機構により、図4に示す開放位置Aにある二次転写ユニット76も開閉カバー30の閉塞動作に伴い閉塞動作を行う。
図4に示すように、本体側板80のスリット部80eは、回転軌跡Dに沿った形状となっている。この回転軌跡Dは、回転中心72aを中心に開閉する二次転写ユニット76の回転動作に伴う二次転写フレーム位置決めボス72bの回転軌跡である。これにより、開閉カバー30の閉塞動作によって、二次転写フレーム位置決めボス72bはスリット部80eにスムーズに進入できる。またそれと同時に図示しない開閉連動機構により、二次転写位置決めアーム82が図4に破線で示す矢印の方向に回動し、二次転写フレーム72を固定することで、画像形成動作可能状態となる。
一方、図4に示す回転軌跡Eは、回転中心72aを中心に開閉する二次転写ユニット76の回転動作に伴う二次転写ローラホルダ75の回転軌跡である。すなわち、二次転写ローラホルダ75は、二次転写ユニット76の開放状態(開放位置A)から画像形成可能状態(閉塞位置B)に至るまでの間に、中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの一部に干渉する。
ここで、前述の如く干渉する、位置決めガイド70aの一部とは、図5に示す突き当て部70bである。突き当て部70bは、中間転写ユニット16が画像形成動作位置に位置決めされた状態にあっても、二次転写ローラホルダ75の回転軌跡Eの領域内へ進入している。突き当て部70bは、二次転写ユニット76の閉塞動作に伴って二次転写ユニット76の回転中心72aを中心とする回転軌跡Eをたどって移動する二次転写ローラホルダ75に干渉するように設けられている。
図5(a)は干渉し始めの状態であり、二次転写ローラ押圧バネ74の全長は二次転写ユニット76の開放状態と同じL2である。更に二次転写ユニット76を閉塞側へ回転させると、二次転写ローラ押圧バネ74が圧縮され、かつ、二次転写ローラホルダ75は図5(a)の矢印方向へ回転(揺動)し、図5(b)に示す位置に移動する。すなわち、二次転写ローラホルダ75は、二次転写ローラ押圧バネ74の押圧方向に移動し、かつ、回転軌跡Eが内側(回転中心72aに近づく側)にシフトするよう揺動する。
図5(b)は前述の干渉を回避する動作を行う途中で、最も二次転写ローラ押圧バネ74が圧縮された状態を表している。ここでの二次転写ローラ押圧バネ74の全長をL3とする。その後、更なる二次転写ユニット76の閉塞側への回転により、二次転写ローラホルダ75の前述の移動と揺動により、位置決めガイド70aの突き当て部70bとの干渉が回避される。干渉回避後、更に二次転写ローラホルダ75は位置決めガイド70aに案内されて、図1に示す画像形成動作可能状態にまで移動する。図1に示すように画像形成動作可能状態にまで移動すると、二次転写ローラ21が中間転写ベルト11を介して二次転写対向ローラ14に当接し、二次転写ローラ押圧バネ74が最も圧縮された状態となる。この画像形成動作可能状態における二次転写ローラ押圧バネ74の全長をL1とすると、L1<L3<L2となる。二次転写ローラ押圧バネ74の全長L1,L2,L3それぞれのバネ圧をF1,F2,F3とすると、F1>F3>F2となる。F3がF1よりも小さいので、干渉回避時における二次転写ローラ押圧バネ74の最大圧縮量が、画像形成状態における二次転写ローラ押圧バネの圧縮量より小さくなる。そのため、二次転写ユニット76の開閉動作の影響で、二次転写ローラ押圧バネに過剰な負荷が発生することがない。仮に、二次転写ユニット76の開閉動作の影響で二次転写ローラ押圧バネに過剰な負荷が発生すると、画像形成動作可能状態に必要とされるバネ圧を維持することができなくなってしまう場合がある。
また二次転写ユニット76は、前述の通り、開閉カバー30との図示しない連動開閉動作に加え、開閉カバー30の開放時には単体での開閉動作も可能となっている。
二次転写ユニット76を単独で閉塞動作させた際も、前述と同様に、二次転写ローラホルダ75は中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの突き当て部70bに干渉し、回避動作を行う(図5(a)、図5(b)参照)。
また、二次転写ユニット76の開放動作の際も、二次転写ローラホルダ75は中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの突き当て部70bと干渉し、回避動作を行う。しかしながら、この干渉回避動作に必要な、二次転写ユニット76の回転力は、二次転写ユニット76の自重のみでは働かないように設定している。すなわち、前述した干渉状態において、二次転写ユニット76の自重による回転力以上の力を二次転写ユニット76に加える。これにより、二次転写ローラホルダ75が前述の如く押圧方向に移動及び回転軌跡Eが前記干渉を回避する方向にシフトするよう揺動して、前記突き当て部70bとの干渉が回避される。
そのため、二次転写ユニット76単体では、二次転写ユニット位置決めアーム82のロックが無い状態でも、略閉塞状態(二次転写ローラホルダ75が中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの一部に干渉した状態)で二次転写フレームは仮保持される。但し、二次転写ユニット位置決めアーム82のロックが無いため、二次転写部17におけるニップ圧は殆ど発生していない。
なお、開閉カバー30と連動で開放動作させる際は、図示しない開閉連動機構により回転力を与えられることで二次転写ユニット76の開放が可能となっている。
上記構成により、二次転写ユニット76は、その下方に位置する部品の清掃や交換等の保守作業において、二次転写フレームを単独で閉塞動作させて、略閉塞位置に仮保持される。これにより、二次転写フレーム72を開放した状態ではしづらい前述のような作業において、大幅な作業性アップが可能となる。なお、二次転写ユニット76下方に位置する部品としては、図示していないが、記録紙の先端タイミングを計るレジストセンサや、紙種を検知するメディアセンサ等がある。
[中間転写ユニットが正規位置に無い場合]
続いて、中間転写ユニット16の挿入の際、作業者の押し込み不足により正規位置まで中間転写ユニット16が挿入されず、不完全装着となった場合の各部の動作について説明する。すなわち、開閉カバー30と連動または単独で二次転写ユニット76を閉塞動作させた時の各部動作について図6を用いて説明する。
中間転写ユニット16が画像形成動作位置に位置決めされていないときは、中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの突き当て部70bに当接し、両者は干渉しつづける。ここで、中間転写ユニット16が画像形成動作位置に位置決めされていないときとは、突き当て部70bが、二次転写ローラホルダ75に干渉するように回転軌跡Eの領域内に進入しているときである。かつ、突き当て部70bの進入量が、中間転写ユニット16が画像形成動作位置に位置決めされているときの進入量よりも多いときである。
例えば中間転写ユニット16の駆動ローラ軸受79が、図6(a)に示すように、本体側板80のガイド部80cの端部付近にある場合が考えられる。この場合、二次転写ユニット76の閉塞動作により二次転写ローラホルダ75は回転軌跡Eを辿り、図6(a)に示す位置で中間転写フレーム70の位置決めガイド70aの突き当て部70bに当接する。このとき、突き当て部70bの回転軌跡Eの領域内への進入量は、中間転写ユニット16が画像形成動作位置に位置決めされているときの進入量よりも多く、かつ、二次転写ローラホルダ75の揺動量よりも大きい。そのため、二次転写ローラホルダ75と突き当て部70bは干渉しつづける。
この当接(干渉)により中間転写ユニット16は二次転写ユニット76の閉塞動作による本体奥方向の力を受けて同方向へ押され、図6(b)に示す位置へ移動される。
更に二次転写ユニット76が閉塞動作を続けると、中間転写ユニット16の駆動ローラ軸受79は前記二次転写ユニット76の閉塞動作による力を受けて本体側板80のガイド部80cに沿って移動する。そして、中間転写ユニット16の駆動ローラ軸受79は、図6(c)に示すとおり、本体側板80のガイド頂点部80dを越えて、突き当て部80a,80bに当接する位置(画像形成動作位置)まで押し込まれ、位置決めされる。
このように中間転写ユニットの不完全装着位置から完全装着位置に至る間、図6(a)〜図6(c)に示すとおり、中間転写ベルト11または二次転写対向ローラ14と二次転写ローラ21の接触、または各ガイド類の変形を引き起こす衝突は無い。
よって、中間転写ユニットが画像形成動作位置に位置決めされていないときは、二次転写ユニットの閉塞動作に伴って中間転写ユニットが画像形成動作位置に位置決めされるまで二次転写ローラホルダが突き当て部に干渉しつづける。すなわち、不完全に装着された中間転写ユニットを二次転写ユニットの閉塞動作により画像形成位置に位置決め装着することができる。
更に、中間転写ユニットが画像形成動作位置に位置決めされることで二次転写ユニットの閉塞動作に伴って二次転写ローラホルダが突き当て部との干渉を回避して位置決めガイドに案内される。すなわち、二次転写ユニットの閉塞動作により、中間転写ユニットを位置決め装着した後、二次転写ローラが中間転写ベルトを介して二次転写対向ローラに押圧される。
従って、画像形成装置本体に対する中間転写ユニットの装着が不完全な状態での二次転写ユニットの閉塞動作による二次転写ローラと二次転写対向ローラの衝突を防止することができ、衝突に起因する不具合を防止することができる。
更に、不完全に装着された中間転写ユニットを二次転写ユニットの閉塞動作により不具合無く確実に位置決め装着することが可能な、操作性に優れた画像形成装置を提供することができる。
〔第2実施形態〕
次に、画像形成装置の第2実施形態について図7、図8を参照して説明する。
図7は第2実施形態に係る画像形成装置の二次転写ローラ保持構成を示す分解図である。図8は第2実施形態に係る画像形成装置の中間転写フレームと二次転写ローラの位置関係を示す簡略図である。
なお、画像形成における一連の動作、構成等は前述した第1実施形態と何ら変わるものではなく、同一部材には同一符号を付与するとともに構成的、機能的に変わらないものについてはその説明を省略する。ここでは中間転写ユニットと二次転写ユニットの動作及びそれらの位置関係についてのみ説明を行う。
前述した第1実施形態では、二次転写ローラホルダ75が二次転写ローラ21及び二次転写ローラ押圧バネ74を直接保持しているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2実施形態では図7に示す通り、二次転写ローラホルダ90にボールベアリング91が圧入されており、そのボールベアリング91が二次転写ローラ21を支持する構成となっている。
前記二次転写ローラホルダ90は二次転写ローラベース(二次転写ローラ保持部材)92に支持されるが、ここで二次転写ローラベース92のフック部92aが二次転写ローラ21の芯金部を係止する。これにより、二次転写ユニット76は、二次転写ローラ21及び二次転写ローラホルダ75が二次転写ローラベース92と一体化されると同時に、二次転写ローラ21及び二次転写ローラホルダ75の交換性も確保している。
なお、画像形成状態においては上記フック部92aは二次転写ローラ21の芯金部に接触しないようクリアランスをもたせることで、フック部の磨耗、摺動による異音等を防止している。
また二次転写ローラホルダ90を支持する二次転写ローラベース92が二次転写ローラ押圧バネ74を保持し、二次転写ローラベース92のタブ92bのスリット部92cが二次転写フレーム93のボス部93aに係止される。更に二次転写ローラベース92のスリット部92cは二次転写フレーム93(ボス部93a)に対する二次転写ローラベース92の移動を案内する移動ガイドにもなっている。
図8(a)に示すとおり、二次転写ローラベース92は二次転写フレーム93のボス部93aを支点に矢印G1方向、G2方向に(回転軌跡が干渉を回避する方向にシフトするように)揺動可能となっている。かつ、二次転写ローラベース92は矢印H1方向、H2方向(押圧バネ74の押圧方向)への移動が可能となっている。図8(a)に示すように、中間転写ユニット16が装置本体に対し不完全装着状態の場合に、二次転写ユニット76を閉塞動作させると、二次転写ローラホルダ90が中間転写フレーム70の突き当て部70bに当接することで、図8(a)、図8(b)に示す状態を経て、図8(c)に示すとおり、中間転写ユニット16を画像形成可能位置に移動させることができる。
図8(a)の状態では二次転写ローラホルダ90は二次転写フレーム93のリブ93bに規制され、矢印G2方向には回転できない。
更に二次転写ユニット76が回転した図8(b)の状態では、二次転写ローラホルダ90は二次転写ローラベース92と一体的に、中間転写フレーム70の突き当て部70bとの干渉を回避し、位置決めガイド70aに入り込むように矢印G1方向へ揺動を始める。
最終的に、図8(c)に示すとおり、中間転写ユニット16を画像形成動作位置に移動した状態で、二次転写ローラホルダ90は突き当て部70bとの干渉を回避し、位置決めガイド70aに進入可能となり、画像形成可能な所定の位置に移動する。
この構成によれば、第1実施形態に比べ、二次転写ローラ保持部材としての二次転写ローラベース92(二次転写ローラホルダ90)の矢印G1及びG2方向への揺動の自由度は高く設定可能である。すなわち、図8(a)〜図8(c)に示すように、二次転写ローラホルダ90の揺動動作を大きく取ることができる。これにより、二次転写ローラ押圧バネ74のバネ圧をアップさせた場合も、二次転写ローラ押圧バネ74を大きく圧縮することなく、回避動作によりスムーズに行うことが可能となる。
よって、本実施形態によれば、前述した実施形態の効果に加えて更に、二次転写ローラ押圧バネの押圧力のアップと、二次転写ユニットの開閉の操作性を両立することが可能となり、更に使い勝手の良い画像形成装置を提供することが可能になる。
また、二次転写ローラ及び二次転写ローラホルダの交換時にバネを外す必要がなく、交換作業性の良い画像形成装置を提供することが可能となる。
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、色の異なる画像形成部(プロセスカートリッジ)を4つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして、感光体ドラムと、該感光体ドラムに作用するプロセス手段としての帯電手段,現像手段,クリーニング手段を一体に有するプロセスカートリッジを例示した。しかしながら、これに限定されるものではない。感光体ドラムの他に、帯電手段、現像手段、クリーニング手段のうち、いずれか1つを一体に有するプロセスカートリッジであっても良い。
更に前述した実施形態では、感光体ドラムを含むプロセスカートリッジが画像形成装置本体に対して着脱自在な構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば各構成部材がそれぞれ組み込まれた画像形成装置、或いは各構成部材がそれぞれ着脱可能な画像形成装置としても良い。
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。