JP5011815B2 - ブラシレスdcモータの制御装置およびそれを搭載した換気送風機 - Google Patents

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Description

換気送風機、例えば、携帯基地局等の機器冷却に用いられる熱交換型冷却機に使用されるブラシレスDCモータの制御装置に係り、矩形波の通電期間を長くして通電重なり期間を設けた広角通電で回転させる制御装置において、位置センサを用いることなくセンサレス制御によりモータ電流の転流タイミングを制御する共に、モータ電流の大きさを制限し、過電流による磁石の減磁等のない保護制御に関するものである。
従来、この種の換気送風機は、24時間365日の連続換気と、換気量の調節のため、効率が高く、回転数が連続的に変更できるブラシレスDCモータが採用されている。また、換気送風機やブラシレスDCモータの低コスト化、小型化、高信頼性が求められている。
例えば、具体的に熱交換型冷却機では、発熱体収納箱内の空気を取込んだ後、熱交換素子内を通過させて熱交換させ、再び発熱体収納箱内に戻し循環させる内気風路と、外気を取込み、熱交換素子内を通過させて熱交換させた後、再び外気に排出する外気風路を有しこれら両風路は仕切板にて独立しており、それぞれの風路内には、それぞれの空気を搬送する送風機が設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
通常このような構成の熱交換型冷却機は、携帯基地局等の冷却に使用され、携帯基地局本体側から、熱交換型冷却機に直流の低圧電源が供給され、ブラシレスDCモータを搭載した送風機等を駆動している。
以下、その熱交換型冷却機の動作について、図15を参照しながら説明する。
図に示すように、発熱体収納箱101内の熱せられた空気(以下、これを内気と称する)は熱交換型冷却機102の内気吸込口103より、室内側ブラシレスDCモータ104を搭載した室内側送風機105によって吸込まれ、熱交換素子106を通過したのち、内気吐出口107より発熱体収納箱101内に戻る循環風路を循環している。一方、室外側ブラシレスDCモータ108を搭載した室外側送風機109によって、外気吸込口110より吸込まれた外気は、熱交換素子106を通過したのち、外気吹出口111より、外気に再度排出されている。内気風路と外気風路は仕切板112によって両風路が独立するよう略気密状態に仕切られ、また内気風路と外気風路の交点には外気と内気の顕熱を交換する熱交換素子106が配置されている。上記構成により、熱交換型冷却機102は、低温外気を取り入れ、発熱体収納箱101内部の暖かい空気との間で熱交換素子106にて熱交換をおこない、暖かくなった外気は排気し、冷たくなった空気を箱内に給気する。
また、室内側ブラシレスDCモータ104および室外側ブラシレスDCモータ108は、通常ホール素子等の磁極センサを内蔵したブラシレスDCモータを使用し、そのブラシレスDCモータを駆動する制御装置113は、基地局を設置する場所の低温外気や粉塵の影響を受けないように、熱交換型冷却機102の内気風路内に設置され、外気にさらされる室外側ブラシレスDCモータ108とは、長い中継の動力リード線114とセンサ信号リード線115とで接続されている。制御装置113には、発熱体収納箱101内等に設置された低圧の直流電源116より、駆動電力が供給されている。
また、ブラシレスDCモータのセンサレス制御は、モータ駆動中の固定子巻線に誘起される誘起電圧と界磁との相関に着目して、誘起電圧に基づいてモータの転流タイミングを
決定する制御方式や直流電源からインバータ回路に供給される電流値の時間に対する変化率に基づいて回転子の磁極位置を推定することによって、モータの転流タイミングを決定するセンサレス制御方式が知られている(例えば、特許文献2参照)。
以下、そのブラシレスDCモータの制御装置の動作について、図16を参照しながら説明する。
図16に示すように、インバータ回路117は3相インバータブリッジの構成であり、Q1,Q2,Q3はそれぞれU,V,W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4,Q5,Q6はそれぞれU,V,W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列に還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6を接続する。ブラシレスDCモータ118は回転子119と固定子120から構成され、固定子120には電気角で120度の位相差を持つように固定子巻線L1,L2,L3が配置される。直流電源116とスイッチング素子の間には、図示するように直流電源116より供給されるブラシレスDCモータの電流値を検出する電流検出抵抗121を配置する。電流検出抵抗121の端子間電圧をマイクロコンピュータ122に内蔵されているA/D変換器123に入力する。演算器124はA/D変換器123でデジタル化した電流値を参照してモータ電流の相転流タイミングを計算し、インバータを制御するスイッチング信号、U+,V+,W+,U−,V−,W−を出力する。ドライブ回路125は演算器124から出力されるスイッチング信号に基づいて、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6をそれぞれ120度毎に通電して駆動されている。
直流電源116から出力される電流の時間に対する変化率の極性を検出し、この極性が変化した時刻、つまり、電流が極小になった時刻に基づいて回転子の磁極位置を推定し、該検出信号に基づいて極性の反転時刻を計測し、該時刻から回転子の磁極位置の推定を行い、転流タイミングを得るものである。
また、ブラシレスDCモータの過電流保護は、直流電源からインバータ回路に供給される電流を検出する電流検出抵抗を設け、電流検出抵抗の端子間電圧と基準電圧をコンパレータにより検出し、電流が電流しきい値よりも大きい時はスイッチング素子をオフして電流が電流しきい値をこえないように制御を行う制御方式が知られている(例えば、特許文献3参照)。
以下、そのブラシレスDCモータの過電流保護の動作について、図17を参照しながら説明する。
図17に示すように、直流電源からインバータ回路に供給される電流を検出する電流検出抵抗の端子間電圧と電流しきい値すなわち基準電圧を示す。電流検出抵抗の両端電圧と基準電圧をコンパレータで比較を行い、基準電圧を越えた時はスイッチング素子をオフし、モータ電流の増加を押さえ、モータ電流を減少させるように制御を行い、過電流保護を行うものである。
特開2001−156478号公報 特開平8−126379号公報 特開平6−351285号公報
このような従来の構成では、ブラシレスDCモータに磁気センサを搭載する場合、室外側ブラシレスDCモータの内蔵する磁気センサと制御装置を長い中継リード線で接続するため、センサ信号の中継リード線がノイズの影響を受け易く、誤動作しやすくなると共に
、熱交換型冷却機内の配線作業も複雑で手間がかかり、高コストの冷却機になるという課題があり、また、磁気センサをDCモータに内蔵するため、DCモータの寸法が厚くなり、装置が小型化出来ないという課題があった。
また、ブラシレスDCモータのセンサレス駆動の場合、電流値の極小になる時刻が、すなわち誘起電圧が最大となる時刻と等しいとして、磁極位置を推定して転流タイミングを決定しているが、広角通電の場合電流波形が違い、電流値が最小にならない。従って、誘起電圧が最大になる時刻を推定することができず、磁極位置を把握することが困難となるため、DCモータを駆動することが出来ないという課題があった。
また、このような従来の構成では、120度矩形波通電に関するものであり、トルクの脈動が多いために装置との共振によって騒音が発生するという課題があった。
また、起動時の加速や直流電源の急激な電圧変動等の外乱によりインバータ回路に供給されている電流値の変動が著しい場合、過大な電流がインバータ回路やブラシレスDCモータに流れ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率が低下する課題があった。これを防止するためにある一定値以上の電流を流さないように保護制御を行うと、電流波形が変形するために、トルクの脈動が多くなり、装置との共振によって騒音が発生する課題があった。また、磁極位置を正確に推定することが困難となり、脱調を引き起こしてブラシレスDCモータが停止する可能性が大きくなったり、電流が大きくなって効率が低下するという課題があった。
また、ブラシレスDCモータの過電流保護の場合、コンパレータ回路が必要のため、部品及び回路スペースを必要とし、低コスト化及び小型化に課題があった。
従って、正確に磁極位置、すなわち位相の推定を行うと共に過電流を保護して広角通電でセンサレス駆動でき、小型、低コストで低騒音にすることができるブラシレスDCモータの制御装置が求められている。
ここで、本願出願人は特願2006−026825に記載する、矩形波の通電期間を120度以上に長くし、通電重なり期間を設けた広角通電で回転させるDCブラシレスモータのセンサレス駆動回路を発明した。直流電源からインバータ回路に供給される電流値により得られた電流波形に基づいて、ブラシレスDCモータの固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相を推定し、目標位相に追従するように転流タイミングを制御するものである。センサ信号のリード線を無くすことにより、動作の信頼性を高め、低コストと装置の小型化を実現すると共に、駆動トルクのリップルを少なくし、振動や騒音を少なくしたものである。
以下、その動作について、図18及び図19を参照しながら説明する。図18に示すように、直流電源116からインバータ回路117に供給される電流値を検出する電流検出抵抗121を配置する。電流検出抵抗121の端子間電圧をマイクロコンピュータ122に内蔵されているA/D変換器123に入力する。位相推定手段126はA/D変換器123でデジタル化した電流値から電流の時間に対する電流変化率を演算し、あらかじめ記憶しておいたインバータ回路117に供給される電流値の電流変化率と固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係から、位相を推定する。転流タイミング決定手段127は、位相推定手段126から得られた位相と目標位相を比較し、位相差に基づいてモータ電流の相転流タイミングを計算し、インバータを制御するスイッチング信号、U+,V+,W+,U−,V−,W−を出力する。ドライブ回路125は転流タイミング決定手段127から出力されるスイッチング信号に基づいて、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6をそれぞれスイッチングし、150度の広角通電により駆動されている。
図19(a)は150度の通電期間を持った広角通電の具体的なU+,V+,W+,U−,V−,W−のスイッチング信号、通電期間、通電重なり期間および通電の重ならない期間を示している。図19(b)は具体的な電流検出抵抗の検知する電流波形を示している。電流波形は、周期性を持っており、電気角60度で1周期となり、1周期の期間の中で通電重なり期間、通電の重ならない期間が交互に存在している。
このような構成にすることにより、ブラシレスDCモータの制御装置は、複雑な位相の推定回路を必要とせず、安価なマイコンを使用して広角通電でセンサレス駆動が可能となるため、小型、低コストで低騒音にすることができた。また、センサ信号のリード線が不要になるためノイズの影響を排除できると共に、軽負荷、重負荷など負荷の大きさが変化しても、負荷変動に応じて常に最適な位相にすることが可能となり、外乱等により負荷変動が大きい場合においても脱調することが無いので、信頼性が高く高効率にすることができた。また、磁気センサが不要になるので、ブラシレスDCモータを小型化、低コスト化できると共に、センサ信号のリード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、小型で低コストの換気送風装置、例えば、具体的に熱交換型冷却機にすることができた。
本発明は、このような従来の課題を解決し、さらに機能向上を図るもので、起動時の負荷変動や、電源ノイズによる直流電源の急激な電圧変動等の外乱によりインバータ回路に供給されている電流値の変動が著しくあった場合においても、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、また、騒音の発生や脱調することが防止できると共に、コンパレータ回路を不要とし、小型、低コストで低騒音にすることができる信頼性の高い広角通電のセンサレス駆動によるブラシレスDCモータの制御装置を提供することを目的としている。
本発明のブラシレスDCモータの制御装置は、上記目的を達成するために、直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された回転子と固定子巻線を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオン・オフさせ、オンの期間を電気角で120度以上長くして通電重なり期間を設けて広角通電で回転させる制御装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給される電流を検出する電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗より出力される電流値により得られる電流波形において、前記通電重なり期間ではない通電の重ならない期間のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比である電流変化率と前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係をあらかじめ記憶し、この位相関係から前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する前記固定子巻線に印加する電圧との位相を推定する位相推定手段と、前記位相推定手段によって推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定する転流タイミング決定手段と、前記電流検出抵抗より出力された電流値があらかじめ定められた電流制限値を越えないようにモータに印加される電圧を制御する電流制限手段を有することを特徴とするブラシレスDCモータの制御装置としたものである。
これにより、インバータ回路に流れる電流値を電流検出抵抗から直接電流値として検出して、広角通電における位相の検出が正確にできると共に、あらかじめ定められた電流しきい値以上に電流が越えないようにモータに印加される電圧を制御することが可能になると共にコンパレータ回路が不要な小型、低コストで低騒音にすることができるブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた電流しきい値に対してインバータ回路に流れる電流が大きい場合、その差に応じて、モータに印加される電圧を下げる電圧値を変えるようにしたものである。
これにより、電流しきい値を越えた電流の大きさにより、モータに印加される電圧を下げる電圧値を変えることができ、急激な負荷変動等によりモータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石の減磁をしにくくし、ブラシレスDCモータの効率の低下を防止することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行うようにしたものである。
これにより、電流波形が変形せずに正確に検出できるので、磁極位置が正確に推定でき、ブラシレスDCモータの効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、インバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行うようにしたものである。
これにより、電流波形が変形せずに正確に検出できるので、磁極位置が正確に推定でき、ブラシレスDCモータの効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、起動時は、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行い、運転時は、電流の平均値により制御を行い、起動時と運転時で制御を変えるようにしたものである。
これにより、スイッチング素子の破損や回転子の磁石が減磁するおそれが高い起動時には、電流の最大値で電流を抑え、運転時は、より電流値のばらつきが少なく安定して電流を抑えるようにすることができ、起動時において過大な電流が継続して発生することを防止すると共に、十分な起動トルクが得られる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、運転時はインバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行い、あらかじめ定められた電流しきい値を越えた時は、電流の最大値により制御を行い、モータ負荷の変化に応じて制御を変えるようにしたものである。
これにより、急激な負荷変動等により、電流が増加して電流しきい値を越えた時は、電流の最大値で電流を抑えることができ、モータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1の電流しきい値よりも大きな第2の電流しきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2の電流しきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして第2の電流しきい値以上電流が大きくならないようにするようにしたものである。
これにより、負荷変動等により、電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えた時は、スイッチング素子をオフして電流をシャットダウンし、第2の電流しきい値以上の電流が流れないようにすることができ、確実にモータに過大な電流が流れることを防止することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、あらかじめ定められた第1の電流しきい値よりも大きな第2の電流しきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2の電流しきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして、モータに印加される電圧を下げる電圧値をあらかじめ定められた第1の電流しきい値で変更する値より大きく変更するとしたものである。
これにより、負荷変動等により、電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えた時は、スイッチング素子をオフして電流をシャットダウンし、第2の電流しきい値以上の電流が流れないようにすると共に、モータに印加される電圧を下げる電圧値をあらかじめ定められた第1の電流しきい値で変更する値より更に大きく変更するので、確実にモータに過大な電流が流れることを防止すると共に駆動を継続することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、インバータ回路に流れる電流があらかじめ定められた第2のしきい値を越えた場合、そのタイミングが予め定められたタイミングより早い時は、モータに印加する電圧を停止するようにしたものである。
これにより、モータが急激に拘束したり、直流電源の電圧の急変により、急激に電流値が大きくなった場合、モータ電圧の供給を停止して、モータ電流を無くすことが可能となり、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、確実にモータに過大な電流が流れることを防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、位相推定に利用する電流値があらかじめ定められた第2の電流値を超えている場合、モータに印加する電圧を停止するようにしたものである。
これにより、モータが急激に拘束したり、直流電源の電圧の急変により、急激に電流値が大きくなった場合、モータ電圧の供給を停止して、モータ電流を無くすことが可能となり、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、確実にモータに過大な電流が流れることを防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
また、他の手段は、ブラシレスDCモータの制御装置を換気送風機、例えば、熱交換型冷却機に搭載したものである。
これにより、内気風路側に設置された制御手段との接続に使用するセンサ信号の中継リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、小型で低コストになり、また、センサ信号線へのノイズによる誤動作の影響がないため、信頼性の高い換気送風機、例えば、熱交換型冷却機が得られる。
本発明によれば、広角通電のセンサレス駆動において、起動時の加速や直流電源の急激な電圧変動等の外乱によりインバータ回路に供給される電流値の変動が著しくあった場合、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、騒音の発生や脱調することが防止できると共に、コンパレータ回路を不要とし、小型、低コストで低騒音にすることができる信頼性の高い広角通電のセンサレス駆動によるブラシレスDCモータの制御装置及び換気送風機、例えば、具体的に熱交換型冷却機を提供できる。
本発明の実施の形態1のブラシレスDCモータの制御装置のブロック図 同位相推定手段による位相推定方法の説明図((a)目標位相時の電流波形、(b)進み位相時の電流波形、(c)遅れ位相時の電流波形) 同位相と電流変化率の相関特性図 同位相と電流変化率を簡略化した相関図 同電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態2の位相推定手段による位相推定方法の説明図 本発明の実施の形態2の位相推定手段による通電の重ならない期間と重なる期間で推定した場合の差を示す説明図 本発明の実施の形態3の電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態4の電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態5の電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態8の電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態10電流制限手段による電流制限方法の説明図((a)あらかじめ定められたタイミングより遅い場合、(b)あらかじめ定められたタイミングより早い場合) 本発明の実施の形態11電流制限手段による電流制限方法の説明図 本発明の実施の形態12のブラシレスDCモータの制御装置を搭載した熱交換型冷却機の構造を示す概略断面図 従来の熱交換型冷却機の構造を示す概略断面図 従来のブラシレスDCモータの制御装置のブロック図 従来の電流制限方法の説明図 特願2006−026825の広角通電で回転させるDCブラシレスモータのセンサレス駆動回路のブロック図 同150度の通電期間を持った広角通電の具体的な波形の説明図((a)スイッチング信号、(b)電流検出抵抗の検知する電流波形)
本発明の請求項1記載の発明は、直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された回転子と固定子巻線を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオン・オフさせ、オンの期間を電気角で120度以上長くして通電重なり期間を設けて広角通電で回転させる制御装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給される電流を検出する電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗より出力される電流値により得られる電流波形において、前記通電重なり期間ではない通電の重ならない期間のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比である電流変化率と前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係をあらかじめ記憶し、この位相関係から前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する前記固定子巻線に印加する電圧との位相を推定する位相推定手段と、前記位相推定手段によって推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定する転流タイミング決定手段と、前記電流検出抵抗より出力された電流値があらかじめ定められた電流制限値を越えないようにモータに印加される電圧を制御する電流制限手段を有するものであり、インバータ回路に流れる電流を検出して位相を推定すると共に、あらかじめ定められた電流しきい値以上の電流を越えないようにモータに印加される電圧を制御することができ、確実な位相推定と電流制限を両立させることが可能となり、インバータ回路に流れる電流値を電流検出抵抗から直接電流値として検出して位相を推定し、あらかじめ定められた電流しきい値以上に電流が越えないようにモータに印加される電圧を制御することが可能になると共に、コンパレータ回路が不要になり、小型、低コストで低騒音にできるブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1に記載の発明において、位相推定手段を、電流検出抵抗より出力される電流値において、通電重なり期間ではない通電の重ならない期間に、あらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比を電流変化率として算出し、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相との相関曲線をあらかじめ記憶したものである。
これにより、広角通電における位相の検出が正確にできると共に、あらかじめ定められた電流しきい値以上に電流が越えないようにモータに印加される電圧を制御することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、あらかじめ定められた電流しきい値に対してインバータ回路に流れる電流との差に応じて、モータに印加される電圧を下げる電圧値を変更するようにしたものであり、電流しきい値を越えた電流の大きさに応応じて、モータに印加される電圧を下げる電圧値を変えることができ、急激な負荷変動等によりモータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石の減磁をしにくくすることができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1及至のいずれかに記載の発明において、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行うようにしたものであり、電流波形が変形せずに正確に検出できるので、磁極位置が正確に推定でき、ブラシレスDCモータの効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1及至のいずれかに記載の発明において、インバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行うようにしたものであり、平均化することによりばらつきが少なく安定してモータ電流を抑えることができ、モータ効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1及至いずれかに記載の発明において、起動時は、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行い、運転時は、電流の平均値により制御を行い、起動時と運転時で制御を変えるようにしたものであり、スイッチング素子の破損や回転子の磁石が減磁するおそれが高い起動時には、電流の最大値で電流を抑え、運転時は、より電流値のばらつきが少なく安定してモータ電流を抑えることができ、起動時において過大な電流が継続して発生することを防止すると共に、十分な起動トルクを得ることができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項1及至のいずれかに記載の発明において、運転時はインバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行い、あらかじめ定められた電流しきい値を越えた時は、電流の最大値により制御を行い、モータ負荷の変化に応じて制御を変えるようにしたものであり、急激な負荷変動等により、電流が増加して電流しきい値を越えた時は、電流の最大値で電流を抑えることができ、モータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項及至のいずれかに記載の発明において、あらかじめ定められた第1の電流しきい値よりも大きな第2の電流しきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2の電流しきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして第2の電流しきい値以上の電流が流れないようにしたものであり、負荷変動等により、電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えた時は、スイッチング素子をオフして電流をシャットダウンし、第2の電流しきい値以上の電流が流れないようにすることができ、確実にモータに過大な電流が流れることを防止することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項記載の発明は、請求項及至のいずれかに記載の発明において、インバータ回路に流れる電流が第2の電流しきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして第2の電流しきい値以上電流が大きくならないように制御すると共に、モータに印加される電圧を下げる電圧値をあらかじめ定められた第1の電流しきい値で変更する値より大きく変更するようにしたものであり、電源電圧の変動により電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えスイッチング素子をオフして電流をシャットダウンした場合、モータに印加される電圧を下げる電圧値をあらかじめ定められた第1の電流しきい値で変更する値より大きく変更し、インバータ回路に流れる電流を早く小さくして電流波形が変形しないようにし、位相推定手段における位相の推定を確実に行うものであり、過電流保護が働いても素早くンバータ回路に流れる電流の変形を無くし、過電流保護が働いている時も位相推定が確実にできる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項10記載の発明は、請求項乃至記載の発明において、らかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を越えた場合、そのタイミングが予め定められたタイミングより早い場合は、モータを停止させるようにしたものであり、モータが急激にロックしたり、直流電源の電圧の急変により、急激に電流値が大きくなった場合、モータ電圧の供給を停止して、モータ電流を無くすことができ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、確実にモータに過大な電流が流れることを防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項11記載の発明は、請求項乃至10に記載の発明において、流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、位相を推定する期間において、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を超えた場合、モータを停止させるようにしたものであり、直流電源の急激な電圧の変動等により、モータ電流値が大幅に増加した場合、モータを停止させ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、確実にモータに過大な電流が流れることを防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が実現できる。
本発明の請求項12記載の発明は、請求項1乃至11に記載の発明において、ブラシレスDCモータの制御装置を換気送風機、例えば、具体的に熱交換型冷却機に搭載したものであり、内気風路側に設置された制御手段との接続に使用するセンサ信号の中継リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、小型で低コストになり、また、センサ信号線へのノイズによる誤動作の影響がないため、信頼性の高い換気送風機、例えば、熱交換型冷却機が実現できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、インバータ回路1は3相インバータブリッジの構成であり、Q1,Q2,Q3はそれぞれU,V,W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4,Q5,Q6はそれぞれU,V,W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列に還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6を接続する。ブラシレスDCモータ2は回転子3と固定子4から構成され、固定子4には電気角で120度の位相差を持つように固定子巻線L1,L2,L3が配置される。直流電源5とスイッチング素子の間には、図示するように直流電源5の出力電流を検出する電流検出抵抗6を配置する。電流検出抵抗6の端子間電圧をマイクロコンピュータ7に内蔵されているA/D変換器8に入力する。位相推定手段9はA/D変換器8でデジタル化した電流値から電流の時間に対する電流変化率を演算し、あらかじめ記憶しておいたインバータ回路1に供給される電流値の電流変化率と固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係から、位相を推定する。転流タイミング決定手段10は、位相推定手段9から得られた位相と目標位相を比較し、位相差に基づいてモータ電流の相転流タイミングを計算し、インバータを制御するスイッチング信号、U+,V+,W+,U−,V−,W−を出力する。電流制限手段11はA/D変換器8でデジタル化した電流値とあらかじめ定められた電流しきい値と比較を行い、電流しきい値を越えた時はスイッチング素子をオフするようにスイッチング信号、U+,V+,W+,U−,V−,W−を制御し、モータ電流の増加を押さえ、モータ電流を減少させるようにして過電流保護を行う。
ドライブ回路12は電流制御手段11から出力されるスイッチング信号に基づいて、スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6をそれぞれスイッチングし、150度の広角通電により駆動する。
位相推定手段9、転流タイミング決定手段10、電流制御手段11、ドライブ回路12はマイクロコンピュータ7に内蔵されている。
制御装置13は、インバータ回路1、電流検出抵抗6、マイクロコンピュータ7からなる。
次に位相推定の方法について説明する。図2(a)は150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。図において、転流周期の任意の2点、すなわちI1,I2における電流値をA/D変換し、I1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
Ihi=I2の電流値/I1の電流値・・・(式1)
トルクを一定にして、固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相を例えば−30度から20度まで変化させた時の電流変化率を式1により求めると、図3のような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係が得られる。
この位相関係から、図4に示すような電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相関係に簡略化し、これをあらかじめ記憶しておく。従って、式1で得られた電流変化率から図4を用いて現在の位相を得ることができる。
図2(b)は、目標とする位相に対して転流タイミングが早い時の電流波形を示している。この場合において、式1により得られた電流変化率Ihiを1.012とすると、図4から−5度の位相であると推定でき、目標位相を0度とすると、目標位相に対する位相差は−5度であり、目標位相に対して進み位相であると判別できる。その位相差に応じて、次回の転流タイミングを遅らすことによって、電流波形を破線に近づけ、目標位相での運転を可能にする。
一方、図2(c)は、目標とする位相に対して転流タイミングが遅い時の電流波形を示している。破線は目標としている位相の場合の電流波形を示している。この場合において、式1により得られた電流変化率Ihiを0.963とすると、図4から5度の位相であると推定でき、目標位相を0度とすると、目標位相に対する位相差は5度であり、目標位相に対して遅れ位相であると判別でき、その位相差に応じて、次回の転流タイミングを早めることによって、電流波形を破線の波形に近づけ、目標位相での運転を可能にする。
次に電流制限の方法について説明する。図5は150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。図において、位相を検出する以外の任意のタイミングの1点、すなわちI3における電流値をA/D変換し、電流しきい値Iaと比較を行い電流しきい値Iaよりも大きくなった時、電気角60度の1周期の期間毎にデューティを細く、モータ印加電圧Vmを下げていくことにより電流の増加を防止し、電流しきい値Iaを越えないように制御を行う。電流制限を行わない時の電流波形を点線で示すと、モータ印加電圧を下げることによって電流の増加を防止できていることがより顕著にわかる。
これによって、インバータ回路に流れる電流を検出して位相を推定すると共に、あらかじめ定められたタイミングにおける電流値を検出し、電流しきい値以上に電流値が越えないようにモータに印加する電圧を制御することができ、確実な位相推定と電流制限を両立させることが可能となり、インバータ回路に流れる電流値を電流検出抵抗から直接電流値として検出して位相を推定し、あらかじめ定められた電流しきい値以上に電流が越えないようにモータに印加される電圧を制御することが可能になると共に、コンパレータ回路が不要になり、小型、低コストで低騒音にできるブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
なお、本発明の実施例では、あらかじめ記憶する位相を−30度から20度の範囲としたが、モータに合わせて設定すればよく、その作用効果に差異を生じない。
また、位相を検出する以外の任意のタイミングで電流を検出したが、位相を検出するための電流値を電流しきい値Iaと比較しても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、任意のタイミングの1点のみを電流しきい値Iaと比較したが、複数のタイミングで比較することも可能であり、この数値はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
また、位相推定と電流制限を両立させるようにすることにより、スイッチング素子の破損や回転子の磁石を減磁させてブラシレスDCモータの効率を低下させることが防止でき、騒音の発生や脱調することが防止できると共に、コンパレータ回路を不要とし、小型、低コストで低騒音にすることができる信頼性の高い広角通電のセンサレス駆動によるブラシレスDCモータの制御装置及び換気送風機、例えば、具体的に熱交換型冷却機を提供できる。
(実施の形態2)
図6は、150度の広角通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。図において、電気角60度の1周期の期間には通電重なり期間と通電の重ならない期間が存在し、電流波形の形状が異なることが確認できる。通電重なり期間、通電の重ならない期間と電流波形については図19の(a)、(b)に具体的に示している。
通電の重ならない期間において、t0からあらかじめ定められた第1のタイミングt11における第1の電流値I1と第2のタイミングt12における第2の電流値I2をA/D変換して求め、次にI1の電流値に対してI2の電流値の比を電流変化率Ihiとして、式1により求める。
一例として第1のタイミングt11を電気角10度、第2のタイミングt12を電気角30度として各位相における電流変化率の関係を図7において実線で示す。一方、通電重なりの期間において、一例として第1のタイミングt11を電気角30度、第2のタイミングt12を電気角50度の各位相における電流変化率の関係も破線で同時に示す。図よ
り実線で示した特性の方が各位相において電流変化率の変化が大きくなっている。破線は殆ど変化が無い。これにより、電流変化率の変化が大きい通電の重ならない期間において電流値を検出する方が位相の推定誤差がより少なくなるということがわかる。
これによって、広角通電における位相の検出が正確にできると共に、あらかじめ定められた電流しきい値以上に電流が越えないようにモータに印加される電圧を制御することができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態3)
図8は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。電気角60度の1周期の期間の任意の1点、すなわちI3における電流値をA/D変換し、電流しきい値Iaと比較を行い電流差Idを式2より求めることができる。
Id=I3の電流値−Iaの電流しきい値・・・(式2)
この時、電流しきい値を越えないようにモータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdは、ゲインをαとすると、式3により求められる。
Vd=Id×α・・・(式3)
従って、電流しきい値を越えないようにモータに印加すべき電圧は、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdを減らした電圧とすればよい。
例えば、電流しきい値が2A、モータ印加電圧Vmが24V、αが0.2の時、A/D変換された電流値I3=2.5Aとすると、Vd3=0.5Vとなる。I3の位置において電流が電流しきい値を越えないようにするには、転流タイミング後、通電切替えを行うと同時にモータに印加される電圧を24Vから23.5Vに下げる。以下同様にして各周期の期間毎に印加される電圧を制御することにより電流しきい値を越えないようにすることができる。
これによって、電流しきい値を越えた電流の大きさに応じて、モータに印加される電圧を下げる電圧値を変えることができ、急激な負荷変動等によりモータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができ、スイッチング素子の破損や回転子の磁石の減磁をしにくくすることができる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
なお、本実施例においては、ゲインαを0.2としたが、この数値はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態4)
図9は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換し、最大の電流値を求め、電流しきい値Iaと比較を行い、電流しきい値Iaより大きい時、電流差Idを式2より求め、更に、モータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdを式3により求める。この補正電圧をもって、次の電気角60度の1周期の期間のモータに印加される電圧Vmを下げる。以下同様にして次の電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧を制御することにより電流しきい値Iaを越えないようにする。従って、電流しきい値を越えないようにモータに印加すべき電圧は、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdを減らした電圧とすればよい。
例えば、電流しきい値がIa=2.0A、モータ印加電圧Vmが24V、αが0.2、の時、各A/Dされた電流値がそれぞれIs1=1.7A、Is2=1.7A、Is3=2.6A、Is4=3.0AとするとIs4の電流値が一番大きいため、Is4=3.0
Aと電流しきい値がIa=2.0Aが比較され、Is4の方が大きいため、電流差Id==1.0Aを求め、補正電圧Vd=0.2Vを得る。
従って、次の電気角60度の1周期の期間にモータに印加される電圧を24Vから23.8Vに下げる。以下同様にして、電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧を制御することにより電流しきい値を越えないようにすることができる。
これによって、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行うようにしたものであり、電流波形が変形せずに正確に検出できるので、磁極位置が正確に推定でき、ブラシレスDCモータの効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
なお、本実施例においては、電流値を電気角60度の1周期の期間の任意の4点としたが、このサンプル数はモータの特性に合わせて決定すれば良く、また、位相検出のための電流値でも良く、その作用効果に差異は生じない。
また、ゲインαを0.2としたが、この数値はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態5)
図10は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換し、平均電流値Isavgを式4から求める。
Isavg=(Is1+Is2+Is3+Is4)/4・・・(式4)
平均電流値Isavgと電流しきい値Iaを比較し、平均電流値Isavgの方が大きい時、その電流差Idを式5により求める。
Id=Isagの電流値−Iaの電流しきい値・・・(式5)
従って、電流しきい値Iaを越えないようにモータに印加される電圧Vmを下げる補正電圧Vdを式3により求める。この補正電圧Vdをもって次の電気角60度の1周期の期間にモータに印加される電圧Vmを下げる。以下同様にして電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧Vmを制御することにより電流しきい値Iaを越えないようにする。従って、電流しきい値Iaを越えないようにモータに印加すべき電圧Vmは、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdを減らした電圧とすればよい。
例えば、電流しきい値Iaが2.0A、モータ印加電圧Vmが24V、αが0.2の時、各A/D変換された電流値がそれぞれIs1=1.7A、Is2=1.7A、Is3=2.6A、Is4=3.0Aとすると、その平均電流Isavgは2.25Aとなり、電流差Idは0.25Aとなり、補正電圧Vdは0.5Vとなる。
従って、次の電気角60度の1周期の期間にモータに印加される電圧を24Vから23.5Vに下げる。以下同様にして次の電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧を制御することにより電流しきい値を越えないようにすることができる。
これによって、インバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行うようにしたものであり、通電位相を変えることなく電流を抑えることができ、モータ効率の低下を防止できる信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
なお、本実施例においては、電流値を電気角60度の1周期の期間の任意の4点とした
が、このサンプル数はモータの特性に合わせて決定すれば良く、また、位相検出のための電流値でも良く、その作用効果に差異は生じない。
また、ゲインαを0.2としたが、この数値はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態6)
起動時は、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行い、運転時は、電流の平均値により制御を行い、起動時と運転時で制御を変えるようにしたものである。
上記構成において、電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換し、起動時は、最大の電流値を求め、電流しきい値Iaと比較を行い、電流しきい値Iaより大きい時、電流差Idを式2より求め、更に、モータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdを式3により求める。一方、運転時は、同様にして平均電流値Isavgを式4から求め、平均電流値Isavgと電流しきい値Iaを比較し、平均電流値Isavgの方が大きい時、その電流差Idを式5により求め、電流しきい値Iaを越えないようにモータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdを式3により求める。
起動時と運転時では、この補正電圧Vdに差ができ、この補正電圧をもって次の電気角60度の1周期の期間後、モータに印加される電圧Vmを下げる。以下同様にして次の電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧を制御することにより電流しきい値を越えないようにする。従って、起動時と運転時で過電流保護の制御方法を変えることが可能となる。
これによって、スイッチング素子の破損や回転子の磁石が減磁するおそれが高い起動時には、電流の最大値で電流を抑え、運転時は、より電流値のばらつきが少なく安定してモータ電流を抑えることができ、起動時において過大な電流が継続して発生することを防止すると共に、十分な起動トルクを得ることができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態7)
運転時はインバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行い、あらかじめ定められた電流しきい値を越えた時は、電流値の最大値により制御を行い、モータ負荷の変化に応じて制御を変えるようにしたものである。
上記構成において、電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換し、同様にして平均電流値Isavgを式4、電流差Idを式5から求め、電流しきい値Iaを越えないようにモータに印加される電圧Vmを下げる補正電圧Vdを式3により求める。この補正電圧Vdをもって次の電気角60度の1周期の期間後、モータに印加される電圧Vmを下げる。以下同様にして次の電気角60度の1周期の期間毎にモータに印加される電圧Vmを制御することにより電流しきい値Iaを越えないようにする。
この時、モータ負荷に変動があり、負荷が重くなりモータ電流が増加して、電流差Idがあらかじめ定められたしきい値Idmaxを越えた場合は、各々Is1,Is2,Is3,Is4と電流しきい値Iaと比較を行い電流差Idを同様にして式2より求め、その中から一番大きい電流差Idから電流しきい値を越えないようにモータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdを式3により求め、この補正電圧をもって電気角60度の1周期の期間の後、モータに印加される電圧Vmを下げる。以下同様にして電気角60度の1周期
の期間毎にモータに印加される電圧Vmを制御することにより電流しきい値を越えないようにすることができる。
これによって、急激な負荷変動等により、電流が増加して電流しきい値を越えた時は、電流の最大値で電流を抑えることができ、モータに過大な電流が継続して流れる期間を短くすることができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態8)
図11は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。図において、第1の電流しきい値Iaよりも大きな第2の電流しきい値Ibを設けている。
点線で示すようにIs3以降において電流しきい値Ibを越えて電流が流れている状態において説明を行う。
電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換する。電流値がIs3において電流しきい値Ibを越えていると判断したとき、これ以降、電流値の検出の周期を早くしてA/D変換を行いモータに印加される電圧を下げるように制御を働かせる。具体的には、Is3の電流値をA/D変換した時、電流しきい値Ibを越えているときは、電流しきい値Ibとの電流差Idbを式6により求める。
Idb=A/D変換した電流値−Ibの電流しきい値・・・(式6)
この時、電流しきい値を越えないようにモータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdbは、ゲインをβとすると、式7により求められる。
Vdb=Idb×β・・・(式7)
従って、電流しきい値Ibを越えないようにモータに印加すべき電圧は、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdbを減らした電圧とすればよい。この補正電圧Vbdを次の検出の周期毎にモータに印加される電圧Vmを下げる。
次の電気角60度の1周期の期間の通電を切替える転流タイミングの時は、式4、式5から電流差Idを求め、更にモータに印加される電圧を下げる補正電圧Vdを式3により求め、この補正電圧Vdによりモータの印加電圧Vmを下げるように制御を働かせる。
例えば、電流しきい値Ibが3A、ゲインβが2、Is4が3.8Aの時、電流しきい値Ibとの電流差Idbは、0.8Aとなり、補正電圧は1.6Vとなる。Is4の電流値をA/D変換した際にモータに印加されている電圧を22Vとすると、電流制限Ibを越えないように20.4Vの電圧を印加すればよい。
以下、同様にして検出の周期を早くしてモータに印加される電圧を制御することにより電流しきい値Ibを越えないようにすることができる。
これによって、負荷変動等により、電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えた時は、スイッチング素子をオフして電流をシャットダウンし、第2の電流しきい値以上の電流が流れないようにすることができ、確実にモータに過大な電流が流れることを防止することができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
なお、本実施例においては、ゲインβを2としたが、この数値はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
また、検出の周期を早くした時、電圧をPWMで変更している場合は、PWMのキャリア周期毎でも良く、その周期はモータの特性に合わせて決定すれば良く、その作用効果に差異は生じない。
(実施の形態9)
第2の電流しきい値Ibより電流の検出値が大きくなると、電流値の検出の周期を早くして、その時の補正電圧Vdbに基づいてモータに印加される電圧を制御するが、次の電気角60度の1周期の期間の通電切り替えの転流タイミングの時のモータ電圧Vmの補正値Vdは式3より求める値より多く電圧を下げる様にしたものである。
上記構成において、次の電気角60度の1周期の期間の通電切り替えの時のモータ電圧の補正値Vdcはゲインをγとし、γはαより大きな値とし、式8より求める。
Vdc=Id×γ・・・(式8)
従って、第2の電流しきい値Ibより電流の検出値が大きくなった場合、次の電気角60度の1周期の期間の通電切り替えの転流タイミングの時のモータ電圧にモータに印加すべき電圧は、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdcを減らした電圧とすればよい。
これによって、負荷変動等により、電流が大幅に増加して、第2の電流しきい値を越えた時は、次の電気角60度の1周期の期間の通電切り替えの転流タイミングの時のモータ電圧にモータに印加すべき電圧を通常より大きく変更することができ、確実にモータに過大な電流が流れることを防止することができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態10)
図12は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。
図において、電気角60度の1周期の期間の任意の4点、すなわちIs1,Is2,Is3,Is4における電流値をA/D変換する。この時、Is3時点において予め定められた電流しきい値Ibを超えておらず、Is4時点において超えて電流が流れている状態と、Is3時点において予め定められた電流しきい値Ibを超えて電流が流れている状態において説明を行う。
図12(a)に示すように、Is3時点において予め定められた電流しきい値Ibを超えておらず、Is4時点において超えて電流が流れている場合、式6および式7によりIdbおよびVdbを計算し、次の電気角60度の1周期の期間の通電切り替えの転流タイミングの時のモータ電圧にモータに印加すべき電圧は、モータに印加されている電圧Vmから補正電圧Vdbを減らした電圧とすればよい。
図12(b)に示すように、Is3の時点ではすでに予め定められた電流値Ibより大きくなっており、この測定タイミングより前に大きくなったことが確認できる。この場合、モータ電圧Vmを0Vにして、モータを停止させる。
これによって、電流値があらかじめ定められたタイミングより早い場合はモータを停止させることができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態11)
図13は、150度通電における電流検出抵抗が検出する電流波形を示している。
図において、点線で示すようにIs1を検出するタイミングであらかじめ定められた電流値Ibを越えている状態において説明を行う。
Is1とIs2は位相推定のために電流値を検出しているが、この電流値があらかじめ定められた値より大きい場合についてはモータを停止させることができる。
これによって、位相検出の電流値測定タイミングにおいて、あらかじめ定められた電流値以上有った場合は、モータを停止させるようにすることが可能となる。これにより、未然にスイッチング素子の破損や回転子の磁石の減磁を防止することができ、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置が得られる。
(実施の形態12)
図14に示すように、ブラシレスDCモータの制御装置を熱交換型冷却機に搭載したものである。
図において、室外側ブラシレスDCモータ2aで、室外側送風機14を回転させることにより、携帯電話の交換基地局等の発熱体収納箱15が設置された周囲の外気を、熱交換型冷却機16の下部の外気吸込口17より吸い込み、熱交換素子18を通過させた後、熱交換型冷却機16の上部の外気吐出口19より吐き出している。室内側ブラシレスDCモータ20で、室内側送風機21を回転させることにより、発熱体収納箱内部の熱せられた内気を、熱交換型冷却機16の上部の内気吸込口22より吸い込み、熱交換素子18を通過させた後、熱交換型冷却機16の下部の内気吐出口23より吐き出している。室外側送風機14の回転による外気の動きを黒塗りの矢印で、室内側送風機21の回転による室内空気の動きを白抜きの矢印で示している。熱交換素子18内を冷えた外気と熱せられた室内空気が通過するときに熱交換され、外気は熱せられて大気中に排出され、室内空気は冷やされて室内側に還流されるので、発熱体収納箱15内の冷却が可能になる。熱交換素子18内では外気風路と内気風路は遮断されており、熱交換型冷却機16の内気風路内に外気風路の空気が流入することは無い。熱交換型冷却機16の内気風路内に設置された制御ボックス24は、内部に室外側ブラシレスDCモータ2aを駆動するための制御装置13が設置されている。制御装置13には、発熱体収納箱15内に設置された低圧の直流電源5より、低圧の直流電力が供給され、制御装置13から駆動用リード線25を通して室外側のブラシレスDCモータ2を駆動している。又、制御ボックス24内には、室内側ブラシレスDCモータ20を駆動する室内側インバータ回路(図示せず)も備え、室内側送風機21を運転している。
これによって、内気風路側に設置された制御装置との接続に使用するセンサ信号の中継リード線が不要になるので、センサ信号線へのノイズによる誤動作の影響がない、信頼性の高いブラシレスDCモータの制御装置とすることができると共に、リード線が不要になり、中継線を接続する作業もなくなるので、低価格の熱交換型冷却機が得られる。
一般に使用されるブラシレスDCモータの制御装置や換気送風機器に搭載されるブラシレスDCモータの制御装置の用途にも適用できる。
1 インバータ回路
2 ブラシレスDCモータ
3 回転子
4 固定子
5 直流電源
6 電流検出抵抗
7 マイクロコンピュータ
8 A/D変換器
9 位相推定手段
10 転流タイミング決定手段
11 電流制限手段
12 ドライブ回路
13 制御装置

Claims (12)

  1. 直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された回転子と固定子巻線を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオン・オフさせ、オンの期間を電気角で120度以上長くして通電重なり期間を設けて広角通電で回転させる制御装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給される電流を検出する電流検出抵抗と前記電流検出抵抗より出力される電流値により得られる電流波形において、前記通電重なり期間ではない通電の重ならない期間のあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比である電流変化率と前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加する電圧との位相関係をあらかじめ記憶し、この位相関係から前記固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する前記固定子巻線に印加する電圧との位相を推定する位相推定手段と、前記位相推定手段によって推定した位相があらかじめ定められた目標位相に追従するように転流タイミングを決定する転流タイミング決定手段と、前記電流検出抵抗より出力された電流値があらかじめ定められた電流制限値を越えないようにモータに印加される電圧を制御する電流制限手段を有することを特徴とするブラシレスDCモータの制御装置。
  2. 位相推定手段は、前記電流検出抵抗より出力される電流値により得られる電流波形において、前記通電重なり期間ではない通電の重ならない期間にあらかじめ定められた第1および第2のタイミングにおける電流値の比を電流変化率として算出し、電流変化率と固定子巻線に印加する電圧との位相の相関曲線をあらかじめ記憶したことを特徴とする請求項1記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  3. 電流制限手段は、あらかじめ定められたしきい値に対して、インバータ回路に流れる電流が大きい場合、その差に応じて、モータに印加される電圧を下げる変化量を変更することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  4. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行うことを特徴とする請求項1至3のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。

  5. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、インバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行うことを特徴とする請求項1至4のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  6. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、起動時は、インバータ回路に流れる電流の最大値により制御を行い、運転時は、電流の平均値により制御を行うことを特徴とする請求項1至5のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  7. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値に対して、運転時はインバータ回路に流れる電流の平均値により制御を行い、あらかじめ定められた第1のしきい値を越えた時は、電流の最大値により制御を行うことを特徴とする請求項1至6のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  8. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして第2のしきい値以上電流が大きくならないように制御することを特徴とする請求項4至7のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  9. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を越えた場合は、電流をシャットダウンして第2のしきい値以上電流が大きくならないように制御すると共に、モータに印加される電圧を下げる変化量をあらかじめ定められた第1のしきい値で変更する値より大きく変更することを特徴とする請求項4至8のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  10. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を越えた場合、そのタイミングが予め定められたタイミングより早い場合は、モータを停止させることを特徴とする請求項4乃至9のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  11. 電流制限手段は、あらかじめ定められた第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値を設け、位相を推定する期間において、インバータ回路に流れる電流が第2のしきい値を超えた場合、モータを停止させることを特徴とする請求項4乃至10のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置。
  12. 請求項1至11のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置を搭載した換気送風機。
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