JP2007274779A - 電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 - Google Patents

電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクリプルが発生するのを十分に抑制することができるようにする。
【解決手段】電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出する電動機械目標トルク算出処理手段と、前記電動機械の磁極位置θに対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出する高調波トルク指令値算出処理手段と、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正する高調波トルク指令値温度補正処理手段と、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法に関するものである。
従来、電気自動車、ハイブリッド型車両等の電動車両において、電動機械として配設された駆動モータ又は発電機には、回転自在に配設され、N極及びS極の永久磁石から成る磁極対を備えたロータ、該ロータより径方向外方に配設され、U相、V相及びW相のステータコイルを備えたステータ等が配設される。
そして、駆動モータ又は発電機を駆動し、駆動モータのトルクである駆動モータトルク、又は発電機のトルクである発電機トルクを発生させるために、電動駆動装置が配設される。また、駆動モータを駆動するために駆動モータ制御装置が、発電機を駆動するために発電機制御装置が、電動機械制御装置として配設され、該電動機械制御装置において発生させられたU相、V相及びW相のパルス幅変調信号をインバータに送り、該インバータにおいて発生させられた相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流を前記各ステータコイルに供給することによって、前記駆動モータトルクを発生させたり、発電機トルクを発生させたりするようになっている。
前記駆動モータ制御装置においては、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われる。そのために、前記駆動モータ制御装置は、各ステータコイルに供給される電流、ロータの磁極位置、インバータの入口の直流電圧等を検出し、検出された電流、すなわち、検出電流を磁極位置に基づいてd軸電流及びq軸電流に変換し、続いて、電流指令値マップを参照してd軸電流及びq軸電流の目標値を表すd軸電流指令値及びq軸電流指令値を算出し、前記d軸電流とd軸電流指令値との偏差、q軸電流とq軸電流指令値との偏差、及び駆動モータのパラメータに基づいてd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を算出するようにしている。
そして、前記電流指令値マップには、駆動モータトルクの目標値を表す駆動モータ目標トルク、前記直流電圧及び駆動モータの回転速度を表す角速度に対応させて、d軸電流指令値及びq軸電流指令値が記録される。なお、前記パラメータは、逆起電圧定数MIf、各ステータコイルの巻線抵抗Ra、インダクタンスLd、Lq等から成る。
また、同様に、発電機制御装置においても、d−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われる。
ところで、例えば、駆動モータにおいては、ロータに永久磁石が配設され、ステータのコアに複数の歯が形成され、該歯にコイルが巻装されるようになっているので、ロータが回転するのに伴って、磁束分布が変化し、磁石トルクが変化するとともに、リラクタンストルクが変化して、トルクリプルが発生する。そこで、前記駆動モータ制御装置において、駆動モータに逆位相のトルクを生じさせる高調波の電流指令値を算出し、駆動モータ又は発電機を駆動して、トルクリプルが発生するのを抑制するようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−64909号公報
しかしながら、前記従来の駆動モータ制御装置においては、駆動モータを駆動する際に発生させられる磁束が温度に依存するので、温度が変化するのに伴ってトルクリプルの量も変化する。したがって、電動車両に搭載される駆動用モータのように、極低温から高温までの温度条件で駆動する必要がある場合には、トルクリプルが発生するのを十分に抑制することができない。
本発明は、前記従来の駆動モータ制御装置の問題点を解決して、極低温から高温までの温度条件で電動機械を駆動する必要がある場合に、トルクリプルが発生するのを十分に抑制することができる電動駆動制御装置及び電動駆動制御方法を提供することを目的とする。
そのために、本発明の電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出する電動機械目標トルク算出処理手段と、前記電動機械の磁極位置に対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出する高調波トルク指令値算出処理手段と、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正する高調波トルク指令値温度補正処理手段と、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段とを有する。
本発明の他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記電動機械目標トルクで電動機械を駆動したときに発生するトルクリプルに対して逆位相の高調波トルク指令値を算出する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記電動機械目標トルク算出処理手段は、前記電動機械目標トルク及び磁極位置に基づいて高調波トルク指令値を算出する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記所定の箇所の温度と標準温度との温度差に対応させて設定された補正係数に基づいて高調波トルク指令値を算出する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記所定の箇所の温度が標準温度より高い場合に、前記温度差に応じて高調波トルク指令値の振幅を小さくし、前記所定の箇所の温度が標準温度より低い場合に、温度差に応じて高調波トルク指令値の振幅を大きくする。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記所定の箇所の温度に基づいて、電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段を有する。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記所定の箇所の温度は電動機械の磁石温度である。
本発明の更に他の電動駆動制御装置においては、さらに、前記磁石温度は、電動機械を冷却するオイル温度に基づいて推定される。
本発明の電動駆動制御方法においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出し、前記電動機械の磁極位置に対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出し、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正し、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正する。
本発明によれば、電動駆動制御装置においては、電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出する電動機械目標トルク算出処理手段と、前記電動機械の磁極位置に対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出する高調波トルク指令値算出処理手段と、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正する高調波トルク指令値温度補正処理手段と、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段とを有する。
この場合、電動機械の所定の箇所の温度に基づいて高調波トルク指令値が補正され、該補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクが補正されるので、磁束の変化を考慮して電動機械目標トルクを発生させることができる。したがって、前記所定の箇所の温度が変化しても、電動機械目標トルクを安定させることができる。
その結果、電動機械が電動車両に搭載され、極低温から高温までの温度条件で駆動されても、トルクリプルが発生するのを十分に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、電動車両としての電気自動車、ハイブリッド型車両等に搭載された電動駆動装置、及び該電動駆動装置を作動させるための電動駆動制御装置について説明する。また、電動機械としての駆動モータ31について、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置について説明する。
図1は本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置のブロック図、図2は本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図、図3は本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図、図4は本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図、図5は本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。なお、図3において、横軸に角速度ωを、縦軸に最大駆動モータ目標トルクTMmax* を、図4において、横軸に駆動モータ31のトルクである駆動モータトルクTMの目標値を表す駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にd軸電流指令値id* を、図5において、横軸にd軸電流指令値id* を、縦軸にq軸電流指令値iq* を採ってある。
図において、31は駆動モータであり、該駆動モータ31は、例えば、電気自動車の駆動軸等に取り付けられ、回転自在に配設された図示されないロータ、及び該ロータより径方向外方に配設されたステータを備える。前記ロータは、ロータコア、及び該ロータコアの円周方向における複数箇所に等ピッチで配設された永久磁石を備え、該永久磁石のS極及びN極によって磁極対が構成される。また、前記ステータは、円周方向における複数箇所に、径方向内方に向けて突出させて複数の歯が形成されたステータコア、並びに前記複数の歯に巻装されたU相、V相及びW相のコイルとしてのステータコイル11〜13を備える。
前記ロータの出力軸に、該ロータの磁極位置を検出するための磁極位置検出部として磁極位置センサ21が配設され、該磁極位置センサ21は、センサ出力として磁極位置信号SGθを発生させ、電動機械制御装置としての駆動モータ制御装置45に送る。なお、磁極位置検出部として、前記磁極位置センサ21に代えてレゾルバを配設し、該レゾルバによって磁極位置信号を発生させることができる。
そして、前記駆動モータ31を駆動して電気自動車を走行させるために、バッテリ14からの直流の電流が、電流発生装置としてのインバータ40によって相電流、すなわち、U相、V相及びW相の電流Iu、Iv、Iwに変換され、該各相の電流Iu、Iv、Iwはそれぞれ各ステータコイル11〜13に供給される。
そのために、前記インバータ40は、6個のスイッチング素子としてのトランジスタTr1〜Tr6を備え、ドライブ回路51において発生させられた駆動信号を各トランジスタTr1〜Tr6に送り、各トランジスタTr1〜Tr6を選択的にオン・オフさせることによって、前記各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させることができるようになっている。前記インバータ40として、2〜6個のスイッチング素子を一つのパッケージに組み込むことによって形成されたIGBT等のパワーモジュールを使用したり、IGBTにドライブ回路等を組み込むことによって形成されたIPMを使用したりすることができる。
前記バッテリ14からインバータ40に電流を供給する際の入口側に電圧検出部としての電圧センサ15が配設され、該電圧センサ15は、インバータ40の入口側の直流電圧Vdcを検出し、駆動モータ制御装置45に送る。なお、直流電圧Vdcとしてバッテリ電圧を使用することもでき、その場合、前記バッテリ14に電圧検出部としてバッテリ電圧センサが配設される。
そして、前記駆動モータ31、インバータ40、ドライブ回路51、図示されない駆動輪等によって電動駆動装置が構成される。また、16は駆動モータ31を冷却するための潤滑用の油の温度、すなわち、オイル温度toを検出する温度検出部としての温度センサ、17はコンデンサである。
ところで、前記ステータコイル11〜13はスター結線されているので、各相のうちの二つの相の電流の値が決まると、残りの一つの相の電流の値も決まる。したがって、各相の電流Iu、Iv、Iwを制御するために、例えば、U相及びV相のステータコイル11、12のリード線に、U相及びV相の電流Iu、Ivを検出する電流検出部としての電流センサ33、34が配設され、該電流センサ33、34によって検出された電流は、検出電流iu、ivとして駆動モータ制御装置45に送られる。
該駆動モータ制御装置45には、コンピュータとして機能する図示されないCPUのほかに、データを記録したり、各種のプログラムを記録したりするためのRAM、ROM等の図示されない記録装置が配設され、該記録装置に第1、第2の電流指令値マップが設定される。なお、CPUに代えてMPUを使用することができる。
そして、前記ROMには、各種のプログラム、データ等が記録されるようになっているが、プログラム、データ等を、外部記憶装置として配設された図示されないハードディスク等の他の記録媒体に記録することもできる。その場合、例えば、前記駆動モータ制御装置45にフラッシュメモリを配設し、前記記録媒体から前記プログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリに記録する。したがって、外部の記録媒体を交換することによって、前記プログラム、データ等を更新することができる。
次に、前記駆動モータ制御装置45の動作について説明する。
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない位置検出処理手段は、位置検出処理を行い、前記磁極位置センサ21から送られた磁極位置信号SGθを読み込み、該磁極位置信号SGθに基づいて磁極位置θを検出する。また、前記位置検出処理手段の回転速度算出処理手段は、回転速度算出処理を行い、前記磁極位置信号SGθに基づいて駆動モータ31の角速度ωを算出する。なお、前記回転速度算出処理手段は、磁極数をpとしたとき、前記角速度ωに基づいて駆動モータ31の回転速度である駆動モータ回転速度NM
NM=60・(2/p)・ω/2π
も算出する。該駆動モータ回転速度NMによって電動機械回転速度が構成される。
また、前記駆動モータ制御装置45の図示されない検出電流取得処理手段は、検出電流取得処理を行い、前記検出電流iu、ivを読み込んで取得するとともに、前記検出電流iu、ivに基づいて検出電流iw
iw=−iu−iv
を算出することによって取得する。
次に、前記駆動モータ制御装置45の図示されない駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ制御処理を行い、駆動モータ目標トルクTM* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。なお、駆動モータトルクTMによって電動機械トルクが、駆動モータ目標トルクTM* によって電動機械目標トルクが構成される。また、本実施の形態においては、前記駆動モータ制御装置45において、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御が行われるようになっている。
そのために、前記駆動モータ制御装置45の図示されない車速検出処理手段は、車速検出処理を行い、前記駆動モータ回転速度NMに基づいて、駆動モータ回転速度NMに対応する車速Vを検出し、検出された車速Vを、電気自動車の全体の制御を行う図示されない車両制御装置に送る。そして、該車両制御装置の車両用指令値算出処理手段は、車両用指令値算出処理を行い、前記車速V及びアクセル開度αを読み込み、該車速V及びアクセル開度αに基づいて車両要求トルクTO* を算出し、前記車両制御装置の電動機械目標トルク算出処理手段としての駆動モータ目標トルク算出処理手段は、電動機械目標トルク算出処理としての駆動モータ目標トルク算出処理を行い、前記車両要求トルクTO* に対応させて駆動モータ目標トルクTMa* を算出し、前記駆動モータ制御装置45に送る。
次に、前記駆動モータ制御処理手段は、駆動モータ目標トルクTMa* 、検出電流iu、iv、iw、磁極位置θ、直流電圧Vdc等に基づいて駆動モータ31を駆動する。
そのために、前記駆動モータ制御処理手段は、トルク指令値補正処理手段としてのトルク指令値補正部20、電流指令値算出・調整処理手段としての電流指令値算出部46、弱め界磁制御処理手段としての弱め界磁制御処理部47、電圧指令値算出処理手段としての電圧指令値算出処理部48、第1の相変換処理手段としての三相二相変換部49、及び出力信号発生処理手段としてのPWM発生器50を備え、ロータにおける磁極対の方向にd軸を、該d軸と直角の方向にq軸をそれぞれ採ったd−q軸モデル上でベクトル制御演算によるフィードバック制御を行う。
前記トルク指令値補正部20は、前記駆動モータ目標トルク算出処理手段から駆動モータ目標トルクTMa* が送られると、トルク指令値補正処理を行い、前記磁極位置θ、オイル温度to及び駆動モータ目標トルクTMa* を読み込み、磁極位置θ及びオイル温度toに基づいて、トルクリプルが発生するのを抑制することができるように駆動モータ目標トルクTMa* を補正し、補正後の駆動モータ目標トルクTM* をd軸電流指令値算出部53に送る。
前記電流指令値算出部46は、電流指令値算出・調整処理を行うために、第1の電流指令値算出処理手段としてのd軸電流指令値算出部53及び減算器55、並びに第2の電流指令値算出処理手段としてのq軸電流指令値算出部54を備え、前記d軸電流指令値算出部53及び減算器55は、第1の電流指令値算出処理を行い、d軸電流idの目標値を表す第1の電流指令値としてのd軸電流指令値id* を算出し、q軸電流指令値算出部54は、第2の電流指令値算出処理を行い、q軸電流iqの目標値を表す第2の電流指令値としてのq軸電流指令値iq* を算出する。なお、前記d軸電流指令値算出部53によって最大トルク制御処理手段が、q軸電流指令値算出部54によって等トルク制御処理手段が、減算器55によって電流指令値調整処理手段が構成される。
また、弱め界磁制御処理部47は、電圧飽和指標算出処理手段としての減算器58、及び電圧飽和判定処理手段としての、かつ、調整値算出処理手段としての積分器59を備え、弱め界磁制御処理を行い、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)が低くなったり、角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)が高くなると、自動的に弱め界磁制御を行う。
そして、前記電圧指令値算出処理部48は、電圧指令値算出処理を行うために、電流制御処理手段としての電流制御部61、及び電圧制御処理手段としての電圧制御部62を備え、前記電流制御部61は電流制御処理を行い、第1、第2の軸電圧指令値としてのd軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を算出し、前記電圧制御部62は電圧制御処理を行い、第1〜第3の相電圧指令値としての電圧指令値vu* 、vv* 、vw* を算出する。なお、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び各電圧指令値vu* 、vv* 、vw* によって電圧指令値が構成される。
次に、前記駆動モータ制御処理手段の動作について説明する。
まず、前記駆動モータ制御装置45の図示されない運転条件算出処理手段は、運転条件算出処理を行い、直流電圧Vdcを角速度ωで除算することによって、d軸電流指令値id* を制限するための運転条件を表す電流制限パラメータ(電圧速度比)Vdc/ωを算出する。
そして、前記電流指令値算出部46は、駆動モータ目標トルクTM* 及び電流制限パラメータVdc/ωを読み込み、d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を算出する。
そのために、前記d軸電流指令値算出部53は、第1の電流指令値算出処理を行い、前記トルク指令値制限部22において制限された駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記記録装置に設定された図4に示される第1の電流指令値マップを参照し、前記駆動モータ目標トルクTM* に対応するd軸電流指令値id* を読み込み、該d軸電流指令値id* を減算器55に送る。
この場合、前記第1の電流指令値マップにおいて、d軸電流指令値id* は、駆動モータ目標トルクTM* を達成するために電流振幅指令値の絶対値が最も小さくなるように設定される。
そして、前記第1の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が正の値を採るのに対して、d軸電流指令値id* は負の値を採る。また、駆動モータ目標トルクTM* が零(0)である場合、d軸電流指令値id* は零にされ、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるに伴ってd軸電流指令値id* は負の方向に大きくなるように設定される。
ところで、前記駆動モータ31においては、ロータが回転するのに伴って逆起電力が発生するが、直流電圧Vdc(又はバッテリ電圧)及び角速度ω(又は駆動モータ回転速度NM)によって決まる駆動モータ31の端子電圧が閾値を超えると、電圧飽和が発生し、駆動モータ31による出力が不可能になってしまう。
そこで、前記電圧制御部62の図示されない変調率算出処理手段は、変調率算出処理を行い、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 、直流電圧Vdc、及び磁極位置θを読み込み、電圧振幅|v|
Figure 2007274779
を、理論上の最大の電圧Vmax
Vmax=0.78×Vdc
によって除算することによって、変調率m
Figure 2007274779
を算出して減算器58に送る。なお、前記変調率mは、電圧飽和の程度を表す値であり、電圧飽和判定指標を構成する。
前記減算器58は、電圧飽和指標算出処理を行い、前記変調率mを読み込むとともに、あらかじめ算出された変調率mの指令値、すなわち、変調率指令値kを読み込み、電圧飽和の程度を表す指標である電圧飽和指標Δm
Δm=m−k
を算出し、電圧飽和指標Δmを積分器59に送る。
続いて、該積分器59は、電圧飽和判定処理及び弱め界磁電流算出処理を行い、制御タイミングごとに前記電圧飽和指標Δmを積算し、積算値ΣΔmを算出し、該積算値ΣΔmが正の値を採るかどうかによって電圧飽和が生じているかどうかを判断し、積算値ΣΔmが正の値を採り、電圧飽和が生じている場合、積算値ΣΔmに比例定数を乗算して弱め界磁制御を行うための調整値としての弱め界磁電流Δidを算出して設定し、減算器55及びq軸電流指令値算出部54に送る。そして、積算値ΣΔmが零以下の値を採り、電圧飽和が生じていない場合、積分器59は、前記弱め界磁電流Δidを零にする。
そして、減算器55は、電流指令値調整処理を行い、弱め界磁電流Δidを受け、前記d軸電流指令値id* から弱め界磁電流Δidを減算することによってd軸電流指令値id* を調整し、d軸電流指令値id* を電流制御部61に送る。
この場合、弱め界磁電流Δidが零の値を採る場合、実質的にd軸電流指令値id* の調整は行われず、弱め界磁制御も行われない。一方、弱め界磁電流Δidが正の値を採る場合、d軸電流指令値id* は調整されて値が負の方向に大きくされ、弱め界磁制御が行われる。
このようにして、d軸電流指令値id* が算出されると、前記q軸電流指令値算出部54は、駆動モータ目標トルクTM* を読み込み、前記第1の電流指令値マップを参照し、d軸電流指令値id* を読み込む。続いて、q軸電流指令値算出部54は、駆動モータ目標トルクTM* 、弱め界磁電流Δid等を読み込み、前記記録装置に設定された図5に示される第2の電流指令値マップを参照し、駆動モータ目標トルクTM* 及びd軸電流指令値id* に対応するq軸電流指令値iq* を算出し、該q軸電流指令値iq* を前記電流制御部61に送る。
なお、前記第2の電流指令値マップにおいて、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に大きくなり、駆動モータ目標トルクTM* が小さくなるほどd軸電流指令値id* が負の方向に、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなるように設定される。また、駆動モータ目標トルクTM* が一定の場合、d軸電流指令値id* が負の方向に大きくなると、q軸電流指令値iq* が正の方向に小さくなる。
したがって、前記弱め界磁電流Δidが零であり、弱め界磁制御が行われない場合、弱め界磁電流Δidは零であるので、例えば、図5に示されるように、d軸電流指令値算出部53から減算器55及びq軸電流指令値算出部54に送られたd軸電流指令値id* の値がida* である場合、d軸電流指令値id* は、値ida* のまま電流制御部61に送られ、前記q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* の値はiqa* になる。これに対して、弱め界磁電流Δidが正の値を採り、弱め界磁制御が行われる場合、例えば、減算器55に送られたd軸電流指令値id* の値がida* である場合、減算器55において、d軸電流指令値id* は、負の方向に弱め界磁電流Δidだけ大きい値idb* にされ、q軸電流指令値算出部54に送られ、q軸電流指令値算出部54においてq軸電流指令値iq* は値iqa* より正の方向に小さくされて、値iqb* になる。
このように、電圧飽和が発生するようになると、前記d軸電流指令値id* は、弱め界磁電流Δidの分だけ負の方向に大きくされ、弱め界磁制御領域で駆動モータ31を駆動することができ、駆動モータ31の運転領域を拡大することができる。
ところで、前記三相二相変換部49は、第1の相変換処理としての三相二相変換を行い、磁極位置θを読み込み、検出電流iu、iv、iwをそれぞれd軸電流id及びq軸電流iqに変換し、該d軸電流id及びq軸電流iqを実電流として算出し、電流制御部61に送る。そして、該電流制御部61は、減算器55及びq軸電流指令値算出部54から弱め界磁制御処理が行われた後のd軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* を受け、三相二相変換部49から前記d軸電流id及びq軸電流iqを受けると、フィードバック制御を行う。
そのために、電流制御部61は、前記d軸電流指令値id* とd軸電流idとの電流偏差δid、及びq軸電流指令値iq* とq軸電流iqとの電流偏差δiqを算出し、各電流偏差δid、δiqに基づいて、比例制御及び積分制御を行う。
すなわち、前記電流制御部61は、電流偏差δidに基づいて比例成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdp、及び積分成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzdiを算出し、電圧降下Vzdp、Vzdiを加算して、電圧降下Vzd
Vzd=Vzdp+Vzdi
を算出する。
また、前記電流制御部61は、角速度ω及びq軸電流iqを読み込み、角速度ω、q軸電流iq及びq軸インダクタンスLqに基づいて、q軸電流iqによって誘起される誘起電圧ed
ed=ω・Lq・iq
を算出するとともに、前記電圧降下Vzdから誘起電圧edを減算し、出力電圧としてのd軸電圧指令値vd*
vd* =Vzd−ed
=Vzd−ω・Lq・iq
を算出する。
また、電流制御部61は、電流偏差δiqに基づいて比例成分の電圧指令値を表す電圧降下Vzqp、及び積分項の電圧指令値を表す電圧降下Vzqiを算出し、電圧降下Vzqp、Vzqiを加算して、電圧降下Vzq
Vzq=Vzqp+Vzqi
を算出する。
また、電流制御部61は、角速度ω及びd軸電流idを読み込み、角速度ω、逆起電圧定数MIf、d軸電流id及びd軸上のインダクタンスLdに基づいて、d軸電流idによって誘起される誘起電圧eq
eq=ω(MIf+Ld・id)
を算出するとともに、電圧降下Vzqに誘起電圧eqを加算し、出力電圧としてのq軸電圧指令値vq*
vq* =Vzq+eq
=Vzq+ω(MIf+Ld・id)
を算出する。
続いて、前記電圧制御部62の図示されない第2の相変換処理手段としての二相三相変換部は、第2の相変換処理を行い、前記d軸電圧指令値vd* 、q軸電圧指令値vq* 及び磁極位置θを読み込み、d軸電圧指令値vd* 及びq軸電圧指令値vq* を電圧指令値vu* 、vv* 、vw* に変換し、該電圧指令値vu* 、vv* 、vw* をPWM発生器50に送る。
該PWM発生器50は、出力信号発生処理を行い、前記各相の電圧指令値vu* 、vv* 、vw* 及び前記直流電圧Vdcに基づいて、前記d軸電流指令値id* 及びq軸電流指令値iq* に対応するパルス幅を有する各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを出力信号として発生させ、前記ドライブ回路51に送る。
該ドライブ回路51は、前記各相のパルス幅変調信号Mu、Mv、Mwを受けて6個の駆動信号を発生させ、該駆動信号をインバータ40に送る。該インバータ40は、前記パルス幅変調信号Mu、Mv、Mwに基づいて、トランジスタTr1〜Tr6をスイッチングして各相の電流Iu、Iv、Iwを発生させ、該各相の電流Iu、Iv、Iwを前記駆動モータ31の各ステータコイル11〜13に供給する。
このように、駆動モータ目標トルクTM* に基づいてトルク制御が行われ、駆動モータ31が駆動されて電気自動車が走行させられる。
次に、前記駆動モータ31について説明する。
図6は本発明の実施の形態における駆動モータの要部を示す断面図である。
図において、31は駆動モータであり、該駆動モータ31は、ロータ65及びステータ66を備え、前記ロータ65は、コア67を備え、該コア67の外周面の近傍に永久磁石68が配設される。前記コア67は、8極構造を有し、コア67の円周方向における8箇所に、永久磁石68がN極及びS極を交互に置いて埋設される。また、ステータ66は、コア67を備え、該コア67の内周の近傍に48個の歯69が、円周方向に、かつ、ロータ65側に向けて突出させて、等ピッチで形成され、各歯69間に48個のスロット70が形成される。そして、前記各二つの歯69ごとに、図示されないU相、V相及びW相の各巻線が巻装される。
ところで、駆動モータ31を駆動し、ロータ65を矢印方向に回転させると、前記永久磁石68も同じ方向に回転させられることになる。そして、例えば、ロータ65の回転に伴って、S極が45〔°〕の角度だけ回転させられる(図6の左側のS極が右側のS極の位置に移動する)と、S極は、ステータ66側において、6個(本実施の形態においては、スロット70の数を極対数、すなわち、8で除算して得られる数)の相を通過することになり、永久磁石68による磁束分布が6回変化し、磁石トルクが6回変化する。また、S極が45〔°〕の角度だけ回転させられる間に、リラクタンストルクは、ロータ65における鉄心突極の数だけ、本実施の形態においては、2回変化する。
そこで、本実施の形態においては、駆動モータ31に逆位相のトルクを生じさせ、磁石トルク及びリラクタンストルクが変化するのに伴ってトルクリプル(本実施の形態においては、6次高調波)が発生するのを抑制するようにしている。
図7は本発明の実施の形態におけるトルク指令値補正部のブロック図、図8は本発明の実施の形態における高調波トルク指令値算出部の動作を示すタイムチャート、図9は本発明の実施の形態におけるトルク係数マップを示す図、図10は本発明の実施の形態における回転速度係数マップを示す図である。なお、図9において、横軸に駆動モータ目標トルクTM* を、縦軸にトルク係数ηTを、図10において、横軸に駆動モータ回転速度NMを、縦軸に回転速度係数ηNを採ってある。
図7において、20はトルク指令値補正部であり、該トルク指令値補正部20は、高調波トルク指令値算出処理手段としての高調波トルク指令値算出部81、温度推定処理手段としての温度推定部82、第1の温度補正処理手段としての高調波トルク指令値温度補正部83、及び第2の温度補正処理手段としてのトルク指令値補正部84を備える。
前記高調波トルク指令値算出部81は、高調波トルク指令値算出処理を行い、磁極位置θ及び駆動モータ目標トルクTMa* を読み込み、磁極位置θ、駆動モータ目標トルクTMa* 等に基づいて高調波トルク指令値δTM* を算出する。そのために、前記高調波トルク指令値算出部81の図示されない振幅算出処理手段は、振幅算出処理を行い、駆動モータ目標トルクTMa* を読み込むとともに、記録装置に設定された図9のトルク係数マップを参照して、駆動モータ目標トルクTMa* に対応するトルク係数ηTを読み出し、さらに、記録装置に設定された図10に示される回転速度係数マップを参照して、駆動モータ回転速度NMに対応する回転速度係数ηNを読み出し、高調波トルク指令値δTM* の振幅va
va=k1・TMa* ・ηT・ηN
を算出する。なお、k1は係数である。
続いて、前記高調波トルク指令値算出部81の図示されない位相算出処理手段は、位相算出処理を行い、あらかじめ設定され、記録装置に記録された高調波トルク指令値δTM* の位相α1を読み出すことによって算出する。
そして、前記高調波トルク指令値算出部81の図示されない指令値算出処理手段は、指令値算出処理を行い、前記振幅va、磁極位置θ、位相α1及び磁極対数、本実施の形態においては、6を読み込み、高調波トルク指令値δTM*
δTM* =va・sin(6×θ−α1)
を算出する。このようにして、図8に示されるように、磁極位置θに対応させて、所定の形状を有し、トルクリプルに対して逆位相の高調波トルク指令値δTM* を発生させることができる。
なお、前記トルク係数マップにおいて、図9に示されるように、駆動モータ目標トルクTM* が0以上であり、かつ、設定値T1未満の範囲で、トルク係数ηTは1にされ、駆動モータ目標トルクTM* が1以上になると、駆動モータ目標トルクTM* が大きくなるほどトルク係数ηTは小さくされ、駆動モータ目標トルクTM* が上限値T2に到達すると、トルク係数ηTは0にされる。
また、前記回転速度係数マップにおいて、図10に示されるように、駆動モータ回転速度NMが0以上であり、かつ、設定値N1未満の範囲で、回転速度係数ηNは1にされ、駆動モータ回転速度NMが1以上になると、駆動モータ回転速度NMが大きくなるほど回転速度係数ηNは小さくされ、駆動モータ回転速度NMが上限値N2に到達すると、回転速度係数ηNは0にされる。
一方、温度推定部82は、温度推定処理を行い、オイル温度toを読み込み、オイル温度toに遅延部材としての図示されないローパスフィルタを掛けることによって、駆動モータ31の所定の箇所の温度、本実施の形態においては、永久磁石68の温度を表す磁石温度tmを推定する。
そして、高調波トルク指令値温度補正部83は、第1の温度補正処理を行い、前記磁石温度tmに基づいて前記高調波トルク指令値δTM* を補正する。そのために、前記高調波トルク指令値温度補正部83は、高調波トルク指令値δTM* 及び磁石温度tmを読み込み、補正係数ρ1に基づいて、高調波トルク指令値ΔTM*
ΔTM* =ρ1・δTM* ・tm
を算出する。なお、前記補正係数ρ1は、磁石温度tmと、通常、永久磁石68が置かれる温度である標準温度treとの温度差Δtが高調波トルク指令値ΔTM* に与える影響を無くすために設定される。本実施の形態においては、高調波トルク指令値ΔTM* は、温度差Δtに対応させず、一定の値にされるが、温度差Δtに対応させて設定することができる。その場合、高調波トルク指令値算出処理手段は、磁石温度tmが標準温度treより高い場合に、温度差Δtに応じて高調波トルク指令値δTM* の振幅vaを小さくし、磁石温度tmが標準温度treより低い場合に、温度差Δtに応じて高調波トルク指令値δTM* の振幅vaを大きくする。
また、トルク指令値補正部84は、トルク指令値補正を行い、高調波トルク指令値ΔTM* 及び磁石温度tmに従って駆動モータ目標トルクTMa* を補正する。そのために、前記トルク指令値補正部84は、駆動モータ目標トルクTMa* 、高調波トルク指令値ΔTM* 、及び磁石温度tmを読み込み、補正係数ρ2に基づいて、駆動モータ目標トルクTM*
TM* =ρ2・tm・(TMa* +ΔTM*
を算出する。なお、前記補正係数ρ2は、磁石温度tmと標準温度treとの温度差Δtが駆動モータ目標トルクTM* に与える影響を無くすために設定される。本実施の形態においては、温度差Δtに対応させず、一定の値にされるが、温度差Δtに対応させて設定することができる。
このように、本実施の形態においては、トルクリプルに対して逆位相の高調波トルク指令値δTM* が発生させられ、該高調波トルク指令値δTM* が磁石温度tmに従って補正されるので、磁束の変化を考慮して駆動モータ目標トルクTM* を発生させることができる。したがって、磁石温度tmが変化しても、駆動モータ目標トルクTM* を安定させることができる。
その結果、駆動モータ31が、電気自動車に搭載され、極低温から高温までの温度条件下で駆動されても、トルクリプルが発生するのを十分に抑制することができる。
また、前記補正係数η1は、磁石温度tmと標準温度treとの温度差が高調波トルク指令値δTM* に与える影響を表し、前記補正係数ρ2は、磁石温度tmの標準温度treからの乖離(かいり)量が駆動モータ目標トルクTMa* に与える影響を表すので、単純な計算で高調波トルク指令値δTM* 及び駆動モータ目標トルクTM* を算出することができるだけでなく、駆動モータ制御装置45のCPUに加わる負荷を小さくすることができる。
そして、磁極位置θに基づいて高調波トルク指令値δTM* が算出されるので、磁石温度tmが変化し、磁束分布が変化してトルクリプルが変化したときに、高調波トルク指令値δTM* をトルクリプルに応じて算出することができる。
また、駆動モータ31を冷却する油の温度を検出するための温度センサ16を使用することができ、永久磁石68の温度を直接に検出するための温度センサを配設する必要がない。したがって、駆動モータ制御装置45のコストを低くすることができる。
そして、高調波トルク指令値δTM* 及び駆動モータ目標トルクTM* のいずれも、磁石温度tmによって補正することができるので、駆動モータ目標トルクTM* を精度を高くすることができる。
本実施の形態においては、駆動モータ31を駆動する場合について説明しているが、本発明を電動機械としての発電機を駆動する場合、並びに第1の電動機械としての駆動モータ、及び第2の電動機械としての発電機を駆動する場合に適用することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の実施の形態における駆動モータ制御装置のブロック図である。 本発明の実施の形態における電動駆動装置の概念図である。 本発明の実施の形態における最大駆動モータ目標トルクマップを示す図である。 本発明の実施の形態における第1の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における第2の電流指令値マップを示す図である。 本発明の実施の形態における駆動モータの要部を示す断面図である。 本発明の実施の形態におけるトルク指令値補正部のブロック図である。 本発明の実施の形態における高調波トルク指令値算出部の動作を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態におけるトルク係数マップを示す図である。 本発明の実施の形態における回転速度係数マップを示す図である。
符号の説明
20 トルク指令値補正部
45 駆動モータ制御装置
81 高調波トルク指令値算出部
82 温度推定部
83 高調波トルク指令値温度補正部
tm 磁石温度
TM* 駆動モータ目標トルク
to オイル温度
tre 標準温度
δTM* 高調波トルク指令値
Δt 温度差
θ 磁極位置
α1 位相
ρ1、ρ2 補正係数

Claims (9)

  1. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出する電動機械目標トルク算出処理手段と、前記電動機械の磁極位置に対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出する高調波トルク指令値算出処理手段と、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正する高調波トルク指令値温度補正処理手段と、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段とを有することを特徴とする電動駆動制御装置。
  2. 前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記電動機械目標トルクで電動機械を駆動したときに発生するトルクリプルに対して逆位相の高調波トルク指令値を算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  3. 前記電動機械目標トルク算出処理手段は、前記電動機械目標トルク及び磁極位置に基づいて高調波トルク指令値を算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  4. 前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記所定の箇所の温度と標準温度との温度差に対応させて設定された補正係数に基づいて高調波トルク指令値を算出する請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  5. 前記高調波トルク指令値算出処理手段は、前記所定の箇所の温度が標準温度より高い場合に、前記温度差に応じて高調波トルク指令値の振幅を小さくし、前記所定の箇所の温度が標準温度より低い場合に、温度差に応じて高調波トルク指令値の振幅を大きくする請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  6. 前記所定の箇所の温度に基づいて、電動機械目標トルクを補正するトルク指令値補正処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  7. 前記所定の箇所の温度は電動機械の磁石温度である請求項1に記載の電動駆動制御装置。
  8. 前記磁石温度は、電動機械を冷却するオイル温度に基づいて推定される請求項7に記載の電動駆動制御装置。
  9. 電動機械のトルクの目標値を表す電動機械目標トルクを算出し、前記電動機械の磁極位置に対応させて、所定の振幅及び位相の高調波トルク指令値を算出し、前記電動機械の所定の箇所の温度に基づいて前記高調波トルク指令値を補正し、前記補正された高調波トルク指令値に基づいて電動機械目標トルクを補正することを特徴とする電動駆動制御方法。
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