JP5238909B2 - 液晶表示素子用遮光シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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Description
本発明は、高温高湿の環境に曝された後でも、基板に対する接着強度に優れる液晶表示素子用遮光シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶表示素子用遮光シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
従来、液晶表示セル等の液晶表示素子は、2枚の電極付き透明基板を、所定の間隔をおいて対向させ、その周囲をシール剤で封着してセルを形成し、その一部に設けられた液晶注入口からセル内に液晶を注入し、その液晶注入口をシール剤又は封口剤を用いて封止するという真空注入方式と呼ばれる工法により作製されていた。
真空注入方式では、まず、2枚の電極付き透明基板のいずれか一方に、スクリーン印刷により熱硬化性シール剤を用いた液晶注入口を設けたシールパターンを形成し、60〜100℃でプリベイクを行いシール剤中の溶剤を乾燥させる。次いで、スペーサを挟んで2枚の基板を対向させてアライメントを行って貼り合わせ、110〜220℃で10〜90分間熱プレスを行いシール近傍のギャップを調整した後、オーブン中で110〜220℃で10〜120分間加熱しシール剤を本硬化させる。次いで、液晶注入口から液晶を注入し、最後に封口剤を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素子を作製していた。
しかし近年では、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、上記真空注入方式から、アクリル樹脂等の光硬化性樹脂と光ラジカル重合開始剤、及び、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と熱硬化剤を含有する、光、熱併用硬化型の樹脂組成物からなるシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式に変わりつつある。
液晶滴下方式では、まず、2枚の電極付き基板の一方に、シールパターンを形成する。次いで、シール剤未硬化の状態で液晶の微小滴を基板の枠内全面に滴下し、真空下で他方の基板を重ね合わせ、常圧に戻した後シール部に紫外線を照射して光硬化性樹脂の硬化を行う(仮硬化工程)。その後、加熱して熱硬化性樹脂の硬化を行い、液晶表示素子を作製する。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種液晶パネル付きモバイル機器が普及している現代において、装置の小型化は最も求められている課題である。小型化の手法として、液晶表示部の狭額縁化が挙げられ、例えば、シール部の位置をブラックマトリックス下に配置することが行われている。
しかしながら、従来のシール剤は透明又は乳白色であったため、本来、光漏れを抑制するはずのブラックマトリックスでも、シール剤を透過する光は遮光することができず、コントラストを下げてしまうという問題があった。
そこで、シール剤に遮光剤等を添加することで遮光性を持たせる方法が考えられる。例えば、特許文献1〜3には遮光性成分として、チタンブラック系材料、カーボンブラック系材料、またはその他の遮光性微粒子を含有したシール剤が開示されている。特に、これら遮光剤の中でもシール剤に含有する遮光剤として、絶縁性の高いチタンブラック系材料が好ましいとされている。
しかしながら、チタンブラックを含有したシール剤は、高温高湿の環境に曝されると、その後の接着強度が著しく低下するという問題があった。
本発明は、高温高湿の環境に曝された後でも、基板に対する接着強度に優れる液晶表示素子用遮光シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は該液晶表示素子用遮光シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有する硬化性樹脂、ラジカル重合開始剤、及び、遮光剤を含有する液晶滴下工法用遮光シール剤であって、上記硬化性樹脂は、水素結合性官能基価が0.5×10−3〜3.0×10−3mol/gであり、上記遮光剤としてチタンブラックを含有する液晶表示素子用遮光シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、チタンブラックを含有する液晶表示素子用遮光シール剤において、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有する硬化性樹脂の水素結合性官能基価が、0.5×10−3〜3.0×10−3mol/gである場合、高温高湿処理後の接着強度の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示素子用遮光シール剤は(以下、本発明の遮光シール剤ともいう)、遮光剤としてチタンブラックを含有する。
チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の遮光シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、後述する光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の遮光シール剤の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の遮光シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の遮光シール剤に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、後述する光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の遮光シール剤の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の遮光シール剤に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、1μmあたりの光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているものや、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
また、本発明の遮光シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、遮光シール剤が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
また、本発明の遮光シール剤を用いて製造した液晶表示素子は、遮光シール剤が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有する液晶表示素子を実現することができる。
上記チタンブラックは特に限定されないが、具体的な市販品としては、例えば、「12S」、「13M」、「13M−C」、「13R−N」(いずれも三菱マテリアル社製)、「ティラックD」(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は13m2/g、好ましい上限は30m2/gであり、より好ましい下限は15m2/g、より好ましい上限は25m2/gである。
上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
上記チタンブラックの体積抵抗の好ましい下限は0.5Ω・cm、好ましい上限は3Ω・cmであり、より好ましい下限は1Ω・cm、より好ましい上限は2.5Ω・cmである。
本発明の遮光シール剤において、上記遮光剤の一次粒子径は、液晶表示素子の基板間の距離以下であれば特に限定されないが、好ましい下限は1nm、好ましい上限は5μmである。上記遮光剤の一次粒子径が1nm未満であると、得られる遮光シール剤の粘度やチクソトロピーが大きく増大してしまい、作業性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径が5μmを超えると、得られる遮光シール剤の基板への塗布性が悪くなることがある。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は200nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は100nmである。
本発明の遮光シール剤における上記遮光剤の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は5重量%、好ましい上限は80重量%である。上記遮光剤の含有量が5重量%未満であると、充分な遮光性が得られないことがある。上記遮光剤の含有量が80重量%を超えると、得られる遮光シール剤の基板に対する密着性や硬化後の強度が低下したり、描画性が低下したりすることがある。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は70重量%であり、更に好ましい下限は30重量%、更に好ましい上限は60重量%である。
本発明の遮光シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有する。即ち、本発明の遮光シール剤は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物、及び、後述するラジカル重合開始剤を含有することにより、光及び/又は熱によって反応を開始するものであり、具体的には、紫外線照射及び/又は加熱することにより硬化させることができる。
上記硬化性樹脂は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有する。即ち、本発明の遮光シール剤は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物、及び、後述するラジカル重合開始剤を含有することにより、光及び/又は熱によって反応を開始するものであり、具体的には、紫外線照射及び/又は加熱することにより硬化させることができる。
上記硬化性樹脂の水素結合性官能基価は0.5×10−3〜3.0×10−3mol/gである。上記硬化性樹脂の水素結合性官能基価が0.5×10−3mol/g未満であると、樹脂成分が液晶に溶出しやすくなり、液晶汚染が生じる。上記硬化性樹脂の水素結合性官能基価が3.0×10−3mol/gを超えると、得られる遮光シール剤における高温高湿処理後の接着強度が著しく低下する。上記硬化性樹脂の水素結合性官能基価の好ましい下限は0.7×10−3mol/g、好ましい上限は2.5×10−3mol/g、より好ましい下限は2.0×10−3mol/gである。
なお、本明細書において硬化性樹脂の水素結合性官能基価とは、硬化性樹脂が一種類の化合物からなる場合、下記式により算出される値である。
硬化性樹脂の水素結合性官能基価
=(構成化合物1分子中の水素結合性官能基数)/(構成化合物の分子量)
なお、本明細書において硬化性樹脂の水素結合性官能基価とは、硬化性樹脂が一種類の化合物からなる場合、下記式により算出される値である。
硬化性樹脂の水素結合性官能基価
=(構成化合物1分子中の水素結合性官能基数)/(構成化合物の分子量)
また、上記硬化性樹脂が複数の樹脂の混合物から構成される場合、硬化性樹脂の水素結合性官能基価は単位重量当たりの水素結合性官能基価として算出する。例えば、上記硬化性樹脂がagの化合物A(水素結合性官能基価αmol/g)、bgの化合物B(水素結合性官能基価βmol/g)、cgの化合物C(水素結合性官能基価γmol/g)から構成される場合、硬化性樹脂の水素結合性官能基価は下記式で表される。
硬化性樹脂の水素結合性官能基価=(a×α+b×β+c×γ)/(a+b+c)
硬化性樹脂の水素結合性官能基価=(a×α+b×β+c×γ)/(a+b+c)
上記水素結合性官能基とは、水素結合性を有する官能基又は残基等であれば特に限定されず、例えば、−OH基、−NH2基、−NHR基(Rは、芳香族又は脂肪族炭化水素、及び、これらの誘導体を表す)、−COOH基、−CONH2基、−NHOH基等の官能基を有するものや、分子内に−NHCO−結合、−NH−結合、−CONHCO−結合、−NH−NH−結合等の残基を有するもの等が挙げられる。
上記水素結合性官能基を有する化合物としては、水素結合性官能基価が、単独で上記の範囲にあるものでも、また、2種類以上を混合することにより上記範囲に調整されるものであってもよい。すなわち、使用する水素結合性官能基を有する化合物の水素結合性官能基価の平均値が上記範囲にあればよい。
上記不飽和二重結合を有する硬化性化合物は限定されず、例えば、ビニル基、アリル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、マレイミド基、(メタ)アクリロイルオキシ基等を有する樹脂が挙げられ、なかでも、反応性の面から、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂が好ましく、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜3個有するものがより好ましい。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基」を意味する。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイルオキシ基」とは、「アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基」を意味する。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られる完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味し、上記「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。また、本明細書において上記「完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味し、上記「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。また、本明細書において上記「完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物は特に限定されず、単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等が挙げられる。
また、3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られる完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂を合成するための原料となるエポキシ化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られる完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸210重量部を、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、5時間反応させることによって完全アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂を得ることができる。
上記完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセル・サイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物を使用することもできる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品や、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には、例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセル・サイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、不飽和二重結合を有する硬化性化合物に加えて、エポキシ基を有する樹脂等のその他の樹脂を含有してもよい。
上記エポキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、上記完全(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂を合成するための原料となるエポキシ化合物や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂N−770(DIC社製)190gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、この溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下にて2時間滴下した後、更に還流撹拌を6時間行い、次に、トルエンを除去することによって50モル%のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂を得ることができる(この場合、50%部分アクリル化されている)。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセル・サイテック社製)が挙げられる。
上記エポキシ基を有する樹脂のなかでも、反応性官能基として(メタ)アクリロイルオキシ基を有さずエポキシ基のみを有する樹脂(以下、エポキシ基のみを有する樹脂ともいう)は、液晶汚染等の原因となるため、配合しないことが好ましいが、接着性を向上させることを目的として、液晶汚染に影響しない範囲で添加してもよい。
上記エポキシ基のみを有する樹脂の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい上限が10重量%である。上記エポキシ基のみを有する樹脂の含有量が10重量%を超えると、得られる液晶表示素子用遮光シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。
上記エポキシ基のみを有する樹脂の含有量は、硬化性樹脂全体100重量部に対して、好ましい上限が10重量%である。上記エポキシ基のみを有する樹脂の含有量が10重量%を超えると、得られる液晶表示素子用遮光シール剤が液晶汚染を引き起こすことがある。
上記硬化性樹脂として、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂と上記エポキシ基を有する樹脂とを配合する場合、上記硬化性樹脂の(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との比がモル比で50:50〜95:5になるように(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂とエポキシ基を有する樹脂とを配合することが好ましい。上記(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が50%未満であると、後述するラジカル重合開始剤によるラジカル重合が完了しても未硬化のエポキシ樹脂成分が多く存在し、液晶を汚染することがある。上記(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が95%を超えると、接着力を向上させる効果が充分に得られないことがある。
本発明の遮光シール剤は、ラジカル重合開始剤を含有する。ラジカル重合開始剤とは、紫外線照射、加熱等の外部刺激によりラジカルを発生するもので、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤は、紫外線照射によりラジカルを発生する光ラジカル重合開始剤、及び/又は、加熱によりラジカルを発生する熱ラジカル重合開始剤を含有する。
本発明の遮光シール剤は、熱ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。本発明の遮光シール剤が上記熱ラジカル重合開始剤を含有することにより、作製する液晶表示素子において、ブラックマトリックス等により光の当たらない箇所にシール部分があっても熱により確実に硬化させることが可能であるため、液晶汚染を生じさせることが極めて少なくなる。
上記熱ラジカル重合開始剤は、10時間半減期温度の好ましい下限が50℃、好ましい上限が90℃である。上記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が50℃未満であると、得られる液晶表示素子用遮光シール剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の10時間半減期温度が90℃を超えると、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤の硬化に高温かつ長時間を要し、パネルの生産性に影響を与えることがある。
なお、本明細書において上記10時間半減期温度とは、不活性ガスの存在下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱ラジカル重合開始剤の濃度が反応前の濃度の半分になるときの温度である。
なお、本明細書において上記10時間半減期温度とは、不活性ガスの存在下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱ラジカル重合開始剤の濃度が反応前の濃度の半分になるときの温度である。
上記熱ラジカル重合開始剤は特に限定されず、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤であることが好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって上記硬化性樹脂を硬化させることができるラジカルを生成する、分子量が300以上の化合物を意味する。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常光照射によっても分解してラジカルを発生することから、光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって上記硬化性樹脂を硬化させることができるラジカルを生成する、分子量が300以上の化合物を意味する。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常光照射によっても分解してラジカルを発生することから、光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が1000未満であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が30万を超えると、上記硬化性樹脂への混合が困難になることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
上記高分子アゾ開始剤は、例えば、アゾ基を介してポリジメチルシロキサンやポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、その他にも特開2008−50572号公報や特開2003−12784号公報に記載された下記一般式(I)で表される高分子アゾ化合物も好適に用いることができる。
式(I)中、R12、R13、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基又はシアノ基を表し、a及びbは、それぞれ独立に0〜4の数であり、A11及びA12は、高分子鎖であり、Y11及びY12はそれぞれ独立に、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−O−又は−S−である。
上記一般式(I)中、R12、R13、R22及びR23で表わされる炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、A11及びA12で表わされる高分子鎖は特に限定されず、例えば、ポリオキシレン鎖、ポリメチレン鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリシロキサン鎖、ポリ(メタ)アクリレート鎖、ポリスチレン−酢酸ビニル鎖、ポリアミド鎖、ポリイミド鎖、ポリウレタン鎖、ポリウレア鎖、ポリペプチド鎖等が挙げられる。なかでも、Y11が−O−CO−であり、Y12が−CO−O−である化合物が好ましく、A11及びA12で表される高分子鎖が、ポリエーテル鎖及びポリエステル鎖であるものが、特に安価で製造が容易であるのでより好ましい。
上記一般式(I)のうち、A11及びA12がポリエーテル鎖である高分子アゾ化合物の中では、下記一般式(II)で示される化合物が、溶解性がよく、重合開始剤の分子量制御が容易であるので、より好ましい。
式(II)中、R12、R13、R22、R23、a及びbは、上記一般式(I)と同じであり、R11及びR21は、それぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し、Z11、Z12、Z21及びZ22は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、m、n、s及びtは、それぞれ独立に0〜1000の数であり、m+nの和、s+tの和は、それぞれ独立に2以上である。
上記一般式(II)中、Z11、Z12、Z21及びZ22で表わされる炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、テトラメチレン、ブチレン、イソブチレン、エチルエチレン、ジメチルエチレン等が挙げられる。
また、R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、ラウリル、ステアリル、ベヘニル等が挙げられる。R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
また、R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、ラウリル、ステアリル、ベヘニル等が挙げられる。R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記一般式(I)で示される高分子アゾ化合物のA11及びA12がポリエステル鎖であるものの中では、下記一般式(III)で示される化合物が、溶解性が良く、耐水性に優れているため好ましい。
式(III)中、R12、R13、R22、R23、a及びbは、上記一般式(I)と同じであり、Z13及びZ23は、それぞれ独立に炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し、R31及びR41は、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜24のアルキル基を表し、p及びuは、それぞれ独立に1〜1000の数である。
上記一般式(III)中、Z13、Z23で表される炭素原子数1〜18のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、テトラメチレン、ブチレン、イソブチレン、エチルエチレン、ジメチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、1,4−ペンタンジイル、デカメチレン、ウンデカメチレン、1,4−ウンデカンジイル、ドデカメチレン、1,11−ヘプタデカンジイル、オクタデカメチレン等が挙げられる。
また、R31及びR41で表される炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、上記一般式(II)におけるR11及びR21として例示したものが挙げられる。R31及びR41で表される炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
また、R31及びR41で表される炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、上記一般式(II)におけるR11及びR21として例示したものが挙げられる。R31及びR41で表される炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記一般式(III)中、p及びuが20〜100であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤における上記熱ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、上記得られる遮光シール剤の硬化が充分に進まないことがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量が30重量部を超えると、得られる液晶表示素子用遮光シール剤の粘度が高くなり、塗布作業性等に悪影響を与えることがある。上記熱ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の遮光シール剤は、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。本発明の遮光シール剤はチタンブラック系材料を含有するため、上記光ラジカル重合開始剤を含有することにより、遮光性と光硬化性を併せ持つものとなる。
なお、上記光ラジカル重合開始剤は、前述したように370〜450nmの波長領域の光が照射されることで感光可能であるものが好ましいが、370nm未満の波長の光や450nmを超える波長の光で感光可能なものであってもよい。
このような光ラジカル重合開始剤は特に限定されないが、例えば、IRGACURE127、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE784、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE1300、IRGACURE1700、IRGACURE1800、IRGACURE1870、IRGACURE2959、IRGACURE4265、IRGACUREOXE01、IRGACUREOXE02、CGI242、LUCIRIN TPO、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、(いずれもBASF Japan社製)、ESACURE TPO(Lamberti社製)、Speedcure TPO、Speedcure TPO−L(いずれもLAMBSON社製)、MICURE TPO(MIWON社製)、N−1414(ADEKA社製)、ソルバスロンBIPE、ソルバスロンBIBE、ビイミダゾール(黒金化成社製)、KAYACURE BP、KAYACURE DETX−S(いずれも日本化薬社製)、ESACURE KIP 150(Lamberti社製)、S−121(シンコー技研社製)、セイクオールBEE(精工化学社製)、KR−02(ライトケミカル社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、光重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記光ラジカル重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、作業性が低下したり、反応が不均一になったりすることがある。光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
上記硬化性樹脂が上記エポキシ基を有する樹脂を含有する場合には、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤は、更に熱硬化剤を含有することが好ましい。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、常温固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記常温固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、ADH(大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、常温固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記常温固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、ADH(大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が50重量部である。上記熱硬化剤の含有量が1重量部未満であると、熱硬化剤を含有させる効果がほとんど得られない。上記熱硬化剤の含有量が50重量部を超えると、得られる遮光シール剤の粘度が高くなり、塗布性等を損ねる場合がある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は30重量部である。
本発明の遮光シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の更なる向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
本発明の遮光シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
本発明の遮光シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の遮光シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記硬化性樹脂、上記ラジカル重合開始剤、上記遮光剤、及び、必要に応じて配合される添加剤等を、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。
本発明の遮光シール剤を硬化させた硬化体の光学濃度(OD値)は、硬化体の厚さが2〜7μmである場合において、2.0以上であることが好ましい。上記硬化体のOD値が2.0未満であると、遮光性が不充分となり、滴下工法により製造した液晶表示素子に光の漏れ出しが発生し、高いコントラストを得ることができないことがある。上記硬化体のOD値は2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることが更に好ましい。上記硬化体のOD値は高いほど良いが、上記硬化体のOD値を高くするために遮光剤を多く配合しすぎると、シール剤の増粘により作業性が低下したり、描画性が低下したりすることから、遮光剤の配合量とのバランスをとるため、上記硬化体のOD値の好ましい上限は5である。
本発明の遮光シール剤は、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤を介して2枚のガラス基板を十字状に接着してなる接着試験片を作製し、該接着試験片についてプレッシャークッカー試験(121℃、100%RH、0.2MPa)を24時間行った際の接着強度が30kgf/cm2以上となるものであることが好ましい。プレッシャークッカー試験を行った際の接着強度が30kgf/cm2未満であると、得られる液晶表示素子が高温高湿の環境下での信頼性に劣るものとなることがある。
本発明の液晶表示素子用遮光シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。本発明の液晶表示素子用遮光シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用遮光シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いて製造される液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせる工程、及び、本発明の液晶表示素子用遮光シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、高温高湿の環境に曝された後でも、基板に対する接着強度に優れる液晶表示素子用遮光シール剤を提供することができる。また、該液晶表示素子用遮光シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(完全アクリル変性エポキシ樹脂の合成)
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)120gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸70gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を8時間行った。次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基をアクリル基に変性した完全アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂(EX−201変性品)を得た。
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)120gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。この溶液にアクリル酸70gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を8時間行った。次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基をアクリル基に変性した完全アクリル変性レゾルシノール型エポキシ樹脂(EX−201変性品)を得た。
(部分アクリル変性エポキシ樹脂の合成)
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、「N−770」)190gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、得られた溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下で2時間かけて滴下した後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって50mol%のエポキシ基をアクリロイルオキシ基に変性した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−770部分変性品)を得た。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、「N−770」)190gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、得られた溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下で2時間かけて滴下した後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって50mol%のエポキシ基をアクリロイルオキシ基に変性した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N−770部分変性品)を得た。
(実施例1〜17、及び、比較例1〜9)
表1〜3に記載した配合比に従い、各硬化性樹脂を配合した後、熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を配合した。次いで、熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を完全に溶解した後、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて攪拌後、遮光剤、熱硬化剤、充填剤、及び、シランカップリング剤を配合し、更に遊星式攪拌機で攪拌した。その後、3本ロールを用いて均一に分散させることにより、実施例及び比較例の液晶表示素子用遮光シール剤を調製した。
表1〜3に記載した配合比に従い、各硬化性樹脂を配合した後、熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を配合した。次いで、熱ラジカル重合開始剤及び/又は光ラジカル重合開始剤を完全に溶解した後、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて攪拌後、遮光剤、熱硬化剤、充填剤、及び、シランカップリング剤を配合し、更に遊星式攪拌機で攪拌した。その後、3本ロールを用いて均一に分散させることにより、実施例及び比較例の液晶表示素子用遮光シール剤を調製した。
図1は、実施例、比較例において、液晶滴下方式により液晶表示素子を作製する手順を模式的に示した図である。図1に示すように、透明電極と配向膜とが形成された基板に、得られた液晶表示素子用遮光シール剤を正方形の枠を描くようにディスペンサーで塗布した。続いて液晶(チッソ社製「JC−5004LA」)の微小滴を透明基盤の枠内全面に滴下塗布し、真空中にて別の透明電極と配向膜とが形成された基板を重ね合わせ、真空解除後、外枠シール部に高圧水銀ランプを用い100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。その後、液晶アニールを120℃にて1時間行い、液晶表示素子用遮光シール剤を熱硬化させて液晶表示素子を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子用遮光シール剤及び液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子用遮光シール剤及び液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1〜3に示した。
(接着強度)
得られた液晶表示素子用遮光シール剤をガラス基板(20mm×50mm×1.1mmt)の中央部に極微量だけ取り、その上に同じ大きさのガラス基板を十字上になるように重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を押し広げた。その状態で100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱を行い、初期接着試験片を得た。また、得られた初期接着試験片に対して、プレッシャークッカー試験(121℃、100%RH、0.2MPa)を24時間行い、高温高湿処理後接着試験片を得た。得られた初期接着試験片及び高温高湿処理後接着試験片について、テンションゲージを用いて接着強度(kgf/cm2)を測定した。
得られた液晶表示素子用遮光シール剤をガラス基板(20mm×50mm×1.1mmt)の中央部に極微量だけ取り、その上に同じ大きさのガラス基板を十字上になるように重ね合わせて液晶表示素子用シール剤を押し広げた。その状態で100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱を行い、初期接着試験片を得た。また、得られた初期接着試験片に対して、プレッシャークッカー試験(121℃、100%RH、0.2MPa)を24時間行い、高温高湿処理後接着試験片を得た。得られた初期接着試験片及び高温高湿処理後接着試験片について、テンションゲージを用いて接着強度(kgf/cm2)を測定した。
(光学濃度(OD値))
得られた液晶表示素子用遮光シール剤100gにスペーサとして直径5μmのシリカスペーサ(積水化学工業社製、「ミクロパールSI」)1gを添加して混合撹拌を行った。
得られたスペーサ入り液晶表示素子用遮光シール剤を20mm×20mmのガラス基板上に塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、荷重をかけ、スペーサの直径まで押しつぶして厚さを均一にした。次に、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱を行い、光学試験片を得た。得られた光学試験片についてX−rite360T(ν)(X−rite社製)を用いて光学濃度(OD値)を測定した。
得られた液晶表示素子用遮光シール剤100gにスペーサとして直径5μmのシリカスペーサ(積水化学工業社製、「ミクロパールSI」)1gを添加して混合撹拌を行った。
得られたスペーサ入り液晶表示素子用遮光シール剤を20mm×20mmのガラス基板上に塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、荷重をかけ、スペーサの直径まで押しつぶして厚さを均一にした。次に、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した後、120℃で1時間加熱を行い、光学試験片を得た。得られた光学試験片についてX−rite360T(ν)(X−rite社製)を用いて光学濃度(OD値)を測定した。
(液晶表示素子の表示性能(色ムラ))
得られた液晶表示素子について、液晶表示素子用遮光シール剤周辺の液晶に生じる色ムラを目視にて観察した。その結果、色ムラが全くなかった場合を「◎」、色ムラがほぼなかった場合を「○」、微かに色ムラがあった場合を「△」、色ムラがかなりあった場合を「×」として評価した。
得られた液晶表示素子について、液晶表示素子用遮光シール剤周辺の液晶に生じる色ムラを目視にて観察した。その結果、色ムラが全くなかった場合を「◎」、色ムラがほぼなかった場合を「○」、微かに色ムラがあった場合を「△」、色ムラがかなりあった場合を「×」として評価した。
表1、2に示したように、実施例で得られた遮光シール剤の高温高湿試験後の接着強度は30kgf/cm2以上であり、いずれも実用に全く問題がないレベルであった。また、光学濃度(OD値)はいずれも3.0以上と非常に高く、充分な遮光性を有するものであった。色ムラに関しては、全くない、ほぼない、又は、微かにある程度で、いずれも実用に全く問題がないレベルであった。
本発明によれば、高温高湿の環境に曝された後でも、基板に対する接着強度に優れる液晶表示素子用遮光シール剤を提供することができる。また、該液晶表示素子用遮光シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
Claims (6)
- 不飽和二重結合を有する硬化性化合物を含有する硬化性樹脂、ラジカル重合開始剤、及び、遮光剤を含有する液晶滴下工法用遮光シール剤であって、
前記硬化性樹脂は、水素結合性官能基価が0.5×10−3〜3.0×10−3mol/gであり、
前記遮光剤としてチタンブラックを含有する
ことを特徴とする液晶表示素子用遮光シール剤。 - 不飽和二重結合を有する硬化性化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有することを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用遮光シール剤。
- ラジカル重合開始剤は、熱ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用遮光シール剤。
- ラジカル重合開始剤は、高分子アゾ開始剤、及び/又は、370〜450nmの波長領域の光で感光する光ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示素子用遮光シール剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用遮光シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用遮光シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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