JP5820184B2 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料及び液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法は、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、従来の真空注入方式から、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されているような光硬化性樹脂、光重合開始剤、熱硬化性樹脂、及び、熱硬化剤を含有する光、熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式にかわりつつある。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
しかしながら、従来のシール剤を用いた滴下工法によって製造した液晶表示素子に長時間電圧印加した際、液晶が異常配向を起こす「焼きつき」により液晶表示素子に残像が発生することがあった。
特開2001−133794号公報 国際公開第02/092718号パンフレット
本発明は、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、光重合開始剤と、熱重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、上記光重合開始剤の含有量が上記硬化性樹脂100重量部に対して0.01重量部以上0.5重量部未満である液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、液晶表示素子に「焼きつき」が生じる原因が、硬化性樹脂を光硬化させるために用いる光重合開始剤にあることを見出した。従来、シール剤に配合する光重合開始剤の配合量は、通常、硬化性樹脂100重量部に対して1重量部以上であった。
そこで本発明者は、特定の光重合開始剤を用い、その含有量を通常量よりも少なくすることにより、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、光重合開始剤を含有する。上記光重合開始剤を含有することにより、得られる液晶表示素子用シール剤に光硬化性を付与することができる。
上記光重合開始剤は、溶媒中で測定した405nmの波長における吸光係数が50mL/g・cm以上である。上記405nmの波長における吸光係数が50mL/g・cm未満であると、シール剤の硬化が不充分になり、液晶汚染の原因となる。上記吸光係数のより好ましい下限は70mL/g・cmである。上記吸光係数は、高ければ高いほど反応性が高くなる傾向があることから、特に上限はない。
上記光重合開始剤の吸光係数を測定する際に用いる溶媒としては、例えば、アセトニトリル、メタノール等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、405nmの波長における吸光係数が50mL/g・cm以上であれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル、チオキサントン等が挙げられる。なかでも、405nmに吸収帯を持ち、反応性に優れ、配合量が少なくても充分にシール剤を光硬化させることができることから、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドであることが好ましい。
上記光重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE 369、IRGACURE 379、IRGACURE 819、IRGACURE OXE01、DAROCUR TPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも、特に反応性に優れ、配合量が少なくても充分にシール剤を光硬化させることができることから、IRGACURE OXE01、DAROCUR TPOが好ましい。
上記光重合開始剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、1重量部未満である。上記光重合開始剤の含有量が1重量部以上であると、得られる液晶表示素子の表示品質が低下し、残像が発生する。上記光重合開始剤の含有量は、0.7重量部未満であることが好ましく、0.5重量部未満であることがより好ましい。
また、上記光重合開始剤の含有量の好ましい下限は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、0.01重量部である。上記光重合開始剤の含有量が0.01重量部未満であると、光重合が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記光重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
なお、本明細書において、上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エポキシ(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるものが挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1001、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製、「EX−201」)360重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸210重量部を、空気を送り込みながら90℃で還流攪拌し、5時間反応させることによってレゾルシノール型エポキシアクリレートを得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセルサイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレート以外の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物は特に限定されず、単官能のエステル化合物は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、2官能のエステル化合物は、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、3官能以上のエステル化合物は、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートは特に限定されず、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、エベクリル230、エベクリル270、エベクリル4858、エベクリル8402、エベクリル8804、エベクリル8803、エベクリル8807、エベクリル9260、エベクリル1290、エベクリル5129、エベクリル4842、エベクリル210、エベクリル4827、エベクリル6700、エベクリル220、エベクリル2220(いずれもダイセルサイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(いずれも、共栄社化学社製)等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、液晶への悪影響を抑える点で、−OH基、−NH−基、−NH基等の水素結合性のユニットを有するものが好ましい。
また、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂は、反応性の高さから分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜3個有するものが好ましい。
上記硬化性樹脂は、得られる液晶表示素子用シール剤の接着性を向上させることを目的として、更に、エポキシ基を有する樹脂を含有することが好ましい。上記エポキシ基を有する樹脂は特に限定されず、例えば、上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂や、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味し、例えば、2つ以上のエポキシ基を有する樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られる。具体的には、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂N−770(DIC社製)190gをトルエン500mLに溶解させ、この溶液にトリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とし、この溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下にて2時間滴下した後、更に還流撹拌を6時間行い、次に、トルエンを除去することによって50モル%のエポキシ基が(メタ)アクリル酸と反応した部分アクリル変性フェノールノボラック型エポキシ樹脂を得ることができる(この場合、50%部分アクリル化されている)。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、UVACURE1561(ダイセルサイテック社製)が挙げられる。
上記硬化性樹脂として、上記(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂と上記エポキシ基を有する樹脂とを配合する場合、上記硬化性樹脂の(メタ)アクリロイルオキシ基とエポキシ基との比がモル比で50:50〜95:5になるように(メタ)アクリロイルオキシ基を有する樹脂とエポキシ基を有する樹脂とを配合することが好ましい。上記(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が50%未満であると、重合が完了しても未硬化のエポキシ樹脂成分が多く存在し、液晶を汚染することがある。上記(メタ)アクリロイルオキシ基の比率が95%を超えると、得られるシール剤が接着性に劣るものとなることがある。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、熱硬化剤を含有する。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記固形の有機酸ヒドラジドは特に限定されず、例えば、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられ、市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、アミキュアVDH、アミキュアUDH(いずれも、味の素ファインテクノ社製)、ADH(大塚化学社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限は3重量部、好ましい上限は10重量部である。上記熱硬化剤の含有量が3重量部未満であると、熱硬化が充分に進行しなかったり、反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記熱硬化剤の含有量が10重量部を超えると、作業性が低下したり、反応が不均一になったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は8重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、上記光重合開始剤に加えて、熱重合開始剤を含有することが好ましい。本発明の液晶表示素子用シール剤が上記熱重合開始剤を含有することにより、熱により確実にシール剤を硬化させることが可能であるため、液晶汚染を生じさせることが極めて少なくなる。
上記熱重合開始剤は、10時間半減期温度の好ましい下限が50℃、好ましい上限が90℃である。上記熱重合開始剤の10時間半減期温度が50℃未満であると、得られる液晶表示素子用シール剤の貯蔵安定性が悪くなることがある。上記熱重合開始剤の10時間半減期温度が90℃を超えると、本発明の液晶表示素子用シール剤の硬化に高温かつ長時間を要し、パネルの生産性に影響を与えることがある。
なお、本明細書において上記10時間半減期温度とは、不活性ガスの存在下において、一定の温度で10時間熱分解反応を行った際に熱重合開始剤の濃度が反応前の濃度の半分になるときの温度である。
上記熱重合開始剤は特に限定されず、アゾ化合物、有機過酸化物等が挙げられる。なかでも、高分子アゾ化合物からなる高分子アゾ開始剤であることが好ましい。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって上記硬化性樹脂を硬化させることができるラジカルを生成する、分子量が300以上の化合物を意味する。
上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量の好ましい下限は1000、好ましい上限は30万である。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が1000未満であると、高分子アゾ開始剤が液晶に悪影響を与えることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量が30万を超えると、上記硬化性樹脂への混合が困難になることがある。上記高分子アゾ開始剤の数平均分子量のより好ましい下限は5000、より好ましい上限は10万であり、更に好ましい下限は1万、更に好ましい上限は9万である。
上記高分子アゾ開始剤は、例えば、アゾ基を介してポリジメチルシロキサンやポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有するものが挙げられる。
ポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記高分子アゾ開始剤としては、その他にも特開2008−50572号公報や特開2003−12784号公報に記載された下記一般式(I)で表される高分子アゾ化合物も好適に用いることができる。
Figure 0005820184
式(I)中、R12、R13、R22及びR23は、それぞれ独立に炭素原子数1〜10のアルキル基又はシアノ基を表し、a及びbは、それぞれ独立に0〜4の数であり、A11及びA12は、高分子鎖であり、Y11及びY12はそれぞれ独立に、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−O−又は−S−である。
上記一般式(I)中、R12、R13、R22及びR23で表わされる炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル等が挙げられる。
上記一般式(I)中、A11及びA12で表わされる高分子鎖は特に限定されず、例えば、ポリオキシレン鎖、ポリメチレン鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖、ポリシロキサン鎖、ポリ(メタ)アクリレート鎖、ポリスチレン−酢酸ビニル鎖、ポリアミド鎖、ポリイミド鎖、ポリウレタン鎖、ポリウレア鎖、ポリペプチド鎖等が挙げられる。なかでも、Y11が−O−CO−であり、Y12が−CO−O−である化合物が好ましく、A11及びA12で表される高分子鎖が、ポリエーテル鎖及びポリエステル鎖であるものが、特に安価で製造が容易であるのでより好ましい。
上記一般式(I)のうち、A11及びA12がポリエーテル鎖である高分子アゾ化合物の中では、下記一般式(II)で示される化合物が、溶解性がよく、分子量制御が容易であるのでより好ましい。
Figure 0005820184
式(II)中、R12、R13、R22、R23、a及びbは、上記一般式(I)と同じであり、R11及びR21は、それぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し、Z11、Z12、Z21及びZ22は、それぞれ独立に炭素原子数1〜4のアルキレン基を表し、m、n、s及びtは、それぞれ独立に0〜1000の数であり、m+nの和、s+tの和は、それぞれ独立に2以上である。
上記一般式(II)中、Z11、Z12、Z21及びZ22で表わされる炭素原子数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、テトラメチレン、ブチレン、イソブチレン、エチルエチレン、ジメチルエチレン等が挙げられる。
また、R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、t−アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、ラウリル、ステアリル、ベヘニル等が挙げられる。R11及びR21で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記一般式(I)で示される高分子アゾ化合物のA11及びA12がポリエステル鎖であるものの中では、下記一般式(III)で示される化合物が、溶解性がよく、耐水性に優れているため好ましい。
Figure 0005820184
式(III)中、R12、R13、R22、R23、a及びbは、上記一般式(I)と同じであり、Z13及びZ23は、それぞれ独立に炭素原子数1〜18のアルキレン基を表し、R31及びR41は、それぞれ独立に水素原子又は炭素原子数1〜24のアルキル基を表し、p及びuは、それぞれ独立に1〜1000の数である。
上記一般式(III)中、Z13、Z23で表わされる炭素原子数1〜18のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデン、テトラメチレン、ブチレン、イソブチレン、エチルエチレン、ジメチルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、1,4−ペンタンジイル、デカメチレン、ウンデカメチレン、1,4−ウンデカンジイル、ドデカメチレン、1,11−ヘプタデカンジイル、オクタデカメチレン等が挙げられる。
また、R31及びR41で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基としては、例えば、上記一般式(II)におけるR11及びR21として例示したものが挙げられる。R31及びR41で表わされる炭素原子数1〜24のアルキル基は、炭素原子数が1〜4であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記一般式(III)中、p及びuが20〜100であるものが、反応性が高いため好ましい。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤における上記熱重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記硬化性樹脂100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記熱重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、上記得られるシール剤の硬化が充分に進まないことがある。上記熱重合開始剤の含有量が30重量部を超えると、得られる液晶表示素子用シール剤の粘度が高くなり、塗布作業性等に悪影響を与えることがある。上記熱重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主に液晶表示素子用シール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤は特に限定されないが、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤は、更に、必要に応じて、粘度調整の為の反応性希釈剤、チクソ性を調整する揺変剤、パネルギャップ調整の為のポリマービーズ等のスペーサ、3−P−クロロフェニル−1,1−ジメチル尿素等の硬化促進剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
本発明の液晶表示素子用シール剤を製造する方法は特に限定されず、例えば、硬化性樹脂、光重合開始剤、熱硬化剤、及び、必要に応じて配合される添加剤等を、従来公知の方法により混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶表示素子用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。本発明の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子は特に限定されず、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶表示素子用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いて製造される液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の2枚の電極付き透明基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶表示素子用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに他方の透明基板を重ねあわせる工程、及び、本発明の液晶表示素子用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(エポキシ(メタ)アクリレートの合成)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート1001」)126gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。得られた溶液にアクリル酸36gを還流撹拌下において2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって、全てのエポキシ基がアクリル酸と反応したビスフェノールA型エポキシアクリレートを得た。
(部分アクリル変性エポキシ樹脂の合成)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート806」)160gをトルエン500mLに溶解させ、トリフェニルホスフィン0.1gを加え、均一な溶液とした。得られた溶液にアクリル酸35gを還流撹拌下2時間かけて滴下後、更に還流撹拌を6時間行った。次に、トルエンを除去することによって50モル%のエポキシ基をアクリル酸と反応した50%部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂を得た。
(実施例1)
(シール剤の作製)
硬化性樹脂として、作製したビスフェノールA型エポキシアクリレート75重量部、及び、作製した部分アクリル変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂25重量部と、光重合開始剤として、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF Japan社製、「IRGACURE OXE01」、アセトニトリル中で測定した405nmの波長における吸光係数1.016×10mL/g・cm)0.3重量部と、熱重合開始剤として高分子アゾ化合物(和光純薬工業社製、「VPE0201」)5重量部と、熱硬化剤としてアジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」)5重量部と、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部と、充填剤としてシリカ(アドマテックス社製、「SO−C2」)15重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合してシール剤を得た。
(液晶表示素子の作製)
ディスペンサー(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いて、得られたシール剤を、線幅が約1.5mmの正方形の枠を描くようにITO薄膜のパターニング付きの透明電極基板に塗布してシールパターンを形成した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にてシールパターンの枠内に滴下塗布した後、別の透明電極基板と真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。真空解除後、シール部に高圧水銀ランプを用いて100mW/cmの紫外線を30秒照射した。次いで、120℃のオーブンにて60分間加熱してシール剤を熱硬化させ、液晶表示素子を作製した。
比較例1〜4
用いた材料及び配合量を、表1に示したものとしたこと以外は実施例1と同様にしてシール剤及び液晶表示素子を作製した。
なお、表1における「DAROCUR TPO」は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(アセトニトリル中で測定した405nmの波長における吸光係数1.650×10mL/g・cm)であり、「IRGACURE 651」は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(メタノール中で測定した405nmの波長における吸光係数0mL/g・cm)である。
<評価>
実施例及び比較例で得られたシール剤及び液晶表示素子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)初期の色むら(通電試験前)
実施例及び比較例で得られた液晶表示素子の作製直後におけるシール剤付近の液晶配向乱れを目視によって確認した。配向乱れは表示部の色むらにより判断しており、色むらの程度に応じて、色むらが全くない場合を「◎」、色むらが微かにある場合を「○」、色むらが少しある場合を「△」、色むらがかなりある場合を「×」として評価した。なお、評価が「◎」、「○」の液晶表示素子は、実用に全く問題のないレベルである。
(2)焼きつき(通電試験後)
「(1)初期の色むら」を評価した液晶表示素子に直流電圧10Vを48時間印加し、その後の焼きつきを目視によって確認した。焼きつきはITO薄膜のパターニング付きの透明電極部の色むらにより判断しており、焼きつきの程度に応じて、焼きつきが全くない場合を「◎」、焼きつきが微かにある場合を「○」、焼きつきが少しある場合を「△」、焼きつきがかなりある場合を「×」として評価した。
Figure 0005820184
本発明によれば、液晶表示素子における残像の発生を抑制することができる液晶表示素子用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶表示素子用シール剤を用いて製造される上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。

Claims (4)

  1. 硬化性樹脂と、光重合開始剤と、熱重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
    前記光重合開始剤は、溶媒中で測定した405nmの波長における吸光係数が50mL/g・cm以上であり、前記光重合開始剤の含有量が前記硬化性樹脂100重量部に対して0.01重量部以上0.5重量部未満である
    ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。
  2. 熱重合開始剤は、高分子アゾ開始剤であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子用シール剤。
  3. 請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
  4. 請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤及び/又は請求項3記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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