JP5426477B2 - 難燃性樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 - Google Patents

難燃性樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板の絶縁材料等に好適に用いられる樹脂組成物、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板に関する。
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。そのために、高周波特性に優れ、配線数を増加するための高多層化に対応できるようなプリント配線板が要求されている。このような各種電子機器に用いられるプリント配線板の絶縁材料には、信号の伝送速度を高め、信号伝送時の損失を低減させるために、誘電率及び誘電正接が低いことが求められる。
シアネート化合物やポリフェニレンエーテル(PPE)等のポリアリーレンエーテル共重合体(PAE)を含む樹脂組成物は、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れているので、高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板等の絶縁材料に好ましく用いられる。
しかしながら、シアネート化合物を含有させた場合、硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性等が低下するという傾向があった。
また、高分子量のPAEは、一般的に融点が高いため、粘度が高く、流動性が低い傾向がある。そして、このようなPAEを用いて、多層プリント配線板等を製造するために使用されるプリプレグを形成し、形成されたプリプレグを用いてプリント配線板を製造すると、製造時、例えば、多層成形時にボイドが発生する等の成形不良が発生し、信頼性の高いプリント配線板が得られにくいという成形性の問題が生じていた。このような問題を解決するために、例えば、高分子量のPPEを溶媒中でフェノール種とラジカル開始剤との存在下で再分配反応させることによって、分子切断を起こし、PPEを低分子量化する技術が知られている。しかしながら、このように低分子量化したPPEを用いた場合、硬化が不充分となり、硬化物の耐熱性等が低下するという傾向があった。
また、シアネート化合物やPAEを用いた場合、硬化物の難燃性が比較的乏しいために、プリント配線板等の絶縁材料として用いられるためには、一般的に、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤や、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のハロゲン含有エポキシ樹脂等のハロゲンを含有する化合物を配合することが多かった。しかしながら、このようなハロゲンを含有する樹脂組成物の硬化物は、燃焼時にハロゲン化水素等の有害物質を生成するおそれがあり、人体や自然環境に対し悪影響を及ぼすという欠点を有している。このような背景のもと、プリント配線板等の絶縁材料としても、ハロゲンを含まない、いわゆるハロゲンフリー化が求められている。
また、シアネート化合物を含有する樹脂組成物としては、具体的には、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、1つの分子の中で2つ以上のシアネート基を持っているシアネートエステル系樹脂と、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂と、ヒュームドシリカと、熱可塑性樹脂と、シアネートエステル樹脂の硬化促進剤と、エポキシ樹脂の硬化促進剤と、1価フェノール類化合物と、難燃剤とを含む熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
特表2006−518774号公報
特許文献1によれば、誘電率及び散逸率が低くて誘電特性が優れているだけではなく、同時にガラス転移温度、吸湿後の耐熱性、銅箔接着性、作業性、無機物充填材の分散性、電気的特性等を顕著に向上させることができることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤として、臭素を含み、シアネートエステル系樹脂の硬化反応を阻害しないものを用いており、環境を配慮したハロゲンフリーの材料ではなかった。このような難燃剤をハロゲンの入っていないものに単に置き換えただけでは、硬化物の難燃性や耐熱性が低下する傾向があった。例えば、難燃剤として、リンが含有されている難燃剤を用いた場合、難燃性を保持できても、耐熱性が低下する傾向があった。このことは、リンが含有されている難燃剤の種類によっては、シアネートエステル系樹脂と、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂との硬化反応を阻害することによると考えられる。よって、難燃性を充分に発揮できる程度、リンが含有されている難燃剤を含有させると、硬化反応が充分に進行せず、硬化物の耐熱性が低下する傾向があった。さらに、特許文献1に記載の熱可塑性樹脂組成物は、ヒュームドシリカを含有させることで、吸湿後の耐熱性を高めており、ヒュームドシリカを含有させない場合には、耐熱性を充分に高めることができない傾向がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含む硬化剤(B)と、ホスファゼン化合物(C)と、金属石鹸(D)とを含有することを特徴とする。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化剤(B)が、ポリアリーレンエーテル共重合体を含むことが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体の数平均分子量が、500〜4000であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、1分子中に平均1.5個以上の水酸基を有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール化合物及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記シアネート化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、10〜45質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、無機充填材(E)をさらに含有することが好ましい。
また、前記樹脂組成物において、前記無機充填材(E)が、球状シリカであることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有するものである。
また、前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたプリプレグである。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板である。
本発明によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物を提供することができる。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記金属張積層板を用いたプリント配線板が提供される。
本発明者等は、難燃性を高めるために含有させる難燃剤が、その種類によっては、耐熱性を低下させることを発見した。具体的には、ハロゲンや鉛を含まない難燃剤としては、例えば、リン含有化合物が挙げられるが、その難燃剤として用いられるリン含有化合物の中には、ハロゲンや鉛を含む難燃剤より熱分解温度が高いにもかかわらず、耐熱性を低下させるものがあることを発見した。このことは、難燃剤が、ポリアリーレンエーテル共重合体とエポキシ樹脂との硬化反応を阻害し、よって、3次元的な架橋の形成を阻害することによると推察した。このことから、本発明者等は、プリント配線板などの電子部品を構成する材料としては、ハロゲン及び鉛を含有させずに、硬化物の耐熱性と難燃性とを両立させるためには、硬化物の耐熱性を高めればよいことに着目した。そして、硬化物の耐熱性を高めるためには、シアネート化合物等の硬化剤とエポキシ樹脂との硬化反応を好適に進行させて、3次元的な架橋が充分に形成させることが必要であると推察した。
そこで、本発明者等は、かかる知見から、本発明に想到するに到った。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含む硬化剤(B)と、ホスファゼン化合物(C)と、金属石鹸(D)とを含有するものである。
このような樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物である。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記エポキシ樹脂(A)は、軟化点が50℃以上と比較的高く、樹脂組成物の硬化後の耐熱性を高めることができると考えられる。そして、前記エポキシ樹脂(A)は、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するので、分子量が比較的低く、かつ、エポキシ基の1分子当たりの個数が比較的多く、前記シアネート化合物を含む硬化剤(B)と反応しやすく、3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。また、平均エポキシ当量が300g/eq以下であれば、ハロゲンやリンを含むエポキシ樹脂や、熱可塑性フェノキシ型エポキシ樹脂等の比較的特殊なエポキシ樹脂ではなく、比較的一般的なエポキシ樹脂を用いることができる。このことは、ハロゲンを含まずに、樹脂組成物を構成することに寄与できると考えられる。
また、前記硬化剤(B)は、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含むので、前記エポキシ樹脂(A)と比較的相溶しやすく、前記エポキシ樹脂(A)と均一に反応しやすいと考えられる。よって、3次元的な架橋を均一に形成しやすいと考えられる。また、シアネート化合物は、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するので、シアネート基の1分子当たりの個数が比較的多く、前記エポキシ樹脂(A)と反応しやすく、3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。
さらに、上記のような、エポキシ樹脂(A)と、シアネート化合物を含む硬化剤(B)とを、前記金属石鹸(D)を用いて硬化させることによって、シアネート化合物を含む硬化剤とエポキシ樹脂とによる3次元的な架橋を好適に形成させることができると考えられる。
これらのことから、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に高めることができると考えられる。
また、前記ホスファゼン化合物(C)を含有させることによって、ハロゲンや鉛を含ませずに、充分な難燃性を確保することができると考えられる。さらに、上述したように、硬化物の耐熱性を充分に高めることができるので、前記ホスファゼン化合物(C)を含有させることによって、耐熱性が多少下がったとしても、優れた耐熱性と難燃性とを確保することができると考えられる。
以上のことから、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物になると考えられる。
以下、前記樹脂組成物の各成分について、詳細に説明する。
本実施形態で用いるエポキシ樹脂(A)としては、軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。
エポキシ樹脂の軟化点が低すぎると、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性が低くなる傾向がある。このことは、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を形成させても、架橋前のエポキシ樹脂の軟化度が低すぎると、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に向上させることができないことによると考えられる。ここで軟化点とは、例えば、以下のようにして求めることができる軟化点である。具体的には、例えば、流動特性評価装置(株式会社島津製作所製のフローテスターCFT−100C)等を用い、試料1gを、口径1mm、長さ1mmのダイから押出されるように荷重10kgf/cm(9.8×10Pa)を与えながら、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂の平均エポキシ当量が大きすぎると、分子量、すなわち、エポキシ基1個に対する分子量が大きくなりすぎ、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があり、さらに、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤との相溶性が低下し、三次元架橋が均一に形成されにくいことによると考えられる。
また、エポキシ樹脂の1分子当たりのエポキシ基の平均個数(平均エポキシ基数)が少なすぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、エポキシ樹脂のエポキシ基と、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基等とが反応しにくくなり、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。なお、ここでの平均エポキシ基数は、使用するエポキシ樹脂の製品の規格値からわかる。ここでの平均エポキシ基数としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂1モル中に存在する全てのエポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基の平均値を表した数値等が挙げられる。
また、このエポキシ樹脂(A)としては、具体的には、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、エポキシ樹脂(A)としては、例示されたエポキシ樹脂の中でも、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。また、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いると、難燃性を発揮しにくいことが知られているが、本実施形態の樹脂組成物に含有されるエポキシ樹脂として用いると、難燃性を充分に発揮できる。なお、本実施形態に係る樹脂組成物には、ハロゲン化エポキシ樹脂を含有しないことが好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)の含有量としては、用いるエポキシ樹脂や硬化剤の種類によって異なるが、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましい。すなわち、樹脂成分100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)の含有量が少なすぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、エポキシ樹脂のエポキシ基と、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基等とが反応しにくくなり、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。また、エポキシ樹脂(A)の含有量が多すぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、エポキシ樹脂(A)の含有量が多すぎると、硬化剤(B)の含有量が少なすぎることになり、よって、エポキシ樹脂のエポキシ基と、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基等とが反応しにくくなり、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。
本実施形態で用いる硬化剤(B)としては、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含んでいれば、特に限定されない。
また、このシアネート化合物としては、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物であれば、特に限定されない。1分子当たりのシアネート基の平均個数(平均シアネート基数)が少なすぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基と、エポキシ樹脂のエポキシ基とが反応しにくくなり、硬化剤であるシアネート化合物とエポキシ樹脂とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。なお、ここでの平均シアネート基数は、使用するシアネート化合物の製品の規格値からわかる。ここでのシアネート基数としては、具体的には、例えば、シアネート化合物1モル中に存在する全てのシアネート化合物の1分子あたりのシアネート基の平均値等が挙げられる。
また、シアネート化合物としては、具体的には、例えば、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)エタン等、又はこれらの誘導体等の芳香族系シアネートエステル化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、シアネート化合物の含有量としては、用いるエポキシ樹脂やシアネート化合物の種類、ポリアリーレンエーテル共重合体等のシアネート化合物以外の硬化剤とシアネート化合物とを併用するか否か等によって異なるが、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、10〜45質量部であることが好ましい。すなわち、樹脂成分100質量部に対して、10〜45質量部であることが好ましい。シアネート化合物が少なすぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、エポキシ樹脂のエポキシ基と、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基等とが反応しにくくなり、エポキシ樹脂とシアネート化合物を含む硬化剤とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。また、シアネート化合物が少なすぎると、シアネート化合物の有する優れた誘電特性を充分に発揮できない傾向もある。また、シアネート化合物が多すぎると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。このことは、シアネート化合物同士の重合、すなわちシアネート化合物の自重合が促進され、優先的に進行するため、シアネート化合物を含む硬化剤のシアネート基と、エポキシ樹脂のエポキシ基とが反応しにくくなり、硬化剤であるシアネート化合物とエポキシ樹脂とによる三次元架橋を好適に形成できなくなる傾向があることによると考えられる。
また、本実施形態で用いる硬化剤(B)としては、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物以外の硬化剤を含んでいてもよい。シアネート化合物以外の硬化剤としては、特には限定されないが、ポリアリーレンエーテル共重合体等が挙げられる。
硬化剤(B)として用いられるポリアリーレンエーテル共重合体としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、数平均分子量(Mn)が500〜4000であることが好ましく、650〜1500であることがより好ましい。分子量が低すぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られない傾向がある。また、分子量が高すぎると、溶融粘度が高くなり、充分な流動性が得られず、成形不良を抑制できない傾向がある。
なお、ここでの数平均分子量は、具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等を用いて測定することができる。
また、硬化剤(B)として用いられるポリアリーレンエーテル共重合体としては、1分子当たりの水酸基の平均個数(平均水酸基数)が、1.5個以上であることが好ましく、1.5〜3個であることがより好ましい。この水酸基数が少なすぎると、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基との反応性が低下し、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、水酸基数が多すぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基との反応性が高くなりすぎ、例えば、誘電率及び誘電正接が高くなる等の不具合が発生するおそれがある。なお、ここでのポリアリーレンエーテル共重合体の水酸基数は、使用するポリアリーレンエーテル共重合体の製品の規格値からわかる。また、ここでの末端水酸基数としては、具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体1モル中に存在する全てのポリアリーレンエーテル共重合体の1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
また、硬化剤(B)として用いられるポリアリーレンエーテル共重合体としては、具体的には、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、2官能フェノールとしては、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。このようなポリアリーレンエーテル共重合体としては、より具体的には、例えば、一般式(1)に示す構造を有するポリアリーレンエーテル共重合体等が挙げられる。
Figure 0005426477
式(1)中、s,tは、sとtとの合計値が、1〜30であることが好ましい。また、sが、0〜20であることがより好ましく、tが、0〜20であることがより好ましい。
また、本実施形態で用いるホスファゼン化合物(C)としては、特に限定されない。具体的には、例えば、環状フェノキシホスファゼン化合物及び直鎖状フェノキシホスファゼン化合物等が挙げられる。ホスファゼン化合物(C)を含有させることによって、樹脂組成物の硬化物の難燃性を高めるだけではなく、耐熱性の低下を抑制できる傾向がある。このことは、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)とによる3次元的な架橋の形成を阻害することを充分に抑制できることによると考えられる。
また、ホスファゼン化合物(C)としては、10質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液のpHが6〜8となり、この抽出液の電気伝導度が100μS/cm以下となるものが好ましい。より具体的には、例えば、10質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液のpHが6〜8となり、この抽出液の電気伝導度が100μS/cm以下となる環状ホスファゼン化合物等が挙げられる。このようなホスファゼン化合物(C)は、樹脂組成物の硬化物の難燃性をより高め、さらに、耐熱性の低下をより抑制できる傾向がある。このことは、このようなホスファゼン化合物は、イオン性の不純物が少ないことによると考えられる。また、このようなホスファゼン化合物としては、加水分解で生じたリン酸エステルの量も少ないと考えられる。そして、このようなホスファゼン化合物を用いることによって、難燃性を高めるだけではなく、3次元的な架橋の形成を阻害することを充分に抑制できることによると考えられる。
また、ホスファゼン化合物(C)の含有量としては、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)やホスファゼン化合物(C)の種類等によって異なるが、例えば、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、10〜40質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることが好ましい。ホスファゼン化合物(C)の含有量が少なすぎると、難燃性を充分に高めることができない傾向がある。また、ホスファゼン化合物(C)の含有量が多すぎると、樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が低下し、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に高めることができなくなる傾向がある。このことは、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との硬化反応が抑制されることによると考えられる。
また、本実施形態で用いるホスファゼン化合物(C)は、塩素及び臭素等のハロゲンや鉛を含まないものであることから、本実施形態に係る樹脂組成物が分解又は燃焼されても、ハロゲン化水素等の生物に対する有害ガスや煙を発生することが充分に抑制される。
また、本実施形態で用いる金属石鹸(D)としては、特に限定されない。また、金属石鹸(D)は、脂肪酸金属塩を指し、直鎖状の脂肪酸金属塩であっても、環状の脂肪酸金属塩であってもよい。具体的には、例えば、炭素数が6〜10の、直鎖状の脂肪酸金属塩及び環状の脂肪酸金属塩等が挙げられる。より具体的には、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、及びオクチル酸等の直鎖状の脂肪酸や、ナフテン酸等の環状の脂肪酸等の脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、銅及び亜鉛等の金属とからなる脂肪酸金属塩等が挙げられる。
金属石鹸(D)としては、例示された金属石鹸中でも、オクチル酸亜鉛が好ましい。また、金属石鹸(D)としては、例示した金属石鹸を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような金属石鹸を用いると、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に高めることができる傾向がある。このことは、金属石鹸が、エポキシ樹脂(A)だけではなく、シアネート化合物やポリアリーレンエーテル共重合体等の硬化剤(B)に対しても硬化促進剤として働くことによると考えられる。よって、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との硬化反応を促進するとともに、エポキシ樹脂(A)同士、硬化剤(B)同士の硬化反応も促進することができ、硬化反応が好適に進行することによると考えられる。
また、金属石鹸(D)の含有量としては、樹脂組成物の成分等によって異なるが、例えば、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。金属石鹸(D)の含有量が少なすぎると、硬化促進効果を高めることができない傾向にある。また、金属石鹸(D)の含有量が多すぎると、成形性に不具合を生じたり、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を低下させたり、樹脂組成物のライフ性が低下させたりする傾向がある。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、金属石鹸(D)が含有されていれば、金属石鹸以外の硬化促進剤を含有してもよい。金属石鹸以外の硬化促進剤としては、エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)との少なくとも一方の硬化反応を促進させることができるものであればよい。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系化合物等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、上記の組成である、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、ホスファゼン化合物(C)、及び金属石鹸(D)以外の組成を含有してもよい。具体的には、例えば、以下のようなものを含有してもよい。
まず、本実施形態に係る樹脂組成物には、無機充填材を含有してもよい。無機充填材を含有させることによって、難燃性をより高めることができる。また、シアネート化合物を含む樹脂組成物は、一般的な絶縁基材用のエポキシ樹脂組成物等と比較すると、架橋密度が低く、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2が高くなる傾向がある。無機充填材を含有させることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。無機充填材としては、具体的には、例えば、球状シリカ等のシリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、無機充填材としては、例示したものの中でも、球状シリカが好ましい。また、無機充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものが、特に好ましい。このようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填材が配合された樹脂組成物を用いて得られる金属張積層板は、吸湿時における耐熱性が高く、また、層間ピール強度も高くなる傾向がある。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤等の添加剤をさらに配合してもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いられることが多い。すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物は、通常、ワニス状に調製されたもの(樹脂ワニス)であることが多い。このような樹脂ワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
まず、エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン等が挙げられる。
得られた樹脂ワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られた樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。なお、繊維質基材の厚みとしては、例えば、0.03〜0.3mmのものを一般的に使用できる。
樹脂ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び樹脂量に調整することも可能である。
樹脂ワニスが含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を3.5〜4.0Pa、時間を60〜150分間とすることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、高い難燃性を発揮させるものである。このため、前記樹脂組成物を用いて得られたプリプレグを用いた金属張積層板は、誘電特性、耐熱性、及び難燃性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生が抑制しつつ製造できる、信頼性の高いものである。
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。このように得られるプリント配線板は、誘電特性、耐熱性、及び難燃性が優れ、さらに、成形不良の発生が抑制されたものである。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[樹脂組成物の調製]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。ここで、リン含有化合物において、10質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液のpHを、抽出液pHと示し、また、0質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液の電気伝導度を、電気伝導度σと示す。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN680、平均エポキシ当量210g/eq、軟化点85℃)
エポキシ樹脂2:ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN865、平均エポキシ当量205g/eq、軟化点68℃)
エポキシ樹脂3:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN770、平均エポキシ当量190g/eq、軟化点70℃)
エポキシ樹脂4:フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製のNC−2000、平均エポキシ当量235g/eq、軟化点52℃)
エポキシ樹脂5:ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製のNC−3000、平均エポキシ当量290g/eq、軟化点70℃)
エポキシ樹脂6:ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンEXA9900、平均エポキシ当量270g/eq、軟化点100℃)
エポキシ樹脂7:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンHP7200、平均エポキシ当量275g/eq、軟化点60℃)
エポキシ樹脂8:テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロン−153、平均エポキシ当量400g/eq、軟化点70℃)
エポキシ樹脂9:ビスフェノールS型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロン−830S、平均エポキシ当量170g/eq、液状)
エポキシ樹脂10:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロン−850、平均エポキシ当量190g/eq、液状)
(シアネート化合物)
シアネート化合物:2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパン(ロンザジャパン株式会社製のBadcy、シアネート基数2個)
(ポリアリーレンエーテル共重合体:PAE)
PAE 1:ポリアリーレンエーテル共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製のMX−90、末端水酸基数1.9個、数平均分子量Mn1150)
PAE 2:国際公開第2007/067669号に記載の方法で合成したポリアリーレンエーテル共重合体(末端水酸基数2個、数平均分子量Mn1000)
PAE 3:国際公開第2007/067669号に記載の方法で合成したポリアリーレンエーテル共重合体(末端水酸基数2個、数平均分子量Mn2050)
(リン含有化合物:ホスファゼン化合物等)
ホスファゼン化合物:環状ホスファゼン化合物(大塚化学株式会社製のSPB−100、抽出液pH6.8、電気伝導度σ20μS/cm)
ポリリン酸メラミン:Ciba社製のMelapur200
ホスフィン酸アルミニウム:ジアルキルホスフィン酸アルミニウム(クラリアントジャパン社製のOP935)
リン酸エステル化合物:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)(大八化学工業株式会社製のPX−200、抽出液pH5.2、電気伝導度σ3200μS/cm)
(硬化促進剤:金属石鹸等)
金属石鹸:オクタン酸亜鉛(DIC株式会社製)
イミダゾール系化合物:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製の2E4MZ)
(その他の成分)
芳香族アミン化合物:ジエチルトルエンジアミン(アルベマール日本株式会社製のエタキュア100)
シリカ粒子:球状シリカ粒子(株式会社アドマテックス製のSC2500−SEJ)
[調製方法]
まず、エポキシ樹脂、及びシアネート化合物やポリアリーレンエーテル共重合体等の硬化剤とトルエンとを、表1〜表3に記載の配合割合になるように混合させて、その混合液を80℃になるまで加熱し、エポキシ樹脂及び硬化剤をトルエンに溶解させることによって、エポキシ樹脂及び硬化剤を含むトルエン溶液を得た。そして、さらに、リン含有化合物や金属石鹸等の他の成分を添加して、ボールミルで分散させることによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られた。
次に、得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、WEA116E、Eガラス)に含浸させた後、140℃で約3〜8分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、エポキシ樹脂及び硬化剤等の樹脂成分の含有量(レジンコンテント)が約50質量%となるように調整した。
そして、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、厚み0.5mmの評価基板を得た。
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
[誘電特性(誘電率及び誘電正接)]
1GHzにおける評価基板(基板厚み0.5mm)の誘電率及び誘電正接を、IPC−TM650−2.5.5.9に準拠の方法で測定した。具体的には、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のRFインピーダンスアナライザ HP4291B)を用い、1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
[半田耐熱性]
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板(基板厚み0.5mm)を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
[難燃性]
評価基板から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94”に準じて、10回燃焼試験を行い、その際の平均燃焼時間(秒間)を測定し、その結果から評価した。なお、平均燃焼時間が50秒以下であれば、難燃性は、「V−0」と判定される。
[ガラス転移温度(Tg)]
セイコーインスツルメンツ株式会社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いて、プリプレグのTgを測定した。このとき、曲げモジュールで周波数を10Hzとして動的粘弾性測定(DMA)を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanδが極大を示す温度をTgとした。
[層間密着強度]
評価基板のプリプレグ間の引きはがし強さ(層間密着強度)を、JIS C 6481に準拠して測定した。このとき、幅20mm、長さ100mmの試験片上に幅10mm、長さ100mmのパターンを形成し、最上面にあるプリプレグを引っ張り試験器により50mm/分の速度で引きはがし、その時の引きはがし強さ(kg/cm)を測定した。
[絶縁信頼性]
まず、評価基板に、直径300μmのスルーホールの壁間間隔が300μmとなるようなスルーホール対を、50対形成させた。その際、スルーホール対は、対をなす方向に垂直な方向に、それぞれのスルーホール対が離間して並ぶように50対形成させた。
次に、厚さ25μmのスルーホールめっきを施した。そして、スルーホール対を構成する一方のスルーホールがそれぞれ電気的に連結されるように第1電気回路を形成し、他方のスルーホールがそれぞれ電気的に連結されるように第2電気回路を形成した。その際、前記第1電気回路と前記第2電気回路とは、電気的に連結されないように形成させた。
そして、各電気回路に電線を半田付けして、電線を介して電気回路を電源に接続し、121℃、85%RHの恒温恒湿槽内で、スルーホールの壁間に、50Vの直流電圧を300時間連続して印加した。その際、絶縁抵抗値を測定することによって、スルーホールの壁間に短絡が発生したか否かを判断した。短絡が発生していなければ、「○」と評価し、短絡が発生していれば、「×」と評価した。
上記各評価における結果は、表1〜表3に示す。
Figure 0005426477
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表1〜3から、軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含む硬化剤(B)と、ホスファゼン化合物(C)と、金属石鹸(D)とを含有する場合(実施例1〜10)は、他の場合(比較例1〜8)と比較して、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高いことがわかる。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(A)と、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含む硬化剤(B)と、ホスファゼン化合物(C)と、金属石鹸(D)とを含有することを特徴とする。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、前記エポキシ樹脂(A)は、軟化点が50℃以上と比較的高く、樹脂組成物の硬化後の耐熱性を高めることができると考えられる。そして、前記エポキシ樹脂(A)は、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するので、分子量が比較的低く、かつ、エポキシ基の1分子当たりの個数が比較的多く、前記シアネート化合物を含む硬化剤(B)と反応しやすく、3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。また、平均エポキシ当量が300g/eq以下であれば、ハロゲンやリンを含むエポキシ樹脂や、熱可塑性フェノキシ型エポキシ樹脂等の比較的特殊なエポキシ樹脂ではなく、比較的一般的なエポキシ樹脂を用いることができる。このことは、ハロゲンを含まずに、樹脂組成物を構成することに寄与できると考えられる。
また、前記硬化剤(B)は、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物を含むので、前記エポキシ樹脂(A)と比較的相溶しやすく、前記エポキシ樹脂(A)と均一に反応しやすいと考えられる。よって、3次元的な架橋を均一に形成しやすいと考えられる。また、シアネート化合物は、1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するので、シアネート基の1分子当たりの個数が比較的多く、前記エポキシ樹脂(A)と反応しやすく、3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。
さらに、上記のような、エポキシ樹脂(A)と、シアネート化合物を含む硬化剤(B)とを、前記金属石鹸(D)を用いて硬化させることによって、シアネート化合物を含む硬化剤とエポキシ樹脂とによる3次元的な架橋を好適に形成させることができると考えられる。
これらのことから、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を充分に高めることができると考えられる。
また、前記ホスファゼン化合物(C)を含有させることによって、ハロゲンや鉛を含ませずに、充分な難燃性を確保することができると考えられる。さらに、上述したように、硬化物の耐熱性を充分に高めることができるので、前記ホスファゼン化合物(C)を含有させることによって、耐熱性が多少下がったとしても、優れた耐熱性と難燃性とを確保することができると考えられる。
以上のことから、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物になると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記硬化剤(B)が、ポリアリーレンエーテル共重合体を含むことが好ましい。
このような構成によれば、難燃性に優れ、硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、前記エポキシ樹脂(A)と前記シアネート化合物とによる3次元的な架橋を阻害することなく、前記エポキシ樹脂(A)とポリアリーレンエーテル共重合体とによる3次元的な架橋も好適に形成されることによると考えられる。このことから、樹脂組成物の硬化物の耐熱性を高めることができるので、難燃性を充分に高くしても、耐熱性が充分に優れた樹脂組成物が得られると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体の数平均分子量が、500〜4000であることが好ましい。
このような構成によれば、難燃性に優れ、硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、前記エポキシ樹脂(A)と前記シアネート化合物とによる3次元的な架橋を阻害することなく形成された、前記エポキシ樹脂(A)と前記ポリアリーレンエーテル共重合体とによる3次元的な架橋が、樹脂組成物の耐熱性の向上に好適に寄与できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、1分子中に平均1.5個以上の水酸基を有することが好ましい。
このような構成によれば、難燃性に優れ、硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、このようなポリアリーレンエーテル共重合体を用いると、前記エポキシ樹脂(A)と好適に反応することができることによると考えられる。よって、このようなポリアリーレンエーテル共重合体を用いると、前記エポキシ樹脂(A)とポリアリーレンエーテル共重合体とによる3次元的な架橋が、好適に形成されることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール化合物及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、2,6−ジメチルフェノールからなるPPEの有する優れた誘電特性を維持したまま、上記3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)が、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度がより低い樹脂組成物が得られる。
このことは、上記各エポキシ樹脂が、前記シアネート化合物や前記ポリアリーレンエーテル共重合体等の硬化剤との相溶性が高いことによると考えられる。よって、このようなエポキシ樹脂を用いることによって得られた樹脂組成物は、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れ、ワニス状にしたときの粘度が充分に低くなると考えられる。すなわち、プリント配線板等の電子部品を製造するために好適なプリプレグが得られる。
また、前記樹脂組成物において、前記シアネート化合物の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、10〜45質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)とによる3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との合計量100質量部に対して、20〜80質量部であることが好ましい。
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
このことは、前記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)とによる3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
また、前記樹脂組成物において、無機充填材(E)をさらに含有することが好ましい。
このような構成によれば、難燃性をより高めることができる。さらに、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。
また、前記樹脂組成物において、前記無機充填材(E)が、球状シリカであることが好ましい。
このような構成によれば、難燃性をさらに高めることができる。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有するものである。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性に優れた樹脂ワニスが得られる。そして、この樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグは、プリント配線板等の電子部品として好適なものを製造できる。
また、前記樹脂ワニスにおいて、前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
このような構成によれば、プリント配線板等の電子部品を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる樹脂ワニスが得られる。このことは、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの沸点が比較的高く、前記エポキシ樹脂(A)及び前記硬化剤(B)を溶解させることができるので、得られたプリプレグが適切な乾燥速度を有することによると考えられる。
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたプリプレグである。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れた金属張積層板を製造するのに好適に用いられるものであり、さらに、樹脂組成物の粘度が低く、流動性が高いので、金属張積層板やプリント配線板を製造する際の成形不良の発生を抑制できる信頼性に優れたものが得られる。
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られた金属張積層板である。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる、信頼性に優れた金属張積層板が得られる。
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板である。
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の耐熱性、及び難燃性が優れ、さらに、成形不良の発生を抑制されたものが得られる。

Claims (9)

  1. 軟化点が50℃以上であって、平均エポキシ当量が300g/eq以下であって、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するものであり、且つ、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であるエポキシ樹脂(A)と、
    1分子中に平均2個以上のシアネート基を有するシアネート化合物、及び数平均分子量が500〜4000のポリアリーレンエーテル共重合体を含む硬化剤(B)と、
    ホスファゼン化合物(C)と、
    硬化促進剤としての金属石鹸(D)と、
    シリカを含む無機充填材(E)とを含有し
    記エポキシ樹脂(A)と前記硬化剤(B)との合計量を100質量部としたとき、前記エポキシ樹脂(A)の含有量が20〜80質量部、前記シアネート化合物の含有量が10〜45質量部、前記ホスファゼン化合物(C)の含有量が10〜40質量部であることを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、1分子中に平均1.5個以上の水酸基を有する請求項に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアリーレンエーテル共重合体が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール化合物及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなる請求項1又は請求項2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材(E)が、球状シリカである請求項1〜のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の難燃性樹脂組成物と溶媒とを含有する樹脂ワニス。
  6. 前記溶媒が、トルエン、シクロヘキサノン及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の樹脂ワニス。
  7. 請求項又は請求項に記載の樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたプリプレグ。
  8. 請求項に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られた金属張積層板。
  9. 請求項に記載のプリプレグを用いて製造されたプリント配線板。
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