JP4837360B2 - 両面粘着フィルム - Google Patents
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Description
なお、特に、本発明の両面粘着フィルムを光学部材貼りあわせ用、さらには、液晶ディスプレイ(LCD)等、光学異方性を有する部材を含むユニットにかかわる部材の貼り合わせに使用すると、有用である。
粘着層を形成するには、
1、部材に粘着剤溶液を直接塗布、乾燥する方法
2、離型フィルムに粘着剤溶液を塗布、乾燥して粘着層を形成し、部材を貼り合せる 方法
3、両面粘着フィルムを貼り合せる方法がある。
特に、基材レスの両面粘着フィルムを用いた貼り合わせによる方法は、生産対応が柔軟性に富み、少量多品種での生産にも向くことからよく用いられている。
また、粘着剤の物性を堅くすることで、はみ出しの問題はある程度回避することができるが、堅くすることで耐久性等に問題を生じ、性能面で全てに満足のいくものは得られていなかった。
また、端部からの粘着剤のはみ出しが少ないものとしてPETフィルムを基材(芯材)とした両面粘着フィルムが知られているが、これは基材のPETフィルムに配向があるため、光学異方性を有する部材を用いている系では使用することが出来ないものである。また、基材のPETフィルムが持っている内部ヘイズが問題となる場合もあった。内部ヘイズとはフィルム内部に起因するヘイズ(濁度)のことで、この値が高いと視覚的に濁って見えてしまう。更に、基材(芯材)の伸縮性、柔軟性が十分でないために貼り合わせや温湿度変化に伴う部材の伸張に対応できずに不具合を生じることもあった。
また、近年製造コストを抑える目的でリワーク性を有する粘着剤が用いられている。これは貼り合わせに不具合を生じた場合に再剥離を行うことで特定の部位を再利用しようとするものであるが、基材レスの両面粘着フィルムを用いると粘着剤のみ取り除くことはできないため、片側の部材は再利用することができなかった。更に、リワーク性を持たせるために粘着力は低めであることから、粘着剤が残ってほしい部材から粘着剤がはがれて被着体に残るという所謂糊残りという現象が起こりがちであった。
本発明はこうした状況にかんがみなされたもので、光学的に無配向であり、端部からの粘着剤のはみ出しが少なく、また、選択する粘着剤により、貼り合わせた部材からの完全除去が可能で、特に、FPD用途に用いられる両面粘着フィルムを提供することを課題としている。
ムにおいて、第1の粘着層及び第2の粘着層がアクリル系で、JIS K7127による引張強さが5MPa以上である。
図1において、1は両面粘着フィルムで、両面粘着フィルム1は、光学的に無配向でかつ透明な基材2と、この基材2の一方の面に設けられた透明な第1の粘着層3と、基材2の他方の面に設けられた透明な第2の粘着層4とを有し、積層された3層の厚みTが55μm以下で、内部HAZEが1%以下となっている。
ポリウレタンに関してはポリオールとイソシアネ−トの2液反応系の塗工液として塗工後に重合付加反応をさせることで、また、ポリウレタン樹脂溶液を塗工する事によっても得ることが出来る。更に密着性を向上させるためにポリウレタン樹脂にイソシアネートを添加することも出来る。これらは非黄変性のものを用いることが好ましい。なおポリオールとイソシアネートの反応には触媒を用いることもできる。基材2は各樹脂溶液のキャスト法により作成することが出来るが、離型処理されたフィルムの離型面に塗布、乾燥し、更に必要に応じてブロッキング防止の意味で離型フィルムの離型面を基材面に貼り合わせることで比較的容易に無配向の基材フィルムを作成することができる。
塗工方式は特に限定されるものではなく、公知の方式、たとえばグラビアコート、ワイヤーバーコート、ロールコート、エアナイフコート、リバースコート、キスコートなどを用いることが出来る。
基材2の厚みは2μm〜50μmで、これより低い場合は基材2を用いる効果が得られにくく、またこれより高くなると粘着フィルムとしての厚みが過多となり、実際に使用した場合の最終構成に不具合を生じるし不経済でもある。更に、好ましい厚みは3μm〜20μmである。
本発明に使用する(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするポリマーは、従来公知の重合法により、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする単量体混合物を重合して得られたポリマーである。この単量体混合物としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、架橋剤と架橋反応する官能基を有する官能基含有モノマーを必須成分とする。またその他のビニル系モノマーを配合することもできる。
主成分として用いる(メタ)アクリル酸エステルの例としてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらは単独でもしくは組み合わせて使用することができる。
また、官能基含有モノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなどのようにカルボキシル基を有するモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドリキシル基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマー、アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基を有するモノマー、アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有のモノマーなどを挙げることができる。これらは単独でもしくは組み合わせて使用することができる。
更に、その他のモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン及びビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニル、塩化ビニル、(メタ)アクリロニトリル等を単独であるいは組み合わせて共重合させてもよい。
これらに加える粘着付与樹脂としては、テルペン樹脂、α−ピネン、テルペンフェノール共重合体、ロジンおよびロジン誘導体、クマロン−インデン樹脂、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、キシレン樹脂、芳香族石油樹脂、脂肪族石油樹脂、脂環族石油樹脂などが上げられ、これらの一種もしくは数種の混合物を用いることができる。更に、アクリル樹脂を用いることも出来る。
架橋剤としては、イソシアネ−ト系化合物、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、金属キレート系化合物およびアミン系化合物等を挙げることができる。これらの架橋剤は単独で用いる事も2種類以上を併用して用いる事もできる。この架橋剤の添加量は、慎重に検討される必要がある。
第1の粘着層3又は第2の粘着層4の形成には、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤を有機溶剤に希釈して基材上に塗布、乾燥することで形成することが出来る。またエマルジョンタイプを用いることも出来る。さらに離型処理されたフィルムの離型面に粘着剤を塗工してから、基材フィルムを貼り合わせることで粘着剤を転写させる方法などを採ることもできる、
塗工方式は特に限定される物ではなく、公知の方式、たとえばグラビアコート、ワイヤーバーコート、ロールコート、エアナイフコート、リバースコート、キスコートなどを用いることが出来る。
なお、基材2の両側の第1の粘着層3又は第2の粘着層4は、組成、塗布厚みを変えることで物性を変化させることができる。こうしたことにより、両面粘着フィルム1の片側だけ粘着力を高めるなど種々の設計ができ、剥離時の糊残り防止などの効果を得ることができる。
即ち、それぞれの界面での剥離力がA,D<B<Cである離型フィルムA、B、C、Dを用い、図2に示すように、離型フィルムBに基材樹脂溶液を塗布乾燥して基材2を形成し、該基材2に離型フィルムAをラミネートする(第1の工程)。
また、図3(a)に示すように、離型フィルムCに粘着剤溶液を塗布乾燥して第1の粘着層3を形成し、この第1の粘着層3に第1の工程で得られた基材2から離型フィルムAを剥がし、図3(b)に示すように、第1の粘着層3と基材2が合わさるようにして貼り合わせる(第2の工程)。
次に、図4(a)に示すように、離型フィルムDに粘着剤溶液を塗布乾燥して第2の粘着層4を形成し、この第2の粘着層4に第2の工程で得られた基材2から離型フィルムBを剥がし、図4(b)に示すように、第2の粘着層4と基材2が合わさるようにして貼り合わせを行い、順次、離型フィルムC、第1の粘着層3、基材2、第2の粘着層4、離型フィルムDが積層されて両面粘着フィルムを得る(第3の工程)。
この方法によれば均一な厚みを有する無配向の基材2を容易に得ることが出来、基材2にダメージを与えることがなく粘着層3、4を両面に積層することが出来る。
ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製 商品名バイロン200)をトルエン/メチルエチルケトン=1/1の溶液で固形分が25%になるまで希釈して基材樹脂塗工液とした。これを片面にシリコーン系離型処理がされた38μm厚の中剥離PETセパレータ(離型フィルムB)の離型面に塗工し、100℃で2分間乾燥させて厚さ9μmの基材層を形成した。更に片面にシリコーン系離型処理がされた25μm厚の軽剥離PETセパレータ(離型フィルムA)の離型面が合うようにして貼り合わせて基材フィルム(基材2)を得た。
ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業株式会社製 商品名バーノックD−161)を固形分として100重量部、ポリイソシアネート(大日本インキ化学工業株式会社製 商品名バーノックDN−950)を固形分として100重量部の割合で調合し、トルエン/メチルエチルケトン=1/1溶液で固形分が40%になるまで希釈して基材樹脂塗工液とした。この塗工液を用いた他は、参考例1と同様な作業を行ない、軽剥離PETセパレータ(離型フィルムD)と重剥離PETセパレータ(離型フィルムC)により挟まれた構成の両面粘着フィルム1を得た。
ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン工業株式会社製 商品名ニッポラン5120)をトルエン/酢酸エチル/イソプロピルアルコール=4/2/4溶液で固形分が20%になるまで希釈して基材樹脂塗工液とした。この塗工液を用いた他は、参考例1と同様な作業を行ない、軽剥離PETセパレータ(離型フィルムD)と重剥離PETセパレータ(離型フィルムC)により挟まれた構成の両面粘着フィルム1を得た。
リワーク性を有するアクリル系粘着剤として、綜研化学株式会社製 商品名SKダイン2137を固形分として100重量部、コロネートL45を固形分として0.5重量部の割合で調合し、トルエンで固形分が12%になるまで希釈し粘着剤塗工液とした他は、実施例2と同様な作業を行ない、軽剥離PETセパレータ(離型フィルムD)と重剥離PETセパレータ(離型フィルムC)により挟まれた構成の両面粘着フィルム1を得た。
基材2片面第1の粘着層3として積層する粘着剤塗工液を、実施例3のリワーク性を有するものを用い、基材2反対面第2の粘着層4として積層する粘着剤の塗工液として参考例1の強粘着タイプの物を用いた他は、実施例2と同様な作業を行ない、軽剥離PETセパレータ(離型フィルムD)と重剥離PETセパレータ(離型フィルムC)により挟まれた構成の両面粘着フィルム1を得た。この両面粘着フィルム1においては、第1の粘着層3の粘着力と第2の粘着層4の粘着力とが異なり、第1の粘着層3の粘着力が第2の粘着層4の粘着力より小さくなっている。
参考例1で用いた粘着剤塗工液を、片面にシリコーン系離型処理がされた50μm厚の重剥離PETセパレータの離型面に塗工し、100℃で3分間乾燥して25μmの粘着層を形成し、25μm厚の軽剥離PETセパレータの離型面が合わさるようにして貼り合わせ、この状態で常温7日間エージングを行うことにより、基材レスの両面粘着フィルムを得た。
参考例1で用いた粘着剤塗工液を、片面にシリコーン系離型処理がされた50μm厚の重剥離PETセパレータの離型面に塗工し、100℃で2分間乾燥して8μmの粘着層を形成し、芯基材として9μm厚のPET(東洋紡績株式会社製 商品名T4000)を貼り合わせた。更に、25μm厚の軽剥離PETセパレータの離型面に同じ粘着剤塗工液を塗工、100℃で2分間乾燥して8μmの粘着層を形成し、前工程で得られた積層フィルムの芯基材PET面に合わさるように貼り合わせ、この状態で常温7日間エージングを行うことにより、PETを芯基材とする両面粘着フィルムを得た。
実施例3で用いたリワーク性を有する粘着剤塗工液を、片面にシリコーン系離型処理がされた50μm厚の重剥離PETセパレータの離型面に塗工し、100℃で3分間乾燥して25μmの粘着層を形成し、25μm厚の軽剥離PETセパレータの離型面が合わさるようにして貼り合わせ、この状態で常温7日間エージングを行うことにより、リワーク性を有する基材レスの両面粘着フィルムを得た。
実施例3で用いた粘着剤塗工液を用いる他は比較例2と同様な作業を行い、PETを芯基材としたリワーク性を有する両面粘着フィルムを得た。
た。
1、粘着層の内部HAZEの測定
参考例1、実施例1〜3、比較例1〜4の各粘着フィルムの両側の離型フィルムを剥
がし、代わりに70μmの厚みのポリカーボネートフィルム(ピュアエース:帝人株式会
社製)でサンドイッチした構成のフィルムを作り粘着層光学測定用のサンプルとした。こ
こでピュアエースに起因するHAZEは無視できるほど小さいとした。
このサンプルをヘイズメーターNDH2000(日本電色工業株式会社製)を用いてHA
ZE測定した。
2、配向の評価
上記光学測定用のサンプルを2枚の偏光板の間にはさみ回転させることで偏光の乱れ
を目視観察し、粘着フィルムの配向の有無を確認した。偏光の乱れがなかったものは○、
偏光の乱れが生じたものは×とした。
3、フィルム強度の測定
JIS K7127に従い引っ張り試験機で両面粘着フィルムの引張強さを測定した
。測定は両側のPETセパレータを剥がした状態で行った。
4、粘着剤による汚染の測定
両面粘着フィルムをカッターで断裁し、PETフィルムに90°の角度で両面粘着フ
ィルムの断裁面をこすりつけ、PETフィルムに付着した粘着剤の程度を目視で判断した
。
ほとんど付着せず・・○ かなりの量の粘着剤の付着が見られる・・×
5、リワーク性の評価
(その1)
両面粘着フィルムの第2の粘着層4側を100μm厚のPETフィルムに貼りあわせ
25mm巾の短冊になるように断裁した。次に、第1の粘着層3側をガラス板に貼り合わ
せ、23℃で1日保持した後に、粘着力を剥離速度300mm/分、180°剥離にて測
定した。ガラス板から剥がした後に、更に、PET基材から両面粘着フィルムを剥がすこ
とを試みた。
ガラス板から剥がす際の粘着力が5N/25mm以上のものは×、5N/25mm以
下で且つPETフィルムから粘着剤を剥がすことが出来たものは○、5N/25mm以下
でPETフィルムから粘着剤を剥がせなかったものに関しては△とした。
(その2)
両面粘着フィルムの第2の粘着層4側を100μm厚のPETフィルムに貼りあわせ2
5mm巾の短冊になるように断裁した。次に第1の粘着層3側をアクリル板に貼り合わせ
、23℃で1日保持した後に、粘着力を剥離速度300mm/分、180°剥離にて測定
した。さらに剥がした後のアクリル板表面に粘着剤が残っていないか目視確認した。
アクリル板から剥がす際の粘着力が5N/25mm以上のもの、アクリル板に粘着剤が
残ったものは×、粘着力が5N/25mm以下でアクリル板に粘着剤が残らなかったもの
は○とした。
2 基材
3 第1の粘着層
4 第2の粘着層
Claims (4)
- 光学的に無配向でかつ透明なポリウレタン系樹脂からなる基材と、この基材の一方の
面に設けられた透明な第1の粘着層と、前記基材の他方の面に設けられた透明な第2の粘
着層とを有し、積層された3層の厚みが55μm以下で、かつ、前記基材の厚みが3μm
〜20μmであり、内部HAZEが1%以下である
ことを特徴とする両面粘着フィルム。 - 第1の粘着層は、アクリル系粘着剤で形成され、前記第1の粘着層側をアクリル板に
貼り合わせ、23℃で1日保持した後に、剥離速度300mm/分、180°剥離での粘
着力が5N/25mm以下で、かつ、剥離の際に前記アクリル板に前記アクリル系粘着剤
が残らない
ことを特徴とする請求項1記載の両面粘着フィルム。 - 第1の粘着層及び第2の粘着層がアクリル系で、JIS K7127による引張強さが5MPa以上である
ことを特徴とする請求項1または2記載の両面粘着フィルム。 - 第1の粘着層と第2の粘着層とが異なる
ことを特徴とする請求項1または2記載の両面粘着フィルム。
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