JP5339769B2 - 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
該被覆層は、
フッ素樹脂またはポリイミド樹脂からなり、
厚さ15nm以上、5000nm以下であって、かつ、
該現像ローラの表面におけるマルテンス硬度H1(N/mm2)と、前記弾性体層のマルテンス硬度H2(N/mm2)と、前記被覆層の膜厚d(mm)とが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする:
400 ≦ (H1−H2)/d ≦ 2000 (1)。
また、本発明に係る現像ローラは、軸芯体と、弾性体層と、該弾性体層を被覆する表面層としての被覆層とを有し、該被覆層の表面におけるAsker−C硬度が40°以上、85°以下である現像ローラであって、
該被覆層は、
SiOx膜からなり、該SiOx膜において、ケイ素原子に対するケイ素原子に化学結合している酸素原子の存在比が1.00以上、1.80以下であり、
厚さ15nm以上、5000nm以下であって、かつ、
該現像ローラの表面におけるマルテンス硬度H1(N/mm 2 )と、前記弾性体層のマルテンス硬度H2(N/mm 2 )と、前記被覆層の膜厚d(mm)とが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする:
400 ≦ (H1−H2)/d ≦ 2000 (1)。
(ア)表面のアスカーC(Asker−C)硬度が、40°以上85°以下であること;
(イ)被覆層の厚さが15nm以上、5000nm以下であること;
(ウ)現像ローラ表面のマルテンス硬度H1(N/mm2)と、弾性体層のマルテンス硬度H2(N/mm2)と、被覆層の膜厚d(mm)とが下記式(1)に示す関係を満たしていること:
400 ≦ (H1−H2)/d ≦ 2000 (1)。
軸芯体11は、通常、円柱状の形状を有しており、金属の如き導電性材料で形成されているものを用いることができる。画像形成装置に利用される現像ローラは、電気的なバイアスを印加して、または、接地されて、使用されるのが一般的であるので、軸芯体11は、支持部材であって、現像部材の電極としても機能する。
弾性体層12は柔軟性を有するものであり、ゴムを原料主成分とした成型体を用いることができる。原料主成分のゴムとしては、従来から弾性ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。ゴムの具体例を以下に列挙する。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)。フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。所望とする弾性体層の硬度や現像ローラとしての特性を与える限り、これらのゴムは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体の如き導電性の金属酸化物;
上記金属や合金または金属酸化物で被覆された絶縁性物質の微粉末。
n−ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−モノブチルアミン縮合品、ヘプトアルデヒド−アニリン縮合物、トリクロトニリデン・テトラミン縮合物などのアルデヒドアミン類;
ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン、オルト・トリル・ビグアニド、ジカテコール・ほう酸のジオルト・トリル・グアニジン塩などのグアニジン塩類;
2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン類;
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩。2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホリノ−2−ベンゾテアジル・ジスルフィドなどのチアゾール類;
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール・スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド。N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミドなどのスルフェンアミド類;
チオカルバニド、エチレン・チオ尿素(2−メルカプトイミダゾリン)、ジエチル・チオ尿素、ジブチル・チオ尿素、混合アルキルチオ尿素、トリルメチルチオ尿素、ジラウリルチオ尿素などのチオ尿素類;
ジメチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチル・ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−n−ブチル・カルバミンン酸ナトリウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸鉛、ジアミル・ジチオカルバミン酸亜鉛。ジエチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジル・ジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレン・ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル・ジチオカルバミン酸セレン。ジエチル・ジチオカルバミン酸セレン、ジエチル・ジチオカルバミン酸テルル、ジエチル・ジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチル・ジチオカルバミン酸銅、ジメチル・ジチオカルバミン酸鉄、ジメチル・ジチオカルバミン酸ビスマス。ジメチル・ジチオカルバミン酸ピペリジン、メチルペンタメチレン・ジチオカルバミン酸ピペコリン、活性化ジチオカルバメートなどのジチオカルバミン酸塩類;
テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、活性テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド。N,N′−ジメチル−N,N′−ジフェニルチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド、混合アルキル・チウラム・ジスルフィドなどのチウラム類;
イソプロピル・キサントゲン酸ナトリウム、イソプロピル・キサントゲン酸亜鉛、ブチル・キサントゲン酸亜鉛などのザンテート類;
4,4′−ジチオジモルホリン、アミノジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−o,o−n−ブチル・ホスホロジチオエート、3−メルカプトイミダゾリン−チオン−2、チオグリコール酸エステルなど。
本発明の現像ローラは、弾性体層12の外周面に被覆層(表面層)13を有する。
<要件(イ)および(ウ)について>
被覆層は、前記の要件(イ)及び(ウ)を満たしていることを要する。以下に要件(イ)及び(ウ)の技術的意義について説明する。
(試験荷重)/(試験荷重下での圧子の表面積)(N/mm2)。
被覆層13を形成する成分の具体例を以下に列挙する。
テトラフルオロエチレンおよびこれと共重合可能な少なくとも1種の他のエチレン性不飽和単量体との共重合体。ここで、エチレン性不飽和単量体の例としては例えば以下のものが挙げられる。エチレン、プロピレン等のオレフィン類、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオライド等のハロゲン化オレフィン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル類等。
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンなどのフルオロオレフィンとビニルエーテル,ビニルエステル、ビニルシランなどの炭化水素系オレフィンとの共重合体;
フルオロアクリレートとアクリレートとの共重合体;
パーフルオロアルキル基によって置換されたジエポキシ化合物の重合体。
被覆層が形成された現像ローラは、当該表面から測定されるアスカーC(Asker−C)硬度が40°以上85°以下の範囲にある必要がある。トナーの劣化を抑制し、電子写真感光ドラムとのニップ幅を確保するためである。
本発明において、現像ローラ表面は、ジヨードメタンに対する接触角が40°以上、70°以下、特には50°以上65°以下の範囲にあることがより好ましい。ジヨードメタンに対する接触角が40°以上の場合、トナーの構成成分である外添材やトナー自体の付着を低く抑えることができる。ジヨードメタンに対する接触角が70°以下の場合、現像ローラの表面に安定してトナーを担持させることができる。すなわち、画像を形成する際に十分な濃度を得ることができる。
(上記式中、γdは、分散力(誘起双極子間)成分を、γpは、配向力(極性/極性分子間)成分を、γhは、水素結合力(水素原子/陰性原子)成分を表す。)この解析については北崎−畑理論に準じており、具体的には、畑らの論文(J.Adhesion,21,177,(1987))に述べられている。
被覆層は、該現像ローラから切り取った被覆層及び弾性体層を含む短冊状の被験試料を5%延伸変形させたときに、割れを生じないものであることが好ましい。被覆層をこのようなものとすると、弾性体層に含まれる成分が、現像ローラ表面にブリードし難く、現像ローラ表面へのトナーや外添剤の付着を抑制することができる。
次に、本発明にかかる現像装置、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置について説明する。
本発明の被覆層の膜厚は、薄膜測定装置F20−EXR(商品名、FILMMETRICS社製)を用いて測定した。現像ローラの長手方向を4等分した位置である3ヵ所で、周方向に120°で分けた各3点の、計9点にて測定し相加平均した値である。
本発明におけるAsker−C硬度(アスカーC硬度)は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)社製)を用いて測定した現像ローラ表面の硬度である。常温常湿(23℃、55%RH)の環境中に12時間以上放置した現像ローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の測定値とする。
マルテンス硬度の測定は、超微小硬さ試験システム ピコデンターHM500(商品名、フィッシャー:インストルメンツ社製)を用いて前述の方法により測定した。現像ローラ表面のマルテンス硬度、弾性体層部のマルテンス硬度の測定には、図7に示すビッカース圧子を用い、四角錐の形状に補正して求めた。
本発明における現像ローラ表面のジヨードメタンに対する接触角は、協和界面科学(株)製の接触角計CA−S ROLL(商品名)を使用して測定した。現像ローラの長手方向を4等分した位置である3ヵ所で測定し、その相加平均した値を現像ローラ表面のジヨードメタンに対する接触角θdとした。測定は温度25℃、相対湿度50%RHの環境下にて行った。
本発明における現像ローラ表面の表面自由エネルギーは、表1に示される表面自由エネルギー3成分が既知のプローブ液体を使用し、測定を行った。
現像ローラの外周面を周方向で6等分した場合の隣り合う2線間を結ぶ直線(断面で考えると、外周6分の1に相当する弧に対する弦)を通り、軸心体の中心線に平行な平面で切断し弾性体層と被覆層をその表面に有するゴム片を切り出した。これは、弾性体層部のマルテンス硬度H2(N/mm2)を測定する際の加工で現像ローラから切り取られた部分に相当する。このゴム片を長さ100mmに切断し、長手方向の40mm、60mmの位置に、標線間の間隔が20mmとなるようにスタンプし被験試料とした。この被験試料を加硫ゴム引張永久歪み試験用定伸長冶具(ダンベル社製)にセットし、標線間が21mmとなるように伸張し、5分間静置した後に定伸長冶具より被験試料を取り外した。5%延伸変形された標線間の被覆層の状態を目視で観察し被覆層の割れの有無を判断した。測定は温度25℃±2℃、相対湿度50%RH±5%の環境下にて行った。
DBP吸収量は、弾性体層中に存在するカーボンブラックを下記の手順にて弾性体層から単離したものについて、JIS K6217−4「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部:DBP吸収量の求め方」に準じて測定した。
軸芯体としてニッケル鍍金を施したSUS製の芯金(直径6.0mm)の外周面に接着剤(プライマー)としてDY39−051A/B(商品名、東レダウコーニング社製)を塗布し、焼き付けたものを用いた。
液状シリコーンゴム(ポリシロキサン混合物と架橋剤と白金系触媒とを加え混合した付加型シリコーンゴム組成物) 100質量部
上記ポリシロキサン混合物は、以下のものからなる。
25℃における粘度が40Pa・sであり1つのビニル基を有する分岐ポリシロキサンセグメントと二官能のジメチルシロキサンを200個連続して有する直鎖状オイルセグメントとからなるブロックポリマー60質量%
上記架橋剤は1分子中にケイ素結合水素原子を平均2.4個有したオルガノシロキサンである。
シリカ粉体 15質量部
(AEROSIL 130(商品名、日本アエロジル社製))
石英粉末 60質量部
(Min−U−Sil 15(商品名、U.S.Silica Company社製))
カーボンブラック(導電性付与剤) 20質量部
(デンカブラック粒状品(商品名、電気化学工業社製))
上記原材料を混合することにより、導電性の液状ゴムコンパウンドを作製した。
ヘキサメチルジシロキサン蒸気 1.0sccm
酸素 0.5sccm
アルゴンガス 23.5sccm
ここで「sccm」は、前記原料ガスが0℃1気圧の時の毎分当たり1cm3の体積流量を表す。ヘキサメチルジシロキサンは、純度99%の一級品を、酸素は純度99.999%以上のものを、アルゴンガスは純度99.999%以上のものを使用した。
原料ガスの酸素を1.0sccm、アルゴンガスを23.0sccmとしたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.29であった。
原料ガスの酸素を1.5sccm、アルゴンガスを22.5sccmとしたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ3を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
原料ガスの酸素を2.0sccm、アルゴンガスを22.0sccmとしたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ4を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.66であった。
原料ガスの酸素を2.5sccm、アルゴンガスを21.5sccmとしたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ5を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.77であった。
原材料のシリカ粉体の使用量を20質量部、石英粉末の使用量を70質量部とし、カーボンブラックをデンカブラックFX−35(商品名、電気化学工業社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ6を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.03であった。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ7を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.77であった。
原材料のシリカ粉体の使用量を10質量部、
石英粉末の使用量を40質量部、
カーボンブラックをトーカブラック#7350F(商品名、東海カーボン社製)、
カーボンブラックの使用量を40質量部、
原料ガスの酸素を2.5sccm、
アルゴンガスを21.5sccm。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ8を作製した。本参考例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.90であった。
原材料のシリカ粉体の使用量を10質量部、
石英粉末の使用量を40質量部、
カーボンブラックをトーカブラック#7350F」(商品名、東海カーボン社製)、
カーボンブラックの使用量を40質量部、
原料ガスの酸素を2.8sccm、アルゴンガスを21.2sccm。
原料ガスの酸素を1.5sccm、アルゴンガスを22.5sccmとし、高周波加熱処理時間を30秒としたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ9を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
原料ガスの酸素を1.5sccm、アルゴンガスを22.5sccmとし、高周波加熱処理時間を90秒としたこと以外は実施例1と同様にして現像ローラ10を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ11を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.77であった。
原材料のシリカ粉体の使用量を40質量部、
カーボンブラックをデンカブラックFX−35(商品名、電気化学工業社製)、
原料ガスの酸素を2.5sccm、
アルゴンガスを21.5sccm。
下記原材料を準備した。
ゴム 100質量部
(NBR、(JSR N230SL、商品名、JSR社製))
酸化亜鉛 5.0質量部
ステアリン酸 2.0質量部
炭酸カルシウム 30質量部
2−メルカプトベンズイミダゾール(MB) 0.5質量部
カーボンブラック 35質量部
(トーカブラック#7360SB(商品名、東海カーボン社製))
可塑剤 20質量部
(ポリサイザーP−202(商品名、大日本インキ社製)
上記原材料を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練して、ゴムコンパウンドを調製した。
分散性硫黄 1.2質量部
(Sulfax 200S(商品名、鶴見化学工業社製、純度99.5%)
ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド 1.0質量部
(ノクセラーDM(商品名、大内新興化学社製))
ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド 1.0質量部
(ノクセラーTRA(商品名、大内新興化学社製))
テトラメチルチウラムモノスルフィド 0.5質量部
(ノクセラーTS(商品名、大内新興化学社製))
上記弾性体層用コンパウンドを押出成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって一次加硫を130℃で30分間行い、さらに電気炉によって二次加硫を140℃で30分間行ない、ゴム製チューブを得た。このチューブを切断した後、外周面に接着剤(プライマー)を塗布し焼き付けした、ニッケル鍍金を施したSUS製の軸芯体(直径6.0mm)を圧入した。次いで、表面を研磨して厚み3mmの弾性体層を軸芯体の外周面に設け、得られた弾性体層を有するローラを「NBR弾性体層ローラ0」とする。
原料ガス;
ヘキサメチルジシロキサン蒸気 1.0sccm、
酸素 2.5sccm、
アルゴンガス 21.5sccm
の混合ガス。
高周波加熱処理時間を5分間。
弾性体層形成用の原材料として下記原材料を準備した。
熱可塑性樹脂 100質量部
(サントプレーン8211−25(商品名、エーイーエスジャパン社製))
可塑剤 20質量部
(ポリサイザーP−202(商品名、大日本インキ社製))
カーボンブラック 35質量部
(トーカブラック#7350F(商品名、東海カーボン社製))
これらの原材料を、スクリュー直径Dが30mm、長さLが960mm、L/Dが32である2軸押出機にて混練し、樹脂組成物ペレットを作製した。
原料ガス;
ヘキサメチルジシロキサン蒸気 1.0sccm、
酸素 2.5sccm、
アルゴンガス 21.5sccm、
の混合ガス。
高周波加熱処理時間を3分。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ14を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
熱可塑性樹脂をサントプレーン8211−35(商品名、エーイーエスジャパン社製))、
可塑剤の使用量を15質量、
カーボンブラックをトーカブラック#7350F(商品名、東海カーボン社製)、
カーボンブラックの使用量を32質量部。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ15を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
熱可塑性樹脂をサントプレーン8211−45(商品名、エーイーエスジャパン社製)、
可塑剤の使用量を10質量、
カーボンブラックの使用量を30質量部。
シリコーン弾性体層ローラ0を、真空蒸着装置に載置して、るつぼ内にフッ素樹脂(Fluon ファインパウダーCD145(商品名、旭硝子社製)を入れた後、該真空蒸着装置内を13.33Paまで減圧した。その状態で、るつぼの温度を650℃になるように調整し、載置したローラを20rpmで回転させながら、3分間装置内に置いて、被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、現像ローラ16を作製した。
真空蒸着装置内の処理時間を10分間に変更した以外は、実施例16と同様にして現像ローラ17を作製した。
真空蒸着装置内の処理時間を20分間に変更した以外は、実施例16と同様にして現像ローラ18を作製した。
トルエンを溶剤として、溶剤可溶性フッ素樹脂 ルミフロンLF100(商品名、旭硝子社製)を3.0質量%溶解したフッ素樹脂溶液を作成した。この溶液中にシリコーン弾性体層ローラ0を、浸漬し、これを引き上げ150℃で2時間乾燥し、被覆層を形成した。これら以外は実施例1と同様にして、現像ローラ19を作製した。
N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として、ポリイミドワニス U−ワニス−A(商品名、宇部興産社製)を1.0質量%溶解した樹脂溶液を作成した。この溶液中にシリコーン弾性体層ローラ0を、浸漬し、これを引き上げ、150℃で4時間の熱処理をした後、さらに200℃で2時間の熱処理をし、被覆層を形成した。これら以外は実施例1と同様にして、現像ローラ20を作製した。
樹脂溶液におけるU−ワニス−Aの質量%を3.0質量%に変更した以外は、実施例20と同様にして現像ローラ21を作製した。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例1と同様にして現像ローラ22を作製した。本比較例にかかるSiOx膜のO/Siの値は0.94であった。
原材料のシリカ粉体の使用量を20質量部、
石英粉末の使用量を70質量部、
カーボンブラックをデンカブラックFX−35(商品名、電気化学工業社製)、
原料ガス;
ヘキサメチルジシロキサン蒸気 1.2sccm、
酸素 0.3sccm、
アルゴンガス 23.5sccm
の混合ガス。
原材料のシリカ粉体の使用量を40質量部、カーボンブラックをデンカブラックFX−35(商品名、電気化学工業社製)とし、原料ガスの酸素を3.0sccm、アルゴンガスを21.0sccmとした。これら以外は実施例1と同様にして現像ローラ23を作製した。本比較例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.98であった。
原材料のゴムをJSR N222L(商品名、JSR社製)とし、カーボンブラックをMA230(商品名、三菱化学社製)としたこと以外は、実施例12と同様にして現像ローラ24を作製した。本実施例にかかるSiOx膜のO/Siの値は1.56であった。
以下の通りに材料、条件等を変更した以外は、実施例16と同様にして現像ローラ25を作製した。
フッ素樹脂 Fluon ファインパウダーCD123(商品名、旭硝子社製)
真空蒸着装置内の処理時間 1分間
[比較例5]現像ローラ26
N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として、ポリイミドワニス U−ワニス−S(商品名、宇部興産社製)を3.5質量%溶解したフッ素樹脂溶液を作成した。この溶液中にシリコーン弾性体層ローラ0を、浸漬し、これを引き上げ、150℃で4時間の熱処理をした後、さらに200℃で2時間の熱処理をし、被覆層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、現像ローラ26を作製した。
実施例1に示した方法で、「シリコーン弾性体層ローラ0」を得た。
塗料調製用原材料として、下記の原材料を準備した。
ポリオール(ニッポラン5196(商品名、日本ポリウレタン工業社製))
硬化剤(イソシアネート「コロネートL」(商品名、日本ポリウレタン工業社製))
導電剤(カーボンブラック「MA11」(商品名、三菱化学社製))
上記ニッポラン5196(固形分で100質量部)に、コロネートL(固形分で4質量部)及びカーボンブラック(MA11)22質量部を添加し、さらにメチルエチルケトンを加え十分に撹拌して塗工液(固形分9.5%)を調製した。この塗工液中に、上記「シリコーン弾性体層ローラ0」を浸漬してコーティングした後、引上げて乾燥し、145℃にて30分間加熱処理して、15μmの被覆層を弾性体層の外周に設けた以外は、実施例1と同様にして現像ローラ27を作製した。
実施例1で得られたシリコーン弾性体層ローラ0に、被覆層を設けず、そのものを、現像ローラ28とした。
表3;
現像ローラ表面のAsker−C硬度
現像ローラ表面のマルテンス硬度
弾性体層部のマルテンス硬度
被膜層の膜厚(d)
(H1−H2)/d
表4;
現像ローラ表面のジヨードメタンに対する接触角
現像ローラ表面の表面自由エネルギー
分散力成分
延伸時の被覆層の割れ
<感光ドラムの汚染性>
トナーカートリッジ311(シアン)(商品名、キヤノン製)に現像ローラを組み込み、室温35℃±2℃、相対湿度85%RH±5%の環境試験機内に14日間放置した。その後に、カートリッジを分解し、潜像担持体表面上への付着の有無を目視で観察した。カートリッジへの現像ローラの組み込み、分解、観察は、室温25℃±2℃、相対湿度50%RH±5%の環境下にて行った。
あり:感光ドラム表面上への付着がない
なし:感光ドラム表面上への付着がみられる。
電子写真画像形成装置として、カラープリンター(Satera LBP5400(商品名、キヤノン社製))の出力スピードをA4用紙25枚/分に改造した装置(以下、改造機ともいう。)を用意した。このカラープリンターは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのカラーカートリッジを備え、各カートリッジに対し、画像書き込み手段(レーザ)が設けられ、転写ベルトを備えたタンデム型である。尚、標準の画像作成能力はA4サイズで21枚/分である。
低温低湿(温度15℃±2℃、相対湿度20%RH±5%)下において11日間に亘る画像出力試験を行い、初日、および11日目に得られた画像の濃淡ムラを評価した。具体的には、以下の通りとした。
初日:図6に示す標準チャート(レターサイズ、ベタ黒部6ヶ所と、Sの文字を配置し、印字比率を4%としたもの)の画像を9枚、画像領域全体が一様であるベタ画像を1枚、全面ハーフトーン画像を1枚、及び上記標準チャートの画像を389枚連続印字。
2日目〜10日目:上記標準チャートを400枚連続印字。
11日目:上記標準チャートを9枚、ベタ画像を1枚、ハーフトーン画像を1枚連続印字。
A:濃淡ムラが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に確認されない。
B:濃淡ムラが、ベタ画像では確認されるが、ハーフトーン画像では確認されない。
C:濃淡ムラが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に確認される確認される。
高温高湿(温度30℃±2℃、相対湿度80%RH±5%)下において、画像濃淡ムラの評価と同様に画像を形成した。初期画像と、経時画像について、目視により現像ローラ周期の画像印字方向と水平方向のスジ状の濃淡ムラの有無を検出した。濃淡ムラの有無により下記の基準で現像ローラを評価した。これをもって、当該現像ローラの縦スジ(規制部材への融着による画像スジ)の評価とした。
A:縦スジが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に、確認されない。
B:縦スジが、ベタ画像では確認されるが、ハーフトーン画像では確認されない。
C:縦スジが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に確認され、ベタ画像で確認される縦スジの本数が5本以上のもの。
シアンカラーカートリッジに現像ローラ1〜28をそれぞれ組み込んだ後、各カートリッジを25℃±2℃、50%RH±5%の環境に、60日間放置した。その後、同環境で上記標準チャートを9枚、ベタ画像を1枚、ハーフトーン画像を1枚連続出力した。得られたベタ画像(10枚目に出力)及びハーフトーン画像(11枚目に出力)について、現像ローラ周期の画像印字方向と垂直な方向のスジ状の濃淡ムラの有無を目視により観察し、下記基準で評価した。前記スジ状の濃淡ムラは、規制ブレード24の現像ローラ1表面との当接部に相当する箇所である。
A:スジ状の濃淡ムラが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に、確認されない。
B:スジ状の濃淡ムラが、ベタ画像で確認されるが、ハーフトーン画像では確認されない。
C:スジ状の濃淡ムラが、ベタ画像、ハーフトーン画像共に確認される。
2 現像装置
3 画像形成装置
4 プロセスカートリッジ
11 軸芯体
12 弾性体層(基層)
13 被覆層(表層)
21 潜像担持体(感光ドラム)
23 トナー
24 規制ブレード
25 レーザー光(静電潜像形成装置)
26 帯電部材(帯電装置)
31 転写ローラ(転写装置)
36 転写紙(転写材)
Claims (8)
- 軸芯体と、弾性体層と、該弾性体層を被覆する表面層としての被覆層とを有し、該被覆層の表面におけるAsker−C硬度が40°以上、85°以下である現像ローラであって、
該被覆層は、
フッ素樹脂またはポリイミド樹脂からなり、
厚さ15nm以上、5000nm以下であって、かつ、
該現像ローラの表面におけるマルテンス硬度H1(N/mm2)と、前記弾性体層のマルテンス硬度H2(N/mm2)と、前記被覆層の膜厚d(mm)とが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする現像ローラ:
400 ≦ (H1−H2)/d ≦ 2000 (1)。 - 軸芯体と、弾性体層と、該弾性体層を被覆する表面層としての被覆層とを有し、該被覆層の表面におけるAsker−C硬度が40°以上、85°以下である現像ローラであって、
該被覆層は、
SiOx膜からなり、該SiOx膜において、ケイ素原子に対するケイ素原子に化学結合している酸素原子の存在比が1.00以上、1.80以下であり、
厚さ15nm以上、5000nm以下であって、かつ、
該現像ローラの表面におけるマルテンス硬度H1(N/mm 2 )と、前記弾性体層のマルテンス硬度H2(N/mm 2 )と、前記被覆層の膜厚d(mm)とが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする現像ローラ:
400 ≦ (H1−H2)/d ≦ 2000 (1)。 - 前記被覆層の表面のジヨードメタンに対する接触角が40°以上、70°以下である請求項1または2に記載の現像ローラ。
- 前記被覆層は、前記現像ローラから切り取った被覆層及び弾性体層を含む短冊状の被験試料を5%延伸変形させたときに、割れを生じないものである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の現像ローラ。
- 前記弾性体層が、架橋ゴムまたは熱可塑性エラストマーを含み、また、DBP吸収量が50ml/100g以上、110ml/100g以下であるカーボンブラックを導電剤として含有している請求項1乃至4のいずれか一項に記載の現像ローラ。
- 静電潜像を担持する潜像担持体に対向した状態でトナーを担持する現像ローラと、該現像ローラに担持されたトナーを摩擦帯電しながら該トナーの層厚を規制する規制ブレードとを備え、該現像ローラが前記潜像担持体にトナーを付与することにより静電潜像を現像する現像装置であって、前記現像ローラが、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の現像ローラであることを特徴とする現像装置。
- 潜像担持体と、該潜像担持体の表面を帯電する手段と、該潜像担持体に形成された静電潜像を現像する手段とを備えたプロセスカートリッジであって、該静電潜像を現像する手段が請求項6に記載の現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 電子写真方式により静電潜像が形成される潜像担持体、該潜像担持体を帯電する手段、該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成する手段、該静電潜像にトナーを付着させて該静電潜像をトナーの像として顕像化する手段、及び該トナーの像を転写材に転写する手段を有する画像形成装置であって、前記静電潜像をトナーの像として顕像化する手段が、請求項6に記載の現像装置であることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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