JP5014614B2 - レーザ加工機光路系のシール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工機等に装備される光路系のシール装置に関する。
レーザ加工機にあっては、固定されたレーザ発振装置から出力されるレーザ光を高速で移動する加工ヘッドまで供給するレーザ光路系が装備される。
本発明を実施するレーザ加工機は、ワークを載置したパレットを収容するベッドと、ベッドの両側に設けられるガイドレールに案内されてヘッド上の長手方向に沿って高速移動するコラムと、コラム上を設けられるガイドレールに沿ってコラムの移動方向に直交する方向に高速移動する加工ヘッドを備える。
レーザ加工機に装備されるレーザ光路系は、ベッドの長手方向に沿って設けられる光路ダクトと、コラムと同期して移動し、光路ダクト内のレーザ光をミラー等でとり出してコラム側へ送るレーザ光取出し装置が配設される。
光路ダクトは、上部が開口する断面がＵ字状の部材であって、クリーンエアが供給されるとともに、内部にレーザ光が照射される。そこで、光路ダクトの上面は、スチールベルトで覆われ、レーザ光取出し装置が通過する部分のみ、スチールベルトを案内ローラで持ち上げてレーザ光を取り出す防塵装置が採用されている。
下記の特許文献は、本出願人が出願したレーザ加工機の防塵装置を開示する。
特開２００５−２９７０２９
上述した特許文献に記載されたレーザ加工機の防塵装置にあっては、クリーンエアが供給される光路ダクトの両側部に帯状の磁石を配設して、スチールベルトを吸着し、ダクト内への異物の浸入を防止する構成となっている。
しかしながら、レーザ光取出し装置の通過に伴ない、その両側から光路ダクト内に異物が浸入するおそれがある。
本発明の目的は、上述した不具合を解消するレーザ加工機のシール装置を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の光路系のシール装置は、レーザ光が通過する上部が開口する光路ダクトと、該光路ダクトの開口部を覆うスチールベルトと、上記光路ダクトの上面に配設されて上記スチールベルトの両側部を吸着する磁性ゴムベルトと、上記スチールベルトを上記光路ダクトに押圧するガイドローラと、上記レーザー光を取り出すために上記スチールベルトの下側に配設されて該スチールベルトを上昇位置に案内するストレートローラと、上記ガイドローラ及び上記ストレートローラを回転自在に支持する左右一対の開口部を有するフレームとからなり、上記光路ダクトに沿って走行しつつ上記スチールベルトを持ち上げて上昇位置に案内し、上記光路ダクトの上部開口からレーザ光を取り出すようにしたレーザ光取出し装置を備えてなるレーザ加工機に装備される光路系のシール装置であることをもって発明の前提とした上で、該シール装置は、上記光路ダクトの開口部の両側に設けられる樋と、該樋の中に充填される液体と、上記フレームの各開口部を塞ぐように上記レーザ光取出し装置の両側部にそれぞれ設けられる一対のパネルと、該パネルの先端部に形成されて上記樋内の液体に没入されるスカート部とで構成されていることをもって発明の特徴とするものである。
本発明は以上のように、レーザ光取出し装置が高速で走行する光路ダクトを液体を利用したシール装置で液封するので、クリーンエアが供給される光路ダクトへの異物の浸入を確実に防止することができる。
図１は、本発明のレーザ加工機の光路系の要部を示す斜視図、図２は光路ダクトの断面図である。
全体を符号１で示すレーザ加工機の光路系は、光路ダクト１０を備え、光路ダクト上を矢印Ａ方向に高速で移動するレーザ光取出し装置５０が装備される。レーザ光取出し装置５０には、ミラー５２等の必要な機器が搭載される。
レーザ光取出し装置５０と同じ軸上を走行するレーザ光路長補正装置７０は、固定されたレーザ光源に対してレーザ光取出し装置５０が走行することにより、変化する光路長を補正する機能を備える。
図２に示すように、光路ダクト１０は、略Ｕ字形状の断面形状を有し、内部にレーザ光が通過する空間１２が形成される。光路ダクト１０の上部は開放され、その両側の内側には、フランジ１４が設けられる。フランジ１４の上面には、例えば、磁性粉材をゴムに含浸させた磁性ゴムベルト１８が敷設される。
この磁性ゴムベルト１８は、光路ダクト１０の上部の開口部を覆うスチールベルト３０の両側下面を吸着して、光路ダクト１０内への異物の浸入を防止する。
このスチールベルト３０の上面の中央部には、ガイド用の突部３２が設けられている。この突部３２は、例えばゴム材を帯状にしてつくられ、スチールベルト３０上面に接着剤等で接着して形成することができる。
レーザ光取出し装置５０は、それぞれに開口部を有する左右一対のフレーム５１・５１に配設される６本のガイドローラを有する。スチールベルト３０の上側に配設される４本のガイドローラ６１，６２，６３，６４は、それぞれ中央部にＶ字形の溝６１ａ，６２ａ，６３ａ，６４ａを有する。
各ガイドローラの溝は、スチールベルト３０の突部３２に係合して、スチールベルト３０の横方向への移動を規制する。ガイドローラ６２，６３はスチールベルト３０を上昇させて、レーザ光を光路ダクト１０から上方に向けて取出すための隙間を形成する。このために、ガイドローラ６２のスチールベルト３０の下側には、ガイドローラ６２と協働してスチールベルトを挟んで案内するストレートローラ６５，６６が配設される。このストレートローラ６５はスチールベルトの突部のない下面に接するので、円筒形状のストレートローラが使用される。
レーザ光路長補正装置７０も同様のローラ群を備える。
図２は光路ダクト１０の断面を示す。
レーザ光取出し装置５０は、レーザ光の取出し用ミラー５２等を備え、光路ダクト１０上を高速走行する。光路ダクト１０の上部の開口端には、フランジ部１４が設けられ、光路ダクト１０の開口部を覆う図示しないスチールベルトは、レーザ光取出し装置５０の走行に伴ない上昇される。
光路ダクト１０の光路１２内には、常時クリーンエア等が導入され、光路１２内の冷却と防塵が図られる。
レーザ光取出し装置５０は、光路ダクト１０上を高速で走行するので、光路ダクト１０の上端の両側部でのシール構造を必要とする。
全体を符号１００で示すシール装置は、光路ダクト１０の側壁の外側に沿って設けられるＵ字形状の樋１１０を有する。この樋１１０内には液体１２０が充填される。この液体は不揮発性の液体であることが望ましい。
必要に応じて、樋１１０の外側にはカバー１３０が設けられ、後述するパネル１５０との間でラビリンスを構成する。
レーザ光取出し装置５０は、一対のフレーム５１・５１のそれぞれの開口部を塞ぐようにパネル１５０が固定される。このパネル１５０はカバー１３０との間でラビリンスを構成するように折り曲げられており、その先端のスカート部１５２は、樋１１０の液体１２０内に没入される。
このシール装置１００は以上の構造を備えるので、レーザ光取出し装置の両側部と光路ダクト１０の内部との間は液封作用により完全にシールされる。
レーザ加工機の光路系の要部を示す斜視図。 光路ダクトの断面図。 図２の要部の拡大図。
符号の説明
１ レーザ加工機の光路系
１０ 光路ダクト
１８ 磁性ゴムベルト
３０ スチールベルト
３２ 突部
５０ レーザ光取出し装置
５１ 開口部を有するフレーム
１００ シール装置
１１０ 樋
１２０ 液体
１５０ パネル
１５２ スカート部

Claims (3)

  1. レーザ光が通過する上部が開口する光路ダクトと、該光路ダクトの開口部を覆うスチールベルトと、上記光路ダクトの上面に配設されて上記スチールベルトの両側部を吸着する磁性ゴムベルトと、上記スチールベルトを上記光路ダクトに押圧するガイドローラと、上記レーザー光を取り出すために上記スチールベルトの下側に配設されて該スチールベルトを上昇位置に案内するストレートローラと、上記ガイドローラ及び上記ストレートローラを回転自在に支持する左右一対の開口部を有するフレームとからなり、上記光路ダクトに沿って走行しつつ上記スチールベルトを持ち上げて上昇位置に案内し、上記光路ダクトの上部開口からレーザ光を取り出すようにしたレーザ光取出し装置を備えてなるレーザ加工機に装備される光路系のシール装置であって、
    上記光路系のシール装置は、上記光路ダクトの開口部の両側に設けられる樋と、該樋の中に充填される液体と、上記フレームの各開口部を塞ぐように上記レーザ光取出し装置の両側部にそれぞれ設けられる一対のパネルと、該パネルの先端部に形成されて上記樋内の液体に没入されるスカート部とで構成されていることを特徴とするレーザ加工機光路系のシール装置。
  2. 上記樋内に充填される液体は、不揮発性の液体であることを特徴とする請求項１記載のレーザ加工機光路系のシール装置。
  3. 上記レーザ光取出し装置は、上記スチールベルトを上記光路ダクトに押圧する上記ガイドローラ及び上記スチールベルトの下側に配設されて該スチールベルトを上昇位置に案内する上記ストレートローラに加えて、上記スチールベルトの上側に配設されて該スチールベルトを上記ストレートローラとの間で挟むガイドローラを備えていることを特徴とする請求項１または２に記載のレーザ加工機光路系のシール装置。
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