JP5276389B2 - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 Download PDF

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本発明は、プリント配線板の絶縁材料として好ましく用いられるポリフェニレンエーテル樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板に関する。
近年の情報通信分野で用いられる電子機器においては、信号の大容量化や高速化が進展している。そのために、高周波特性が良く、配線数を増加するための高多層化に対応できるようなプリント配線板が要求されている。
このような電子機器に用いられるプリント配線板においては、MHz帯からGHz帯という高周波領域における信頼性を維持するために、低誘電率(ε)及び低誘電正接(tanδ)が要求される。従来から、このような電気特性を有するプリント配線板として、その絶縁層に、ポリフェニレンエーテル(PPE)にエポキシ樹脂やシアネート化合物を必須成分として含むPPE樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1、2)。このようなPPE樹脂組成物は、耐熱性が高く、優れた誘電特性も備えている。
特開2005−290124号公報 特開平10−279781号公報
しかしながら、エポキシ化合物とシアネート化合物とが配合されたPPE樹脂組成物を繊維基材に含浸させて、プリント配線板の製造に用いるためのプリプレグを製造した場合、プリプレグの表面にタック性(粘着性)が残るという問題があった。このようなプリプレグの表面タック性は、プリプレグ表面にほこりの付着を引き起こす原因になる。そして、プリプレグ表面にほこりが付着した状態で多層の積層体を製造した場合には、プリント配線板の短絡やマイグレーションにより信頼性を損なう原因になる。特に信号の大容量化や高速化に伴って回路幅や回路間隔が狭くなるにつれて、このようなプリプレグ表面に付着したほこりによる信頼性の低下は大きな問題になる。
本発明は、上記問題に鑑み、得られる硬化物の表面にタックが少ない、エポキシ化合物とシアネート化合物とが配合されたPPE樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、(A)数平均分子量1000〜5000のポリフェニレンエーテル、(B)分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物、(C)シアネートエステル化合物、(D)リン系難燃剤、(E)硬化触媒が配合されたことを特徴とする。エポキシ化合物とシアネート化合物とが配合されたPPE樹脂組成物において、分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物を用いることにより、得られる硬化物のタック性が抑制される、従って、このようなPPE樹脂組成物を用いて得られるプリプレグは表面性が抑制されたものであるために、ほこりの付着を抑制することができる。これにより、信頼性の高い多層のプリント配線板を製造しうる。
また、前記分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物(B)としては、下記式(I):
(nは整数であり、エポキシ基数が平均2〜6個)
で表されるエポキシ化合物またはその誘導体であることが、タック性を充分に抑制できる点から好ましい。
また、前記リン系難燃剤が、フォスファゼン系化合物又はホスフィン酸塩系化合物である場合には、耐熱性を維持しながらハロゲン化エポキシ樹脂等を用いるのと同等の難燃性を維持することができる点から好ましい。
また、本発明のプリプレグは上記いずれかのポリフェニレンエーテル樹脂組成物を繊維質基材に含浸及び乾燥させて得られることを特徴とするものである。
また、本発明の金属張積層板は上記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする。
また、本発明のプリント配線板は、上記金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られたことを特徴とする。
本発明によれば、得られるプリプレグの表面にタックが残らない、エポキシ化合物とシアネート化合物とが配合されたPPE樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、(A)数平均分子量1000〜5000のポリフェニレンエーテル(PPE)、(B)分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物、(C)シアネートエステル化合物、(D)リン系難燃剤、(E)硬化触媒が配合されたものである。
本発明における(A)数平均分子量1000〜5000のPPEとしては、数平均分子量が10000〜30000のようなPPEを、溶媒中でフェノール種とラジカル開始剤との存在下で再分配反応させて得られたものや、重合反応により直接得られたものが特に限定なく用いられうる。PPEの具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)またはその誘導体等が挙げられる。
また、前記再分配反応に用いられるフェノール種としては、特に限定されないが、例えばビスフェノールA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のように、フェノール性水酸基を分子内に2個以上有する多官能フェノール系化合物や2,6−キシレノール等の単官能フェノール系化合物が好ましく用いられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記再分配反応により得られるPPEとしては、例えば、下記一般式(II)で示されるような分子鎖の両末端に硬化に寄与する水酸基を有するものが、高い耐熱性を維持することができる点から好ましい。
(一般式(II)中、xは2価の有機基であり、Rは何れも同じであっても異なっていても良い、水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、m及びnは整数を示す)
上記Xとしては、炭素数1〜3のアルキレン基、または、下記一般式(III)又は(IV)で示されるような基であることが好ましい。
(一般式(III)、(V)中、Rは何れも同じであっても異なっていても良い、水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示す)。
ポリフェニレンエーテル(A)の数平均分子量は、1000〜5000であり、好ましくは1500〜3000である。数平均分子量がこのような範囲である場合には流動性及び硬化反応性に優れ、また、エポキシ化合物及びシアネートエステル化合物との相溶性も低下しないために優れた耐熱性と誘電特性を維持しうる。
ポリフェニレンエーテル(A)の配合割合としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量中に、20〜60質量%、さらには30〜50質量%配合することが、充分な耐熱性と優れた誘電特性を維持することができる点から好ましい。
本発明におけるエポキシ化合物(B)は、分子構造内にナフタレン環を有し、一分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に限定なく用いられうる。このようなエポキシ化合物を用いることにより、プリプレグ表面のタック性を抑制することができる。
前記分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物(B)としては下記式(I):
(nは整数であり、エポキシ基数が平均2〜6個)
で表されるエポキシ化合物等のナフタレン含有ノボラック型エポキシ化合物またはその誘導体が特に好ましく用いられる。
エポキシ化合物(B)の配合割合としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量中に、20〜60質量%配合することが、充分な耐熱性と優れた誘電特性を維持することができる点から好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でその他のエポキシ化合物を配合してもよい。このようなエポキシ化合物の具体例としては、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物等が挙げられる。
本発明におけるシアネートエステル化合物(C)としては、1分子中に2個以上のシアネート基を有する化合物が好ましく用いられる。その具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等またはこれらの誘導体等の芳香族系シアネートエステル化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シアネートエステル化合物(C)の配合割合としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量中に、20〜60質量%配合することが、充分な耐熱性と優れた誘電特性を維持することができる点から好ましい。
なお、エポキシ化合物(B)及びシアネートエステル化合物(C)は、ポリフェニレンエーテル(A)成分と架橋構造またはIPN(Interpenetrating Polymer Network)構造を形成することにより耐熱性等を付与する成分として機能する。
本発明に用いられるリン系難燃剤(D)は、リン原子を含有する公知のリン系難燃剤であれば、特に限定されず用いられうる。本発明において、リン系難燃剤を用いることにより、得られるプリプレグのタック性を抑制しながら、高い難燃効果を発現することができる。
このようなリン系難燃剤(D)の具体例としては、例えば、ホスフィン酸塩系化合物、シクロフォスファゼンオリゴマー等のフォスファゼン系化合物、トリフェニルフォスフェイト,トリクレジルフォスフェイト,キシレニルジフェニルフォスフェイト,クレジルジフェニルフォスフェイト等のフォスフェイト系化合物、縮合リン酸エステル系化合物、環状リン酸エステル系化合物及び、これらの誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、フォスファゼン系化合物が電気的特性及び耐熱性に優れている点から好ましく用いられる。
前記リン系難燃剤(D)の配合量としては、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100質量部に対して、2〜30質量部配合することが耐熱性や誘電特性を低下させずに充分な難燃効果を付与しうる点から好ましい。
本発明におけるポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、硬化反応を促進させるための硬化触媒が配合される。このような硬化触媒の具体例としては、例えば、オクタン酸,ステアリン酸,アセチルアセトネート,ナフテン酸,サリチル酸等の有機酸のZn,Cu,Fe等の有機金属塩、トリエチルアミン,トリエタノールアミン等の3級アミン、2−エチル−4−イミダゾール,4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、有機金属塩、特にオクタン酸亜鉛が高い耐熱性が得られる点から、特に好ましく用いられる。
硬化触媒の配合割合は特に限定されないが、例えば、有機金属塩を用いる場合には、(A)成分と(B)成分と(C)成分との合計量100質量部に対して0.005〜5質量部程度であることが好ましく、イミダゾール類を用いる場合には、0.01〜5質量部程度であることが好ましい。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、加熱時における寸法安定性を高めたり、難燃性を高める等の目的で、必要に応じてさらに無機充填材を配合してもよい。
無機充填材の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
また、無機充填材としては、エポキシシランタイプ、または、アミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものが特に好ましい。前記のようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填材が配合されたポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用いて得られる金属張積層板は、吸湿時における耐熱性が高く、また、層間ピール強度も高くなる傾向がある。
また、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、ワニス状に調製されたものである。このようなワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
はじめに、数平均分子量1000〜5000のポリフェニレンエーテル(A)の樹脂溶液に、エポキシ化合物(B)及びシアネートエステル化合物(C)を配合して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。
そして、リン系難燃剤(D)、硬化触媒(E)及び必要に応じて用いられるその他の成分を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状熱硬化性樹脂組成物が調製される。
得られたポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
繊維質基材としては、例えばガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、リンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平加工としては例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、基材の厚みとしては0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
含浸は浸漬(ディッピング)、塗布等によって行われる。含浸は必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液を用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び樹脂量に調整することも可能である。
ポリフェニレンエーテル樹脂組成物が含浸された基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
このようにして得られた、本発明のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を用いたプリプレグは、表面のタック性が抑制されたものである。従って、以下に説明する金属張積層板を積層する際に、ほこり等が表面に付着しにくいものである。そのために、信頼性に優れた電気回路基板が得られる。
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、前記プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を3.5〜4.0Pa、時間を60〜150分間とすることができる。
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(製造例1:再分配反応による、数平均分子量2500のポリフェニレンエーテル(PPE1)の溶液の製造)
トルエン250質量部を攪拌装置及び攪拌羽根を装備したフラスコに入れた。前記フラスコを内温90℃に制御しながら、数平均分子量25000のPPE(SABICジャパン社製の「ノリル640―111」)90質量部、ビスフェノールA 7質量部、過酸化ベンゾイル7質量部を入れ、2時間撹拌を続けて反応させることにより、数平均分子量2500のポリフェニレンエーテル(PPE1)の溶液(固形分濃度29%)を調製した。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したスチレン換算の値である。
(製造例2:再分配反応による、数平均分子量4000のポリフェニレンエーテル(PPE2)の溶液の製造)
ビスフェノールA 7質量部、過酸化ベンゾイル7質量部を用いた代わりに、ビスフェノールA 3.6質量部、過酸化ベンゾイル3.6質量部用いた以外は、製造例1と同様にして反応させることにより、数平均分子量4000のポリフェニレンエーテル(PPE2)の溶液を調製した。
(実施例1〜8、比較例1〜4)
はじめに、本実施例で用いた原材料をまとめて示す。
〈エポキシ化合物〉
・上記式(I)で示される構造を有する、平均エポキシ基数2〜3個の縮合多環型エポキシ化合物であるエピクロンHP5000(DIC(株)製)
・上記式(I)で示される構造を有する、平均エポキシ基数4〜6個の縮合多環型エポキシ化合物であるエピクロンEXA9900(DIC(株)製)
・ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物であるエピクロンHP7200(DIC(株)製)
・ビスフェノールA型エポキシ化合物であるエピクロン840(DIC(株)製)
・フェノールノボラック型エポキシ化合物であるエピクロンN−740(DIC(株)製)
〈シアネートエステル化合物〉
・2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(ロンザジャパン社製のBADCy)
〈難燃剤〉
・リン系難燃剤(大塚製薬(株)製のSPB−100、フォスファゼン系化合物)
・リン系難燃剤(クラリアントジャパン社製OP935、ホスフィン酸塩系化合物)
〈硬化触媒〉
・オクタン酸亜鉛(DIC(株)製、亜鉛濃度18%)
[樹脂ワニスの調製]
ポリフェニレンエーテルのトルエン溶液を90℃にまで加熱し、表1に記載の配合割合になるように、エポキシ化合物及びシアネートエステル化合物を添加した後、30分間撹拌して完全に溶解させた。そして、さらに硬化触媒、難燃剤、無機フィラーを添加して、ボールミルで分散させることによりワニスを得た。
次に得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績(株)製の「WEA116E」)に含浸させた後、150℃で3〜5分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。
次に、得られた各プリプレグを6枚重ねて積層し、さらに、その両外層にそれぞれ銅箔(古河サーキットフォイル社製のF2−WS 18μm)を配し、温度220℃、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、厚み0.75mmの銅張積層板を得た。
得られたプリプレグ及び銅張積層板を用いて、下記評価を行った。
〈指触タック性〉
10×10cmのプリプレグの試験片を作成し、その表面に人差し指を押し当て、その触感を以下の基準で判定した。
タック「無」:タック感を感じない。
タック「有」:タック感を感じる。
〈ボールタック性〉
JIS−Z−0237に準拠される傾斜式ボールタック法(J.Dow法)に基づきボールタックテスター(安田精機製作所製)を用いて試験を実施した。試験は温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で実施し、JISB 1501に準拠される”ボールの呼び”の32倍の数値から表記される32種のボールを用いた。試験結果は見いだした最大のボールナンバーをもって表し、三回の試験回数の平均値より求めた。タックが無いサンプルについては0と表記した。
〈回路充填性〉
穴直径0.3mmの連通穴が2mmピッチ間隔で1000個形成された、縦150mm、横100mm、厚み0.8mmの寸法のコア材を用意した。そして、前記コア材の片面に、得られたプリプレグと銅箔とをその順に積層し、他の片面には銅箔のみを積層した。そして、前記積層体を220℃×2時間、圧力3MPaの条件で加熱プレスにより成形した。そして、1000個の穴のうち完充填された穴の個数を数え、その割合を求めた。
〈ガラス転移温度〉
セイコーインスツルメンツ(株)製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて銅張積層板のガラス転移温度(Tg)を測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして測定を行い、昇温速度5℃/minの条件で室温から280℃まで昇温した際にtanδが極大を示す温度をガラス転移温度(Tg)とした。
〈誘電特性〉
JIS C 6481 の規格に準じて、1MHzにおける銅張積層板の誘電率及び誘電正接を求めた。
〈難燃性〉
所定の大きさに切り出した銅張積層板の難燃性を、UL 94の燃焼試験法に準じて燃焼試験を行い、判定した。
〈オーブン耐熱性〉
JIS C 6481 の規格に準じて、所定の大きさに切り出した銅張積層板を所定の温度に設定した恒温槽に1時間放置した後、取り出した。そして、処理された試験片を目視で観察してフクレが発生しなかったときの最高温度を求めた。
実施例1〜8の分子構造内にナフタレン環を有するエポキシ化合物を含有するPPE樹脂組成物から得られたBステージのプリプレグにはタックが全くなかった。一方、比較例1〜4に示すように、ナフタレン環を有するエポキシ化合物以外のエポキシ化合物を配合した場合には、表面に明らかなタックが見られた。

Claims (6)

  1. (A)数平均分子量1000〜5000のポリフェニレンエーテル(ただし、末端水酸基をビニルベンジル基で変性したものを除く)、(B)分子構造内にナフタレン環を有し、下記式(I)で表されるエポキシ化合物またはその誘導体、(C)シアネートエステル化合物、(D)リン系難燃剤、及び(E)硬化触媒が配合されたことを特徴とするポリフェニレンエーテル樹脂組成物。

    (nは整数であり、エポキシ基数が平均2〜6個)
  2. (A)数平均分子量1000〜5000のポリフェニレンエーテル(B)分子構造内にナフタレン環を有し、下記式(I)で表されるエポキシ化合物またはその誘導体、(C)2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン等およびこれらの誘導体から選ばれた少なくとも1種の芳香族系シアネートエステル化合物、(D)リン系難燃剤、及び(E)硬化触媒が配合されたことを特徴とするポリフェニレンエーテル樹脂組成物。

    (nは整数であり、エポキシ基数が平均2〜6個)
  3. 前記リン系難燃剤が、フォスファゼン系化合物又はホスフィン酸塩系化合物である請求項1または2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を繊維質基材に含浸及び乾燥させて得られることを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項4に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られることを特徴とする金属張積層板。
  6. 請求項5に記載された金属張積層板の表面の金属箔を部分的に除去することにより回路形成して得られたことを特徴とするプリント配線板。
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