JP6379978B2 - 電力変換器制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は電力変換器を制御する技術に関し、特にLCフィルタを介して結合する整流回路とインバータとを備える電力変換器を制御する技術に関する。
従来から、電力変換器において流れる電流の高調波成分を低減することが要求されている。例えば下掲の特許文献1では、ダイオードブリッジとインバータ部との間に設けられたLCフィルタがインダクタンス素子を有している構成が例示されている。そして当該インダクタンス素子の両端電圧に基づいて、インバータ部を制御し、以てLCフィルタによる共振を抑制している。
下掲の特許文献2では、負荷に流れる電流をフーリエ変換して、インバータが出力する電圧の基本周波数についての(6n−1)次成分、(6n+1)次成分を求め、それらに基づいて電源電流の高調波を低減している。この際、電源高調波を低減するため、インバータの変調率や、電圧指令が修正される。
下掲の特許文献3では、モータ電流の指令値についてフーリエ変換を行い、モータの電圧の基本周波数についての6次成分を抽出し、これを指令値から除去することによって、モータ電流歪みに基づく高調波成分を低減している。
下掲の特許文献4でも、ダイオードブリッジとインバータ部との間に設けられたLCフィルタがインダクタンス素子を有している構成が例示されている。そして当該インダクタンス素子の両端電圧に基づいて、電圧制御率(変調率)が修正され、直流電圧の高調波成分を低減している。
特許第4067021号公報 特許第5229419号公報 特許第5288009号公報 特開2014−68498号公報
特許文献2では、負荷に流れる電流にフーリエ変換を行って上記の(6n−1)次成分、(6n+1)次成分を求めるものの、そのフーリエ変換において採用される積分期間についての言及はない。
特許文献3では、モータ電流の指令値についてフーリエ変換を行って上記の6次成分を抽出するものの、そのフーリエ変換において採用される積分期間については、交流電源の半周期の整数倍を採用している。
しかしながら、フーリエ変換は周期関数を利用して行うものであるため、その誤差低減するためには当該積分期間を適切に選定することが望ましい。
そこで本発明は、適切な積分期間を採用したフーリエ変換を行うことにより、電力変換器における高調波成分の低減をより精度良く行う技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる電力変換器制御装置は電力変換器(9)を制御する装置である。当該電力変換器は、第1交流電圧(Vr,Vs,Vt)を整流する整流回路(3)と、LCフィルタ(5)を介して前記整流回路から得られる整流電圧(Vdc)を第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)に変換して負荷(2)に印加するインバータ(4)と、前記整流回路の一方の出力端と前記インバータの一方の入力端との間に接続された誘導性素子(L1)と、前記インバータの前記一方の入力端と他方の入力端との間に接続されて前記誘導性素子と共に前記LCフィルタを構成する容量性素子(C1)とを備える。
そしてこの発明にかかる電力変換器制御装置の第1の態様は、前記インバータの変調率(k)もしくは前記インバータに対する指令値(Vd,Vq)を、修正量(1−Vh・cosΘ;Vdh,Vqh)で修正する修正部(713;717,718)と、修正位相(Θ)を用いて前記修正量を生成する修正量生成部(716A;716B)と、前記誘導性素子又は前記容量性素子の両端電圧(VL,Vdc)に対して前記第2交流電圧の周期(2π/ω)でフーリエ変換を行って第1位相(δ)を求め、前記第2交流電圧の位相(θ)を整数倍して第2位相(6θ)を求め、前記第1位相と前記第2位相とを加算して前記修正位相を生成する高調波位相演算部(703)とを備える。
この発明にかかる電力変換器制御装置の第2の態様は、その第1の態様であって、前記修正量の振幅(Vh)を、前記第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)の角速度(ω)に基づいて決定する高調波振幅演算部(702)を更に備える。
この発明にかかる電力変換器制御装置の第3の態様は、その第2の態様であって、前記修正量(1−Vh・cosΘ)を乗算することによって前記変調率(k)が修正される。前記修正量生成部(716A)は、前記修正位相の余弦値(cosΘ)を求める余弦値取得部(716g)と、前記修正量の振幅(Vh)と前記余弦値とを乗算する乗算器(716h)と、前記乗算器の乗算結果を値1から差し引いて前記修正量を求める減算器(716j)とを有する。
この発明にかかる電力変換器制御装置の第4の態様は、その第2の態様であって、前記負荷(2)は回転電機である。前記修正量(Vdh,Vqh)を減算することによって前記指令値(Vd,Vq)が修正される。前記指令値は前記回転電機の界磁と同相の第1指令値(Vd)と、前記界磁に対して位相が90度進んだ第2指令値(Vq)とを含む。前記修正量生成部(716B)は、前記修正位相の正弦値(sinΘ)を求める正弦値取得部(716a)と、前記修正位相の余弦値(cosΘ)を求める余弦値取得部(716b)と、前記修正量の振幅(Vh)と前記正弦値とを乗算する第1乗算器(716c)と、前記修正量の振幅と前記余弦値とを乗算する第2乗算器(716d)とを有する。そして前記第1乗算器の乗算結果(Vdh)が前記第1指令値に対する前記修正量として、前記第2乗算器の乗算結果(Vqh)が前記第2指令値に対する前記修正量として、それぞれ採用される。
この発明にかかる電力変換器制御装置の第5の態様は、その第1〜4の態様のいずれかであって、前記第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)は三相電圧である。前記第2位相(6θ)は、前記第2交流電圧の位相(θ)を6の整数倍して求められる。
適切な積分期間を採用したフーリエ変換を行うことにより、電力変換器における高調波成分の低減がより精度良く行われる。
実施の形態に示される技術が適用可能な直接形電力変換器の構成を例示する回路図である。 第1の実施の形態にかかる制御装置の構成を例示するブロック図である。 高調波位相演算部の構成を例示するブロック図である。 比較例となる積分期間を説明するグラフである。 第1の実施の形態における積分期間を説明するグラフである。 第1の実施の形態における補償項生成部の構成を例示するブロック図である。 第2の実施の形態にかかる制御装置の構成の一部を例示するブロック図である。 第2の実施の形態における補償項生成部の構成を例示するブロック図である。
A.電力変換器の構成.
図1は、下記実施の形態に示される技術が適用可能な電力変換器たる直接形電力変換器9の構成を例示する回路図である。直接形電力変換器9は、コンバータ3とインバータ4と、両者を接続する一対の直流電源線LH,LLとを有している。
コンバータ3は整流回路として機能し、交流電源1から得られる三相(ここではR相、S相、T相とする)の交流電圧Vr,Vs,Vt(以下「第1交流電圧」とも称す)を整流し、LCフィルタ5を介して、一対の直流電源線LH,LLに整流電圧Vdcを出力する。
コンバータ3は例えば電流形整流器であって、パルス幅変調で動作する。コンバータ3は直流電源線LH,LLの間で相互に並列に接続された複数の電流経路を有する。コンバータ3の電流経路のうちR相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Srp,Srnを含む。スイッチング素子Srp,Srn同士の接続点には交流電圧Vrが印加される。コンバータ3の電流経路のうちS相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Ssp,Ssnを含む。スイッチング素子Ssp,Ssn同士の接続点には電圧Vsが印加される。コンバータ3の電流経路のうちT相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Stp,Stnを含む。スイッチング素子Stp,Stn同士の接続点には電圧Vtが印加される。
スイッチング素子Srp,Ssp,Stpは直流電源線LH側に、スイッチング素子Srn,Ssn,Stnは直流電源線LL側に、それぞれ接続される。
インバータ4は例えば電圧形インバータであり、例えば瞬時空間ベクトル制御(以下、単に「ベクトル制御」と称す)に従ったパルス幅変調で動作する。インバータ4は三相(ここではU相、V相、W相とする)の交流電圧Vu,Vv,Vw(以下「第2交流電圧」とも称す)を出力する。
インバータ4は、直流電源線LH,LL間で並列に接続された複数の電流経路を有する。
インバータ4の電流経路のうちU相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Sup,Sunを含む。スイッチング素子Sup,Sun同士の接続点からは交流電圧Vuが得られる。インバータ4の電流経路のうちV相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Svp,Svnを含む。スイッチング素子Svp,Svn同士の接続点からは交流電圧Vvが得られる。インバータ4の電流経路のうちW相に対応するものは、直流電源線LH,LL間で直列に接続された一対のスイッチング素子Swp,Swnを含む。スイッチング素子Swp,Swn同士の接続点からは交流電圧Vwが得られる。
スイッチング素子Sup,Svp,Swpは直流電源線LH側に接続される。以下ではこれらのスイッチング素子を上アーム側のスイッチング素子として把握する。スイッチング素子Sun,Svn,Swnは直流電源線LL側に接続される。以下ではこれらのスイッチング素子を下アーム側のスイッチング素子として把握する。つまり直流電源線LHの電位は直流電源線LLの電位よりも高い。
上述のスイッチング素子Srp,Ssp,Stp,Srn,Ssn,Stn,Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swn自体の構成は公知であるので、詳細な説明は省略する。
負荷2は誘導性負荷であってインバータ4に接続される。具体的には負荷2は、Y結線されて交流電圧Vu,Vv,Vwが印加される三相コイルを有する回転電機、例えばモータである。回路図上は三相コイルの各々の抵抗成分が、当該コイルに直列接続される抵抗として記載されている。当該コイルの内、U相、V相、W相に相当するものにはそれぞれ負荷電流iu,iv,iwが流れる。これらの電流は電流センサ(図示省略)によってモニタリングされる。
直流電源線LHには誘導性素子たるインダクタL1が挿入される。またインダクタL1よりもインバータ4側において,容量性素子たるコンデンサC1が直流電源線LH,LLの間に設けられる。
より具体的には、インダクタL1は、コンバータ3の一方の(図1に即して言えば直流電源線LHに接続される側の)出力端とインバータ4の一方の(図1に即して言えば直流電源線LHに接続される側の)入力端との間に接続される。コンデンサC1は、インバータ4の上記一方の入力端と他方の(図1に即して言えば直流電源線LLに接続される側の)入力端との間に接続される。コンデンサC1は、インダクタL1と共にLCフィルタ5を構成する。
後述する説明の便宜上、コンデンサC1の両端電圧Vdc(これは上述の整流電圧Vdcと同視される)、インダクタL1の両端電圧VLを、それぞれ導入する。これらは周知の技術によって測定することができる。
B.第1の実施の形態.
図2はこの発明の第1の実施の形態にかかる制御装置7Aの構成を例示するブロック図である。制御装置7Aは直接形電力変換器9の動作を制御する、電力変換器制御装置として機能する。
制御装置7Aは、負荷2たるモータの回転角速度ω及びその指令値ω 、第2交流電圧Vu,Vv,Vwの角速度ω、誘起電圧係数Ke、両端電圧VL、補正前の変調率k0、負荷電流iu,iv,iw、位相制御指令値β、並びにモータ位置角(電気角)たる位相θを入力し、ゲート信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnを出力する。
本実施の形態では、両端電圧Vdcが一定であるとしたときの変調率k0を修正することにより、高調波を低減する変調率kを求める技術を説明する。
共振抑制制御演算部701は、両端電圧VLを入力し、これに所定のゲインを乗じ、あるいは更に時間遅延させて共振抑制量を出力する。共振抑制量は減算器715において変調率k0から減算され、LCフィルタ5の共振による両端電圧Vdcの変動を抑制する変調率が得られる。かかる技術は例えば特許文献4等で公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
高調波振幅演算部702は、角速度ωと誘起電圧係数Keとの積に比例する高調波振幅Vhを決定する。
高調波振幅Vhを求める技術は、例えば特許文献3で示された「ゲイン調整部(54b)」等で公知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。但し、特許文献3で示された無負荷誘起電圧ωφは本実施の形態にいう角速度ωと誘起電圧係数Keとの積に相当する量である。
高調波位相演算部703は、両端電圧VLと、位相θと、角速度ωとを入力し、修正位相Θを出力する。高調波位相演算部703の構成及び機能は、後に図3を用いて詳述する。
補償項生成部716Aは、高調波振幅Vh、修正位相Θに基づいて、変調率に対する補償項を生成する。補償項生成部716Aの構成及び機能は、後に図6を用いて詳述する。
乗算器713は、当該補償項と減算器715の出力とを乗算し、変調率kを出力する。
PWM変調部714は、d軸電圧の指令値Vd、q軸電圧の指令値Vq及び変調率kを用いてゲート信号Sup,Svp,Swp,Sun,Svn,Swnを生成する。ここでd軸はモータの界磁(図示省略)と同相であって、q軸は界磁に対して位相が90度進む。
かかるゲート信号の生成については公知の技術を採用して実現されるので、その演算の詳細は省略する。換言すれば、変調率k0を変調率kに置換するだけで、公知の技術を転用して6±1次調波に基づいた高調波電力を低減することができる。
なお、LCフィルタ5の共振を抑制する必要が無ければ、共振抑制制御演算部701や減算器715を省略し、乗算器713において変調率k0と補償項とが乗算されてもよい。
指令値Vd,Vqを得るための技術も公知の技術であるので詳細は省略するが、以下に簡単に説明する。
減算器705は回転角速度ωとその指令値ω との偏差を求めてPI制御部706に入力する。PI制御部706は公知のPI制御(比例・積分制御)を行って電流指令値Iaを生成する。d軸電流指令値生成部707及びq軸電流指令値生成部708には、電流指令値Ia及び位相制御指令値βが入力され、それぞれ位相制御指令値βの符号を負とした(−β)についての電流指令値Iaの正弦成分及び余弦成分がd軸電流指令値Id及びq軸電流指令値Iqとして求められる。
座標系変換部704は負荷電流iu,iv,iwと位相θに基づいてd軸電流Id及びq軸電流Iqを求め、それぞれ減算器709,710に対して出力される。
減算器709はd軸電流Idとその指令値Idとの偏差ΔIdを出力する。減算器710はq軸電流Iqとその指令値Iqとの偏差ΔIqを出力する。
干渉補償部711はモータのインダクタンスLd,Lqに基づくインピーダンスω・Ld,ω・Lq、及び誘起電圧係数Keによるd軸/q軸間の相互干渉を補償する演算を行う。d軸電流Idとq軸電流Iqと偏差ΔId,ΔIq及び角速度ωを入力してd軸電圧の指令値たるd軸電圧指令Vd及びq軸電圧の指令値たるq軸電圧指令Vqを生成する。かかる演算は周知技術であるのでその詳細は省略する。
図3は高調波位相演算部703の構成を例示するブロック図である。
逓倍器703aは角速度ωを入力してこれを6倍に逓倍し、6次の角速度6ωを出力する。
正弦値算出器703cは、入力した角速度6ωと時間tとの積の正弦値sin(6ω・t)を出力する。余弦値算出器703dは、入力した角速度6ωと時間tとの積の余弦値cos(6ω・t)を出力する。例えば時間tは、負荷電流iuが0となる時点を基準に採ることができる。
乗算器703eは、正弦値算出器703cから出力された正弦値と両端電圧VLとの積を出力する。乗算器703fは、余弦値算出器703dから出力された余弦値と両端電圧VLとの積を出力する。
総和算出器703gは乗算器703eからの出力を経時的に期間Tfで加算する。総和算出器703iは乗算器703fからの出力を経時的に期間Tfで加算する。この加算の期間Tfについては積分期間Tfとして後に詳述する。
フーリエ変換演算部703hは、総和算出器703gの出力の二乗と、総和算出器703iの二乗との和(以下「二乗和」とも称す)を求める。このようないわゆる積和演算は公知であるので、その詳細は省略する。
位相調整部703jは、フーリエ変換演算部703hから得た二乗和を入力し、両端電圧VLの角速度6ωについての位相δを出力する。乗算器703kは逓倍器703aから得られた角速度6ωに時間tを乗じて位相6θを出力する。加算器703mは位相6θと位相δとを加算して、修正位相Θ=6θ+δを出力する。このような位相調整部703jや加算器703mの機能は公知であり(例えば特許文献3を参照)、その詳細な説明は省略する。
総和算出器703g、総和算出器703iで採用される積分期間Tfは、フーリエ変換積分周期演算部703bから出力される。フーリエ変換積分周期演算部703bは、角速度ωを入力し、π/ωの整数倍を積分期間Tfとして出力する。以下、この積分期間Tfについて比較例を交えて説明する。
図4及び図5は積分期間を説明するグラフである。両端電圧VLの6次成分VL^を導入して、その周期は2π/(6ω)=π/(3ω)である。
図4は特許文献3で示された技術に即した波形を示す。交流電源1から得られる交流電圧Vrの周波数fsを導入すると、期間1/(2fs)の整数倍がフーリエ変換で採用される積分期間となる。
インバータ4が出力する第2交流電圧Vu,Vv,Vwは、交流電源1から得られる第1交流電圧Vr,Vs,Vtとは整数倍の関係にあるとは限らない。よって、期間1/(2fs)の整数倍が、必ず6次成分VL^の周期π/(3ω)の整数倍になるとは限らない。
図4に示されるように、期間1/(2fs)の整数倍として、期間1/(2fs)自身を採用する場合を考察する。図4の例示では、交流電圧Vrが正となる半周期において正整数N1を導入して1/(2fs)=N1・π/(3ω)+Δ1が成立し、交流電圧Vrが負となる半周期において正整数N2を導入して1/(2fs)=N2・π/(3ω)+Δ2が成立している。但しΔ1<π/(3ω)、Δ2<π/(3ω)である。
もしΔ1=Δ2=0が常に成立すれば、積分期間に起因したフーリエ変換の誤差は原理的には無視できる。6次成分VL^は周期関数であり、その周期π/(3ω)のN1倍、あるいはN2倍に亘る積分結果は、その周期π/(3ω)に亘る積分結果と一致するからである。
しかし上述のように、一般にはΔ1=Δ2=0が常に成立するとは言えない。よって期間1/(2fs)の整数倍をフーリエ変換の積分期間とすると、6次成分VL^に対応するフーリエ変換の結果には、期間Δ1,Δ2に起因した誤差が生じることになる。
他方、図5は本実施の形態で採用される技術に即した波形を示す。第2交流電圧Vu、あるいは負荷電流iuの一周期は2π/ωであり、その半周期π/ωは、6次成分VL^の周期π/(3ω)の3倍である。よって積分期間Tfとして、π/ωの整数倍を採用することにより、積分期間Tfは常に周期π/(3ω)の整数倍となる。これにより、フーリエ変換の誤差は原理的には無視できる。
このようにして、適切な積分期間を採用したフーリエ変換を行うことにより、電力変換器における高調波成分の低減をより精度良く行うことができる。
図6は補償項生成部716Aの構成を例示するブロック図である。
余弦値算出器716gは、入力した修正位相Θの余弦値cos(Θ)を求める。乗算器716hは余弦値cos(Θ)に対し、高調波振幅Vhを乗じる。そして減算器716jは乗算器716hの乗算結果を値1から差し引いて、修正量(1−Vh・cos(Θ))を出力する。この修正量が上述の補償項として乗算器713(図2参照)の乗算に供せられる。つまり補償項生成部716Aは修正位相Θを用いて修正量(1−Vh・cosΘ)を生成する修正量生成部として、乗算器713は変調率を修正量(1−Vh・cosΘ)で修正する修正部として、それぞれ機能する。
このような補償項(修正量)を変調率に乗算して、負荷電流iu,iv,iwの6±1次成分の高調波を低減できる技術それ自体は、例えば特許文献2等で公知であるので、その詳細を省略する。
C.第2の実施の形態.
図7はこの発明の第2の実施の形態にかかる制御装置7Bの構成の一部を例示するブロック図である。制御装置7Bは直接形電力変換器9の動作を制御する電力変換器制御装置として機能する。
制御装置7Bは、第1の実施の形態において図2で示された制御装置7Aと同様に、共振抑制制御演算部701、高調波振幅演算部702、高調波位相演算部703、座標系変換部704、減算器705、PI制御部706、d軸電流指令値生成部707、q軸電流指令値生成部708、減算器709,710、干渉補償部711、減算器715を備えている。よって図7では図2と重複する構成要素については省略、あるいは簡略化して示した。
制御装置7Bは、制御装置7Aの補償項生成部716Aに代えて、補償項生成部716Bを備える。また、減算器718,717をも備える。そして補償項生成部716Bが出力する補償項は、減算器718,717においてそれぞれ指令値Vd,Vqを修正する。
本実施の形態でも、共振抑制制御演算部701と減算器715を用いて変調率を修正する場合を例示する。但し第1の実施の形態で説明したように、LCフィルタ5の共振を抑制する必要が無ければ、共振抑制制御演算部701や減算器715を省略し、変調率k0をPWM変調部714に入力してもよい。
図8は、補償項生成部716Bの構成を例示するブロック図である。
正弦値算出器716aは、入力した修正位相Θの正弦値sin(Θ)を求める正弦値取得部として機能する。余弦値算出器716bは、入力した修正位相Θの余弦値cos(Θ)を求める余弦値取得部として機能する。乗算器716cは正弦値sin(Θ)に対し、高調波振幅Vhを乗じる。乗算器716dは余弦値cos(Θ)に対し、高調波振幅Vhを乗じる。乗算器716cの乗算結果、即ちVh・sin(Θ))が修正量Vdhとして出力される。乗算器716dの乗算結果、即ちVh・cos(Θ))が修正量Vqhとして出力される。修正量Vdh,Vqhが本実施の形態における補償項となる。つまり補償項生成部716Bは修正位相Θを用いて修正量Vdh,Vqhを生成する修正量生成部として、減算器718,717は、指令値Vd,Vqを、修正量Vdh,Vqhで修正する修正部として、それぞれ機能する。
このような修正量Vdh,Vqhを、それぞれ指令値Vd,Vqから差し引いて、負荷電流iu,iv,iwの6±1次成分の高調波を低減できる技術それ自体は、例えば特許文献2等で公知であるので、その詳細を省略する。
本実施の形態でも第1の実施の形態と同様にして、適切な積分期間を採用したフーリエ変換を行うことにより、電力変換器における高調波成分の低減をより精度良く行うことができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、相互に矛盾しない限り、上記の種々の実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
例えば逓倍器703aは角速度ωを入力してこれを6n倍に逓倍し、6n次の角速度6n・ωを出力してもよい。この場合、負荷電流iu,iv,iwの6n±1次成分の高調波を低減できる。
また、両端電圧VL,Vdcの和がコンバータ3の出力電圧となり、これは第1交流電圧Vr,Vs,Vtによって決定される。よって両端電圧Vdcの6n次成分は,両端電圧VLの6n次成分と符号が反対になるだけである。よって両端電圧VLに代えて、両端電圧Vdcを高調波振幅演算部702,高調波位相演算部703に入力して、それぞれ高調波振幅Vh、修正位相Θを得るような設計的変更も可能である。
2 負荷
3 整流回路
4 インバータ
702 高調波振幅演算部
703 高調波位相演算部
713,716c,716d,716h 乗算器
716a 正弦値算出器
716b 余弦値算出器
716A,716B 補償項生成部
716j,717,718 減算器
9 電力変換器
C1 コンデンサ
L1 インダクタ

Claims (5)

  1. 第1交流電圧(Vr,Vs,Vt)を整流する整流回路(3)と、
    LCフィルタ(5)を介して前記整流回路から得られる整流電圧(Vdc)を第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)に変換して負荷(2)に印加するインバータ(4)と、
    前記整流回路の一方の出力端と前記インバータの一方の入力端との間に接続された誘導性素子(L1)と、前記インバータの前記一方の入力端と他方の入力端との間に接続されて前記誘導性素子と共に前記LCフィルタを構成する容量性素子(C1)と
    を備える電力変換器(9)を制御する装置であって、
    前記インバータの変調率(k)もしくは前記インバータに対する指令値(Vd,Vq)を、修正量(1−Vh・cosΘ;Vdh,Vqh)で修正する修正部(713;717,718)と、
    修正位相(Θ)を用いて前記修正量を生成する修正量生成部(716A;716B)と、
    前記誘導性素子又は前記容量性素子の両端電圧(VL,Vdc)に対して前記第2交流電圧の周期(2π/ω)でフーリエ変換を行って第1位相(δ)を求め、前記第2交流電圧の位相(θ)を整数倍して第2位相(6θ)を求め、前記第1位相と前記第2位相とを加算して前記修正位相を生成する高調波位相演算部(703)と
    を備える、電力変換器制御装置。
  2. 前記修正量の振幅(Vh)を、前記第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)の角速度(ω)に基づいて決定する高調波振幅演算部(702)を更に備える、請求項1記載の電力変換器制御装置。
  3. 前記修正量(1−Vh・cosΘ)を乗算することによって前記変調率(k)が修正され、
    前記修正量生成部(716A)は、
    前記修正位相の余弦値(cosΘ)を求める余弦値取得部(716g)と、
    前記修正量の振幅(Vh)と前記余弦値とを乗算する乗算器(716h)と、
    前記乗算器の乗算結果を値1から差し引いて前記修正量を求める減算器(716j)とを有する、請求項2記載の電力変換器制御装置。
  4. 前記負荷(2)は回転電機であり、
    前記修正量(Vdh,Vqh)を減算することによって前記指令値(Vd,Vq)が修正され、
    前記指令値は前記回転電機の界磁と同相の第1指令値(Vd)と、前記界磁に対して位相が90度進んだ第2指令値(Vq)とを含み、
    前記修正量生成部(716B)は、
    前記修正位相の正弦値(sinΘ)を求める正弦値取得部(716a)と、
    前記修正位相の余弦値(cosΘ)を求める余弦値取得部(716b)と、
    前記修正量の振幅(Vh)と前記正弦値とを乗算する第1乗算器(716c)と、
    前記修正量の振幅と前記余弦値とを乗算する第2乗算器(716d)と
    を有し、
    前記第1乗算器の乗算結果(Vdh)が前記第1指令値に対する前記修正量として、前記第2乗算器の乗算結果(Vqh)が前記第2指令値に対する前記修正量として、それぞれ採用される、請求項2記載の電力変換器制御装置。
  5. 前記第2交流電圧(Vu,Vv,Vw)は三相電圧であって、
    前記第2位相(6θ)は、前記第2交流電圧の位相(θ)を6倍して求められる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の電力変換器制御装置。
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