JP5208684B2 - 地絡保護継電システム - Google Patents

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Description

本発明は、地絡保護継電システムに関し、特に、片端電源の平衡2回線送電線を地絡事故から保護するのに好適な地絡保護継電システムに関する。
従来、片端電源の平衡2回線送電線の地絡保護継電システムは、主保護として地絡回線選択継電装置(SG)を使用するとともに、後備保護として地絡方向継電装置(DG)を使用して行われている(下記の特許文献1など参照)。
たとえば、図9に示すように、平衡2回線送電線を構成する第1および第2の送電線1L,2Lの送電端側(電源側)に送電端地絡回線選択継電装置111(主保護)と第1および第2の送電端地絡方向継電装置1211,1212(後備保護)とを設置するとともに、第1および第2の送電線1L,2Lの受電端側(電源と反対側)に受電端地絡回線選択継電装置112(主保護)と第1および第2の受電端地絡方向継電装置1221,1222(後備保護)とを設置することにより、平衡2回線送電線を地絡事故から保護している。
ここで、第1の送電端地絡方向継電装置1211は、第1の送電線1Lの送電端側に設置された第1の零相変流器31から入力される第1の零相電流I01と送電端側の母線(以下、「送電端母線」と称する。)に設置された第1の接地形計器用変圧器(EVT)51から入力される送電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、自回線(第1の送電線1L)方向に発生した地絡事故を検出すると、第1の送電線1Lの送電端側に設けられた第1の遮断器41を遮断するための第1のトリップ信号TDG1を発生する。
第2の送電端地絡方向継電装置1212は、第2の送電線2Lの送電端側に設置された第2の零相変流器32から入力される第2の零相電流I02と第1の接地形計器用変圧器51から入力される送電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、自回線(第2の送電線2L)方向に発生した地絡事故を検出すると、第2の送電線2Lの送電端側に設けられた第2の遮断器42を遮断するための第2のトリップ信号TDG2を発生する。
第1の受電端地絡方向継電装置1221は、第1の送電線1Lの受電端側に設置された第3の零相変流器33から入力される第3の零相電流I03と受電端側の母線(以下、「受電端母線」と称する。)に設置された第2の接地形計器用変圧器52から入力される受電端零相電圧V0Rとに基づいて事故回線判定を行い、自回線(第1の送電線1L)方向に発生した地絡事故を検出すると、第1の送電線1Lの受電端側に設けられた第3の遮断器43を遮断するための第3のトリップ信号TDG3を発生する。
第2の受電端地絡方向継電装置1222は、第2の送電線2Lの受電端側に設置された第4の零相変流器34から入力される第4の零相電流I04と第2の接地形計器用変圧器52から入力される受電端零相電圧V0Rとに基づいて事故回線判定を行い、自回線(第2の送電線2L)方向に発生した地絡事故を検出すると、第2の送電線2Lの受電端側に設けられた第4の遮断器44を遮断するための第4のトリップ信号TDG4を発生する。
そのため、第1の送電端地絡方向継電装置1211は、図10に示すようにリレー判定回路131と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)1321〜1323と論理積回路133と論理和回路134とを有する第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路130を備える。
リレー判定回路131は、第1の零相電流I01の大きさと送電端零相電圧V0Sおよび第1の零相電流I01の位相関係とに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定すると、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を出力する。
第1の遅延回路1321は、不図示の第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置(OVG)から入力される第1のOVG出力信号SOVG1を第1の時限協調時間GT11だけ遅延する。ここで、第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置は、送電端零相電圧V0Sの大きさが整定値以上になるとハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1を出力する。また、第1の時限協調時間GT11は、第1の送電線1Lの受電端背後の送電線に設置された他の地絡方向継電装置(不図示)との時限協調のために設定される(たとえば800msに設定される)。
論理積回路133は、リレー判定回路131から入力される第1の事故回線判定結果信号S1と第1の遅延回路1321によって第1の時限協調時間GT11だけ遅延された第1のOVG出力信号SOVG1との論理積をとる。
第2の遅延回路1322は、論理積回路133の出力信号を第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21だけ遅延する。ここで、第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21は、零相自由振動(事故点切離し後も零相電圧が一定時間だけ残る現象)による誤動作防止のために設定される(通常は100msに設定される)。
第3の遅延回路1323は、第1のOVG出力信号SOVG1を第1のOVG遮断時間GT31だけ遅延する。ここで、第1のOVG遮断時間GT31は、第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置の動作だけで第1の遮断器41を遮断させるために設定される。
論理和回路134は、第2の遅延回路1322の出力信号と第3の遅延回路1323の出力信号との論理和をとる。論理和回路134からは、第1のトリップ信号TDG1が出力される。
第2の送電端地絡方向継電装置1212は、上述した第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路130と同様に構成された第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路(不図示)を備える。
第1の受電端地絡方向継電装置1221は、図11に示すようにリレー判定回路141と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)1421〜1423と論理積回路143と論理和回路144とを有する第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路140を備える。
リレー判定回路141は、第3の零相電流I03の大きさと受電端零相電圧V0Rおよび第3の零相電流I03の位相関係とに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定すると、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3を出力する。
第1の遅延回路1421は、不図示の第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置から入力される第2のOVG出力信号SOVG2を第3の時限協調時間GT13だけ遅延する。ここで、第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置は、受電端零相電圧V0Rの大きさが整定値以上になるとハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2を出力する。また、第3の時限協調時間GT13は、上述した第1の時限協調時間GT11(たとえば800ms)よりも小さい値(たとえば400ms)に設定される。
論理積回路143は、リレー判定回路141から入力される第3の事故回線判定結果信号S3と第1の遅延回路1421によって第3の時限協調時間GT13だけ遅延された第2のOVG出力信号SOVG2との論理積をとる。
第2の遅延回路1422は、論理積回路143の出力信号を第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23だけ遅延する。ここで、第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23は、零相自由振動による誤動作防止のために設定される(通常は100msに設定される)。
第3の遅延回路1423は、第2のOVG出力信号SOVG2を第3のOVG遮断時間GT33だけ遅延する。ここで、第3のOVG遮断時間GT33は、第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置の動作だけで第3の遮断器43を遮断させるために設定される。
論理和回路144は、第2の遅延回路1422の出力信号と第3の遅延回路1423の出力信号との論理和をとる。論理和回路144からは、第3のトリップ信号TDG3が出力される。
第2の受電端地絡方向継電装置1222は、上述した第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路140と同様に構成された第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路(不図示)を備える。
なお、下記の特許文献2には、線路零相電流と中性点零相電流との比が1/W(回線数)よりも大きいか否かを判定し、線路零相電流と中性点零相電流との比が1/Wよりも大きい場合には地絡事故発生と判定して遮断信号を遮断器に供給することにより、線路零相電流と中性点零相電流との比は事故点抵抗値を含まないので、事故点抵抗値に影響されず確実に地絡事故を検出するようにした地絡回線選択保護継電装置が開示されている。
特開平11−69608号公報 特開平5−328588号公報
しかしながら、図9に示した地絡保護継電システムでは、図12(a)〜(c)、図13(a)〜(c)および図14(a),(b)を参照して以下に説明するように、主保護である送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の不使用時に2回線遮断および事故継続時間の長期化という問題があった。
なお、図12(a)〜(c)および図13(a)〜(c)では、第1の送電端地絡方向継電装置1211は「DGS1」と、第2の送電端地絡方向継電装置1212は「DGS2」と、第1の受電端地絡方向継電装置1221は「DGR1」と、第2の受電端地絡方向継電装置1222は「DGR2」と表記している。
(1)送電端至近で地絡事故が発生した場合の2回線遮断
図12(a)に示すように第1の送電線1Lの送電端至近で図14(a)に示す時刻t0に地絡事故が発生すると、送電端母線に整定値以上の送電端零相電圧V0Sが発生するため、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1が第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置1211,1212に出力されるとともに、受電端母線に整定値以上の受電端零相電圧V0Rが発生するため、ハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2が第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置1221,1222に出力される。
また、整定値よりも大きい第1の零相電流I01が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、整定値よりも小さい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、整定値よりも小さい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、整定値よりも小さい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れる。
したがって、図12(b)に網掛けで示すように第1の送電端地絡方向継電装置1211のみが動作して、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路130のリレー判定回路131(図10参照)が、第1の零相電流I01および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を論理積回路133に出力する。また、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1は、第1の遅延回路1321によって第1の時限協調時間GT11だけ遅延されて論理積回路133に入力される。そのため、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11(=800ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t1に、論理積回路133の出力信号がロウレベルからハイレベルになる。
その結果、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21(=100ms)との合計時間(=GT11+GT21=800ms+100ms=900ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t2に、第1のトリップ信号TDG1が第1の送電端地絡方向継電装置1211から第1の遮断器41に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、図12(b)に×印で示すように、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=GT11+GT21+TCB=900ms+30ms=930ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t3に完全に遮断される。
このようにして第1の遮断器41が完全に遮断されると、第1の零相電流I01は流れなくなり、迂回電流により、整定値よりも大きい第2の零相電流I02が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、整定値よりも大きい第3の零相電流I03が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、整定値よりも大きい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れる。そのため、図12(c)に網掛けで示すように第2の送電端地絡方向継電装置1212と第1の受電端地絡方向継電装置1221とが動作し始める。
すなわち、第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路では、第1の遮断器41遮断時には第1の遅延回路によって第2の時限協調時間GT12(=800ms)だけ遅延されたハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1が論理積回路に入力されているので、ハイレベルの第2の事故回線判定結果信号S2がリレー判定回路から論理積回路に入力されると、論理積回路の出力信号がロウレベルからハイレベルになる(図10参照)。
その結果、第1の遮断器41遮断からリレー判定回路のリレー判定時間TRY(=20ms)と第2の零相自由振動誤動作防止時間GT22(=100ms)との合計時間(=TRY+GT22=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t4に、第2のトリップ信号TDG2が第2の送電端地絡方向継電装置1212から第2の遮断器42に出力される。
これにより、第2の遮断器42は、図12(c)に×印で示すように、第1の遮断器41遮断からリレー判定時間TRYと第2の零相自由振動誤動作防止時間GT22と第2の遮断器42の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT22+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t5に、完全に遮断される。
同様に、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路140(図11参照)では、第1の遮断器41遮断時には第1の遅延回路1421によって第3の時限協調時間GT13(=400ms)だけ遅延されたハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2が論理積回路143に入力されているので、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3がリレー判定回路141から論理積回路143に入力されると、論理積回路143の出力信号がロウレベルからハイレベルになる。
その結果、第1の遮断器41遮断時からリレー判定回路141のリレー判定時間TRY(=20ms)と第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23(=100ms)との合計時間(=TRY+GT23=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t4に、第3のトリップ信号TDG3が第1の受電端地絡方向継電装置1221から第3の遮断器43に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、図12(c)に×印で示すように、第1の遮断器41遮断時からリレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT23+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図14(a)に示す時刻t5に、完全に遮断される。
このように主保護である送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の不使用時に第1の送電線1Lの送電端至近で地絡事故が発生した場合には、第1の送電線1Lに設置された第1および第3の遮断器41,43だけでなく第2の送電線2Lに設置された第2の遮断器42も遮断されるため、2回線遮断となる。
なお、従来は、2回線遮断を回避するために、主保護である送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の不使用時には、第1および第2の送電端地絡方向継電装置1211,1212について第1および第2の時限協調時間GT11,GT12を小さく(たとえば800msから400ms)するように整定変更するとともに、第1および第2の零相自由振動誤動作防止時間GT21,GT22を大きく(たとえば100msから500ms)するように整定変更をしている。
(2)受電端至近で地絡事故が発生した場合の事故継続時間の長期化
図13(a)に示すように第1の送電線1Lの受電端至近で図14(b)に示す時刻t0に地絡事故が発生すると、送電端母線に整定値以上の送電端零相電圧V0Sが発生するため、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1が第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置1211,1212に出力されるとともに、受電端母線に整定値以上の受電端零相電圧V0Rが発生するため、ハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2が第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置1221,1222に出力される。
また、整定値よりも大きい第1の零相電流I01が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、整定値よりも大きい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、整定値よりも大きい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、整定値よりも大きい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れる。
そのため、図13(b)に網掛けで示すように第1および第2の送電端地絡方向継電装置1211,1212と第1の受電端地絡方向継電装置1221とは動作するが、第2の受電端地絡方向継電装置1222は動作しない。
したがって、第1の受電端地絡方向継電装置1221では、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路140のリレー判定回路141(図11参照)が、第3の零相電流I03および受電端零相電圧VORに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3を論理積回路143に出力する。また、ハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2は、第1の遅延回路1421によって第3の時限協調時間GT13だけ遅延されて論理積回路143に入力される。そのため、地絡事故発生から第3の時限協調時間GT13(=400ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t1に、論理積回路143の出力信号がロウレベルからハイレベルになる。
その結果、地絡事故発生から第3の時限協調時間GT13と第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23(=100ms)との合計時間(=GT13+GT23=400ms+100ms=500ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t2に、第3のトリップ信号TDG3が第1の受電端地絡方向継電装置1221から第3の遮断器43に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、図13(b)に×印で示すように、地絡事故発生から第3の時限協調時間GT13と第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=GT13+GT23+TCB=500ms+30ms=530ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t3に、完全に遮断される。
このようにして第3の遮断器43が完全に遮断されると、第2乃至第4の零相電流I02〜I04は流れなくなり、整定値よりも大きい第1の零相電流I01のみが第1の送電線1Lを内部方向に流れるため、図13(c)に網掛けで示すように第1の送電端地絡方向継電装置1211は動作し続けるが、第2の送電端地絡方向継電装置1212および第1の受電端地絡方向継電装置1221は動作しなくなり、第2の送電端地絡方向継電装置1212は動作しないままとなる。
第1の送電端地絡方向継電装置1211では、地絡事故発生時に第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路130のリレー判定回路131(図10参照)が、第1の零相電流I01および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を論理積回路133に出力している。また、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1は、第1の遅延回路1221によって第1の時限協調時間GT11だけ遅延されて論理積回路133に入力される。そのため、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11(=800ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t4に、論理積回路123の出力信号がロウレベルからハイレベルになる。
その結果、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21(=100ms)との合計時間(=GT11+GT21=800ms+100ms=900ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t5に、第1のトリップ信号TDG1が第1の送電端地絡方向継電装置1211から第1の遮断器41に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、図13(c)に×印で示すように、地絡事故発生から第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=GT11+GT21+TCB=900ms+30ms=930ms)だけ経過した図14(b)に示す時刻t6に、完全に遮断される。
このように主保護である送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の不使用時に第1の送電線1Lの受電端至近で地絡事故が発生した場合には、第3の遮断器43が既に遮断されており、かつ、第1の送電端地絡方向継電装置1211において「自回線方向に地絡事故が発生している」と判定できているにもかかわらず、第1の遮断器41が遮断されるまでに第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21との遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=930ms)だけ要するため、第1の送電線1Lの受電端背後の送電線に設置された他の地絡方向継電装置との時限協調のために設定された第1の時限協調時間GT11分だけ地絡事故を除去するのが遅れる。
また、従来の地絡保護継電システムでは、上述した2つの問題のほかに、地絡方向継電装置は後備保護用であるため、主保護としての地絡回線選択継電装置が必要であるという問題もあった。
本発明の目的は、主保護(地絡回線選択継電装置)不使用時の2回線遮断および事故継続時間の長期化を防止できるとともに主保護を不要にできる地絡保護継電システムを提供することにある。
本発明の地絡保護継電システムは、送電端母線と受電端母線との間に敷設された第1および第2の送電線(1L,2L)からなる平衡2回線送電線を地絡事故から保護するための地絡保護継電システムであって、自端側の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器(41,42:43,44)が共に入状態であることを条件に、該自回線の自端側に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号(TDG1〜TDG4)を瞬時に発生するトリップ信号瞬時発生手段を備えた地絡方向継電装置(111,112,121,122)を具備することを特徴とする。
ここで、前記トリップ信号瞬時発生手段が、自端側の短絡検出用地絡不足電圧継電装置が不動作であることをさらに条件として前記トリップ信号を瞬時に発生してもよい。
前記地絡方向継電装置が、保護区間内部故障時に故障点に関係なく最小地絡電流で動作する整定とされているとともに、前記平衡2回線送電線の1回線保護として使用されている場合には、2回線並用時において相手端母線故障時の最小地絡電流で動作する整定とされていてもよい。
前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の送電端地絡方向継電装置(111,112)と、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第1および第2の受電端地絡方向継電装置(121,122)とを具備し、前記第1の送電端地絡方向継電装置が、前記送電端母線に設置された第1の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第2の送電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の遮断器(41,42)が共に入状態であること、および、前記送電端母線に設置された第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から前記平衡2回線送電線の送電端正相電圧の大きさが整定値以下になったことを示す第1のUVG出力信号(SUVG1)が入力されていないことを条件に、該第1の遮断器を遮断するための第1のトリップ信号(TDG1)を瞬時に発生する第1のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第2の送電端地絡方向継電装置が、前記第1の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第1の送電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であること、および、前記第1のUVG出力信号が入力されていないことを条件に、該第2の遮断器を遮断するための第2のトリップ信号(TDG2)を瞬時に発生する第2のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第1の受電端地絡方向継電装置が、前記受電端母線に設置された第2の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第2の受電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第3および第4の遮断器(43,44)が共に入状態であること、および、前記受電端母線に設置された第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から前記平衡2回線送電線の受電端正相電圧の大きさが整定値以下になったことを示す第2のUVG出力信号(SUVG2)が入力されていないことを条件に、該第3の遮断器を遮断するための第3のトリップ信号(TDG3)を瞬時に発生する第3のトリップ信号瞬時発生手段を備え、前記第2の受電端地絡方向継電装置が、前記第2の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第1の受電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第3および第4の遮断器が共に入状態であること、および、前記第2のUVG出力信号が入力されていないことを条件に、該第4の遮断器を遮断するための第4のトリップ信号(TDG4)を瞬時に発生する第4のトリップ信号瞬時発生手段を備えてもよい。
本発明の地絡保護継電システムは、以下に示す効果を奏する。
(1)主保護の地絡回線選択継電装置の不使用時に平衡2回線送電線の自回線の相手端至近で地絡事故が発生しても、自端側の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器が共に入状態であることの4つの条件がすべて満たされたときに地絡方向継電装置がトリップ信号を瞬時に発生することにより、自回線の自端側に設置された遮断器を高速に遮断することができるので、この地絡事故を高速に除去することができる。
(2)自端側の短絡検出用地絡不足電圧継電装置が不動作であることをさらに条件とすることにより、短絡優先とすることができる。
(3)地絡事故を高速に除去することができるので、電力系統の信頼度の低下を防止することができる。
(4)主保護機能を地絡方向継電装置に搭載することができるので、主保護の地絡回線選択継電装置を不要にすることができる。
(5)地絡事故を高速に除去することができるので、地絡から短絡へ進展する事故を未然に防ぐことができる。
上記の目的を、自端側の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器が共に入状態であることの4つの条件がすべて満たされたときに、地絡方向継電装置がトリップ信号を瞬時に(第1の時限協調時間の経過を待たずに)発生することにより実現した。
以下、本発明の地絡保護継電システムの実施例について図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による地絡保護継電システムは、以下の2点で、図9に示した従来の地絡保護継電システムと異なる。
(1)図1に示すように第1の送電線1Lの送電端側に設置された第1の送電端地絡方向継電装置111は、第1の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、第2の送電端地絡方向継電装置112が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定してないこと、第1および第2の遮断器41,42が共に入状態であること、および、不図示の第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置(UVG)が不動作であることを条件に、第1のトリップ信号TDZ1を瞬時に(第1の時限協調時間GT11の経過を待たずに)発生する。
なお、短絡優先とするために、第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置が不動作であることを条件にしたが、短絡優先とする必要がない場合にはこの条件は不要である。
第2の送電線2Lの送電端側に設置された第2の送電端地絡方向継電装置112と第1および第2の送電線1L,2Lの受電端側にそれぞれ設置された第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とについても同様である。
これにより、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112と第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とに主保護機能を搭載することができる。
(2)図9に示した主保護の送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112は具備しない。
すなわち、上述したように第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112と第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とに主保護機能を搭載することができるので、主保護の送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112を不要にすることができる。
そのため、第1の送電端地絡方向継電装置111は、図2に示すようにリレー判定回路21と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)221〜223と第1乃至第3の論理積回路231〜233と論理和回路24とを有する第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20を備える。
リレー判定回路21は、図10に示したリレー判定回路131と同様に、第1の零相電流I01と送電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、「自回線(第1の送電線1L)方向において地絡事故が発生した」と判定するとハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を出力する。
ただし、第1の事故回線判定結果信号S1は、第1および第3の論理積回路231,233に出力されるとともに、第2の送電端地絡方向継電装置112にも出力される。
また、リレー判定回路21における整定は、図10に示したリレー判定回路131と異なり、以下のようにして行う。
(1)保護区間(送電端母線と受電端母線との間の区間)内部故障時に故障点に関係なく最小地絡電流で動作する整定とする。
(2)平衡2回線送電線の1回線保護として使用されている場合には、2回線並用時において受電端母線(相手端母線)故障時の最小地絡電流で動作する整定とする。
ここで、最小地絡電流とは高抵抗接地系における30%相当の不完全地絡電流とし、地絡電流の算出に使用するNGR容量は、作業および事故による系統分離を考慮したときに接続されている中性点接地抵抗器(NGR)の最小容量とする。また、最大地絡電流とは高抵抗接地系における完全地絡電流とし、地絡電流の算出に使用するNGR容量は、系統内で常時使用する中性点接地抵抗器の全容量とする。
たとえば、同一系統内にNGR容量が150Aである中性点接地抵抗器が2台とNGR容量が100Aである中性点接地抵抗器が1台あり、常時系統では100A中性点接地抵抗器が「切」である場合を例にすると、最小地絡電流は100A×1台×30%=30Aとなる。すなわち、最小地絡電流は、1台の150A中性点接地抵抗器の作業に伴い100A中性点接地抵抗器を代替で使用している最中に他の1台の150A中性点接地抵抗器が故障により使用不可となって100A中性点接地抵抗器1台のみで運用している際に不完全地絡が発生したときの地絡電流となる。また、この例での最大地絡電流は150A×2台=300Aとなる。
この例では、最小NGR容量は最小単機容量となることからNGR定格(INGR)を100Aとすると、2回線並用時の受電端母線故障時に地絡電流は1/2に分流するため、リレー判定回路21の整定値は、INGR×30%×1/2=100A×30%×1/2=15Aに設定する。
第1の遅延回路221は、図10に示した第1の遅延回路1321と同様に、第1のOVG出力信号SOVG1を第1の時限協調時間GT11(=800ms)だけ遅延する。
第1の論理積回路231は、図10に示した論理積回路133と同様に、第1の事故回線判定結果信号S1と第1の遅延回路221によって第1の時限協調時間GT11だけ遅延された第1のOVG出力信号SOVG1との論理積をとる。
第2の論理積回路232は、第1の遮断器41から入力される第1の接点信号SCB1(第1の遮断器41が入状態(遮断されていない状態)ではハイレベルの信号)と第2の遮断器42から入力される第2の接点信号SCB2(第2の遮断器42が入状態ではハイレベルの信号)との論理積をとる。
第3の論理積回路233は、第1のOVG出力信号SOVG1と第1の事故回線判定結果信号S1と第2の論理積回路232の出力信号と第2の送電端地絡方向継電装置112から入力される第2の事故回線判定結果信号S2の極性を反転した信号と第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から入力される第1のUVG出力信号SUVG1の極性を反転した信号との論理積をとる。ここで、第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置は、平衡2回線送電線の送電端正相電圧の大きさが整定値以下になるとハイレベルの第1のUVG出力信号SUVG1を出力する。
第2の遅延回路222は、第1および第2の論理積回路231,232の出力信号を第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21(=100ms)だけ遅延する。
第3の遅延回路223は、図10に示した第3の遅延回路1323と同様に、第1のOVG出力信号SOVG1を第1のOVG遮断時間GT31だけ遅延する。
論理和回路24は、図10に示した論理和回路134と同様に、第2の遅延回路222の出力信号と第3の遅延回路223の出力信号との論理和をとる。
第2の送電端地絡方向継電装置112は、図3に示すようにリレー判定回路31と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)321〜323と第1乃至第3の論理積回路331〜333と論理和回路34とを有する第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30を備える。
リレー判定回路31は、第2の零相電流I02と送電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、「自回線(第2の送電線2L)方向において地絡事故が発生した」と判定するとハイレベルの第2の事故回線判定結果信号S2を出力する。第2の事故回線判定結果信号S2は、第1および第3の論理積回路331,333に出力されるとともに、第1の送電端地絡方向継電装置111にも出力される。また、リレー判定回路31は、上述したリレー判定回路21と同様に整定されている。
第1の遅延回路321は、第1のOVG出力信号SOVG1を第2の時限協調時間GT12(=800ms)だけ遅延する。
第1の論理積回路331は、第2の事故回線判定結果信号S2と第1の遅延回路321によって第2の時限協調時間GT12だけ遅延された第1のOVG出力信号SOVG1との論理積をとる。
第2の論理積回路332は、第1の遮断器41から入力される第1の接点信号SCB1と第2の遮断器42から入力される第2の接点信号SCB2との論理積をとる。
第3の論理積回路333は、第1のOVG出力信号SOVG1と第2の事故回線判定結果信号S2と第2の論理積回路332の出力信号と第1の送電端地絡方向継電装置111から入力される第1の事故回線判定結果信号S1の極性を反転した信号と第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から入力される第1のUVG出力信号SUVG1の極性を反転した信号との論理積をとる。
第2の遅延回路322は、第1および第2の論理積回路331,332の出力信号を第2の零相自由振動誤動作防止時間GT22(=100ms)だけ遅延する。
第3の遅延回路323は、第1のOVG出力信号SOVG1を第2のOVG遮断時間GT32だけ遅延する。
論理和回路34は、第2の遅延回路322の出力信号と第3の遅延回路323の出力信号との論理和をとる。
第1の受電端地絡方向継電装置121は、図4に示すようにリレー判定回路41と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)421〜423と第1乃至第3の論理積回路431〜433と論理和回路44とを有する第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40を備える。
リレー判定回路41は、図11に示したリレー判定回路141と同様に、第3の零相電流I03と受電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、「自回線(第1の送電線1L)方向において地絡事故が発生した」と判定するとハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3を出力する。ただし、第3の事故回線判定結果信号S3は、第1および第3の論理積回路431,433に出力されるとともに、第2の受電端地絡方向継電装置122にも出力される。また、リレー判定回路41は、上述したリレー判定回路21と同様に整定されている。
第1の遅延回路421は、図11に示した第1の遅延回路1421と同様に、第2のOVG出力信号SOVG2を第3の時限協調時間GT13(=400ms)だけ遅延する。
第1の論理積回路431は、図11に示した論理積回路143と同様に、第3の事故回線判定結果信号S3と第1の遅延回路421によって第3の時限協調時間GT13だけ遅延された第2のOVG出力信号SOVG2との論理積をとる。
第2の論理積回路432は、第3の遮断器43から入力される第3の接点信号SCB3(第3の遮断器43が入状態ではハイレベルの信号)と第4の遮断器44から入力される第4の接点信号SCB4(第4の遮断器44が入状態ではハイレベルの信号)との論理積をとる。
第3の論理積回路433は、第2のOVG出力信号SOVG2と第3の事故回線判定結果信号S3と第2の論理積回路432の出力信号と第2の受電端地絡方向継電装置122から入力される第4の事故回線判定結果信号S4の極性を反転した信号と第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から入力される第2のUVG出力信号SUVG2の極性を反転した信号との論理積をとる。ここで、第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置は、平衡2回線送電線の受電端正相電圧の大きさが整定値以下になるとハイレベルの第2のUVG出力信号SUVG2を出力する。
第2の遅延回路442は、第1および第2の論理積回路431,432の出力信号を第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23(=100ms)だけ遅延する。
第3の遅延回路423は、図11に示した第3の遅延回路1423と同様に、第2のOVG出力信号SOVG3を第3のOVG遮断時間GT33だけ遅延する。
論理和回路44は、図11に示した論理和回路144と同様に、第2の遅延回路422の出力信号と第3の遅延回路423の出力信号との論理和をとる。
第2の受電端地絡方向継電装置122は、図5に示すようにリレー判定回路51と第1乃至第3の遅延回路(タイマー)521〜523と第1乃至第3の論理積回路531〜533と論理和回路54とを有する第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路50を備える。
リレー判定回路51は、第4の零相電流I04と受電端零相電圧V0Sとに基づいて事故回線判定を行い、「自回線(第2の送電線2L)方向において地絡事故が発生した」と判定するとハイレベルの第4の事故回線判定結果信号S4を出力する。第4の事故回線判定結果信号S4は、第1および第3の論理積回路531,533に出力されるとともに、第1の受電端地絡方向継電装置121にも出力される。また、リレー判定回路51は、上述したリレー判定回路21と同様に整定されている。
第1の遅延回路521は、第2のOVG出力信号SOVG2を第4の時限協調時間GT14(=400ms)だけ遅延する。
第1の論理積回路531は、第4の事故回線判定結果信号S4と第1の遅延回路521によって第4の時限協調時間GT14だけ遅延された第2のOVG出力信号SOVG2との論理積をとる。
第2の論理積回路532は、第3の遮断器43から入力される第3の接点信号SCB3と第4の遮断器44から入力される第4の接点信号SCB4との論理積をとる。
第3の論理積回路533は、第2のOVG出力信号SOVG2と第4の事故回線判定結果信号S4と第2の論理積回路532の出力信号と第1の受電端地絡方向継電装置121から入力される第3の事故回線判定結果信号S3の極性を反転した信号と第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から入力される第2のUVG出力信号SUVG2の極性を反転した信号との論理積をとる。
第2の遅延回路542は、第1および第2の論理積回路531,532の出力信号を第4の零相自由振動誤動作防止時間GT24(=100ms)だけ遅延する。
第3の遅延回路523は、第2のOVG出力信号SOVG3を第4のOVG遮断時間GT34だけ遅延する。
論理和回路54は、第2の遅延回路522の出力信号と第3の遅延回路523の出力信号との論理和をとる。
次に、図6(a)に示すように第1の送電線1Lの送電端至近で図8(a)に示す時刻t0に地絡事故が発生した場合の本実施例による地絡保護継電システムの動作について、図6(b),(c)および図8(a)を参照して説明する。
なお、図6(a)〜(c)では、第1の送電端地絡方向継電装置111は「DGS1」と、第2の送電端地絡方向継電装置112は「DGS2」と、第1の受電地絡方向継電装置121は「DGR1」と、第2の受電端地絡方向継電装置122は「DGR2」と表記している。
第1の送電線1Lの送電端至近で地絡事故が発生すると、送電端母線に整定値以上の送電端零相電圧V0Sが発生するため、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1が第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112に出力されるとともに、受電端母線に整定値以上の受電端零相電圧V0Rが発生するため、ハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2が第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122に出力される。
これに対して、送電端正相電圧の大きさは整定値よりも小さいため、ロウレベルの第1のUVG出力信号SUVG1が第1の短絡検出用地絡不足継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112に出力されるとともに、受電端正相電圧の大きさは整定値よりも小さいため、ロウレベルの第2のUVG出力信号SUVG2が第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122に出力される。
また、最小地絡電流よりも大きい第1の零相電流I01が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも小さい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも小さい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも小さい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れる。そのため、図6(b)に網掛けで示すように第1の送電端地絡方向継電装置111のみが動作して、第2の送電端地絡方向継電装置112と第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とは動作しない。
すなわち、第1の送電端地絡方向継電装置121では、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20のリレー判定回路21(図2参照)が、第1の零相電流I01および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を出力する。一方、第2の送電端地絡方向継電装置122では、第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30のリレー判定回路31(図3参照)が、第2の零相電流I02および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」とは判定せず、ロウレベルの第2の事故回線判定結果信号S2を出力したままとなる。同様に、第1の受電端地絡方向継電装置121では、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40のリレー判定回路41(図4参照)が、第3の零相電流I03および受電端零相電圧VORに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」とは判定せず、ロウレベルの第3の事故回線判定結果信号S3を出力したままとなり、また、第2の受電端地絡方向継電装置122では、第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路50のリレー判定回路51(図5参照)が、第4の零相電流I04および受電端零相電圧VORに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」とは判定せず、ロウレベルの第4の事故回線判定結果信号S4を出力したままとなる。
その結果、第1の送電端地絡方向継電装置111では、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20の第3の論理積回路233には、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1とロウレベルの第2の事故回線判定結果信号S2の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1とロウレベルの第1のUVG出力信号SUVG1の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とが入力される。また、第1および第2の遮断器41,42は共に「入状態」であるためにハイレベルの第1および第2の接点信号SCB1,SCB2が第2の論理積回路232に入力されているので、ハイレベルの第2の論理積回路232の出力信号が第3の論理積回路233に入力される。そのため、第3の論理積回路233の出力信号はロウレベルからハイレベルになるので、第1のトリップ信号TDG1が、地絡事故発生からリレー回路21のリレー判定時間TRY(=20ms)と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21(=100ms)との合計時間(=TRY+GT21=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図8(a)に示す時刻t1に、第1の送電端地絡方向継電装置111から第1の遮断器41に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、図6(b)に×印で示すように、リレー判定時間TRYと第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT21+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図8(a)に示す時刻t2に、完全に遮断される。
このようにして第1の遮断器41が完全に遮断されると、第1の零相電流I01は流れなくなるが、迂回電流によって、最小地絡電流よりも大きい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れるため、図6(c)に網掛けで示すように第2の送電端地絡方向継電装置112と第1の受電端地絡方向継電装置122とが動作し始め、第1の送電端地絡方向継電装置111は動作しなくなり、第2の受電端地絡方向継電装置122は動作しないままとなる。
すなわち、第1の事故回線判定結果信号S1はリレー判定回路21のリレー判定時間TRY経過後にハイレベルからロウレベルになり、第2および第3の事故回線判定結果信号S2,S3はリレー判定回路31,41のリレー判定時間TRY経過後にロウレベルからハイレベルになり、第4の事故回線判定結果信号S4はロウレベルのままとなる。
その結果、第1の受電端地絡方向継電装置121では、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40の第3の論理積回路433には、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3とロウレベルの第2の事故回線判定結果信号S2の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2とロウレベルの第2のUVG出力信号SUVG2の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とが入力される。また、第3および第4の遮断器43,44は共に「入状態」であるためにハイレベルの第3および第4の接点信号SCB3,SCB4が第2の論理積回路432に入力されているので、ハイレベルの第2の論理積回路432の出力信号が第3の論理積回路433に入力される。そのため、第3の論理積回路433の出力信号はロウレベルからハイレベルになるので、第3のトリップ信号TDG3が、第1の遮断器41遮断からリレー判定回路41のリレー判定時間TRY(=20ms)と第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23(=100ms)との合計時間(=TRY+GT23=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図8(a)に示す時刻t3に、第1の受電端地絡方向継電装置121から第3の遮断器43に出力される。
これにより、第3の遮断器41は、図6(c)に×印で示すように、第1の遮断器41遮断からリレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT23+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図8(a)に示す時刻t4に、完全に遮断される。
一方、第2の送電端地絡方向継電装置112では、第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30の第3の論理積回路333には、ハイレベルの第2の事故回線判定結果信号S2とロウレベルの第1の事故回線判定結果信号S1の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1とロウレベルの第1のUVG出力信号SUVG1の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とが入力されるが、第1の遮断器41は「切状態」であるためにロウレベルの第1の接点信号SCB1が第2の論理積回路332に入力されるので、ロウレベルの第2の論理積回路332の出力信号が第3の論理積回路333に入力される。そのため、第3の論理積回路333の出力信号はロウレベルのままとなる。
また、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1は第1の遅延回路321によって第2の時限協調時間GT12(=800ms)だけ遅延されるため、上述したようにして第3の遮断器43が完全に遮断された時点では第1の遅延回路321の出力信号はロウレベルのままとなっている。また、第3の遮断器43が完全に遮断されると地絡事故は除去されるため、リレー判定回路31から出力される第2の事故回線判定結果信号S2はハイレベルからロウレベルになる。そのため、第1の論理積回路331の出力信号はロウレベルのままとなる。
その結果、第2の遮断器42は遮断されることがないので、図12(c)に示したような2回線遮断の問題を解決することができる。
また、第1および第3の遮断器41,43を共に遮断して地絡事故を除去するのに要する時間は図8(a)に示すようにリレー判定時間TRYと第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と遮断器遮断時間TCBとリレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=(TRY+GT21+TCB)+(TRY+GT23+TCB)=GT21+GT23+2(TRY+TCB))となる。これに対して、図9に示した従来の地絡保護継電システムでは、地絡事故を除去するのに要する時間は図14(a)に示したように第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と遮断器遮断時間TCBとリレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=(GT11+GT21+TCB)+(TRY+GT23+TCB)=GT11+GT21+GT23+TRY+2TCB)となる。そのため、本実施例による地絡保護継電システムは、従来の地絡保護継電システムに比べて、第1の時限協調時間GT11からリレー判定時間TRYを引いた時間(=(GT11+GT21+GT23+TRY+2TCB)−{GT21+GT23+2(TRY+TCB)}=GT11−TRY=800ms−20ms=780ms)だけ早く、地絡事故を除去することができる。
なお、第1の送電線1Lの送電端至近で不完全地絡事故が発生した場合には、最小地絡電流よりも大きい第1の零相電流I01のみが第1の送電線1Lを内部方向に流れ、第2乃至第4の零相電流I02〜I04は流れないため、第1の送電端地絡方向継電装置111のみが動作して、第2の送電端地絡方向継電装置112と第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とは動作しない。
したがって、この場合でも、本実施例による地絡保護継電システムは、上述した地絡事故が発生した場合と同様に動作して第1の遮断器41を遮断したのちに第3の遮断器43を遮断するだけで第2の遮断器42は遮断しないので、2回線遮断の問題を解決することができる。
次に、図7(a)に示すように第1の送電線1Lの受電端至近で地絡事故が発生した場合の本実施例による地絡保護継電システムの動作について、図7(b),(c)および図8(b)を参照して説明する。
なお、図7(a)〜(c)では、第1の送電端地絡方向継電装置111は「DGS1」と、第2の送電端地絡方向継電装置112は「DGS2」と、第1の受電地絡方向継電装置121は「DGR1」と、第2の受電端地絡方向継電装置122は「DGR2」と表記している。
第1の送電線1Lの受電端至近で地絡事故が発生すると、送電端母線に整定値以上の送電端零相電圧V0Sが発生するため、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1が第1の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112に出力されるとともに、受電端母線に整定値以上の受電端零相電圧V0Rが発生するため、ハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2が第2の地絡検出用地絡過電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122に出力される。
しかし、送電端正相電圧の大きさは整定値よりも小さいため、ロウレベルの第1のUVG出力信号SUVG1が第1の短絡検出用地絡不足継電装置から第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112に出力されるとともに、受電端正相電圧の大きさは整定値よりも小さいため、ロウレベルの第2のUVG出力信号SUVG2が第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122に出力される。
また、地絡電流は第1の送電線1Lと第2の送電線2Lとに1/2に分流して流れるので、最小地絡電流よりも大きい第1の零相電流I01が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れるため、図7(b)に網掛けで示すように第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112と第1の受電端地絡方向継電装置121とが動作して、第2の受電端地絡方向継電装置122は動作しない。
すなわち、第1の送電端地絡方向継電装置121では、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20のリレー判定回路21(図2参照)が、第1の零相電流I01および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1を出力する。同様に、第2の送電端地絡方向継電装置122では、第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30のリレー判定回路31(図3参照)が、第2の零相電流I02および送電端零相電圧VOSに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第2の事故回線判定結果信号S2を出力し、また、第1の受電端地絡方向継電装置121では、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40のリレー判定回路41(図4参照)が、第3の零相電流I03および受電端零相電圧VORに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定して、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3を出力する。一方、第2の受電端地絡方向継電装置122では、第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路50のリレー判定回路51(図5参照)が、第4の零相電流I04および受電端零相電圧VORに基づいて「自回線方向において地絡事故が発生した」とは判定せず、ロウレベルの第4の事故回線判定結果信号S4を出力したままとなる。
その結果、第1の受電端地絡方向継電装置121では、第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40の第3の論理積回路433には、ハイレベルの第3の事故回線判定結果信号S3とロウレベルの第4の事故回線判定結果信号S4の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とハイレベルの第2のOVG出力信号SOVG2とロウレベルの第2のUVG出力信号SUVG2の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とが入力される。また、第3および第4の遮断器43,44は共に「入状態」であるためにハイレベルの第3および第4の接点信号SCB3,SCB4が第2の論理積回路432に入力されているので、ハイレベルの第2の論理積回路432の出力信号が第3の論理積回路433に入力される。そのため、第3の論理積回路433の出力信号はロウレベルからハイレベルになるので、第3のトリップ信号TDG3が、リレー判定回路41のリレー判定時間TRY(=20ms)と第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23(=100ms)との合計時間(=TRY+GT23=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図8(b)に示す時刻t1に、第1の受電端地絡方向継電装置121から第3の遮断器43に出力される。
これにより、第3の遮断器43は、図7(b)に×印で示すように、リレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と第3の遮断器43の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT23+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図8(b)に示す時刻t2に、完全に遮断される。
一方、第1の送電端地絡方向継電装置111では、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20の第3の論理積回路233には、ハイレベルの第2の事故回線判定結果信号S2の極性を反転した信号(ロウレベルの信号)が入力されるため、第3の論理積回路233の出力信号はロウレベルのままとなる。
また、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1は第1の遅延回路221によって第1の時限協調時間GT11(=800ms)だけ遅延されるため、上述したようにして第3の遮断器43が完全に遮断された時点では第1の遅延回路221の出力信号はロウレベルのままとなっている。そのため、第1の論理積回路231の出力信号はロウレベルのままとなる。
したがって、第1のトリップ信号TDG1が第3の遮断器43の遮断前に第1の送電端地絡方向継電装置111から第1の遮断器41に出力されることはない。
同様に、第2の送電端地絡方向継電装置112では、第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30の第3の論理積回路333には、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1の極性を反転した信号(ロウレベルの信号)が入力されるため、第3の論理積回路333の出力信号はロウレベルのままとなる。
また、ハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1は第1の遅延回路321によって第2の時限協調時間GT12(=800ms)だけ遅延されるため、上述したようにして第3の遮断器43が完全に遮断された時点では第1の遅延回路321の出力信号はロウレベルのままとなっている。そのため、第1の論理積回路331の出力信号はロウレベルのままとなる。
したがって、第2のトリップ信号TDG2が第3の遮断器43の遮断前に第2の送電端地絡方向継電装置112から第2の遮断器42に出力されることはない。
上述したようにして第3の遮断器43が完全に遮断されると、第2乃至第4の零相電流I01〜I04は流れなくなり、最小地絡電流よりも大きい第1の零相電流I01のみが第1の送電線1Lを内部方向に流れるため、図7(c)に網掛けで示すように第1の送電端地絡方向継電装置111のみが動作をし続けて、第2の送電端地絡方向継電装置112と第1の受電端地絡方向継電装置121とは動作しなくなり、第2の受電端地絡方向継電装置122は動作しないままとなる。
すなわち、第1の事故回線判定結果信号S1はハイレベルのままとなり、第2および第3の事故回線判定結果信号S2,S3はリレー判定回路31,41のリレー判定時間TRY経過後にハイレベルからロウレベルになり、第4の事故回線判定結果信号S4はロウレベルのままとなる。
その結果、第1の送電端地絡方向継電装置111では、第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20の第3の論理積回路233には、第3の遮断器43遮断からリレー判定回路21のリレー判定時間TRYだけ経過すると、ハイレベルの第1の事故回線判定結果信号S1とロウレベルの第2の事故回線判定結果信号S2の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とハイレベルの第1のOVG出力信号SOVG1とロウレベルの第1のUVG出力信号SUVG1の極性を反転した信号(ハイレベルの信号)とが入力される。また、第1および第2の遮断器41,42は共に「入状態」であるためにハイレベルの第1および第2の接点信号SCB1,SCB2が第2の論理積回路232に入力されているので、ハイレベルの第2の論理積回路232の出力信号が第3の論理積回路233に入力される。そのため、第3の論理積回路233の出力信号はロウレベルからハイレベルになるので、第1のトリップ信号TDG1が、第3の遮断器43の遮断時からリレー判定時間TRY(=20ms)と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21(=100ms)との合計時間(=TRY+GT21=20ms+100ms=120ms)だけ経過した図8(b)に示す時刻t3に、第1の送電端地絡方向継電装置111から第1の遮断器41に出力される。
これにより、第1の遮断器41は、図7(c)に×印で示すように、第3の遮断器43遮断からリレー判定時間TRYと第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と第1の遮断器41の遮断器遮断時間TCB(=30ms)との合計時間(=TRY+GT21+TCB=120ms+30ms=150ms)だけ経過した図8(b)に示す時刻t4に、完全に遮断される。
その結果、地絡事故はリレー判定時間TRYと第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23と遮断器遮断時間TCBとリレー判定時間TRYと第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=(TRY+GT23+TCB)+(TRY+GT21+TCB)=GT23+GT21+2(TRY+TCB))経過後に除去される。
これに対して、図9に示した従来の地絡保護継電システムでは、地絡事故を除去するのに要する時間は図14(b)に示したように第1の時限協調時間GT11と第1の零相自由振動誤動作防止時間GT21と遮断器遮断時間TCBとの合計時間(=GT11+GT21+TCB)である。
そのため、本実施例による地絡保護継電システムは、従来の地絡保護継電システムに比べて、第1の時限協調時間GT11から第3の零相自由振動誤動作防止時間GT23とリレー判定時間TRYを2倍した時間と遮断器遮断時間TCBとを引いた時間(=(GT11+GT21+TCB)−{GT23+GT21+2(TRY+TCB)}=GT11−GT23−2TRY−TCB)=800ms−100ms−2×20ms−30ms)=630ms)だけ早く、地絡事故を除去することができる。
なお、第1の送電線1Lの受電端至近で不完全地絡事故が発生した場合にも、地絡電流は第1の送電線1Lと第2の送電線2Lとに1/2に分流して流れるので、最小地絡電流よりも大きい第1の零相電流I01が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第2の零相電流I02が第2の送電線2Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第3の零相電流I03が第1の送電線1Lを内部方向に流れ、最小地絡電流よりも大きい第4の零相電流I04が第2の送電線2Lを外部方向に流れるため、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112と第1の受電端地絡方向継電装置121とが動作して、第2の受電端地絡方向継電装置122は動作しない。
したがって、この場合でも本実施例による地絡保護継電システムは、上述した地絡事故が発生した場合と同様に動作して、不完全地絡事故を高速に除去することができる。
なお、図9に示した従来の地絡保護継電システムでは、以下に示すように零相循環電流による送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の誤動作に起因する供給信頼度の低下という問題があった。
主保護として使用されている送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112は保護区間(送電端母線と受電端母線との間の区間)の50%地点(線路中間点)での故障時の最小零相電流(保護区間の30%相当の不完全零相電流)で動作するように整定されている。
たとえば、系統内最小NGR容量=100A時の整定とすると、送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112に入力される電流の値は(100A×0.3)/2=15Aになるため、送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112の整定値は15Aとされる。
このため、零相循環電流が7.5A以上流れると、リレー入力の零相電流(差接続された第1および第2の零相変流器31,32から送電端地絡回線選択継電装置111に入力される零相電流と、差接続された第3および第4の零相変流器33,34から受電端地絡回線選択継電装置112に入力される零相電流)は零相循環電流の2倍(15A以上)になって整定値以上になるため、送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112が誤動作してしまい、供給信頼度の低下を招いている。
なお、零相循環電流により誤動作しないように送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112を整定した場合には、保護範囲が狭まって無保護区間が生じる。また、零相循環電流対策付きの地絡回線選択継電装置(たとえば、差回路に流れる事故時の零相電流の有効分と事故前の零相電流の有効分との差分を求めることにより零相循環電流の影響を除去して動作量を算出する変化分検出器(変化幅形)地絡回線選択継電装置や、リレー入力の零相電流から零相循環電流分を除去するように補償をかける補償形地絡回線選択継電装置)を使用した場合には、コスト増になる。
これに対して、本実施例による地絡保護継電システムでは、送電端地絡回線選択継電装置111および受電端地絡回線選択継電装置112を不要にすることができるとともに、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112と第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122とは零相循環電流では動作しないため、供給信頼度の低下を招くことをなくすことができる。
また、たとえば第1の送電線1Lの受電端背後の送電線において地絡事故(外部地絡事故)が発生すると、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112は動作する(すなわち、「自回線方向における地絡事故が発生した」と判定する)が、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112が共に動作するため、第1および第2の遮断器41,42を高速に遮断することはない。
以上の説明では、第1および第2の送電端地絡方向継電装置111,112を個々に構成したが、一体に構成してもよい。第1および第2の受電端地絡方向継電装置121,122についても同様である。
本発明の一実施例による地絡保護継電システムの構成を示す図である。 図1に示した第1の送電端地絡方向継電装置111が備える第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路20の構成を示すブロック図である。 図1に示した第2の送電端地絡方向継電装置112が備える第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路30の構成を示すブロック図である。 図1に示した第1の受電端地絡方向継電装置121が備える第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路40の構成を示すブロック図である。 図1に示した第2の受電端地絡方向継電装置122が備える第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路50の構成を示すブロック図である。 第1の送電線1Lの送電端至近で地絡事故が発生した場合の図1に示した地絡保護継電システムの動作を説明するためのである。 第1の送電線1Lの受電端至近で地絡事故が発生した場合の図1に示した地絡保護継電システムの動作を説明するためのである。 第1の送電線1Lの送電端および受電端至近で地絡事故が発生した場合の図1に示した地絡保護継電システムの動作を説明するためのである。 主保護として地絡回線選択継電装置を使用するとともに後備保護として地絡方向継電装置を使用した従来の地絡保護継電システムの構成を示す図である。 図9に示した第1の送電端地絡方向継電装置1211が備える第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路130の構成を示すブロック図である。 図9に示した第1の受電端地絡方向継電装置1221が備える第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路140の構成を示すブロック図である。 図9に示した地絡保護継電システムにおける問題点について説明するための図である。 図9に示した地絡保護継電システムにおける問題点について説明するための図である。 図9に示した地絡保護継電システムにおける問題点について説明するための図である。
符号の説明
1〜34 第1乃至第4の零相変流器
1〜44 第1乃至第4の遮断器
1,52 第1および第2の接地形計器用変圧器
111,112,1211,1212 第1および第2の送電端地絡方向継電装置
121,122,1221,1222 第1および第2の受電端地絡方向継電装置
20,30 第1および第2の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路
40,50 第1および第2の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路
21,31,41,51,131,141 リレー判定回路
221〜223,321〜323,421〜423,521〜523,1321〜1323,1421〜1423 第1乃至第3の遅延回路(タイマー)
231〜233,331〜333,431〜433,531〜533 第1乃至第3の論理積回路
24,34,44,54,134,144 論理和回路
111 送電端地絡回線選択継電装置
112 受電端地絡回線選択継電装置
130 第1の送電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路
140 第1の受電端地絡方向継電装置トリップ信号発生回路
133,143 論理積回路
1L,2L 第1および第2の送電線
01〜I04 第1乃至第4の零相電流
0S 送電端零相電圧
0R 受電端零相電圧
1〜S4 第1乃至第4の事故回線判定結果信号
OVG1,SOVG2 第1および第2のOVG出力信号
UVG1,SUVG2 第1および第2のUVG出力信号
CB1〜SCB4 第1乃至第4の接点信号
GT11〜GT14 第1乃至第4の時限協調時間
GT21〜GT24 第1乃至第4の零相自由振動誤動作防止時間
GT31〜GT34 第1乃至第4のOVG遮断時間
RY リレー判定時間
CB 遮断器遮断時間
DG1〜TDG4 第1乃至第4のトリップ信号
0〜t6 時刻

Claims (4)

  1. 送電端母線と受電端母線との間に敷設された第1および第2の送電線(1L,2L)からなる平衡2回線送電線を地絡事故から保護するための地絡保護継電システムであって、
    自端側の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、隣回線の自端側に設置された他の地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、および、自回線および隣回線の自端側にそれぞれ設置された2つの遮断器(41,42:43,44)が共に入状態であることを条件に、該自回線の自端側に設置された遮断器を遮断するためのトリップ信号(TDG1〜TDG4)を瞬時に発生するトリップ信号瞬時発生手段を備えた地絡方向継電装置(111,112,121,122)を具備することを特徴とする、地絡保護継電システム。
  2. 前記トリップ信号瞬時発生手段が、自端側の短絡検出用地絡不足電圧継電装置が不動作であることをさらに条件として前記トリップ信号を瞬時に発生することを特徴とする、請求項1記載の地絡保護継電システム。
  3. 前記地絡方向継電装置が、保護区間内部故障時に故障点に関係なく最小地絡電流で動作する整定とされているとともに、前記平衡2回線送電線の1回線保護として使用されている場合には、2回線並用時において相手端母線故障時の最小地絡電流で動作する整定とされていることを特徴とする、請求項1または2記載の地絡保護継電システム。
  4. 前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の送電端地絡方向継電装置(111,112)と、
    前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第1および第2の受電端地絡方向継電装置(121,122)とを具備し、
    前記第1の送電端地絡方向継電装置が、前記送電端母線に設置された第1の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第2の送電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の送電線の送電端側にそれぞれ設置された第1および第2の遮断器(41,42)が共に入状態であること、および、前記送電端母線に設置された第1の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から前記平衡2回線送電線の送電端正相電圧の大きさが整定値以下になったことを示す第1のUVG出力信号(SUVG1)が入力されていないことを条件に、該第1の遮断器を遮断するための第1のトリップ信号(TDG1)を瞬時に発生する第1のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第2の送電端地絡方向継電装置が、前記第1の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第1の送電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の遮断器が共に入状態であること、および、前記第1のUVG出力信号が入力されていないことを条件に、該第2の遮断器を遮断するための第2のトリップ信号(TDG2)を瞬時に発生する第2のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第1の受電端地絡方向継電装置が、前記受電端母線に設置された第2の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第2の受電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第1および第2の送電線の受電端側にそれぞれ設置された第3および第4の遮断器(43,44)が共に入状態であること、および、前記受電端母線に設置された第2の短絡検出用地絡不足電圧継電装置から前記平衡2回線送電線の受電端正相電圧の大きさが整定値以下になったことを示す第2のUVG出力信号(SUVG2)が入力されていないことを条件に、該第3の遮断器を遮断するための第3のトリップ信号(TDG3)を瞬時に発生する第3のトリップ信号瞬時発生手段を備え、
    前記第2の受電端地絡方向継電装置が、前記第2の地絡検出用過電圧継電装置が動作したこと、「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定したこと、前記第1の受電端地絡方向継電装置が「自回線方向において地絡事故が発生した」と判定していないこと、前記第3および第4の遮断器が共に入状態であること、および、前記第2のUVG出力信号が入力されていないことを条件に、該第4の遮断器を遮断するための第4のトリップ信号(TDG4)を瞬時に発生する第4のトリップ信号瞬時発生手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の地絡保護継電システム。
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