JP5008889B2 - ガスバリア性延伸フィルム、並びに該フィルムを用いたガスバリア性包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、酸素ガスバリア性、透明性等に優れ、酸素による内容物の変質を嫌う食品、医療品、及び薬品等の包装用に適するガスバリア性延伸フィルム並びにこのフィルムを用いたガスバリア性包装材及び包装体に関する。
従来より透明で酸素バリア性の高い包装材料としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)などからなるガスバリア性樹脂フィルムが利用されている。そのバリア性は、例えば厚み15μmの延伸フィルムにおいて23℃・50%RHで3ml/m2・day・MPa(0.3cc/(m2・day・atm)程度である。しかし、従来の延伸フィルムは、印刷適性や耐ピンホール性に問題があり、包装用材料の基材フィルムとしては使用できないという事情があった。
一方、EVOHの両側にポリアミド系樹脂(ナイロン)を共押した積層延伸フィルムも知られている。しかし、ガスバリア性を向上するためにEVOH層の厚みを厚くしようとすると、得られるフィルムが脆くなり、延伸フィルムに求められている耐ピンホール性が大きく低下するという欠点が生じ、ガスバリア性を5ml/m2・day・MPa(0.5cc/m2・day・atm)以下にすることは実用上難しかった。
他方、ガスバリア性が比較的高いフィルムとして、2軸延伸ポリエステルフィルム(OPET)や2軸延伸ポリアミドフィルム(ONY)等に金属酸化物を蒸着したフィルムが知られている。しかし、このフィルムは、ヒートシール層をラミネートしたり、印刷したりする際に、あるいは包材として使用中に屈曲等により蒸着膜が損傷を受けやすく、その場合酸素バリア性が著しく損なわれることがあった。
また、酸素吸収材等を包装材料中に配し、透過してくる酸素を捕集して、見かけの酸素透過率を下げる方法も知られている。しかしながら、この方法では、鉄粉等の酸素吸収剤を樹脂に配合して包装材料の器壁として用いているため、比較的良好な酸素吸収性能を有する点は満足できるものであったが、樹脂を固有の色相に着色する必要があったために、透明性が要求される包装分野には使用できない、あるいは金属異物検知器に反応してしまうため異物検知器を使用できないという問題があった。
上記問題を解決するために、酸素吸収性樹脂からなる酸素吸収性樹脂層の外側にガスバリア性樹脂層を積層することにより、ガスバリア性樹脂層単独より低い酸素透過率を有するガスバリア性包装材が提案されている(特許文献1参照)。しかし、このガスバリア性包装材を用いた場合、酸素吸収性樹脂から発生した臭気が内容物へ移行してしまうという問題があった。
また、酸素吸収性樹脂層の両側にガスバリア性樹脂層を積層することで、ボトル等の容器内で酸素吸収機能を3ヶ月持続できる酸素吸収性容器も提案されている(特許文献2参照)。しかし、文献2はボトル用途など厚みが大きい容器等に関する提案であり、酸素吸収性樹脂層とガスバリア性樹脂層とを最適に組み合わせて設計したガスバリア性フィルムに関するものではない。特に軟包装分野では、フィルム全体の厚みを薄くした状態で可能な限り長期間、効率よくガスバリア性を維持させることが要求され、商品のライフサイクルとしては少なくとも半年間、良好なガスバリア性を維持させることが重要である。
特表平3−503153号公報 特開2002−240813号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、本発明の課題は、高い酸素ガスバリア性と優れた強度を有するガスバリア性延伸フィルム、並びにこのフィルムを用いたガスバリア性包装材及び包装体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討したところ、所定の酸素バリア性能を有するガスバリア性樹脂層と、所定量の酸素吸収能を有する酸素吸収性樹脂層をポリアミド系樹脂層と組み合わせた延伸フィルムが、高いガスバリア性と優れた強度とを併有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、ポリアミド系樹脂層、第一ガスバリア性樹脂層、酸素吸収性樹脂層、及び第二ガスバリア性樹脂層の少なくとも4層を有する積層フィルムを直交する2軸方向に2.5倍以上4.5倍以下の倍率で延伸したフィルムであって、突き刺し強度が196N/mm(20Kgf/mm)以上500N/mm以下であり、かつ23℃・50%RHでの酸素透過率が1ml/m2・day・MPa(0.1cc/m2・day・atm)以下である状態を少なくとも60日間維持できることを特徴とするガスバリア性延伸フィルムによって達成される。
本発明のガスバリア性延伸フィルムは、ポリアミド系樹脂層、第一ガスバリア性樹脂層、酸素吸収性樹脂層、及び第二ガスバリア性樹脂層の少なくとも4層を有する積層フィルムを所定の条件で延伸し、突き刺し強度が196N/mm(20Kgf/mm)以上500N/mm以下とし、さらに23℃・50%RHでの酸素透過率が1ml/m2・day・MPa(0.1cc/m2・day・atm)以下である状態を少なくとも60日間維持できる。そのため、本発明によれば、長期間に亘って高い酸素バリア性を維持し、かつ高い実用強度を有するガスバリア性延伸フィルムを提供することができる。
本発明は、特にガスバリア性樹脂がエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、酸素吸収性樹脂がポリアミド系樹脂を主成分とし、被酸化性樹脂と遷移金属系触媒とを含む組成物である場合には、優れたガスバリア性能を発揮することができる。
本発明は、上記ガスバリア性延伸フィルムを用いて包装材や包装体を作製した場合、優れた酸素バリア性と優れた酸素吸収能を長期間安定して持続でき、特に高いガスバリア性能と強度とを併有する軟包装材及び軟質包装体を提供することができる。
以下に本発明のガスバリア性延伸フィルム、並びに該フィルムを用いた包装材及び包装体について詳細に説明する。
なお、本明細書において「A層の内側にB層が積層される」とは、本発明のガスバリア性延伸フィルムを用いて包装体を作製した場合に、A層より内容物に近い位置にB層が配されることを意味し、「A層の外側にB層が積層される」とは、A層より外気(空気中)に近い位置にB層が配されることを意味する。また本明細書において「A層にB層を積層する」とは、主としてA層上にB層を直接配する場合を意味するが、A層とB層との間にさらにC層を介在させることが可能であることを意味する。
[層構成]
先ず、本発明のガスバリア性フィルムの層構成を図面を参酌して説明する。
図1は、本発明の好適なガスバリア性延伸フィルムの断面図(その1)であり、図2は本発明の好適なガスバリア性延伸フィルムの断面図(その2)である。ここで符号1は本発明のガスバリア性延伸フィルム、符号2はポリアミド系樹脂層、符号3は第一ガスバリア性樹脂層、符号4は酸素吸収性樹脂層、符号5は第二ガスバリア性樹脂層、符号6はポリアミド系樹脂層をそれぞれ示す。
図1に示すように、本発明のガスバリア性フィルム1は、ポリアミド系樹脂層2、第一ガスバリア性樹脂層3、酸素吸収性樹脂層4、及び第二ガスバリア性樹脂層5の少なくとも4層を積層した延伸フィルムである。包装容器や包装用袋として使用する場合には、さらにヒートシール性樹脂層をラミネートして積層することができる。
図2は、第二ガスバリア性樹脂層5の内側にさらにポリアミド系樹脂層6を配したガスバリア性延伸フィルムを示す。ガスバリア性樹脂層3,5の両側からポリアミド系樹脂層2,6で挟み込むことによって、ガスバリア性能をより向上させることができ、かつカールもなく、高い強度を有する延伸フィルムを提供することができる。
また図1及び図2には示されていないが、層間接着強度を向上させる目的で、各層間に接着性樹脂層を介在させることもできる。但し、ポリアミド系樹脂層どうし、あるいはポリアミド系樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層の間には、両樹脂層の接着性は比較的高いため、接着性樹脂層を介在させずに両層を積層させることができる。
本発明のガスバリア性延伸フィルムは上記の層構成を有するが、ガスバリア性フィルム全体の厚みは、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上であり、40μm以下、好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下であることが望ましい。フィルム全体の厚みが10μm以上であれば、酸素ガスバリア性と耐屈曲ピンホール性と耐摩耗性とが得られ、包装用途として満足のいくフィルムが得られる。また、フィルム全体の厚みが40μm以下であれば、フィルムが硬くなりすぎることがなく、ヒートシール性樹脂層を張り合わせても、フィルム全体として薄くすることができるため軟包装用途に適する。
なお、本発明のガスバリア性延伸フィルムを構成する各層の厚みについては後述する。
本発明のガスバリア性延伸フィルムの代表的な層構成を以下に例示するが、これら例示されたものに限定されるものではない。また、各層の間に接着層を設けたものであってもよい。
(1)ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/ガスバリア性樹脂層/ポリアミド系樹脂層
(2)第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/ポリアミド系樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層
(3)ポリアミド系樹脂層/第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層
(4)第一ポリアミド系樹脂層/第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層/第二ポリアミド系樹脂層
(5)第一ポリアミド系樹脂層/第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ポリアミド系樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層
(6)第一ガスバリア性樹脂/第一ポリアミド系樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ポリアミド系樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層、
(7)第一ポリアミド系樹脂層/第一ガスバリア性樹脂層/第一酸素吸収性樹脂層/第二酸素吸収性樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層/第二ポリアミド系樹脂層、
[酸素吸収性樹脂層]
本発明のガスバリア性延伸フィルムにおいて、酸素吸収性樹脂層で用いられる酸素吸収性樹脂は、2種類のガスバリア性樹脂層と組み合わせて使用した場合に、23℃・50%RHで1ml/m2・day・MPa以下の酸素透過率以下を少なくとも60日間持続可能なものであれば特に限定されないが、被酸化性樹脂(S)と遷移金属系触媒(M)とを含む樹脂組成物が好適に用いられる。
被酸化性樹脂(S)は、遷移金属系触媒(M)の作用により、空気中の酸素で酸化される樹脂であり、具体的には(i)炭素側鎖を含む樹脂、(ii)キシリレン基含有ポリアミド樹脂、(iii) エチレン系不飽和基含有重合体、(iv)ポリエーテル含有重合体などが挙げられる。被酸化性樹脂(S)は、一般の熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン樹脂を主成分(ベース樹脂と称する)として、遷移金属系触媒とともに混合・分散して酸素吸収性樹脂として使用することも好ましい。
被酸化性樹脂(S)と遷移金属系触媒(M)とを含有する組成物における酸素吸収は、被酸化性樹脂(S)の酸化を経由して行われる。この酸化は、遷移金属系触媒(M)による活性炭素原子からの水素原子の引き抜きによるラジカルの発生、このラジカルへの酸素分子の付加によるパーオキシラジカルの発生、パーオキシラジカルによる水素原子の引き抜きの各反応を経て行われるとの説が有力である。上記(i)〜(iv)の樹脂又は重合体は、このような活性炭素原子を有するため、被酸化性樹脂(S)として使用できる。
炭素側鎖を有する樹脂(i)としては、(イ)変性又は未変性のオレフィン樹脂、(ロ)分岐鎖を有する脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂肪族オキシカルボン酸、又はラクトンから誘導された分岐鎖含有熱可塑性ポリエステル、特に脂肪族ポリエステル、(ハ)分岐鎖を有する脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン、脂肪族アミノカルボン酸、又はラクタムから誘導された分岐鎖含有熱可塑性ポリアミド、特に脂肪族ポリアミド等が挙げられる。
キシリレン基含有ポリアミド樹脂(ii)としては、キシリレン基含有ポリアミド樹脂、特にキシリレンジアミンを主体とするジアミン成分とジカルボン酸成分とから誘導されたポリアミドが挙げられる。キシリレン基含有ポリアミド樹脂(ii)は、遷移金属触媒(M)との組み合わせで酸化性を有することが知られている。すなわち、遷移金属系触媒(M)によるキシリレン基含有ポリアミド樹脂のメチレン鎖(特にアリーレン基に隣接するメチレン鎖)からの水素原子の引き抜きによりラジカルが発生し、前述と同様の反応機構で酸化が進行する。
キシリレン基含有ポリアミド樹脂を例示すれば、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド、ポリパラキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド等の単独重合体、及びメタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセバカミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体等の共重合体、あるいはこれらの単独重合体又は共重合体成分とヘキサメチレンジアミンの如き脂肪族ジアミン、ピペラジンの如き脂環式ジアミン、パラ−ビス(2アミノエチル)ベンゼンの如き芳香族ジアミン、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムの如きラクタム、7−アミノヘプタン酸の如きω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸の如き芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重合体が挙げられる。中でもm−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、脂肪族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸とから得られるポリアミドが好ましい。これらのキシリレン基含有ポリアミド樹脂では、ベンゼン環の隣接メチレン鎖の部分にラジカルの生成と酸素の吸収(パーオキサイドの生成)が効率よく起きるため、酸素吸収性の観点から好ましい。
エチレン系不飽和基含有重合体(iii)としては、例えば、酸化性重合体としてポリエンから誘導される重合体を用いることが好ましい。ポリエンとしては、炭素数4〜20の不飽和炭化水素、鎖状又は環状の共役又は非共役ジエンから誘導された単位を含む樹脂が好適に使用される。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン、クロロプレンなどが挙げられる。
上記ポリエンは、単独で又は2種以上を組み合わせて、あるいは他の単量体と組み合わせて単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体を形成し得る。ポリエンと組み合わせで用いられる単量体としては、炭素数2〜20のα−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンが挙げられ、他にスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどの単量体も使用可能である。
ポリエン系重合体としては、具体的には、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIB)、天然ゴム、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができるが、これらの例に限定されない。
ポリエン系重合体における炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子は活性を有し、水素原子の引き抜きが容易である。重合体における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよい。
ポリエーテル含有重合体(iv)としては、例えば、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド(2,3又は1,2)及びポリスチレンオキシドなどが好適に用いられる。
上記酸素吸収性樹脂は、被酸化性樹脂(S)と遷移金属触媒(M)のみで構成することも可能であるが、他の熱可塑性樹脂を主成分として混合・分散して用いることが好ましい。混合・分散量を調整することで、酸素吸収性樹脂としての酸素吸収容量を調整でき、また酸素吸収後の物性低下の影響を少なくすることができる。他の熱可塑性樹脂に混合・分散して使用する場合、被酸化性樹脂(S)は、酸素吸収性樹脂全量に対して1〜20質量%、好ましくは3〜10質量%の割合で存在するように調整するのが好ましい。その場合、被酸化性樹脂(S)を熱可塑性樹脂中に分散しやすくするために、エポキシ基又は無水官能基等を被酸化性樹脂に導入することが好ましい。
被酸化性樹脂(S)へのエポキシ基又は無水官能基等の導入をポリエン系重合体の酸変性を例として説明する。酸変性ポリエン系重合体は、炭素−炭素二重結合を有するポリエン系重合体をベースポリマーとし、このベースポリマーに不飽和カルボン酸又はその誘導体を公知の手段でグラフト共重合させることにより製造されるが、前述したポリエンと不飽和カルボン酸又はその誘導体とをランダム共重合させることにより製造することもできる。
本発明の目的に特に好適な酸変性ポリエン系重合体は、この重合体中に不飽和カルボン酸又はその誘導体を0.01〜10モル%含有していることが好ましい。不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量が上記の範囲にあると、酸変性ポリエン系重合体の他の樹脂(マトリックス樹脂)への分散が良好となると共に、酸素の吸収も円滑に行われる。また、末端に水酸基を有する水酸基変性ポリエン系重合体も良好に使用することができる。
適切な酸素捕捉剤としての官能性被酸化性ポリジエンの具体例は、エポキシ官能化ポリブタジエン(1,4及び/又は1,2)、無水マレイン酸グラフト化又は共重合体化ポリブタジエン(1,4及び/又は1,2)、エポキシ官能化ポリイソプレン、及び無水マレイン酸グラフト化又は共重合体化ポリイソプレン、アミン、エポキシ又は無水官能性ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド(2,3又は1,2)及びポリスチレンオキシドなどである。
酸素吸収性樹脂の主成分となる他の熱可塑性樹脂とは、通常フィルム用途に用いられる一般的な熱可塑性樹脂が用いられる。特に、ポリアミド系樹脂がフィルムの強度を向上させやすく好適である。
好適なポリアミド系樹脂として、ポリアミドホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。ポリアミドホモポリマー又はコポリマーは、約10,000〜約100,000の分子量を有する脂肪族ポリアミド及び脂肪族/芳香族ポリアミドから選ばれる。このポリアミドホモポリマー又はコポリマーは、公知の方法により製造できるが、その際、有用な二塩基酸は、以下の一般式(1)で表されるジカルボン酸と一般式(2)で表されるジアミンとを含む。
HOOC−Z−COOH 一般式(1)
一般式(1)中のZは、少なくとも2個の炭素原子を含有する二価の脂肪族ラジカルを表し、例えば、アジピン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、及びグルタル酸などが挙げられる。ジカルボン酸は、脂肪族酸でも、イソフタル酸及びテレフタル酸などの芳香族酸でもよい。
2N(CH2)nNH2 一般式(2)
一般式(2)中、nは1〜16の整数であり、例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、芳香族ジアミン類、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、アルキル化ジアミン類、例えば2,2−ジメチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、及び2,4,4−トリメチルペンタメチレンジアミン、並びに脂環式ジアミン類、例えばジアミノジシクロヘキシルメタン、及び他の化合物などのような化合物が挙げられる。その他の有用なジアミンとしては、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなどが挙げられる。
有用な脂肪族ポリアミドホモポリマーとしては、ポリ(4−アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6−アミノヘキサン酸)(ナイロン6、ポリ(カプロラクタム)としても知られる)、ポリ(7−アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8−アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9−アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10−アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11−アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリ(12−アミノドデカン酸)(ナイロン12)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(ナイロン6,9)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(テトラメチレンアジパミド)(ナイロン4,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6,6/6)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(ナイロン6/6,6)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミドコポリマー(ナイロントリメチル6,2/6,2)、ヘキサメチレンアジパミド−ヘキサメチレン−アゼライアミドカプロラクタムコポリマー(ナイロン6,6/6,9/6)、ポリ(テトラメチレンジアミン−コ−シュウ酸)(ナイロン4,2)、n−ドデカン二酸とヘキサメチレンジアミンのポリアミド(ナイロン6,12)、ドデカメチレンジアミンとn−ドデカン二酸のポリアミド(ナイロン12,12)、並びにそれらのブレンド及びコポリマー、及び本明細書中に特記されていない他のポリアミドなどである。
上記のポリアミド系樹脂のうち、好適なポリアミドは、ポリカプロラクタム(一般にナイロン6とも呼ばれている)、及びポリヘキサメチレンアジパミド(一般にナイロン6,6とも呼ばれている)、並びにこれらの混合物である。中でもポリカプロラクタムが最も好適である。
脂肪族/芳香族ポリアミドの例としては、例えば、ポリ(2,2,2−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m−キシレンアジパミド)(MXD6)、ポリ(p−キシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ナイロン6,T)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ナイロン6,I)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6T/6I、ポリ(テトラメチレンジアミン−コ−イソフタル酸) (ナイロン4,I)、ポリアミド6/MXDT/I、ポリアミドMXDI、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン−イソフタルアミド(ナイロン6,6/6I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6,6/6T)、及び本明細書中に特記していないその他のものなどである。2種類以上の脂肪族/芳香族ポリアミド及び/又は脂肪族ポリアミドのブレンドも使用できる。脂肪族/芳香族ポリアミドは、公知の製造技術によって製造できるか、又は市販品を入手できる。
ポリアミド系樹脂は、酸素吸収性樹脂のガスバリア性を向上させる目的でナノメータースケールの分散クレイをさらに含むことができる。好適なクレイは、天然又は合成層状ケイ酸塩、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、バーミキュライト、バイデル石、サポナイト、ノントロナイト又は合成フルオロマイカなどで、適切な有機アンモニウム塩によって陽イオン交換されている。好適なクレイは、モンモリロナイト、ヘクトライトである。クレイは、1nm以上100nm以下の範囲の平均厚と、50nm以上500nm以下の範囲の平均長及び平均幅を有し、ポリアミド系樹脂中に10質量%以下、好ましくは2質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上6%質量以下の範囲の量で存在するのが好ましい。
次に本発明のフィルムで使用する遷移金属系触媒(M)について説明する。遷移金属系触媒(M)は、上記被酸化性樹脂(S)の酸化反応の触媒となるもので、遷移金属の有機酸塩又は有機錯塩等が好適に使用される。用いる遷移金属系触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に銅、銀等の第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。これらの遷移金属系触媒の中でもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、特に好適なものである。
遷移金属系触媒(M)は、上述した遷移金属の低価数の無機酸塩、有機酸塩、又は錯塩の形で一般に使用される。無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。一方、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。一方、遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
酸素吸収性樹脂において、遷移金属系触媒(B)は、主成分として含まれる熱可塑性樹脂に対して、10ppm以上、好ましくは50ppm以上、200ppm以下、好ましくは100ppm以下の割合で含まれることが望ましい。熱可塑性樹に遷移金属触媒(B)を配合する方法としては、種々の手段を用いることができる。例えば、遷移金属触媒(B)を熱可塑性樹脂に単に乾式でブレンドすることもできるが、遷移金属触媒(B)が熱可塑性樹脂に比して少量であるので、ブレンドを均質に行うために、遷移金属触媒(B)を有機溶媒に溶解し、この溶液と粉末或いは粒状の樹脂とを混合し、必要によりこの混合物を不活性雰囲気下に乾燥するのがよい。
遷移金属系触媒(M)を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いることができる。遷移金属系触媒(M)の濃度は溶媒に対して5〜90質量%となるような濃度で用いるのがよい。
酸化性重合体成分及び遷移金属系触媒(M)の混合物、及びその後の保存は、酸素吸収性樹脂の前段階での酸化が生じないように、非酸化性雰囲気中で行うのがよい。この目的に減圧下或いは窒素気流中での混合或いは乾燥が好ましい。この混合及び乾燥は、ベント式又は乾燥機付の押出機や射出機を用いて、成形工程の前段階で行うことができる。また、遷移金属系触媒を比較的高い濃度で含有する酸化性重合体成分のマスターバッチを調製し、このマスターバッチを未配合の重合体と乾式ブレンドして、本発明の酸素吸収性樹脂を調製することもできる。
本発明で用いられる酸素吸収性樹脂は、場合により、一つ以上の従来の添加剤を含んでいてもよく、その使用は当業者に周知である。そのような添加剤の使用は、組成物の処理向上、並びに該組成物から形成される生成物や製品の改良のために望ましい。そのような添加剤の例は、酸化及び熱安定剤、滑剤、離型剤、難燃剤、酸化抑制剤、染料、顔料及び他の着色剤、紫外線安定剤、粒子及び繊維充填剤を含む有機又は無機充填剤、補強剤、成核剤、可塑剤、並びに当該技術分野で公知のその他の従来の添加剤などである。そのような添加剤は酸素吸収性樹脂全量の10質量%まで使用できる。
酸素吸収性樹脂層の厚みは、所望の酸素吸収能が得られるように適宜決定することができるが、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、15μm以下、好ましくは10μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。酸素吸収性樹脂層の厚みが1μm以上であれば、長期間の高酸素ガスバリア性の維持が可能であり、また10μm以下であれば十分な酸素吸収性を維持でき、かつ経済的にも好ましい。
[ガスバリア性樹脂層]
本発明の第一ガスバリア性樹脂層及び第二ガスバリア性樹脂層で用いられるガスバリア性樹脂としては、酸素バリア性能を有し、かつ熱成形可能な熱可塑性樹脂が挙げられる。ガスバリア性樹脂の最も適当な例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)を挙げることができる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物中のエチレン含有率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から23モル%以上、好ましくは27モル%以上であり、ガスバリア性の観点から38モル%以下、好ましくは32モル%以下であることが望ましい。
また、EVOHのケン化度は96%以上、好ましくは99モル%以上のものが望ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物中のエチレン含有量及びケン化度を上記範囲に保つことにより、本発明のガスバリア性フィルムの良好な酸素バリア性を維持できるとともに、共押出性とフィルムの強度とを良好なものにすることができる。
第一ガスバリア性樹脂層の酸素透過率は、23℃・50%RHの条件下で30ml/m2・day・atm(3cc/m2・day・atm)以下であることが好ましく、20ml/m2・day・atm(2cc/m2・day・atm)以下であることがさらに好ましく、10ml/m2・day・atm(1cc/m2・day・atm)以下であることが最も好ましい。第一ガスバリア性樹脂層の酸素バリア性能が30ml/m2・day・atm(3cc/m2・day・atm)以下であれば、酸素吸収性樹脂層と相俟って、第一ガスバリア性樹脂層の厚みを所定の範囲内にすることができ、かつフィルム全体の酸素バリア性能を1ml/m2・day・atm以下に維持できる。また、第二ガスバリア性樹脂層の酸素透過率は23℃・50%RHの条件下で100ml/m2・day・MPa(10cc/m2・day・atm)以下であることが好ましく、80ml/m2・day・MPa(8cc/m2・day・atm)以下であることがさらに好ましく、50ml/m2・day・MPa(5cc/m2・day・atm)以下であることが最も好ましい。第二ガスバリア性樹脂層の酸素バリア性能が100ml/m2・day・MPa(10cc/m2・day・atm)以下であれば、内容物封入までの酸素吸収性樹脂層(a)への酸素吸収を抑えることができ、長期保管が容易になる。
ガスバリア性樹脂層の厚みは、第一及び第二ガスバリア性樹脂層それぞれ1μm以上、好ましくは2μm以上であり、10μm以下、好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。ガスバリア性樹脂層の厚みが上記範囲内であれば、長期間、酸素バリア性を保持することができるとともに、包装材が硬くなって屈曲によるピンホールが発生することを抑え、さらに包装体のコスト高を抑えることができる。第一及び第二ガスバリア性樹脂層のそれぞれの厚みを薄くしたい場合、ガスバリア性樹脂としてエチレン含有量のできるだけ少ないEVOHを用いることが好ましい。
[ポリアミド系樹脂層]
本発明において、ポリアミド系樹脂層を構成するポリアミド系樹脂は、主として脂肪族ポリアミド樹脂が使用される。脂肪族ポリアミド樹脂にはさらに半芳香族系ポリアミド樹脂を混合させてもいい。本発明における脂肪族ポリアミド樹脂としては、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物などが挙げられる。中でもナイロン−6と称されるε−カプロラクタムの単独重合体やナイロン−66と称されるポリヘキサメチレンアジパミドが、安価に入手でき、かつ延伸操作を円滑に遂行し得るので好ましい。また本発明における半芳香族ポリアミド樹脂としては、MXD6と称されるポリ−m−キシリレンアジパミドや非晶性ポリアミド等が挙げられる。
また、本発明ではポリアミド系樹脂層に耐屈曲性ピンホール性改良材を添加することで、さらに耐屈曲ピンホール性を向上させることができる。
使用可能な耐屈曲ピンホール性改良材としては、ポリオレフィン類、ポリアミドエラストマー類、ポリエステルエラストマー類などが挙げられる。ポリアミドエラストマーは、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド等のポリアミド系ブロック共重合体に属するものであり、アミド成分としてはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12等例示され、エーテル成分としては、ノリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシ−1,2−プロピレングリコール等が例示されるが、好ましくはポリテトラメチレングリコールとポリラウリルラクタム(ナイロン12)を主成分とする共重合体である。また、任意成分としてドデカンジカルボン酸、アジピン酸、テレフタル酸等のジカルボン酸を少量含んだものであってもよい。
また、ポリエステルエラストマーは、例えばポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールを組み合わせたポリエーテル・エステルエラストマーや、ポリブチレンテレフタレートとポリカプロラクトンを組み合わせたポリエステル・エステルエラストマーなどが挙げられる。
ポリオレフィン類とは、主鎖中にポリエチレン単位、ポリプロピレン単位を50質量%以上含むものをいい、無水マレイン酸等でグラフト変性されたものも含まれる。ポリエチレン単位、ポリプロピレン単位以外の構成単位としては、例えば酢酸ビニル、あるいはこの部分けん化物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、あるいはこれらの部分金属中和物(アイオノマー類)、ブテン等の1−アルケン類、アルカジエン類、スチレンなどが挙げられる。これらの構成単位を複数含んでも構わない。
耐屈曲ピンホール性改良材は単独でも2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明のガスバリア性延伸フィルムにおけるポリアミド系樹脂層の合計厚みは、得られる延伸フィルムの強度と耐ピンホール性を考慮して適宜決定される。特に、例えば各種パウチ包装材等の軟包装材の分野では、フィルム全体の厚みの40%以上を占めることが好ましく、具体的には4〜25μm、より好ましくは6〜15μmである。
本発明において、ポリアミド系樹脂層は、単層でも2層以上でもよく、フィルム強度と耐ピンホール性を考慮して層構成が適宜決定される。
[酸素吸収性樹脂層の酸素吸収能力、第一ガスバリア性樹脂層の酸素透過率、ポリアミド系樹脂層の関係]
本発明のガスバリア性フィルムにおいて、酸素吸収性樹脂層は、第一ガスバリア性樹脂を23℃・50%RHで60日間保存したときの単位面積あたりの酸素透過量より高い酸素吸収能力を有することが必要である。
ガスバリア性樹脂層の酸素バリア性能は、ガスバリア性樹脂層を構成する樹脂の種類、層の厚み等によって異なる。ガスバリア性樹脂層の酸素バリア性能は、予めガスバリア性樹脂で所定の厚みのフィルムを作製しておき、そのフィルムにおける酸素透過率(Y)(ml/m2・day・MPa)を測定して算出できる。仮にそのようなフィルムを作製できない場合でも、ガスバリア性樹脂のカタログ値から所定の厚みのフィルムにおける酸素透過率(Y’)を推定することも可能である。酸素透過率は、一般的な方法、たとえばモダンコントロール社製のOXY−TRAN酸素透過率測定装置で測定することができる。測定条件は23℃・50%RHが一般的である。
第一ガスバリア性樹脂層及び第二ガスバリア性樹脂層は、酸素吸収性樹脂層の両側にあることが必要である。ガスバリア性樹脂層がない場合や片側のみ(すなわち第一ガスバリア性樹脂層又は第二ガスバリア性樹脂層のみ)の場合は、フィルムの延伸、熱固定中に酸素吸収性樹脂層がTg以上の高温に曝され、その間に酸素を吸収してその酸素吸収能力が飽和してしまう。この工程を無酸素下で行うことができないかぎり、酸素吸収性樹脂層の両側にガスバリア性樹脂層は必要である。また、第一ガスバリア性樹脂層と第二ガスバリア性樹脂層は、同一材質又は異なった材質でもかまわないが、耐カール性や生産性を考慮すると、実質的に同じ材質でほぼ同等の厚みであることが好ましい。
一般に、酸素吸収性樹脂層の酸素吸収能力は、酸素吸収性樹脂そのものの酸素吸収能力(ml/g)を測定し、所定の厚みの単位面積あたりに換算して求められる。酸素吸収性樹脂の酸素吸収能力は、所定の厚みの酸素吸収性樹脂からなるフィルムを作製し、飽和するまでの酸素吸収量から単位重量あたりの酸素吸収量を計算する(Xml/g)。単位面積あたりの酸素吸収能力は、酸素吸収性樹脂層の厚み(Aμm)と酸素吸収性樹脂の密度(dg/cm3)から以下の式1により算出することができる。
X×10000×A/10000×d=X×A×d(ml/m2)・・・・・・(式1)
但し、Xは酸素吸収性樹脂の酸素吸収容量(ml/g)、Aは酸素吸収性樹脂層(a)の厚み(μm)、dは酸素吸収性樹脂の密度(g/cm3)である。
一方、酸素吸収性樹脂層は、上述のとおり、第一ガスバリア性樹脂層を60日間標準状態(23℃・50%RH)で保管した際に、第一ガスバリア性樹脂層を透過する酸素量よりも高い酸素吸収能力を有することが必要である。第一ガスバリア性樹脂層を60日間、空気中に標準状態(23℃・50%RH)で透過する酸素量は上記の所定の厚みのフィルムの酸素透過率(Y)を用いて以下の式2より算出することができる。
(Y/10)×0.21×60(ml/m2)・・・・・・(式2)
すなわち、本発明は、下記の式3を満たす酸素吸収性樹脂と第一ガスバリア性樹脂層及び第二ガスバリア性樹脂層とを組み合わせることにより、60日間以上に亘って、高い酸素バリア性能を維持できるガスバリア性延伸フィルムを提供することができる。
X×A×d>(Y/10)×0.21×60・・・・・・(式3)
本発明のガスバリア性延伸フィルムは、第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層からなる積層フィルムにポリアミド系樹脂層を積層する。これにより、本発明のガスバリア性延伸フィルムは、フィルムの強度を向上させることができる。特に耐ピンホール性を要求される軟包装分野では、このポリアミド系樹脂層の厚みをフィルム全体の厚みの40%以上とすることが好ましく、50%以上とすることがさらに好ましい。さらに、上記積層フィルムの両外層にポリアミド系樹脂層を積層することにより、耐摩耗性等も向上でき、好ましい延伸フィルムが得られる。特に好ましくは、ポリアミド系樹脂層/第一ガスバリア性樹脂層/酸素吸収性樹脂層/第二ガスバリア性樹脂層/ポリアミド樹脂層とすることで、カールもなく、安定したガスバリア性能とフィルム強度を維持することができる。
本発明のガスバリア性延伸フィルムは、上記積層フィルムにシーラント層を張り合わせ、さらなる加工に供することができる。このフィルムに、塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物系樹脂等のコーティング層を設けることにより、ガスバリア性を一層向上させた、耐屈曲ピンホール性の優れたフィルムが得られる。また、各種単層若しくは積層フィルムと、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出しラミネート法等により積層することにより得られる積層体は耐屈曲ピンホール性の優れたものとなる。
[突き刺し強度]
本発明のガスバリア性延伸フィルムの突き刺し強度は、196N/mm以上、好ましくは200N/mm以上、さらに好ましくは250N/mm以上であり、500N/mm以下、好ましくは480N/mm以下、さらに好ましくは450N/mm以下であることが必要である。突き刺し強度が196N/mm以下の場合は、包装材として使用する際に、内容物や外部の突起などでピンホールが発生しやすく、一方、500N/mm以上にしようとすると、延伸倍率を過度に上げる必要があり、その結果、安定してフィルムが得られなくなるので好ましくない。突き刺し強度は、試験片を23℃・50%RH条件下で24時間調湿し、同条件下で、先端直径0.5mmの針が、50mm/minの速度で試験片を突き抜けた時の最大荷重を測定し、試験片厚み(mm)で除した数値から算出することができる。
<本発明のガスバリア性フィルムの製造方法>
本発明のガスバリア性延伸フィルムは、公知の一般的な方法により製造することができる。例えば、ガスバリア性樹脂、酸素吸収性樹脂、ポリアミド樹脂等を原料として用いて、実質的に無定型で配向していない積層フィルム(以下「積層未延伸フィルム」という)を、通常、共押出法で製造するのがよい。この積層未延伸フィルムの製造は、例えば、上記原料を3〜5台の押出機により溶融し、フラットダイ又は環状ダイから押出した後、急冷することによりフラット状、または環状の積層未延伸フィルムとする共押出法を採用するのがよい。
次に、上記の積層未延伸フィルムを、直交する二軸方向、すなわちフィルムの流れ方向(縦方向)とこれと直交する方向(横方向)に各々2.5倍以上、好ましくは2.7倍以上、さらに好ましくは2.9倍以上であり、4.5倍以下、好ましくは4.3倍以下、さらに好ましくは4.0倍以下の範囲で延伸する。縦方向及び横方向の二軸延伸方向の延伸倍率が、各々2.5倍より小さい時は、延伸の効果が少なく、フィルムの強度が劣り、特に突き刺し強度が低下するので、包装材料として用いた場合、内容物の突起などによりピンホールが開く確率が高まる。また二軸延伸方向の延伸倍率が各々4.5倍より大きい時は、延伸時に積層フィルムが裂けたり破断したりしやすいので、延伸倍率の上限は上記の範囲内とするのがよい。
二軸延伸の方法は、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等、本発明の趣旨を越えない限り、公知の延伸方法が採用できる。例えば、テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、積層未延伸フィルムを50〜110℃の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に2.5〜5倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によって60〜140℃の温度範囲内で横方向に2.5〜5倍に延伸することにより製造することができる。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、60〜130℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に2.5〜5倍に延伸することにより製造することができる。
上記方法により延伸された二軸延伸フィルムは、引き続き熱処理をする。熱処理をすることにより常温における寸法安定性を付与することができる。この場合の熱処理温度は、110℃を下限としてポリアミド系樹脂の融点より5℃低い温度を上限とする範囲を選択するのがよく、これにより常温寸法安定性のよい、任意の熱収縮率を持った延伸フィルムを得ることができる。熱処理操作により、充分に熱固定された二軸延伸フィルムは、常法により冷却し巻きとる。
[包装容器]
本発明のガスバリア性延伸フィルムは、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂を一般的な方法でラミネート後、周囲をヒートシールして袋形状、あるいはカップ等の立体容器の蓋材の形で用いられる。
フィルム等の包装材料は、種々の形態の包装袋として用いることができ、その製袋は、それ自体公知の製袋法で行うことができ、三方或いは四方シールの通常のパウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋などが挙げられるが、この例に限定されない。
本発明の包装体は、酸素による内容物の香味低下を防止しうる包装体として有用である。充填できる内容物としては、飲料ではワイン、フルーツジュース等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品等、その他では医薬品、化粧品、ガソリン等、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品などが挙げられるが、これらの例に限定されない。
本発明を次の例により更に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものでない。
<酸素吸収樹脂>
ナイロン6ペレットとステアリン酸コバルトを95:5の割合で含む樹脂混合物を窒素雰囲気下で二軸押出機を用いて押出した。押出されたストランドを水浴で急冷し、次いでペレット化し、乾燥してコバルトマスターバッチを得た。
次に、ナイロン6ペレットを窒素雰囲気下で二軸押出機を用いて押出しながら、ポリブタジエン(エポキシ官能化ポリブタジエン−Elf−Atochem社製 Poly BD600/PolyBD605E)を質量比で5%となるようにナイロン6中に加えた。押出されたストランドを水浴で急冷し、次いでペレット化し、乾燥して酸素吸収ベース樹脂を得た。
<酸素吸収容量>
酸素吸収性樹脂ペレットとコバルトマスターバッチを重量比47:1でコバルトの濃度が100ppmとなるようにペレットを乾燥混合して、単軸押出機にて押出し、キャストロールで冷却後、50μmのフィルムとして巻き取った。このフィルムを5g精秤し、アルミ箔ラミPPフィルム内に水分を数滴加えた脱脂綿及び空気400mlと共に密封した。密封した袋を40℃で保管し、1ヶ月後の酸素濃度を測定した。酸素濃度は、袋に貼り付けたラバーを通してミクロシリンジを突き刺し、PBI社製酸素分析計Dansensor CheckMateで測定した。この濃度から吸収された酸素量を計算し、シート重量で除して酸素吸収容量9.3ml/gを算出した。
<突き刺し強度>
試験片を23℃・50%RH条件下で24時間調湿し、同条件下で、先端直径0.5mmの針が、50mm/minの速度で試験片を突き抜けた時の最大荷重を測定し、試験片厚み(mm)で除した数値を突き刺し強度とした。コンバーティングの基材用フィルムとしては突き刺し強度196N/mm(20kgf/mm)以上であることが条件となる。
<酸素透過率>
モダンコントロール社製のOXY−TRAN100型酸素透過率測定装置を使用し、23℃50%RHで測定し、酸素透過率とした。なお、第一ガスバリア性樹脂層の酸素透過率は、単体の二軸延伸フィルム(倍率MD/TD=3/3、厚み20μm)を作製し、その酸素透過率を上記条件下で測定して、厚み換算した。
(実施例1)
外層から順に、ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバミッド1020)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH:クラレ社製エバールL101B エチレン含有量27モル%タイプ)/(酸素吸収ベース樹脂+コバルトマスターバッチ(コバルト含有量100ppm)混合樹脂(酸素吸収性樹脂組成物I)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH:クラレ社製エバールL101B エチレン含有量27モル%タイプ)/ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)を共押出し、30℃のキャストロールに密着急冷し、第1層が約40μmのナイロン6、第2層が約20μmのEVOH、第3層が約30μmの酸素吸収性樹脂、第4層が約20μmのEVOH、そして第5層が約40μmのナイロン6の各々よりなる3種5層の未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸積層フィルムを65℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に3倍延伸し、次いで、この縦延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で110℃の条件下で横方向に3.5倍に延伸した後、210℃で6秒間の熱処理を行った。熱処理を行った後のフィルムは、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後の製品フィルム部分をロール状に巻き取り、第1層が約4μm、第2層が約2μm、第3層が3μm、第4層が2μm、そして第5層が約4μmである、3種5層構成で、全体の厚みが約15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。
さらに第5層側にコロナ処理を施し、40μmのLLDPE(東セロ社製TUX−FCS 40μ)とエーテル系接着剤を用いてドライラミネートし、エージング後、LLDPE側を内側として周囲をヒートシールして内側に窒素を約300ml入れた縦30cm、横20cmの袋を5個作った。この袋を23℃・50%RHの環境下保存した。30日目に5つの袋を開封しフィルムの酸素透過率をモダンコントロール社製のOXY−TRAN100型酸素透過率測定装置を使用し、23℃50%RHの条件下で測定し、5つの平均を求め、60日後の酸素透過率とした。
なお、このEVOH27モル%タイプの厚み2μmのフィルムの60日間の空気中標準状態(23℃・50%RH)での酸素透過量は13ml/m2となるので、酸素吸収容量32ml/m2の方が大きい。該フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、EVOHを日本合成化学社ソアノールDC3203(エチレン含有量32モル%タイプ)に変更し、厚み構成を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法により延伸フィルムを作製し、得られた延伸フィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、このEVOH32モル%タイプの厚み2μmのフィルムの60日間の空気中標準状態(23℃・50%RH)での酸素透過量は25ml/m2となるので、酸素吸収容量53ml/m2の方が大きい。
(実施例3、4)
実施例2において、厚み構成を表1に示すように変更した以外は実施例2と同様の方法により延伸フィルムを作製し、得られた延伸フィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、厚み構成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法により延伸フィルムを作製し、得られた延伸フィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、酸素吸収樹脂組成物として、Honeywell社製Aegis HFX(非結晶性NY系酸素吸収材)を使用した以外は実施例1と同様の方法により延伸フィルムを作製し、得られた延伸フィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、Honeywell社製Aegis HFXの酸素吸収容量は10ml/gであった。
(比較例1)
実施例1において第2層と第4層のEVOHをクラレ社製エバールE101B(エチレン44モル%タイプ)とし、その厚みを3μmに変えた以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを作製し、得られたフィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、このEVOH(クラレ社製エチレン含有量44モル%タイプ)二軸延伸フィルムの厚み3μmのフィルムの酸素透過率は23℃・50%RH条件下で49ml/ m2・day・MPa(4.9ml/m2・day・atm)であった。
(比較例2)
実施例1において第2層と第4層のEVOHを三菱ガス化学社製MX−ナイロン(MXD6)とし、その厚みを5μmに変えた以外は実施例1と同様の方法で延伸にフィルムを作製し、得られた延伸フィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、このポリアミド系二軸延伸フィルムの厚み5μmのフィルムの酸素透過率は23℃・50%RH条件下で76ml/ m2・day・MPa(7.6cc/m2・day・atm)であった。
(比較例3)
外層から順に、ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203:エチレン含有量32モル%タイプ)/酸素吸収ベース樹脂+コバルトマスターバッチ(コバルト含有量100ppm)混合樹脂(酸素吸収性樹脂組成物I)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203:エチレン含有量32モル%タイプ)/ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)を共押出し、キャストロールで冷却後、第1層が約56μmのナイロン6、第2層が約25μmのEVOH、第3層が約62μmの酸素吸収樹脂、第4層が約25μmのEVOH、そして第5層が約56μmのナイロン6の各々よりなる3種5層の未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸積層フィルムを55℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に2.7倍延伸し、次いで、この縦延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で100℃の条件下で横方向に4.6倍に延伸しようとしたが、延伸中の破断が多く、フィルムを巻き取ることができなかった。
(比較例4)
外層から順に、ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203:エチレン含有量32モル%タイプ)/酸素吸収ベース樹脂+コバルトマスターバッチ(コバルト含有量100ppm)混合樹脂(酸素吸収性樹脂組成物I)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203 :エチレン含有量32モル%タイプ)/ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)を共押出し、キャストロールで冷却後、第1層が約26μmのナイロン6、第2層が約12μmのEVOH、第3層が約29μmの酸素吸収性樹脂、第4層が約12μmのEVOH、そして第5層が約26μmのナイロン6の各々よりなる3種5層の未延伸積層フィルムを得た。
得られた未延伸積層フィルムを55℃の条件下でロール式延伸機にて縦方向に2.4倍延伸し、次いで、この縦延伸フィルムの端部をテンタークリップで保持し、テンターオーブン内で100℃の条件下で横方向に2.4倍に延伸した後、210℃で6秒間の熱処理を行った。熱処理を行った後のフィルムは、クリップの把持部に相当する両端部分はトリミングし、トリミング後の製品フィルム部分をロール状に巻き取り、第1層が約4.5μm、第2層が約2μm、第3層が5μm、第4層が2μm、そして第5層が約4.5μmである、3種5層構成で、全体の厚みが約15μmの積層二軸延伸フィルムを得た。しかしながら、未延伸部が残り、厚み精度も悪く、実用に耐えない状態であったのでこれ以上の測定はしなかった。
(比較例5)
実施例2において内側のガスバリア層をなくした以外は実施例2と同様の方法で延伸フィルムを作製し、得られたフィルムの測定と評価を行った。その結果を表1に示す。フィルム製造中に酸素吸収層の酸素吸収能力が飽和してしまっていることがわかる。

(比較例6)
外層から順に、ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203:エチレン含有量32モル%タイプ)/酸素吸収ベース樹脂+コバルトマスターバッチ(コバルト含有量100ppm)混合樹脂(酸素吸収性樹脂組成物I)/エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH):日本合成化学(株)社製ソアノールDC3203:エチレン含有量32モルタイプ)/ナイロン6(三菱エンジニアリングプラスチックス社ノバミッド1020)を共押出し、キャストロールで冷却後、第1層が約4.5μmのナイロン6、第2層が約2μmのEVOH、第3層が約5μmの酸素吸収樹脂、第4層が約2μmのEVOH、そして第5層が約4.5μmのナイロン6の各々よりなる3種5層の未延伸積層フィルムを作製し、得られた未延伸積層フィルムの測定と測定を行った。その結果を表1に示す。
なお、このEVOH(日本合成化学(株)社製 エチレン含有量32モル%タイプ)未延伸フィルムの厚み2μmのフィルムの酸素透過率は23℃・50%RH条件下で35ml/ m2・day・MPa(3.5ml/m2・day・atm)であった。
Figure 0005008889
表1より、本発明の範囲のガスバリア性延伸フィルムは、高い酸素ガスバリア性を長期間、安定して持続でき、かつ良好なフィルム強度が得られた(実施例1〜4)。これに対し、ガスバリア性樹脂層の酸素透過率が30ml/ m2・day・MPaより高い場合(比較例1及び2)、延伸倍率が本発明の範囲外である場合(比較例3及び4)及び無延伸フィルムの場合(比較例5)にはいずれも高い酸素バリア性能とフィルム強さを併有するフィルムは得られなかった。
これより、本発明によれば高ガスバリア性能を持続でき、フィルム強度のあるガスバリア性延伸フィルムを提供できることが分かる。
本発明の好適なガスバリア性延伸フィルムの断面図(その1)である。 本発明の好適なガスバリア性延伸フィルムの断面図(その2)である。
符号の説明
1 ガスバリア性延伸フィルム
2 ポリアミド系樹脂層
3 第一ガスバリア性樹脂層
4 酸素吸収性樹脂層
5 第二ガスバリア性樹脂層
6 ポリアミド系樹脂層

Claims (7)

  1. ポリアミド系樹脂層、第一ガスバリア性樹脂層、酸素吸収性樹脂層、及び第二ガスバリア性樹脂層の少なくとも4層を、酸素吸収性樹脂層の両側に第一ガスバリア性樹脂層及び第二ガスバリア性樹脂層が配される構成で有し、第一ガスバリア性樹脂層及び/又は第二ガスバリア性樹脂層を構成するガスバリア性樹脂が、エチレン含有量32モル%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物であり、前記第一ガスバリア性樹脂層の酸素透過率が23℃・50%RHの条件下で30ml/m2・day・atm(3cc/m2・day・atm)以下であり、且つ、前記酸素吸収性樹脂層が被酸化性樹脂と遷移金属系触媒とを含む樹脂組成物である積層フィルムを直交する2軸方向に2.5倍以上4.5倍以下の倍率で延伸したフィルムであって、突き刺し強度が196N/mm(20Kgf/mm)以上500N/mm以下であり、かつ23℃・50%RHでの酸素透過率が1ml/m2・day・MPa(0.1cc/m2・day・atm)以下である状態を少なくとも60日間維持できる、酸素吸収性樹脂層の厚みが1〜10μmであり、第一ガスバリア性樹脂層及び第二ガスバリア性樹脂層の厚みが各々1〜10μmであり、かつ、全体の厚みが40μm以下であることを特徴とするガスバリア性延伸フィルム。
  2. 第一ガスバリア性樹脂層の酸素透過率が、23℃・50%RHで30ml/m2・day・MPa(3cc/m2・day・atm)以下であり、かつ23℃・50%RHで60日間保管したときの酸素吸収性樹脂層の単位面積あたりの酸素吸収量が、前記条件下で保管したときの第一ガスバリア性樹脂層の単位面積あたりの酸素透過量より大きい請求項1に記載のガスバリア性延伸フィルム。
  3. 酸素吸収性樹脂層を構成する酸素吸収性樹脂が、ポリアミド樹脂を主成分とし、被酸化性樹脂及び遷移金属系触媒を含有する樹脂組成物である請求項1又は2に記載のガスバリア性延伸フィルム。
  4. ポリアミド系樹脂層を構成するポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂を主成分とする樹脂組成物である請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性延伸フィルム。
  5. ポリアミド系樹脂層、第一ガスバリア性層、酸素吸収性樹脂層、及び第二ガスバリア性樹脂層の少なくとも4層を有する積層フィルムが共押出法により成形される請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性延伸フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性延伸フィルムを用いたガスバリア性包装材。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のガスバリア性延伸フィルムを用いたガスバリア性包装体。
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