JP4806975B2 - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents
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Description
CZ法で製造されたシリコン単結晶には、デバイスの製造過程で顕在化してくる微細欠陥、すなわちGrown-in欠陥が生じることが知られている。図1は、CZ法にて得られたシリコン単結晶の径方向における欠陥分布状態を説明するための断面図である。図1に示すように、CZ法にて得られたシリコン単結晶のGrown-in欠陥は、赤外線散乱体欠陥またはCOP(Crystal Originated Particle)などと呼ばれる大きさが0.1〜0.2μm程度の空孔欠陥、および転位クラスターと呼ばれる大きさが10μm程度の微小転位からなる。
図2に示すように、引き上げ速度の早い段階では、結晶周辺部にリング状のOSF発生領域が現れ、OSF発生領域の内側部分が赤外線散乱体欠陥の多数発生する赤外線散乱体欠陥発生領域となっている。そして、引き上げ速度の低下にしたがって、OSF発生領域の径が次第に小さくなってOSF発生領域の外側部分に転位クラスターの発生する転位クラスター発生領域が現れ、やがてOSF発生領域が消滅して、全面に転位クラスター発生領域が現れる。
図3に示すように、(Gc≧Ge)となるホットゾーン構造を有する育成装置にて、図3に示すBからCの範囲の引き上げ速度で育成すると、固液界面近傍での結晶側の温度勾配Gが制御され、ウェーハ面全面にわたって均一な無欠陥領域となるシリコン単結晶が得られる。なお、無欠陥結晶を引き上げることのできる引き上げ速度範囲(図3ではBからCの範囲)を無欠陥結晶の引き上げ速度マージンという。
また、本発明は、直胴部が酸素析出促進領域(PV領域)および/または酸素析出抑制領域(PI領域)となるシリコン単結晶を歩留まりよく製造できるシリコン単結晶の育成方法を提供することを目的とする。
育成中のシリコン単結晶の側面部を冷却し融点から1350℃までの結晶中心部での軸方向温度勾配Gcと融点から1350℃までの結晶外周部での軸方向温度勾配Geとの比Gc/Geが1.1〜1.4、前記結晶中心部での軸方向温度勾配Gcが3.0〜3.5℃/mmとなるように育成中のシリコン単結晶の温度を制御するとともに、
単結晶を育成する雰囲気ガスが水素原子含有物質の気体を含み、
前記雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を40〜160Paとするか160〜400Paとすることにより、PV領域およびPI領域との混在を回避して、全面がPV領域であるシリコンウェーハが得られるシリコン単結晶と、全面がPI領域であるシリコンウェーハが得られるシリコン単結晶との作り分けをおこなうことにより上記課題を解決した。
本発明の前記水素分圧が100〜250Paとされることができる。
本発明の前記水素原子含有物質の気体が、水素ガスであることができる。
本発明において、前記酸素濃度が13×10 17 〜16×10 17 atoms/cm 3 (01d−ASTM)であることが好ましい。
本発明では、育成中のシリコン単結晶の温度が1000〜800℃の範囲である時間が、80〜180分であることができる。
本発明では、育成中のシリコン単結晶の側面部に負荷される熱応力が30〜45MPaの範囲とされることができる。
本発明において、前記雰囲気ガス中における酸素ガス(O 2 )の濃度は、前記水素原子含有物質の気体の水素分子換算での濃度をαとし、酸素ガス(O 2 )濃度をβとしたとき、α−2β≧3%(体積%)を満たすものとされることがある。
本発明では、炉内圧が4〜6.7kPaの範囲である場合、雰囲気ガス中には、20体積%以下の濃度で窒素が存在してなることが好ましい。
本発明では、水平磁場(横磁場)にあっては磁場強度が2000〜4000Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−75〜+50mmの範囲内になるように設定され、カスプ磁場にあっては、磁場強度が300〜700Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−50〜+50mmの範囲内になるように設定されて磁場を供給することがある。
本発明の引き上げる単結晶の直径をDcとするとき、前記冷却用部材はその内周面の径が1.20Dc〜2.50Dc、長さが0.25Dc以上であり、融液表面から冷却用部材の下端面までの距離が0.30Dc〜0.85Dcであることが望ましい。
本発明のシリコン単結晶の育成方法は、チョクラルスキー法により酸素濃度が12×1017〜18×1017atoms/cm3(ASTM−F121 1979)であるシリコン単結晶を育成する方法であって、単結晶を育成する雰囲気ガスを、不活性ガスと水素原子含有物質の気体との混合ガスとし、融点から1350℃までの結晶中心部での軸方向温度勾配Gcと融点から1350℃までの結晶外周部での軸方向温度勾配Geとの比Gc/Geが1.1〜1.4、前記結晶中心部での軸方向温度勾配Gcが3.0〜3.5℃/mmとなるように育成中のシリコン単結晶の温度を制御することを特徴とする。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、育成中のシリコン単結晶の側面部を冷却する方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、前記酸素濃度が14×1017〜15×1017atoms/cm2(ASTM−F121 1979)である方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、育成中のシリコン単結晶の温度が1000〜800℃の範囲である時間が、80〜180分である方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、前記雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を40〜400Paとすることを特徴とする方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、前記シリコン単結晶の直胴部を、酸素析出促進領域(PV領域)および/または酸素析出抑制領域(PI領域)とすることを特徴とする方法とすることができる。
また、上記のシリコン単結晶の育成方法においては、前記シリコン単結晶の直胴部を、酸素析出抑制領域(PI領域)とする方法とすることができる。
また、本発明のシリコンウェーハの製造方法は、上記のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法によって育成されたシリコン単結晶の直胴部から採取されたものであって、酸素析出物密度が1×104〜1×106個/cm3であることを特徴とする。
また、本発明のシリコンウェーハは、上記の製造方法により製造されたことを特徴とする。
このため、OSF発生領域とPV領域およびPI領域との混在を回避する引き上げ速度マージンでのシリコン単結晶の育成が可能となる。その結果、OSFが顕在化しないように酸素濃度を12×1017atoms/cm3(ASTM−F121 1979)以下の低い濃度にする必要がなくなり、酸素濃度が12×1017〜18×1017atoms/cm3(ASTM−F121 1979)であるシリコン単結晶を製造することができる。
育成中の装置内では、不活性ガス雰囲気中に含まれる水素の分圧に比例した水素が、シリコン融液中に溶け込んで凝固するシリコン結晶中に分配される。
シリコン融液中の水素濃度は、ヘンリーの法則から気相中の水素分圧に依存して決まり、
PH2=kCLH2と表される。
ここで、PH2は雰囲気中の水素分圧、CLH2はシリコン融液中の水素濃度、kは両者の間の係数である。
一方、シリコン単結晶中の濃度は、シリコン融液中の濃度と偏析との関係で決まり、
CSH2 =k′CLH2 =(k′/k)PH2と表される。
ここで、CSH2は結晶中の水素濃度、k′は水素のシリコン融液−結晶間の偏析係数である。
なお、Grown-in欠陥の形成に影響を及ぼした水素のほとんどは、その後の冷却の過程でシリコン単結晶外に逸散する。
また、OSF領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、狭くなっている。PI領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、大幅に拡大される。また、PV領域の引き上げ速度マージンは、水素分圧の増加にしたがって、広がったり狭まったりしているが、水素分圧が100〜250Paのときに引き上げ速度マージンが大きくなっている。
なお、水素分子分圧を40Pa未満とした場合、無欠陥結晶の引き上げ速度マージンを大きくする効果が十分に得られないため好ましくない。また、水素分子分圧が400Paを越える場合、水素欠陥呼ばれる巨大空洞欠陥が発生しやすくなるため好ましくない。また、雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を400Pa以下とすることで、仮に、シリコン単結晶の育成装置内にリークして空気が流入したとしても、燃焼することなく安全に操業することが可能である。
図6は、Gc/Geが1.1〜1.4であり、軸方向温度勾配Gcが3.0〜3.6℃/mmであるホットゾーン構造を有する育成装置を用い、引き上げ時の引き上げ速度を徐々に低下させて育成したシリコン単結晶の断面の欠陥分布状態を説明するための図であり、図7は、図6と同じホットゾーン構造を有する育成装置を用い、かつ、引き上げ炉内に水素が添加された不活性ガスを供給し、引き上げ時の引き上げ速度を徐々に低下させて育成したシリコン単結晶の断面の欠陥分布状態を説明するための図である。
図6および図7に示すシリコン単結晶の育成に用いたホットゾーン構造では、育成中のシリコン単結晶の温度が1000〜800℃の範囲である時間、言い換えると、育成中のシリコン単結晶が1000〜800℃温度範囲を通過する時間が、180分以下となる。
このようなホットゾーン構造を有する育成装置を用いることで、PV領域とOSF発生領域との間で形成される境界面において、図6に示すように中央部が結晶軸方向に盛り上がっている部分mの育成に相当する速度をfpDとし、図6に示すようにリング状に盛り上がっている部分(結晶の径方向で結晶中心と最外部との中間位置で結晶軸方向に凸状をなす部分)nの育成に相当する速度をfpRとすると、
(fpD-fpR)/fpD×100=±20(%)
となるように制御できる。
酸素濃度が12×1017未満であると、育成されたシリコン単結晶から採取されたシリコンウェーハではゲッタリング能を充分に確保できる酸素析出物密度が得られない虞が生じる。また、18×1017atoms/cm3を越える酸素濃度であると、育成されたシリコン単結晶から採取されたシリコンウェーハにOSFが検出される虞が生じる。
なお、水素原子含有物質の気体として水素ガスを用いる場合には、市販の水素ガスボンベ、水素ガス貯蔵タンク、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させた水素タンク等から専用の配管を通じて引き上げ炉内に供給させることができる。
また、不活性ガス(希ガス)としては、Ar、He、Ne、Kr、Xeから選択される1種または複数のガスを用いることができる。通常、安価なアルゴン(Ar)ガスが用いられるが、ArガスにHe、Ne、Kr、Xeなどの他の不活性ガスを混合したものを用いてもよい。
図8(図8差し替え願います)は、本実施形態におけるシリコン単結晶の育成方法を実施するのに適したCZ炉の縦断面図である。
図8に示すCZ炉は、チャンバー内の中心部に配置された坩堝1と、坩堝1の外側に配置されたヒータ2と、ヒータ2の外側に配置された磁場供給装置9とを備えている。坩堝1は、内側にシリコン融液3を収容する石英坩堝1aを外側の黒鉛坩堝1bで保持する二重構造であり、ペディスタルと呼ばれる支持軸により回転および昇降駆動される。
坩堝1の上方には、円筒形状の熱遮蔽体7が設けられている。熱遮蔽体7は、黒鉛で外殻を作り、内部に黒鉛フェルトを充填した構造である。熱遮蔽体7の内面は、上端部から下端部にかけて内径が漸減するテーパー面になっている。熱遮蔽体7の上部外面は内面に対応するテーパー面であり、下部外面は、熱遮蔽体7の厚みを下方に向かって漸増させるようにほぼストレート面に形成されている。
ここで使用される水冷手段8としては、銅やステンレス等からなるコイル状の通水管や、通水隔壁を有する水冷ジャケット等を挙げることができる。水冷手段8の通水量は、10リットル/分以上とすることが好ましい。水冷手段8の冷却能力は、水冷手段8の結晶引上方向の高さや融液表面からの設置距離を調整することによって調整可能であり、通水量に応じて通水管や水冷ジャケットの構成を適宜変更することができる。また、水冷手段8の冷却能力を調整することで、育成中のシリコン単結晶の側面部に負荷される熱応力が30〜45MPaの範囲で変化するとともに、育成中のシリコン単結晶の温度が1000〜800℃の範囲である時間が、80〜180分の範囲で変化する。
また、水冷手段8は引き上げる単結晶の直径をDcとするとき、冷却用部材はその内周面の径が1.20Dc〜2.50Dc、長さが0.25Dc以上であり、融液表面から冷却用部材の下端面までの距離が0.30Dc〜0.85Dcの範囲で設計することが望ましい。
また、カスプ磁場にあっては、磁場供給装置9から供給される磁場の強度は、200〜1000G、より好ましくは300〜700Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−100〜+100mm、より好ましくは−50〜+50mmの範囲内になるように設定される。
上記の磁場の強度で上記の磁場中心高さ範囲で磁場供給装置9から磁場を供給することで、対流を抑えることができ、固液界面の形状を好ましい形状とすることができる。
(操業条件の設定)
まず、目標とする欠陥状態のシリコン単結晶を育成するための操業条件の設定を行なう。ここでは、操業条件の設定の一例として、酸素析出抑制領域(PI領域)からなる無欠陥結晶を育成するための操業条件の設定方法について説明する。まず、水素濃度と無欠陥結晶が得られる引き上げ速度の許容範囲を把握するために、雰囲気ガス中における水素分子分圧を例えば、0、20、40、160、240、400Paの混合比率とし、それぞれの条件で目標直径、例えば300mmの単結晶を育成する。
次に、図8に示すCZ炉を用い、単結晶を育成する雰囲気ガスとして、不活性ガスと水素ガスとの混合ガスを用いて、上述した方法により設定された適切な操業条件で、直胴部が酸素析出抑制領域(PI領域)からなる無欠陥領域であるシリコン単結晶6の育成を行う。
このようにしてシリコン単結晶が育成されると、通常の加工方法にしたがいIDソーまたはワイヤソー等の切断装置でスライスし、面取り、ラッピング、エッチング、研磨等の工程を経てシリコン単結晶ウェーハに加工する。なお、これらの工程の他にも洗浄等種々の工程があり、工程順の変更、省略等目的に応じ適宜工程は変更使用される。
このようにして得られたウェーハにRTA処理を行なうことで、DZ層形成における酸素外方拡散のための高温で長時間の熱処理を行うことなく、ゲッタリング能を充分に確保できる1×104〜1×106個/cm2の酸素析出物密度、サイズ、および、デバイス活性領域が完全に無欠陥とできる充分なDZ幅がウェーハの面内で均一にできる優れたウェーハとすることができる。
なお、上述した実施形態では、水冷手段8(冷却手段)により育成中のシリコン単結晶の側面部を積極的に冷却した場合を例に挙げて説明したが、本発明は、水冷手段8(冷却手段)により育成中のシリコン単結晶の側面部を冷却する場合のみに限定されるものではなく、育成中のシリコン単結晶の側面部を冷却できれば他のいかなる手段を用いて冷却してもよい。
「実験例1〜実験例3」
以下に示すホットゾーン構造1を有する育成装置を用い、上述した方法により設定された操業条件で、るつぼ内に高純度シリコンの多結晶を300Kg装入し、雰囲気ガスとして、アルゴンガス中に水素ガスを水素分子分圧が240Paとなるように混合した混合ガスを用いて、外径300mm、ボディ長さ1600mm、表1に示す酸素濃度の無欠陥結晶であるシリコン単結晶の育成を行った。
図8に示すCZ炉を用い、水冷手段8の冷却能力を、寸法が内径600mm、高さ200mmとし、その下面が融液表面から150mmとなるように設置するとともに、磁場供給装置9から3000Gの水平磁場を磁場中心高さが融液液面に対して0mm程度となるように供給し、供給融点から1350℃までの結晶中心部での軸方向温度勾配Gcが3.2℃/mmであり、結晶外周部での軸方向温度勾配Geが2.2℃/mmであり、Gc/Geが1.3となるホットゾーン構造とした。
以下に示すホットゾーン構造2を有する育成装置を用い、るつぼ内に実験例1と同様の高純度シリコンの多結晶を300Kg装入し、雰囲気ガスとしてアルゴンガスを用いて、外径300mm、ボディ長さ1600mm、表2に示す酸素濃度の無欠陥結晶であるシリコン単結晶の育成を行った。
水冷手段8および熱遮蔽体7のないCZ炉を用い、ホットゾーン構造1と同様にして水平磁場を供給し、融点から1350℃までの結晶中心部での軸方向温度勾配Gcが 2.8℃/mmであり、結晶外周部での軸方向温度勾配Geが2.5℃/mmであり、Gc/Geが1.1となるホットゾーン構造とした。
なお、OSF濃度の測定は、1000℃、90分の評価用熱処理を施した後、弗酸と純水の混合液で酸化膜を除去した後、セコエッチによりウェーハ表面に現れているOSFを選択的にエッチングして顕在化させ、光学顕微鏡によりOSF密度を計測するエッチピット法により求めた。
なお、BMDの密度は、熱処理後のシリコンウェーハに酸化雰囲気で1000℃/16hrの追加熱処理を施すことで析出物を成長させ、ウェーハ劈開後にウェットエッチング(ライトエッチング)を2ミクロン実施し、劈開断面であるウェーハ表面のピットを光学顕微鏡(赤外散乱法)でカウントして求めた。
また、実験例1では、シリコンウェーハの中心からの距離が10〜70mmである領域、および120〜145mmである領域は、PV領域であり、シリコンウェーハの中心からの距離が70〜120mmである領域は、PI領域であり、表1に示すように、PV領域とPI領域とが混在していることが確認できた。
また、実験例4では、表1に示すように、OSF領域、PV領域、PI領域が混在していることが確認できた。
また、実験例5では、表1に示すように、OSF領域、PV領域、PI領域が混在していることが確認できた。
Claims (10)
- チョクラルスキー法により酸素濃度が12×1017〜18×1017atoms/cm3(ASTM−F121 1979)であるシリコン単結晶を育成する方法であって、
育成中のシリコン単結晶の側面部を冷却し融点から1350℃までの結晶中心部での軸方向温度勾配Gcと融点から1350℃までの結晶外周部での軸方向温度勾配Geとの比Gc/Geが1.1〜1.4、前記結晶中心部での軸方向温度勾配Gcが3.0〜3.5℃/mmとなるように育成中のシリコン単結晶の温度を制御するとともに、
単結晶を育成する雰囲気ガスが水素原子含有物質の気体を含み、
前記雰囲気ガス中における水素原子含有物質の気体の水素分子分圧を40〜160Paとするか160〜400Paとすることにより、PV領域およびPI領域との混在を回避して、全面がPV領域であるシリコンウェーハが得られるシリコン単結晶と、全面がPI領域であるシリコンウェーハが得られるシリコン単結晶との作り分けをおこなうことを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。 - 前記水素分圧が100〜250Paとされることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の育成方法。
- 前記水素原子含有物質の気体が、水素ガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶育成方法。
- 前記酸素濃度が13×1017〜16×1017atoms/cm3(01d−ASTM)であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシリコン単結晶の育成方法。
- 育成中のシリコン単結晶の温度が1000〜800℃の範囲である時間が、80〜180分であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 育成中のシリコン単結晶の側面部に負荷される熱応力が30〜45MPaの範囲とされることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 前記雰囲気ガス中における酸素ガス(O 2 )の濃度は、前記水素原子含有物質の気体の水素分子換算での濃度をαとし、酸素ガス(O 2 )濃度をβとしたとき、α−2β≧3%(体積%)を満たすものとされることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 炉内圧が4〜6.7kPaの範囲である場合、雰囲気ガス中には、20体積%以下の濃度で窒素が存在してなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 水平磁場(横磁場)にあっては磁場強度が2000〜4000Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−75〜+50mmの範囲内になるように設定され、カスプ磁場にあっては、磁場強度が300〜700Gとされ、磁場中心高さが融液液面に対して−50〜+50mmの範囲内になるように設定されて磁場を供給することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
- 引き上げる単結晶の直径をDcとするとき、前記冷却用部材はその内周面の径が1.20Dc〜2.50Dc、長さが0.25Dc以上であり、融液表面から冷却用部材の下端面までの距離が0.30Dc〜0.85Dcであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のシリコン単結晶育成方法。
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