JPH047105A - 黒鉛型の梨地処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、少なくとも成形キャビティ部が黒鉛材料より
なり、例えばプラスチックの圧縮成形、射出成形、或い
は押出成形等に使用される黒鉛型の成形キャビティ表面
に梨地処理を施す方法に関する。

（従来の技術） 所謂プラスチックは、一般に軽量、経済性、加工性、耐
蝕性等種々の特性を有する材料であり、電気、機械、自
動車等のあらゆる工業的用途から日用品に至るまで、極
めて広範囲に使用されている。そして、各種のプラスチ
ック製品を成形するには、一般に鉄及びその合金等の金
属材料により形成した成形型が用いられている。これは
多量のプラスチック製品を成形する場合、成形型の寿命
を考慮すると、金属材料により製作することが必要条件
であったからである。しかしながら、従来一般に使用さ
れている金属型は、 ■製作するのに多大な時間と費用とを必要とする。

■最近の多品種少量生産の傾向にあっては成形型の試作
の必要性が益々増大しているか、■の理由により対応す
ることができない。

■■の理由により製品のコストに占める成形型のコスト
の割合が高くなり、製品コストを高くしている。

等の欠点を有していた。

そこで、本発明者等は、以上のような課題を解決するた
め、金属に代わる型材料として黒鉛材料を用いた成形型
について、特開昭６３−１６２２０５号公報等において
既に種々の提案を行なっている。これらの公報において
提案した発明をなすにあたって、本発明者等が着目した
点は次の通りである。

（１）黒鉛は、機械加工における切削抵抗が金属に比較
して１１５〜１／１０であるため、高速加工ができる。

（２）黒鉛は、手作業による型仕上げが金属より容易な
材料であるため、金属型の場合は放電加工に頼っていた
型仕上げ作業を手作業により容易に行なうことができる
。

（３）黒鉛は、熱膨張係数が極めて小さい材料であるた
め、プラスチック成形時の精度が得やすい。

（４）黒鉛型の比重は、金属型の比重の１７４以下と軽
量であるため、取り扱いが容易となる。

（５）黒鉛は、熱伝導率が高いため、加熱と冷却のリサ
イクルに要する時間が短くてすみ、高速サイクルのプラ
スチック成形が可能となる。

以上の効果により、極小ロット、或いは試作品の成形に
対応が可能になる、ということであった。

また、 （６）黒鉛は、金属の一般的な耐熱温度が数百℃である
のに対して耐熱温度が３０００℃であり、熱膨張率が非
常に低いこともあって、優れた熱安定性を有しているも
のである。

（発明が解決しようとする課題） 上述のような種々の利点を有する黒鉛型を用いて表面が
梨地模様の製品を成形する場合、当然黒鉛型の成形キャ
ビティ表面には製品表面の梨地模様に対応する梨地処理
が施されていなければならない。

従来の金属型にあっては、薬品を用いたエツチング法、
或いはブラスト材を用いたエアーブラスト法により、成
形キャビティ表面に長い時間をかけて梨地処理を施して
いたが、耐薬品性に優れた黒鉛型にあっては、成形キャ
ビティ表面を薬品を用いてエツチングすることは不可能
である。

本発明は以上のような実状に鑑みてなされたものであり
、その目的は、種々の利点を有する黒鉛型を用いて表面
が梨地模様の製品を成形することができるよう、黒鉛型
の成形キャビティ表面の全部または一部に梨地処理を施
すことができる方法を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 以上のような課題を解決するために、本発明の採った手
段は、 ［少なくとも成形キャビティ部（１１）が黒鉛材料より
なる黒鉛型（１０）の成形キャビティ表面（１２）に梨
地処理を施す方法であって、 黒鉛型（１０）の成形キャビティ表面（１２）の全部ま
たは一部にブラスト材（Ａ）を吹き付けることを特徴と
する黒鉛型（１０）の梨地処理方法」である。

すなわち、本発明に係る黒鉛型（１０）の梨地処理方法
は、薬品を用いたエツチングという化学的な方法ではな
く、天然砂材、研掃材、研磨材等のブラスト材（Ａ）を
吹き付け、粒子による打撃と切削が継続して行なわれる
機械的な方法によって、黒鉛型（１０）の成形キャビテ
ィ表面（１２）の全部または一部に梨地処理を施すこと
を特徴としている。

吹き付けるブラスト材（Ａ）としては、けい砂、グリッ
ド、ショット、溶融アルミナ、炭化珪素、ガラスピーズ
、くるみ粉、ビーズ状のナイロン、アクリル樹脂等の種
々のものがあるが、本発明にあっては使用するブラスト
材（Ａ）の材質は特に限定されず、さらにブラスト材（
Ａ）の粒径等の形状にあっても特に限定されない。

また、ブラスト材（Ａ）を吹き付ける方法には、噴射法
及び投射法があり、噴射法の中でもエアーブラスト法、
ウォーターブラスト法等があるが、本発明にあってはブ
ラスト材（Ａ）を吹き付ける方法にあっても特に限定さ
れず、さらにブラスト材（Ａ）を吹き付ける速度、密度
、角度、距離、時間等の条件にあっても特に限定されな
い。

要するに、本発明にあっては、吹き付は条件は何ら限定
されず、逆にブラスト材（Ａ）の材質及び形状、ブラス
ト材（Ａ）を吹き付ける方法及び条件等を積極的に変え
ることにより、成形キャビティ表面（１２）の全部、ま
たはテーピング等により処理面をマスキングして一部だ
けに種々の梨地処理を施すことができるのである。

（作　用） 本発明が上述のような手段を採ることにより、以下に示
すような作用がある。

黒鉛型（１０）の成形キャビティ表面（１２）にブラス
ト材（Ａ）を吹き付けることにより、黒鉛型（１ｏ）の
成形キャビティ表面（１２）ではブラスト材（Ａ）によ
って打撃と切削が継続して行なわれ、機械的加工により
所謂梨地処理が施される。

（実施例） コークスとコールタールピッチよりなる配合物を加熱混
練して得られた混線物を粉砕後、ラバープレスで成形し
て焼成、黒鉛化し、室温がら４００℃までの熱膨張係数
が５．０Ｘ１０−’℃−１７５人〜７５０００人の径の
微細気孔容積が、０．０７ｃｃ／ｇ、かさが１．８５、
熱伝導率が８０　ｋ　ｃ　ａ　ｌ　／　ｍ　ｈ　ｒ　”
Ｃの等方性黒鉛材料を得た。

この等方性黒鉛材料を用いて、第２図に示すような２０
０ｍｍ角、５０ｍｍ厚さの直方体の中央に直径１５０ｍ
ｍ、１００ｍｍで深さおのおの２０ｍｍの凹部を機械加
工で形成した黒鉛型（１０）を得た。その時の加工面の
表面粗度はＲｍ　ａ　ｘ値１５μｍであった。この黒鉛
型（１ｏ）の製作に要した加工時間は、同形状の金属型
の製作に要する時間の約１／８程度となり、大幅に短縮
することができた。

そして、この黒鉛型（１０）の成形キャビティ表面（１
２）に、第１図に示すようなエアーブラスト機（２０）
を使用して、ブラスト材（Ａ）としてアランダム＃９０
をエアー圧力１．０ｋｇ／ｃｒｒｆでノズルを揺動しな
がら５分間吹き付け、第３図に示すような表面粗度Ｒｍ
ａｘ値４０μｍの梨地処理を施した。この梨地処理に要
した時間は、同形状の金属型の処理に要する時間の約１
／２００程度となり、大幅に短縮することができた。

こうして成形キャビティ表面（１２）に梨地処理が施さ
れた黒鉛型（１０）を第４図に示すような射出成形機（
３０）にセットし、プラスチック製品を成形した。なお
、この射出成形機（３０）は、ホッパー（４０）から投
入されたプラスチック材料（５０）をシリンダ（６０）
内にてスクリュー（７０）によって加熱・混練しながら
黒鉛型（１０）の成形キャビティ部（１１）内に強制的
に送るようになっている。

得られたプラスチック製品は、その表面が表面粗度Ｒｍ
　ａ　ｘ値４０μｍの梨地模様となっており、金属型を
用いた場合と同様な面が得られた。

（発明の効果） 以上のように本発明に係る黒鉛型の梨地処理方法にあっ
ては、黒鉛型の成形キャビティ表面にブラスト材を吹き
付けることにより、黒鉛型の成形キャビティ表面では打
撃と切削が継続して行なわれ、機械的加工により粗面と
することができ、所謂梨地処理を施すことができる。

従って、加工が容易で高速加工に適し、また離型性及び
耐腐蝕性に優れ、さらに軽量で取り扱いが容易で安価な
黒鉛型を用いて、その表面が梨地模様の製品を成形する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る黒鉛型の梨地処理方法の一実施例
を示す断面図、第２図は梨地処理前の黒鉛型を示す斜視
図、第３図は梨地処理後の黒鉛型を示す斜視図、第４図
は黒鉛型の使用例を示す断面図である。 符号の説明 １０・・・黒鉛型、１１・・・成形キャビティ部、１２
・・・成形キャビティ表面、２０・・・エアーブラスト
機、３０・・・射出成形機、４０・・・ホッパー　５０
・・・プラスチック材料、６０・・・シリンダ、７０・
・・スクリュー、Ａ・・・ブラスト材。 以　　上

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 少なくとも成形キャビティ部が黒鉛材料よりなる黒鉛型
   の成形キャビティ表面に梨地処理を施す方法であって、 黒鉛型の成形キャビティ表面の全部または一部にブラス
   ト材を吹き付けることを特徴とする黒鉛型の梨地処理方
   法。