JP2004109206A - 現像ローラ及び現像装置 - Google Patents
現像ローラ及び現像装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004109206A JP2004109206A JP2002268477A JP2002268477A JP2004109206A JP 2004109206 A JP2004109206 A JP 2004109206A JP 2002268477 A JP2002268477 A JP 2002268477A JP 2002268477 A JP2002268477 A JP 2002268477A JP 2004109206 A JP2004109206 A JP 2004109206A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- developing roller
- image
- roller
- developing
- surface layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Dry Development In Electrophotography (AREA)
- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
Abstract
【課題】現像剤の搬送性と耐久性を兼ね備えた、現像ローラを提供する。
【解決手段】接触式現像装置で、軸体の周囲に弾性層を有しその外周に導電性樹脂層を配置した現像ローラにおいて、少なくともその表面層の接触角が38度未満であることを特徴とする、現像ローラ。
【選択図】 図2
【解決手段】接触式現像装置で、軸体の周囲に弾性層を有しその外周に導電性樹脂層を配置した現像ローラにおいて、少なくともその表面層の接触角が38度未満であることを特徴とする、現像ローラ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体周辺に配置される導電性弾性体ローラ、特に感光体上の静電潜像を可視像化するために低硬度、低圧縮永久歪み特性を要求される現像ローラに関する。またこのようなローラに好適に使用できる導電性弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真記録装置について以下に説明する。この装置の本体内部には画像形成部が設置され、画像がクリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着プロセスを経て形成される。画像形成部は像担持体である感光ドラムを備えており、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の画像は転写部材により、記録材に転写され、搬送された後、定着部にて加熱、加圧され、定着された記録画像として排出される。
【0003】
次に、クリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着のプロセスの内、帯電、潜像形成、現像、転写プロセスについて説明する。
【0004】
帯電部材は、感光ドラムの表面に対し、所定の極性で、電位が一様になるように一次帯電処理を行う。帯電部材により均一に帯電処理された後、目的画像情報の露光を受ける事で、ドラム表面に目的画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置により現像剤画像として可視像化されていく。この可視像化された現像剤画像は、感光ドラム下で転写手段により記録材の裏面から電圧を印加することにより記録材に転写される。その後記録材は定着部へ搬送され、像定着を受け、画像形成物として出力される。
【0005】
以上に示した電子写真装置等の画像形成装置における現像工程の実行手段として、電圧を印加する事により現像作用を施し、一般にはローラ型の導電性弾性体が近年盛んに使用されはじめている。以上に示した現像方式においては、現像部材は半導電領域の電気抵抗値を有し、また感光ドラム、現像ブレード、現像剤供給ローラ等に常に圧接しているために、低硬度で低圧縮永久歪みである材料で構成される事が、良好な画像を得る為の必須条件である。
【0006】
また、同時に耐久性を向上させるためには、現像剤の劣化を防止することが必要である。現像剤の劣化を防ぐ手法としては、現像ローラ表面を離型性の良い材料(例えばフッ素系材料)を用いているものが挙げられる。
【0007】
また、特開平10−186834によれば接触角を大きくすることで、フィルミングを防止している手法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記手法では画像濃度が足りず階調性が出にくい、更には表層の表面形状を確保する上での材料設計自由度が狭くなるといった問題が発生した。
【0009】
また、現像剤成分と近い液状材料を滴下液とし、この液材料を滴下した際の接触角を大きくすることでトナー離型性を向上させているが、現像剤搬送力が充分といえず、やはり画像濃度を出すための粗さ等の表面形状に対する設計幅が少ないという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決するために検討を重ねた結果、接触式の現像装置で、軸体の周囲に弾性層を有しその外周に導電性樹脂層を配置した現像ローラにおいて、少なくともその表面層が液状ポリエステルを滴下液として測定した接触角が38度未満にすることで画像濃度の調整が出来、同時に長期にわたり耐久をしても良好な画質を得ることが出来ることを見出した。
【0011】
また、以下の現像ローラを提供することで上記同様の良好な画質が得られることを見出した。請求項1記載の表面層が含窒素化合物であることを特徴とする現像ローラ。請求項1,2記載の表面層がポリウレタンであることを特徴とする現像ローラ。請求項1〜3記載の表面層にCBが分散されていることを特徴とする現像ローラ。請求項1〜4記載の表面層に数平均粒径3μm以上の粒子を3部以上含有していることを特徴とする現像ローラ。潜像を担持する潜像担持体に対向した状態で現像剤担持する現像ローラを備え、該現像ローラが上記潜像担持体に現像剤を付与することにより該潜像を現像剤像として可視化する現像装置において用いられる現像ローラが請求項1〜5いずれかであることを特徴とする現像装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明に使用できる現像ローラの形態は以下のようなものである。軸体の周囲に弾性層を有し、その外周に導電性樹脂層を配置したものである。導電性樹脂層については1層である必要は無く、多層になっても構わない。
【0014】
上記構成の現像ローラの場合、抵抗値としては、ローラに100Vの電圧を印加した場合1E3〜1E10Ωにすることが望ましく、より良くは、1E4〜1E7にすることが望ましい。抵抗値が1E3Ωより小さい場合、電流が流れすぎてしまい適正なトナー量が現像ローラ上に乗らない。また、1E10Ωよりも大きい場合、電流がローラに流れにくくなり、濃度が出ないといった問題が発生する。現像ローラの抵抗値次のようにして測定した。図3のように現像ローラを軸体の両端に500gの荷重をかけて金属製ドラムに押し当て、ローラの回転数を60rpmで回転させ、金属製ドラムと導電性ローラの軸体に100Vの電圧を印加後、現像ローラに流れる電流値を測定することにより抵抗値を算出した。
また、上記現像ローラのアスカーC硬度は60°以下とすることが好ましい。このアスカーC硬度が60°を超えると現像ローラと感光ドラムとの間の摩擦で、現像剤が現像ローラや感光ドラムの表面に融してしまうので好ましくない。尚、「アスカーC硬度」とは、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)社製)を用いて測定したローラの硬度であり、常温常湿(23℃、55%RH)の環境中に12時間以上放置したローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の測定値とする。但し、硬度が10°以下にした場合、材料自体の圧縮永久歪みが大きい、或いは耐久による削れなどが大きくなり好ましくない。
【0015】
本発明に係わる現像ローラ表面の導電性樹脂層の接触角を測定する際に使用する滴下液の種類としては、液状ポリエステル系のものを用いた。具体的には25℃12rpmでの粘度が3100cps、酸価0.12mg/gのものを使用した。滴下に使用する針は協和界面化学のNo.15を用い金属平板の上に液をたらし、30秒後の接触角を測定した。この測定方法で測定した値は15〜38°以下であることが望ましい。この範囲にすることで現像剤の搬送性が安定し、またかぶりの無い良好な画質を得ることが出来た。接触角が38°以上の場合現像愛剤の搬送がしにくくなり、濃度が出ない。また、15°以下の場合、現像剤の搬送性が安定せず濃度ムラの原因になる。或いは、現像剤の劣化が激しくなり耐久性に問題がある。
【0016】
ここで使用きる軸体の材料は導電性であれば何でも良く、炭素鋼,合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂などの中から、適宜選択して用いることができる。ここで、合金鋼としては、例えばステンレス鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブテン鋼,クロム鋼,クロムモリブテン鋼,Al,Cr,Mo及びVを添加した窒化用鋼などが挙げられるが強度の観点から、金属製のものが望ましい。更に防錆対策として軸体材料にめっき、酸化処理を施すことが出来る。めっきの種類としては電気めっき、無電解めっきなどいずれも使用することが出来るが、寸法安定性の観点から無電解めっきが好ましい。ここで使用される無電解めっきの種類としては、ニッケルめっき、銅めっき、金めっき、カニゼンめっき、或いは各種合金めっきなどが挙げられる。ニッケルめっきの種類としては、Ni−P、Ni−B、Ni−W−P、Ni−P−PTFE複合めっきなどがある。膜厚みはそれぞれ0.05μm以上であれば望ましいが、より良くは作業効率、価格を考慮した場合にそれぞれの膜厚みは0.1μm〜30μmであることが望ましい。
また弾性体の形態としては、発泡体の形態でもソリッドの形態でも構わない。ここで使用される弾性体として使用できる材料は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(ECO)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられ、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。更にはこれらの材料に発泡剤、バルーン等を添加して使用することが出来る。
これら弾性体を導電化する手段としては電子導電機構による導電付与剤を上記材料に添加することにより導電化する手法がある。電子導電機構による導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等の金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質等を挙げる事が出来る。これら電子導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。この中でもカーボンブラックは導電性の制御がしやすい、経済的であるなどの観点から使用される割合が高い。
また、イオン導電機構によるイオン導電性物質を上記材料に添加することにより導電化することも可能である。イオン導電機構による導電付与剤としては、LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN,KSCN,NaCl等の周期律表第1族金属の塩、NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3、等のアンモニウム塩、Ca(ClO4)2、Ba(ClO4)2等の周期律表第2族金属の塩、これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールやそれらの誘導体との錯体、これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤を挙げる事が出来る。これらイオン導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。
以上記載したように、弾性層を導電化する方法としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質の添加、電子導電機構による導電付与剤の分散、の2種類があるが、これらは単独または2種類を混合して使用する事が出来る。
【0017】
上記弾性層を形成する手段としては、以下のものを挙げることが出来る。押し出し、射出成型、注型などいずれのものも使用することが出来、材料の特性(液状、固形、粘度など)にあわせて適宜選択することが出来る。また、寸法精度(外径、振れ、円筒度など)を向上するために、更に弾性層表面を研磨などで追加工することも可能である。
また、上記弾性体の外側に配置する導電性樹脂層に使用される材料としては、上記に上げた弾性体に使用される材料以外にも、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂などがあり、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。この中でも、特に含窒素化合物、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を用いることが現像剤に電荷を安定する点で望ましい。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。導電性を付与する手法としては上記弾性層の導電化と同様の手法を用いることが可能である。また、これら材料を塗料化して導電性樹脂層を形成することも可能である。また導電性樹脂層は1層以上であっても構わない。
また、上記弾性体外周に導電性樹脂層を形成する手段としては以下のものがある。ゴム材料を使用する場合、弾性層と同時に形成する押し出し、射出成型等を用いることが出来る。更に寸法精度(外径、振れ、円筒度など)を向上するために、導電性樹脂層表面を研磨などで追加工することも可能である。
また、上記導電性樹脂層を構成する材料を塗料化した場合、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して上記材料と導電剤を分散させる。得られた導電性樹脂層形成用の塗料は、スプレー塗工法、ディッピング法、ロールコーター法等により弾性体の表面に塗工される。本発明においては、現像ローラの表面が均一に粗面となることが好ましいので、特にディッピングが好ましく用いられる。
【0018】
表層の厚みとしては、5〜500μm、特に10〜30μmが好ましい。厚みが少なすぎると基層中の低分子量成分がしみ出してきて感光体を汚染する恐れがあるし、厚すぎると現像ローラが硬くなり、融着の原因となるので好ましくない。
【0019】
本発明においては、上記の如くして形成する表層中に数平均粒径が1〜30μmの微粒子を分散させることにより、現像ローラ表面の現像剤の搬送を容易にすることができ、充分な量のトナーを現像領域に搬送することができる。但し、現像剤を安定的に搬送するためには数平均粒径が3〜30μmのものを使用することが望ましい。このような目的に使用する微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントが挙げられるが、特にポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びポリウレタン微粒子が好ましい、これらの微粒子は前記表層の約3〜50重量%の範囲で添加することが好ましい。
【0020】
以下に本実施例で使用した、現像ローラの評価方法として用いた画像評価手法について記載する。実施例及び比較例においては、次のようにして現像ローラの画出し評価を行なった。本評価で使用した電子写真式レーザープリンターは、A4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、45mm/sec、画像の解像度は1200dpiである。感光体はアルミシリンダーにOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。
感光ドラムとの当接圧力と進入量は、現像ローラ上の現像剤被覆量が0.35mg/cm2と
なるように調整した。又、現像ローラから古いトナーを掻き落とし、現像ローラに新しい現像剤を供給する軟質ウレタンスポンジ製のトナー供給ローラを設けている。
【0021】
現像ローラの画出しは、現像ローラを電子写真装置に組み込んだ直後と、そのまま10000枚連続耐久した後の耐久直後、更に同じ構成のローラを同じ構成の電子写真装置に組み込んで、画像評価を行なった
初期と耐久直後の画出しは、感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像を出力した。途中の耐久中には、同じく幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像を出力した。画像濃度が十分濃くしかも現像ローラ表面へのトナーの融着等による現像ローラピッチの画像不良の見られない画像を◎、画像濃度がかすかに薄いか又は現像ローラピッチの画像不良がかすかに認められるが、実用上は全く問題が無い画像を○、画像濃度が薄いか又は現像ローラピッチの画像不良が認められるが、実用上は許容範囲である画像を△、どちらかが不充分であるものを×とした。また、画像濃度が濃いか又は現像ローラピッチの画像不良が認められるが、実用上は許容範囲である画像も△とした。
【0022】
【実施例1】
本発明の実施の形態を示す。
【0023】
本実施例で使用した弾性体ローラの製造方法を以下に示す。EPDMゴムに導電性充填剤としてカーボンブラック10部、可塑剤としてパラフィンオイル、その他発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を練り込みながら添加し、押出し機で押出し成形しチューブ状の成形品を得た。この成形品を加硫缶で140℃×30分の条件で加硫、発泡させチューブ状発泡体を得た。このチューブ状発泡体を、予め接着剤を塗布した直径6mm長さ260mmの芯金に圧入接着し、円筒研磨機で表面スキン層を研磨し、ゴム端部を突っ切りすることによりゴムの全長が240mm、外径が16mmでローラ表面にケバのない弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は以下の工程で製作したものを用いた。芯金を洗浄し無電解ニッケルめっきにより2μmの被膜を作成した。また、本実施例ではウレタンとの乾燥重量比で40%の酸化スズを導電性フィラーとして分散させたウレタンからなる塗工液を使用し(液体粘度20m・pa・s)導電性表層剤とした。この導電性表層剤を上記で作成した弾性体ローラにディッピング後、引き上げて乾燥させ、145℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例1の現像ローラ4を得た。
【0024】
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚20μm、最少膜厚16μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は45(AsekerC)であった。
【0025】
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、6E6Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。この現像ローラを感光ドラムに進入量が30μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成することが出来た。また、ここで使用した導電性表層剤の接触角を測定したところ36度であった。
【0026】
【実施例2】
ビニル末端を有するポリジメチルシロキサン100部にカーボンブラック10部、珪素原子結合水素原子を有するポリジメチルシロキサン100部をロールにより均一分散するまで混練りし、接着剤が塗布された芯金4bがセットされたパイプ形状の金型中に前記混合材料を注入した。その後この金型を熱盤で挟みながら120℃、30分、200kg/cm2にて加橋し、冷却後パイプ金型を脱型し200℃、4時間の条件で熱風乾燥炉を用いて2次硬化することにより弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は実施例1と同様のものを用いた。
この弾性体ローラに塗工する導電性表層剤は以下のように調整した。まずウレタン樹脂の固形分5%となるよう調整したメチルエチルケトンを主溶媒とする混合溶液に、さらにカーボンブラックを、樹脂成分に対し15量部、数平均粒径3μmのウレタン粒子を、樹脂成分に対して10部添加し十分に攪拌分散したものを塗工液とした(液体粘度20m・pa・s)。この液中に弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、160℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例2の現像ローラ4を得た。この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚18μm、最少膜厚15μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は35(AsekerC)であった。
【0027】
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、4E5Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。この現像ローラを感光ドラムに進入量が30μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成することが出来た。また、ここで使用した導電性表層剤の接触角を測定したところ36度であった。
【0028】
【実施例3、4、5】
接触角を25度、18度、15度とした以外には実施例2と同様に作成した現像ローラを、画像評価を行なった。実施例3,4,5のカーボン量、ウレタン粒子径、粒子添加量は表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【比較例1,2】
接触角を10度、49度とした以外には実施例2と同様に作成した現像ローラを、画像評価を行なった。比較例1,2のカーボン量、ウレタン粒子径、粒子添加量は表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
また実施例1〜5、及び比較例1,2についての画像評価結果を表3にまとめた。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、本発明の現像ローラ導電性表層剤に使用される材料の液状ポリエステル樹脂に対する接触角を38度以下にすることにより、現像剤の搬送力が安定し均一な電荷が付加された現像剤を現像ローラから潜像担持体に送ることが出来るために、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、安定した現像を行なうことが出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供出来ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す画像形成装置の該略図。
【図2】本発明の実施の形態を示す半導電性ローラの側面、断面図。
【図3】ゴムローラの抵抗値を測定する装置の該略図。
【符号の説明】
1 電子写真感光体(感光ドラム)
2 帯電手段
3 露光系
4 現像手段
4a 弾性層
4b 芯金
4c 表層
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 金属製ドラム
E1、E2、E3 バイアス印加用電源
【発明の属する技術の分野】
本発明は、電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体周辺に配置される導電性弾性体ローラ、特に感光体上の静電潜像を可視像化するために低硬度、低圧縮永久歪み特性を要求される現像ローラに関する。またこのようなローラに好適に使用できる導電性弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真記録装置について以下に説明する。この装置の本体内部には画像形成部が設置され、画像がクリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着プロセスを経て形成される。画像形成部は像担持体である感光ドラムを備えており、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の画像は転写部材により、記録材に転写され、搬送された後、定着部にて加熱、加圧され、定着された記録画像として排出される。
【0003】
次に、クリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着のプロセスの内、帯電、潜像形成、現像、転写プロセスについて説明する。
【0004】
帯電部材は、感光ドラムの表面に対し、所定の極性で、電位が一様になるように一次帯電処理を行う。帯電部材により均一に帯電処理された後、目的画像情報の露光を受ける事で、ドラム表面に目的画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置により現像剤画像として可視像化されていく。この可視像化された現像剤画像は、感光ドラム下で転写手段により記録材の裏面から電圧を印加することにより記録材に転写される。その後記録材は定着部へ搬送され、像定着を受け、画像形成物として出力される。
【0005】
以上に示した電子写真装置等の画像形成装置における現像工程の実行手段として、電圧を印加する事により現像作用を施し、一般にはローラ型の導電性弾性体が近年盛んに使用されはじめている。以上に示した現像方式においては、現像部材は半導電領域の電気抵抗値を有し、また感光ドラム、現像ブレード、現像剤供給ローラ等に常に圧接しているために、低硬度で低圧縮永久歪みである材料で構成される事が、良好な画像を得る為の必須条件である。
【0006】
また、同時に耐久性を向上させるためには、現像剤の劣化を防止することが必要である。現像剤の劣化を防ぐ手法としては、現像ローラ表面を離型性の良い材料(例えばフッ素系材料)を用いているものが挙げられる。
【0007】
また、特開平10−186834によれば接触角を大きくすることで、フィルミングを防止している手法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記手法では画像濃度が足りず階調性が出にくい、更には表層の表面形状を確保する上での材料設計自由度が狭くなるといった問題が発生した。
【0009】
また、現像剤成分と近い液状材料を滴下液とし、この液材料を滴下した際の接触角を大きくすることでトナー離型性を向上させているが、現像剤搬送力が充分といえず、やはり画像濃度を出すための粗さ等の表面形状に対する設計幅が少ないという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決するために検討を重ねた結果、接触式の現像装置で、軸体の周囲に弾性層を有しその外周に導電性樹脂層を配置した現像ローラにおいて、少なくともその表面層が液状ポリエステルを滴下液として測定した接触角が38度未満にすることで画像濃度の調整が出来、同時に長期にわたり耐久をしても良好な画質を得ることが出来ることを見出した。
【0011】
また、以下の現像ローラを提供することで上記同様の良好な画質が得られることを見出した。請求項1記載の表面層が含窒素化合物であることを特徴とする現像ローラ。請求項1,2記載の表面層がポリウレタンであることを特徴とする現像ローラ。請求項1〜3記載の表面層にCBが分散されていることを特徴とする現像ローラ。請求項1〜4記載の表面層に数平均粒径3μm以上の粒子を3部以上含有していることを特徴とする現像ローラ。潜像を担持する潜像担持体に対向した状態で現像剤担持する現像ローラを備え、該現像ローラが上記潜像担持体に現像剤を付与することにより該潜像を現像剤像として可視化する現像装置において用いられる現像ローラが請求項1〜5いずれかであることを特徴とする現像装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
本発明に使用できる現像ローラの形態は以下のようなものである。軸体の周囲に弾性層を有し、その外周に導電性樹脂層を配置したものである。導電性樹脂層については1層である必要は無く、多層になっても構わない。
【0014】
上記構成の現像ローラの場合、抵抗値としては、ローラに100Vの電圧を印加した場合1E3〜1E10Ωにすることが望ましく、より良くは、1E4〜1E7にすることが望ましい。抵抗値が1E3Ωより小さい場合、電流が流れすぎてしまい適正なトナー量が現像ローラ上に乗らない。また、1E10Ωよりも大きい場合、電流がローラに流れにくくなり、濃度が出ないといった問題が発生する。現像ローラの抵抗値次のようにして測定した。図3のように現像ローラを軸体の両端に500gの荷重をかけて金属製ドラムに押し当て、ローラの回転数を60rpmで回転させ、金属製ドラムと導電性ローラの軸体に100Vの電圧を印加後、現像ローラに流れる電流値を測定することにより抵抗値を算出した。
また、上記現像ローラのアスカーC硬度は60°以下とすることが好ましい。このアスカーC硬度が60°を超えると現像ローラと感光ドラムとの間の摩擦で、現像剤が現像ローラや感光ドラムの表面に融してしまうので好ましくない。尚、「アスカーC硬度」とは、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器(株)社製)を用いて測定したローラの硬度であり、常温常湿(23℃、55%RH)の環境中に12時間以上放置したローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の測定値とする。但し、硬度が10°以下にした場合、材料自体の圧縮永久歪みが大きい、或いは耐久による削れなどが大きくなり好ましくない。
【0015】
本発明に係わる現像ローラ表面の導電性樹脂層の接触角を測定する際に使用する滴下液の種類としては、液状ポリエステル系のものを用いた。具体的には25℃12rpmでの粘度が3100cps、酸価0.12mg/gのものを使用した。滴下に使用する針は協和界面化学のNo.15を用い金属平板の上に液をたらし、30秒後の接触角を測定した。この測定方法で測定した値は15〜38°以下であることが望ましい。この範囲にすることで現像剤の搬送性が安定し、またかぶりの無い良好な画質を得ることが出来た。接触角が38°以上の場合現像愛剤の搬送がしにくくなり、濃度が出ない。また、15°以下の場合、現像剤の搬送性が安定せず濃度ムラの原因になる。或いは、現像剤の劣化が激しくなり耐久性に問題がある。
【0016】
ここで使用きる軸体の材料は導電性であれば何でも良く、炭素鋼,合金鋼及び鋳鉄、導電性樹脂などの中から、適宜選択して用いることができる。ここで、合金鋼としては、例えばステンレス鋼,ニッケルクロム鋼,ニッケルクロムモリブテン鋼,クロム鋼,クロムモリブテン鋼,Al,Cr,Mo及びVを添加した窒化用鋼などが挙げられるが強度の観点から、金属製のものが望ましい。更に防錆対策として軸体材料にめっき、酸化処理を施すことが出来る。めっきの種類としては電気めっき、無電解めっきなどいずれも使用することが出来るが、寸法安定性の観点から無電解めっきが好ましい。ここで使用される無電解めっきの種類としては、ニッケルめっき、銅めっき、金めっき、カニゼンめっき、或いは各種合金めっきなどが挙げられる。ニッケルめっきの種類としては、Ni−P、Ni−B、Ni−W−P、Ni−P−PTFE複合めっきなどがある。膜厚みはそれぞれ0.05μm以上であれば望ましいが、より良くは作業効率、価格を考慮した場合にそれぞれの膜厚みは0.1μm〜30μmであることが望ましい。
また弾性体の形態としては、発泡体の形態でもソリッドの形態でも構わない。ここで使用される弾性体として使用できる材料は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム(ECO)、多硫化ゴム(T)、フッ素ゴム(FKM)等が挙げられ、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。更にはこれらの材料に発泡剤、バルーン等を添加して使用することが出来る。
これら弾性体を導電化する手段としては電子導電機構による導電付与剤を上記材料に添加することにより導電化する手法がある。電子導電機構による導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質、アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等の金属或いは合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の金属酸化物、各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質等を挙げる事が出来る。これら電子導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。この中でもカーボンブラックは導電性の制御がしやすい、経済的であるなどの観点から使用される割合が高い。
また、イオン導電機構によるイオン導電性物質を上記材料に添加することにより導電化することも可能である。イオン導電機構による導電付与剤としては、LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN,KSCN,NaCl等の周期律表第1族金属の塩、NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3、等のアンモニウム塩、Ca(ClO4)2、Ba(ClO4)2等の周期律表第2族金属の塩、これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールやそれらの誘導体との錯体、これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体、第四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、ベタイン等の両性界面活性剤を挙げる事が出来る。これらイオン導電機構による導電付与剤は粉末状或いは、繊維状の形態で、単独または2種類以上を混合して使用する事が出来る。
以上記載したように、弾性層を導電化する方法としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質の添加、電子導電機構による導電付与剤の分散、の2種類があるが、これらは単独または2種類を混合して使用する事が出来る。
【0017】
上記弾性層を形成する手段としては、以下のものを挙げることが出来る。押し出し、射出成型、注型などいずれのものも使用することが出来、材料の特性(液状、固形、粘度など)にあわせて適宜選択することが出来る。また、寸法精度(外径、振れ、円筒度など)を向上するために、更に弾性層表面を研磨などで追加工することも可能である。
また、上記弾性体の外側に配置する導電性樹脂層に使用される材料としては、上記に上げた弾性体に使用される材料以外にも、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、珪素樹脂、ポリエステル樹脂、スチロール系樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、水系樹脂などがあり、これらを2種類以上組み合わせて使用することも出来る。この中でも、特に含窒素化合物、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等を用いることが現像剤に電荷を安定する点で望ましい。更に、これらの材料に導電性を付与して使用することが出来る。導電性を付与する手法としては上記弾性層の導電化と同様の手法を用いることが可能である。また、これら材料を塗料化して導電性樹脂層を形成することも可能である。また導電性樹脂層は1層以上であっても構わない。
また、上記弾性体外周に導電性樹脂層を形成する手段としては以下のものがある。ゴム材料を使用する場合、弾性層と同時に形成する押し出し、射出成型等を用いることが出来る。更に寸法精度(外径、振れ、円筒度など)を向上するために、導電性樹脂層表面を研磨などで追加工することも可能である。
また、上記導電性樹脂層を構成する材料を塗料化した場合、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して上記材料と導電剤を分散させる。得られた導電性樹脂層形成用の塗料は、スプレー塗工法、ディッピング法、ロールコーター法等により弾性体の表面に塗工される。本発明においては、現像ローラの表面が均一に粗面となることが好ましいので、特にディッピングが好ましく用いられる。
【0018】
表層の厚みとしては、5〜500μm、特に10〜30μmが好ましい。厚みが少なすぎると基層中の低分子量成分がしみ出してきて感光体を汚染する恐れがあるし、厚すぎると現像ローラが硬くなり、融着の原因となるので好ましくない。
【0019】
本発明においては、上記の如くして形成する表層中に数平均粒径が1〜30μmの微粒子を分散させることにより、現像ローラ表面の現像剤の搬送を容易にすることができ、充分な量のトナーを現像領域に搬送することができる。但し、現像剤を安定的に搬送するためには数平均粒径が3〜30μmのものを使用することが望ましい。このような目的に使用する微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントが挙げられるが、特にポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びポリウレタン微粒子が好ましい、これらの微粒子は前記表層の約3〜50重量%の範囲で添加することが好ましい。
【0020】
以下に本実施例で使用した、現像ローラの評価方法として用いた画像評価手法について記載する。実施例及び比較例においては、次のようにして現像ローラの画出し評価を行なった。本評価で使用した電子写真式レーザープリンターは、A4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、45mm/sec、画像の解像度は1200dpiである。感光体はアルミシリンダーにOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。
感光ドラムとの当接圧力と進入量は、現像ローラ上の現像剤被覆量が0.35mg/cm2と
なるように調整した。又、現像ローラから古いトナーを掻き落とし、現像ローラに新しい現像剤を供給する軟質ウレタンスポンジ製のトナー供給ローラを設けている。
【0021】
現像ローラの画出しは、現像ローラを電子写真装置に組み込んだ直後と、そのまま10000枚連続耐久した後の耐久直後、更に同じ構成のローラを同じ構成の電子写真装置に組み込んで、画像評価を行なった
初期と耐久直後の画出しは、感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描くような画像を出力した。途中の耐久中には、同じく幅2ドット、間隔50ドットの横線を描くような画像を出力した。画像濃度が十分濃くしかも現像ローラ表面へのトナーの融着等による現像ローラピッチの画像不良の見られない画像を◎、画像濃度がかすかに薄いか又は現像ローラピッチの画像不良がかすかに認められるが、実用上は全く問題が無い画像を○、画像濃度が薄いか又は現像ローラピッチの画像不良が認められるが、実用上は許容範囲である画像を△、どちらかが不充分であるものを×とした。また、画像濃度が濃いか又は現像ローラピッチの画像不良が認められるが、実用上は許容範囲である画像も△とした。
【0022】
【実施例1】
本発明の実施の形態を示す。
【0023】
本実施例で使用した弾性体ローラの製造方法を以下に示す。EPDMゴムに導電性充填剤としてカーボンブラック10部、可塑剤としてパラフィンオイル、その他発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を練り込みながら添加し、押出し機で押出し成形しチューブ状の成形品を得た。この成形品を加硫缶で140℃×30分の条件で加硫、発泡させチューブ状発泡体を得た。このチューブ状発泡体を、予め接着剤を塗布した直径6mm長さ260mmの芯金に圧入接着し、円筒研磨機で表面スキン層を研磨し、ゴム端部を突っ切りすることによりゴムの全長が240mm、外径が16mmでローラ表面にケバのない弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は以下の工程で製作したものを用いた。芯金を洗浄し無電解ニッケルめっきにより2μmの被膜を作成した。また、本実施例ではウレタンとの乾燥重量比で40%の酸化スズを導電性フィラーとして分散させたウレタンからなる塗工液を使用し(液体粘度20m・pa・s)導電性表層剤とした。この導電性表層剤を上記で作成した弾性体ローラにディッピング後、引き上げて乾燥させ、145℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例1の現像ローラ4を得た。
【0024】
この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚20μm、最少膜厚16μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は45(AsekerC)であった。
【0025】
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、6E6Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。この現像ローラを感光ドラムに進入量が30μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成することが出来た。また、ここで使用した導電性表層剤の接触角を測定したところ36度であった。
【0026】
【実施例2】
ビニル末端を有するポリジメチルシロキサン100部にカーボンブラック10部、珪素原子結合水素原子を有するポリジメチルシロキサン100部をロールにより均一分散するまで混練りし、接着剤が塗布された芯金4bがセットされたパイプ形状の金型中に前記混合材料を注入した。その後この金型を熱盤で挟みながら120℃、30分、200kg/cm2にて加橋し、冷却後パイプ金型を脱型し200℃、4時間の条件で熱風乾燥炉を用いて2次硬化することにより弾性体ローラを得た。ここで使用する芯金は実施例1と同様のものを用いた。
この弾性体ローラに塗工する導電性表層剤は以下のように調整した。まずウレタン樹脂の固形分5%となるよう調整したメチルエチルケトンを主溶媒とする混合溶液に、さらにカーボンブラックを、樹脂成分に対し15量部、数平均粒径3μmのウレタン粒子を、樹脂成分に対して10部添加し十分に攪拌分散したものを塗工液とした(液体粘度20m・pa・s)。この液中に弾性ローラを浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥させ、160℃にて2時間加熱処理して、導電性樹脂層を弾性層の外周に設けることで本実施例2の現像ローラ4を得た。この現像ローラ表層の膜厚を測定したところ、最大膜厚18μm、最少膜厚15μmの均一な厚みのローラを得ることが出来た。特に、画像領域部分(幅210mm)の膜厚については、良好な結果を得た。膜厚の測定方法は、塗工前の弾性体ローラの外径をレーザ測長機で測定し、塗工後も同様に表層付きのゴムローラの外径を測定し、それぞれの外径差の半分をその膜厚とした。ここで得られた、現像ローラの硬度は35(AsekerC)であった。
【0027】
ここで得られた現像ローラ4の回転時の抵抗値を測定したところ、4E5Ωであった。測定方法は、図4に示したように、芯金4bの両端に500gの荷重をかけ、芯金4bと金属製ドラム7を回転させて現像ローラの回転数が60rpmになるようにし、その間に200Vの電圧を印加して現像ローラ4の抵抗値を測定した。この現像ローラを感光ドラムに進入量が30μmになる状態で圧接し、この現像ローラを使いハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることが出来た。具体的には濃度ムラやかぶりなどのない高品位な画像を達成することが出来た。また、ここで使用した導電性表層剤の接触角を測定したところ36度であった。
【0028】
【実施例3、4、5】
接触角を25度、18度、15度とした以外には実施例2と同様に作成した現像ローラを、画像評価を行なった。実施例3,4,5のカーボン量、ウレタン粒子径、粒子添加量は表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【比較例1,2】
接触角を10度、49度とした以外には実施例2と同様に作成した現像ローラを、画像評価を行なった。比較例1,2のカーボン量、ウレタン粒子径、粒子添加量は表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
また実施例1〜5、及び比較例1,2についての画像評価結果を表3にまとめた。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
電子写真複写装置、プリンタ、静電記録装置等の画像形成装置において、本発明の現像ローラ導電性表層剤に使用される材料の液状ポリエステル樹脂に対する接触角を38度以下にすることにより、現像剤の搬送力が安定し均一な電荷が付加された現像剤を現像ローラから潜像担持体に送ることが出来るために、ローラの使用の初期において良好な現像特性を有するだけで無く、安定した現像を行なうことが出来る現像ローラ、該現像ローラを有する電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を提供出来ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す画像形成装置の該略図。
【図2】本発明の実施の形態を示す半導電性ローラの側面、断面図。
【図3】ゴムローラの抵抗値を測定する装置の該略図。
【符号の説明】
1 電子写真感光体(感光ドラム)
2 帯電手段
3 露光系
4 現像手段
4a 弾性層
4b 芯金
4c 表層
5 転写手段
6 クリーニング手段
7 金属製ドラム
E1、E2、E3 バイアス印加用電源
Claims (6)
- 接触式の現像装置で、軸体の周囲に弾性層を有しその外周に導電性樹脂層を配置した現像ローラにおいて、少なくともその表面層が液状ポリエステルを滴下液として測定した接触角が15〜38度であることを特徴とする現像ローラ。
- 請求項1記載の表面層が含窒素化合物であることを特徴とする現像ローラ。
- 請求項1,2記載の表面層がポリウレタンであることを特徴とする現像ローラ。
- 請求項1〜3記載の表面層にCBが分散されていることを特徴とする現像ローラ。
- 請求項1〜4記載の表面層に数平均粒径3〜30μmの粒子を3部以上含有していることを特徴とする現像ローラ。
- 潜像を担持する潜像担持体に対向した状態で現像剤担持する現像ローラを備え、該現像ローラが上記潜像担持体に現像剤を付与することにより該潜像を現像剤像として可視化する現像装置において用いられる現像ローラが請求項1〜5いずれかであることを特徴とする現像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268477A JP2004109206A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 現像ローラ及び現像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002268477A JP2004109206A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 現像ローラ及び現像装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004109206A true JP2004109206A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32266678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002268477A Pending JP2004109206A (ja) | 2002-09-13 | 2002-09-13 | 現像ローラ及び現像装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004109206A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005301260A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-10-27 | Canon Inc | 現像ローラ |
JP2007083622A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Toshiba Tec Corp | ドットヘッド及びドットヘッド用アーマチュア構体の製造方法 |
JP2007212516A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Canon Chemicals Inc | ローラ成形用金型、現像ローラ、電子写真装置用プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
WO2008136487A1 (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Canon Kabushiki Kaisha | 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 |
-
2002
- 2002-09-13 JP JP2002268477A patent/JP2004109206A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005301260A (ja) * | 2004-03-19 | 2005-10-27 | Canon Inc | 現像ローラ |
JP4663360B2 (ja) * | 2004-03-19 | 2011-04-06 | キヤノン株式会社 | 現像ローラ |
JP2007083622A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Toshiba Tec Corp | ドットヘッド及びドットヘッド用アーマチュア構体の製造方法 |
JP2007212516A (ja) * | 2006-02-07 | 2007-08-23 | Canon Chemicals Inc | ローラ成形用金型、現像ローラ、電子写真装置用プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
WO2008136487A1 (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Canon Kabushiki Kaisha | 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 |
JP2008293002A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-12-04 | Canon Inc | 現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 |
US7747204B2 (en) | 2007-04-27 | 2010-06-29 | Canon Kabushiki Kaisha | Developing roller, developing assembly, process cartridge and electrophotographic image forming apparatus |
CN101663623B (zh) * | 2007-04-27 | 2011-11-23 | 佳能株式会社 | 显影辊、显影组件、处理盒和电子照相图像形成设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2011077649A1 (ja) | 電子写真用ローラの製造方法 | |
WO2003087954A1 (fr) | Rouleau conducteur et appareil de formation d'image | |
JP2004109206A (ja) | 現像ローラ及び現像装置 | |
JP2005300752A (ja) | 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP2005121728A (ja) | 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP2003207966A (ja) | 電子写真用部材及び画像形成装置 | |
JP2008276020A (ja) | 帯電部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2003207967A (ja) | 電子写真用ローラ及び画像形成装置 | |
JP2006145956A (ja) | 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP5071017B2 (ja) | 現像装置、現像方法及び画像形成装置 | |
JP2000206779A (ja) | トナ―担持体及び画像形成装置 | |
JP2007163786A (ja) | 導電ローラとその製造方法、電子写真プロセスカートリッジおよび画像形成装置 | |
JP2004037665A (ja) | 現像剤担持ローラー、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP5408939B2 (ja) | 電子写真機器用帯電ロール | |
JP2000235302A (ja) | 現像装置 | |
JP2006021391A (ja) | 導電性ローラ及びその製造方法 | |
JP2005181429A (ja) | 現像ローラ | |
JP2000258987A (ja) | 現像装置 | |
JP2008176029A (ja) | 弾性ローラ用樹脂製芯金、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置 | |
JP2005156823A (ja) | 現像ローラ、その製造方法、及び該現像ローラを組み込んだ現像装置 | |
JP2005173329A (ja) | 現像ローラ、及び現像装置 | |
JP2005300644A (ja) | 現像ローラ | |
JP2008176156A (ja) | 現像ローラ、現像ローラの製造方法、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 | |
JP3049620B2 (ja) | 現像装置 | |
JP2006184665A (ja) | 一成分現像装置 |