本発明の一実施形態の両替機システムを図面を参照して以下に説明する。
図1は、本実施形態の両替機システムを示す構成図で、両替機システム11は、金融機関等に設置されて現金の自動両替を行う両替機12と、両替機12とは別に設けられ、例えば顧客の店舗等に設置されて両替パターンデータの設定を行う汎用パーソナルコンピュータからなる外部設定機器13と、両替機12および外部設定機器13の両方に対してデータを送受可能とされた携帯容易なカード14とで構成されている。
両替機12は、前側(操作者側)且つ上側が切り欠かれた段差状をなしており、高さ方向の中間位置の前側に、水平に沿う中間上面20が形成され、その上の前側に上部前面21が形成されている。
中間上面20には、その操作者から見て右側に、両替取引を行う際に案内表示を行うとともに入力操作が行われる液晶タッチパネル式の操作表示部(選択手段,修正受付手段)22が設けられ、左側に包装硬貨を出金する包装硬貨出金口24が設けられている。包装硬貨出金口24には、開閉可能なシャッタ25が設けられている。
上部前面21には、その上部の操作者から見て右端に取引明細書を発行する明細書発行口27が設けられ、その左側には、カード14が挿入されカード14を返却するカード挿入口28が設けられている。また、上部の左端には係員を呼び出す際に操作される係員呼出ボタン29が設けられている。
上部前面21には、その下部の操作者から見て右側に、奥方に凹む凹部31が形成されている。この凹部31の上部には操作者に向けて音声案内を出力する音声出力部32が設けられ、凹部31の下端には、バラ紙幣が入金され且つバラ紙幣を出金するバラ紙幣入出金口33が設けられている。このバラ紙幣入出金口33は、操作表示部22の後側に並設されており、開閉可能なシャッタ34が設けられている。
上部前面21には、その操作者から見て左側に、バラ硬貨を出金するバラ硬貨出金口36が設けられている。このバラ硬貨出金口36には、開閉可能なシャッタ37が設けられている。
上記両替機12の内部構成は、図2に示すように、操作表示ユニット(操作表示手段)40と、バラ紙幣入出金ユニット(バラ紙幣入出金手段)41と、バラ硬貨出金ユニット(バラ硬貨出金手段)42と、包装硬貨出金ユニット(包装硬貨出金手段)43と、カードアクセスユニット(カード情報認識手段)44と、印字ユニット(出力手段)45と、音声出力ユニット(音声出力手段)46と、通信部(外部通信手段)47と、これらを制御する制御部(制御手段)48と、記憶部(記憶手段)49とからなっている。
操作表示ユニット40は、液晶タッチパネルからなる上記した操作表示部22を含んでおり、両替操作を行う操作者である顧客が両替を行う際に、顧客に対してガイドを表示したり確認表示を行いながら、顧客によって両替元金や顧客が所望する金種毎の数量からなる両替パターンデータ等の入力操作が行われる。この操作表示ユニット40は、両替機12の内部に設けられており、その一部である操作表示部22の上面パネルのみが顧客に対しアクセス可能なように中間上面20に配設されている。
バラ紙幣入出金ユニット41は、両替時に顧客によりバラ紙幣入出金口33に投入された両替元金であるバラ紙幣の入金処理と、両替払出金を構成するバラ紙幣の出金処理とを行うものである。バラ紙幣の入金処理時に、バラ紙幣入出金ユニット41は、シャッタ34を開き、バラ紙幣入出金口33にバラ紙幣が投入されると、シャッタ34を閉じてから、バラ紙幣入出金口33のバラ紙幣を一枚ずつに分離して機内に取り込み、計数および識別を行って機内の図示略の金種別のバラ紙幣収納カセットに収納する。また、バラ紙幣の出金処理時に、バラ紙幣入出金ユニット41は、シャッタ34は閉じたまま、操作表示部22等で指定された両替パターンデータに基づいて所定金種・所定枚数のバラ紙幣を金種別のバラ紙幣収納カセットから計数しつつバラ紙幣入出金口33に繰り出し、その後、シャッタ34を開く。
バラ硬貨出金ユニット42は、両替時に両替払出金を構成するバラ硬貨の出金処理を行うものである。バラ硬貨の出金処理時に、バラ硬貨出金ユニット42は、シャッタ37を閉じたまま、操作表示部22等で指定された両替パターンデータに基づいて所定金種・所定枚数のバラ硬貨を機内の図示略の金種別のバラ硬貨収納カセットから計数しつつバラ硬貨出金口36に繰り出し、その後、シャッタ37を開く。
包装硬貨出金ユニット43は、両替時に両替払出金を構成する包装硬貨の出金処理を行うものである。包装硬貨の出金処理時に、包装硬貨出金ユニット43は、シャッタ25を閉じたまま、操作表示部22等で指定された両替パターンデータに基づいて所定金種・所定本数の包装硬貨を機内の図示略の金種別の包装硬貨収納カセットから計数しつつ包装硬貨出金口24に繰り出し、その後、シャッタ25を開く。
カードアクセスユニット44は、カード挿入口28に挿入されたカード14を機内に取り込み、このカード14のカード記憶部51に記憶されているカード情報を読み込んだり、必要に応じてカード情報をカード記憶部51に書き込んだりするカードリーダライタである。カードアクセスユニット44は、カード情報の処理が終了すると、このカード14をカード挿入口28に返却する。
印字ユニット45は、両替取引情報を用紙に印刷して取引明細書として発行するプリンタユニットであり、両替取引の終了時に当該両替取引の詳細を記載した取引明細書を明細書発行口27から発行する。
音声出力ユニット46は、スピーカである音声出力部32を含んでおり、この音声出力部32から顧客にむけて操作ガイドをアナウンスしたり、両替取引の開始時および終了時に所定の挨拶のアナウンスをしたりするものである。
通信部47は、両替機12と、両替機外部との通信を行うためのものであり、例えば、両替機12の設置場所に対し遠隔の場所に配置され所定の係員がアクセスするリモート監視モニタ機器52と通信を行うものである。そして、両替機12は、通信部47によって、両替機12の図示略の各収納ユニットに収納されている金種別のバラ紙幣、金種別のバラ硬貨および金種別の包装硬貨のそれぞれのエンプティ・ニアエンプティの状態や、両替機12の異常の発生等をリモート監視モニタ機器52に出力することになり、これらの情報をリモート監視モニタ機器52で遠隔に監視可能となっている。また、両替機12は、係員呼出ボタン29が押下操作されると、その呼出情報を通信部47によって、リモート監視モニタ機器52に出力することになり、リモート監視モニタ機器52で遠隔に監視可能となっている。さらに、両替機12は、通信部47によって両替機12が設置された同じ店舗内の管理サーバ53と通信し、この管理サーバ53を介して、店舗外部にある金融機関(クレジット会社を含む)のセンタ本部の図示略のホストコンピュータとオンラインにて通信可能となっている。
そして、以上に述べた両替機12の各部,各ユニットがCPUである制御部48によって制御されることになる。記憶部49は、RAMやハードディスク等によって構成され、予め必要とされる情報が記憶されており、適宜、制御部48によって情報の読み出しおよび書き込み等が行われる。
外部設定機器13の構成は、図1に示すように、液晶画面からなる表示画面(表示手段)55と、キーボード56およびマウス57からなる操作部(操作手段)58と、外部カードアクセスユニット(外部カード情報認識手段)59と、これらを制御する制御部(外部制御手段)60とを有している。
外部カードアクセスユニット59は、カード挿入口63を有しており、このカード挿入口63に挿入されたカード14のカード記憶部51に記憶されているカード情報を読み込んだり、必要に応じてカード情報をカード記憶部51に書き込んだりするカードリーダライタである。
カード14は、顧客からの発行依頼に基づいて金融機関から発行されるものであり、そのカード記憶部51には、金融機関側で発行時に予め、金融機関コードと、支店コードと、顧客コード(口座番号)と、カード14の発行日と、カード14の有効期限と、発行依頼時に顧客が申告した任意の4桁の数字からなる暗証番号データと、発行依頼時に顧客が申告した少なくとも一つの両替パターンデータと、両替パターンデータを作成・編集して設定登録するための両替パターンデータ設定登録プログラムと、両替手数料として支払い可能な両替使用可能度数データとがカード情報として記憶されている。そして、これらがカード記憶部51に記憶された状態でカード14が金融機関から顧客へ発行される仕組みになっている。カード記憶部51は例えばICメモリ等からなり、このカード記憶部51のカード情報が両替機12のカードアクセスユニット44および外部設定機器13の外部カードアクセスユニット59で読み取られることになる。
ここで、上記した両替パターンデータは、両替元金の金額データ、両替払出金の各金種別の数量データ等で構成されている。両替払出金の各金種別の数量データは、例えば、小売店舗で一日に必要とする釣銭準備金としての貨幣の組み合わせであり、両替元金の金額データは、その合計金額である。両替パターンデータは、一例として、両替元金が14万円であり、両替払出金が、五千円券10枚、千円券50枚、500円硬貨の包装硬貨1本(バラ硬貨50枚分)、100円硬貨の包装硬貨2本(バラ硬貨100枚分)、50円硬貨の包装硬貨1本(バラ硬貨50枚分)、10円硬貨の包装硬貨2本(バラ硬貨100枚分)、5円硬貨の包装硬貨4本(バラ硬貨200枚分)、1円硬貨の包装硬貨10本(バラ硬貨500枚分)であることを示すデータ等からなる。
なお、顧客が両替の際にカード挿入口28に挿入するカード14の種類には、例えばキャッシュカード等がある。キャッシュカードについては、カード14のカード記憶部51に記憶されている金融機関コード等が両替機12のカードアクセスユニット44にて読み取られることになり、読み取った金融機関コードがこの両替機12が設置された当行の金融機関コードと一致する場合に、制御部48は、両替処理を許諾し、一致しない場合には両替処理を許諾しない等の判断を行う。あるいは、読み取った金融機関コードがこの両替機12が設置された当行の金融機関コードと一致しない場合、所定枚数(例えば総枚数49枚等)以内の両替であれば両替処理を許諾し、所定枚数を超える両替であれば両替処理に手数料を徴収したり、所定枚数以内の両替であっても手数料を徴収したり等の判断を行う。つまり、カード14は、顧客のランク分け認証用として使用される。
上記した両替パターンデータ設定登録プログラムは、そのプログラム中に両替限度数量データを演算パラメータとして具備している。両替限度数量データとは、両替機12での払い出し用としての取り扱い可能な金種と、取り扱い可能なバラ紙幣、バラ硬貨および包装硬貨の払い出し上限の限度数量データとのことを示しており、払い出し上限の限度数量データは、基本的には両替機12でのバラ紙幣入出金口33、バラ硬貨出金口36および包装硬貨出金口24のそれぞれの容量に基づいて設定されている。両替パターンデータ設定登録プログラムでは、両替限度数量データの取り扱い可能金種および限度数量データの範囲内でのみ両替パターンデータが作成可能となっている。
上記した取り扱い可能金種として、例えば、バラ紙幣では、五千円券、二千円券および千円券が取り扱い可能に設定され、一万円券は取り扱い不可であり、バラ硬貨では、500円硬貨および100円硬貨が取り扱い可能に設定され、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨は取り扱い不可であり、包装硬貨では、500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨のすべてが取り扱い可能に設定されている。
また、上記した限度数量データとして、例えば、バラ紙幣では、取り扱い可能な全金種合計で200枚が設定され、バラ硬貨では取り扱い可能な全金種合計で100枚が設定され、包装硬貨では取り扱い可能な全金種合計で30本が設定されている。
また、両替パターンデータ設定登録プログラムは、両替パターンデータを演算パラメータとしてこれに基づく両替手数料金額データを演算するプログラムを備えており、両替パターンデータ設定登録プログラムの動作時、つまり両替パターンデータが作成される過程、または、両替パターンデータが作成された以降に、該両替パターンデータに基づく両替手数料金額データを演算し、カード記憶部51に記憶する。
両替使用可能度数データは、両替機12での両替手数料の管理用に使用されるもので、先払いにより現金に対応する度数のデータが両替使用可能度数データとして予めカード記憶部51に書き込まれる(いわゆるチャージ)。例えば、100円を1度数、200円を2度数、300円を3度数とする。そして、顧客が両替取引する都度、この両替使用可能度数データが両替手数料の分、減算されて更新され、使用可能度数データが両替手数料に対して不足になるまで、両替取引可能となっている。
顧客が独自に両替パターンデータを作成する場合、顧客は、外部設定機器13の外部カードアクセスユニット59にカード挿入口63からカード14を挿入する。すると、外部設定機器13の制御部60が、外部カードアクセスユニット59を介してカード14のカード記憶部51に対しアクセスし、カード記憶部51から両替パターンデータ設定登録プログラムを読み込んで動作させる。
まず、両替パターンデータ設定登録プログラムの実行の初期段階として、制御部60は、暗証番号データの入力を促す表示を表示画面55に表示させ、操作部58に入力された暗証番号データとカード記憶部51から読み出した暗証番号データとが一致するか否かを判定する。一致しなければ、エラー表示を行って両替パターンデータ設定登録プログラムを終了する。暗証番号データが一致していた場合、現在カード記憶部51に記憶されているすべての両替パターンデータとともに、両替パターンデータの更新・追加登録・削除を行うか終了するかの判断の入力を促す表示を表示画面55に表示させる。
顧客が両替パターンデータの確認のみを希望し、確認後、顧客によって、両替パターンデータの更新・追加登録・削除を行わない旨が操作部58を介して選択入力されると、制御部60は、両替パターンデータ設定登録プログラムを終了する。
両替パターンデータの更新・追加登録・削除を行う旨が操作部58を介して選択入力されると、制御部60は、両替パターンデータ設定登録プログラムを継続して実行し、現在カード記憶部51に記憶されているすべての両替パターンデータを表示するとともに、いずれの両替パターンデータが対象であるかの選択を促す表示を行う。
そして、いずれか一つの両替パターンデータが選択されると、制御部60は、選択された両替パターンデータのみを表示して、更新・追加登録を行うか、削除を行うかの選択を促す選択指示画面表示パターンを表示させる。
選択指示画面表示パターンにおいて、「削除」が選択されると、制御部60は、選択された両替パターンデータをカード14のカード記憶部51から消去する。
また、選択指示画面表示パターンにおいて、「更新・追加登録」が選択されると、制御部60は、後述する入力用画面表示パターン65を表示画面55に表示させることになり、操作部58を介して両替元金の金額と、両替払出金としてのバラ紙幣、バラ硬貨および包装硬貨の各金種毎の数量データとを顧客に入力させることになる。このとき、バラ紙幣、バラ硬貨および包装硬貨はそれぞれの両替限度数量データの上限範囲内でのみ入力可能であり、制御部60は上限範囲を超える入力を受け付けないようになっている。また、両替元金の金額と両替払出金の合計金額とが一致していなければ修正を促す表示を表示画面55に表示させる。さらには、両替元金の金額入力は必ずしも必須ではなく、入力設定される両替払出金の合計金額に一致するように、両替元金が自動的に表示設定されるようにすることも可能である。なお、以下の説明にあっては、両替元金の金額を入力する場合について進める。
そして、両替元金の金額と両替払出金の合計金額とが一致すると、確定操作を促す表示を表示画面55に表示させ、確定操作が入力されると、今回入力された両替パターンデータをすでに記憶されている両替パターンデータと置き換えるか、新たな両替パターンデータとして追加登録をするかの選択を促す表示を表示画面55に表示させる。置き換えが選択された場合は、上記のように既に選択されている一つの両替パターンデータを今回入力された両替パターンデータに置き換えてカード記憶部51に記憶させる置き換えの設定登録を行う。また、追加登録が選択された場合は、今回入力された両替パターンデータをすでに記憶されていた両替パターンデータとは別に、カード記憶部51に記憶させる追加登録の設定登録を行う。
例えば、両替パターンデータの更新・追加登録を行う旨が操作部58を介して選択入力されると、制御部60は、両替パターンデータ設定登録プログラムの動作によって、図3に示すように、顧客が入力する入力欄を有する入力用画面表示パターン65を表示画面55に表示させる。この入力用画面表示パターン65には、両替を行う銀行の銀行名を含む「○○銀行両替機 両替パターン設定登録画面」のタイトル表示70と、両替パターンデータの番号を示す「両替パターンデータ1」のデータ番号表示71と、更新指定時に選択操作される「更新」のボタン表示72と、追加登録指定時に選択操作される「追加登録」のボタン表示73と、終了時に選択操作される「終了」のボタン表示74とが含まれている。
また、上記した入力用画面表示パターン65には、顧客が更新または追加登録する両替パターンデータの作成・編集欄である各入力欄および表示欄とそれぞれの項目名表示および限度数量表示等が含まれている。
つまり、「両替元金」の項目名表示75と、両替元金の金額データの入力欄75aと、「払い出し金」の項目名表示76と、「バラ紙幣」の項目名表示77と、両替払出金としてのバラ紙幣のうち五千円券についての「五千円券」の項目名表示78およびその枚数データの入力欄78aと、同じく二千円券についての「二千円券」の項目名表示79およびその枚数データの入力欄79aと、同じく千円券についての「千円券」の項目名表示80およびその枚数データの入力欄80aと、これらバラ紙幣の小計枚数についての「小計」の項目名表示81およびその自動演算結果を表示する小計枚数表示欄81aとが設けられる。
また、「バラ硬貨」の項目名表示83と、両替払出金としてのバラ硬貨のうち500円硬貨についての「500円硬貨」の項目名表示84およびその枚数データの入力欄84aと、同じく100円硬貨についての「100円硬貨」の項目名表示85およびその枚数データの入力欄85aと、これらバラ硬貨の小計枚数についての「小計」の項目名表示86およびその自動演算結果を表示する小計枚数表示欄86aとが設けられる。
さらに、「包装硬貨」の項目名表示88と、両替払出金としての包装硬貨のうち500円棒金についての「500円硬貨」の項目名表示89およびその本数データの入力欄89aと、同じく100円棒金についての「100円硬貨」の項目名表示90およびその本数データの入力欄90aと、同じく50円棒金についての「50円硬貨」の項目名表示91およびその本数データの入力欄91aと、同じく10円棒金についての「10円硬貨」の項目名表示92およびその本数データの入力欄92aと、同じく5円棒金についての「5円硬貨」の項目名表示93およびその本数データの入力欄93aと、同じく1円棒金についての「1円硬貨」の項目名表示94およびその本数データの入力欄94aと、これら包装硬貨の小計本数についての「小計」の項目名表示95およびその自動演算結果を表示する小計本数表示欄95aと、両替払出金の合計金額についての「合計金額」の項目名表示97およびその自動演算結果を表示する合計金額表示欄97aとが設けられる。
加えて、バラ紙幣の小計枚数およびバラ硬貨の小計枚数に、包装硬貨をそれぞれの硬貨単体とした場合の小計枚数を加算した両替払出金の合計枚数についての「合計枚数」の項目名表示98およびその自動演算結果を表示する合計枚数表示欄98aと、例えば両替の合計枚数に基づいて両替手数料金額データを自動演算しその結果得られる両替手数料についての「両替手数料」の項目名表示99およびその自動演算結果を表示する手数料表示欄99aとが表示されることになる。
さらに、両替払出金の各入力欄78a〜80a,84a,85a,89a〜94a、小計枚数表示欄81a,86aおよび小計本数表示欄95aの横には、限度数量データとして、限度枚数表示欄78b〜80b,84b,85b,89b〜94b,81b,86bおよび限度本数表示欄95bがそれぞれ設けられ、これらそれぞれに設定された数量範囲が表示され、これらの上側に「限度枚本数」の項目名表示100が表示されることになる。
ここで、両替パターンデータの更新・追加登録を行う旨が操作部58を介して選択入力されると、制御部60は、上記した入力用画面表示パターン65の各入力欄に初期値として、図3に示すように、すでにカード14のカード記憶部51に記憶されている両替パターンデータであって、上記した対象として選択された一つの両替パターンデータを表示させることになる。図3では、上記一例として示した、両替パターンデータである、両替元金が14万円、両替払出金が、五千円券10枚、千円券50枚、500円硬貨の包装硬貨1本、100円硬貨の包装硬貨2本、50円硬貨の包装硬貨1本、10円硬貨の包装硬貨2本、5円硬貨の包装硬貨4本、1円硬貨の包装硬貨10本が初期値として入力欄75a,78a,80a,81a,89a〜94aに表示され、小計枚数表示欄81aに60枚、小計本数表示欄95aに20本の自動演算結果が表示される。
そして、顧客による操作部58への操作で、入力欄75a,78a〜80a,84a,85a,89a〜94aのうちの適宜のものが変更されることになる。この両替パターンデータの変更としては、例えば、両替元金は修正せずに、バラ紙幣の千円券を一枚減らして、バラ硬貨の500円硬貨を二枚増やしたり、また例えば、両替元金を含めての修正とし、バラ紙幣の五千円券の枚数を二枚増やして、両替元金を1万円増やすといった変更が可能である。勿論、すべてのデータを一旦ゼロにリセットしてから、入力し直すことも可能である。なお、両替払出金の各入力欄78a〜80a,84a,85a,89a〜94aのいずれかに、両替限度数量データを超える数値が入力された場合、および小計枚数表示欄81a,86aおよび小計本数表示欄95aのいずれかの演算結果が両替限度数量データを超える場合には、制御部60は、この入力を受け付けずに、「数量オーバー」のエラー表示をポップアップ画面で表示させて再入力を促す。
また、両替パターンデータ設定登録プログラムは、両替機12での両替取引において徴収される両替手数料金額データを両替パターンデータに基づいて演算するようになっている。一例としては、両替総枚数(バラ紙幣の枚数とバラ硬貨の枚数と包装硬貨を構成するバラ硬貨の枚数とを加算した枚数)が50枚〜499枚の場合は、両替手数料金額データが200円、両替総枚数が500枚〜999枚の場合は、両替手数料金額データが300円、両替総枚数が1000枚〜1499枚の場合は、両替手数料金額データが400円というように両替手数料が両替総枚数によって区分されている。そして、顧客が独自に外部設定機器13を用いてカード14のカード記憶部51に両替パターンデータの更新または追加登録を行う際に、両替払出金の各入力欄78a〜80a,84a,85a,89a〜94aのいずれかが変更される度に、制御部60は、両替払出金の両替総枚数に応じた両替手数料を手数料表示欄99aに表示させることになり、顧客がこの両替手数料を参照し意識して両替パターンデータを作成することができる(図3では、手数料表示欄99aに400円が表示された状態を示す)。
入力欄75a,78a〜80a,84a,85a,89a〜94aが適宜変更された後、「更新」または「追加登録」のボタン表示72またはボタン表示73が選択操作されると、制御部60は、両替元金と両替払出金の合計金額とが一致するか否かを確認し、一致しなければ、「合計金額不一致」のエラー表示をポップアップ画面で表示させて再入力を促す。他方、制御部60は、両替元金と両替払出金の合計金額とが一致していれば、「更新」のボタン表示72が選択操作されていた場合には、上記のように対象として選択された両替パターンデータを変更後の両替パターンデータに置き換えて、カード14のカード記憶部51に記憶させる更新登録を行う。また、制御部60は、両替元金と両替払出金の合計金額とが一致していて、「追加登録」のボタン表示73が選択操作されていた場合には、すでに登録されていた両替パターンデータとは別の、例えば、すでに登録されていた「両替パターンデータ1」に対して別の「両替パターンデータ2」として、変更後の両替パターンデータを追加でカード14のカード記憶部51に記憶させる追加登録を行う。なお、更新の選択操作および追加登録の選択操作のいずれも行われる前に、「終了」のボタン表示74が選択操作されると、制御部60は、両替パターンデータの更新および追加登録を行うことなく、両替パターンデータ設定登録プログラムを終了する。
以上のようにして、カード情報として、顧客が所望する少なくとも一つの両替パターンデータ(両替元金および両替払出金の各別の数量データ)がカード記憶部51に記憶されたカード14を携帯して、顧客が両替を行うために、両替機12に行って両替機12のカード挿入口28にカード14を挿入する。すると、両替機12の制御部48は、以下の両替処理を行う。
「両替処理」
両替機12の制御部48は、カードアクセスユニット44を介してカード14のカード記憶部51に記憶された、両替パターンデータおよび暗証番号データを含むカード情報を読み取る。そして、制御部48は、暗証番号データの入力を促す表示と、「0」〜「9」までのテンキー表示とを操作表示ユニット40の操作表示部22に表示させる。テンキー表示が押圧され、暗証番号データが入力されると、制御部48は、操作表示部22に入力された暗証番号データとカード記憶部51から読み出した暗証番号データとが一致するか否かを判定する。一致しなければ、エラー表示を行って両替処理を終了する。暗証番号データが一致していた場合、操作表示部22の画面表示パターンを、カード14のカード記憶部51から読み取ったカード情報を表示するカード情報画面表示パターンに切り替える。
ここで、制御部48は、カード情報に、複数の両替パターンデータが含まれている場合には、カード情報画面表示パターンにおいて、複数の両替パターンデータを同時に表示させ、操作表示部22への選択操作を促す表示を行う。そして、複数の両替パターンデータの中から一つの両替パターンデータが操作表示部22へ選択操作された場合、制御部48は、選択された両替パターンデータと、承認時に選択操作される「承認」のボタン表示と、修正時に選択操作される「修正」のボタン表示と、非承認時に選択操作される「中止」のボタン表示と、両替パターンデータの削除時に選択操作される「削除」のボタン表示とを表示する承認等選択画面表示パターンに切り替える。また、制御部48は、カード情報に、両替パターンデータとして一つの両替パターンデータのみが含まれている場合には、この両替パターンデータと、承認時に選択操作される「承認」のボタン表示と、修正時に選択操作される「修正」のボタン表示と、非承認時に選択操作される「中止」のボタン表示とを表示する承認等選択画面表示パターンに切り替える。
そして、承認等選択画面表示パターンを見て、顧客が表示された両替パターンデータに間違いがないことを確認して、「承認」のボタン表示を押圧操作すると、この押圧操作を受けて、制御部48は、両替処理の一部の処理として以下の両替払出金の払出処理を行う。
(両替払出金の払出処理)
つまり、まず、カード情報から今回の両替に必要な両替手数料金額データに対応する度数以上の両替使用可能度数データがあるか否かを判定する度数データ残判定を行い、今回の両替に必要な両替手数料金額データに対応する度数以上の両替使用可能度数データがなければ、両替手数料の先払い残額が不足している旨と、両替手数料の先払い金額を追加する追加チャージを行うか両替処理を終了するかの選択を促す表示とを含む画面表示パターンを操作表示部22に表示させる。操作表示部22で「追加チャージ」が押圧され選択されると、制御部48は、シャッタ34を開き、バラ紙幣入出金口33へ追加チャージ分の紙幣の投入を促す画面表示パターンを表示させることになり、バラ紙幣入出金口33で紙幣が検出されると、シャッタ34を閉じ、バラ紙幣入出金ユニット41により、この紙幣の入金処理を行う。つまり、バラ紙幣入出金ユニット41は、バラ紙幣入出金口33に投入されたバラ紙幣を一枚ずつに分離して機内に取り込み、計数および識別を行って機内の金種別のバラ紙幣収納カセットに収納する。そして、制御部48は、計数および識別の結果から、入金金額を割り出し、この入金金額に相当する度数データを、カード記憶部51に記憶されている両替使用可能度数データに加算して、新たな両替使用可能度数データとしてカード記憶部51に書き込んで、後述する、今回の両替に必要な両替手数料金額データに対応する度数以上の両替使用可能度数データがある場合の処理に進む。他方、操作表示部22で「両替処理終了」が押圧され選択されると、制御部48は、両替処理を終了する。
上記した度数データ残判定で、カード情報から今回の両替に必要な両替手数料金額データに対応する度数以上の両替使用可能度数データがあれば、制御部48は、バラ紙幣入出金口33へ両替元金の投入を促す画面表示パターンを表示させることになり、バラ紙幣入出金口33のシャッタ34を開き、両替元金のバラ紙幣の投入を待つ。両替元金のバラ紙幣がバラ紙幣入出金口33に投入されると、制御部48は、シャッタ34を閉じ、バラ紙幣入出金ユニット41によって両替元金の入金処理を行う。つまり、バラ紙幣入出金ユニット41は、バラ紙幣入出金口33に投入されたバラ紙幣を一枚ずつに分離して機内に取り込み、計数および識別を行って機内の金種別のバラ紙幣収納カセットに収納する。
バラ紙幣入出金ユニット41によって識別されたバラ紙幣の合計金額が、承認された両替パターンデータの両替元金と一致すると、制御部48は、承認された両替パターンデータに基づいて、バラ紙幣入出金ユニット41、バラ硬貨出金ユニット42および包装硬貨出金ユニット43の適宜のものを作動させて、両替パターンデータと同じ種別および数量となるバラ紙幣、バラ硬貨および包装硬貨の適宜のものを、バラ紙幣入出金口33、バラ硬貨出金口36および包装硬貨出金口24の適宜のものに出金させる。そして、シャッタ34,37,25のうちの出金が行われたものを開く。つまり、現金である両替元金を現金である両替払出金に両替する。また、このとき、制御部48は、カード14のカード記憶部51に記憶された両替使用可能度数データから今回の両替に必要な両替手数料金額データに対応する度数を減算して両替使用可能度数データを更新する。例えば、図3に示す例では両替手数料金額データが400円であるため、これに対応した4度数だけ両替使用可能度数データから減算する。
そして、制御部48は、今回の両替処理の両替処理データである、金融機関コードと、支店コードと、顧客コード(口座番号)と、両替元金の金額と、両替払出金の金種別の数量および金種別の金額と、両替手数料と、残りの両替使用可能度数データとを通信部47を介して管理サーバ53に出力し、管理サーバ53に記憶させる。また、制御部48は、今回の両替処理の両替処理データのうちの所定の印字データである、両替元金の金額と、両替払出金の金種別の数量および金種別の金額と、両替手数料と、残りの両替使用可能度数データとを印字ユニット45により用紙に印刷して取引明細書として明細書発行口27から発行する。
以上で両替払出金の払出処理を終了する。
以上のように、カード14の挿入後は、最小限の操作を行い両替元金を入金するだけで、容易に短時間で両替払出金を受け取ることができる。これにより、従来のタッチパネルからの各種ボタン操作による、両替元金の入力、両替パターンデータの入力処理が省略されることになり、従来に比較して、両替操作が省力化されて簡単になり、両替操作時間の短縮化が図れる。
他方、承認等選択画面表示パターンの表示状態において、「修正」のボタン表示が押圧操作されると、制御部48は、両替処理の一部の処理として以下の両替パターンデータ修正処理を行う。
(両替パターンデータ修正処理)
つまり、まず、両替パターンデータの修正を受け付ける修正受付画面表示パターンを操作表示部22に表示させる。この修正受付画面表示パターンでは、両替元金および両替払出金からなる対象の両替パターンデータと、「0」〜「9」までのテンキー表示と、「数量確定」のボタン表示と、「最終決定」のボタン表示とを表示させることになり、両替パターンデータの中から押圧で選択された数量データを例えば点滅させて他の数量データと差別化し、この状態で、選択された数量データをテンキー表示への押圧で作成される数量データに書き換え、この状態で「数量確定」のボタン表示が押圧されると、この数量データを確定する。なお、この場合も、両替限度数量データを超える数値が入力された場合および小計にて自動演算された場合に、制御部48は、この入力を受け付けずに、「数量オーバー」のエラー表示をポップアップ画面で表示させて再入力を促す。
顧客は上記の手順を適宜繰り返すことになり、必要なすべての数量データを書き換えた後、「最終決定」のボタン表示を押圧する。これを受けて、制御部48は、書き換え後の両替パターンデータについて、両替元金と両替払出金の合計金額とが一致するか否かを確認し、一致しなければ、「合計金額不一致」のエラー表示をポップアップ画面で操作表示部22に表示させて再入力を促す。他方、制御部48は、両替元金と両替払出金の合計金額とが一致していれば、修正後の両替パターンデータをカード記憶部51に記憶する場合に選択操作される「修正した両替パターンを記憶する」のボタン表示と、修正後の両替パターンデータをカード記憶部51に記憶しない場合に選択操作される「修正した両替パターンを記憶しない」のボタン表示とを、操作表示部22に表示させる。
「修正した両替パターンを記憶する」のボタン表示が押圧されると、制御部48は、「更新」および「追加登録」のボタン表示を表示させることになり、「更新」のボタン表示が選択操作された場合には、修正前の両替パターンデータを修正後の両替パターンデータに置き換えて、カード14のカード記憶部51に記憶させる更新登録をおこなう。また、制御部48は、「追加登録」のボタン表示が選択操作された場合には、修正前の両替パターンデータを記憶したまま、これとは別に修正後の両替パターンデータを追加でカード14のカード記憶部51に記憶させる追加登録を行う。更新登録後および追加登録後に、制御部48は、修正後の両替パターンデータと、「承認」のボタン表示と、「修正」のボタン表示と、「中止」のボタン表示とを表示する承認等選択画面表示パターンを操作表示部22に表示させる。
他方、「修正した両替パターンを記憶しない」のボタン表示が押圧された場合、制御部48は、修正後の両替パターンデータをカード14のカード記憶部51に記憶させることなく、上記した、修正後の両替パターンデータと、「承認」のボタン表示と、「修正」のボタン表示と、「中止」のボタン表示と、「削除」ボタン表示(複数の両替パターンデータが記憶されている場合のみ)とを表示する承認等選択画面表示パターンを操作表示部22に表示させる。
以上で、両替パターンデータ修正処理を終了する。
その後、制御部48は、「承認」のボタン表示が押圧操作されると、修正後の両替パターンデータに基づいて両替を行うべく、上記した両替払出金の払出処理を行うことになり、「修正」のボタン表示が押圧操作されると、上記した両替パターンデータ修正処理を再度行うことになる。
他方、上記した承認等選択画面表示パターンの表示状態において、「中止」のボタン表示が押圧されると、制御部48は、今回の両替処理を中止する。
他方、上記した承認等選択画面表示パターンの表示状態において、「削除」のボタン表示が押圧されると、制御部48は、承認等選択画面表示パターンの表示状態において表示されている選択された両替パターンデータをカード14のカード記憶部51から消去する。
以上に述べた本実施形態の両替機システム11によれば、両替機12とは別に顧客側に設けられた外部設定機器13にカード14が挿入されると、外部設定機器13は、このカード14のカード記憶部51に記憶された両替パターンデータ設定登録プログラムを動作させて当該カード記憶部51に記憶する両替パターンデータの設定登録を行うことになる。このようにしてカード14そのものに顧客が所望する両替パターンデータを記憶することができる。そして、このようにして顧客側が所有する外部設定機器13により両替パターンデータが予め設定登録されたカード14が両替機12に挿入されると、両替機12は、このカード14のカード記憶部51から両替パターンデータを読み出し、この両替パターンデータに基づいて両替を行うことになる。したがって、任意の両替パターンでの両替の場合であっても、顧客側が所有する外部設定機器13によって予め両替パターンデータを作成しておくことができるため、両替機12における操作を容易化でき、両替機12における操作時間を短縮化できる。これを両替機12を設置する金融機関側から見れば、両替機12以外で両替パターンデータが作成されることにより、両替機12が特定の顧客に占有される時間を減らすことができる。
また、カード14そのもののカード記憶部51に顧客が所望する両替パターンデータが記憶されており、両替機12では、これを読み込んで、タッチパネル式の操作表示部22に表示出力するため、任意の両替パターンでの両替の場合であっても、両替機12における操作を確実に容易化でき、両替機12における操作時間を確実に短縮化できる。
また、両替機12は、カード14が挿入されると、操作表示部22を介してこのカード14のカード記憶部51に記憶された複数の両替パターンデータから一つの両替パターンデータが選択されることになり、この操作表示部22で選択された両替パターンデータに基づいて両替を行う。したがって、カード記憶部51に複数の両替パターンデータが記憶され、これらの両替パターンデータから一つの両替パターンデータを選択して両替を行う場合であっても、両替機12における操作を容易化でき、両替機12における操作時間を短縮化できる。カード記憶部51に複数の両替パターンデータを記憶できるため、両替の機会毎に最も適切な両替パターンを選択することができる。なお、カード14のカード記憶部51への複数の両替パターンデータの設定登録は、上記のように外部設定機器13によって追加で行う以外にも、カード14の発行時に顧客側の申告によって金融機関側が行うことが可能である。
また、両替機12は、カード14が挿入されると、操作表示部22が、このカード14のカード記憶部51に記憶された両替パターンデータの修正を受け付けることになり、この操作表示部22を介して行われる修正後の両替パターンデータに基づいて両替を行う。したがって、両替パターンデータを修正して両替を行うことができ、その場合も、両替機12における操作を容易化でき、両替機12における操作時間を短縮化できる。
また、両替機12が、操作表示部22を介して行われる修正後の両替パターンデータを、挿入されたカード14のカード記憶部51に追加登録または更新登録することで、新しい両替パターンデータとして以後使用することができる。
また、両替機12は、カード14が挿入されると、操作表示部22が、このカード14のカード記憶部51に記憶された複数の両替パターンデータのうちの一つについて削除を受け付けることになり、カード記憶部51に不要な両替パターンデータが記憶されている場合にこれを削除することができる。
また、両替パターンデータ設定登録プログラムが、動作時に両替パターンデータに基づく両替手数料金額データを演算可能であるため、両替パターンデータの設定登録時に設定登録された両替パターンデータでの両替手数料金額データがどうであるかを自動的に演算し表示させることができる。
また、カード記憶部51には、両替手数料として支払い可能な両替使用可能度数データが記憶可能であるため、両替手数料の支払いが容易になるとともに、両替パターンデータを記憶するカード14を、両替手数料を支払い可能なカードとして共用化できる。
また、両替機12は、入金により、カード記憶部51の両替使用可能度数データを追加チャージ可能であるため、両替手数料に対して、両替使用可能度数データが不足していても、入金により、両替処理を継続して行うことができる。
また、カード記憶部51には、暗証番号データが記憶可能であるため、外部設定機器13および両替機12で暗証番号の認証が可能となる。よって、カード14の情報である両替パターンデータ、両替手数料金額データ、両替使用可能度数データ等が他人に不正に見られてしまったり、他人により不正に書き換えられてしまったりということがなくなり、セキュリティを高めることができる。
なお、以上の実施形態の両替機システム11を以下のように変更することができる。
参考技術であるが、カード14のカード記憶部51に、両替パターンデータと両替パターンデータ設定登録プログラムとを記憶するのではなく、これらのうち、両替パターンデータ設定登録プログラムは記憶せず、両替パターンデータのみを記憶するように構成する。この構成の場合には、汎用パーソナルコンピュータからなる外部設定機器13に両替パターンデータ設定登録プログラムを記憶させることになる。例えば、外部設定機器13においてネットワークを介してカード14の管理元である金融機関のホームページから両替パターンデータ設定登録プログラムをダウンロードしたり、カード14の管理元である金融機関から発行されるCD−ROMから外部設定機器13に両替パターンデータ設定登録プログラムを取り込んだりすることができる。
この場合も、上記と同様に、顧客が独自に所望する両替パターンデータを作成・編集する際には、外部設定機器13にて両替パターンデータ設定登録プログラムを動作させて、カード12のカード記憶部51に両替パターンデータの更新または追加登録等の設定登録を行うことができる。要は、両替パターンデータ設定登録プログラムが、カード記憶部51に記憶されているか、外部設定機器13に記憶されているかの違いがあるだけである。
また、カード14の発行時に発行元である金融機関側でカード記憶部51に少なくとも一つの両替パターンデータを記憶するのではなく、カード14の発行時に金融機関側ではカード記憶部51に一切の両替パターンデータを記憶せず、顧客側が外部設定機器13によって初めて設定登録するようにしても良い。この場合は、上記した入力用画面表示パターン65での入力欄の初期値がすべてゼロとされることになり、この状態から入力が行われる。
また、両替機12は、通信部47により外部の金融機関(クレジット会社を含む)のセンタ本部の図示略のホストコンピュータとオンラインにて通信可能となっているため、両替元金および両替手数料のうちの少なくともいずれか一方を、カード14のカード情報の金融機関コード、支店コードおよび顧客コードで特定される指定の預金口座から自動引き落とし決済可能としても良い。例えば、両替元金を指定の預金口座から自動引き落とし決済可能とした場合、両替機12での両替処理の開始時に、操作表示部22により、両替元金を現金にするか口座から自動引き落とし決済とするかを顧客に選択指定させる。そして、この選択指定結果により、現金が選択されれば、上記したようにバラ紙幣入出金口33に投入された紙幣をバラ紙幣入出金ユニット41によって入金処理して、両替払出金を出金させることになり、自動引き落とし決済が選択されれば、両替元金を口座から自動引き落とし決済して、両替払出金を出金させることになる。このように、両替機12が、両替元金を指定の預金口座から自動引き落とし決済可能とすることで、両替時に両替元金を持ち合わせていなくても両替が可能になる。この場合、現金を両替元金とする場合のカード14とは別に、両替元金を指定の預金口座から自動引き落とし決済するためのキャッシュカードやクレジットカード等の他のカードを用いるようにしても良い。
また、両替手数料を指定の預金口座から自動引き落とし決済可能とした場合は、両替処理時には必ず両替手数料を指定の預金口座から自動引き落とし決済するように設定することで、上記した両替使用可能度数データ、およびその追加チャージ等を含めた管理が不要になり、両替機12での両替処理がさらに容易になる。
また、カード14の発行時に顧客の申告に基づいて、両替パターンデータに、両替機12に投入された現金である両替元金を両替する両替区分および両替元金を指定の預金口座から自動引き落とし決済する払出区分のいずれか一方の区分データを記憶させておき、両替機12が、投入されたカード14のカード記憶部51に記憶された両替パターンデータの区分データに基づいて両替を行うようにしても良い。つまり、両替区分の区分データがカード記憶部51に記憶されていた場合には、上記したようにバラ紙幣入出金口33に投入された紙幣をバラ紙幣入出金ユニット41によって入金処理して、両替払出金を出金させることになり、払出区分の区分データがカード記憶部51に記憶されていた場合には、両替元金を口座から自動引き落とし決済して、両替払出金を出金させることになる。例えば、金融機関で使用する場合は、両替区分に設定することで、両替機12を通常の両替機12として使用でき、流通機関で使用する場合には、払出区分に設定することで、両替機12を専用の釣銭準備金の払出装置(両替元金の現金での入金不要)として使用することができる。流通機関においては、例えば大手スーパー、百貨店等の店舗内の会計室に両替機12を設け、この店舗内の各テナントが、各レジでの釣銭準備金をこの両替機12から払い出して調達する運用がある。このような運用の場合には、区分データを払出区分として、両替機12を専用の釣銭準備金の払出装置として使用すれば、各々のテナントが持ち出し所望する釣銭準備金を、各テナントに配布されたカード14のカード記憶部51に予め記憶された所定の両替パターンデータ(または適宜修正した両替パターンデータ)に基づいて、容易に両替機12から払い出すことができ、釣銭準備金の調達が容易にできることになる。
以上において、顧客が使用する両替機12の現実的な使用例として、顧客は自宅または会社から最寄りの口座契約がある金融機関の店舗に設置してある特定の両替機12を常に使用すると考えるのが常識的であるが、勿論、同じ金融機関の他の店舗に設置してある同種の両替機12で両替を行う際にも、同じカード14を使用できるようにするのが好ましい。さらには、同じ金融機関の他の店舗に設置してある他種の両替機12で両替を行う際や、他の金融機関の店舗に設置してある同種あるいは他種の両替機12で両替を行う際にも、同じカード14を使用できるようにするのが好ましい。要は、まず両替機12の構成として、顧客が挿入するカード14の情報を読み取り、または読み取ったり書き込んだりするカードアクセスユニット44が設けられており、カード14のカード記憶部51の情報を読み取り、または読み取ったり書き込んだりすることができるようになっていれば良い。
また、両替機12は、その年式や型式や製造メーカによる種別の相違点として、バラ紙幣入出金口33、バラ硬貨出金口36および包装硬貨出金口24のそれぞれの容量が違ったり、払出可能な金種が異なったりする。このような場合にも、カード14のカード記憶部51に記憶される両替パターンデータ設定登録プログラムに含まれる両替限度数量データが、両替機12の種別の違い毎に複数設けられるか、もしくは両替パターンデータ設定登録プログラムそのものが両替機12の種別の違い毎に複数記憶されていれば、両替機12の種別に拘わらず、共通のカード14を使用可能となる。現実的には、金融機関で使用されるATMキャッシュカードが、金融機関に違いはあっても共通して使用可能なことと同様に、カード14も金融機関に違いはあっても共通して使用可能に構成することができる。