JP3643908B2 - ブラシレスdcモータ制御方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はブラシレスDCモータ制御方法およびその装置に関し、さらに詳細にいえば、エンコーダなどの位置センサを用いることなく、ブラシレスDCモータを最大効率で運転するための方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ブラシレスDCモータを制御するに当たって、回転子の回転位置を検出することが必須であることが知られている。そして、回転子の回転位置を検出するための方法として、ロータリーエンコーダを用いる方法、ホール素子などを用いる方法、120°通電波形を採用するとともに、誘起電圧のゼロクロスを検出する方法が知られている。
【0003】
これらの方法のうち、ロータリーエンコーダを用いる方法は、装置全体の著しいコストアップを招いてしまうので、ブラシレスDCモータを動力源とする家電製品などのようにコストダウンの要求が強いものには適用することができない。また、ホール素子などを用いる方法は、コンプレッサーのように高温、高圧などの過酷な環境を生成するものに組み込むことが著しく困難もしくは不可能である。
【0004】
これらと異なり、120°通電波形を採用するとともに、誘起電圧のゼロクロスを検出する方法は、ロータリーエンコーダを用いる方法、ホール素子などを用いる方法を適用することが困難な用途であっても簡単に適用することができる。
【0005】
また、以上のようにして検出された回転位置に基づいてブラシレスDCモータを制御するに当たって、従来は以下の制御方法が採用されていた。
【0006】
永久磁石を回転子の表面に装着してなるブラシレスDCモータ(以下、表面磁石モータと略称する)を制御するに当たっては、リラクタンストルクを発生しないので、d軸電流idを0にする制御方法が採用されている。
【0007】
また、永久磁石を回転子の内部に装着してなるブラシレスDCモータ(以下、埋込磁石モータ、またはIPMと略称する)を制御するに当たっては、リラクタンストルクを発生するので、id=0よりも電流位相を大きく進める制御方法が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転位置をセンサを用いることなく検出して埋込磁石モータを制御する場合には、一般的に120°通電を採用するとともに、誘起電圧のゼロクロスを検出して回転位置を検出するようにしているので、所望の電流位相βを得ることができない。
【0009】
また、従来の制御方法として、3次調波を用いて回転位置を検出し、供給電力を監視しながら埋込磁石モータを最大効率制御しようとする方法、および3次調波の振幅を監視しながら埋込磁石モータを最大効率制御しようとする方法が提案されている。
【0010】
しかし、前者の方法を採用した場合には、負荷が変動する環境では最大効率制御を行うことができず、また後者の方法を採用した場合には、3次調波の不正確性に起因して正確な位相制御を行うことができず、ひいては最大効率制御を達成することができない。
【0011】
さらに、上述した何れの方法においても、回転位置の検出が離散的であり緻密な制御を行うことができず、モータの運転状態によって、検出した回転位置が実際の回転位置からずれ易いという不都合がある。
【0012】
【発明の目的】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、回転位置センサを用いることなく埋込磁石モータを最大効率制御することができるブラシレスDCモータ制御方法およびその装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1のブラシレスDCモータ制御方法は、回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータを回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するに当たって、
最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータの各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にする方法である。
【0017】
請求項2のブラシレスDCモータ制御方法は、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出し、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正し、補正された位置信号を基準として電流位相を制御する方法である。
【0018】
請求項3のブラシレスDCモータ制御方法は、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御する方法である。
【0019】
請求項4のブラシレスDCモータ制御方法は、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御する方法である。
【0023】
請求項5のブラシレスDCモータ制御装置は、回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータを回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するものであって、
最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータの各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にする電流位相制御手段を含むものである。
【0025】
請求項6のブラシレスDCモータ制御装置は、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段と、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正する補正手段とをさらに含み、前記電流位相制御手段として、補正された位置信号を基準として電流位相を制御するものを採用するものである。
【0026】
請求項7のブラシレスDCモータ制御装置は、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する回転位置算出手段をさらに含み、前記電流位相制御手段として、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するものを採用するものである。
【0027】
請求項8のブラシレスDCモータ制御装置は、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子回転位置を算出する回転位置算出手段をさらに含み、前記電流位相制御手段として、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するものを採用するものである。
【0030】
請求項10のブラシレスDCモータ制御方法は、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避ける方法である。
【0031】
請求項11のブラシレスDCモータ制御方法は、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避ける方法である。
【0033】
請求項12のブラシレスDCモータ制御方法は、回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行う方法である。
【0034】
請求項13のブラシレスDCモータ制御方法は、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、ブラシレスDCモータを制御するに当たって、
回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定する方法である。
【0035】
請求項14のブラシレスDCモータ制御方法は、伝達関数Gが数1で表され、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負になるように伝達関数GのゲインKθとF(s)を設定する方法である。
【0036】
請求項15のブラシレスDCモータ制御方法は、固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行う方法である。
【0037】
請求項16のブラシレスDCモータ制御方法は、運転開始前にモータ機器定数を同定する方法である。
【0038】
請求項17のブラシレスDCモータ制御方法は、目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進める方法である。
【0039】
請求項18のブラシレスDCモータ制御方法は、ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動するものを採用する方法である。
【0040】
請求項19のブラシレスDCモータ制御装置は、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて磁束情報から回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、突極性を持つブラシレスDCモータを制御するものであって、
磁束がほぼ0であることに応答して動作ポイントを変更するようインバータを制御するインバータ制御手段を含むものである。
【0042】
請求項20のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものを採用するものである。
【0043】
請求項21のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものを採用するものである。
【0045】
請求項22のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものを採用するものである。
【0046】
請求項23のブラシレスDCモータ制御装置は、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、ブラシレスDCモータを制御するものであって、
伝達関数を用いて回転位置推定を行うとともに、回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定するインバータ制御手段を含むものである。
【0047】
請求項24のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、数1で表される伝達関数Gを採用し、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負になるように伝達関数GのゲインKθとF(s)を設定するものを採用するものである。
【0048】
請求項25のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものを採用するものである。
【0049】
請求項26のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、運転開始前にモータ機器定数を同定するものを採用するものである。
【0050】
請求項27のブラシレスDCモータ制御装置は、前記インバータ制御手段として、目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進めるものを採用するものである。
【0051】
請求項28のブラシレスDCモータ制御装置は、ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動するものを採用するものである。
【0054】
【作用】
請求項1のブラシレスDCモータ制御方法であれば、回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータを回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するに当たって、
最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータの各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にするのであるから、位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出することができるとともに、目標電流位相を測定する必要がなく、処理を簡単化することができ、しかも最大効率制御を達成することができる。
【0056】
請求項2のブラシレスDCモータ制御方法であれば、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出し、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正し、補正された位置信号を基準として電流位相を制御するのであるから、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0057】
請求項3のブラシレスDCモータ制御方法であれば、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するのであるから、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0058】
請求項4のブラシレスDCモータ制御方法であれば、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するのであるから、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0063】
請求項5のブラシレスDCモータ制御装置であれば、回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータを回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するに当たって、
電流位相制御手段によって、最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータの各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にすることができる。
したがって、位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出することができるとともに、目標電流位相を測定する必要がなく、処理を簡単化することができ、しかも最大効率制御を達成することができる。
【0065】
請求項6のブラシレスDCモータ制御装置であれば、回転位置検出手段によって、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出し、補正手段によって、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正し、電流位相制御手段によって、補正された位置信号を基準として電流位相を制御することができる。
【0066】
したがって、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0067】
請求項7のブラシレスDCモータ制御装置であれば、回転位置算出手段によって、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出し、電流位相制御手段によって、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御することができる。
【0068】
したがって、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0069】
請求項8のブラシレスDCモータ制御装置であれば、回転位置算出手段によって、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子回転位置を算出し、電流位相制御手段によって、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御することができる。
【0070】
したがって、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができる。
【0071】
請求項9のブラシレスDCモータ制御方法であれば、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて磁束情報から回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、突極性を持つブラシレスDCモータを制御するに当たって、
磁束がほぼ0であることに応答して動作ポイントを変更するようインバータを制御するのであるから、モータの構造に左右されることなく適用範囲を拡大することができ、しかも、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができ、さらに、位置推定不能による脱調を避けることができる。
【0073】
請求項10のブラシレスDCモータ制御方法であれば、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるのであるから、請求項9と同様の作用を達成することができる。
【0074】
請求項11のブラシレスDCモータ制御方法であれば、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるのであるから、請求項9と同様の作用を達成することができる。
【0076】
請求項12のブラシレスDCモータ制御方法であれば、回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うのであるから、請求項9から請求項11の何れかの効果に加え、電流、角速度の変動が小さい用途に好適に適用することができる。
【0077】
請求項13のブラシレスDCモータ制御方法であれば、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、ブラシレスDCモータを制御するに当たって、
回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定するのであるから、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができる。
【0078】
請求項14のブラシレスDCモータ制御方法であれば、伝達関数Gが数1で表され、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負になるように伝達関数GのゲインKθとF(s)を設定するのであるから、請求項13と同様の作用を達成することができる。
【0079】
請求項15のブラシレスDCモータ制御方法であれば、固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うのであるから、請求項9から請求項11の何れかの効果に加え、電流や角速度変化に拘わらず正確に回転子の回転位置の推定を行うことができる。
【0080】
請求項16のブラシレスDCモータ制御方法であれば、運転開始前にモータ機器定数を同定するのであるから、請求項9から請求項15の何れかの効果に加え、正確に回転子の回転位置の推定を行うことができる。
【0081】
請求項17のブラシレスDCモータ制御方法であれば、目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進めるのであるから、請求項9から請求項16の何れかの効果に加え、ブラシレスDCモータの運転範囲を高速側に拡大することができる。
【0082】
請求項18のブラシレスDCモータ制御方法であれば、ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動するものを採用するのであるから、請求項9から請求項17の何れかの効果に加え、負荷変動が大きく、かつ高速動作させる必要がある圧縮機を安定に駆動することができる。
【0083】
請求項19のブラシレスDCモータ制御装置であれば、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて磁束情報から回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、突極性を持つブラシレスDCモータを制御するに当たって、
インバータ制御手段によって、磁束がほぼ0であることに応答して動作ポイントを変更するようインバータを制御することができる。
【0084】
したがって、モータの構造に左右されることなく適用範囲を拡大することができ、しかも、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができ、さらに、位置推定不能による脱調を避けることができる。
【0086】
請求項20のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものを採用するのであるから、請求項19と同様の作用を達成することができる。
【0087】
請求項21のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものを採用するのであるから、請求項19と同様の作用を達成することができる。
【0090】
請求項22のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものを採用するのであるから、請求項19から請求項21の何れかの効果に加え、電流、角速度の変動が小さい用途に好適に適用することができる。
【0091】
請求項23のブラシレスDCモータ制御装置であれば、モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータを制御し、ブラシレスDCモータを制御するに当たって、
インバータ制御手段によって、伝達関数を用いて回転位置推定を行うとともに、回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定することができる。
【0092】
したがって、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができる。
【0093】
請求項24のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、数1で表される伝達関数Gを採用し、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負になるように伝達関数GのゲインKθとF(s)を設定するものを採用するのであるから、請求項23と同様の作用を達成することができる。
【0094】
請求項25のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものを採用するのであるから、請求項19から請求項21の何れかの効果に加え、電流や角速度変化に拘わらず正確に回転子の回転位置の推定を行うことができる。
【0095】
請求項26のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、運転開始前にモータ機器定数を同定するものを採用するのであるから、請求項19から請求項25の何れかの効果に加え、正確に回転子の回転位置の推定を行うことができる。
【0096】
請求項27のブラシレスDCモータ制御装置であれば、前記インバータ制御手段として、目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進めるものを採用するのであるから、請求項19から請求項26の何れかの効果に加え、ブラシレスDCモータの運転範囲を高速側に拡大することができる。
【0097】
請求項28のブラシレスDCモータ制御装置であれば、ブラシレスDCモータとして圧縮機を駆動するものを採用するのであるから、請求項19から請求項27の何れかの作用に加え、負荷変動が大きく、かつ高速動作させる必要がある圧縮機を安定に駆動することができる。
【0098】
さらに説明する。
【0099】
「IPMモータのセンサレス制御」、モータ技術シンポジウムB−5、99/3月に記載された数式数2、数3、数4、数5、数6に座標変換の式数7を代入し、dq軸上の電圧Vdq、電流idqおよび真の回転子角度θを用いてモータ逆モデルとフィードバックを用いた系に書き直すと図8に示すようになる。
【0100】
【数2】
【0101】
【数3】
【0102】
【数4】
【0103】
【数5】
【0104】
【数6】
【0105】
【数7】
なお、図8中において、θは電気角、ωは電気角速度、vγ、vδはγδ軸電圧、iγ、iδはγδ電流、εγ、εδはγδ軸誘起電圧、φは永久磁石による電機子鎖交磁束、Rは電機子抵抗、Ld、Lqはdq軸インダクタンス、sは微分演算子、^は推定値を、それぞれ示している。また、図8中のI、vγδ、iγδ、εγδ、LI、LJ、θe、T(θe)、αI、βIは数8に示すとおりである。
【0106】
【数8】
さらに、フィードバックループ中の非線形要素を線形化すると(cosθe→1、sinθe→θe、^ω→ωとすると)、図9に示すブロック構成が得られる。
【0107】
図9のブロック構成を用い、idqが周期的な場合の収束性を考える。線形近似ブロック線図よりxγは数9で与えられる。
【0108】
【数9】
ここで、数9の{}内をa0+a1ssinθ1+a1ccosθ1、
θe=e0+e1ssinθ1+e1ccosθ1+e2ssin2θ1+e2ccos2θ1の場合を考える。xγは数10となる。
【0109】
【数10】
θeは検出できないので、代わりにxγのDC成分と1次成分とを0に制御(kθ→∞が必要)すると、数9中の点線部が0になるようにe0、e1s、e1cが調整される。数10より目的(e0=e1s=e1c=0)を達成するためには、a0≠0、かつa1s=a1c=0であればよい。そして、前者は、{φ+(Ld−Lq)id}ωの平均値が0でないことと等価であり、後者は、{φω+(Ld−Lq)[ωs −s]idq}の1次成分、2次成分が0であることと等価である。これは、ωが一定、かつLd=Lqまたはid、iqが一定であることと等価である。
【0110】
この結果、^θ→θとなるために十分な条件は、安定、かつ(1)θeは小さい(cosθe→1、sinθe→θe)、(2)φ以外の機器定数(R、Ld、Lq)のずれなし、(3)kθ=∞、(4)^ω=ω=一定、(5)Ld=Lqまたはid、iqが一定、(6){φ+(Ld−Lq)id}ωの平均値が0でない、を満たすことである。 この際、特に(Ld−Lq)id+φ≠0、および安定性確保は位置検出のための絶対条件であるが、他は誤差縮小のための条件である。
【0111】
また、モータ逆モデルを用い、かつセンサを用いることなく位置検出を行うための他のブロック構成を図10に示す。
【0112】
なお、図10において、θは電気角、ωは電気角速度、γδ座標は^θ回転座標、αβ座標は2相直交固定子座標、vγ、vδはγδ軸電圧、vα、vβはαβ軸電圧、iα、iβはαβ軸電流、φは電機子鎖交磁束、Rは電機子抵抗、Ld、Lqはdq軸インダクタンス、sは微分演算子、^は推定値、 ̄はセンサ値を、それぞれ示している。また、図10中のLp、Lm、、vγδ、vαβ、iαβ、Φαβ、f(θ)は数11に示すとおりである。
【0113】
【数11】
そして、このブロック構成を採用した場合にも、{(Ld−Lq)Φαβ Tiαβ+φ}=(Ld−Lq)id+φ≠0が位置検出のための条件であることが分かる。
【0114】
図11にd軸を基準とした電流位相と2相変換後の電流値Iaに対するΨ=(Ld−Lq)id+φのグラフを示す。
【0115】
電流位相が−50°から−130°、Ia>7Aの領域でΨ=0が認められ、この領域では位置検出が不可能になる可能性があることが分かる。なお、Iaは3相モータにおける相電流のピーク値の(3/2)1/2である。
【0116】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、この発明のブラシレスDCモータ制御方法およびその装置の実施の態様を詳細に説明する。
【0117】
図1はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【0118】
このブラシレスDCモータ制御装置は、直流電力を入力とするインバータ(電圧形インバータであることが好ましい)1からの出力を、回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータ2に供給している。そして、位置センサを用いることなくブラシレスDCモータ2の回転子の回転位置θを検出するとともに、回転速度ωを検出する回転子回転位置検出部3と、外部から与えられる速度指令および検出された回転速度ωを入力として速度制御演算を行って電流位相指令および電流振幅指令を出力する速度制御部4と、回転位置θ、電流位相指令および電流振幅指令を入力として電流制御演算を行ってPWM(パルス幅変調)指令を出力し、インバータ1に供給する電流制御部5とを有している。
【0119】
前記回転子回転位置検出部3では、位置検出部において、ブラシレスDCモータ12の固定子巻線の中性点の電圧と固定子巻線の端子電圧の平均値との差を算出し、差電圧のゼロクロスを検出し、検出されたゼロクロスから回転子の予測位置を得て出力し、位置補正部において、差電圧の振幅と差電圧の位相誤差との関係を予め求めておき、それを打ち消すように、位置検出部から出力される予測位置を補正する。これにより、回転子の回転位置を正確に検出する。
【0120】
ただし、上記位置補正部に代えて、差電圧の振幅、差電圧の積分信号の振幅、ブラシレスDCモータの相電流、ブラシレスDCモータの相電圧、インバータの入力電流(DC電流)、インバータの入力電圧(DC電圧)、ブラシレスDCモータの回転数、インバータ内部情報{パルス幅変調(PWM)指令、回転速度など}から選択された少なくとも1つの値を入力として補正量を算出し、算出された補正量に基づいて位置検出部から出力される仮の予測位置を補正して、補正後の予測位置として出力する位置補正部を採用することが可能である。
【0121】
また、上記位置補正部に代えて、差電圧の振幅およびブラシレスDCモータの相電流の振幅を入力として補正量(補正角度)を出力する補正マップと、位置検出部から出力される回転子の仮の予測位置に対して補正量を加算して補正後の予測位置を得て出力する加算部とを採用することも可能である。
【0122】
さらに、差電圧を入力として回転子の第1の仮の予測位置を出力する第1位置検出部と、相電圧PWM指令および回転子位置を入力としてモデル化された差電圧を出力するモータモデルと、モデル化された差電圧を入力として回転子の第2の仮の予測位置を出力する第2位置検出部と、第1の仮の予測位置と第2の仮の予測位置との差を算出する差算出部と、予測位置どうしの差を入力としてこれを0にする補正量(補正角度)を得て出力する補正量出力部と、第1の仮の予測位置から補正量を減算して補正後の予測位置(上記回転子位置)を得て出力する減算部とを有する構成を採用することも可能である。この場合において、差電圧の振幅を検出する第1振幅検出部と、モデル化された差電圧の振幅を検出する第2振幅検出部と、両振幅の差を算出する差振幅算出部とをさらに有するとともに、補正量出力部に代えて、予測位置どうしの差および両振幅の差を入力としてこれらを0にする補正量(補正角度)を得て出力する補正量出力部を採用することも可能である。
【0123】
さらにまた、差電圧を入力として、回転子の第1の仮の予測位置を出力する第1位置検出部と、ブラシレスDCモータの相電圧および相電流を入力として回転子の第2の仮の予測位置を出力する第2位置検出部と、第1の仮の予測位置と第2の仮の予測位置との差を算出する差算出部と、算出された差を入力として記憶する誤差記憶部と、第1の仮の予測位置に対して誤差記憶部に記憶されている誤差を加算して補正後の予測位置として出力する加算部とを有する構成を採用することも可能である(特願平10−315035号参照)。
【0124】
また、前記回転子回転位置検出部3においては、指令電圧とモータ電流とから速度起電力を推定し、推定速度起電力に対応してγ−δ軸を定義し、推定速度起電力を、所定の大きさのq軸方向ベクトルとして表現される速度起電力に一致させる制御を行って、回転子の回転位置と速度とを推定する(具体的には、推定速度起電力の方向により推定回転位置を得、推定速度起電力の大きさにより推定速度を得る)(「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」、竹下隆晴他、T.IEE Japan,Vol.117−D,No.1,’97参照)。
【0125】
また、前記回転子回転位置検出部3においては、モータ端子電圧と電流に含まれる高調波成分を抽出し(インバータの平均出力電圧ベクトルと各インバータ出力電圧ベクトルとの差を算出することによりモータ端子電圧に含まれる高調波成分を抽出するとともに、変調期間内で用いない電圧ベクトルによる電流ベクトルの変化量から、変調期間に対する所定期間における変調周期の最初と最後の電流ベクトルの差を算出することによりモータ電流ベクトルの高調波成分を抽出する)、回転子の回転位置を推定することもできる(1変調周期の高調波成分に対する方程式に対して左側疑似逆行列を用いてインダクタンス行列を求め、このインダクタンス行列から回転子の回転位置を推定する)(「突極性に基づく位置推定法を用いた位置センサレスIPMモータ駆動システム」、小笠原悟司他、T.IEE Japan,Vol.118−D,No.5,’98参照)。
【0126】
前記速度制御部4においては、速度指令と回転速度とから発生すべきトルクを修正し、新たな電流位相指令および電流振幅指令を出力する。具体的には、(1)速度指令と回転速度とから電流振幅指令を算出し(PI制御などで、一般には回転速度が遅ければ電流指令増加方向に動かし)、(2)修正された電流振幅指令、修正前の電流位相指令から次式の演算を行ってトルクTを算出して、ブラシレスDCモータ2を最大効率にするための電流位相を算出・出力し、(3)修正された電流振幅指令、電流位相指令から次式の演算を行ってトルクTを算出して、ブラシレスDCモータ2を最大効率にするための電流位相を算出・出力し、(4)(3)の処理を適宜繰り返して行う。
T=Pn{φ+(Ld−Lq)(−Isinβ)}Icosβ
ここで、Pnは極対数、Iは電流振幅、βは電流位相である。
【0127】
もちろん、正確かつ高速にトルクを制御する必要がある場合には、電流位相を組み込んだトルク式から、逆問題を解いて電流振幅指令、電流位相指令を直接算出することもできる。
【0128】
前記電流制御部5においては、電流振幅指令、電流位相指令、回転子の回転位置(又は回転速度)から、次の演算を行って直接PWM指令を生成することができる。
【0129】
回転座標系(d、q軸)で表したIPMの電圧方程式は数12で示される。
【0130】
【数12】
ここで、Raは巻線抵抗、ωは回転速度、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸インダクタンス、Id、Iqはそれぞれd軸、q軸電流、Vd、Vqはそれぞれd軸、q軸電圧、φは鎖交磁束数を表している。
【0131】
したがって、電流指令と回転速度とを用いてd軸、q軸電圧Vd、Vqを算出できることが分かる。
【0132】
この時、電圧振幅V、および電圧位相δは、
V=(Vd 2+Vq 2)1/2
δ=tan-1(−Vd/Vq)
と表され、相電圧Vu(Vv、Vwも位相が120°ずつシフトしている他は同様)は、
Vu=(2/3)1/2Vsin(θ+δ)
と表される。
【0133】
上記の構成のブラシレスDCモータ制御装置を採用した場合には、回転子位置に従って最大効率になる電流位相でブラシレスDCモータにモータ電流を供給するため、負荷が変動する環境にあっても最大効率制御を行うことができるだけでなく、安定に最大効率制御を行うことができる。
【0134】
また、電流制御部5として、電流位相指令、電流振幅指令、回転子回転位置(回転速度)から直接PWM信号を作成するものを採用し、回転子回転位置検出部として、固定子巻線の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転しの回転位置を検出するものを採用し、検出された回転位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正する(特願平10−315035号参照)ことで回転子回転位置、回転速度を算出して制御を行えば、電流センサなどが不要となり、低コストに位置センサレスでの最大効率制御が実現できる。
【0135】
図2はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図である。
【0136】
このブラシレスDCモータ制御装置は、直流電力を入力とするインバータ(電圧形インバータであることが好ましい)11からの出力をブラシレスDCモータ12に供給している。そして、回転子の回転位置θおよび回転速度ωを回転子回転位置検出部13によって検出し、駆動波形生成部14に供給している。また、負荷情報を入力とするトルク算出部15によって算出されたトルクTを電流位相決定部16に供給して電流位相βを表す近似式の演算を行って電流位相βを決定し、駆動波形生成部14に供給している。さらに、速度制御部17から出力される速度指令値ω*、およびインバータ11における運転電流Iを駆動波形生成部14に供給している。駆動波形生成部14においては、これらの入力信号に基づいてPWM指令(PWMパターン信号)を生成し、インバータ11に供給する。
【0137】
上記の構成のブラシレスDCモータ制御装置の作用は次のとおりである。
【0138】
先ず、負荷情報(例えば、空気調和機の場合には、室内外の現在温度や温度設定値など)からブラシレスDCモータ12にかかるトルクTをトルク算出部15によって算出する。そして、算出されたトルクTを電流位相決定部16に供給して電流位相βを表す近似式の演算を行い、制御目標の電流位相βを決定する。
【0139】
また、ブラシレスDCモータ12からの信号を用いて(例えば、固定子巻線の中性点の3次高調波を負荷条件に応じて補正して)ブラシレスDCモータ12の回転子の現在の回転位置θを算出する。
【0140】
そして、決定された電流位相βと現在の回転位置θに加え、速度制御部17からの速度指令値ω*、およびインバータ12における運転電流Iを駆動波形生成部14に供給してブラシレスDCモータ12を駆動するためのPWMパターン信号を生成してインバータ11に供給する。インバータ11においては、PWMパターン信号に基づいてIGBTなどのパワーデバイスを制御し、ブラシレスDCモータ12を駆動する。
【0141】
ここで、ある回転数(回転速度)でのIPMのトルク毎の最大効率となる電流位相は、例えば、図3に示すとおりである。また、回転数毎に最大効率になる電流位相特性は、例えば、図4に示すとおりである。図3、図4から、電流位相が20°から40°付近で最大効率になることが分かる。そこで、この最大効率位相βをトルクTの関数{例えば、近似式β=A・T+B(A、Bは定数)}で表し、この関数を電流位相決定部16に組み込んでおくことにより、簡単に最大効率位相βを得て、駆動波形の生成に反映させることができる。
【0142】
したがって、図2のブラシレスDCモータ制御装置を採用すれば、最大効率位相βを簡単に算出することができ、この最大効率位相βを制御目標としてブラシレスDCモータを制御することによって、ブラシレスDCモータの最大効率制御を達成することができる。
【0143】
図5はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0144】
このブラシレスDCモータ制御装置が図2のブラシレスDCモータ制御装置と異なる点は、電流位相決定部16に代えて、トルクTに対応させて電流位相βを格納した最大効率位相テーブル18を採用した点のみである。
【0145】
この最大効率位相テーブル18の内容の一例を表1に示す。
【0146】
【表1】
もちろん、この最大効率位相テーブル18の内容は、図3に示すように予め求められた最大効率位相特性に基づいて設定される。ここで、最大効率位相テーブル18の分解能はメモリの容量を考慮して設定すればよく、メモリの容量が少ない場合はトルクTの分解能を粗くし、それぞれの点の間を補間すればよい。
【0147】
上記の構成のブラシレスDCモータ制御装置の作用は次のとおりである。
【0148】
先ず、負荷情報(例えば、空気調和機の場合には、室内外の現在温度や温度設定値など)からブラシレスDCモータ12にかかるトルクTをトルク算出部15によって算出する。そして、算出されたトルクTを最大効率位相テーブル18に供給して、制御目標の電流位相βを決定する。
【0149】
また、ブラシレスDCモータ12からの信号を用いて(例えば、固定子巻線の中性点の3次高調波を負荷条件に応じて補正して)ブラシレスDCモータ12の回転子の現在の回転位置θを算出する。
【0150】
そして、決定された電流位相βと現在の回転位置θに加え、速度制御部17からの速度指令値ω*、およびインバータ12における運転電流Iを駆動波形生成部14に供給してブラシレスDCモータ12を駆動するためのPWMパターン信号を生成してインバータ11に供給する。インバータ11においては、PWMパターン信号に基づいてIGBTなどのパワーデバイスを制御し、ブラシレスDCモータ12を駆動する。
【0151】
図6はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0152】
このブラシレスDCモータ制御装置が図2のブラシレスDCモータ制御装置と異なる点は、トルク算出部15および電流位相決定部16に代えて、電流位相設定部19を設けた点のみである。
【0153】
前記電流位相設定部19においては、ブラシレスDCモータ12の運転状態に拘わらず予め設定された所定の電流位相βを出力するものである。ここで、電流位相βを一定に保持すれば、トルクの変動、回転数の変動などが生じた場合に、必ずしも最大効率位相を実現できなくなってしまう可能性がある。しかし、図3、図4を参照すれば分かるように、トルクの変動、回転数の変動などが生じても最大効率位相の変動は余り大きくないのであるから、所定の電流位相βを図3、図4などを参照して設定することにより、最大効率位相を実現した場合と比較してほぼ同程度の効率でブラシレスDCモータ12を運転することができる(図7参照)。
【0154】
上記の各実施態様を採用した場合には、モータ効率を検出する手段、例えば、電流センサや電圧センサなどの部品を追加することなく低コストで、ブラシレスDCモータを最大効率制御することができる。特に、図5、図6の実施態様を採用した場合には、リアルタイムに最大効率位相を算出する必要がなく、低コストなマイコンで制御を実現することができる。
【0155】
図12はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0156】
このブラシレスDCモータ制御装置は、交流電源21を入力とするコンバータ22と、コンバータ22の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサ23と、平滑化された直流電圧を入力とするインバータ24と、インバータ24から出力される交流電圧が印加されるブラシレスDCモータ25と、ブラシレスDCモータ25への供給電流を検出する電流検出部26と、ブラシレスDCモータ25に印加される電圧を検出する電圧検出部27と、検出電流および検出電圧を入力として磁束Ψ=(Ld−Lq)id+φ、回転子位置および速度を検出する位置・速度検出部28と、検出された磁束Ψを入力として磁束Ψ≒0であることを検出して進相指令を出力するΨ≒0検出部29と、検出された速度および外部から与えられる速度指令を入力として速度制御演算を行って電流指令を出力する速度制御部30と、電流指令、外部から与えられる位相指令、および進相指令を入力として位相制御演算を行って位相を出力する位相制御部31と、位相制御部31から出力される位相、検出電流および回転子位置を入力として電流制御演算を行って電圧指令を出力し、インバータ24に供給する電圧制御部32とを有している。
【0157】
前記位置・速度検出部28にはモータの機器定数が予め設定されており、この機器定数とモータ電流(供給電流)とモータ電圧(印加電圧)とを用いて磁束情報を算出し、算出された磁束情報から回転子位置を推定して回転子位置を出力するとともに、モータ電流の周期などから速度を検出するものである。
【0158】
上記の構成のブラシレスDCモータ制御装置を採用した場合には、Ψ≒0検出部29が磁束Ψ≒0であることを検出していないことを条件として、位相制御部31が位相指令および電流指令に基づいて位相制御演算を行うので、モータ電流とモータ電圧と機器定数とを用いて回転子位置を推定し、推定された回転子位置に基づいてブラシレスDCモータ25を制御することができる。
【0159】
逆に、Ψ≒0検出部29が磁束Ψ≒0であることを検出した場合には、進相指令を出力するのであるから、位相指令および電流指令に基づいて位相制御演算を行って得られる位相よりも進められた位相を位相制御部31から出力し、磁束Ψ=0を避けることによって、回転子位置の正確な推定を可能とし、ひいてはブラシレスDCモータ25を安定に動作させることができる(脱調を防止することができる)。
【0160】
なお、図12の実施態様においては、位置・速度検出部28において磁束Ψを算出するようにしているが、別途磁束Ψを算出するΨ算出部を設けてもよく、Ψ=0と等価なモータ電流値、モータ電流位相などを算出して用いてもよい(図11参照)。また、電流制御系を設けることなく、直接電圧制御を行ってもよい。さらに、モータ電圧を検出する代わりにインバータ指令からモータ電圧を算出するようにしてもよい。
【0161】
図13はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0162】
このブラシレスDCモータ制御装置が図12のブラシレスDCモータ制御装置と異なる点は、進相指令を出力するΨ≒0検出部29に代えて、電流垂下指令を出力して電流制御部32に供給するΨ≒0検出部29’を採用した点のみである。
【0163】
したがって、この実施態様においては、Ψ≒0検出部29が磁束Ψ≒0であることを検出した場合に、電流垂下指令に基づいてインバータ出力電流を減少させ、磁束Ψ=0を避けることによって、回転子位置の正確な推定を可能とし、ひいてはブラシレスDCモータ25を安定に動作させることができる(脱調を防止することができる)。
【0164】
図14はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0165】
このブラシレスDCモータ制御装置が図12のブラシレスDCモータ制御装置と異なる点は、進相指令を出力するΨ≒0検出部29に代えて、Ψ>0の電流値、電流位相を予め格納したΨ>0テーブル29’’を設け、速度制御部30から出力される電流指令および外部から与えられる位相指令を読み出し指示信号として電流位相を出力し、位相制御部31に供給した点のみである。
【0166】
したがって、この実施態様においては、Ψ>0となるような電流位相をΨ>0テーブル29’’から読み出して位相制御部31に供給することによって、磁束Ψ=0を避け、ひいては、回転子位置の正確な推定を可能とし、ひいてはブラシレスDCモータ25を安定に動作させることができる(脱調を防止することができる)。
【0167】
なお、Ψ>0テーブル29’’を設ける代わりに、Ψ>0となるような位相リミット部を設けるようにしてもよい。
【0168】
図15はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0169】
このブラシレスDCモータ制御装置は、直流電力を入力とするインバータ41と、インバータ41から出力される交流電圧が印加されるブラシレスDCモータ42と、3相分のモータ電流を検出する電流検出部43と、3相分のモータ電流を入力として2相電流(αβ軸電流)への変換を行う3相→2相変換部44と、変換された2相電流(αβ軸電流)および回転子角度(θ)を入力としてdq軸電流への変換を行うαβ軸→dq軸変換部45と、外部から与えられる位相指令および電流指令を入力として−sin処理を施してd軸電流指令を出力する−sin処理部46と、外部から与えられる位相指令および電流指令を入力としてcos処理を施してq軸電流指令を出力するcos処理部47と、−sin処理部46から出力されるd軸電流とαβ軸→dq軸変換部45から出力されるd軸電流との差分を算出する第1差算出部48と、cos処理部47から出力されるq軸電流とαβ軸→dq軸変換部45から出力されるq軸電流との差分を算出する第2差算出部49と、第1差算出部48から出力されるd軸差電流に対して比例ゲインKdpを乗算する比例処理部48aと、、第1差算出部48から出力されるd軸差電流に対して積分ゲインKdiを乗算する積分乗算部48bと、積分乗算部48bからの出力に対して積分処理(1/s処理)を施す積分処理部48cと、比例処理部48aからの出力と積分処理部48cからの出力とを加算してd軸電圧指令として出力する加算部48dと、第2差算出部49から出力されるq軸差電流に対して比例ゲインKqpを乗算する比例処理部49aと、、第2差算出部49から出力されるq軸差電流に対して積分ゲインKqiを乗算する積分乗算部49bと、積分乗算部49bからの出力に対して積分処理(1/s処理)を施す積分処理部49cと、比例処理部49aからの出力と積分処理部49cからの出力とを加算してq軸電圧指令として出力する加算部49dと、d軸電圧、q軸電圧および回転子角度(θ)を入力としてαβ軸電圧への変換を行うdq軸→αβ軸変換部50と、αβ軸電圧を入力として3相電圧指令に変換してインバータ41に供給する2相→3相変換部51とを有している。
【0170】
なお、前記回転子角度(θ)を推定する部分については図示を省略しているが、前述のように、モータ電流、モータ電圧および機器定数から推定するようにしている。
【0171】
この実施態様のブラシレスDCモータ制御装置を採用した場合には、目標とする電流位相になるように電流位相を制御してブラシレスDCモータを制御することができる。したがって、目標とする電流位相を磁束Ψ=0とならないように設定することによって、ブラシレスDCモータを常に安定に制御することができる。
【0172】
図16はこの発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【0173】
このブラシレスDCモータ制御装置は、直流電力を入力とするインバータ61と、インバータ61から出力される交流電圧が印加されるブラシレスDCモータ62と、3相分のモータ電流を検出する電流検出部63と、3相分のモータ電流を入力としてr、θ変換を行って電流ベクトル長および電流位相を出力する3相→r、θ変換部64と、電流位相と回転子角度(θ)との差を算出する第1位相差算出部65と、外部から与えられる電流指令と電流ベクトル長との差を算出する電流差算出部66と、外部から与えられる位相指令と第1位相差算出部65から出力される差との差を算出する第2位相差算出部67と、電流差算出部66からの出力に対して比例ゲインKlpを乗算する比例処理部66aと、電流差算出部66からの出力に対して積分ゲインKliを乗算する積分乗算部66bと、積分乗算部66bからの出力に対して積分処理を施す積分処理部66cと、比例処理部66aからの出力と積分処理部66cからの出力とを加算して電流ベクトル長として出力する加算部66dと、第2位相差算出部67からの出力に対して比例ゲインKθpを乗算する比例処理部67aと、第2位相差算出部67からの出力に対して積分ゲインKθiを乗算する積分乗算部67bと、積分乗算部67bからの出力に対して積分処理を施す積分処理部67cと、比例処理部67aからの出力と積分処理部67cからの出力とを加算して出力する加算部67dと、加算部67dからの出力と回転子角度(θ)とを加算して電圧位相として出力する加算部68と、加算部66dから出力される電圧ベクトル長および加算部68から出力される電圧位相を入力として3相変換処理を行って3相分の電圧指令に変換してインバータ61に供給するr、θ→3相変換部69とを有している。
【0174】
なお、前記回転子角度(θ)を推定する部分については図示を省略しているが、前述のように、モータ電流、モータ電圧および機器定数から推定するようにしている。
【0175】
この実施態様のブラシレスDCモータ制御装置を採用した場合にも、目標とする電流位相になるように電流位相を制御してブラシレスDCモータを制御することができる。したがって、目標とする電流位相を磁束Ψ=0とならないように設定することによって、ブラシレスDCモータを常に安定に制御することができる。
【0176】
図17は前記位置・速度検出部28の構成の一例を示す示すブロック図である。
【0177】
この位置・速度検出部28は、3相電圧を入力としてγδ変換を行ってγδ電圧ベクトルを出力する3相→γδ変換部28aと、3相電流を入力としてγδ変換を行ってγδ電流ベクトルを出力する3相→γδ変換部28bと、γδ電流ベクトルを入力として電圧ベクトルを出力するモータ逆モデル部28cと、モータ逆モデル部28cから出力される電圧ベクトルと3相→γδ変換部28aから出力される電圧ベクトルとの差を算出する差算出部28dと、差算出部28dから出力される差を入力とするフィルタ28eと、フィルタ28eからの出力を入力として位置・速度の推定を行う位置・速度推定部28fとを有している。
【0178】
したがって、この場合には、回転座標モータモデルを用いて回転子位置を検出することができる。ただし、電流、角速度の変動に対し、角度誤差が打ち消される可能性があるので、変動の大きな用途には不向きであるが、変動の少ない用途に好適に適用することができる。
【0179】
また、図8の座標変換部をテイラー1次線形近似して次式を得る。
T=i+Jθe、ただし、数13である。
【0180】
【数13】
上式を図8のブロック線図に代入して図9のブロック線図を得、これから数14の閉ループ系の一巡伝達関数(一巡ループ伝達関数)G(s)が得られる。
【0181】
【数14】
そして、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負となるように各部のゲインKθとF(s)を設定することにより安定性を確保することができる。
【0182】
次いで、ゲイン設定の手順を説明する。
(1)安定に運転したい電流位相、電流振幅、速度の範囲を設定する。
【0183】
ゲインKθとF(s)、ループ中のゲイン初期値を設定する。
(2)(1)で設定される各種諸量の全組み合わせにおいて、前記有理関数Gを用いて、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負がどうかチェックする。
(3)正の実根が現れる場合にはゲインを変化させて(2)を実行する。
【0184】
逆に、正の実根が現れない場合は、その値を採用する。
【0185】
図9の線形近似ブロック線図より、(2)の結果、実根を全て負とするゲインの組み合わせは、安定なゲインである。
【0186】
具体的には、「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」、竹下他、T.IEE Japan,Vol.117−D,No.1,’97の構成の伝達関数Gは数15となる。
【0187】
【数15】
そして、上記の文献と同じモータ機器定数を採用し、例えば、速度15rps、電流振幅0.84A、電流位相0〜360°を運転範囲としてゲインを設定する。この時、Kθ=1077、Ke=5202000を設定すると、従来の安定性判定では安定として求まるが、上記の判定法を用いると、図18中(A)に示すように、電流位相がおよそ130°〜230°で不安定となることが分かる。
【0188】
ここで、Kθ=107.7、Ke=520200を設定すると、全ての電流位相で安定となることがわかり{図18中(B)参照}、この運転範囲を満足するためにはこのようなゲイン設定が必要であることが分かる。
【0189】
また、前記位置・速度検出部28として、図10に示すような固定座標方式位置検出器を採用することもできる。
【0190】
この場合には、電流や角速度の変化による位置推定誤差がなく、電流や角速度の変化が大きい場合であっても好適なブラシレスDCモータの制御を達成することができる。
【0191】
さらに、上記の実施態様において採用されるモータ機器定数は、予め設定されていてもよいが、運転開始時に同定処理を行ってモータ機器定数を設定し、その後にブラシレスDCモータの制御を行うことが好ましい。なお、同定処理は、例えば、次のようにして行う。
ステップ1
強制動機運転または位置センサを用いない運転などを行い、速度がほぼ一定、電圧と電流がほぼ一定の条件におけるvαβ、iαβを検出し、または推定し、数16の演算を行う。
【0192】
【数16】
ただし、nは1以上の整数である。
ステップ2
次いで、速度がほぼ一定、電圧と電流がほぼ一定の条件下において、速度、電圧、電流の1つ以上が前記と異なる条件におけるvαβ、iαβを検出し、または推定し、数17の演算を行う。
【0193】
【数17】
ただし、nは1以上の整数である。
【0194】
電圧と電流の基本波成分以外の成分が無視できると仮定し、数18を得る。
【0195】
【数18】
ステップ3
そして、同期モータの固定子座標上の電圧方程式
vαβ=Riαβ+s{Lpiαβ+Lmf(2θ)iαβ}+s{φΘ}
に数18を代入し、互いに直交する変数である数19、数20のそれぞれに関する係数を抜き出し、数21を得る。
【0196】
【数19】
【0197】
【数20】
【0198】
【数21】
ステップ4
前記ステップ1、ステップ2におけるθeをそれぞれθe1、θe2とおき、数16、数17を数21に代入し、8つの未知定数をもつ8連立方程式を得る。機器定数の初期値として予め粗設定しておいた値、θe1、θe2の初期値として0を設定し、得られた方程式をニュートン法などにより解き、機器定数を得ることができる(同定することができる)。
【0199】
さらにまた、前記実施態様における目標電流位相をブラシレスDCモータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進めることが好ましい。
【0200】
最大効率電流位相−トルク特性を示す図19、電流位相−トルクに対するモータ端子電圧を示す図20、および最大トルク電流位相を示す図21を参照すれば、電流位相を進めるほどモータ端子電圧が下がることが分かる。したがって、インバータ出力電圧がリミットに達した場合にも、電流位相を進めることによってさらに高速回転を行わせることができる。換言すれば、運転範囲を高速側に拡大することができる。
【0201】
次いで、ブラシレスDCモータによって圧縮機を駆動する場合を考える。
【0202】
1シリンダロータリー圧縮機における回転角度に対する圧縮トルクを示す図22を参照すれば、空調用圧縮機においては負荷変動が大きく、かつ高速であるから、(Ld−Lq)id+φ>0を満足させることは容易でないが、高速な電流位相制御により安定に制御することが可能である。
【0203】
したがって、上記の実施態様のブラシレスDCモータ制御装置を採用することによって、モータモデルを用いる方法による安定、かつ緻密な制御を圧縮機においても実現することができ、省エネルギー、高効率化などの効果を達成することができる。
【0206】
【発明の効果】
請求項1の発明は、位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出することができるとともに、目標電流位相を測定する必要がなく、処理を簡単化することができ、しかも最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0208】
請求項2の発明は、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0209】
請求項3の発明は、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0210】
請求項4の発明は、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0214】
請求項5の発明は、位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出することができるとともに、目標電流位相を測定する必要がなく、処理を簡単化することができ、しかも最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0216】
請求項6の発明は、ブラシレスDCモータの固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0217】
請求項7の発明は、固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータの機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0218】
請求項8の発明は、電圧型インバータが発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出する場合に適用することができ、最大効率制御を達成することができるという特有の効果を奏する。
【0219】
請求項9の発明は、モータの構造に左右されることなく適用範囲を拡大することができ、しかも、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができ、さらに、位置推定不能による脱調を避けることができるという特有の効果を奏する。
【0221】
請求項10の発明は、請求項9と同様の効果を奏する。
【0222】
請求項11の発明は、請求項9と同様の効果を奏する。
【0224】
請求項12の発明は、請求項9から請求項11の何れかの効果に加え、電流、角速度の変動が小さい用途に好適に適用することができるという特有の効果を奏する。
【0225】
請求項13の発明は、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができるという特有の効果を奏する。
【0226】
請求項14の発明は、請求項13と同様の効果を奏する。
【0227】
請求項15の発明は、請求項9から請求項11の何れかの効果に加え、電流や角速度変化に拘わらず正確に回転子の回転位置の推定を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0228】
請求項16の発明は、請求項9から請求項15の何れかの効果に加え、正確に回転子の回転位置の推定を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0229】
請求項17の発明は、請求項9から請求項16の何れかの効果に加え、ブラシレスDCモータの運転範囲を高速側に拡大することができるという特有の効果を奏する。
【0230】
請求項18の発明は、請求項9から請求項17の何れかの効果に加え、負荷変動が大きく、かつ高速動作させる必要がある圧縮機を安定に駆動することができるという特有の効果を奏する。
【0231】
請求項19の発明は、モータの構造に左右されることなく適用範囲を拡大することができ、しかも、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができ、さらに、位置推定不能による脱調を避けることができるという特有の効果を奏する。
【0233】
請求項20の発明は、請求項19と同様の効果を奏する。
【0234】
請求項21の発明は、請求項19と同様の効果を奏する。
【0236】
請求項22の発明は、請求項19から請求項21の何れかの効果に加え、電流、角速度の変動が小さい用途に好適に適用することができるという特有の効果を奏する。
【0237】
請求項23の発明は、回転子の回転位置を常に正確に推定してブラシレスDCモータを安定に制御することができるという特有の効果を奏する。
【0238】
請求項24の発明は、請求項23と同様の効果を奏する。
【0239】
請求項25の発明は、請求項19から請求項21の何れかの効果に加え、電流や角速度変化に拘わらず正確に回転子の回転位置の推定を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0240】
請求項26の発明は、請求項19から請求項25の何れかの効果に加え、正確に回転子の回転位置の推定を行うことができるという特有の効果を奏する。
【0241】
請求項27の発明は、請求項19から請求項26の何れかの効果に加え、ブラシレスDCモータの運転範囲を高速側に拡大することができるという特有の効果を奏する。
【0242】
請求項28の発明は、請求項19から請求項27の何れかの効果に加え、負荷変動が大きく、かつ高速動作させる必要がある圧縮機を安定に駆動することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の一実施態様を示すブロック図である。
【図2】この発明のブラシレスDCモータ制御装置の他の実施態様を示すブロック図である。
【図3】埋込磁石モータの電流位相特性の一例を示す図である。
【図4】埋込磁石モータの回転数毎の最大効率電流位相を示す図である。
【図5】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図6】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図7】電流位相を一定に保持した場合における効率の変化を示す図である。
【図8】回転座標モデルに基づく位置検出部を示すブロック図である。
【図9】図8を線形近似したブロック図である。
【図10】固定座標モデルに基づく位置検出部を含むモータ制御装置を示すブロック図である。
【図11】d軸を基準とした電流位相と2相変換後の電流値Iaに対するΨ=(Ld−Lq)id+φのグラフである。
【図12】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図13】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図14】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図15】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図16】この発明のブラシレスDCモータ制御装置のさらに他の実施態様を示すブロック図である。
【図17】位置・速度検出部の構成を示すブロック図である。
【図18】閉ループ極の実部最大値−電流位相特性を示す図である。
【図19】最大効率電流位相−トルク特性を示す図である。
【図20】電流位相−トルクに対するモータ端子電圧を示す図である。
【図21】最大トルク電流位相を示す図である。
【図22】1シリンダロータリー圧縮機のトルクパターンを示す図である。
【符号の説明】
1、11、24、41、61 インバータ
2、12、25、42、62 ブラシレスDCモータ
3、13 回転子回転位置検出部 4 速度制御部
14 駆動波形生成部 29、29’ Ψ≒0検出部
29’’ Ψ>0テーブル
Claims (28)
- 回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータ(2)(12)を回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するブラシレスDCモータ制御方法であって、
最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータ(2)(12)の各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にすることを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。 - ブラシレスDCモータ(2)(12)の固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出し、検出された位置信号をブラシレスDCモータ(2)(12)の運転条件に基づいて補正し、補正された位置信号を基準として電流位相を制御する請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(2)(12)の機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御する請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 電圧型インバータ(1)(11)が発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子の回転位置を算出し、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御する請求項1に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 回転子の内部に永久磁石を装着してなるブラシレスDCモータ(2)(12)を回転位置センサを用いることなく回転子の回転位置を検出して制御するブラシレスDCモータ制御装置であって、
最大効率制御を達成すべく電流位相を制御して電流位相を、ブラシレスDCモータ(2)(12)の各運転状態毎に予め測定により得られた、最大効率を実現できる電流位相を近似する式に基づいて算出される目標電流位相にする電流位相制御手段(4)(14)を含むことを特徴とするブラシレスDCモータ制御装置。 - ブラシレスDCモータ(2)(12)の固定子の中性点の電圧と、固定子巻線の端子電圧の平均値とに基づいて回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段(3)(13)と、検出された位置信号をブラシレスDCモータの運転条件に基づいて補正する補正手段(3)(13)とをさらに含み、前記電流位相制御手段(4)(14)は、補正された位置信号を基準として電流位相を制御するものである請求項5に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 固定子巻線の印加電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(2)(12)の機器定数を用いて所定の演算を行って回転子の回転位置を算出する回転位置算出手段(3)(13)をさらに含み、前記電流位相制御手段(4)(14)は、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するものである請求項5に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 電圧型インバータ(1)(11)が発生する高調波電流から求められたインダクタンスおよび回転子の突極性から回転子回転位置を算出する回転位置算出手段(3)(13)をさらに含み、前記電流位相制御手段(4)(14)は、算出された回転位置に基づいて電流位相を制御するものである請求項5に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(25)(42)(62)の機器定数を用いて磁束情報から回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータ(24)(41)(61)を制御し、突極性を持つブラシレスDCモータ(25)(42)(62)を制御する方法であって、
磁束がほぼ0であることに応答して動作ポイントを変更するようインバータ(24)(41)(61)を制御することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。 - 磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避ける請求項9に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避ける請求項9に記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行う請求項9から請求項11の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(25)(42)(62)の機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータ(24)(41)(61)を制御し、ブラシレスDCモータ(25)(42)(62)を制御する方法であって、
回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定することを特徴とするブラシレスDCモータ制御方法。 - 固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行う請求項9から請求項11の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 運転開始前にモータ機器定数を同定する請求項9から請求項15の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- 目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進める請求項9から請求項16の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- ブラシレスDCモータ(25)(42)(62)は圧縮機を駆動するものである請求項9から請求項17の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御方法。
- モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(25)(42)(62)の機器定数を用いて磁束情報から回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータ(24)(41)(61)を制御し、突極性を持つブラシレスDCモータ(25)(42)(62)を制御する装置であって、
磁束がほぼ0であることに応答して動作ポイントを変更するようインバータ(24)(41)(61)を制御するインバータ制御手段(29)(29')(29'')を含むことを特徴とするブラシレスDCモータ制御装置。 - 前記インバータ制御手段(29)は、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して進相制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものである請求項19に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 前記インバータ制御手段(29')は、磁束がほぼ0であることを検出し、磁束がほぼ0であることを検出したことに応答して電流垂下制御を行って磁束がほぼ0になる領域を避けるものである請求項19に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 前記インバータ制御手段は、回転座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものである請求項19から請求項21の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- モータ電圧、モータ電流、およびブラシレスDCモータ(25)(42)(62)の機器定数を用いて回転子の回転位置を推定し、この推定結果を用いてインバータ(24)(41)(61)を制御し、ブラシレスDCモータ(25)(42)(62)を制御する装置であって、
伝達関数を用いて回転位置推定を行うとともに、回転位置推定に関する一巡伝達関数のゲインを、目標位相、トルク範囲で安定条件を満たす値に設定するインバータ制御手段を含むことを特徴とするブラシレスDCモータ制御装置。 - 前記インバータ制御手段は、数1で表される伝達関数Gを採用し、G/(1+G)の分母多項式のsの実根が全て負になるように伝達関数GのゲインKθとF(s)を設定するものである請求項23に記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 前記インバータ制御手段は、固定座標モータモデルを用いて回転子の回転位置の推定を行うものである請求項19から請求項21の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 前記インバータ制御手段は、運転開始前にモータ機器定数を同定するものである請求項19から請求項25の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- 前記インバータ制御手段は、目標電流位相を、モータの最高効率位相または最大トルク位相以上に進めるものである請求項19から請求項26の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
- ブラシレスDCモータは圧縮機を駆動するものである請求項19から請求項27の何れかに記載のブラシレスDCモータ制御装置。
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