JP5820184B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents
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しかしながら、従来のシール剤を用いた滴下工法によって製造した液晶表示素子に長時間電圧印加した際、液晶が異常配向を起こす「焼きつき」により液晶表示素子に残像が発生することがあった。
以下に本発明を詳述する。
そこで本発明者は、特定の光重合開始剤を用い、その含有量を通常量よりも少なくすることにより、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記光重合開始剤の吸光係数を測定する際に用いる溶媒としては、例えば、アセトニトリル、メタノール等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤の含有量の好ましい下限は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、0.01重量部である。上記光重合開始剤の含有量が0.01重量部未満であると、光重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部である。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
なお、本明細書において、上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜3個有するものが好ましい。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
なお、本明細書において上記10時間半減期温度とは、不活性ガスの存在下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱重合開始剤の濃度が反応前の濃度の半分になるときの温度である。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって上記硬化性樹脂を硬化させることができるラジカルを生成する、分子量が300以上の化合物を意味する。
ポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
また、R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、ラウリル、ステアリル、ベヘニル等が挙げられる。R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
また、R31及びR41で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、上記一般式(II)におけるR11及びR21として例示したものが挙げられる。R31及びR41で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート1001」)126gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。得られた溶液にアクリル酸36gを還流撹拌下において2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールA型エポキシアクリレートを得た。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート806」)160gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。得られた溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって50モル%のエポキシ基をアクリル酸と反応した50%部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂を得た。
(シール剤の作製)
硬化性樹脂として、作製したビスフェノールA型エポキシアクリレート75重量部、及び、作製した部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂25重量部と、光重合開始剤として、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF Japan社製、「IRGACURE OXE01」、アセトニトリル中で測定した405nmの波長における吸光係数1.016×102mL/g・cm)0.3重量部と、熱重合開始剤として高分子アゾ化合物(和光純薬工業社製、「VPE0201」)5重量部と、熱硬化剤としてアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」)5重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部と、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、「SO−C2」)15重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を得た。
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、得られたシール剤を、線幅が約1.5mmの正方形の枠を描くようにITO薄膜のパターニング付きの透明電極基板に塗布してシールパターンを形成した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシールパターンの枠内に滴下塗布した後、別の透明電極基板と真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。真空解除後、シール部に高圧水銀ランプを用いて100mW/cm2の紫外線を30秒照射した。次いで、120℃のオーブンにて60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。
用いた材料及び配合量を、表1に示したものとしたこと以外は実施例1と同様にしてシール剤及び液晶表示素子を作製した。
なお、表1における「DAROCUR TPO」は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(アセトニトリル中で測定した405nmの波長における吸光係数1.650×102mL/g・cm)であり、「IRGACURE 651」は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(メタノール中で測定した405nmの波長における吸光係数0mL/g・cm)である。
実施例及び比較例で得られたシール剤及び液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子の作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くない場合を「◎」、色むらが微かにある場合を「○」、色むらが少しある場合を「△」、色むらがかなりある場合を「×」として評価した。なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は、実用に全く問題のないレベルである。
「(1)初期の色むら」を評価した液晶表示素子に直流電圧10Vを48時間印加し、その後の焼きつきを目視によって確認した。焼きつきはITO薄膜のパターニング付きの透明電極部の色むらにより判断しており、焼きつきの程度に応じて、焼きつきが全くない場合を「◎」、焼きつきが微かにある場合を「○」、焼きつきが少しある場合を「△」、焼きつきがかなりある場合を「×」として評価した。
Claims (4)
- 硬化性樹脂と、光重合開始剤と、熱重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
前記光重合開始剤は、溶媒中で測定した405nmの波長における吸光係数が50mL/g・cm以上であり、前記光重合開始剤の含有量が前記硬化性樹脂100重量部に対して0.01重量部以上0.5重量部未満である
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - 熱重合開始剤は、高分子アゾ開始剤であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項3記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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