JP2017060272A - 3レベルインバータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】3レベルインバータの制御装置において、有効電力および無効電力の入出力の大小にかかわらず、中性点電位の不安定化を抑制する。【解決手段】インバータ内部で保持する位相ωtに−2をかけ、その結果を用いてインバータ出力電流検出値IINVをdq変換する。これにより、インバータ出力電流検出値IINVに含まれる逆相2次高調波成分を直流に変換する。直流に変換したインバータ出力電流検出値IINVを2次高調波指令値IDN2*、IQN2*と比較し、各々の偏差を求める。各々の偏差を第3,第4アンプ13,14で処理することにより、逆相2次高調波電流の偏差を零にすることができる。得られた電圧指令値は第2dq逆変換器10により固定座標上の指令値に変換し、第1dq逆変換器2により得られた電圧指令値に加算する。【選択図】図2

Description

本発明は、 系統連系やモータ駆動用途など電流制御を行う3レベルインバータに係り、特に、中性点電位のバランス制御に関する。
図1(a)は、3レベルの相電圧をUVW端子に出力する3レベルインバータを示す構成図である。各相電圧は、インバータ内のスイッチング素子のON/OFF動作によって生成される。さらに、スイッチング素子のON/OFF動作は、後述のゲート指令によって決まる。
3レベルインバータの種類として、図1(a)のT型の他に、図1(b)のNPC型がある。いずれの構成も、直流端子間に第1,第2直流コンデンサC1、C2が直列接続され、直流端子間の直流電圧を1/2に分圧し、この分圧点を中性点としている。
図1(c)は、3レベルインバータを系統電源60に接続する構成例である。インバータ出力にリアクトルL1,L2,コンデンサCから成るフィルタ回路を接続し、フィルタ経路の出力を系統に接続する。なお、フィルタ回路はLCL構成以外のものでもよい。図1(c)では省略しているが、系統電源60には他に様々な負荷や電力変換装置が接続される。インバータINVは系統電源60から供給される交流電力を直流に変換し、図1(c)の直流側にある電圧源VDCに蓄電する。または、電圧源VDCの直流電力を交流に変換して系統電源60に供給する。
その他、系統電源60と無効電力のやりとりを行い、系統電源60に接続している他の負荷が出力する無効電力を打ち消す、系統電圧振幅の変動を抑制する、など無効電力補償を行う用途や、装置の直流側に異なる負荷や電力変換装置を接続し、直流負荷の駆動や、接続した電力変換装置によって電力の周波数変換を行う用途などがある。
図1(d)は系統連系インバータの制御装置の図である。PLLは、系統電圧検出値Vsを入力し、それに同期した位相信号ωtを出力する。位相信号ωtは、後述する第1dq変換器1,第1dq逆変換器2に入力される。第1ローパスフィルタLPF1は、インバータ出力電流検出値Iinvからノイズやスイッチングリプルなどを除去する。第1dq変換器1は、第1ローパスフィルタLPF1の出力信号を、系統電圧検出値VSに同期した回転座標上の値に変換する。
第1,第2減算器3,4では、dq座標上のd軸,q軸の出力電流指令値ID*、IQ*と実際の出力電流検出信号(dq変換器1の出力)との偏差を演算する。第1,第2アンプPI1,PI2は第1,第2減算器3,4の出力を比例積分などの演算により増幅し電圧指令値を演算する。
第1dq逆変換器2は、電圧指令値(第1,第2アンプPI1,PI2の出力)を系統電圧検出値VSに同期した回転座標上の値から固定座標上の値に変換する。PWM制御部5は、固定座標上の電圧指令値に対して、キャリア三角波との比較を行い、スイッチング素子のゲート指令Gateを出力する。PWM制御部5の出力であるゲート指令Gateはインバータに入力され、信号通りのスイッチングを行う。
3レベルインバータでは、特許文献1,特許文献2,特許文献3などによる中性点電位制御を行う。そのための構成要素を以下に示す。
第5減算器6は、第1直流コンデンサの電圧検出値VP1から第2直流コンデンサの電圧検出値VN1を減算し、中性点電位の偏差を求める。第2ローパスフィルタLPF2は、第5減算器6の出力からノイズやスイッチングリプル、インバータから無効電力を出力したときに発生する基本波の3倍の周波数成分のリプルなどを除去する。
中性点電位制御部7は、第2ローパスフィルタLPF2の出力信号を入力し、中性点電位の偏差を低減する適切な電圧指令値を出力する。第1加算器8において、中性点電位制御部7の出力信号と、固定座標上の電圧指令値(第1dq逆変換器2の出力)と、が加算され、PWM制御部5に入力される。
図13は、特許文献3に記載されている中性点電位制御部7の構成の一例である。図13の符号2が、図1(d)の中性点電位制御部7に相当する。なお、中性点電位制御部7の種類によっては、図1(d)の「入力2」信号、「入力3」信号が不要な場合もある。
以上のブロックにより、インバータはd軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*にほぼ等しい電流を出力することができる。特に基本波成分(dq座標上で直流成分)については、インバータ出力電流は指令値に理論上は一致する。しかし、高調波電流などdq座標上で交流成分となるものについては完全には一致せず、偏差が生じてしまう。
特開平07−79574号公報 特開平09−233840号公報 特開2013−240262号公報 特開2013−255317号公報
「3レベルPWMインバータ方式SVGの高調波パワフローによる中性点電位安定化」
図1のインバータにおいて、スイッチング素子の個体差や第1直流コンデンサC1と第2直流コンデンサC2との容量の差、漏れ電流の差などから運転中にインバータ中性点電位NPのアンバランス(第1直流コンデンサの電圧検出値VP1と第2直流コンデンサの電圧検出値VN1とのアンバランス)が発生する場合があり、以下の(1),(2)のような問題が生じる。
(1)インバータ内のコンデンサやスイッチング素子が過電圧印加により破損する。
(2)インバータ出力電圧のひずみが大きくなり、系統への高調波電流流出など悪影響を与える。
中性点電位の制御方法として、インバータが有効電力を入出力する場合は出力電圧の零相に直流のオフセットを加えればよいことが知られている。しかし、この方法ではインバータの有効電力の入出力量が小さい場合は中性点電位制御の効果が低下してしまう。無効電力の入出力がある場合は、特許文献1や特許文献4に記載されているように出力電圧の零相に6次高調波を加えればよい。
特許文献1は、6次の高調波を電圧指令値に重畳して中性点電位を制御する方式である。この方式では、中性点を流れる電流iNPの直流成分A0’は[式6]で表される。また、段落[0036]に示すように力率が零(無効電力のみを入出力している)の場合に最大の効果が得られることが示されている。
しかし、A0’の大きさはインバータの出力する電流実効値に対して比例関係にあるため、インバータの無効電力の入出力量が減少すると中性点電位制御の効果が低下するという問題がある。例えば、インバータを系統に連系し零電流出力で待機している状態では、インバータはフィルタに流れる無効電力だけを出力する。フィルタの%インピーダンスは一般的にインバータ容量基準でおよそ4%程度であるため、中性点を流れる電流iNPは定格電流を出力している状態に比べて約4%まで低下する。よって中性点電圧抑制効果は大きく低下する。さらにインバータに、インバータ容量基準に対して4%程度の遅れ無効電力出力指令がある場合、インバータはフィルタに供給する進み成分の無効電力を減少して対応するため、中性点電位の制御効果もそれに合わせて低下し、場合によっては制御不能となる恐れがある。
特許文献4は、インバータの有効電力の入出力量が大きいときは出力電圧の零相に直流のオフセットを加え、無効電力の入出力量が大きいときは出力電圧の零相に6次高調波のオフセットを加えて中性点電位を制御する方式である。しかし、この方式も両方の電力の入出力量が小さくなると中性点電位が制御不能となる。
これを解決するため、特許文献2では請求項2や請求項3でインバータが若干の無効電力や有効電力を入出力し、中性点電位を制御することが提案されている。しかし、無効電力の入出力は系統電圧の振幅に影響を与える。有効電力の入出力については系統電源の周波数に影響を与え、さらにインバータに別途蓄電要素を搭載する必要が生じ、無効電力補償装置など本来蓄電要素の必要ない用途に適用する場合はコスト増加の原因となる。
特許文献3は、請求項6や実施形態4において、系統連系インバータの出力電流が小さい場合には無負荷損失の補償のためインバータが微量の有効電力を系統電源から入力していると仮定し、出力電圧指令値に直流のオフセットを重畳して中性点電位を制御する。しかし、オフセットの符号は有効電力の流れる向きによって変更する必要があるため、例えばインバータの直流側で意図しない微量の回生が発生し微量の有効電力を出力しなければならない場合は、この方式は逆に中性点電位を不安定にしてしまう恐れがある。
非特許文献1では、2次高調波電流を出力することで中性点電位を制御する方法が提案されている。しかし、高調波電流は力率改善用コンデンサの過熱や絶縁破壊、トランスの焼損、電動機のうなりや、遮断器の誤動作などの影響が発生するため、その出力を規定値以下にする高調波ガイドラインが設けられている。非特許文献1では定常状態においては2次高調波電流を全く流していないが、過渡状態においては非特許文献1の示すように電流波形のひずみが明らかであるほど2次高調波電流が出力電流に重畳されている。したがって、過渡状態での出力電流波形の歪が大きくなるという問題を持つ。さらに、この非特許文献1では重畳すべき2次高調波電流が正相か逆相かの説明がなされていない。
また、2次高調波電流を使用して中性点電位を制御する方法がある。しかし、この方法は電流制御が適用されず複数台が並列接続された構成に適用することが想定されているため、系統連系やモータ駆動用途など電流制御を行うインバータには適用できない。
以上示したようなことから、3レベルインバータの制御装置において、有効電力および無効電力の入出力の大小にかかわらず、中性点電位の不安定化を抑制することが課題となる。
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた、系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧位相またはモータ回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、d軸,q軸の出力電流指令値とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、前記第1,第2アンプの出力を系統電圧位相またはモータ回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、系統電圧位相またはモータ回転角位相を−2倍する第1乗算器と、インバータ出力電流検出値を、前記第1乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の2次高調波検出値を出力する第2dq変換器と、d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸,q軸の2次高調波検出値との偏差を演算する第3,第4減算器と、d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸,q軸の2次高調波検出値と、の偏差を増幅する第3,第4アンプと、第3,第4アンプの出力を前記第1乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第2dq逆変換器と、第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、第1dq逆変換器の出力と、第2dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−3倍する第2乗算器と、前記第2乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の2次高調波指令値と固定値のq軸の2次高調波指令値、または、固定値のd軸の2次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の2次高調波指令値をdq逆変換する第3dq逆変換器と、前記第3dq逆変換器の出力と、d軸,q軸の出力電流指令値と、をそれぞれ加算する第2,第3加算器と、前記第2,第3加算器の出力とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値との偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記d軸の2次高調波指令値、または、前記q軸の2次高調波指令値は、前記第1,第2コンデンサの電圧検出値の偏差に応じて変化させることを特徴とする。
また、他の態様として、直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2コンデンサと、直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、d軸,q軸の出力電流指令値とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−2倍する第1乗算器と、インバータ出力電流検出値を、前記第1乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の2次高調波検出値を出力する第2dq変換器と、d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸q軸の2次高調波検出値との偏差を演算する第3,第4減算器と、d軸,q軸の2次高調波指令値とd軸,q軸の2次高調波検出値との偏差を増幅する第3,第4アンプと、第3,第4アンプの出力を前記第1乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第2dq逆変換器と、系統電圧の位相またはモータの回転角位相を4倍する第2乗算器と、インバータ出力電流検出値を、前記第2乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の4次高調波検出値を出力する第3dq変換器と、d軸,q軸の4次高調波指令値と、d軸,q軸の4次高調波検出値との偏差を演算する第5,第6減算器と、第5,第6減算器の出力を増幅する第6,第7アンプと、第6,第7アンプの出力を乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第4dq逆変換器と、第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、第2dq逆変換器の出力と、第4dq逆変換器の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、他の態様として、直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−3倍する第3乗算器と、前記第3乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の2次高調波指令値と固定値のq軸の2次高調波指令値、または、固定値のd軸の2次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の2次高調波指令値をdq逆変換する第3dq逆変換器と、系統電圧の位相またはモータの回転角位相を3倍する第4乗算器と、前記第4乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の4次高調波指令値と固定値のq軸の4次高調波指令値、または、固定値のd軸の4次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の4次高調波指令値をdq逆変換する第5dq逆変換器と、d軸,q軸の出力電流指令値と、前記第3dq逆変換器の出力と、第5dq逆変換器の出力と、を加算した値と、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、その一態様として、前記d軸の2次高調波指令値またはq軸の2次高調波指令値、および前記d軸の4次高調波指令値またはq軸の4次高調波指令値は、前記第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じて変化させることを特徴とする。
また、その一態様として、インバータの出力端子をフィルタ回路を介して系統電源に接続し、前記dq変換器および前記dq逆変換器は、系統電圧の位相に基づいてdq変換およびdq逆変換を行うことを特徴とする。
また、その一態様として、インバータの出力端子をモータに接続し、前記dq変換器および前記dq逆変換器は、モータの回転角位相に基づいてdq変換およびdq逆変換を行うことを特徴とする。
また、その一態様として、系統電圧位相またはモータの回転角位相を−2倍する第6乗算器と、インバータ出力電流検出値を第6乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値を出力する第5dq変換器と、第5dq変換器の出力から脈動を除去する第3,第4ローパスフィルタと、第3ローパスフィルタの出力に係数Qamを乗算する第8乗算器と、第3ローパスフィルタの出力に係数Qbmを乗算する第9乗算器と、第4ローパスフィルタの出力に係数Qamを乗算する第10乗算器と、第4ローパスフィルタの出力に係数Qbmを乗算する第11乗算器と、第8乗算器の出力と第11乗算器の出力を反転した値とを加算する第8加算器と、第9乗算器の出力と第10乗算器の出力とを加算する第9加算器と、第8,第9加算器の出力と、2次高調波指令値を入力とする第5,第6ローパスフィルタの出力と、の偏差を外乱の推定値として出力する第7,第8減算器と、外乱を抑制する外乱指令値と外乱の推定値との偏差をとって2次高調波指令値を算出する第9,第10減算器と、2次高調波指令値を入力し、第7,第8減算器に出力する第5,第6ローパスフィルタと、系統電圧位相またはモータの回転角位相を−3倍する第7乗算器と、第7乗算器の出力に基づいて、第9,第10減算器の出力をdq逆変換する第5dq逆変換器と、第5dq逆変換器の出力をd軸,q軸の出力電流指令値に加算し、d軸,q軸の出力電流指令値を補正する第6,第7加算器と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、3レベルインバータの制御装置において、有効電力および無効電力の入出力の大小にかかわらず、中性点電位の不安定化を抑制することが可能となる。
インバータおよびインバータ制御装置を示す図。 実施形態1のインバータ制御装置を示す図。 ボード線図における既存電流制御の比例ゲインと積分アンプのゲイン関係を示す図。 実施形態1において出力電流指令値を等しくした場合を示す図。 実施形態2のインバータ制御装置を示す図。 実施形態3のインバータ制御装置を示す図。 実施形態4のインバータ制御装置を示す図。 実施形態2のインバータ制御装置の他例を示す図。 実施形態3のインバータ制御装置の他例を示す図。 4次高調波指令値の演算ブロック図。 実施形態5のインバータ電流指令値演算部を示す図。 モータ駆動用のインバータ制御装置に実施形態1を適用した図。 従来のインバータ制御装置を示す図。
[実施形態1]
図2に本実施形態1のインバータ1台あたりのインバータ制御装置を示す。本実施形態1のインバータ制御装置は図1に対し、以下の構成を加えたものである。
第1乗算器17は、系統電圧の位相信号ωtを−2倍する。第2dq変換器9は、乗算した位相−2ωtを元にインバータ出力電流検出値IINVを系統電圧検出値Vsの逆相2次高調波に同期した回転座標上のd軸,q軸の2次高調波検出値に変換する。
第3,第4減算器11,12は、2次高調波指令値IDN2*,IQN2*と実際のd軸,q軸の2次高調波検出値との偏差を演算する。d軸の2次高調波指令値IDN2*は0で固定である。q軸の2次高調波指令値IQN2*も通常は0とする。
第3,第4アンプ13,14は、第3,第4減算器11,12の出力を積分などの演算により増幅し、逆相2次高調波成分の電圧指令値を演算する。第2dq逆変換器10は、逆相2次高調波成分の電圧指令値を固定座標上の値に変換する。第2dq逆変換器10の出力は、第1加算器8において、第1dq逆変換器2の出力と、中性点電位制御部7の出力と、加算され、PWM制御部5に入力される。
3レベルインバータと2次高調波の関係について検討を行う。まず、中性点電位にアンバランスがある場合における電圧ひずみについて説明する。アンバランスの無い理想状態でのインバータ出力U相電圧VUを以下の(1)式で表す。
Figure 2017060272
0はインバータの定格出力電圧(系統電圧検出値Vsの定格にほぼ等しい)、ωは定格角周波数(通常50Hz×2πまたは60Hz×2π)である。中性点電位のアンバランスの度合いをk(−1≦k≦1として第1直流コンデンサの電圧検出値VP1と第2直流コンデンサの電圧検出値VN1を以下の(2)式のように表す。
Figure 2017060272
このアンバランスが、出力相電圧にプラス側の振幅とマイナス側の振幅の差が生じる原因となる。この差によってひずんだインバータ出力U相電圧VU’を以下の(3)式で表す。
Figure 2017060272
ひずんだインバータ出力U相電圧VU’について、フーリエ級数展開を行い各次数のひずみを確認する。係数anについては、以下の(4)式となる。
Figure 2017060272
なお、係数anおよび(4)式のnは、高調波次数である。 nが偶数の場合、係数anは以下の(5)式となる。
Figure 2017060272
nが奇数の場合、以下の(6)式となる。
Figure 2017060272
係数bnについては、以下の(7)式となる。
Figure 2017060272
以上を3相に拡張する。アンバランスの無い状態での各相のインバータ出力相電圧は以下の(8)式で表される。
Figure 2017060272
中性点電位のアンバランスによって発生する各相の2次の電圧ひずみV2u,V2v,V2wは以下の(9)式で表される。
Figure 2017060272
2次電圧ひずみV2u,V2v,V2wは、U相を基準にしたV相、W相の位相の進み遅れの関係が基本波とは逆になるため、逆相である。4次の電圧歪みV4u,V4v、V4wについても同様の検討を行うと、以下の(10)式のように位相の進み遅れの関係は基本波と同じになり、正相である。
Figure 2017060272
以上の式より、以下の(1)〜(3)が分かる。
(1) 中性点電位にアンバランスがある場合、インバータ出力電圧には偶数次の電圧ひずみが生じる。これにより、意図しない偶数次高調波電流を出力してしまう。
(2)インバータ出力電圧のn次高調波の電圧ひずみは(n2−1)に反比例し、2次高調波の電圧ひずみが最も大きい
(3)中性点電位のアンバランスにより生じる2次高調波の電圧ひずみは逆相、4次高調波の電圧ひずみは正相である。
次に、インバータ出力電流にひずみが重畳したとき、電流が中性点電位に与える影響について説明する。インバータの出力電圧指令値をvと置くと、スイッチング1周期に対する中アームON期間の割合は、以下の(11)式で表すことができる。
Figure 2017060272
このときのインバータ出力電流をiINVと置くと、中性点電位から流出する電流(以下、中性点電位流出電流と称する)iNPは、以下の(12)式で表される。
Figure 2017060272
ここで、vとiINVを(13)式のように設定する。
Figure 2017060272
中性点電位流出電流iNPの基本波1周期の平均値INPは、以下の(14)式のようになる。
Figure 2017060272
nが偶数の場合、以下の(15)式のようになる。
Figure 2017060272
nが奇数の場合、以下の(16)式のようになる。
Figure 2017060272
定量的な評価を行うと、電流が2次高調波でn=2、振幅がI2における中性点電位流出電流INPの基本波1周期の平均値INP2は、電流位相θ=180degで最大となり、以下の(17)式となる。
Figure 2017060272
一方、電流位相θ=90degまたは270degでは、平均値INP2=0である。この平均値INP2が大きいほど、中性点電位に影響を与える。n=2において、3相への拡張を行う。インバータ出力電流が逆相の2次高調波のみである場合、以下の(18)式で表される。
Figure 2017060272
この条件において、中性点電位流出電流INPの基本波1周期平均値の合計を求めると、以下の(19)式となる。
Figure 2017060272
一方、インバータ出力電流が正相の2次高調波のみである場合は、以下の(20)式となる。
Figure 2017060272
中性点電位流出電流INPの合計は、(21)式となり、中性点電位に影響を与えない。
Figure 2017060272
以上の式よりわかることとして、以下の(1)〜(4)が分かる。
(1)基本波を含め奇数次高調波がインバータ出力電流に重畳しても、中性点電位には影響しない。
(2)偶数次高調波は、θ=0degまたは180degの場合に中性点電位への影響が最大となり、θ=90degまたは270degでは中性点電位に影響しない。
(3)偶数次高調波の中性点電位流出電流INPは、(n2−1)に反比例し、2次高調波の電流ひずみが最も大きい(n:高調波次数)
(4)中性点電位に影響する2次高調波の電流ひずみは逆相であり、正相は影響しない。
以下に、インバータ出力電流は基本波成分のみであるが、出力電圧にひずみを重畳させたときの中性点電位への影響について説明する。
vと平均値iINVを(22)式のように設定し、中性点電位流出電流INPを求める。
Figure 2017060272
先ほどと同様に、中性点電位流出電流INPの基本波1周期の平均値INPVを求める。
Figure 2017060272
しかし、このままでは区間の分割が難しいため、中性点電流流出電流INPを以下の(24)式で近似する。
Figure 2017060272
この近似を利用して中性点電位流出電流INPの基本波1周期の平均値INPVを以下の(25)式のように計算する。
Figure 2017060272
nが奇数の場合は、以下の(26)式となる。
Figure 2017060272
nが偶数の場合は、以下の(27)式となる。
Figure 2017060272
この式は、特許文献1の数(6)式に相当する。式は異なるが、これは使用している文字が異なり、さらに電流については特許文献1では実効値、ここでは振幅で検討しているためである。また、特許文献1ではsinを基準に、ここではcosを基準としている違いもある。
特許文献1では電圧指令値に6次高調波を重畳して中性点電位の制御を行う。n=6をこの式に代入し、制御効果を定量的に評価する。重畳する6次高調波の振幅をキャリア三角波の10%としてa=0.1、特許文献1の段落[0036]にあるように電流位相θは最大の効果が得られるθ=90degとすると、以下の(28)式となる。
Figure 2017060272
重畳する電圧ひずみの位相はφ=90deg=π/2で中性点電位流出電流は最大となり、以下の(29)式となる。
Figure 2017060272
特許文献1の数(6)式において、同じ条件となるようk=0.1,λ=V,IM=I/√2,φ=90deg,α=−90degを代入すると、A0’は平均値INPVに等しくなる。ここで、先ほど求めた2次高調波電流ひずみによる中性点電位流出電流の1周期平均値INP2との比較を行う。INP2とINPV6を等号で結ぶと、以下の(30)式となる。
Figure 2017060272
両者が等しくなる2次高調波電流振幅I2は、以下の(31)式となる。
Figure 2017060272
すなわち、20*I2≒Iである。
以上の式より、以下の(1)〜(3)が分かる。
(1)前述の(31)式、I2≒0.0514Iより、インバータ出力電流に重畳する2次高調波電流は、中性点電位に対して大きな影響を与えることがわかる。
(2)例えば、2次高調波電流(振幅I2)が1%流れている場合、この中性点電位に対する影響を無効電流と従来の中性点電位制御の組み合わせで打ち消すには、およそ20%の無効電流(振幅I)が必要である。
(3)逆に20%の無効電流(振幅I)を用いて中性点電位を制御しているインバータに対して、2次高調波電流(振幅I2)による中性点電位制御を適用すると、必要な2次高調波電流の振幅I2は1%だけでよい。
本実施形態1の動作を説明する。本実施形態1はこれまでの検討結果を踏まえ、中性点電位に対して大きな影響を与える逆相2次高調波電流を除去するよう、インバータ制御装置に機能を追加している。
まず、インバータ内部で保持する位相ωtに−2をかけ、その結果を用いてインバータ出力電流検出値IINVをdq変換する。これにより、インバータ出力電流検出値IINVに含まれる逆相2次高調波成分を直流(d軸成分とq軸成分)に変換することができる。次に、直流(d軸成分とq軸成分)に変換したインバータ出力電流検出値を2次高調波指令値IDN2*(=0)、IQN2*と比較し、各々の偏差を求める。各々の偏差を第3,第4アンプ(図2ではIN2)で処理することにより、逆相2次高調波電流の偏差を零にすることができる。得られた電圧指令値は第2dq逆変換器10により固定座標上の指令値に変換し、第1dq逆変換器により得られた電圧指令値に加算する。
第3,第4アンプ13,14のゲインの設計法について説明する。既設の装置に対して本実施形態1を適用する場合、他の高調波に対しては影響を与えず、逆相2次高調波のみを抑制することが求められる。そのためには、回転座標上で25Hz以下の周波数に対する積分ゲインを既存の電流制御の比例ゲインに等しくすればよい。
積分アンプには周波数が増加するほどゲインが下がる特性があるため、この設計により逆相1次高調波や逆相3次高調波に相当する50Hzに対するゲインは既存電流制御の比例ゲインの1/2以下となり、影響はほとんど生じない。
図3に既存電流制御の比例ゲイン(点線)と第3,第4アンプ13,14のゲイン(実線)の関係をボード線図で示す。回転座標上で25Hzにおけるゲインが等しくなるようゲインIN2を設計することにより、回転座標上で50Hzの第3,第4アンプ13,14のゲインIN2は既存電流制御比例ゲインの1/2となり、既存電流制御比例アンプの方が優位に動作するようになる。100Hz以上の周波数では第3,第4アンプ13,14のゲインIN2はさらに小さくなる。
本実施形態1(図2)では、電流指令値がd軸q軸それぞれ2つあり(ID*,IQ*,IDN2*,IQN2*)、値が異なるため既存の電流制御部と追加ブロックで干渉を起こす可能性がある。しかし、先に示したゲインの設計法を適用することにより、各高調波に対する優位性が以下のように定まり、干渉を避けることができる。
(基本波):既存電流制御ブロックの積分ゲインは無限大、追加ブロックの積分ゲインは既存電流制御ブロックの比例ゲインの1/6以下であり、既存電流制御ブロックが行う制御が優先する。
(逆相2次高調波):既存電流制御ブロックの比例ゲインは有限である。一方、追加ブロックの積分ゲインは無限大となるので、追加ブロックが行う制御を優先する。
(逆相1次、3次高調波):追加ブロックの積分ゲインは既存電流制御ブロックの比例ゲインの1/2以下であり、既存電流制御ブロックが行う制御を優先する。
(その他の高調波):既存電流制御ブロックでは少なくとも比例アンプで設定された比例ゲインとなり、追加ブロックの積分ゲインは既存電流制御ブロックの比例ゲインの1/4以下であるので、既存電流制御ブロックが行う制御を優先する 。そのため、本実施形態1では図4に示すように出力電流指令値を等しくした場合に比べてdq変換器を1個省略することができ、演算負荷を低減することができる。
本実施形態1は、図2にも示すように、特許文献1,特許文献3,特許文献4などの中性点電位制御と併用する。これは本実施形態1に中性点電位制御と併用しないと、逆相2次高調波による中性点電位の不安定化を抑制することはできるが、中性点電位の制御効果が無いためである。
本実施例1ではcosを基準とし、系統電圧検出値Vsが以下の(31)式で表される。
Figure 2017060272
また、dq変換の定義であるが、インバータ出力電流が系統電圧検出値Vsに対して同じ位相で以下の(32)式で表される条件において、dq変換をするとd軸がプラス、q軸が零となることを想定している。
Figure 2017060272
この条件では、中性点電位に影響するのはd軸電流だけであり、q軸電流は影響しない。そのため、d軸の2次高調波指令値IDN2*は必ず零にする必要があるが、q軸の2次高調波指令値IQN2*については零でなくてもよく、例えばアクティブフィルタなど装置の目的に合わせて2次高調波指令値IQN2*を変更することもできる。
本実施形態1では電流制御インバータに適用するため、フィルタで逆相2次高調波のみを抽出しなくても上記に示すように既存電流制御ブロックとの干渉を避けることができる。その結果、抽出フィルタが不要となり応答速度が向上するため、中性点電位の安定性を向上させる効果が高くなる。
以上示したように、本実施形態1によれば、3レベルインバータの中性点電位に大きな影響を与える逆相2次高調波電流が出力することを抑制することができる。これにより、インバータの有効電力の入出力量の大小にかかわらず、先行技術にはあった中性点電位の不安定化を抑えることができる。さらに系統電圧への影響も低減することができる。 また、後述する実施形態2や実施形態3に比べ、逆相2次高調波電流は一切出力しないため、出力電流のひずみを小さくすることができる。
[実施形態2]
図5に本実施形態2のインバータ制御装置を示す。本実施形態2のインバータ制御装置は図1に以下の構成を加えたものである。
第5アンプ39は、第2ローパスフィルタLPF2の出力する中性点電位偏差信号を比例などの演算により増幅する。第1リミッタ40は、第5アンプ39の出力が設定値を超えないように制限する。第1リミッタ40の設定値は、±0.3%〜±1%である。第1リミッタ40の出力は、d軸の2次高調波指令値IDN2*となる。
第2乗算器41は、位相信号ωtを−3倍する。第3dq逆変換器42は、d軸の2次高調波指令値IDN2*と、q軸の2次高調波指令値IQN2*(実施形態1と同様、通常は零である)と、−3ωtと、を用いて基本波回転座標上の値に変換する。
第4,第5加算器43,44より、第3dq逆変換器42の出力と、d軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*を加算する。
本実施形態2の動作を説明する。本実施形態2は、中性点電位の偏差に応じてd軸の2次高調波指令値IDN2*を変化させ、既存のd軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*に重畳する方式である。
まず、直流電圧検出値VP1,VN1の差分から中性点電位の偏差を求める。偏差に第2ローパスフィルタLPF2を適用し、ノイズや不要な脈動を除去する。脈動を除去した偏差信号に第5アンプ39によりゲインGをかけて、逆相2次高調波電流の指令値に変換する。
次に、指令値に第1リミッタ40をかけ、出力電流が必要以上にひずまないようにする。この第1リミッタ40の出力がd軸の2次高調波指令値IDN2*である。得られたd軸の2次高調波指令値IDN2*は、別途用意したq軸の2次高調波指令値IQN2*とともにdq逆変換を行い、基本波回転座標上の値に変換した後、d軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*に加算する。q軸の2次高調波指令値IQN2*は零でよいが、実施形態1と同様に装置の目的に合わせて変更してもよい。
本実施形態2では、中性点電位の偏差に基づいて求めたd軸の2次高調波指令値IDN2*を用いて中性点電位を制御する機能を搭載したため、十分な中性点電位の安定化効果を得ることができる。また、実施形態1や後述する実施形態3に比べてdq変換器を1つ削減することで演算負荷を低減することができる。
本実施形態2も実施形態1と同様に特許文献1,特許文献3,特許文献4などの中性点電位制御と併用する。
これは以下の理由による。
(1)中性点電位制御を併用しない場合、インバータ出力電流が増加すると中性点電位に対する外乱も増加する。対処のため2次高調波電流を増加するとインバータ出力電流のひずみが大きくなってしまう。
(2)インバータ出力電流が増加すると従来の中性点電位制御でも十分な効果を得られる。
非特許文献1では、非特許文献1の図5に示すように過渡状態の出力電流が大きくひずんでいた。しかし、本実施形態2では、実施形態1と同様、制御に使用する逆相2次高調波電流を微量に抑えたため(特許文献1の方式の無効電流振幅の約5%)、過渡状態においても出力電流はほとんどひずむことなく中性点電位を制御できる。
以上示したように、本実施形態2によれば、実施形態1と同様の作用効果を奏する。また、無負荷や軽負荷においても、ごく微量の2次高調波電流を出力することで中性点電位を制御することができる。2レベルインバータでも1%程度の2次高調波電流を出力している場合があり、それに比べると出力電流のひずみを小さくすることができる。
また、中性点電位の偏差に応じて2次高調波を出力電流指令値にフィードフォワードで重畳するため、後述する実施形態3に比べて応答が速く、中性点電位の偏差を小さく抑えやすい利点がある。
また、実施形態1に比べ、dq変換器や積分器の個数が減少し、演算負荷が小さくなる。
さらに、本実施形態2は中性点電位を制御する効果があるため、併用する従来の中性点電位制御で重畳する電圧指令値への6次高調波を小さくすることができる。その結果、電圧指令値に余裕ができ、同じ交流電圧を出力する条件ならばインバータ直流電圧を低くすることができる。そのため、部品に必要な耐圧を低くすることができる。さらに、インバータ直流電圧を低くすることによって、インバータ内部のスイッチングデバイスのスイッチング損失を低減することができる。
[実施形態3]
図6に本実施形態3のインバータ制御部を示す。本実施形態3のインバータ制御装置は実施形態1と実施形態2を組み合わせたものである。
デッドバンド16は、第2ローパスフィルタLPF2の出力する中性点電位偏差信号を入力し、偏差があらかじめ定められた設定値よりも小さい場合は零を出力する。第5アンプ39は、デッドバンド16の出力を比例などの演算により増幅する。リミッタ40は、第5アンプ39の出力が設定値を超えないように制限する。リミッタ40がd軸の2次高調波指令値IDN2*となる。
以上のブロックで得られた2次高調波指令値IDN2*,IQN2*は、実施形態1と同様に減算器11で第2dq変換器9の出力との偏差を演算し、第3,第4アンプ13,14に出力される。
本実施形態3の動作を説明する。本実施形態3は実施形態1の構成に、実施形態2の中性点電位の偏差に応じてd軸の2次高調波指令値IDN2*を変化させる機能を追加したものである。実施形態2とは異なり逆相2次高調波に対する偏差が零となり、逆相2次高調波電流の出力を設計通りにすることができる。
また、d軸の2次高調波指令値IDN2*の演算過程でデッドバンド16を追加している。これにより、通常時(中性点電位の大きな変動がない状態、すなわち、系統電圧検出値Vsや負荷の変動がほとんどない状態)は逆相2次高調波電流を出力せず、中性点電位が大きく変動した場合のみ微量の2次高調波を出力し中性点電位を制御することができ、逆相2次高調波電流を出力する頻度を実施形態1や実施形態2よりも低減することができる。
以上示したように、本実施形態3によれば、無負荷や軽負荷においても、ごく微量の2次高調波電流を出力することで中性点電位を制御することができる。また、フィードバック制御を用いることにより2次高調波電流の指令値と実際に出力される電流との差が零になり、中性点電位の制御に使用する逆相2次高調波の振幅を意図した量にすることができ、実施形態2よりも電流ひずみを小さくすることができる。
さらに、突発的な外乱が発生し中性点電位の偏差が大きくなった場合のみ2次高調波電流の出力を限定することで、定常時の出力電流ひずみを実施形態1と同等に小さくすることができる。
また、実施形態3も、実施形態2同様に部品に必要な耐圧の削減と、スイッチング損失の低減効果を得ることができる。
[実施形態4]
図7に本実施形態4のインバータ制御装置を示す。本実施形態4はインバータ制御装置に以下の構成を加えたものである。
第2乗算器18は、位相信号ωtを4倍する。第4dq変換器19は、乗算した位相4ωtを元にインバータ出力電流検出値IINVを系統電圧検出値Vsの正相4次高調波に同期した回転座標上のd軸,q軸の4次高調波検出値に変換する。第5,第6減算器20,21において、4次高調波指令値IDP4*,IQP4*と、d軸,q軸の4次高調波検出値と、の偏差を演算する。d軸の4次高調波指令値IDP4*は0で固定である。q軸の4次高調波指令値IQP4*も通常は0とする。
第6,第7アンプ22,23は、第5,第6減算器20,21の出力を積分などの演算により増幅し正相4次高調波成分の電圧指令値を演算する。第4dq逆変換器24は、正相4次高調波成分の電圧指令値を固定座標上の値に変換する。
第4dq逆変換器24の出力は、加算器25において、逆相2次高調波成分の電圧指令値(第2dq逆変換器10の出力)と加算される。加算器25の出力と、第1dq逆変換器2の出力と、中性点電位制御部7の出力と、を第1加算器8で加算し、PWM制御部5に入力される 。
本実施形態4は、実施形態1を4次高調波まで拡張した方式である。4次高調波電流については正相が中性点電位に影響するため、第2乗算器18により位相ωtに4をかけ、第4dq変換器19により正相4次高調波電流を直流に変換し、第5減算器20,第6アンプ22により、正相4次高調波電流のd軸成分を零に制御する。また、第6減算器21,第7アンプ23により正相4次高調波電流のq軸成分を4次高調波指令値IQP4*に制御する。(通常、IQP4*=0)
これにより、中性点電位の安定性をさらに向上させることができる。第6,第7アンプ22,23のゲインIP4の設計については実施形態1のゲインIN2と同様に行うことができる。
本実施形態4は、さらに高い次数の中性点電位に影響する電流を抑制するよう拡張することもできる。しかし、中性点電位に影響する6次高調波は同相であり、3相3線式インバータでは通常発生しないため省略できる。また、これまでの検討結果より高調波電流の振幅が等しくても次数が増加するほど中性点電位に対する影響は低下し、4次では1/5に、8次では1/21になる。
したがって、制御する高調波電流の次数は2次と4次のみで十分である。 実施形態2,3についても図8,図9に示すように、本実施形態4と同様に4次高調波に対応させることもできる。しかし、中性点電位流出電流の基本波1周期の平均値INPは次数によって符号が変化することに注意する必要がある。図10に示すように、中性点電位の偏差からd軸の4次高調波指令値IDP4*を求めるゲインはマイナスでなければならない。
図8に実施形態2を4次高調波に対応した例を、図9に実施形態3を4次高調波に対応した例を示す。
以上示したように、本実施形態4によれば、 実施形態1に加え、意図しない4次高調波電流の出力による中性点電位の不安定化を抑制することができる。
[実施形態5]
図11は、本実施形態5のインバータ1台あたりの電流指令値演算ブロックを示す。本実施形態5の電流指令値演算ブロックは図1(d)のd軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*を演算するもので、以下の構成である。
第6乗算器30は、位相信号ωtを−2倍する。第5dq変換器31は、乗算した位相−2ωtに基づいて、インバータ出力電流検出値IINVを系統電圧検出値Vsの逆相2次高調波に同期した回転座標上の値に変換する。第3,第4ローパスフィルタLPF3,LPF4は、第5dq変換器31の出力信号から、基本波やその他の高調波に起因する脈動と除去する。この第6乗算器30,第5dq変換器31,第3,第4ローパスフィルタLPF3,LPF4を主として周期性外乱検出部を構成している。
周期外乱オブザーバ32は、第3,第4ローパスフィルタLPF3,LPF4の出力信号を入力し、逆相2次高調波電流の抑制に最適な2次高調波指令値IDN2*,IQN2*を出力する。
第7乗算器33は、位相信号ωtを−3倍する。第5dq逆変換器34は、2次高調波指令値IDN2*,IQN2*を位相−3ωtに基づいて基本波回転座標上の値にdq逆変換する。第5dq逆変換器34の出力は、第6,第7加算器51,52において、d軸q軸の出力電流指令値ID*,IQ*に加算され、新しいd軸,q軸出力電流指令値ID*’、IQ*’となり、図1(d)のd軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*を置き換える。
周期外乱オブザーバ32は、以下により構成される。
係数Qam,Qbmは、d軸,q軸の2次高調波指令値IDN2*,IQN2*が電流制御を経由し実際にインバータが電流を出力、それを検出して第3,第4ローパスフィルタLPF3,LPF4を通過し、周期外乱オブザーバ32に戻ってくるまでの位相遅延や振幅変化といった特性を推定した逆モデルを表している。
第8〜第11乗算器35a〜35dは、第3,第4ローパスフィルタLPF3,LPF4の出力信号と係数Qam,Qbmをそれぞれ乗算する。第8加算器36aは、第8乗算器35aの出力と第11乗算器35dの出力を反転した値を加算する。第9加算器36bは、第9乗算器35bの出力と第10乗算器35cの出力とを加算する。
第7減算器37aは、第8加算器36aの出力と、2次高調波指令値IDN2*を入力する第5ローパスフィルタLPF5の出力との偏差を演算する。第8減算器37bは、第9加算器36bの出力と、2次高調波指令値IQN2*を入力とする第6ローパスフィルタLPF6の出力との偏差を演算する。第7,第8減算器37a,37bの出力は、実システムで重畳した外乱の推定結果である。
第9,第10減算器38a,38bは、第7,第8減算器37a,37bの出力と外乱指令値(=0)との偏差を演算する。第9,第10減算器38a,38bの出力は、2次高調波指令値IDN2*,IQN2*として、周期外乱オブザーバ32から出力される。2次高調波指令値IDN2*,IQN2*は、別途、周期外乱オブザーバ32内で第5,第6ローパスフィルタLPF5,LPF6を通過し、第7減算器37a、第8減算器37bに入力する。
本実施形態5は、特許文献5の周期外乱オブザーバを用いて逆相2次高調波電流を抑制する方式である。系統の構成が複雑になると共振点が多数生じ、位相遅れの増大から制御が不安定になり、実施形態1の構成では逆に逆相2次高調波を増加させてしまう可能性が考えられる。
そこで、周期外乱オブザーバ32を使用し、係数Qam,Qbmを適切に設定することで位相遅れを打ち消し制御を安定させることができる。係数Qam,Qbmは特許文献5の実施形態7のように自動調整機能を持たせることもできる。
図11のd軸,q軸の出力電流指令値ID*’,IQ*’が、図2,図5〜図7のd軸,q軸の出力電流指令値ID*,IQ*として入力される。本実施形態5は、実施形態1と同様に逆相2次高調波電流を抑制し、中性点電位の不安定化を防ぐ機能しか無い。実施形態2や実施形態3のように、逆相2次高調波電流を用いて中性点電位を制御する機能を追加する場合は、d軸の外乱指令値を変更することにより対応できる。
以上示したように、本実施形態5によれば、 実施形態1に加え、共振点が多数ある複雑な系統に連系する場合でも逆相2次高調波電流を正しく零に制御することができる。
また、自動調整機能を追加すれば、系統の特性が大きく変動する場合でも装置を停止し係数を再設定する必要がなくなり、安定して運転を継続することができる。
以上の実施形態1〜5は電流制御インバータに適用することができる。例えば系統連系インバータに限らず、モータ駆動用インバータに適用することもできる。ただし、モータに高調波電流を流すとトルクリプル発生の原因となる。トルクリプルが一切許容できない用途であれば実施形態1,4,5を、わずかなトルクリプルなら発生しても問題ない用途であれば実施形態2や実施形態3を適用することが望ましい。
図12にPMモータ駆動用インバータに、実施形態1を適用した例を示す。位相ωtは系統電圧検出値VsのPLL出力結果からロータリーエンコーダPPの出力結果である回転角位相θに変更している。
また、一般的にモータ駆動用インバータでは回転座標のd軸を磁束軸とするため、モータの誘起電圧はq軸に同期し、系統連系インバータとは電圧軸が90degずれる。このため、一般的なモータ駆動用インバータではq軸の2次高調波指令値IQN2*を零固定とする。実施形態2や実施形態3をモータ駆動用インバータに適用する場合は、中性点電位の偏差にゲインGをかけた逆相2次高調波電流の指令値はd軸の2次高調波指令値IDN2*ではなくq軸の2次高調波指令値IQN2*となる。
なお、実施形態1〜5は、図1(a),(b)に示す構成の3レベルインバータに限らない。直流電圧部に直流コンデンサC1、C2の直列接続回路を備えている3レベルインバータであれば、本実施形態1〜5を適用できる。
INV…インバータ出力電流検出値
Vs…系統電圧検出値
ID*,IQ*…d軸,q軸の出力電流検出値
IDN2*,IQN2*…d軸,q軸の2次高調波指令値
IDP4*,IQP4*…d軸,q軸の4次高調波指令値

Claims (9)

  1. 直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、
    直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた、系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、
    インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧位相またはモータ回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、
    d軸,q軸の出力電流指令値とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、
    前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、
    前記第1,第2アンプの出力を系統電圧位相またはモータ回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、
    系統電圧位相またはモータ回転角位相を−2倍する第1乗算器と、
    インバータ出力電流検出値を、前記第1乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の2次高調波検出値を出力する第2dq変換器と、
    d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸,q軸の2次高調波検出値との偏差を演算する第3,第4減算器と、
    d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸,q軸の2次高調波検出値と、の偏差を増幅する第3,第4アンプと、
    第3,第4アンプの出力を前記第1乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第2dq逆変換器と、
    第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、
    第1dq逆変換器の出力と、第2dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、
    を備えたことを特徴とする3レベルインバータの制御装置。
  2. 直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、
    直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、
    インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、
    系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−3倍する第2乗算器と、
    前記第2乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の2次高調波指令値と固定値のq軸の2次高調波指令値、または、固定値のd軸の2次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の2次高調波指令値をdq逆変換する第3dq逆変換器と、
    前記第3dq逆変換器の出力と、d軸,q軸の出力電流指令値と、をそれぞれ加算する第2,第3加算器と、
    前記第2,第3加算器の出力とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、
    前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、
    前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、
    第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値との偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、
    第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする3レベルインバータの制御装置。
  3. 前記d軸の2次高調波指令値、または、前記q軸の2次高調波指令値は、
    前記第1,第2コンデンサの電圧検出値の偏差に応じて変化させることを特徴とする請求項1記載の3レベルインバータの制御装置。
  4. 直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2コンデンサと、
    直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、
    インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、
    d軸,q軸の出力電流指令値とd軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、
    前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、
    前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と、
    系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−2倍する第1乗算器と、
    インバータ出力電流検出値を、前記第1乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の2次高調波検出値を出力する第2dq変換器と、
    d軸,q軸の2次高調波指令値と、d軸q軸の2次高調波検出値との偏差を演算する第3,第4減算器と、
    d軸,q軸の2次高調波指令値とd軸,q軸の2次高調波検出値との偏差を増幅する第3,第4アンプと、
    第3,第4アンプの出力を前記第1乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第2dq逆変換器と、
    系統電圧の位相またはモータの回転角位相を4倍する第2乗算器と、
    インバータ出力電流検出値を、前記第2乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸の4次高調波検出値を出力する第3dq変換器と、
    d軸,q軸の4次高調波指令値と、d軸,q軸の4次高調波検出値との偏差を演算する第5,第6減算器と、
    第5,第6減算器の出力を増幅する第6,第7アンプと、
    第6,第7アンプの出力を乗算器の出力に基づいてdq逆変換する第4dq逆変換器と、
    第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、
    第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、第2dq逆変換器の出力と、第4dq逆変換器の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする3レベルインバータの制御装置。
  5. 直流端子間に直列接続され、直流端子間の直流電圧を分圧し、この分圧点を中性点とする第1,第2直流コンデンサと、
    直流電圧を交流電圧、または、交流電圧を直流電圧に変換する複数のスイッチング素子と、を備えた系統連系用またはモータドライブ用の3レベルインバータの制御装置であって、
    インバータ出力電流検出値のノイズやスイッチングリプルを除去する第1ローパスフィルタと、
    前記第1ローパスフィルタの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値に変換する第1dq変換器と、
    系統電圧の位相またはモータの回転角位相を−3倍する第3乗算器と、
    前記第3乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の2次高調波指令値と固定値のq軸の2次高調波指令値、または、固定値のd軸の2次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の2次高調波指令値をdq逆変換する第3dq逆変換器と、
    系統電圧の位相またはモータの回転角位相を3倍する第4乗算器と、
    前記第4乗算器の出力に基づいて、第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたd軸の4次高調波指令値と固定値のq軸の4次高調波指令値、または、固定値のd軸の4次高調波指令値と第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じたq軸の4次高調波指令値をdq逆変換する第5dq逆変換器と、
    d軸,q軸の出力電流指令値と、前記第3dq逆変換器の出力と、第5dq逆変換器の出力と、を加算した値と、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値との偏差をそれぞれ演算する第1,第2減算器と、
    前記第1,第2減算器で演算された偏差を増幅する第1,第2アンプと、
    前記第1,第2アンプの出力を系統電圧の位相またはモータの回転角位相に基づいてdq逆変換する第1dq逆変換器と
    第1直流コンデンサの電圧検出値と第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差である中性点電位の偏差に応じて中性点電位の偏差を低減する値を出力する中性点電位制御部と、
    第1dq逆変換器の出力と、中性点電位制御部の出力と、を加算した値に基づいてゲート指令を生成するPWM制御部と、を備えたことを特徴とする3レベルインバータの制御装置。
  6. 前記d軸の2次高調波指令値またはq軸の2次高調波指令値、および前記d軸の4次高調波指令値またはq軸の4次高調波指令値は、
    前記第1,第2直流コンデンサの電圧検出値の偏差に応じて変化させることを特徴とする請求項4記載の3レベルインバータの制御装置。
  7. インバータの出力端子をフィルタ回路を介して系統電源に接続し、
    前記dq変換器および前記dq逆変換器は、系統電圧の位相に基づいてdq変換およびdq逆変換を行うことを特徴とする請求項1〜6記載の3レベルインバータの制御装置。
  8. インバータの出力端子をモータに接続し、
    前記dq変換器および前記dq逆変換器は、モータの回転角位相に基づいてdq変換およびdq逆変換を行うことを特徴とする請求項1〜6記載の3レベルインバータの制御装置。
  9. 系統電圧位相またはモータの回転角位相を−2倍する第6乗算器と、
    インバータ出力電流検出値を第6乗算器の出力に基づいてdq変換し、d軸,q軸のインバータ出力電流検出値を出力する第5dq変換器と、
    第5dq変換器の出力から脈動を除去する第3,第4ローパスフィルタと、
    第3ローパスフィルタの出力に係数Qamを乗算する第8乗算器と、
    第3ローパスフィルタの出力に係数Qbmを乗算する第9乗算器と、
    第4ローパスフィルタの出力に係数Qamを乗算する第10乗算器と、
    第4ローパスフィルタの出力に係数Qbmを乗算する第11乗算器と、
    第8乗算器の出力と第11乗算器の出力を反転した値とを加算する第8加算器と、
    第9乗算器の出力と第10乗算器の出力とを加算する第9加算器と、
    第8,第9加算器の出力と、2次高調波指令値を入力とする第5,第6ローパスフィルタの出力と、の偏差を外乱の推定値として出力する第7,第8減算器と、
    外乱を抑制する外乱指令値と外乱の推定値との偏差をとって2次高調波指令値を算出する第9,第10減算器と、
    2次高調波指令値を入力し、第7,第8減算器に出力する第5,第6ローパスフィルタと、
    系統電圧位相またはモータの回転角位相を−3倍する第7乗算器と、
    第7乗算器の出力に基づいて、第9,第10減算器の出力をdq逆変換する第5dq逆変換器と、
    第5dq逆変換器の出力をd軸,q軸の出力電流指令値に加算し、d軸,q軸の出力電流指令値を補正する第6,第7加算器と、を備えたことを特徴とする請求項1〜8記載の3レベルインバータの制御装置。
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