JP5252372B2 - 同期電動機制御装置とその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、同期電動機の制御において、同期電動機を高効率で制御でき、かつトルク指令に対して出力トルクを高精度制御できる同期電動機制御装置とその制御方法に関する。
同期電動機制御装置は、同期電動機を駆動する上で、同期電動機の出力トルクの高精度化、高応答化(高速化)、高効率化、高出力化のような一般的な技術課題がある。
この一般的な技術課題を解決するために、従来の同期電動機制御装置とその制御方法は、「同期モータの駆動装置に関わり、特に同期モータの出力トルクの線形性を改善し、かつ効率の高い運転を可能にする駆動装置に関する」ものであって、「複雑な演算処理をすることなく安価なマイコンを用いて、同期モータの出力トルク及び速度制御系を線形化し、効率の高い制御を実現する方法及び装置を提供すること」を目的としており、「同期モータに直流電圧を交流または直流に変換して供給するインバータと、該インバータの出力電圧と周波数とを制御する制御装置と、前記同期モータの回転速度を検出もしくは推定する手段とを備えた同期モータの駆動装置において、前記制御装置が、前記回転速度を回転速度指令と一致させるようなトルク指令を出力する手段と、該トルク指令を入力とし電流振幅と電流位相とを演算して出力する手段とを備え」、更に「最大トルクと電流振幅及び最大トルクと電流位相の関係を、トルクをパラメータとした関数で数式化し、トルク指令の入力に対して、最大トルクが得られる電流振幅指令及び電流位相指令を演算し出力する、トルク・電流比最大制御手段を備え」、「上記トルクをパラメータとした関数が1次関数もしくは2次関数である」ものである(例えば、特許文献1)。
特開2002−360000号公報(第3−5頁、図1)
従来の同期電動機制御装置とその制御方法では、入力されるトルク指令に対して最適な電流振幅および電流位相を予めシミュレーションや実験で求める必要があるため、非常に手間がかかるという問題があった。また、d軸電流指令およびq軸電流指令を1次関数または2次関数に近似して求めているため、d軸電流指令およびq軸電流指令それぞれに誤差が発生し、トルク指令と出力トルクに差が生じるというトルク制御精度の低下を引き起こす問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、各電流振幅に対して最適な電流位相とその時のトルクを通常運転前に自動的に算出し、算出した最適な電流位相に基づいてトルクに対するd軸電流指令データテーブルを作成するとこで、手間を削減できる。また、トルク指令に対してd軸電流指令データテーブルを用いてd軸電流指令を算出し、トルク指令とd軸電流指令から同期電動機のトルク式を用いてq軸電流指令を算出し直すことで、トルク指令と出力トルクが一致しトルクを高精度制御でき、かつ同期電動機を高効率で制御できる同期電動機制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一の観点による同期電動機制御装置は、トルク指令を入力し、前記トルク指令に基づいてd軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、前記トルク指令と前記d軸電流指令とに基づいてq軸電流指令を演算するq軸電流指令演算部とを備え、前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに基づいて同期電動機を駆動する同期電動機制御装置であって、前記d軸電流指令演算部が、前記同期電動機制御装置の通常運転前の初期化時において、トルク指令に対してトルク効率が最大となるようなd軸電流指令のデータ群を備えた第1データテーブルを自動作成する、データテーブル自動演算処理手段と、前記データテーブル自動演算処理手段により自動作成された前記第1データテーブルを用いて、前記トルク指令の絶対値に対するテーブル内挿演算を行って前記d軸電流指令を出力する第1テーブル内挿演算手段と、を備えており、前記同期電動機制御装置は、さらに、予め求められた、d軸電流とd軸インダクタンスの関係、q軸電流とq軸インダクタンスの関係、q軸電流とマグネットによる鎖交磁束の関係、がテーブル化された第2データテーブルを保持するデータテーブル保持手段及び、前記データテーブル保持手段に保持された前記第2データテーブルを用いたテーブル内挿演算により前記d軸インダクタンス、前記q軸インダクタンス、前記マグネットによる鎖交磁束を演算する、第2テーブル内挿演算手段を備えた、鎖交磁束・インダクタンス演算部を有し、前記q軸電流指令演算部が、前記トルク指令および第1テーブル内挿演算手段から出力された前記d軸電流指令と、前記鎖交磁束・インダクタンス演算部で演算された前記マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンスとから、同期電動機の極数、マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、d軸電流、q軸電流の各パラメータを有する同期電動機のトルク式を適用して前記q軸電流指令を演算して出力することを特徴とする同期電動機制御装置が適用される。
また、本発明の他の観点による同期電動機制御装置の制御方法は、トルク指令を入力し、前記トルク指令に基づいてd軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、前記トルク指令と前記d軸電流指令とに基づいてq軸電流指令を演算するq軸電流指令演算部とを備え、前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに基づいて同期電動機を駆動する同期電動機制御装置の制御方法であって、前記d軸電流指令演算部が、前記同期電動機制御装置の通常運転前の初期化時において、トルク指令に対してトルク効率が最大となるようなd軸電流指令のデータ群を備えた第1データテーブルを自動的に作成するデータテーブル作成処理手順と、前記データテーブル自動演算処理手順で自動作成された前記第1データテーブルを用いて、前記トルク指令の絶対値に対するテーブル内挿演算を行って前記d軸電流指令を出力する第1テーブル内挿演算手順と、実行し、通常運転時に、前記q軸電流指令演算部が、予め求められたd軸電流とd軸インダクタンスの関係、q軸電流とq軸インダクタンスの関係、q軸電流とマグネットによる鎖交磁束の関係を表す第2データテーブルを用いた、テーブル内挿演算により算出された、前記d軸インダクタンス、前記q軸インダクタンス、前記マグネットによる鎖交磁束と、前記トルク指令および第1テーブル内挿演算手順で出力された前記d軸電流指令と、から、同期電動機の極数、マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、d軸電流、q軸電流の各パラメータを有する同期電動機のトルク式を適用して前記q軸電流指令を演算して出力する手順、を実行することを特徴とする同期電動機制御装置の制御方法が適用される。
請求項1から4のいずれか1つに記載の発明によると、各電流振幅に対して最適な電流位相とその時のトルクを通常運転前に自動的に算出し、算出した最適な電流位相(トルク効率が最大)に基づいてトルクに対するd軸電流指令データテーブルを作成するため、非常に手間がかかるという問題は発生せず、また、トルク指令に対してd軸電流指令データテーブルを用いてd軸電流指令を算出し、トルク指令とd軸電流指令から同期電動機のトルク式を用いてq軸電流指令を算出し直すため、すなわち、d軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqを1次関数または2次関数のような近似算出をしていないため、d軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqそれぞれに誤差が発生し、トルク制御精度の低下を引き起こすという問題も発生せずトルクを高精度制御でき、かつ同期電動機を高効率で制御できる。
以下に、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の同期電動機制御装置の構成を示す概略ブロック図である。図において、1は制御対象である同期電動機(モータ)、2は位置検出器であるエンコーダ、3は絶対値演算部、4はd軸電流指令演算部、5はq軸電流指令演算部、6は電流制御部、7は2/3相変換部、8はPWM電力変換装置、9は電流検出部、10は3/2相変換部、11は電気角演算部、12はマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部である。
本発明が従来技術と特に異なる部分は、絶対値演算部3とマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12とを備えた部分であり、更に、d軸電流指令演算部4における演算方法と、q軸電流指令演算部5における演算方法である。
絶対値演算部3は、上位からのトルク指令Tの絶対値|T|を演算する。d軸電流指令演算部4は、トルク指令Tの絶対値|T|の入力に対して、後述するテーブル内挿演算によりd軸電流指令Idを演算する。q軸電流指令演算部5には、トルク指令T、d軸電流指令演算部4で演算されたId、マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12で演算されたマグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqが入力され、後述する同期電動機のトルク式を用いてq軸電流指令Iqを演算する。電流制御部6には、d軸電流指令Idとq軸電流指令Iqおよび検出電流であるd軸電流Idとq軸電流Iqが入力され、d軸電圧指令Vdおよびq軸電圧指令Vqを演算する。2/3相変換部7は、d軸電圧指令Vdおよびq軸電圧指令Vqを電気角θeに基づいて2/3相変換を行い、U相電圧指令Vu、V相電圧指令Vv、W相電圧指令Vwを出力し、PWM電力変換装置8で電圧に変換され同期電動機に印加される。電流検出部9は、同期電動機1に流れるU相電流、V相電流(もしくはU相電流、V相電流、W相電流)を検出する。検出された電流は3/2相変換部10へ入力され、電気角θeに基づいてd軸電流Id、q軸電流Iqに変換される。電気角演算部11は、エンコーダ2で検出された位置情報から電気角θeを演算する。マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12は、d軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqを入力し、後述する演算方法でマグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを演算する。
次に、d軸電流指令演算部4におけるテーブル内挿演算によりd軸電流指令Idの演算方法ついて説明する。図2は、d軸電流指令演算部4の内部構成を示す図である。図において、41はIdテーブル内挿演算部である。
Idテーブル内挿演算部41には、トルク指令に対してトルク効率が最大となるようなd軸電流指令のデータ群であるIdテーブルデータが設定されており、トルク指令絶対値|T|からIdテーブルデータの内挿演算を行い、d軸電流指令Idを出力する。Idテーブルデータは、同期電動機制御装置やエンコーダなどのメモリに格納された同期電動機パラメータ(例えば、図1のエンコーダ内のメモリ)を用いて自動演算する。
ここで、Idテーブルデータの自動演算について説明する。図4は、Idテーブルデータ自動演算のフローチャートである。なお、この自動演算は、同期電動機制御装置の初期化時(通常動作前)に行うものである。
(S101)まず、jに1を代入し、(S102)処理へ進む。ここで、jは(S102)から(S107)のステップ処理を1回処理とした場合の処理回数であり、必要に応じて初期値1から1ずつ累積されるものである。
(S102)jがNより大きい場合は、処理を終了する。jがN以下の場合は、(S103)処理へ進む。ここで、Nは最大電流の分割数であり、予め定められたIdテーブルデータにおけるデータ数で決定されるものである。
(S103)トルク指令およびd軸電流指令を保存するメモリTrq[j]およびIdref[j]をゼロクリアし、(S104)処理へ進む。
(S104)電流振幅I=(最大電流×j/N)を演算し、(S105)処理へ進む。
(S105)kに0を代入し、(S106)処理へ進む。ここで、kは(S106)から(S114)のステップ処理を1回処理とした場合の処理回数であり、必要に応じて初期値0から1ずつ累積されるものである。
(S106)電流位相θ=(90゜×k/M)を演算し、(S107)処理へ進む。ここで、Mは電気角90゜の分割数であり、予め定められたIdテーブルデータにおけるデータ数で決定されるものである。
(S107)演算した電流位相θが90゜より大きい場合は、(S108)処理へ進む。演算した電流位相θが90゜以下の場合は、(S109)処理へ進む。
(S108)jに1を足し(jを更新し)、(S102)処理へ進む。
(S109)演算した電流振幅Iおよび電流位相θより、d軸電流Id=(−I×sinθ)、q軸電流Iq=(I×cosθ)を演算し、(S110)処理へ進む。
(S110)(S109)で演算したd軸電流Id、q軸電流Iqから、マグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを後述するそれぞれのテーブルデータからテーブル内挿演算により求め、(S111)処理へ進む。
(S111)(S109)および(S110)で演算したd軸電流Id、q軸電流Iq、マグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqから、同期電動機のトルク式である式(1)を用いてトルクを演算し、(S112)処理へ進む。なお、ここで用いる同期電動機のトルク式である式(1)は公知のものである。
ここで、poleは同期電動機の極数、φMgはマグネットによる鎖交磁束、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Idはd軸電流、Iqはq軸電流である。
(S112)(S111)で演算したトルクが保存したメモリTrq[j]より大きい場合は、(S114)処理へ進む。(S111)で演算したトルクが保存したメモリTrq[j]以下の場合は、(S113)処理へ進む。
(S113)kに1を足し(kを更新し)、(S106)へ進む。
(S114)保存したメモリTrq[j]に(S111)で演算したトルクを保存、また、保存したメモリIdref[j]に(S109)で演算したd軸電流Idを保存し、(S113)処理へ進む。
このように、図4における一連のId* テーブルデータ自動演算の処理では、1分割(最大電流に対する予め定められた分割数毎)の電流振幅Iに対して、電流位相θを0°〜90°まで1分割(電流位相90度に対する予め定められた分割数毎)ずつ変化させて、変化の度に、d軸電流Id、q軸電流Iq、マグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、トルクTを演算して、演算されたトルクTおよび演算されたd軸電流IdをメモリTrq[j]およびメモリIdref[j]に保存する。また、電流位相θの変化が90°より大きくなれば、電流振幅Iを1分割(最大電流に対する予め定められた分割数毎)ずつ変化させて、前述の電流位相θの変化およびそれに伴う演算とメモリ保存を行う。また、前述の電流位相θを1分割(電流位相90度に対する予め定められた分割数毎)ずつ変化させる過程で、演算されたトルクTがメモリTrq[j]より小さければ、演算されたトルクTおよび演算されたd軸電流IdをメモリTrq[j]およびメモリIdref[j]に保存せずに、電流位相θを変化させる。また、電流振幅Iを1分割(最大電流に対する予め定められた分割数毎)ずつ変化させる過程で、電流振幅Iが最大電流より大きくなれば、一連の処理を終了する。最終的に、保存されたメモリTrq[j]およびメモリIdref[j]が、トルク指令T* に対するd軸電流指令Id* のテーブルデータと成るのである。
ここで、Idテーブルデータ自動演算の処理における主となる処理の技術的意義を説明する。
(S104)処理は、最大電流に対してN分割されたj番目の電流振幅Iを算出するものであり、(S106)処理は、算出されたj番目の電流振幅I毎に、電流位相90°に対してM分割されたk番目の電流位相θを算出するものであり、(S109)処理〜(S114)処理は、算出されたk番目の電流位相θ毎にトルクおよびd軸電流指令を算出するものである。すなわち、これらの処理では、j番目の電流振幅I毎にトルク効率が最大となる電流位相θを探し出す処理であり、従来の同期電動機制御装置とその制御方法(特許文献1)における予めシミュレーションや実験で求める図4(トルク特性図)相当のトルク特性を、駆動する同期電動機に応じて通常運転前に自動的に算出するものである。
また、(S112)処理は、前回保存したメモリTrq[j]と今回算出したトルクとを比較し、今回算出したトルクが小さい場合、電流位相θを更新(k=k+1)するものであり、すなわち、トルク効率が最大となる電流位相θを探し出す過程において、今回算出したトルクが前回保存したメモリTrq[j]よりも小さい場合、その時点のトルク効率は最大でないと判断することができるため、(S114)処理では、常にトルク効率が最大となる電流位相θにおけるメモリTrq[j]が保存されるのである。
また、(S107)処理は、トルク効率が最大となる電流位相θは、0°〜90°の範囲内に必ず存在することが知られているため、k番目の電流位相θが90°を超えれば、順次電流振幅Iを増加させるものである。
また、(S102)処理は、最大電流を超える電流振幅Iでの演算は必要ないので、j番目の電流振幅Iが最大電流を超えれば、一連の処理を終了するのである。
なお、最大電流の分割数であるN、電流位相電気角90°の分割数であるMは、必要に応じて適宜決定すれば良い。
図5は、Idテーブルデータ自動演算のフローチャート図4の処理手順で得られたIdテーブルデータを具体的に示した図である。図において、横軸はトルク指令T、縦軸はd軸電流指令Idである。図4におけるIdテーブルデータ自動演算の一連の処理を同期電動機制御装置の初期化時(通常動作前)に行えば、入力されるトルク指令Tに対して最適な電流振幅および電流位相(各電流振幅に対するトルク効率が最大となる電流位相)を通常運転前に自動的に算出できると共に、トルク指令Tに対するd軸電流指令Idのテーブルデータである原点を含めた(N+1)個のデータ群を容易に得ることができる。また、d軸電流指令演算部4は、上位からのトルク指令Tの絶対値|T|が入力されれば、容易にId*テーブルデータ内挿演算ができ、最適なd軸電流指令Id*を出力することができるのである。
次に、マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12におけるテーブル内挿演算によりマグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqの演算方法について説明する。図3は、マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12の内部構成を示す図である。図において、121はLdテーブル内挿演算部、122はLqテーブル内挿演算部、123はφMgテーブル内挿演算部である。
Ldテーブル内挿演算部121、Lqテーブル内挿演算部122、φMgテーブル内挿演算部123には、それぞれ予め実験やシミュレーションなどで求めた、d軸電流Idとd軸インダクタンスLdの関係、q軸電流Iq とq軸インダクタンスLqの関係、q軸電流Iqとマグネットによる鎖交磁束φMgの関係がテーブル化されたものが備えられている。また、それぞれの入力に対して内挿演算を行い、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、マグネットによる鎖交磁束φMgを出力するものである。
図6はd軸電流Idとd軸インダクタンスLdの関係を示すテーブルデータ、図7はq軸電流Iqとq軸インダクタンスLqの関係を示すテーブルデータ、図8はq軸電流Iqとマグネットによる鎖交磁束φMgの関係を示すテーブルデータである。なお、図中のX、Y、Zは正の整数である。
ここで、各テーブルデータは、それぞれ予め実験やシミュレーションなどで求める。各テーブルデータは電流0から最大電流までを何分割かしてデータを取れば十分である。(一方従来技術は、トルク指令に対する最適な電流振幅および電流位相を予め実験やシミュレーションで求める際、電流振幅を何分割かして、また電流位相も何分割かしてその両方を変化させてデータを取る必要があり、本発明に比べ、実験やシミュレーションに手間がかかる。)
次に、q軸電流指令演算部5におけるq軸電流指令Iqの演算方法について説明する。q軸電流指令演算部5では、同期電動機のトルク式である式(1)を変形した式(2)を用いて、トルク指令Tおよびd軸電流指令Idと、マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12で演算したマグネットによる鎖交磁束φMg、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqからq軸電流指令Iqを演算する。
このように、本発明の同期電動機制御装置とその制御方法では、通常運転前に自動的に算出するのはIdテーブルデータのみであり、Iqテーブルデータは算出しない。この理由は、テーブルデータ内挿演算の際にd軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqに誤差が発生し、その誤差のためにトルク指令と出力トルクに差が出てしまうからである。本発明でもd軸電流指令Idに誤差が発生するが、q軸電流指令Iq演算の際に、式(2)を用いてq軸電流指令Iqを演算し直しているため、トルク指令と出力トルクが一致し、トルク制御精度の低下を引き起こすという問題が発生しないのである。
以上、本発明の同期電動機制御装置とその制御方法では、各電流振幅に対して最適な電流位相とその時のトルクを通常運転前に自動的に算出し、算出した最適な電流位相(トルク効率が最大)に基づいてトルクに対するd軸電流指令データテーブルを作成するため、非常に手間がかかるという問題は発生せず、また、トルク指令に対してd軸電流指令データテーブルを用いてd軸電流指令を算出し、トルク指令とd軸電流指令から同期電動機のトルク式を用いてq軸電流指令を算出し直すため、すなわち、d軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqを1次関数または2次関数のような近似算出をしていないため、d軸電流指令Idおよびq軸電流指令Iqそれぞれに誤差が発生し、トルク制御精度の低下を引き起こすという問題も発生せずトルクを高精度制御でき、かつ同期電動機を高効率で制御できる。
なお、本発明における同期電動機制御装置が駆動する同期電動機は、SPMSM(表面磁石形同期電動機)、IPMSM(埋め込み磁石形同期電動機)、SynRM(同期リラクタンスモータ)のいずれであっても良い。
本発明の同期電動機制御装置の構成を示す概略ブロック図である。 本発明のd軸電流指令演算部4の内部構成を示す図である。 本発明のマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部12の内部構成を示す図である。 本発明のIdテーブルデータ自動演算のフローチャートである。 本発明の図4の処理手順で得られたIdテーブルデータの一例である。 本発明のマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部におけるLdテーブルデータの一例である。 本発明の同期電動機制御方法で使用するマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部におけるLqテーブルデータの一例である。 本発明の同期電動機制御方法で使用するマグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部におけるφMgテーブルデータの一例である。
符号の説明
1 同期電動機
2 エンコーダ
3 絶対値演算部
4 d軸電流指令演算部
5 q軸電流指令演算部
6 電流制御部
7 2相/3相変換部
8 PWM電力変換装置
9 電流検出部
10 3相/2相変換部
11 電気角演算部
12 マグネットによる鎖交磁束・インダクタンス演算部
41 Idテーブル内挿演算部
121 Ldテーブル内挿演算部
122 Lqテーブル内挿演算部
123 φMgテーブル内挿演算部

Claims (4)

  1. トルク指令を入力し、前記トルク指令に基づいてd軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、
    前記トルク指令と前記d軸電流指令とに基づいてq軸電流指令を演算するq軸電流指令演算部と
    を備え、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに基づいて同期電動機を駆動する同期電動機制御装置であって、
    前記d軸電流指令演算部が、
    前記同期電動機制御装置の通常運転前の初期化時において、トルク指令に対してトルク効率が最大となるようなd軸電流指令のデータ群を備えた第1データテーブルを自動作成する、データテーブル自動演算処理手段と、
    前記データテーブル自動演算処理手段により自動作成された前記第1データテーブルを用いて、前記トルク指令の絶対値に対するテーブル内挿演算を行って前記d軸電流指令を出力する第1テーブル内挿演算手段と、
    を備えており、
    前記同期電動機制御装置は、さらに、
    予め求められた、d軸電流とd軸インダクタンスの関係、q軸電流とq軸インダクタンスの関係、q軸電流とマグネットによる鎖交磁束の関係、がテーブル化された第2データテーブルを保持するデータテーブル保持手段及び、前記データテーブル保持手段に保持された前記第2データテーブルを用いたテーブル内挿演算により前記d軸インダクタンス、前記q軸インダクタンス、前記マグネットによる鎖交磁束を演算する、第2テーブル内挿演算手段を備えた、鎖交磁束・インダクタンス演算部を有し、
    前記q軸電流指令演算部が、
    前記トルク指令および第1テーブル内挿演算手段から出力された前記d軸電流指令と、前記鎖交磁束・インダクタンス演算部で演算された前記マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンスとから、同期電動機の極数、マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、d軸電流、q軸電流の各パラメータを有する同期電動機のトルク式を適用して前記q軸電流指令を演算して出力する
    ことを特徴とする同期電動機制御装置。
  2. 前記通常運転前の初期化時に自動作成された前記第1データテーブルが、
    最大電流に対する予め定められた分割数N(Nは正の整数)の1分割毎の電流振幅に対して、電流位相90度に対する予め定められた分割数M(Mは正の整数)の1分割ずつ電流位相を変化させて前記同期電動機のトルク式に代入し、トルク効率が最大となる電流振幅および電流位相における前記トルク指令および前記d軸電流指令を保存したものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の同期電動機制御装置。
  3. トルク指令を入力し、前記トルク指令に基づいてd軸電流指令を演算するd軸電流指令演算部と、
    前記トルク指令と前記d軸電流指令とに基づいてq軸電流指令を演算するq軸電流指令演算部と
    を備え、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令とに基づいて同期電動機を駆動する同期電動機制御装置の制御方法であって、
    前記d軸電流指令演算部が、
    前記同期電動機制御装置の通常運転前の初期化時において、トルク指令に対してトルク効率が最大となるようなd軸電流指令のデータ群を備えた第1データテーブルを自動的に作成するデータテーブル作成処理手順と、
    前記データテーブル自動演算処理手順で自動作成された前記第1データテーブルを用いて、前記トルク指令の絶対値に対するテーブル内挿演算を行って前記d軸電流指令を出力する第1テーブル内挿演算手順と、
    実行し、
    通常運転時に、前記q軸電流指令演算部が、
    予め求められたd軸電流とd軸インダクタンスの関係、q軸電流とq軸インダクタンスの関係、q軸電流とマグネットによる鎖交磁束の関係を表す第2データテーブルを用いた、テーブル内挿演算により算出された、前記d軸インダクタンス、前記q軸インダクタンス、前記マグネットによる鎖交磁束と、前記トルク指令および第1テーブル内挿演算手順で出力された前記d軸電流指令と、から、同期電動機の極数、マグネットによる鎖交磁束、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、d軸電流、q軸電流の各パラメータを有する同期電動機のトルク式を適用して前記q軸電流指令を演算して出力する手順、を実行する
    ことを特徴とする同期電動機制御装置の制御方法。
  4. 前記データテーブル作成処理手順は、
    最大電流に対する予め定められた分割数N(Nは正の整数)の1分割毎の電流振幅に対して、電流位相90度に対する予め定められた分割数M(Mは正の整数)の1分割ずつ電流位相を、トルク効率が最大となる電流位相となるまで変化させる電流位相変化処理をし、
    トルク効率が最大となる電流振幅および電流位相における前記トルク指令および前記d軸電流指令を演算して保存する保存処理をし、
    前記電流振幅が前記最大電流を超えるまで、前記電流位相変化処理および前記保存処理を繰り返す、という手順で処理する
    ことを特徴とする請求項3に記載の同期電動機制御装置の制御方法。
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