JP5109261B2 - シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物 - Google Patents

シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5109261B2
JP5109261B2 JP2006034359A JP2006034359A JP5109261B2 JP 5109261 B2 JP5109261 B2 JP 5109261B2 JP 2006034359 A JP2006034359 A JP 2006034359A JP 2006034359 A JP2006034359 A JP 2006034359A JP 5109261 B2 JP5109261 B2 JP 5109261B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
silicon
aluminum alloy
aluminum
hydrazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006034359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007214456A (ja
Inventor
健二 山田
隆二 外赤
友之 東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP2006034359A priority Critical patent/JP5109261B2/ja
Publication of JP2007214456A publication Critical patent/JP2007214456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5109261B2 publication Critical patent/JP5109261B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Weting (AREA)

Description

本発明はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)部品、半導体材料等のシリコンを部材とするシリコン微細加工部品のエッチングに関する。シリコン結晶面方位に対し異なったエッチング速度を有するシリコン異方性エッチング剤、その異方性エッチング剤を用いた異方性エッチング方法、更にはその異方性エッチング方法を施されたシリコンウエハを有する例えば半導体圧力センサーや速度センサーのようなMEMS等の電子機器にも関する。
従来、シリコン 単結晶基板を化学薬液でエッチングする場合、フッ酸、硝酸、酢酸等の成分からなる混合水溶液である酸系エッチング剤にてエッチングする方法と、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、ヒドラジン等の水溶液といったアルカリ系水溶液であるアルカリ系エッチング剤にてエッチングする方法などがある(非特許文献1、2参照)。このうち酸系エッチング剤は、シリコン単結晶基板の結晶面方位に関係なく等方的なエッチング速度を有することから、シリコン単結晶インゴットから切り出されたシリコンウエハ表面を均一にエッチングする化学研磨等に多く用いられてきた。一方、アルカリ系エッチング剤は、シリコン単結晶基板の結晶方位に依存したエッチング速度を有する、すなわち異方性エッチングが可能であることから、フォトリソグラフィ技術との組み合わせにより、シリコンの微細加工に用いられてきた。
アルカリ系エッチング剤を用いたシリコンエッチングに関しては、多くの研究、検討がなされてきた。現在最も広く使用されているエッチング剤は、アンダーカットを抑制し、エッチングパターン壁部形状の凹凸を滑らかにするために、無機アルカリ水溶液にイソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール等のアルコール類を添加したものである。特許文献1においては、水和ヒドラジン1容積に対し無水エチレンジアミン0.5乃至1容積の混合したアルカリ系エッチング剤を用いることにより、従来水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ヒドラジンが有するシリコンエッチングの異方性を維持しながら、マイクロ・ピラミッドの発生を抑制する技術が開示されている。特許文献2においては、アルカリ水溶液とアルコールからなるエッチング剤を使用する上で処理槽内のエッチング速度を均一にする工夫が開示されている。特許文献3においては、引火点より低い温度の使用で、p型にドーピングした領域をエッチングせず、他の領域を高い選択性にてエッチングするアルカリ化合物と高級アルコールからなるシリコンエッチング剤が開示されている。特許文献4においては、エッチング面が平坦で、かつエッチング底面が基板の主面と平行となり、更にシリコンのエッチング速度が速く、マスクであるシリコン酸化膜を浸食する度合いの極めて少ない0.3%以上の水酸化カリウムとヒドラジンおよび水の3成分からなるアルカリ系エッチング剤が開示されている。特許文献5においては、水酸化カリウムとエチレンジアミン、水酸化カリウムと水酸化テトラメチルアンモニウム、または水酸化カリウムとアンモニアのように最もエッチング速度が速い結晶面が異なる2つ以上のアルカリを混合したエッチング剤により、滑らかなエッチング壁面を得る技術が開示されている。更に特許文献6においては、加圧下にて水酸化カリウム溶液に還元剤を加えてシリコンエッチングすることにより、エッチング速度の向上と均一なエッチング面を得る技術が開示されている。
佐藤、「シリコンエッチング技術」、表面技術、Vol.51、No.8、2000、P754〜759 江刺、「2003マイクロマシン/MEMS技術大全」、p.109〜114 特開昭49−076479 特開平05−102124 特公平08−31452 特許第3444009号 特許第3525612号 特開2000−349063
近年成長著しいMEMS分野においても、フォトリソグラフィ技術と異方性エッチングの組み合わせにより、シリコンの微細加工が行われており、製造する電子機器の種類の違いによる加工形状に違いに対応して、シリコン結晶面によるエッチング速度の比(例えば面(111)のエッチング速度に対する面(100)のエッチング速度の比)やエッチング面(底面、壁面)の平滑度などの異なる多くのアルカリ系エッチング剤が開発され、使用されている。
一方、従来シリコン半導体等における電極や配線材料はアルミニウムやアルミニウム合金が多用されている。これらのアルミニウムやアルミニウム合金はアルカリ性水溶液に侵されやすいため、これらを電極や配線材料としアルカリ性のエッチング液を使用する場合はアルミニウムやアルミニウム合金を保護するために何らかの対策を施していた。その対策としては、アルカリ性エッチング液使用後にアルミニウムやアルミニウム合金の形成を行なう方法や、アルカリ性エッチング液に.耐性を有する保護膜をアルミニウムやアルミニウム合金上に形成し保護する方法や、電極や配線材料をアルミニウムやアルミニウム合金からアルカリ性エッチング液に耐性を有する金属に変更する方法や、特許文献7や8のようにアルカリ性エッチング液にシリコンや更に酸化剤を添加してアルミニウムやアルミニウム合金へのエッチング程度を低下させる方法が用いられる。
特開平04−370932 特開2004−119674 しかし需要拡大に伴うMEMS生産性向上の要求に対し、このアルカリ系エッチング剤によるシリコンエッチングのプロセス時間が律速となっており、このプロセスの時間短縮が大きな課題となってきている。すなわちMEMS製造におけるシリコンエッチング工程では、シリコンを数百μm以上という深さにエッチングする工程が多くあり、アルカリ系エッチング剤の組成によりエッチング速度は若干異なるものの、十数時間から1日という長いプロセス時間を要している。この長いプロセス時間が、量産体制構築の中で、1プロセスに掛けることの出来る時間の許容範囲を逸脱しているということで問題となっている。この課題を解決する為に、アルカリ系エッチング剤の組成変更により、シリコンエッチングのプロセス時間を少しでも短縮する試みがなされているものの、結晶面によるエッチング速度の違い、エッチング面(底面、側面)の平滑度、安全性からの薬液使用制限などの観点より、長年の使用経験や多くの研究、検討を基にして見出された各社各様の組成を見直すことは容易ではなく、従来の組成のまま、長いプロセス時間を掛けつつ、エッチング装置(槽)を増やすことで、生産性を向上させているのが実情である。
またアルミニウムやアルミニウム合金を電極や配線材料とし、アルカリ性のエッチング剤を使用する場合に施される様々な対策においても次のような問題がある。シリコンをエッチングした後にアルミニウムやアルミニウム合金の形成を行なう対策を施す場合やアルカリエッチング液に耐性を持つ保護膜をアルミニウムやアルミニウム合金上に形成する対策を施す場合では、シリコンエッチングによりシリコン基板と分離された部分は構造強度が弱い為アルミニウムやアルミニウム合金層を成膜した後これを更にエッチングする為のフォトリソグラフィや湿式エッチング、保護膜を除去するためのフォトリソグラフィや湿式エッチングの適用が困難である。また、電極や配線材料をアルミニウムやアルミニウム合金からアルカリ性エッチング液に耐性を有する金属に変更する対策を施す場合では、アルミニウム以外の金属材料を用いる為、処理装置の汚染問題が生じる等の問題があった。
本発明の目的は、前記の問題点に鑑み、シリコンエッチングにおいて、結晶面によるエッチング速度比やエッチング面の平滑度などのエッチング特性を維持しつつ、且つシリコンエッチング速度が高くシリコンエッチングプロセス時間が短縮されるエッチング剤組成物、電極や配線材料に多用されるアルミニウムやアルミニウム合金をエッチングすることなくシリコンのみを選択的に異方性エッチングすることのできるエッチング剤組成物並びにこのエッチング剤組成物を用いるシリコンのエッチング方法を提供する。更にはこのエッチング方法により加工されたシリコン基板を有する電子機器を提供することにある。
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、アルカリ水溶液に還元性化合物を添加した組成のアルカリ系エッチング剤組成物がシリコンの異方性エッチング特性、マスク材で使用されるシリコン酸化膜への低ダメージ、半導体プロセスへの整合性良といった優位点を維持しつつ、シリコンに対するエッチング速度も速いという優れた特性があり、さらに上記アルカリエッチング液に防食剤として糖類、糖アルコール類、カテコール類の少なくとも1種を添加した組成のアルカリ系エッチング剤組成物が電極や配線材料として用いられるアルミニウムやアルミニウム合金へのエッチングをすることなくシリコンを選択的にエッチングすることができるという優れた特性があることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、アルカリ化合物および還元性化合物および防食剤を含有することを特徴とするシリコン異方性エッチング並びにシリコン微細加工に用いるエッチング剤組成物に関するものである。
本発明により、好適にエッチング速度の速いシリコン微細加工に用いるエッチングが可能となる。基となるアルカリ化合物濃度、組成ならびにエッチング特性を維持しつつエッチング速度を速くすることが可能となることは、シリコン微細加工技術を用いる製造プロセスにおいて極めて有効である。特に、電極や配線材料に多用されるアルミニウムやアルミニウム合金をエッチングせずにシリコンを選択的にエッチングすることが可能となることはシリコン微細加工技術を用いる製造プロセスの生産性を大きく向上させ極めて有効である。
本発明に用いるアルカリ化合物は、有機、無機に係わらず強アルカリ性を示す化合物であれば使用可能であり、所望のエッチング特性が得られる従来のアルカリ化合物を使用すれば良いが、なかでも有機アルカリ化合物としては第4級水酸化アンモニウム、コリンまたはエチレンジアミンが、無機アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアまたはヒドラジンが好ましい。アルカリ化合物は単独でも2種類以上組み合わせで用いても良く、なかでも水酸化カリウムとエチレンジアミン、水酸化カリウムと水酸化テトラメチルアンモニウム、または水酸化カリウムとアンモニアを組み合わせたものが好ましい。
本発明に用いるアルカリ化合物の濃度は、所望のエッチング特性を得られる従来のアルカリ化合物濃度で良いが、アルカリ化合物の水への溶解度並びにエッチング剤組成物中の還元性化合物濃度、並びに防食剤やその他添加物の添加剤濃度によって適宜決定することも可能であり、好ましくは0.1〜65重量%の範囲で使用される。0.1重量%より低い濃度では、シリコンエッチング速度が非常に遅いか、もしくはエッチングがなされないし、65重量%より高い濃度ではエッチング剤組成物中での結晶の析出や固化などが生じる等好ましくない。
本発明に用いる還元性化合物として、ヒドロキシルアミン類、ヒドラジン類、リン酸塩類、次亜リン酸塩類、還元糖類、アスコルビン酸、グリオキシル酸、並びにそれらの誘導体などから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。より具体的には、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、塩化ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン-o-スルホン酸、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドラジン、一塩酸ヒドラジン、二塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、二臭化水素酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、メチルヒドラジン、メチルヒドラジン硫酸塩、リン酸2水素アンモニウム、次亜リン酸アンモニウム、マルトース、ラクトース、メリビオース、セリビオース、イソマルトオリゴ糖、アスコルビン酸およびグリオキシル酸などが挙げられ、好ましくは、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、塩化ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドラジン、一塩酸ヒドラジン、二塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、メチルヒドラジン、マルトース、ラクトース、メリビオース、セリビオース、イソマルトオリゴ糖、アスコルビン酸およびグリオキシル酸であり、更に好ましくはヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、塩化ヒドロキシルアミン、シュウ酸ヒドロキシルアミン、リン酸ヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドラジンである。
還元性化合物は、単独でも2種類以上組み合わせて用いてもよい。還元性化合物の濃度は、エッチング剤組成物中の水等への溶解度並びに添加されるアルカリ化合物並びに防食剤やその他添加物の濃度によって適宜決定されるが、好ましくは0.1〜50重量%の範囲で使用される。0.1重量%より低い濃度では、シリコンエッチング速度が所望の速度により非常に遅く、50重量%より高い濃度ではエッチング剤組成物中での結晶の析出や固化などが生じたり、エッチング剤組成物が引火点を持ったりと取り扱いが容易ではなくなり好ましくない。
本発明のエッチング剤組成物に含まれる防食剤としては糖類、糖アルコール類、カテコール類は単独でも2種類以上組み合わせて用いてもよい。糖類、糖アルコール類にはアラビノース、ガラクトース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マンノース、グルコース、ラクトース、マルトール、マルトース、イノシトール、キシロース、トレオース、エリトロース、リボース、リブロース、キシルロース、タガトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース、ソルボース、ブシコース、果糖、トレイトール、エリトリトール、アドニトール、アラビトール、タリトール、イジトール、ズルシトール等が挙げられ、カテコール類はピロカテコール、ブチルピロカテコールはが挙げられる。中でも好ましくはアラビノース、ガラクトース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マンノース、グルコース、ラクトース、マルトール、マルトース、イノシトール、キシロース、カテコール、ブチルピロカテコールであり更に好ましくはキシリトール、ソルビトールである。
防食剤の濃度はエッチング剤組成物中の水等への溶解度並びに添加されるアルカリ化合物並びに還元性化合物の濃度によって適宜決定されるが、好ましくは0.001〜35重量%の範囲で使用される。0.001重量%より低い濃度では、所望の電極や配線材料として用いられるアルミニウムやアルミニウム合金へのエッチングを抑制する効果を得られ難く、35重量%より高い濃度ではエッチング剤組成物中での結晶の析出や固化などが生じ取り扱いが容易ではなくなり好ましくない。
本発明のエッチング剤組成物には、上記以外に、従来から使用されている添加剤を配合させて良い。また所望により、エッチング剤組成物中にシリコンを溶解したり、また濡れ性を上げるために界面活性剤を添加したりしてもよい。界面活性剤としては、例えばカチオン系、ノニオン系、アニオン系の何れの界面活性剤も使用できる。あるいは添加剤の分解を防ぐための分解抑制剤や、シリコンのエッチングレートを制御する為の添加剤や有機溶剤を添加しても良い。有機溶剤は添加することで変色、変性するものは好ましくないが、異方性エッチング特性等向上もしくは維持できるものならば制限はない。なかでもアルコールやグリセリンまたはグリセリン誘導体が好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、イソブチルアルコールまたはn-ブチルアルコール、グリセリン誘導体としてはジグリセリンやポリグリセリンが挙げられる。本発明のエッチング剤組成物のpHは、7より高いアルカリであれば良いが、pH11以上が好ましい。また、ピロカテコールについてはアルミニウムの防食剤と還元性化合物に挙げられるヒドロキシルアミンの分解抑制剤としての2つの働きが挙げられる。
本発明のシリコン微細加工のための異方性エッチング方法は、通常、加温されたエッチング剤組成物中に対象物を浸漬し、所定時間経過後取り出し、対象物に付着しているエッチング剤組成物をエッチング対象物より除去するために水等でリンスした後乾燥する方法が行なわれている。エッチング剤組成物の使用温度は、常温からエッチング剤組成物の引火点以下での使用が設備面、安全面から好ましい。またエッチング剤組成物が引火点を持たない場合は常温から沸点以下の温度での使用が好ましい。しかしながら、処理設備において有効な処置がなされている場合は、上記温度範囲以外の温度範囲での使用も可能である。また、より高温で使用することでより速いエッチング速度を得るためにエッチング剤組成物を加圧下で用いてもよい。
本発明におけるエッチング剤組成物の特徴はシリコンへのエッチング性能であることから、主にシリコン単結晶のエッチングに用いられ、このシリコン単結晶が結晶性であるため結晶面方位によりエッチング速度が異なる異方性エッチング特性を利用できる。具体的にはシリコン単結晶からなるシリコン基盤上にシリコン酸化膜やシリコン窒化膜を成膜後、その上層にパターニングされたレジストをマスクとして先のシリコン酸化膜やシリコン窒化膜をエッチングしてパターンをシリコン基板上に形成した上で、本発明のエッチング剤組成物によりシリコン基盤へ異方性エッチングを施す事が挙げられる。その他にも速度センサー等の電子機器では配線や素子として用いられるアルミニウム等の金属が予めパターニングされているシリコン単結晶からなるシリコン基盤を異方性エッチングしたりする事なども挙げられる。本発明におけるエッチング剤組成物は、上述のような結晶面方位によるエッチング速度差を用いたシリコン単結晶を対象とした異方性エッチングの場合エッチング対象としてシリコンやポリシリコン、これにイオンドープしたドープドポリシリコン等の結晶性シリコンが挙げられる。また、アルカリ水溶液であることからアモルファスシリコンやこれにイオンドープしたドープドアモルファスシリコン、その他にもシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、シリコン有機膜等のシリコン系材料全般のエッチング用いても何ら問題はなく、上記材質が対象物中に2つ以上混在していても適用できる。
本発明におけるシリコンエッチング方法は、主に異方性エッチングを利用した深いシリコンエッチング工程を有するMEMS製造に適用されるが、半導体集積回路や平板表示装置等の製造にも適用出来る。本発明におけるエッチング方法を用いて加工されたシリコン基板を有する電子機器としては、加速度センサー、角速度センサー、半導体圧力センサー、流量センサー、インクジェットプリンターヘッドなどが挙げられる。
実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。実施例中、%は重量%とする。シリコンのエッチング量測定に用いたサンプルはウェハ面の一方にシリコン熱酸化膜によるパターンを持ち、もう一方にはシリコン熱酸化膜による保護膜を持つシリコン単結晶ウェハを1%フッ化水素酸水溶液に常温3分間浸漬後、UPWにてリンスを施し、乾燥してシリコン単結晶表面の自然酸化膜のみを除去し評価サンプルとし、以降の実施例、比較例にはこの評価サンプルを用いた。また、シリコン基板上にアルミニウム合金を成膜したサンプルを用い、このサンプルを各種薬液中に浸漬処理することでそのエッチング量を測定した。具体的には薬液浸漬処理前後のアルミニウム合金膜の厚みを測定しその減少膜厚よりエッチング量を算出した。
実施例1
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%ヒドロキシルアミンと5%ソルビトールを含む水溶液に上述のシリコンのエッチング量測定用サンプルを2時間浸漬し、シリコン単結晶の面(100)方向、面(111)方向へのエッチング量を測定したところ、面(100)方向のエッチング量は約165μm、面(111)方向へのエッチングは約9μmであった。また、同組成の水溶液を中に上述のアルミニウム合金を成膜したサンプルを用いてアルミニウム合金のエッチング量を測定したところアルミニウム合金のエッチング速度は15nm/minであった。
実施例2
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%ヒドロキシルアミンと5%キシリトールを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約167μm、面(111)方向へのエッチングは約9μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は11nm/minであった。
実施例3
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%硫酸ヒドロキシルアミンと5%果糖を含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約161μm、面(111)方向へのエッチングは約8μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は21nm/minであった。
実施例4
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%ヒドラジンと5%リボースを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約145μm、面(111)方向へのエッチングは約8μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は30nm/minであった。
実施例5
10%水酸化カリウムと10%マルトースと5%アラビノースを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約188μm、面(111)方向へのエッチングは約4μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は80nm/minであった。
実施例6
10%水酸化カリウムと10%アスコルビン酸と5%グルコースを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約177μm、面(111)方向へのエッチングは約3μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は70nm/minであった。
実施例7
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%ヒドロキシルアミンと20%グリセリンと3%ソルビトールを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約147μm、面(111)方向へのエッチングは約4μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は10nm/minであった。
比較例1
10%水酸化テトラメチルアンモニウムを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約88μm、面(111)方向へのエッチングは約3μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
比較例2
10%水酸化カリウムを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約116μm、面(111)方向へのエッチングは約2μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
比較例3
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと1%次亜リン酸アンモニウムを含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約79μm、面(111)方向へのエッチングは約2μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
比較例4
10%フッ化水素酸水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチングは1μm以下、面(111)方向へのエッチング量も1μm以下であった。また、また、アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
比較例5
10%水酸化テトラメチルアンモニウムと5%アスパラギン酸を含む水溶液にて実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約84μm、面(111)方向へのエッチングは約3μmであった。また、アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
比較例6
20%水酸化テトラメチルアンモニウムと10%グリセリンを含む水溶液をエッチング剤とし、実施例1と同様の測定を行ったところ、シリコン面(100)方向のエッチング量は約76μm、面(111)方向へのエッチングは約3μmであった。アルミニウム合金のエッチング速度は100nm/min以上であった。
上記のように、水酸化テトラメチルアンモニウムや水酸化カリウムのようなアルカリ化合物の水溶液にヒドロキシルアミン類や還元糖類のような還元性化合物、更には糖類、糖アルコール類のような防食剤を添加することで、単に同濃度の水酸化テトラメチルアンモニウムや水酸化カリウムを含有する水溶液より、シリコン面(100)方向のエッチングが向上され更にはアルミニウム合金へのエッチングを抑制することがわかる。

Claims (2)

  1. 第4級水酸化アンモニウム、水酸化カリウムおよびアンモニアから選択される1種以上のアルカリ化合物、ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、マルトースおよびアスコルビン酸から選択される1種以上の還元性化合物、及びアラビノース、キシリトール、ソルビトール、グルコース、リボースおよび果糖から選択される1種以上の防食剤を含有することを特徴とするシリコン微細加工に用いる異方性エッチング剤組成物。
  2. さらにアルコール、グリセリンおよびグリセリン誘導体の少なくとも1種を含有する請求項1記載のシリコン微細加工に用いる異方性エッチング剤組成物。
JP2006034359A 2006-02-10 2006-02-10 シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物 Active JP5109261B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006034359A JP5109261B2 (ja) 2006-02-10 2006-02-10 シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006034359A JP5109261B2 (ja) 2006-02-10 2006-02-10 シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007214456A JP2007214456A (ja) 2007-08-23
JP5109261B2 true JP5109261B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=38492601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006034359A Active JP5109261B2 (ja) 2006-02-10 2006-02-10 シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5109261B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9972696B2 (en) 2015-09-21 2018-05-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Etching method and method of fabricating a semiconductor device using the same

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5302551B2 (ja) * 2008-02-28 2013-10-02 林純薬工業株式会社 シリコン異方性エッチング液組成物
US8562855B2 (en) 2008-05-09 2013-10-22 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Silicon etching liquid and etching method
JP5582718B2 (ja) * 2009-04-28 2014-09-03 横河電機株式会社 シリコンデバイスの製造方法
WO2011040484A1 (ja) 2009-10-02 2011-04-07 三菱瓦斯化学株式会社 シリコンエッチング液およびエッチング方法
JP5853953B2 (ja) * 2010-08-20 2016-02-09 三菱瓦斯化学株式会社 トランジスタの製造方法
WO2012029450A1 (ja) 2010-08-31 2012-03-08 三菱瓦斯化学株式会社 シリコンエッチング液及びそれを用いたトランジスタの製造方法
WO2012035888A1 (ja) * 2010-09-17 2012-03-22 三菱瓦斯化学株式会社 シリコンエッチング液及びそれを用いたトランジスタの製造方法
JP5731295B2 (ja) * 2011-06-27 2015-06-10 富士フイルム株式会社 キャパシタ構造の形成方法及びこれに用いられるシリコンエッチング液
JP5839858B2 (ja) * 2011-06-29 2016-01-06 富士フイルム株式会社 エッチング方法、半導体基板製品の製造方法、及びこれらに用いられるシリコンエッチング液
JP2015008167A (ja) * 2011-10-28 2015-01-15 三菱電機株式会社 シリコン基板のエッチング方法およびシリコン基板のエッチング液
WO2014112430A1 (ja) 2013-01-15 2014-07-24 三菱瓦斯化学株式会社 シリコンエッチング液およびエッチング方法並びに微小電気機械素子
US9873833B2 (en) 2014-12-29 2018-01-23 Versum Materials Us, Llc Etchant solutions and method of use thereof
KR102532413B1 (ko) * 2016-07-21 2023-05-15 동우 화인켐 주식회사 폴리실리콘 식각액 조성물 및 반도체 소자의 제조방법
KR102362365B1 (ko) * 2018-04-11 2022-02-11 삼성에스디아이 주식회사 실리콘 질화막 에칭 조성물 및 이를 이용한 에칭 방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0645311A (ja) * 1992-07-23 1994-02-18 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JPH0745582A (ja) * 1993-07-31 1995-02-14 Sony Corp 半導体構造体及び半導体構造体の製造方法
JP3525612B2 (ja) * 1996-03-12 2004-05-10 セイコーエプソン株式会社 シリコンウェハーの加工方法及びそのシリコンウェハーを用いた電子機器
JP4684869B2 (ja) * 2004-11-30 2011-05-18 株式会社トクヤマ シリコンエッチング液

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9972696B2 (en) 2015-09-21 2018-05-15 Samsung Electronics Co., Ltd. Etching method and method of fabricating a semiconductor device using the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007214456A (ja) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5109261B2 (ja) シリコン微細加工に用いるシリコン異方性エッチング剤組成物
JP5302551B2 (ja) シリコン異方性エッチング液組成物
TWI430353B (zh) 用於製造矽之微結構之各向異性蝕刻劑組成物及蝕刻方法
JP2006351813A (ja) シリコン微細加工に用いる異方性エッチング剤組成物及びエッチング方法
US20070175862A1 (en) Anisotropic etching agent composition used for manufacturing of micro-structures of silicon and etching method
KR20120092583A (ko) 실리콘 에칭액 및 에칭 방법
US8883652B2 (en) Silicon etching liquid and etching method
WO2010013562A1 (ja) シリコンエッチング液およびエッチング方法
KR20110015545A (ko) 실리콘 에칭액 및 에칭 방법
KR101992224B1 (ko) 실리콘 에칭액 및 에칭방법 그리고 미소전기기계소자
JP2009123798A (ja) シリコンエッチング液およびエッチング方法
JP2006351811A (ja) シリコン微細加工に用いる異方性エッチング剤組成物及びエッチング方法。
JP7305679B2 (ja) シリコンエッチング液
JP2008124135A (ja) 微細加工処理剤、及びそれを用いた微細加工処理方法
JP2009117504A (ja) シリコンエッチング液およびエッチング方法
JP2006351812A (ja) シリコン微細加工に用いる異方性エッチング剤組成物及びエッチング方法
JP2001351906A (ja) シリコン基板のエッチング方法
JP2009105306A (ja) シリコンエッチング液およびエッチング方法
JP2005064065A (ja) エッチング剤及びエッチング方法
KR20210117570A (ko) 식각액 조성물, 이를 이용한 패턴 형성 방법 및 어레이 기판의 제조 방법, 및 이에 따라 제조된 어레이 기판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110915

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120924

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5109261

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151019

Year of fee payment: 3