JP5085224B2 - 信号抽出回路及びそれを含む系統連系インバータ装置 - Google Patents

信号抽出回路及びそれを含む系統連系インバータ装置 Download PDF

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Description

本願発明は、基本周波数に所定次数の高調波が重畳された三相交流信号から当該基本周波数を抽出するための信号抽出回路、及びそれを含む系統連系インバータ装置に関する。
従来、直流電源と電力系統との間に設けられ、直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換して当該交流電力を電力系統に供給するための系統連系インバータ装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−153957号公報
図8は、系統連系インバータ装置が適用される系統連系インバータシステムの構成を示す図である。この系統連系インバータ装置50は、太陽電池である系統電源51と電力系統52との間に接続され、インバータ部53、LCフィルタ部54、電流センサ55、トランス部56及びインバータ制御部57によって構成されている。この系統連系インバータ装置50は、系統電源51から供給される直流電力を交流電力に変換して電力系統52に供給するものである。
インバータ部53、LCフィルタ部54及びトランス部56は、直列に接続され、電流センサ55は、LCフィルタ部54とトランス部56との間に設けられている。インバータ制御部57は、インバータ部53に接続されている。
インバータ部53から出力される交流電圧vは、LCフィルタ部54によってスイッチングのノイズ成分が取り除かれる。スイッチングのノイズ成分が取り除かれた交流電流iは、電流センサ55によって検出され、インバータ制御部57に入力される。
この系統連系インバータ装置50では、インバータ制御部57によってフィードバック制御系が構成される。すなわち、インバータ制御部57は、電流センサ55によって検出された交流電流iと予め定める目標値との偏差を演算し、その偏差に基づいてインバータ部53を制御する。これにより、インバータ部53は、電力系統52に供給する交流電圧及び交流電流が所定の規格を満足するように制御される。
この場合、フィードバック制御系であるインバータ制御部57では、三相交流信号に対して電流制御が行われるが、この電流制御における電流量の取扱いを容易にするために、三相交流信号に対してdq変換が行われる。
インバータ制御部57は、図8に示すように、dq変換部58と、d軸フィルタ部59と、q軸フィルタ部60と、d軸演算部61と、q軸演算部62と、d軸PI制御部63と、q軸PI制御部64と、dq逆変換部65と、PWM信号生成部66とによって構成されている。
dq変換部58は、電流センサ55によって検出された三相の交流電流iU,iV,iW当該交流電流iU,iV,iW 同一の回転速度で同一方向に回転する直交座標系(以下、「回転座標系」という。)(d軸、q軸)の信号id,iqに変換する。
例えば数式1は、基本波(系統周波数の成分)の正相分の三相交流電流iU,iV,iWをiU=Asin(ωt+θ)、iV=Asin(ωt+θ−2π/3)、iU=Asin(ωt+θ+2π/3)としたときのdq変換に用いられる変換式である。そして、数式1により算出される二相信号id,iqは、数式2ようになる。すなわち、基本波の正相分は、直流信号に変換されて出力される。なお、Aは基本波の正相分の振幅、ωは基本波の角周波数、θは三相交流電圧との位相差である。
Figure 0005085224
Figure 0005085224
一方、三相交流電流iU,iV,iWには、一般に基本波のn次(n≧2の整数)高調波や基本波と周波数は同一であるが三相交流の回転方向が逆方向の周波数(以下、「基本波の逆相分」という。)が重畳されており、dq変換部58からはこれらのn次高調波や基本波の逆相分を上記の数式1でdq変換した二相信号i,iqも出力される。
基本波の逆相分は、iU=A’sin(ωt+θ’)、iV=A’sin(ωt+θ’+2π/3)、iU=A’sin(ωt+θ’−2π/3)で表されるから、これらのiU,iV,iWを上記の数式1に代入すると、dq変換された二相信号id(-1),iq(-1)は、数式3のようになる。すなわち、基本波の逆相分は、2倍波の交流信号に変換されて出力される。なお、添え字の(−1)は、基本波の逆相分であることを示している。また、A’は基本波の逆相分の振幅を示す。θ’は基本波の逆相分の三相交流電圧との位相差である。
Figure 0005085224
また、n次高調波の正相分を、iUn=Ansin(nωt+θn)、iVn=Ansin(nωt+θn−2π/3)、iUn=Ansin(nωt+θn+2π/3)で表し、これらのiUn,iVn,iWnを上記の数式1に代入すると、dq変換された二相信号id(+n),iq(+n)は、数式4のようになる。すなわち、n次高調波の正相分は、(n−1)次高調波の交流信号に変換されて出力される。なお、Anはn次高調波の正相分の振幅、θnはn次高調波の正相分の三相交流電圧との位相差である。また、添え字の(+n)は、n次高調波の正相分であることを示している。
Figure 0005085224
また、n次高調波の逆相分は、iUn=An’sin(nωt+θn’)、iVn=An’sin(nωt+θn’)+2π/3)、iUn=An’sin(nωt+θn’)−2π/3)で表されるから、これらのiUn,iVn,iWnを上記の数式1に代入すると、dq変換された二相信号id(-n),iq(-n)は、数式5のようになる。すなわち、n次高調波の逆相分は、(n+1)次高調波の交流信号に変換されて出力される。なお、An’はn次高調波の逆相分の振幅、θn’はn次高調波の逆相分の三相交流電圧との位相差である。添え字の(−n)は、n次高調波の逆相分であることを示している。
Figure 0005085224
dq変換部58によって変換された信号id,iqには、上記のように直流成分と交流成分が含まれ、交流成分はフィードバック制御には不要であるので、d軸フィルタ部59及びq軸フィルタ部60によって除去される。
d軸演算部61では、d軸フィルタ部59によって交流成分が除去されたd軸出力値idと予め定めるd軸目標値Idとの偏差が算出される。また、q軸演算部62では、q軸フィルタ部60によって交流成分が除去されたq軸出力値iqと予め定めるq軸目標値Iqとの偏差が算出される。d軸演算部61及びq軸演算部62の出力は、d軸PI制御部63及びq軸PI制御部64にそれぞれ入力される。
d軸PI制御部63及びq軸PI制御部64では、d軸演算部61及びq軸演算部62で算出された偏差に基づいて比例制御(Proportional制御)処理及び積分制御(Integral制御)処理がそれぞれ行われる。その後、dq逆変換部65においてPI制御が施されたd軸出力値id,q軸出力値iqは、三相交流の制御信号に逆変換される。
そして、PWM信号生成部66において、dq逆変換部65から出力される三相交流の制御信号に基づいて、インバータ部53内の三相ブリッジ回路の複数のスイッチング素子を制御するためのPWM制御信号が生成される。
ところで、上述したd軸フィルタ部59及びq軸フィルタ部60は、dq変換部58の出力から交流成分を除去し、基本波成分のみを直流として抽出するためのものであるが、d軸フィルタ部59及びq軸フィルタ部60は、例えば移動平均フィルタ、FIR(Infinite Impulse Response)フィルタ又はIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等のディジタルフィルタによって構成されている。
移動平均フィルタは、除去したい周波数のデータを少なくとも1周期分サンプリングし、それらのサンプリングデータの移動平均を算出することによって当該周波数を除去する構成である。このため、フィードバック制御系として基本波成分の検出が遅れ、PWM信号生成部66におけるPWM制御信号の生成を更新する期間が長くなるという問題点がある。
例えば、dq変換された信号id,iqに含まれる交流成分には基本波と同一の周波数(系統周波数に相当)の成分が含まれる可能性があるから、基本波と同一の周波数以上の交流成分を除去しようとすると、1周期を基本波の周期に設定する必要がある。例えば、系統周波数を50Hzとすると、d軸フィルタ部59及びq軸フィルタ部60の時定数を少なくとも20msecに設定する必要がある。
フィードバック制御系によりインバータ部53の出力交流電流iを安定して目標値に制御するには、PWM制御信号を可及的に高速で生成し、応答遅れを可及的に小さくすることが望ましいが、従来の系統連系インバータシステムでは、移動平均フィルタからなるd軸フィルタ部59及びq軸フィルタ部60を用いているので、それらの出力に一定時間以上の遅れが必ず生じ、PWM制御信号の生成の高速化に限界が生じていた。
本願発明は、電流検出の応答性を向上させることのできる信号抽出回路を提供することを、その課題とする。
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明の第1の側面によって提供される信号抽出回路は、基本周波数に所定次数の高調波が重畳された三相交流信号から当該基本周波数を抽出するための信号抽出回路であって、前記三相交流信号を前記基本周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する第1の回転座標系の第1の二相信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段によって変換された前記第1の二相信号に対して前記基本周波数の周期の略1/2の時間にわたって定時間積分処理を行うことにより、前記第1の二相信号に含まれる交流成分を除去する第1のフィルタ手段と、前記三相交流信号を前記基本周波数の2倍の周波数を有する角周波数で回転する第2の回転座標系の第2の二相信号に変換する第2の信号変換手段と、前記第2の信号変換手段によって変換された前記第2の二相信号に含まれる交流成分を除去する第2のフィルタ手段と、前記第2のフィルタ手段から出力される第2の二相信号を前記第1の回転座標系の信号に変換する第3の信号変換手段と、前記第1のフィルタ手段から出力される前記第1の二相信号から前記第3の信号変換手段から出力される前記第2の二相信号を減算して前記第1の二相信号に含まれる二次高調波を除去する二次高調波除去手段と、を備えたことを特徴としている(請求項1)。
この発明によれば、三相交流信号を基本周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する第1の回転座標系の第1の二相信号に変換した後、変換された第1の二相信号に含まれる高調波成分を除去する第1のフィルタ手段によるフィルタリング処理が行われる。このフィルタリング処理において、変換された第1の二相信号に対して基本周波数の周期の1/2の時間にわたって定時間積分処理が行われるので、dq変換後の第1の二相信号から奇数次の高調波をdq変換した交流成分が除去される。また、三相交流信号を基本周波数の2倍の周波数を有する角周波数で回転する第2の回転座標系の第2の二相信号に変換した後、その第2の二相信号に含まれる交流成分が除去される。そして、交流成分を除去した第2の二相信号を第1の回転座標系の二相信号に変換した後、その二相信号を交流成分が除去された第1の二相信号から減算して2次高調波の成分が除去され、基本波周波数を有する第1の二相信号のみが抽出される。この信号抽出処理により基本周波数を有する第1の二相信号のみを適正に抽出することができるとともに、その信号抽出処理の算出処理時間を短縮することができる。したがって、従来のディジタルフィルタにおける応答時定数の問題を解消することができ、例えばフィードバック制御系におけるPWM制御信号の生成の高速化に寄与することができる。
好ましい実施の形態によれば、前記第1の信号変換手段は、前記三相交流信号を前記第1の回転座標系の互いに直交するd軸及びq軸の信号に変換、前記第1のフィルタ手段は、前記第1の信号変換手段によって変換された前記d軸及びq軸の信号に対してそれぞれ定時間積分処理を行うとよい(請求項2)。
本願発明の第2の側面によって提供される系統連系インバータ装置は、直流電源と電力系統との間に設けられ、前記直流電源から供給される直流電力を系統周波数の交流電力に変換して前記電力系統に供給する系統連系インバータ装置であって、複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるブリッジ回路で構成され、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換手段と、前記電力系統に出力される三相交流信号を検出する交流信号検出手段と、前記交流信号検出手段によって検出された前記三相交流信号を前記系統周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する第1の回転座標系の第1の二相信号に変換する第1の信号変換手段と、前記第1の信号変換手段によって変換された前記第1の二相信号に対して前記系統周波数の周期の略1/2の時間にわたって定時間積分処理を行うことにより、前記第1の二相信号に含まれる交流成分を除去する第1のフィルタ手段と、前記三相交流信号を前記系統周波数の2倍の周波数を有する角周波数で回転する第2の回転座標系の第2の二相信号に変換する第2の信号変換手段と、前記第2の信号変換手段によって変換された前記第2の二相信号に含まれる交流成分を除去する第2のフィルタ手段と、前記第2のフィルタ手段から出力される前記第2の二相信号を前記第1の回転座標系の信号に変換する第3の信号変換手段と、前記第1のフィルタ手段から出力される前記第1の二相信号から前記第3の信号変換手段から出力される前記第2の二相信号を減算して前記第1の二相信号に含まれる二次高調波を除去する二次高調波除去手段と、前記二次高調波除去手段の出力と予め定める目標電流値との偏差を演算する演算手段と、前記演算手段によって演算された偏差に基づいて比例積分制御処理を行う比例積分制御手段と、前記比例積分制御手段から出力される二相信号を三相交流の制御信号に変換する信号逆変換手段と、前記信号逆変換手段によって変換された前記三相交流の制御信号に基づいて、前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するスイッチング制御信号を生成し、前記直流−交流変換手段に供給する制御手段と、を備えことを特徴としている(請求項3)。
好ましい実施の形態によれば、前記第1の信号変換手段は、前記三相交流信号を前記第1の回転座標系の互いに直交するd軸及びq軸の信号に変換、前記第1のフィルタ手段は、前記第1の信号変換手段によって変換された前記d軸及びq軸の信号に対してそれぞれ定時間積分処理を行うとよい(請求項4)。
請求項3又は4に記載の系統連系インバータ装置は、実質的に請求項1又は2に記載の信号抽出回路を備えたものである。従って、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
本願発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本願発明に係る信号抽出回路を含む系統連系インバータ装置が適用される系統連系インバータシステムの構成を示す図である。この系統連系インバータシステムは、系統電源としての太陽電池1、系統連系インバータ装置2及び電力系統3によって概略構成されている。
太陽電池1は、シリコン等の半導体からなる多数の光電変換素子(図示略)を有し、各光電変換素子によって光エネルギーを電気エネルギーに変換して出力するものである。太陽電池1は、系統連系インバータ装置2に対して直流電力を供給する。電力系統3は、商用電源(日本国では系統周波数である50Hz又は60Hzの交流電力)を一般家庭等に供給するものである。
系統連系インバータ装置2は、インバータ部4、フィルタ部5、トランス部6、インバータ制御部8及び電流センサ9によって構成されている。インバータ部4、フィルタ部5及びトランス部6は、太陽電池1と電力系統3との間に、この順で直列に接続されている。インバータ部4には、インバータ制御部8が接続されている。なお、系統連系インバータ装置2と電力系統3との間のLは、電力系統3のインダクタンスを示し、電力系統3の形態や運転状況に応じてその値が変化するものである。
インバータ部4は、太陽電池1から供給された直流電圧を三相(U相、V相、W相)の交流電圧vに変換して後段に出力するものである。インバータ部4は、例えばバイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ又はサイリスタ等の複数のスイッチング素子(後述)を含む三相ブリッジ回路からなる電圧制御型自励式インバータ回路によって構成されている。具体的には、インバータ部4及びフィルタ部5は、図2に示す回路構成を有している。
図2によると、インバータ部4は、6個のスイッチング素子TR1〜TR6をブリッジ接続してなるブリッジ回路で構成されている。各スイッチング素子TR1,TR2,TR3,TR4,TR5,TR6にはそれぞれ帰還ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6が並列に接続されている。スイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の直列接続、スイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の直列接続及びスイッチング素子TR5とスイッチング素子TR6の直列接続の両端に太陽電池1から出力される直流電圧Vdcが供給され、スイッチング素子TR1とスイッチング素子TR2の接続点a、スイッチング素子TR3とスイッチング素子TR4の接続点b及びスイッチング素子TR5とスイッチング素子TR6の接続点cから三相の交流電圧及び交流電流(U相、V相、W相の交流電圧及び交流電流)がそれぞれ出力される。
6個のスイッチング素子TR1〜TR6は、インバータ制御部8から出力されるPWM(Pulse Width Modulation)信号によってそれぞれオン、オフ動作が制御される。インバータ制御部8は、PWM信号のパルス幅を制御することにより、インバータ部4から出力される交流電圧vの値を制御する。
フィルタ部5は、インバータ部4から出力される交流電圧vに含まれるスイッチングノイズを除去するものである。フィルタ部5は、例えばLCローパスフィルタによって構成されている。具体的には、フィルタ部5は、図2に示すように、接続点a,b,cからの出力ラインにそれぞれインダクタLFを接続し、その後段の各出力ライン間にキャパシタCFを接続したものである。各出力ライン間のインダクタLFとキャパシタCFとの逆L字型接続により、U相、V相、W相の各相に対してローパスフィルタがそれぞれ構成される。
電流センサ9は、フィルタ部5から出力される交流電流iを検出するものである。インバータ部4は、直流電圧を三相の交流電圧に変換するので、電流センサ9によって検出される交流電流iには、U相の交流電流iU、V相の交流電流iV及びW相の交流電流iWが含まれる。電流センサ9にはインバータ制御部8が接続され、この電流センサ9で検出された交流電流iはインバータ制御部8に入力される。
なお、電流センサ9及びインバータ制御部8は、インバータ部4から出力される交流電圧及び交流電流を電力系統3に連系させるための所定の規格を満足するように制御するフィードバック制御系を構成している。
トランス部6は、フィルタ部5から出力される交流出力電圧を電力系統3の系統電圧とほぼ同一のレベルに昇圧又は降圧するものである。
インバータ制御部8は、電流センサ9とともにフィードバック制御系を構成し、インバータ部4のDC−AC変換動作を制御するものである。具体的には、インバータ制御部8は、インバータ部4に対して、電力系統3の規格を満足する系統周波数の交流電圧及び交流電流を出力させるようにPWM信号の生成を制御する。インバータ制御部8は、例えばマイクロコンピュータからなり、ディジタル演算処理により周期的にPWM信号の生成を行う。
より詳細には、インバータ制御部8は、dq変換部10と、第1フィルタ部11と、第2フィルタ部12と、第1演算部13と、第2演算部14と、第1PI制御部15と、第2PI制御部16と、dq逆変換部17と、PWM信号生成部18とによって構成されている。dq変換部10、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12は、本願発明の「信号抽出回路」に相当する。
なお、インバータ制御部8内であってdq変換部10の前段には、図示しないAD変換部が設けられており、AD変換部は、電流センサ9によって検出された検出電流(交流電流)iとしてのアナログ信号をディジタル信号に変換する。dq変換部10にはAD変換部によって変換されたディジタル信号としての検出電流i入力される。
dq変換部10は、電流センサ9によって検出された三相の交流電流iU,iV,iW を系統周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する回転座標系(d軸、q軸)の信号id,iqに変換するものである。この場合の変換には、上記の数式1で示した変換式が用いられる。
なお、図3は、dq変換を説明するためのベクトル図であり、(a)は三相平衡電圧VU,VV,VW(VUはU相の交流電圧、VVはV相の交流電圧、VWはW相の交流電圧)と角度θだけ進んだ三相交流電流iU,iV,iWをベクトル表現した図、(b)は三相交流電流iU,iV,iWをdq変換した二相信号id,iqを示すベクトル図である。
図3(a)に示すように、U相の交流電流iU、V相の交流電流iV及びW相の交流電流iWは、iU=Asin(ωt+θ)、iV=Asin(ωt+θ−2π/3)、iW=Asin(ωt+θ+2π/3)でそれぞれ表される。
三相交流電流iU,iV,iWのdq変換値は、上記の数式2から、id=Asin(θ)、iq=−Acos(θ)となるから、回転座標系(d軸、q軸)では、図3(b)に示すベクトル図となる。なお、図3(b)では、d軸及びq軸の直交座標系は反時計周りに角周波数ωで回転している。二相信号id,iqの合成ベクトルiuは反時計周りに角周波数ωで回転しているので、回転座標系(d軸、q軸)上では相対的に合成ベクトルiuは静止している。
上記回転座標変換により、三相交流電流iU,iV,iWは、d軸の出力値id及びq軸の出力値iqの直流成分で表すことができる。一方、上述したように、三相交流電流iU,iV,iWに含まれる系統周波数の逆相分やn次高調波の正相分及び逆相分のdq変換値は、数式3〜数式5で示したように交流成分で表される。これら各周波数の出力値id,iqは、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12にそれぞれ入力される。
第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12は、dq変換部10から出力されるdq変換値の交流成分(上記の数式3で示される基本波の逆相分のdq変換値、上記の数式4,5で示されるn次高調波の正相分及び逆相分のdq変換値)を除去して基本周波数の正相分のdq変換値のみを抽出するものである。すなわち、第1フィルタ部11は、基本周波数の正相分(基本波成分)のd軸の直流成分を抽出するものであり、第2フィルタ部12は、基本波のq軸の直流成分を抽出するものである。
従来は、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12の部分に移動平均フィルタが用いられていたが、本実施形態の第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12は、本発明の特徴点である定時間積分処理により直流成分を抽出する構成となっている。第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12における定時間積分処理は直流成分及び交流成分を含むdq変換値から直流成分のみを抽出するので、実質的にディジタルフィルタとして機能している。第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12の定時間積分処理については、後述する。
第1演算部13は、第1フィルタ部11からのd軸出力値idと、予め定められたd軸目標値(目標電流)Idとの偏差を算出して、第1PI制御部15に出力するものである。
第2演算部14は、第2フィルタ部12からのq軸出力値iqと、予め定められたq軸目標値(目標電流)Iqとの偏差を算出して、第2PI制御部16に出力するものである。
第1PI制御部15は、第1演算部13からの偏差出力に対して比例制御(P制御)処理を行うとともに、積分制御(I制御)処理を行うものである。第2PI制御部16は、第2演算部14からの偏差出力に対して比例制御処理を行うとともに積分制御処理を行うものである。
第1PI制御部15の出力及び第2PI制御部16の出力は、それぞれdq逆変換部17に入力される。すなわち、第1及び第2PI制御部15,16は、第1及び第2演算部13,14から入力される各偏差に基づいて比例制御処理及び積分制御処理を行うことにより、その偏差がゼロになるような電流補正値id′,iq′を生成するものである。この電流補正値id′,iq′は、後段のdq逆変換部17に与えられる。
dq逆変換部17は、第1PI制御部15及び第2PI制御部16から出力される電流補正指令値id′,iq′を三相交流の制御信号に逆変換し、PWM信号生成部18に出力するものである。
PWM信号生成部18は、インバータ部4内の三相ブリッジ回路の6個のスイッチング素子TR1〜TR6(図2参照)を制御するためのPWM制御信号を生成するものである。PWM信号生成部18は、dq逆変換部17から入力される三相交流の制御信号に基づいて交流電圧信号を生成し、この交流電圧信号と所定の三角波形とを比較してPWM制御信号を生成する。
次に、本実施形態の特徴部分である第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12における定時間積分処理について述べる。なお、以下の説明においては、主に第1フィルタ部11における定時間積分処理について述べるが、第2フィルタ部12における定時間積分処理も同様であるため、その記述を省略する。
まず、インバータ制御部8のdq変換部10において数式1に示した変換式に基づいてdq変換されたd軸出力値id及び軸出力値iは、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12にそれぞれ入力される。第1フィルタ部11では、基本波の周波数(系統周波数)を「f」とした場合、dq変換部10から出力されるd軸出力値idに対して1/(2・f)[sec]における定時間積分処理を行う。すなわち、d軸出力値idに対して、系統周波数の1周期Tの1/2の期間にわたって定時間積分処理を行う。例えば、系統周波数を50Hzとすると、10msecに亘って定時間積分処理を行う。第2フィルタ部12ではdq変換部10から出力されるq軸出力値iqに対して1/(2・f)[sec]における定時間積分処理が行われる。
上述したように、電流センサ9によって検出された三相交流電流iU,iV,iWをdq変換部10でdq変換した信号idには、Asin(θ)の直流成分の外にA’sin(2ωt+θ’)、Ansin{(n−1)ωt+θn}及びAn’sin{(n+1)ωt+θn’}の交流成分が含まれる。実際には、三相交流電流iU,iV,iWの検出信号に全てのn次高調波が含まれているわけではなく、主要な高調波は特定の次数に限られている。
例えば、電流センサ9によって検出された三相交流電流iU,iV,iWには、信号レベルの小さい高調波(例えば13次高調波、15次高調波、17次高調波)を無視すると、経験的に基本波以外に主として2次高調波、3次高調波、5次高調波、7次高調波が含まれていると考えることができる。
したがって、dq変換部10のd軸出力値idは、図4に示すように、基本波、2次高調波、3次高調波、5次高調波及び7次高調波を数式1によりそれぞれdq変換した信号id1,id2,id3,id5,id7を含んだ波形で表すことができる。
なお、数式2,数式4によれば、id1=Asin(θ)、id2=A2sin(ωt+θ2)、id3=A3sin(2ωt+θ3)、id5=A5sin(4ωt+θ5)、id7=A7sin(6ωt+θ7)であるが、図4では、説明の便宜上、位相θ=θ2,θ3,θ5,θ7とし、交流信号id2,id3,id5,id7の位相を合わせた状態で描いている。
したがって、図4においては、信号id1,id2,id3,id5,id7は、数式6で表されている。
Figure 0005085224
ここで、3次高調波、5次高調波及び7次高調波等の3次以上の高調波のdq変換値id3,id5,id7については、1/(2・f)[sec]における定時間積分処理を行うと、図4から明らかなように、正負のレベルが互いに相殺されることになり、それらの定時間積分処理が行われた後の値は0になる。すなわち、数式6によると、例えば3次高調波、5次高調波及び7次高調波を示す式には、偶数倍のωtが含まれるため、これらについて、1/(2・f)[sec]の定時間積分処理を行うと、これらの値はそれぞれ0になり、第1フィルタ部11の出力値としては出力されなくなる。なお、上記奇数次高調波以外の奇数次高調波が含まれていても、これらの定時間積分処理の結果は0になる。
したがって、dq変換部10のd軸出力値idに対して定時間積分処理を行う場合、その処理結果は、実質的に基本波のdq変換値id1と2次高調波のdq変換値id2に対して定時間積分処理を行ったものになるから、数式7に示す基本波成分と2次高調波成分とで示されるd軸電流信号id(t)に対し1/(2・f)の定時間について定積分演算を行えばよいことになる。
Figure 0005085224
数式7において、A2sin(ωt+θ2)が2次高調波のdq変換値id2であり、rが基本波のdq変換値id1(=Asin(θ))である。このd軸電流信号id(t)についてΔT(=1/(2・f)、すなわち基本波の1/2周期)の区間の定積分演算を行うと、数式7は数式8で表されることになる。
Figure 0005085224
ここで、角周波数ω=2πf、ΔT=1/(2f)であるので、(ω・ΔT/2)=π/2となるから、これらを数式8に代入すると、数式9となる。
Figure 0005085224
図5は、d軸電流信号id(t)に対して定積分演算が行われた場合の数式9に示すd軸電流信号id(t)の波形を示す図である。この図5及び数式9によると、d軸電流信号id(t)について1/(2f)の区間で定積分演算を行うことにより取得される信号においても、2次高調波成分と基本波成分とが含まれる。この場合、三相交流電流iU,iV,iWに2次高調波が重畳されることは少ないので、第1フィルタ部11の出力にも2次高調波の交流成分が含まれることは少なく、含まれたとしてもそのレベルは基本波の直流成分のレベル対して2/π(約64%)程度であるので、2次高調波のdq変換値が基本波のdq変換値に与える影響は極めて小さいと言える。このことは、q軸電流信号iq(t)についても同様である。
したがって、第1フィルタ部11及び第2フィルタ部12からの出力は、基本波をdq変換した直流成分と見做すことができ、この出力を用いてPWM信号を生成し、インバータ部を制御しても精度上の問題が生じることはない。
すなわち、従来の構成では、第1及び第2フィルタ11,12の部分には、平均移動フィルタが用いられ、例えば基本波の1周期分のサンプリング動作によってサンプリングデータの移動平均を算出する処理を行うことで、基本波をdq変換した直流成分のみを算出するようにしていたが、本実施形態では、上記のように、基本波の1/2周期の演算時間で、ほぼ基本波をdq変換した直流成分のみを算出することができ、フィードバック制御の高速化が可能となる。
従来の構成のディジタルフィルタでは、低次数の高調波成分を除去しようとすると応答時定数が長くなってしまい、フィードバック制御系におけるPWM制御信号の生成を更新する期間が長くなるといった問題点があった。しかしながら、本実施形態では、上記したように、1/(2f)[sec]における定時間積分処理を行う第1及び第2フィルタ11,12を採用するようにしているので、系統周波数の1周期Tの1/2でフィルタリング処理が可能となり、すなわち従来の移動平均処理の1/2の時間でフィルタリング処理ができ、従来の応答時定数における問題を解消することができる。したがって、フィードバック制御系におけるPWM制御信号の生成の高速化に寄与することができる。
図6は、シミュレーションによるステップ応答の観測例を示す図である。
図6において、縦軸はdq変換後の二相信号iqの振幅を示し、横軸は時間である。また、実線は本実施形態の応答特性を示し、一点鎖線は従来の移動平均フィルタを用いた場合の応答特性を示している。なお、このシミュレーションでは、三相交流電流iU,iV,iWの基本波の周波数を50Hzとし、振幅Aを「1」に正規化し、位相θを「0」としている。したがって、基本波のdq変換値は、数式2よりid=0、iq=−1となるが、図6では、作図の便宜上iqの正負の符号を逆にして描いている。
図6によれば、時間「0」でフィルタリングの演算処理が開始された後、従来の構成では、信号iqが「1」(基本波の直流成分)に落ち着くまでの時間t1として0.02sec(50Hzの1周期)を要しているが、本実施形態では、その1/2の0.01sec(t2参照)で信号iqがほぼ「1」(基本波の直流成分)に落ち着くことが確認できた。
なお、上記実施形態では、積分時間ΔTを1/2fにしていたが、図6のΔtで示すように、積分時間ΔTを1/2fよりも僅かに小さくしても2次高調波、3次高調波、5次高調波及び7次高調波のdq変換値が基本波のdq変換値に与える影響は小さい範囲では積分時間ΔTを1/2fよりも小さい値にしてもよい。
また、本実施形態による定時間積分処理においてさらに高精度に算出しようとする場合、2次高調波電流はほとんど変動がないものと考えられることから、例えば、図7に示す構成してもよい。
図7に示す構成は、三相交流信号に含まれる2次高調波成分を三相−dq変換により抽出し、その抽出値(dq変換値の直流分)を基本周波数と同一の周波数で回転する座標系に変換することにより、本願発明に係る信号抽出回路から出力される2次高調波成分とほぼ同一の信号を生成し、その信号と本願発明に係る信号抽出回路の出力との差分を演算することにより、当該信号抽出回路の出力に含まれる2次高調波成分を除去するものである。
図7によると、図1のdq変換部10並びに第1及び第2フィルタ部11,12に相当する信号抽出回路は、三相交流信号に含まれる基本周波数のdq変換を行う基本周波数dq変換部21と、基本周波数dq変換部21のd軸出力に対して定時間積分処理を行うことによりd軸の直流成分を抽出する第1フィルタ部22と、基本周波数dq変換部21のq軸出力に対して定時間積分処理を行うことによりq軸の直流成分を抽出する第2フィルタ部23と、2次高調波のdq変換値(交流成分)を生成する2次高調波生成部24と、第1フィルタ部22及び2次高調波生成部24のd軸出力同士、第2フィルタ部23及び2次高調波生成部24のq軸出力同士の差分をそれぞれ演算する相殺部25とによって構成されている。
2次高調波生成部24は、三相交流信号に含まれる2次高調波のdq変換を行う2次高調波dq変換部24aと、2次高調波dq変換部24aのd軸出力の交流成分を除去する第1ローパスフィルタ部24bと、2次高調波dq変換部24aのq軸出力の交流成分を除去する第2ローパスフィルタ部24cと、第1及び第2ローパスフィルタ部24b,24cからの出力(2次高調dq変換部24aから直流分として出力される2次高調波のdq変換値)の座標系を基本周波数と同一の周波数で回転する回転座標系に変換する2次高調波副変換部24dとによって構成される。また、相殺部25は、第1フィルタ部22及び2次高調波生成部24のd軸出力の差分を演算する第1演算回路25aと、第2フィルタ部23及び2次高調波生成部24のq軸出力の差分を演算する第2演算回路25bとによって構成される。
上記構成によれば、第1及び第2フィルタ部22,23のdq軸出力には、2次高調波のdq変換成分(交流分)が含まれるが、2次高調波生成部24によってこの2次高調波のdq変換成分とほぼ同一の信号を生成し、相殺部25によって第1及び第2フィルタ部22,23のdq軸出力から2次高調波のdq変換成分(交流分)を相殺することができるので、基本波成分のみの電流量を求めることができる。
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。この発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本願発明に係る系統連系インバータ装置が適用される系統連系インバータシステムの全体構成を示す図である。 三相交流を出力するインバータ部及びフィルタ部の回路構成を示す図である。 dq軸変換の一例を示すベクトル図である。 dq変換後の基本波成分、2次高調波成分、3次高調波成分、5次高調波成分及び7次高調波成分の波形を示す図である。 定積分演算が行われた場合のd軸電流信号の波形を示す図である。 シミュレーションによるステップ応答の観測例を示す図である。 信号抽出回路の他の構成を示す図である。 従来の、系統連系インバータ装置が適用される系統連系インバータシステムの全体構成を示す図である。
1 太陽電池
2 系統連系インバータ装置
3 電力系統
4 インバータ部
5 フィルタ部
6 トランス部
8 インバータ制御部
9 電流センサ
10 dq変換部
11 第1フィルタ部
12 第2フィルタ部
13 第1演算部
14 第2演算部
15 第1PI制御部
16 第2PI制御部
17 dq逆変換部
18 PWM信号生成部
21 基本周波数dq変換部
22 第1フィルタ部
23 第2フィルタ部
24 2次高調波生成部
24a 2次高調波dq変換部
24b 第1ローパスフィルタ部
24c 第2ローパスフィルタ部
24d 2次高調波副変換部
25 相殺部
25a 第1演算回路
25b 第2演算回路

Claims (4)

  1. 基本周波数に所定次数の高調波が重畳された三相交流信号から当該基本周波数を抽出するための信号抽出回路であって、
    前記三相交流信号を前記基本周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する第1の回転座標系の第1の二相信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段によって変換された前記第1の二相信号に対して前記基本周波数の周期の略1/2の時間にわたって定時間積分処理を行うことにより、前記第1の二相信号に含まれる交流成分を除去する第1のフィルタ手段と、
    前記三相交流信号を前記基本周波数の2倍の周波数を有する角周波数で回転する第2の回転座標系の第2の二相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    前記第2の信号変換手段によって変換された前記第2の二相信号に含まれる交流成分を除去する第2のフィルタ手段と、
    前記第2のフィルタ手段から出力される前記第2の二相信号を前記第1の回転座標系の信号に変換する第3の信号変換手段と、
    前記第1のフィルタ手段から出力される前記第1の二相信号から前記第3の信号変換手段から出力される前記第2の二相信号を減算して前記第1の二相信号に含まれる二次高調波を除去する二次高調波除去手段と、
    を備えたことを特徴とする、信号抽出回路。
  2. 前記第1の信号変換手段は、前記三相交流信号を前記第1の回転座標系の互いに直交するd軸及びq軸の信号に変換
    前記第1のフィルタ手段は、前記第1の信号変換手段によって変換された前記d軸及びq軸の信号に対してそれぞれ定時間積分処理を行う、請求項1に記載の信号抽出回路。
  3. 直流電源と電力系統との間に設けられ、前記直流電源から供給される直流電力を系統周波数の交流電力に変換して前記電力系統に供給する系統連系インバータ装置であって、
    複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるブリッジ回路で構成され、前記直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換する直流−交流変換手段と、
    前記電力系統に出力される三相交流信号を検出する交流信号検出手段と、
    前記交流信号検出手段によって検出された前記三相交流信号を前記系統周波数と同一の周波数を有する角周波数で回転する第1の回転座標系の第1の二相信号に変換する第1の信号変換手段と、
    前記第1の信号変換手段によって変換された前記第1の二相信号に対して前記系統周波数の周期の略1/2の時間にわたって定時間積分処理を行うことにより、前記第1の二相信号に含まれる交流成分を除去する第1のフィルタ手段と、
    前記三相交流信号を前記系統周波数の2倍の周波数を有する角周波数で回転する第2の回転座標系の第2の二相信号に変換する第2の信号変換手段と、
    前記第2の信号変換手段によって変換された前記第2の二相信号に含まれる交流成分を除去する第2のフィルタ手段と、
    前記第2のフィルタ手段から出力される前記第2の二相信号を前記第1の回転座標系の信号に変換する第3の信号変換手段と、
    前記第1のフィルタ手段から出力される前記第1の二相信号から前記第3の信号変換手段から出力される前記第2の二相信号を減算して前記第1の二相信号に含まれる二次高調波を除去する二次高調波除去手段と、
    前記二次高調波除去手段の出力と予め定める目標電流値との偏差を演算する演算手段と、
    前記演算手段によって演算された偏差に基づいて比例積分制御処理を行う比例積分制御手段と、
    前記比例積分制御手段から出力される二相信号を三相交流の制御信号に変換する信号逆変換手段と、
    前記信号逆変換手段によって変換された前記三相交流の制御信号に基づいて、前記複数のスイッチング素子のオン・オフ動作を制御するスイッチング制御信号を生成し、前記直流−交流変換手段に供給する制御手段と、
    を備えことを特徴とする、系統連系インバータ装置。
  4. 前記第1の信号変換手段は、
    前記三相交流信号を前記第1の回転座標系の互いに直交するd軸及びq軸の信号に変換
    前記第1のフィルタ手段は、前記第1の信号変換手段によって変換された前記d軸及びq軸の信号に対してそれぞれ定時間積分処理を行う、請求項3に記載の系統連系インバータ装置。
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