JP5150191B2 - 射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂の射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の製造方法に関するものである。
樹脂の射出成形においては、キャビティ内での樹脂の流動先端部は、半凝固状態で反対側から来る樹脂の流れとぶつかることがある。特に、エア抜き不良の場合は、樹脂成形品の金型内で溶融状態の樹脂の流れが合流する部分において完全に混じり合わず,境界を残したまま硬化してしまうことがあった。その場合、その樹脂の流れが合流する部分には筋のような模様(ウェルドライン)が付いてしまい、外観を損ねる。加えてこの部分は完全に接合していないため、強度が低いのも大きな問題だった。
これに対し、特許文献1では、金型内と外部とを連通する多数の細孔からなる複数のエアベント(直径0.5mm以下)を配設することを提案している。
また、金型内で溶融状態の樹脂の流れが合流する部分に湯だまり(コールドスラッグウェル)を設けることによって流動先端部の樹脂を逃がしてウェルドライン発生を軽減することも知られている。
しかしながら、これらの手法は、排出される樹脂の量が多くなり、経済的ではない。また、金型の構造が複雑となり、金型加工性が低下するという問題もある。
一方、金型温度上昇、射出温度上昇、保圧上昇等の成形条件によりウェルドライン発生を軽減することも行われている。例えば、特許文献2においては、キャビティ型(雌型又はキャビティプレートともいう)又はコア型(雄型又はコアプレートともいう)にキャビティに開口する高温高圧空気の空気吹出部を設けることを提案している。しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂を冷却固化させるに必要な時間が長くなり、成型能率が低下し、サイクルタイムも悪いという問題がある。
また、特許文献3では、熔融樹脂が充填されるキャビティを形成するキャビティ型とコア型とを有する熱可塑性樹脂の射出成形用金型において、キャビティ型の表面に、芳香族ポリマー、又は該芳香族ポリマーにセラミックス微粒子を分散させた耐熱樹脂のコーティング層からなる断熱層を設けることによりウェルドライン発生を軽減することが開示されている。この構成により、熔融樹脂がキャビティに注入されたとき、該断熱層が熔融樹脂により過熱されて昇温し、キャビティ型の表面のみが高温になりキャビティ型表面が急激に温度低下しないため、型表面の転写性が良くなると共に、加熱された熔融状態の樹脂がキャビティに注入されたとき、キャビティ型の表面が瞬時に昇温し、熔融樹脂はキャビティ型の表面に密着するのでウェルドライン発生が軽減されるというものである。この方法には、耐熱樹脂のコーティング層からなる断熱層を形成する加工が難しく、経済的ではない。
更に、特許文献4では、射出成形用金型のキャビティ型とコア型との突合せ面のいずれか一方、あるいは両方に、他方の突合せ面に接触して隙間を形成する複数個の着脱自在なサポートブロックを取り付け、型締め時に5〜25μm程度の隙間を形成して、その隙間からガス抜きを行なうことを提案している。この提案は、サポートブロックを設置するための加工工数、加工費が増大し、経済的ではなく、型締め圧力に応じてサポートブロックの交換が必要となり、更にサポートブロックの経時変化も懸念される。
特開平7−24881号公報 特開平8−34038号公報 特開平9−207179号公報 特開2003−53798号公報
本発明は、このような状況下で、エアベントを配設することなくウェルドラインの発生を解消し得る、簡便に加工出来て経済的な射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、射出成形用金型の上金型と下金型との突合せ面の少なくとも一方に微細な凹凸部を形成することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は、
(1)上金型と、下金型と、該上金型と該下金型とから形成されるキャビティとを具備する射出成形用金型であって、該上金型と該下金型との突合せ面の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、該ガス排出手段が、該キャビティと該突合せ面との境界線の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位を中心として40%以上の境界線に接して設けられる凹凸部であることを特徴とする射出成形用金型であり、
(2)上金型と、下金型と、該上金型と該下金型とから形成されるキャビティとを具備する射出成形用金型であって、該上金型と該下金型との突合せ面の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、該ガス排出手段が、該キャビティと該突合せ面との境界線の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位を中心として40%以上の境界線に接して設けられる凹凸部である射出成形用金型の該キャビティに該射出樹脂を射出することを特徴とする樹脂成形品の製造方法である。
本発明により、エアベントを配設することなくウェルドラインの発生を解消し得る、簡便に加工出来て経済的な射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の製造方法を提供することができる。本発明により、広範囲の微細な凹凸部からエア抜きできるので、バリとして排出される樹脂の量を大幅に削減できることとなる。また、上述のエアベント、コールドスラッグウェル、サポートブロック等と比較して、金型の構造を複雑にすることもなく、金型加工性が低下することもないので、経済性が高い。
本発明の射出成形用金型の実施態様を図面に基づいて、以下、詳細に説明する。図1は、本発明の射出成形用金型の一実施態様を示す断面模式図であり、図2は、本発明の射出成形用金型の一実施態様を示す平面模式図である。
本発明の射出成形用金型1は少なくとも上金型2と、下金型3と、それら上金型2と下金型3とから形成されるキャビティ4とを具備し、上金型2と下金型3との突合せ面5の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、該ガス排出手段が、キャビティ4と突合せ面5との境界線50の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位10を中心として40%以上の境界線50に接して設けられる凹凸部5aであることを特徴とする。ここで、上金型2がキャビティ型、下金型3がコア型であっても良いし、逆に、上金型2がコア型、下金型3がキャビティ型であっても良い。また、図1に示すように、上金型2のキャビティ4と下金型3のキャビティ4とが略同一形状であっても良い。
本発明の射出成形用金型1は、上金型2と下金型3とを具備すれば、どんな構造であっても良い。例えば、スプールが1段目だけにあるツープレート型(1段スプール型)、スプールが2段になっているスリープレート型(2段スプール型)、更に溶融樹脂の通り路であるスプール部分を常時加熱しておき、射出成形のサイクルタイム短縮化を図ったホットランナー金型であっても良い。
図1は、本発明の射出成形用金型1におけるスリープレート型の例であって、上金型2と下金型3とでキャビティ4及び突合せ面5を形成し、上金型2の上にスプール板6が配設されている。溶融樹脂はスプール板6にあるスプール7を通り、ランナー8を通過して、上金型2にあるスプール7'を通り、ゲート部9からキャビティ4内に射出される。ゲート部9は、ゲート9a及びゲート9aからキャビティ4に繋がる部分をいう。また、キャビティ4及び突合せ面5とから、キャビティ4及び突合せ面5との境界線50(外側境界線51及び内側境界線52)が画定される。
図2に示すように上金型2と下金型3との突合せ面5の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、そのガス排出手段が、キャビティ4と該突合せ面5との境界線50(以下、「境界線50」と略称することがある)の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位10(以下、「ウェルド部位10」と略称することがある)を中心として40%以上の境界線に接して凹凸部5aが設けられると、ゲート部9からキャビティ4内に射出された溶融状態の樹脂に押し出されたガスが突合せ面5の凹凸部5aを通じて抜けるためエアベントが無くてもウェルドラインを解消することが出来る。
なお、突合せ面5の凹凸部5aは、上金型2と下金型3との一方にあれば良いが、双方にあっても良い。図2では、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の90%の境界線に接して凹凸部5aが設けられており、キャビティ4と突合せ面5との内側境界線52の100%の境界線に接して凹凸部5aが設けられている。このように、外側境界線51と内側境界線52とで、凹凸部5aと接する境界線の比率が異なる場合は、両者を相加平均すれば良い。即ち、図2においては、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は95%である。凹凸部5aに接する境界線の比率は100%であっても良いが、通常、ゲート部9には凹凸部5aを設けないので、凹凸部5aに接する境界線の比率は40〜95%であることが好ましく、50%以上が更に好ましく、50〜95%であることが特に好ましい。
凹凸部5aに接する境界線の比率が40%未満であると、ガス抜き性が低下し、ウェルドラインが発生し易くなる。
図2は、凹凸部5aがキャビティと突合せ面との外側境界線51から突合せ面5の端部5cに延在し、本発明の射出成形用金型外に開口している実施態様を示す。この実施態様では、ガス排出手段は凹凸部5aという単一の手段のみで構成されている。この場合、ガス抜きを良くするためには、凹凸部5aは突合せ面5の端部5cの広範囲に開口していることが望ましい。
また、上金型2と下金型3との突合せ面5に、上金型2と下金型3との型締め力を支える平坦部5bを備えると、金型の使用によっても経時的に凹凸部5aが摩滅しにくくなるので好ましい。
図3は、本発明の射出成形用金型1の他の実施態様を示す平面模式図である。
図3では、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の45%の境界線に接して凹凸部5aが設けられており、キャビティ4と突合せ面5との内側境界線52の40%の境界線に接して凹凸部5aが設けられている。即ち、図3においては、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は42.5%である。
図4は、本発明の射出成形用金型1の他の実施態様を示す平面模式図である。
図4は、上述のガス排出手段が、境界線50に接して設けられている凹凸部5aに加えて、凹凸部5aに連通し、且つ金型外に開口する溝部11を具備する実施態様を示す。図4においては、溝部11は、凹凸部5aと連通して井桁状に形成されているが、それに限られるものではなく、溝部11は、凹凸部5aからのガスを本発明の射出成形用金型外に逃がすものであれば、どの様な溝形状、溝断面形状でも良く何ら制限されるものではない。通常、溝部11は、エアベントと比較し、幅広で、溝の深いもので良いので、金型に精密加工する必要がなく、金型を鋳造等する段階で設けることができる。
図5は、本発明の射出成形用金型1の他の実施態様を示す平面模式図である。図5に示すように、凹凸部5aが、突合せ面5から外側境界線51及び/又は内側境界線52を越えて、キャビティ4内の少なくとも一部の表面にまで延在し、キャビティ内に延在する凹凸部4aを形成しても良い。これにより、更にガスが抜け易くなるので好ましい。気密性や外観性等に問題ない場合は、キャビティ4内の全面に亘って凹凸部4aを設けても良い。
本発明に係る突合せ面5の凹凸部5aの算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001に準拠して測定する)は、1.0〜1.6μmであることが好ましい。1.0μm以上であれば、ガス抜けし易くなり、1.6μm以下であればエアを逃がすと共に、樹脂の余分な流出を抑えることが出来てバリを防ぎ、寸法性が改善されるので好ましい。
これに対し、通常の射出成形用金型の突合せ面の算術平均粗さRaは、0.2〜0.6μm程度でありガス抜けは困難である。
前記の突合せ面5の凹凸部5aの算術平均粗さRa1.0〜1.6μmを達成するために、種々の表面凹凸加工方法を用いることができる。例えば、ショットブラスト、放電加工、エッチング等が挙げられるが、ショットブラストが均一な粗さが得られ、手軽に加工でき手間も掛からないため経済的であり好ましい。
ショットブラストは、投射材と呼ばれる粒体を被加工物である金型に衝突させ、金型の加工等を行う手法である。投射材の投射方法により、機械式、空気式、湿式に分類される。
機械式は、主にインペラーと呼ばれる耐磨耗合金製の羽根車の遠心力により投射材を投射する手法であり、一般的には、ショットブラストといえばほぼこの手法をいう。比較的広範囲に大量の投射材を投射できるため大物の処理や大量の加工物の連続処理に向いている。
空気式は、圧縮空気により投射材を投射する手法でありエアーブラストと呼ばれる。また特に砂を投射材に用いるものをサンドブラストと呼ぶこともある。主に空気流の負圧により投射材を気流に乗せる吸引式と圧縮空気に直接投射材を混合して噴射する直圧式に大別できる。機械式に比べ大量の投射材を広範囲に投射することはできないが、投射条件を細かく設定することができる、より細かい粒子を投射材に使用することができる(〜数μm)、投射エネルギーを大きくすることができる等の利点がある。また、噴射ノズルをマニピュレーター等の先端につけることによりパイプ状の内面や複雑な形状のワークの処理の自動化も行える。
湿式は、主に水に投射材を混合噴射して加工を行う。上記の機械式、空気式等の乾式は発生する粉塵対策のため集塵機が必須であり粉塵爆発の危険性も潜在的に存在するが、この手法の場合はその心配がない。また、乾式では投射材の飛散防止のためキャビネット内で作業が行われるが、この手法に関しては必要としない場合もある。しかし、加工物の錆防止や乾燥、排水の処理等の手間が増えるため適応例は少ない。
以上のショットブラストの内、エアーブラストの一種である、サンドブラストが投射条件を細かく設定することができ、より細かい粒子を投射材に使用することができ、更に、投射エネルギーを大きくすることができるので、算術平均粗さRaを制御出来易く特に好ましい。
上記のショットブラストに用いられる投射材としては、金属系投射材、セラミック系投射材等、種々の投射材が用いられる。
金属系投射材としては、金属ワイヤーを切断して角を丸めた粒子やアトマイズ法により作製された鋳鉄や鋳鋼の球形粒子(スチールショット、スチールビーズ)、それを砕いた角のある非球形粒子のグリッド、アルミや亜鉛系の粒子、アモルファス金属球形粒子等が挙げられる。
セラミック系投射材としては、アルミナ、炭化ケイ素(SiC)等硬度のある球形粒子や微粉末等が挙げられる。
上記の投射材の内、金属製の金型にショットブラスト処理するためには、硬いセラミック系投射材、特に硬度の高い炭化ケイ素(SiC)が好ましい。
放電加工は、電極と被加工物である金型との間に短い周期で繰り返されるアーク放電によって金型表面に凹凸を付与することが出来る加工方法である。放電加工の電極は、金型に触れないが非常に近い位置となるように金型の表面に沿って動かされる。スパークが金型の表面の一部を溶かして蒸発させることにより、金型の表面に無数の微小凹部を形成する。溶けたり蒸発したりして金型から除去された粒子は、電極と金型との間に満たされた誘電体の液体によって洗い流される。
放電加工により、ショットブラストと同様な凹凸が得られるが、経済性の点では、ショットブラストに及ばない。
エッチングは、金属表面に対する浸食作用によって金属をその表面から除去する処理技術であり、電気化学溶解作用による電解エッチングと化学的溶解作用による化学エッチングとに大別される。前者は外部から電気エネルギーを供給して溶解する電解法であり、後者は加工浴自体に溶解能を付与して溶解作用を行う工法である。経済性の点では、ショットブラストや放電加工に及ばない。
図7は、本発明の射出成形用金型1の突合せ面5の凹凸部5aのショットブラスト処理された表面状態の一例を示す写真である。ショットブラストにより、ランダムで且つ均一な凹凸形状が形成されていることがわかる。
また、図8は、本発明の射出成形用金型1の突合せ面5の凹凸部5aの放電加工処理された表面状態の一例を示す写真である。放電加工によっても、ランダムで且つ均一な凹凸形状が形成されていることがわかる。
これに対し、図9は、比較例の射出成形用金型の突合せ面の表面状態の一例を示す写真であり、切削面を軽く磨き仕上げした状態である。
本発明の射出成形用金型1には、本発明の目的に反しない範囲で、必要に応じ更にエアベントを設けても良い。本発明に係る突合せ面5の凹凸部5aにより、エアベントの数を非常に少なくすることが出来る。エアベントを設ける位置は、ゲート部9からキャビティ4内を流れる射出樹脂の流動先端部が合流する部位(ウェルド部位)が好ましい。
本発明の射出成形用金型1は、種々の樹脂を射出する樹脂成形品の製造方法に好適に用いられる。
用いられる樹脂として制限は無く、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、種々の硬化性樹脂、硬化性エラストマーが用いられる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、上述のように、凹凸の算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2001に準拠して測定した。
実施例1
図1及び図2に示すようなスリープレート型の射出成形用金型1の、直径2mmの断面円形のキャビティ4内面を有するキャビティ型である上金型2の突合せ面5に、図2に示すような配置で、平均粒子径70μmの炭化ケイ素(SiC)を投射材として用い、投射条件(投射圧:0.7MPa、投射時間:5秒、投射口内径:2mm、投射口と加工面との距離:15mm)にてサンドブラスト処理を行い、上金型2の突合せ面5に均一な凹凸部5aを形成した。凹凸部5aは、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の90%の境界線に接し、内側境界線52の100%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は95%であった。この凹凸部5aの算術平均粗さRaは1.3μmであり、図7に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリも殆どなく、ウェルドラインの発生も全く認められなかった。
実施例2
実施例1と同じ射出成形用金型1の、キャビティ型である上金型2の突合せ面5に、図3に示すような配置で、実施例1と同様にサンドブラスト処理を行い、上金型2の突合せ面5に均一な凹凸部5aを形成した。凹凸部5aは、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の45%の境界線に接し、内側境界線52の40%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は42.5%であった。この凹凸部5aの算術平均粗さRaは実施例1と同様に1.3μmであり、図7に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリも殆どなく、ウェルドラインの発生も全く認められなかった。
実施例3
実施例1と同じ射出成形用金型1の、キャビティ型である上金型2の突合せ面5に、予め図4に示すような配置で幅2mm、深さ2mmの溝部11を形成した後、実施例1と同様にサンドブラスト処理を行い、上金型2の突合せ面5に溝部11に連通する図4に示す配置の均一な凹凸部5aを形成した。凹凸部5aは、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の90%の境界線に接し、内側境界線52の100%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は95%であった。この凹凸部5aの算術平均粗さRaは実施例1と同様に1.3μmであり、図7に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリも殆どなく、ウェルドラインの発生も全く認められなかった。
実施例4
実施例1と同じ射出成形用金型1の、キャビティ型である上金型2の突合せ面5に、図2に示すような配置で、放電加工処理を行い、上金型2の突合せ面5に均一な凹凸部5aを形成した。凹凸部5aは、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の90%の境界線に接し、内側境界線52の100%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は95%であった。この凹凸部5aの算術平均粗さRaは1.5μmであり、図8に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリも殆どなく、ウェルドラインの発生も全く認められなかった。
実施例5
実施例1と同じ射出成形用金型1の、キャビティ型である上金型2の突合せ面5及び直径2mmの断面円形のキャビティ4内面に、図5に示すような配置で、実施例1と同様にサンドブラスト処理を行い、上金型2の突合せ面5及びキャビティ4内面の一部に均一な凹凸部5a及び4aを形成した。凹凸部5aは、ウェルド部位10を中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の90%の境界線に接し、内側境界線52の100%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は95%であった。この凹凸部5a及び4aの算術平均粗さRaは実施例1と同様に1.3μmであり、図7に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリも殆どなく、ウェルドラインの発生も全く認められなかった。
比較例1
実施例1と同じ射出成形用金型の、キャビティ型である上金型の突合せ面及び直径2mmの断面円形のキャビティ内面の全面を、切削面を軽く磨き仕上げした状態に仕上げた。この凹凸の算術平均粗さRaは0.2μmであり、図9に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリは殆どなかったが、ガス抜けが不十分なためウェルドラインが発生し、ガスケットとしてのシール性能及びウェルド部位の強度が低下した。また、外観性も悪化した。
比較例2
実施例1と同じ射出成形用金型1の、キャビティ型である上金型2の突合せ面5に、図6に示すような配置で、実施例1と同様にサンドブラスト処理を行い上金型2の突合せ面5に均一な凹凸部5aを形成した。凹凸部5aは、ゲート部9を除き、ゲート9aを中心として、キャビティ4と突合せ面5との外側境界線51の35%の境界線に接し、内側境界線52の40%の境界線に接して設けられた。即ち、境界線50の内、凹凸部5aに接する境界線の比率は37.5%であった。この凹凸部5aの算術平均粗さRaは実施例1と同様に1.3μmであり、図7に示す凹凸形状であった。この金型を用いて、スチレン系軟質樹脂組成物を金型内に射出してハードディスクドライブ装置用ガスケットを得た。得られたガスケットを目視にて観察したところ、バリは殆どなかったが、ガス抜けが不十分なためウェルドラインが発生し、ガスケットとしてのシール性能及びウェルド部位の強度が低下した。また、外観性も悪化した。
本発明の射出成形用金型及びそれを用いた樹脂成形品の製造方法は、大型、小型の各種樹脂成形品に好適に用いられる。特に、高度の密閉性等が要求される、ハードディスクドライブ装置のガスケット等の各種ガスケットに好適に用いられる。
本発明の射出成形用金型の一実施態様を示す断面模式図である。 本発明の射出成形用金型の一実施態様を示す平面模式図である。 本発明の射出成形用金型の他の実施態様を示す平面模式図である。 本発明の射出成形用金型の他の実施態様を示す平面模式図である。 本発明の射出成形用金型の他の実施態様を示す平面模式図である。 比較例となる射出成形用金型の一例を示す平面模式図である。 本発明の射出成形用金型の突合せ面のショットブラスト処理された表面状態の一例を示す写真である。 本発明の射出成形用金型の突合せ面の放電加工処理された表面状態の一例を示す写真である。 比較例の射出成形用金型の突合せ面の表面状態の一例を示す写真である。
符号の説明
1: 射出成形用金型
2: 上金型
3: 下金型
4: キャビティ
4a:キャビティ内に延在する凹凸部
5: 突合せ面
5a:凹凸部
5b:平坦部
6: スプール板
7、7': スプール
8: ランナー
9: ゲート部
9a: ゲート
10: 射出樹脂の流動先端部が合流する部位(ウェルド部位)
11: 溝部
50:キャビティと突合せ面との境界線
51:キャビティと突合せ面との外側境界線
52:キャビティと突合せ面との内側境界線

Claims (12)

  1. 上金型と、下金型と、該上金型と該下金型とから形成されるキャビティとを具備する射出成形用金型であって、該上金型と該下金型との突合せ面の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、該ガス排出手段が、該キャビティと該突合せ面との境界線の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位を中心として40%以上の境界線に接して設けられる凹凸部であり、且つ該上金型と該下金型との突合せ面に、該上金型と該下金型との型締め力を支える平坦部を備えることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記凹凸部が前記突合せ面の端部に延在し、前記金型外に開口するものである請求項1に記載の射出成形用金型。
  3. 前記ガス排出手段が、前記凹凸部に連通し、且つ前記金型外に開口する溝部を具備するものである請求項1に記載の射出成形用金型。
  4. 前記凹凸部が、算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001に準拠して測定する)1.0〜1.6μmである凹凸からなる請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用金型。
  5. 前記凹凸部が、ショットブラスト又は放電加工により形成されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形用金型。
  6. 前記凹凸部が、前記突合せ面からキャビティ内の少なくとも一部の表面にまで延在している請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形用金型。
  7. 上金型と、下金型と、該上金型と該下金型とから形成されるキャビティとを具備する射出成形用金型であって、該上金型と該下金型との突合せ面の少なくとも一方にガス排出手段を具備し、該ガス排出手段が、該キャビティと該突合せ面との境界線の内、射出樹脂の流動先端部が合流する部位を中心として40%以上の境界線に接して設けられる凹凸部であり、且つ該上金型と該下金型との突合せ面に、該上金型と該下金型との型締め力を支える平坦部を備える射出成形用金型の該キャビティに該射出樹脂を射出することを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記凹凸部が前記突合せ面の端部に延在し、前記金型外に開口するものである請求項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  9. 前記ガス排出手段が、前記凹凸部に連通し、且つ前記金型外に開口する溝部を具備するものである請求項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  10. 前記凹凸部の算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001に準拠して測定する)が、1.0〜1.6μmである請求項のいずれかに記載の樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記凹凸部が、ショットブラスト又は放電加工により形成されたものである請求項10のいずれかに記載の樹脂成形品の製造方法。
  12. 前記凹凸部が、前記突合せ面からキャビティ内の少なくとも一部の表面にまで延在している請求項11のいずれかに記載の樹脂成形品の製造方法。
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