JPH11778A - レーザー切断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザー切断装置のレーザー発振器の冷却及び
粉塵の吸引を合理的に行い、且つ装置全体の軽量化をは
かり円滑な稼働を実現する。 【解決手段】レール１ａに対して直交する方向に２本の
ガーター２ａ，２ｂを配置して複数の接続部材２ｃによ
って接続してフレーム２を構成し、ガーター２ａ，２ｂ
のレール１ａに対応する位置に車輪３ｂ，側面車輪３ｃ
を有する従動輪ユニット３を取り付ける。フレーム２の
上面にレーザー発振器５を取り付け、出射口５ｂ側で一
方のレールと対応する位置に集塵装置13及び冷却ユニッ
ト14を配置する。ガーター２ａに沿って横行可能なキャ
リッジ10に搭載したレーザートーチ９を結んで反転ミラ
ー７を有するレーザー光路６を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、集塵装置や冷却ユニッ
トを搭載することによって安定した集塵性能と冷却性能
を発揮させることが出来るレーザー切断装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】被切断材にレーザー光を照射して切断す
るレーザー切断装置では、被切断材の材質に関わらず切
断し得るため、広い業界で利用されている。レーザー発
振器の出力の増加に伴って切断能力が増加し、比較的厚
板を切断するメーカーでも採用されつつあり、現在では
複数台のレーザー切断装置が稼働している。

【０００３】上記出力の大きいレーザー発振器を利用し
たレーザー切断装置の構造について簡単に説明する。図
４は代表的なレーザー切断装置の構成を説明する図であ
る。図に於いて、一対のレール51ａ，51ｂが平行に敷設
されており、このレール51ａ，51ｂにレーザー切断装置
が走行可能に載置されている。

【０００４】レーザー切断装置は、レール51ａ上に配置
された台車52ａと、一方の端部が台車52ａ接続され且つ
他方の端部がレール51ｂ上に達するガーター52ｂと、台
車52ａとガーター52ｂを接続して剛性を高める剛性部材
52ｃとによって構成された架構52を有している。台車52
ａは、それ自体で充分に高い剛性を持ち、下面が開放さ
れたフレームを有しており、このフレームに２個の車輪
53、及び図示しない駆動モーターが取り付けられてい
る。またガーター52ｂの端部側にも同様な車輪53が取り
付けられている。

【０００５】台車52ａの上部にレーザー発振器54が載置
され、ガーター52ｂにレーザートーチ55を搭載して該ガ
ーター52ｂに沿って移動するキャリッジ56が設けられて
いる。そしてレーザー発振器54とレーザートーチ55を結
んでレーザー光路57が形成されている。尚、58は操作盤
である。

【０００６】上記レーザー切断装置では、台車52ａはレ
ーザー発振器54の荷重を負担する機能と、ガーター52ｂ
の一端を固定すると共に剛性部材52ｃの一端を固定する
ことでこれらの荷重を支持すると共に駆動力を伝達する
機能、及びレール51ａに沿って充分に長い寸法を持って
形成されると共に該レール51ａをガイドとして利用する
ことで移動方向の精度を保証する機能を合わせ持ってい
る。このため、台車52ａには上下方向及び水平方向の力
が作用することとなり、高い剛性を持って構成されてい
る。

【０００７】レーザー発振器54からレーザー光が出射さ
れて被切断材の切断を行っている間、レーザー発振器54
は冷却水によって冷却される。前記冷却水はホースを介
してフロア上に設置された冷却ユニットに還流し、該ユ
ニットで熱交換を行った後、再度、レーザー発振器に供
給される。また被切断材に対する切断の実行に伴って粉
塵や煙が発生するため、レールに沿ってダクトを設ける
と共にフロア上に集塵装置を設置して粉塵や煙を吸引す
るように構成したものもある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】上記の如く構成された
レーザー切断装置では、レーザー発振器と冷却ユニット
を複数本のホースで接続している。このため、ホースは
レーザー切断装置によって引きずられることとなり、該
切断装置に対する抵抗となって駆動力や精度に影響を及
ぼすという問題がある。特に、レーザー発振器の出力が
増加した場合、１台の冷却ユニットによる冷却能力では
不充分であり、２台の冷却ユニットを用いてレーザー発
振器の冷却を行うような必要が生じる。この場合、冷却
ユニットの設置数の増加に伴ってホースの数も増加する
こととなり、レーザー切断装置によるホースの牽引に伴
う諸問題が生じる。

【０００９】また切断時に発生する粉塵等を集塵する場
合にはレールの敷設長の増加に伴って集塵ファンの能力
を上昇させることが必須であり、且つ集塵装置からレー
ザー切断装置までの距離の変化に応じてダクトの損失が
変化して一定の集塵性能を維持することが困難であると
いう問題がある。

【００１０】本発明の目的は、冷却ユニットや集塵装置
をフレーム上に配置することで、ホースを牽引する必要
がなく且つ常に一定の集塵性能を発揮し得るレーザー切
断装置を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るレーザー切断装置は、平行に敷設され且
つ側面にラックを固定した一対のレール上を走行して被
切断材にレーザー光を照射して切断するレーザー切断装
置であって、前記レールに対して直交する方向に２本の
ガーターを配置すると共に前記ガーターを複数の接続部
材によって接続して構成したフレームを有し、前記フレ
ームを構成する接続部材上であって一方のガーターに接
近させてレーザー光の出射口がガーターの中央から端部
側に偏るようにしてレーザー発振器を配置し、他方のガ
ーターにレーザートーチを搭載して該ガーターに沿って
横行可能なキャリッジを配置すると共に前記キャリッジ
の横行方向と同方向に且つキャリッジの横行距離の１／
２の距離だけ移動する一対のミラーを有する反転部材を
配置して該他方のミラーに沿ってレーザー光路を形成
し、更に、フレーム上であってレーザー発振器の出射口
側のレールに対応する位置に集塵装置を配置すると共に
該集塵装置に隣設させて冷却ユニットを配置して構成さ
れるものである。

【００１２】上記レーザー切断装置では、２本のガータ
ーを複数の接続部材で接続してフレームを構成し、この
フレームを構成する一方のガーターに接近させて且つレ
ーザー光の出射口をガーターの端部側に偏るようにして
レーザー発振器を配置し、且つ他方のガーターにレーザ
ートーチを搭載したキャリッジを横行可能に配置すると
共に反転部材を配置することで、レーザー発振器と他方
のガーターの間にレーザー光路を構成することが出来、
更に、レーザー発振器を配置するに際しレーザー光の出
射口をガーターの端部側に偏らせることで、反転部材の
移動行程を保証することが出来る。即ち、反転部材はキ
ャリッジの横行方向と同方向に且つキャリッジの移動距
離の１／２の距離で移動するため、レーザー光の出射口
を一方の端部側に偏らせることで、前記反転部材の移動
距離を保証することが出来る。

【００１３】またフレーム上であって、レーザー発振器
に於けるレーザー光の出射口側のレールに対応する位置
に集塵装置を配置すると共に該集塵装置に隣設させて冷
却ユニットを配置したので、レーザー切断装置の走行位
置に関わらず、集塵装置からレーザートーチまでの距離
が一定となり、安定した集塵性能を発揮することが出
来、且つレーザー発振器及びレーザートーチに対する冷
却をフレーム上で完結することが出来るためホースを引
きずる必要がない。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、上記レーザー切断装置の好
ましい実施形態について図を用いて説明する。図１は本
実施例に係るレーザー切断装置の平面図、図２は正面図
であり、図１のII−II矢視図、図３は側面図であり、図
１の III−III 矢視図である。

【００１５】図に於いて、レーザー切断装置Ａは、平行
に敷設され夫々外側の面にラック１ｂを固着した一対の
レール１ａ上に載置されて走行し得るように構成されて
いる。レーザー切断装置Ａは、２本のガーター２ａ，２
ｂをレール１ａに対して直交する方向に配置すると共に
複数の接続部材２ｃによって接続することで梯子状に形
成されたフレーム２を有しており、このフレーム２のレ
ール１ａと対応する位置に従動輪ユニット３を取り付け
ると共にラック１ｂと対応する位置に駆動モーター４を
取り付け、更に、上面にレーザー発振器５，集塵装置13
及び冷却ユニット14を配置している。

【００１６】フレーム２を構成する２本のガーター２
ａ，２ｂは同一の仕様を有する必要はなく、負担すべき
荷重や取り付けるべき部品の寸法等に応じた寸法を持っ
て形成される。本実施例では、ガーター２ａの方がガー
ター２ｂよりも大きい寸法を有している。またガーター
２ａ，２ｂを接続する接続部材２ｃの数は特に限定する
ものではない。

【００１７】フレーム２に於いて、各ガーター２ａ，２
ｂの幅寸法及び接続部材２ｃの長さ寸法によって設定さ
れるレール１ａ方向の長さは、該フレーム２に搭載する
レーザー発振器５の幅寸法や後述するレーザー光路６に
配設される反転ミラー７等の寸法、制御盤８の寸法等を
考慮して設定される。更に、フレーム２は高速走行時に
発生する虞のある振動を防止或いは吸収し、且つレーザ
ー発振器５の荷重を支持するのに充分な剛性を持って構
成される。

【００１８】従動輪ユニット３は、各ガーター２ａ，２
ｂのレール１ａと対応する位置に取り付けられている。
即ち、フレーム２の４か所に夫々従動輪ユニット３が取
り付けられている。この従動輪ユニット３は、各ガータ
ー２ａ，２ｂの所定位置に固着されるブラケット３ａ
と、ブラケット３ａに回転可能に支持されレール１ａの
上面に接触する車輪３ｂと、ブラケット３ａに回転可能
に支持されレール１ａの側面に接触する側面車輪３ｃか
らなり、側面車輪３ｃはレール１ａを挟んで一対設けら
れている。

【００１９】各ガーター２ａ，２ｂに従動輪ユニット３
を取り付けたフレーム２は、一対のレール１ａの夫々の
側面であって且つレール１ａに沿った方向に充分に離隔
した位置に側面車輪３ｃが接触するため、円滑で且つ精
度の高い走行を実現することが可能である。

【００２０】駆動モーター４は各ガーター２ａ，２ｂの
間で且つレール１ａに固着したラック１ｂに対応する位
置に設けられている。この駆動モーター４にはピニオン
４ａが固着されており、該ピニオン４ａがラック１ｂに
噛合している。従って、駆動モーター４の回転を制御す
ることで、フレーム２（レーザー切断装置Ａ）をレール
１ａに沿って走行させることが可能である。

【００２１】レーザー発振器５は長手方向がレール１ａ
と直交する方向に配置されると共に本体部５ａが接続部
材２ｃ上に載置され、且つレーザー光の出射口５ｂがレ
ーザー切断装置Ａに於ける有効切断幅の中央から何れか
の方向に偏った位置にあるように配置されている。

【００２２】レーザー発振器５の出射口５ｂを始点とし
てレーザー光路６が形成されている。このレーザー光路
６はレーザー発振器５とレーザートーチ９の間に形成さ
れるものであり、フレーム２に於けるレーザートーチ９
の位置に関わらず該トーチ９とレーザー発振器５の間の
距離を一定に維持するための反転ミラー７が設けられて
いる。

【００２３】レーザートーチ９はフレーム２を構成する
ガーター２ａに沿って横行可能に設けたキャリッジ10に
搭載されている。従って、キャリッジ10に設けた横駆動
モーター11の回転を制御することで、ガーター２ａに沿
ってレール１ａに対し直交する方向に横行させることが
可能である。

【００２４】キャリッジ10がガーター２ａに沿って横行
し得るように構成されるため、レーザー光路６もガータ
ー２ａを利用して形成される。即ち、レーザー光路６は
レーザー発振器５の出射口５ｂからガーター２ａに沿っ
て該発振器５の反対方向に戻り、反転ミラー７によって
反転して再度ガーター２ａに沿ってレーザー発振器５の
出射口５ｂの方向に方向変換してレーザートーチ９に入
射し得るように形成されている。そして反転ミラー７は
ガーター２ａに沿ってキャリッジ10の移動量の１／２の
移動量で移動し得るように構成されている。

【００２５】尚、図１，図２にはレーザートーチ９が２
本描かれているが、これは１本のレーザートーチ９が被
切断材に対する有効切断の両端に位置したときの反転ミ
ラー７の位置を示すために便宜的に記載したものであ
り、本実施例のレーザー切断装置Ａでは１本のレーザー
トーチ９を用いて構成されている。

【００２６】従って、フレーム２に設けた駆動モーター
４と、キャリッジ10に設けた横駆動モーター11の回転を
制御することによって、キャリッジ10に搭載したレーザ
ートーチ９を二次元的に移動させつつ、該トーチ９から
図示しない被切断材に向けてレーザー光を照射すると共
にアシストガスを噴射させることで所望の形状に切断す
ることが可能である。

【００２７】制御盤８にはレーザー切断装置Ａを数値制
御（ＮＣ）するＮＣ制御装置が組み込まれており、操作
盤８ａによって被切断材の材質，厚さ等の情報や切断す
べき図形の情報を入力して材料取りを行った後、駆動を
開始することで、モーター４及び横駆動モーター11、レ
ーザー発振器５によるレーザー光の出射等が適宜制御さ
れ、これにより、被切断材に対する切断が実施される。
尚、図に於いて、12はレーザー光路６を覆う布製のカバ
ーである。

【００２８】集塵装置13は被切断材の切断に伴って発生
する粉塵を吸引して作業環境を向上させるものであり、
フレーム２のレーザー発振器５の出射口５ｂ側のレール
１ａに対応する位置に配置されている。この集塵装置13
は、フレーム２を構成するガーター２ｂ上に固定された
装置本体13ａと、該本体13ａからフレーム２に沿って延
設されたダクト13ｂとを有しており、ダクト13ｂの先端
には吸引口13ｃがレーザートーチ９と対向するように設
けられている。

【００２９】上記の如く、フレーム２上に集塵装置13を
配置することによって、該集塵装置13からレーザートー
チ９までの距離は一定となり、従って、集塵装置13作動
時のダクト13ｂに於ける損失が一定になって常に安定し
た吸引を行うことが可能である。

【００３０】冷却ユニット14はレーザー発振器５に冷却
水を供給して該発振器５の作動時に発生する熱を交換す
るものである。この冷却ユニット14は、フレーム２を構
成するガーター２ｂ上であって集塵装置13に隣設して配
置されている。従って、冷却ユニット14はレーザー発振
器５の出射口５ｂ側に配置され、該レーザー発振器５と
の間に冷却水の供給及び戻り用の複数のホース14ａが接
続されている。

【００３１】上記の如く、フレーム２に冷却ユニット14
を配置することによって、該ユニット14とレーザー発振
器５との距離が極めて短くなり、ホース14ａに於ける損
失が一定で且つ小さくなる。従って、冷却ユニット14に
よる冷却効率を向上させることが可能となる。

【００３２】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
レーザー切断装置では、レールに対し直交する方向に２
本のガーターを配置すると共に複数の接続部材で接続し
てフレームを構成し、且つ従動輪ユニットが各ガーター
のレールに対応する位置に取り付けられている。このた
め、従動輪ユニットを構成する側面車輪が各ガーターの
離隔距離に対応する４位置でレールの側面と接触して案
内するため、レーザー切断装置の円滑な走行を実現する
ことが出来る。

【００３３】またフレーム上に、レーザー発振器をガー
ターと平行に配置し且つ出射口をガーターの中央よりも
一方側に偏らせ、且つ前記出射口側に集塵装置を配置す
ると共に該集塵装置に隣設させて冷却ユニットを配置し
たので、レーザー発振器，集塵装置，冷却ユニットをフ
レームの長手方向に分散させて配置することになり、こ
れらの荷重をフレーム全体で合理的に負担することが出
来る。従って、フレームの剛性を高める必要があるもの
の、従来の架構のように台車を設ける必要がなく、レー
ザー切断装置全体としての軽量化をはかることが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係るレーザー切断装置の平面図であ
る。

【図２】正面図であり、図１のII−II矢視図である。

【図３】側面図であり、図１の III−III 矢視図であ
る。

【図４】従来のレーザー切断装置の例を説明する図であ
る。

【符号の説明】

Ａ レーザー切断装置 １ａ レール １ｂ ラック ２ フレーム ２ａ，２ｂ ガーター ２ｃ 接続部材 ３ 従動輪ユニット ３ａ ブラケット ３ｂ 車輪 ３ｃ 側面車輪 ４ 駆動モーター ４ａ ピニオン ５ レーザー発振器 ５ａ 本体部 ５ｂ 出射口 ６ レーザー光路 ７ 反転ミラー ８ 制御盤 ８ａ 操作盤 ９ レーザートーチ 10 キャリッジ 11 横駆動モーター 12 カバー 13 集塵装置 14 冷却ユニット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 平行に敷設され且つ側面にラックを固定
   した一対のレール上を走行して被切断材にレーザー光を
   照射して切断するレーザー切断装置であって、前記レー
   ルに対して直交する方向に２本のガーターを配置すると
   共に前記ガーターを複数の接続部材によって接続して構
   成したフレームを有し、前記フレームを構成する接続部
   材上であって一方のガーターに接近させてレーザー光の
   出射口がガーターの中央から端部側に偏るようにしてレ
   ーザー発振器を配置し、他方のガーターにレーザートー
   チを搭載して該ガーターに沿って横行可能なキャリッジ
   を配置すると共に前記キャリッジの横行方向と同方向に
   且つキャリッジの横行距離の１／２の距離だけ移動する
   一対のミラーを有する反転部材を配置して該他方のミラ
   ーに沿ってレーザー光路を形成し、更に、フレーム上で
   あってレーザー発振器の出射口側のレールに対応する位
   置に集塵装置を配置すると共に該集塵装置に隣設させて
   冷却ユニットを配置したことを特徴とするレーザー切断
   装置。