JP5051127B2 - 電力変換装置およびその制御方法 - Google Patents

電力変換装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流系統に連系する電力変換装置、特に負荷変動により生じる電圧変動(フリッカ)を抑制する電力変換装置に関する。
系統に連系する負荷が変動すると、送電線や変圧器のインピーダンスにより発生する電圧降下が変動し、負荷の連系点において電圧変動(フリッカ)が発生する。
フリッカを抑制するフリッカ抑制装置は、例えば特許第2675206号公報にて提案されている。
上記装置は、負荷電流から有効電流と無効電流を算出し、ローパスフィルタを施すことで正相分を算出し、ハイパスフィルタを施すことで逆相分を算出する。検出した負荷電流と逆位相の電流を出力することで、系統から流入する電流の変動分をキャンセルし、それによりフリッカを抑制する。
しかし、負荷電流に高調波成分が含まれる場合、電流指令値に高調波成分が含まれる。
電流発生部を電力変換器で構成する場合、電流制御の遅れが存在するため、電力変換器の出力電流における高調波成分の位相が負荷電流中の高調波成分の位相に対して遅れる。そのため、系統に流れる高調波成分をキャンセルすることができず、十分な補償効果を得られないという問題が発生していた。
上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器の出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値をフーリエ級数展開し、該フーリエ級数展開の各出力値に応じて前記出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段と、同一周波数であり位相の90度異なる二つの正弦波を発生する正弦波発生器を備え、該正弦波発生器出力値と負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値を乗算し、該乗算結果を移動平均演算した結果より前記出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段と、同一周波数であり位相の90度異なる二つの正弦波を発生する正弦波発生器を備え、該正弦波発生器出力値と負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値を乗算し、該乗算結果を前記正弦波発生器の出力する正弦波の周期を積分期間とする周期積分を算出し、該周期積分値より出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値をフーリエ級数展開し、該フーリエ級数展開出力値に位相を進ませる位相補償フィルタ演算を施し、該フィルタ演算結果に応じて出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、前記乗算結果を移動平均演算した値に位相を進ませる位相補償フィルタ演算を施し、該フィルタ演算結果に応じて出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、位相補償フィルタが一次の進み遅れフィルタにより構成されることを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、位相補償フィルタが一次の不完全微分により構成されることを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、正弦波発生器の出力する正弦波の周波数が、連系する系統周波数と等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、正弦波発生器の出力する正弦波の周波数が、連系する系統周波数の整数倍であることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値をフーリエ級数展開し、該フーリエ級数展開出力値に、連系する系統周波数の2倍の周波数におけるゲインが系統周波数におけるゲインより小さいフィルタ演算を施し、該フィルタ演算結果に応じて出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段と、同一周波数であり位相の90度異なる二つの正弦波を発生する正弦波発生器を備え、該正弦波発生器出力値と負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値を乗算し、該乗算結果を前記正弦波発生器の出力する正弦波の周期を積分期間とする周期積分を算出し、該周期積分結果に連系する系統周波数の2倍の周波数におけるゲインが系統周波数におけるゲインより小さいフィルタ演算を施し、該フィルタ演算結果に応じて出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段と、同一周波数であり位相の90度異なる二つの正弦波を発生する正弦波発生器を備え、前記正弦波発生器出力値と負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値を乗算し、該乗算結果を移動平均演算した値に、連系する系統周波数の2倍の周波数におけるゲインが系統周波数におけるゲインより小さいフィルタ演算を施し、該フィルタ演算結果に応じて出力電流指令値を算出する電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、系統周波数の2倍の周波数におけるゲインが系統周波数におけるゲインより小さいフィルタを、ノッチフィルタで構成することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、系統周波数の2倍の周波数におけるゲインが系統周波数におけるゲインより小さいフィルタを、入力信号からバンドパスフィルタ出力値を減算することにより実現することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明は振幅の変動する交流成分を含む信号から、該振幅値を検出する振幅検出方法において、フーリエ級数展開の出力値に位相補償フィルタを施した値から前記振幅値を算出することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明は連系される交流系統の電圧もしくは系統に流れる電流に応じて運転条件を変化させる電力変換装置の制御方法において、検出した交流電圧もしくは系統電流をフーリエ級数展開し、該フーリエ級数展開により得られた値に位相補償フィルタを施した値を用いて電力変換器の交流出力電圧を変化させることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明は振幅の変動する交流成分を含む信号から、該振幅値を検出する振幅検出方法において、フーリエ級数展開の出力値に位相補償フィルタを施した値から前記振幅値を算出し、算出値を用いて電流指令値を変化させることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明は連系される交流系統の電圧もしくは系統に流れる電流に応じて運転条件を変化させる電力変換装置の制御方法において、検出した交流電圧もしくは系統電流をフーリエ級数展開し、該フーリエ級数展開により得られた値に位相補償フィルタを施した値を用いて電力変換器の交流出力電圧を変化させることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、負荷に流れ込む負荷電流を検出する電流検出器と、交流出力電流を検出する電流検出器と、電流指令値に従い交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、前記負荷電流に含まれる基本波成分のみを補償することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、負荷電流の基本波成分を抽出する手段がフーリエ級数展開器であることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器の出力値を入力とし、基本波のうち0.1Hz以上30Hz以下で振幅が変動する成分を抽出し、該電流成分と同位相の電流を出力電流指令値に加算する出力電流指令値算出器を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、0.1Hz以上30Hz以下で振幅が変動する基本波成分をフーリエ級数展開器により算出することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、抽出した負荷電流基本波成分に位相補正演算を施す位相補正演算器を有することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、位相補正演算器がフーリエ級数展開器の演算による位相遅れを補償することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、位相補正演算器がフーリエ級数展開器の演算による位相遅れと電流制御器の遅れを含めた位相補償をすることを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、負荷に流れ込む電流を検出する電流検出器を有する電力変換装置において、負荷電流中の高調波成分の振幅に対する電力変換装置の出力電流における前記高調波成分の振幅の比が、負荷電流中の次数間高調波成分の振幅に対する電力変換装置の出力電流における前記次数間高調波成分の振幅比より小さいことを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、負荷に流れ込む電流を検出する代わりに系統電流を検出することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、前記系統電流の検出値と電力変換装置の出力する交流出力電流検出値より負荷電流を推定し、該負荷電流推定値を負荷に流れ込む電流の検出値として電流指令値を算出することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、電流指令値が正相電流指令値と逆相電流指令値の合成値である電力変換装置において、前記逆相電流指令値を前記電力変換装置の定格電流より小さい所定値以下に制限し、かつ正相電流指令値を定格電流と、前記所定値以下に制限された逆相電流指令値の差の範囲に入るよう制限することを特徴とするものである。
また、上記課題を解決するために、本発明の電力変換装置は、交流出力電流を検出する電流検出器と、出力電流指令値と前記電流検出器出力値が一致するよう交流出力電流を制御する電流制御手段を備え、電流指令値が正相電流指令値と逆相電流指令値の合成値である電力変換装置において、前記正相電流指令値を前記電力変換装置の定格電流以下に制限し、かつ逆相電流指令値を定格電流と、定格電流で正相電流指令値の差の範囲に入るよう制限することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、逆相電流指令値は定格電流と正相電流指令値の差の範囲に入り、かつ定格電流より小さい所定の値以下に制限することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、逆相電流指令値に可変ゲインを乗算することにより逆相電流指令値を制限することを特徴とするものである。
また、本発明の電力変換装置は、逆相電流を円形リミッタにより制限することを特徴とするものである
第1図は本発明の第1実施例の説明図である。
第2図は本発明の第2実施例の説明図である。
第3図は本発明の第2実施例の位相補正フィルタによるゲイン特性改善効果と位相特性改善効果の説明図である。
第4図は本発明の第2実施例の位相補正フィルタのその他の実現例である。
第5図は本発明の第1実施例の説明図である。
第6図は本発明の第3実施例の説明図である。
第7図は本発明の第3実施例の基本波DFT演算器の説明図である。
第8図は本発明の第3実施例の2次DFT演算器の説明図である。
第9図は本発明の第1実施例の動作説明図である。
第10図は本発明の第1実施例の変形例の説明図である。
第11図は本発明の第4実施例の説明図である。
第12図は本発明の第4実施例の位相補正フィルタのその他の実現例である。
第13図は本発明の第4実施例の説明図である。
以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
本発明の第一実施例を第1図を用いて説明する。
本発明のフリッカ抑制装置1は負荷3と並列に接続し、系統インピーダンス7を介して交流電源2に接続している。系統インピーダンス7は、送電線インピーダンスや変圧器インピーダンスを意味する。フリッカ抑制装置1の連系点では、負荷電流が変動すると系統インピーダンス7で発生する電圧降下幅が変動し、電圧変動すなわちフリッカが発生する。本発明のフリッカ抑制装置は、負荷電流変動によるフリッカを抑制・低減するものである。
フリッカ抑制装置1は主回路部と制御演算部100により構成される。主回路はIGBTとダイオードにより構成される電力変換器4,フィルタリアクトル5,直流コンデンサ6により構成され、電力変換器4の交流出力端子はフィルタリアクトル5を介して交流系統に連系し、電力変換器4の直流出力端子には直流コンデンサ6が並列接続される。
制御演算部100は、フリッカ抑制装置1の連系点電圧検出値と交流電流検出値、及び直流コンデンサ電圧検出値を入力とし、直流コンデンサ電圧を維持するよう、電力変換器4の電流指令値を算出する。
また、負荷電流検出値と連系点電圧検出値よりフリッカを抑制するための電流指令値を算出し、その電流指令値と、前記直流コンデンサ電圧を維持するための電流指令値の和を新たな電力変換器4の電流指令値とし、該電流指令値と電力変換器4の交流電流検出値が一致するよう電力変換器4の交流出力電圧指令値を算出する。
制御演算部100は該交流出力電圧指令値と搬送波と比較することで電力変換器4のIGBTへのゲート信号を算出し、電力変換器4に出力することで指令値に追従した交流電圧を出力する。
以降、電流指令値の作成方法について詳細に説明する。
まず、直流コンデンサ電圧を制御するための指令値算出方法について説明する。
直流コンデンサ電圧は電圧検出器14により検出され、検出値VDCは減算器104に入力される。
減算器104は直流コンデンサ電圧指令値VDCREFとVDCの差を算出し、直流電圧制御器105に出力する。
直流電圧制御器105は直流コンデンサ電圧偏差を入力とし、直流コンデンサ電圧を指令値VDCREFと一致するようフリッカ抑制装置1の有効電流指令値IAVRを算出する。有効電流指令値IAVRは逆d−q変換器112に入力される。逆d−q変換器112は次に述べるフリッカ抑制用電流指令値と直流電圧制御器105の出力によりフリッカ抑制装置1の電流指令値を算出する。
次にフリッカ抑制用電流指令値の演算方法について説明する。
フリッカ抑制装置1の系統連系点における電圧は電圧センサ10により検出される。検出値Vu,Vv,Vwは位相検出器101に入力され、基本波位相θが算出される。ここで、位相θはVuの基本波成分をVcosθ、Vvの基本波成分をVcos(θ−2/3π)、Vwの基本波成分をVcos(θ−4/3π)としたときの位相である。
位相θは正弦波テーブル102,103に入力され、正弦波テーブル102,103はそれぞれcosθ,sinθを算出する。cosθ,sinθは正相DFT演算器107,逆相DFT演算器108,逆d−q変換器112,d−q変換器113に出力される。
負荷電流は電流センサ20,21,22により検出され、検出値ILU,ILV,ILWはα−β変換器106に出力される。
α−β変換器106は次式で示される演算によりILα,ILβを算出する。
Figure 0005051127
本発明で新規な点である、フーリエ級数係数算出による電流指令値算出について以降説明する。
α−β変換器106により算出されたILα,ILβは正相DFT演算器107,逆相DFT演算器108に出力される。
正相DFT演算器107は(数式2)で示す演算により、負荷電流の正相実軸成分の振幅値IL1REと、正相虚軸成分の振幅値IL1IMを算出する。
Figure 0005051127
ここで、tは現在の時刻、fは連系する系統周波数、T=1/fである。
(数式2)に示されるように、系統電圧と同期する正弦波との積を周期積分するため、系統周波数の整数倍の負荷電流成分、つまり高調波成分に対してはゲインが零となる。
ILα,ILβが逆相成分の場合、(数式2)のILα×cosθ+ILβ×sinθおよび−ILα×sinθ+ILβ×cosθは系統周波数の倍周波で振動する成分となるが、電源周期Tで積分されるため、出力値はゼロとなる。
逆相DFT演算器109は(数式3)で示す演算により、負荷電流の逆相実軸成分の振幅値IL2REと、逆相虚軸成分の振幅値IL2IMを算出する。
Figure 0005051127
ここで、tは現在の時刻、fは連系する系統周波数、T=1/fである。
(数式3)に示されるように、系統電圧と同期する正弦波との積を周期積分するため、系統周波数の整数倍の負荷電流成分、つまり高調波成分に対してはゲインが零となる。
ILα,ILβが正相成分の場合、(数式3)のILα×cosθ−ILβ×sinθおよびILα×sinθ+ILβ×cosθは系統周波数の倍周波で振動する成分となるが、電源周期Tで積分されるため、出力値はゼロとなる。
負荷電流を(数式4)に示すように基本波周波数を60Hz、正相振幅を1pu、逆相振幅を0.2pu、含有高調波次数を5次、高調波振幅を0.05puとした場合のILα,ILβ,IL1RE,IL1IM,IL2RE,IL2IMの波形を第9図に示す。
Figure 0005051127
ここで、φは正相電流の位相、ηは逆相電流の位相であり、φ=η=0とした。
高調波を含むため、ILα,ILβにはひずみ成分を含むがIL1RE,IL1IM,IL2RE,IL2IMにはひずみ成分が発生せず、高調波を削除できていることがわかる。
また、IL1RE,IL2REは周期積分されることにより正相演算における逆相混入、逆相演算における正相混入を排除することができ、なおかつIL1RE,IL2REの値はそれぞれ負荷電流中の正相成分振幅,逆相成分振幅と一致し、正しく振幅演算が実現できることがわかる。
負荷3が変動しない場合、IL1RE,IL1IM,IL2RE,IL2IMはそれぞれ負荷電流の正相有効成分振幅値,正相無効成分振幅値,逆相実軸成分振幅値,逆相虚軸成分振幅値となるが、負荷3が変動する場合、正相DFT演算器107における逆相成分と、逆相DFT演算器109における正相成分の周期積分値が完全にゼロにならない。ゆえに、倍周波数成分は真の正相成分、逆相成分の振幅ではないため、指令値から除去することが望ましい。
以上の理由から、正相DFT演算器107の出力IL1IMをノッチフィルタ108に入力し、ノッチフィルタ108で系統周波数の倍周波数成分を除去した値IL1IM2を逆d−q変換器112へ入力する。
同様に、逆相DFT演算器109の出力IL2REをノッチフィルタ110,IL2IMをノッチフィルタ111に入力し、系統周波数の倍周波数成分を除去した値IL2RE2,IL2IM2をd−q変換器113へ入力する。
逆d−q変換器112は直流電圧制御器105の出力とノッチフィルタ108、基準正弦波cosθ,sinθを入力とし、(数式5)で示される演算を実施し、正相分電流指令値IL1α,IL1βを算出する。
Figure 0005051127
d−q変換器113はノッチフィルタ109,110の出力値IL2RE2,IL2IM2,基準正弦波cosθ,sinθを入力とし、(数式6)で示される演算を実施し、逆相分電流指令値IL2α,IL2βを算出する。
Figure 0005051127
逆d−q変換器112,d−q変換器113の出力は加算器114,115に入力される。フリッカ抑制装置1は負荷電流と逆位相の電流を出力することによりフリッカを抑制するものであるため、加算器114,115の出力は符号反転器116,117により符号反転された値をフリッカ抑制装置1の電流指令値ICαREF,ICβREFとする。
以上のように、電流指令値ICαREF,ICβREFは直流電圧制御器105,正相DFT演算器107,逆相DFT演算器109により算出されるため、電流指令値には高調波成分が含まれない。
一方、フリッカ抑制装置1の出力する交流電流は電流センサ11,12,13により検出され、検出値ICU,ICV,ICWはα−β変換器118で(数式1)と同様の演算を施され、その出力ICα,ICβはそれぞれ減算器119,120に出力される。
減算器119において電流指令値ICαREFとICαの偏差が演算され、減算器120において電流指令値ICβREFとICβの偏差が演算され、その出力は電流制御器121に入力される。
電流制御器121は減算器119,120により算出された電流偏差を低減すべく交流出力電圧補正量を算出する。
電流制御器121の出力値は、交流電圧検出値Vu,Vv,Vwをα−β変換器122により変換された電圧Vα,Vβと加算器123,124により加算される。α−β変換器122の演算は(数式1)と同様である。
加算器123の出力値VαREFと、加算器124の出力値VβREFは2相−3相変換器125に入力され、(数式7)に示される演算により3相の電圧指令値VuREF,VvREF,VwREFが算出される。
Figure 0005051127
2相−3相変換器125の出力値はPWM演算器126に入力され、搬送波算出器127により出力された三角波と大小比較される。PWM演算器126は大小比較結果より電力変換器4のIGBTゲート信号を算出し、電力変換器4に出力する。
電力変換器4はPWM演算器126により出力されたゲート信号に従いIGBTをオン,オフすることで電圧指令値VuREF,VvREF,VwREFに従った交流電圧を出力する。
以上のようにフリッカ抑制装置1の交流出力電流が制御されるため、フリッカ抑制装置は負荷電流の正相無効電流と逆相成分に対して逆位相の電流を出力するため、系統電流の変動分を低減でき、フリッカを抑制することができる。
本実施例では、負荷電流を電流センサ20,21,22により検出していたが、第5図記載のように系統電流ISU,ISV,ISWとフリッカ抑制装置出力電流ICU,ICV,ICWから負荷電流ILU,ILV,ILWを推定しても同様の効果を得ることができる。
さらに、第10図記載のように、系統電流を検出し、その正相無効電流と逆相成分に対して逆位相の電流を出力することでも同様の効果を得ることができる。
以上より、本発明のフリッカ抑制装置は負荷電流の正相無効電流と逆相成分と逆位相の電流を出力するため、系統電流の変動分を低減でき、フリッカを抑制することができる。
また、本発明によれば電流指令値には高調波が含まれないため、フリッカ抑制装置1から流出する高調波成分を低減でき、電流制御遅れによる高調波増大を回避することができる。
本発明の第2の実施例を、第2図を用いて説明する。
本実施例と実施例1との相違は、DFT演算器の出力に位相補正用フィルタを設けた点にある。位相補正用フィルタを設けることにより正相・逆相の負荷電流基本波振幅変動に対する応答遅れを改善することができる。
以降、先の実施例と異なる構成のみ説明する。また、第2図において特に言及する以外は第1図と同一機能部には同一符号をつけ、重複した説明は行っていない。
正相DFT演算器107、および逆相DFT演算器109はそれぞれ正相基本波成分および逆相基本波成分を抽出し、高調波成分を除去できる利点があるが、(数式2),(数式3)に示すように演算に積分を含むため、基本波の振幅が早く変動する場合、振幅演算結果にゲインの低下および位相遅れが発生する。
ゲイン低下および位相遅れはフリッカ抑制機能を低下させる原因となる。
本実施例のフリッカ抑制装置は、負荷電流における基本波振幅変動時の振幅演算結果のゲイン低下、および位相遅れを低減するものである。
本実施例のフリッカ抑制装置1は実施例1と同様に逆相DFT演算器107により正相無効電流振幅値IL1IMを算出する。その出力は位相補正フィルタ130に入力され、その出力がノッチフィルタ108に入力される。
位相補正フィルタ130の伝達関数G(s)は、(数式8)で示される、進み遅れフィルタである。
Figure 0005051127
ここで、T,Tは時定数、sはラプラス演算子である。本フィルタを用いることによりゲイン特性,位相特性を改善できる。
同様に、逆相DFT演算器109の出力は位相補正フィルタ131,132に入力される。位相補正フィルタ131,132は位相補正フィルタ130と同じ進み遅れフィルタである。
たとえば、負荷電流を(数式9)に示すように振幅I(t)が周波数fで変動する電流であるとする。
Figure 0005051127
電流振幅I(t)から位相補正フィルタ130の出力IL1IMFILまでの伝達特性を第4図に示す。
横軸は振幅変動周波数fであり、縦軸は第3図(a)ではゲイン、第3図(b)では位相を示す。また、位相補正フィルタを用いない場合の周波数特性を破線で、位相補正フィルタを用いた場合の周波数特性を実線で示す。ここで、系統周波数を60Hzとし、T=1/100[s],T=1/350[s]とした。
伝達特性はゲインが0dB、位相が0degに近いほど基本波振幅I(t)に近い係数を抽出できることに相当するため、第3図より進み遅れフィルタを用いることでゲイン特性,位相特性を改善できることがわかる。人の視感度係数は特許第2793327号公報の第12図記載のように0.1Hzから30Hzの電圧変動に対して大きくなるため、フリッカ抑制機能を大きく向上することができる。
本実施例では位相補正フィルタを一次の進み遅れフィルタとしたが、一次の位相進み遅れフィルタを複数組み合わせたフィルタや、第4図記載のように不完全微分を組み合わせた位相補正フィルタでも同様の効果が得られる。
以上より、本発明のフリッカ抑制装置は負荷電流の正相無効電流と逆相成分と逆位相の電流を出力するため、系統電流の変動分を低減でき、フリッカを抑制することができる。
また、本発明によれば電流指令値には高調波が含まれないため、フリッカ抑制装置1から流出する高調波成分を低減でき、電流制御遅れによる高調波増大を回避することができる。
さらに、本実施例によればDFT演算器の伝達特性を改善できるため、基本波振幅が早く振動する場合のフリッカ抑制機能を向上できる。
本発明第3の実施例を、第6図を用いて説明する。
本実施例と実施例1との相違は、基本波以外に2次のDFTを設け、2次の高調波成分の振幅,位相を算出し、電流指令値に加える構成にある。
次数の低い高調波であれば、電流制御の遅れが小さい。ゆえに、基本波のみならず特定高調波の補償電流を出力することができる。例えば、電流制御応答を1000rad/sとした場合、カットオフ周波数が160Hzとなるため、系統周波数が60Hzの場合は2次高調波程度まで電流制御特性を確保できる。本実施例では、特定高調波を2次の高調波とした。
以降、先の実施例と異なる構成のみ説明する。また、第5図において特に言及する以外は第1図と同一機能部には同一符号をつけ、重複した説明は行っていない。
直流電圧制御器105の出力と、負荷電流のα−β成分を算出するα−β変換器106の出力と、系統電圧位相を持つ正弦波を出力する正弦波テーブル102,103の出力は、基本波DFT演算器150に入力される。基本波DFT演算器150は第6図に示すように実施例1と同様の演算を実施し、電流指令値ICαREF,ICβREFを算出する。
本実施例で新規な点である2次高調波電流算出方法について以降説明する。
位相検出器101により算出された位相θは乗算器154により2倍され、その出力は正弦波テーブル155,156に入力される。
正弦波テーブル155は乗算器154により出力された位相2θからcos2θを、正弦波テーブル156はsin2θを算出し、2次DFT演算器151に出力する。
2次DFT演算器151はそのほかにα−β変換器106の出力値を入力とし、負荷電流に含まれる2次高調波の実軸成分振幅,虚軸成分振幅を算出し、その値から負荷電流に含まれる2次高調波成分と逆位相の電流指令値ICαREF2,ICβREF2を算出する。
基本波DFT演算器150の出力と、2次DFT演算器151の出力はそれぞれ加算器152,153に入力され、新たな電流指令値ICαREF_N,ICBREF_Nが算出される。
以上のように、本実施例のフリッカ抑制装置は、負荷電流の基本波成分および2次成分を抽出し、逆位相の電流指令値を算出する。2次のように低次の高調波電流指令に対しては電流制御における遅れが小さいため、高調波増大現象を回避できる。
次に2次DFT演算器151の詳細について説明する。
2次DFT演算器151の演算ブロックを第7図に示す。
負荷電流ILα,ILβと正弦波cos2θ,sin2θは正相DFT演算器1511に入力される。正相DFT演算器1511は(数式10)に示される演算を実施し、出力IL1RE2,IL1IM2を算出する。
Figure 0005051127
ここで、fsは系統周波数、T=1/fsである。(数式2)に比べ、積分係数が2倍、積分時間が1/2になっている点が異なる。
[0001]
IL1RE2,IL1IM2は、(数式2)と同様に正弦波cos2θ,sin2θを基準とした場合の2次の正相実軸成分,正相虚軸成分となる。
逆相DFT演算器1512は(数式11)に示される演算を実施し、出力IL2RE2,IL2IM2を算出する。
Figure 0005051127
IL2RE2,IL2IM2は、(数式3)と同様に正弦波cos2θ,sin2θを基準とした場合の5次の逆相実軸成分,逆相虚軸成分となる。
正相DFT演算器1511の出力はノッチフィルタ1513,1514に入力され、系統周波数の4倍の周波数成分が除去され、逆d−q変換器1517に入力される。
逆d−q変換器1517はノッチフィルタ1513,1514の出力と正弦波cos2θ,sin2θより(数式12)に示される演算を実施し、出力IL1α2,IL1β2を出力する。
Figure 0005051127
逆d−q変換器1517の出力IL1α5,IL1β5の出力は加算器1519,1520に出力される。
逆相DFT演算器1512の出力はノッチフィルタ1515,1516に入力され、系統周波数の4倍の周波数成分が除去され、d−q変換器1518に入力される。
d−q変換器1518はノッチフィルタ1515,1516の出力と正弦波cos5θ,sin5θより(数式13)に示される演算を実施し、出力IL2α2,IL2β2を出力する。
Figure 0005051127
d−q変換器1518の出力IL2α2,IL2β2の出力は加算器1519,1520に出力される。
加算器1519,1520は逆d−q変換器1517とd−q変換器1518の出力を加算し、その和を符号反転器1521,1522に出力する。
符号反転器1521,1522により符号反転された値は負荷の2次高調波成分と逆位相となり、2次DFT演算器151の出力となる。
以上より、本実施例によれば基本波に加え、負荷電流に含まれる2次の高調波成分と逆位相の電流指令値を算出することができる。
電流制御の遅れは低次高調波成分に対しては小さいため、系統に流出する2次成分を低減でき、2次高調波によるフリッカ抑制を実現できる。
本実施例では特定高調波として2次を選択しているが、高調波次数を3次などの低次高調波に選んでも良い。また、2次,3次など複数の低次高調波を補償するDFT演算器を備えても良い。
以上より、本発明のフリッカ抑制装置は負荷電流の正相無効電流と逆相成分と逆位相の電流を出力するため、系統電流の変動分を低減でき、フリッカを抑制することができる。
また、本発明によれば電流指令値には高調波が含まれないため、フリッカ抑制装置1から流出する高調波成分を低減でき、電流制御遅れによる高調波増大を回避することができる。
さらに、本実施例によれば負荷電流に含まれる特定高調波について補償電流を算出できるため、低次高調波により起こるフリッカを低減することができる。
本発明第五実施例を、第11図を用いて説明する。
本実施例と実施例1の差は、電流指令値にリミッタ160を設けた点にある。
逆相電流を出力すると、直流コンデンサに系統周波数の倍周波数の脈動が発生する。直流コンデンサ電圧の変動が大きい場合、コンデンサの発熱や、電力変換装置からの高調波流出の原因となるため、直流コンデンサ電圧は所定範囲内(例えば定格電圧に対して10%)に抑制するのが望ましい。
しかし、固定値で逆相電流の実部成分、虚部成分を個別で制限すると電力変換装置から出力する逆相電流の位相と負荷の発生する逆相電流の位相関係が崩れ、フリッカ抑制効果が低下する恐れがある。
本発明は上記を考慮し、逆相電流を円形リミッタにより制限し、位相関係を保持し、補償量のみを制限するものである。
以降、詳細を説明する。
第11図において、直流電圧制御器105の指令値IAVR、ノッチフィルタ108,110,111の出力値IL1IM2,IL2RE2,IL2IM2はリミッタ160に入力される。
リミッタ160は、電力変換器1の出力する系統電流ICU,ICV,ICWを定格出力電流IMAX以内に抑制するよう、電流指令値を制限する。
具体的には、優先度を直流電圧制御器105の出力IAVR、ノッチフィルタ108の出力値IL1IM2、そして逆相電流指令値となる電流指令値IL2RE2,IL2IM2の順番としたリミッタ演算を実施する。
リミッタ160の構成を第12図に示す。
直流電圧制御器105の出力値IAVRはリミッタ1601により−IMAX以上IMAX以下に制限され、新たな正相有効電流指令値IAVR2として逆d−q変換器112に出力される。
乗算器1602によりIMAXの二乗値を、乗算器1603によりIAVR2の二乗値を算出し、それらの差を減算器1604で算出し、平方根算出器1605に出力する。
平方根算出器1605の出力値は正相無効電流のリミッタ1606の上限値となり、乗算器1607で符号反転された値はリミッタ1606の下限値となる。リミッタ1606の出力値は新たな正相無効電流指令値IL1IM3となり逆d−q変換器112に出力される。
本演算により、正相電流の振幅はIMAX以下となる。
正相有効電流指令値IAVR2と正相無効電流指令値IL1IM3は振幅算出器1608に入力され、正相電流指令値振幅I1ABSが出力される。
電力変換装置IMAXと振幅I1ABSは減算器1609に入力され、その差は最小値算出器1611に出力される。減算器1609の出力値は電力変換装置1の定格電流から正相電流指令値を減算した値であるため、逆相電流指令値の振幅値が該差より小さければ電力変換装置1の出力電流指令値は定格IMAXを超えることは無い。
つぎに逆相電流の制限方法について説明する。
逆相電流実部成分IL2RE2と虚部成分IL2IM2は振幅算出器1610に入力され、逆相電流指令値振幅I2ABSが算出される。該振幅値は最小値算出器1611に入力される。
また、直流コンデンサ電圧の許容振動幅より決定される逆相電流最大値I2MAXも最小値算出器1611に入力される。
最小値算出器1611は定格電流に対する正相電流指令値振幅を差し引いた値と、逆相電流許容値I2MAX,逆相電流指令値振幅I2ABSを入力とし、最も値の小さいものを除算器1612に出力する。
除算器1612は逆相電流指令値振幅で最小値算出器1611の除算し、その商を乗算器1613,1614に出力する。
乗算器1613,1614は逆相電流指令値IL2RE,IL2IM2と除算器1613の出力値を乗算し、新たな逆相電流IL2RE3,IL2IM3を算出する。
以上により、逆相電流指令値振幅は定格電流における電流出力の余力,逆相電流最大値,逆相電流のうち最も少ないものと一致するため、逆相電流を制限することができる。
逆相電流指令値を制限することができるため、直流コンデンサ電圧の変動幅を制限することができる。
本実施例では正相電流を優先とした場合の演算を示したが、逆相電流を優先に電流指令値を制限しても良い。
第13図には逆相電流を優先した場合のリミッタ160を示す。
逆相電流指令値IL2RE2,IL2IM2は振幅算出器1610に入力され、振幅I2ABSが最小値算出器1611および除算器1612に出力される。
最小値算出器1611には逆相電流許容値I2MAXも入力され、値の小さいものが除算器1612および減算器1609に出力される。
除算器1612は最小値算出器の出力値をI2ABSで除算し、その値を乗算器1613,1614に出力する。
乗算器1613,1614にはそれぞれ逆相実部成分IL2RE2,逆相虚部成分IL2IM2が入力され、新たな逆相電流指令値IL2RE3,IL2IM3となり、d−q変換器113に出力される。
これにより、逆相電流指令値の振幅はI2MAX以下となるため、直流コンデンサ電圧の振動幅を抑制することができる。
電力変換装置1の定格電流IMAXと逆相電流指令値振幅値の差は減算器1609で差を算出され、正相電流指令値IAVRを制限するリミッタ1601上限値と、減算器1609の符号半反転したものが下限値となる。
減算器1609の出力値は乗算器1607に入力され、二乗値が算出される。また、リミッタ1601により制限された正相有効成分IAVR2も乗算器1603に入力され、減算器1604で差を算出し、平方根演算したものがリミッタ1606の上限値および符号反転したものがリミッタ1606の下限値となる。
よって、逆相電流指令値を優先に制限し、定格電流に対する残りの電流範囲で正相電流を制限できる。
以上より、本発明のフリッカ抑制装置は負荷電流の正相無効電流と逆相成分と逆位相の電流を出力するため、系統電流の変動分を低減でき、フリッカを抑制することができる。
また、本発明によれば電流指令値には高調波が含まれないため、電力変換装置装置1から流出する高調波成分を低減でき、電流制御遅れによる高調波増大を回避することができる。
さらに、本実施例によれば逆相電流を所定値以下に抑制できるため、直流コンデンサ電圧の変動幅を抑制することができる。
以上に示した実施例では、フーリエ級数係数から電流指令値を算出することにより、電流指令値から系統周波数の整数倍の周波数成分を除去することができるため、フリッカ抑制装置はフリッカを抑制しつつ、フリッカ抑制装置から流出する高調波を低減することができる。
本発明は、交流系統に連系する電力変換装置、特に負荷変動により生じる電圧変動(フリッカ)を抑制する電力変換装置に適用することが可能である。

Claims (3)

  1. 交流出力電流を検出する電流検出器と、IGBTとダイオードとより構成される電力変換器と、前記電力変換器の電力指令値を算出する制御演算部と、を有する電力変換装置において、
    前記制御演算部は、
    負荷に流れ込む負荷電流を3相から2相に変換するα−β変換器と、
    前記α−β変換器により算出された出力値をフーリエ級数展開し、負荷電流の正相実軸成分の振幅値と負荷電流の正相虚軸成分の振幅値とを算出する正相DFT演算器と、
    前記α−β変換器により算出された出力値をフーリエ級数展開し、負荷電流の逆相実軸成分の振幅値と負荷電流の逆相虚軸成分の振幅値とを算出する逆相DFT演算器と、
    前記正相DFT演算器の正相虚軸成分の振幅値の出力値と前記逆相DFT演算器の逆相虚軸成分の振幅値の出力値とを加算し、電流指令値を算出する加算器と、
    前記電流検出器の出力値を3相から2相に変換するα−β変換器と、
    前記加算器の出力値と前記α−β変換器により算出された出力値を加算する加算器と、
    前記電流指令値と前記電流検出器の出力値とが一致するように交流出力電流を制御する電流制御器と、
    前記電流制御器の出力値を2相から3相に変換する2相−3相変換器と、
    前記正相DFT演算器の出力値と前記逆相DFT演算器の出力値とについて、移動平均演算した値に位相を進ませる位相補償フィルタ演算を施す位相補償フィルタとを備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1の電力変換装置において、
    前記位相補償フィルタが、一次の進み遅れフィルタであることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1の電力変換装置において、
    前記位相補償フィルタが、一次の不完全微分により構成されることを特徴とする電力変換装置。
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