JP4723126B2 - ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム - Google Patents
ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4723126B2 JP4723126B2 JP2001210913A JP2001210913A JP4723126B2 JP 4723126 B2 JP4723126 B2 JP 4723126B2 JP 2001210913 A JP2001210913 A JP 2001210913A JP 2001210913 A JP2001210913 A JP 2001210913A JP 4723126 B2 JP4723126 B2 JP 4723126B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pallet
- dry container
- container
- stage
- dry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Rollers For Roller Conveyors For Transfer (AREA)
- Loading Or Unloading Of Vehicles (AREA)
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライコンテナへの搬送物の搬出入用システムに関し、更に詳しくは、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる搬出入システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来からトラック、鉄道車両、船等の輸送手段で貨物を運ぶのにコンテナが使用されているが、その中にいわゆるドライコンテナと称されるコンテナがある。このドライコンテナは、貨物を外的破壊・破損要因から護るとともに前記輸送手段に積み易くするために直方体形の箱状容れ物になっている。そして、このドライコンテナは、天井を持たないフラットコンテナ、天井を開口可能なオープントップコンテナ等の特殊コンテナに比べ、一般的に保有数が高く、安価であり、確保も容易であり、さらに気密性に優れるといった利点がある。
ところが、ドライコンテナは搬送物の搬出入口が最小側面である後端側に設けられており、その後端側の開口部を介してドライコンテナへの搬送物の搬出入作業｛バンニング（デバンニングも含む）とも言う。｝が行われる。そのため、ドライコンテナへの搬送物の搬出入に際して、特に搬送物が重厚長大な重量搬送物である場合は、その搬出入作業は困難を極める。すなわち、ドライコンテナの中に進入可能な小型フォークリフトその他のキャリアー等を使用して搬送できる特定の重量搬送物を除き、ほとんどの重量搬送物（長尺物や大型貨物等）はドライコンテナへの搬出入は不可能に近いものであった。従って、上記の重量搬送物は、ドライコンテナではなく特殊コンテナ(オープントップコンテナ、フラットラックコンテナ等)に特殊搬送機(クレーン、大型リフト等)を使って搬入していることが現状であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
以上より本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ドライコンテナへの重量搬送物の搬出入を効率よく実現できるドライコンテナへの搬送物の搬出入システムを提供することを目的とする。
【０００４】
上述の先行技術は、トラック（又はトレーラ）のシャーシにドライコンテナを搭載した状態で、レベリング機構等を用いてドライコンテナをステージに対して同一水平面に保持して搬送物の搬出入を行う形態を主に開発されている。
そして、この先行技術の使用形態のひとつに、多量にドライコンテナへの搬送物の搬出入作業を実施する物流センターやＣ・Ｆ・Ｓ（コンテナ・フレート・ステーション）での使用が挙げられる。例えば、近年、将来に向けた物流対策の一環として、全国の主要港湾でコンテナターミナルが整備されつつあるが、このコンテナターミナルにおいてＣＹ（コンテナヤード）と空コンテナ置き場（バンプール等）に隣接する地域に、上記先行技術を使用した新たなコンテナ・バンニングセンターを構築することが望まれている。この場合、上述のようなレベリング機構等を用いたドライコンテナの水平保持作業を伴う搬送物の搬出入作業を行うより、ドライコンテナをトラックのシャーシから外し床置きした状態で搬送物の搬出入作業を行う方が、その搬出入作業をより効率化させ得ることが判明した。
【０００５】
そこで、本発明者らは、ドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業をより効率化し得る有用な装置を提案すべく検討した結果、上述の先行技術にドライコンテナを昇降可能な特定の装置を特定の関係をもって結合した搬出入システムとすればよいという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システムは、搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段を備え、前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能であり、前記コンテナ移送装置は、前記浮上滑動装置により床面から浮上される前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能としたことを特徴とする。
また、請求項１１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システムは、搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備え、前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、前記浮上滑動装置は、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とからなることを特徴とする。
【０００６】
本発明の搬出入システムによると、トラックのシャーシに対してドライコンテナを簡易かつ迅速に脱着することができ、トラックのシャーシから取外したドライコンテナをステージに対する所定の位置に簡易かつ迅速に位置決めすることができる。この位置決めされたドライコンテナは、その後端開口部がステージの先端側に隣接すると共に、その床面をステージの床面と実質上同一高さとなっており、この状態で、ドライコンテナとステージとの間で移動手段によって搬送物の搬出入作業が効率良く実施される。従って、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる等の利点を有する。
【０００７】
上記「コンテナ移送装置」としては、上述のドライコンテナの脱着機能等を有する限り、その構成、形状、大きさ、設置形態等は特に問わず、例えば、前記コンテナ移送装置は、前記搬送物が収納される前記ドライコンテナに係止可能な係止具を有する係止手段と、該係止手段を昇降可能に支持する支持枠体とを備え、前記係止手段によって、前記ドライコンテナをトラックのシャーシに対して脱着可能とすることができる。
【０００８】
ここで、上記「係止手段」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナの上面の４隅部と対向する位置に前記係止具を有するスプレッダであることが好ましい。ドライコンテナ上面の４隅部に既在する隅金具（被係止具）を利用して係止具を係止でき、しかもドライコンテナを水平状態を保って円滑に昇降させることができるためである。
尚、上記「スプレッダ」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナにのみ対応する簡易な構成とすることができるが、スプレッダ本体と、該スプレッダ本体に対して水平方向に伸縮可能でかつ前記係止具を有する伸縮部材とを備えることが好ましい。例えば、全長２０フィートと全長４０フィートのコンテナのように様々な大きさのドライコンテナに対応できるためである。
【０００９】
また、上記「支持枠体」としては、例えば、一対の門型フレームと、該一対の門型フレームの脚部が立設される基礎フレームとを備えることができる。また、前記支持枠体は、両側外方から前記係止手段を懸吊した状態で、該係止手段を昇降させ得る昇降懸吊手段を備えることが好ましい。支持枠体内部に、ドライコンテナを搭載したトラックを停止させ得るためである。さらに重量搬送物が搬入されたドライコンテナを係止手段により円滑に昇降させ得るためである。
【００１０】
また、上記支持枠体は、例えば、前記ドライコンテナを載置可能な支持具を備えることが好ましい。トラックのシャーシから取外したドライコンテナを確実に水平状態に載置できるためである。
ここで、上記「支持具」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナの下面の４隅部のうち少なくとも２隅部と対向する位置に設けられることが好ましい。ドライコンテナの下面の４隅部に既在する隅金具（被係止具）を利用して載置できるためである。また、前記支持具は高さ調整可能であることが好ましい。後述の実施例で説明するように、ステージの床面の高さを変更して搬送物の搬出入作業を実施する場合に対応し得るためである。
【００１１】
尚、上記支持枠体は、上述のスプレッダと同様にして、前記支持具を、所定の大きさのドライコンテナにのみ対応する平面位置に設置して簡易な構造としたり、前記支持具を、支持枠体に対して水平方向に伸縮可能な伸縮部材に設けて様々な大きさのドライコンテナに対応可能な構成としたりできる。また、上記支持枠体の支持具を使用せず、トラックのシャーシから取外されたドライコンテナを、地面に直接的に載置したり、スペーサを介して間接的に載置したりできる。
【００１２】
また、上記コンテナ移送装置としては、例えば、その設置形態を、地面に固定設置される簡易な構成とすることができる。また、前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能であることが好ましい。ステージとコンテナ移送装置との間隔を任意に設定でき、様々な大きさのドライコンテナの搬出入作業に対応できるためである。また、複数のステージをレールで連繋すれば、１基のコンテナ移送装置で複数のステージにおける搬送物の搬出入作業に対応できるためである。さらに、搬出入作業に係わる各種機能を付加することができるためである。例えば、前記コンテナ移送装置は、前記搬送物を吊下げ可能な搬送具を備え、該搬送具に吊下げられる搬送物を、前記レール上の走行によってトラックの荷台に対して荷積みあるいは荷降し可能とすることができる。また、前記コンテナ移送装置は、前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能とすることができる。
【００１３】
また、上記「移動手段」としては、上述のようにドライコンテナとステージとの間で搬送物を移動させる機能等を有する限りにおいて、その構成、形状、大きさ等は特に問わない。例えば、移動手段としてフォークリフト等の荷役装置を挙げることができるが、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備えることが好ましい。後述の第１実施例で示すように、搬送物が大型機械等の極めて重い重量搬送物であっても、この重量搬送物を、ドライコンテナとステージとの床面を円滑に移動させることができるためである。また、上記移動手段としては、例えば、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で前記浮上手段を変位させ得る変位手段を備えることが好ましい。ドライコンテナ及びステージにわたって浮上手段を設置する場合に、この浮上手段を自動で簡易に変位できるためである。
【００１４】
ここで、上記「浮上手段」としては、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であることが好ましい。大型機械等の重量搬送物の移動により好適な浮上手段を構成できるためである。また、上記「滑動体」としては、多数の並列配設されるローラを備えることが好ましい。より円滑な移動を実現できるためである。また、上記「浮上滑動装置」としては、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とから構成することができる。そして、上記移動手段が変位手段を備える構成にあっては、この変位手段によって第２浮上滑動装置が変位されることとなる。
【００１５】
また、上記「変位手段」としては、前記浮上手段に係止可能な係止部を有する伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備えて構成できる。また、前記変位手段は、前記ステージに周回自在に設けられ、前記浮上手段を移送可能なコンベヤと、該コンベヤを周回駆動させ得る駆動モータとを備えて構成できる。さらに、前記変位手段は、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの先端側に設けられる歯車と、該歯車と噛合可能で、前記ステージ及び前記浮上手段に設けられるラックとを備えて構成できる。
【００１６】
また、上記「パレット外力付与手段」としては、前記パレット外力付与手段は、伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備え、該ブームの先端側は、前記パレットに係止可能な係止部を有して構成することができる。また、前記パレット外力付与手段は、前記ステージの床面を走行可能な台車を備え、該台車は、前記パレットに係止可能な係止部を有して構成することができる。また、前記パレット外力付与手段が前記変位手段を兼ねることが好ましい。移動手段を簡易に構成できるためである。
【００１７】
また、上記「ステージ」としては、パレットを介して搬送物を載置できれば、その構成、形状、大きさ等は特に問わないが、例えば、前記ステージは、前記浮上手段を覆い得る敷板体を備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さであることが好ましい。単独のステージで、上記浮上手段を使用しない別の移動手段（例えば、フォークリフト等の荷役装置や後述の浮上手段など）を用いる搬出入作業に迅速に対応でき、即ち、各種搬送物の搬出入作業に対応できるためである。
【００１８】
また、上記「パレット」としては、例えば、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。ドライコンテナ内へパレットをほとんど隙間なく搬入することができ、ドライコンテナに対するパレットの固定作業等をなくす、あるいは必要最小限とすることができるためである。また、前記パレットは、２以上の場合であって、パレット本体と、該パレット本体に設けられ、該パレット本体と他のパレットのパレット本体とを連結可能な連結手段とを備え、該パレット及び他のパレットと、更には必要に応じて組み合せて使用される他のパレットを組み合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。各種搬送物の種類等に応じてパレットの連結・非連結を選択できる汎用性の高いパレットを実現できるためである。また、前記パレットは、前記搬送物を移動させるための浮上手段を格納可能な下部開放空間を備えることができる。
【００１９】
また、上記「移動手段」としては、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段を備え、該浮上手段は、前記パレットの下部開放空間に進入可能な支持台と、該支持台の下部に設けられ、導入される圧縮空気を前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面に向って噴射可能な膨張体とを有することが好ましい。後述の第２実施例で示すように、搬送物がコイル状重量搬送物であっても、このコイル状重量搬送物を、ドライコンテナとステージとの床面を円滑に移動させることができるためである。
【００２０】
ここで、上記「ステージ」としては、前記ステージは、前記搬送物を移動させるための浮上滑動装置を覆い得る敷板体を備え、該敷板体の上面が、前記膨張体が圧縮空気を噴射するステージの床面であり、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さであることが好ましい。単独のステージで、各種搬送物の搬出入作業に迅速に対応できるためである。
【００２１】
また、上記「パレット」としては、パレット本体と、該パレット本体の上部に設けられ、コイル状の搬送物の周面側を載置可能な一対のキャンパー部材とを備えると共に、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。コイル状搬送物の積載に好適なパレットを実現でき、さらにドライコンテナ内へパレットをほとんど隙間なく搬入することができ、ドライコンテナに対するパレットの固定作業等をなくす、あるいは必要最小限とすることができるためである。また、上記パレットとしては、前記パレット本体の下部に設けられ、前記浮上手段を格納可能な下部開放空間を備えて構成できる。
尚、コイル状搬送物を積載したパレットは、コイル状搬送物の軸心をドライコンテナの輸送方向（長尺方向）に直交する向きとなるようにドライコンテナ内に収納されることが好ましい。コンテナの輸送時に、輸送方向へのコイルの巻き体の飛び出しを防止するためである。
【００２２】
なお、搬出入構造体は、パレットを介して搬送物を載置可能なステージと、該ステージに近接して設けられ、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ該ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされ、該ステージの床面と実質上同一高さの床面でもって、該ステージの先端側に隣接する後端開口部を有するドライコンテナと、該ドライコンテナ及び前記ステージの床面に設けられ、前記パレットを該ドライコンテナ又はステージの床面から浮上させ得る浮上滑動装置とを備えることを特徴とする。
【００２３】
上記「搬出入構造体」としては、前記ステージの床面に載置され、前記浮上滑動装置を格納する下部開放空間を有するパレットを備えることができる。また、前記ドライコンテナの床面に載置され、前記浮上滑動装置を格納する下部開放空間を有するパレットを備えることができる。さらに、前記パレットに積載される搬送物を備えることができる。
【００２４】
なお、他の搬出入構造体は、前記搬送物を移動させるための浮上滑動装置を覆い得る敷板体を備えるステージと、前記ステージに近接して設けられ、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ該ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされ、前記ステージの前記敷板体の上面と実質上同一高さの床面でもって、該ステージの先端側に隣接する後端開口部を有するドライコンテナとを備えることを特徴とする。
【００２５】
ここで、上記「搬出入構造体」としては、前記ステージの前記敷板体の上面に載置されるパレットを備えることができる。また、前記ドライコンテナの床面に載置されるパレットを備えることができる。さらに、前記パレットに積載される搬送物を備えることができる。
【００２６】
尚、上記「搬送物」としては、コンテナ内に搬入できる重量、幅、高さ及び材質であればその種類は特に問わず、例えば、機械類（自動車部品、電気製品等）、コンクリートパイル、フレコン、果物類、その他雑貨等を挙げることができる。特に、重厚長大な搬送物として、大型工作機械、長尺製品、コイル状製品、大型ガラス製品、石製品や自動車等が挙げられる。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を具体的に説明する。
（第１実施例）
図１に示すように、本第１実施例における搬送物の搬出入システム１は、搬送物４（重量搬送物である大型機械）を積載可能なパレット３３と、このパレット３３を載置可能なステージ５と、トラックＴのシャーシＲ（図３参照）に対してドライコンテナ２（以下、コンテナ２とも略記する。）を脱着可能で、かつ、ステージ５に対する所定の搬出入位置Ａへドライコンテナ２を移送可能であるコンテナ移送装置３（以下、移送装置３とも略記する。）と、搬出入位置Ａに位置決めされるコンテナ２とステージ５との間で搬送物４を移動させるための移動手段６とを備えて構成される。
【００２８】
上記移送装置３は、図２に示すように、スプレッダ７と、このスプレッダ７を両側外方から昇降可能に懸吊支持する支持枠体８と、この支持枠体８が走行可能な地面に敷設されるレール９とを備えている。このスプレッダ７は、水平枠状のスプレッダ本体１０と、このスプレッダ本体１０に対してその長辺側フレームに沿って伸縮可能なコ字形平面をなす伸縮部材１１とを備えている。この伸縮部材１１には、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の上面の４隅部に対向する位置に下方を向く４つの係止具１２が設けられている。各係止具１２の先端部を、コンテナ２の上面の４隅部を形成する隅金具（図示せず）の係止孔（図示せず）に挿入した後、回動させることにより、コンテナ２に係止具１２が係止されるようになっている。また、上述と逆の作用によって、係止具１２によるコンテナ２の係止を解除するようになっている。
【００２９】
次に、上記支持枠体８は、前後一対の門形フレーム１４と、これら各門形フレーム１４の頭部１８ａ，１８ｂを連結する左右一対の連結フレーム１５と、各門形フレーム１４の脚部１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄが立設される左右一対の基礎フレーム１６とを備える骨格状構造体である。また、各門形フレーム１４のうち脚部１７ａ、１７ｂと脚部１７ｃ、１７ｄとの間隔Ｄ及び頭部１８ａ，１８ｂの地面からの高さＨは、コンテナ２を搭載したトラックＴを後進させて支持枠体８の内方下部に進入させたとき、コンテナ２をスプレッダ７の真下に位置させることが可能な必要最小限の間隔となる適宜値に設定されている（図３参照）。
【００３０】
前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、門形フレーム１４の脚部１７ｂ，１７ｃに沿って流体シリンダ２０ａ、２０ｂが立設されている。各流体シリンダ２０ａ、２０ｂのピストンロッド先端部には滑車２１が設けられ、この滑車２１に巻回されたワイヤ２２が、門形フレーム１４の頭部１８ａ，１８ｂに取着した共通滑車２３及び各分離滑車２４ａ，２４ｂの周りを巻回され、その両端部がスプレッダ本体１０に固定されている。従って、前記流体シリンダ２０ａ、２０ｂを伸縮させると、そのストローク長の２倍の高低差をもってスプレッダ７が昇降するようになっている。
ここで、上記流体シリンダ２０ａ、２０ｂ、各滑車２１，２３，２４ａ，２４ｂ及びワイヤ２２等によって「昇降懸吊手段」が構成されていると言える。
【００３１】
また、前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、前記レール９上を走行可能な多数の走行輪（図示せず）と、これら走行輪を回転駆動させる駆動モータ２５とが設けられている。この駆動モータ２５の駆動力は、ベルトやチェーン等の適宜駆動伝達手段（図示せず）を介して各走行輪に伝達されるようになっている。従って、レール上を走行することによって、前記移送装置３は、ステージ５に対して近接・離反するようになっている。尚、前記支持枠体８には前記スプレッダ７、流体シリンダ２０ａ、２０ｂ及び駆動モータ２５等を制御する制御装置（図示せず）が設置されている。
ここで、上記駆動モータ２５及び多数の走行輪等によって「走行手段」が構成されていると言える。
【００３２】
また、前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の下面の４隅部に対向する位置に上方を向く２つの支持具２７が設けられている。この支持具２７の先端部を、コンテナ２の下面の４隅部を形成する隅金具（図示せず）の係止孔（図示せず）に挿入すると共に支持具２７の基部で隅金具を支持し、上述のようにスプレッダ７で懸吊することにより、コンテナ２は、水平状態を保ち、その開口部２ｂがステージ５の先端側５ｂに隣接する搬出入位置Ａ（図１参照）に位置決め載置されるようになっている。また、各支持具１２は、その高さ位置を調整可能とされており、後述の第２実施例のように、敷板体によってステージ５の床面５ａ高さが変更された際に対応できるようになっている。さらに、各支持具２７は、基礎フレーム１６の側面から突出した使用状態から基礎フレーム１６内部に収納される収納状態に変位できるようになっている。
尚、上記支持具２７を、コンテナ２の４隅部のうち対角線上にある２隅部に対向する位置に２つ設けたり、コンテナ２の４隅部のうちステージ５に近接する２隅部に対向する位置に２つ設けたりしてもよい。また、上記第１実施例では、支持具２７をコンテナ移送装置３に一体的に設けて構成したが、これを止め、支持具２７を有する支持部材を基礎金具等を介して地面に直接載置して、この支持部材上にコンテナを載置支持するようにしてもよい。この場合、地面と支持部材との間や、支持部材と支持具との間にシム等を介して支持具の高さ調整をしたり、支持部材に高さ寸法の異なる支持具を設けて高さ調整を実施することができる。
【００３３】
次に、前記ステージ５は、コンテナ２に対して搬出入される搬送物４を一時的に直接載置したり又は後述のパレットを介して間接的に載置したりする構造物である。このステージ５は、図４に示すように、多数の鋼材製の縦横の板状フレーム２９ａ，２９ｂを枠組みしてなる格子状構造で形成され、その広さは少なくとも所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の床面２ａと略同じ大きさになっている。また、ステージ５の全面域にわたって、後述の移動手段を設置するための設置領域が設けられている。また、このステージ５にはレベル調整手段（図示せず）が設けられ、その床面５ａ高さを微調整可能になっている。そして、ステージ５の床面の高さは、上述のように、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２の床面２ａと実質上同一高さで面一となるように設定されている。また、ステージ５の地面への設置位置は、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２の開口部２ｂにステージ５の先端側５ｂが隣接するように設定されている（図１参照）。
尚、上記ステージ５としては、後述の移動手段等を設置可能で重量搬送物４を載置可能であるなら、その形状、大きさ、材質等は特に問わず、例えば、コンクリート製で平板状に形成することができる。また、ステージ５の周囲には先端側５ｂを除いて後述のパレットの飛び出しを防止するストッパー部材１９が設けられている。
【００３４】
次に、上記パレット３３は、図５に示すように、所定間隔をおいて３本平行に配設されたビーム状基材３０と、搬送物４を直接載せるために前記ビーム状基材３０の上に直交配列してなる多数本の板状の積載部材３１とを備え、全体として搬送物４の搬出入方向の奥行きよりも横幅が大きい長方形の格子状構造をなしている。また、パレット３３の載置部材３１の裏面側には、相隣接する前記ビーム状基材３０間に耐荷重部材３２が複数本固着されている（図９参照）。
【００３５】
そして、このパレット３３の奥行き寸法は、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２奥行き長さを略４等分した寸法に設定され、また、パレット３３の横幅寸法は、コンテナ２の横幅と略同じ寸法に設定されている。即ち、このパレット３３の形状は、コンテナ２の平面形状の大きさに対して略４等分にモジュール化されていることとなる。また、パレット３３の４隅部には、このパレット３３と同じようにモジュール化された他のパレット３３を連結させるための連結板、連結ボルト等からなる連結手段３４が設けられ、搬送物４の種類（搬送物の形状、大きさ、重量等）に応じて適宜連結・解除できるようになっている。また、パレット３３の積載部材３１の下面には所定の大きさの下部開放空間Ｓ（以下、空間Ｓとも略記する。）が形成され、この空間Ｓに後述の移動手段の一部が格納されるようになっている。
【００３６】
尚、上記実施例では、パレット３３をコンテナ２の平面形状を４等分した形状にモジュール化したが、これに限定されず、パレットは、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致するように構成されていればよい。ここで、「ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致する」とは、様々な大きさ及び形状の１つ、あるいは２以上のパレットを組合わせて得られる底面形状が、ドライコンテナの底面形状と略一致する大きさということである。
【００３７】
また、２以上を組み合わせて用いるパレットでは、例えば、パレットの形状をドライコンテナの底面の長辺（又は短辺を）を２等分、３等分、４等分、５等分等とする形状とすることができる。特に、全長２０フィートのコンテナの場合には、その全長（長辺）を４等分した形状、また、全長４０フィートのコンテナの場合には、その全長（長辺）を８等分した形状とすることが好ましい。パレットの汎用性に優れるためである。また、底面を１／６、２／６、３／６等の大きさのパレットや、２／５、３／５等の等分でない大きさのパレットを組み合わせてもよい。また、長辺方向を３等分し、短辺方向を２等分する底面等の大きさを持つ６等分のパレット、即ち、長辺方向及び短辺方向の双方向を区分けしたパレットを組み合わせてもよい。
【００３８】
次に、上記移動手段６は、図６に示すように、前記パレット３３をステージ５及びコンテナ２の各床面５ａ，２ａから浮上させて滑動させ得る浮上滑動装置３６を備えている。この浮上滑動装置３６は、ステージ５上に固定載置される第１浮上滑動装置３６ａと、ステージ５及びコンテナ２の各床面５ａ，２ａ間で変位される第２浮上滑動装置３６ｂとから構成される。そして、上記移動手段６は、この第１浮上滑動装置３６ａ又は第２浮上滑動装置３６ｂによって床面５ａ，２ａから浮上されるパレット３３に外力を付与する第１プッシュ・プル装置３７ａと、第２浮上滑動装置３６ｂを変位させる第２プッシュ・プル装置３７ｂとを備えている。各浮上滑動装置３６ａ，３６ｂは、図７，８に示すように、圧縮空気の導入により膨張する浮上体３８と、この浮上体３８の上面側に配置される滑動体３９とを備えている。この浮上体３８は、合成繊維コードで補強されたチューブ４０と、そのチューブ４０に圧縮空気を通気させる通気管４１とからなり、ステージ５の床面５ａに置かれる断面Ｕ字形を有する基台４２の中に設置される。また、前記滑動体３９は、浮上体３８の上に断面Ｕ字形の支持部材４４と、この支持部材４４に所定間隔をおいて平行に軸着される複数個のローラ４５とを備えている。
【００３９】
従って、前記滑動体３９の上に耐荷重部材３２を介してパレット３３を載せた状態で、前記通気管４１からチューブ４０に圧縮空気を導入すると前記支持部材４４と共に滑動体３９が上昇し、パレット３３が床面２ａ（５ａ）から浮上する｛図９(ａ)参照｝。そのパレット３３に搬送物の搬出入方向の外力を付加すればパレット３３は移動することになる。そして、床面２ａ（５ａ）上で所定距離だけパレット３３を移動させて前記チューブ４０から圧縮空気を排出させれば、パレット３３は降下してそのビーム状基材３０がステージ５又はコンテナ２の床面５ａ，２ａに着地する｛図９(ｂ)参照｝。
尚、本第１実施例では、多数のローラ４５を備えて滑動体３９を構成したが、これに限定されることなく、無端状ベルト等からなるコンベヤなどで滑動体を構成してもよい。また、圧縮空気の導入による膨張で滑動体を浮上させるように浮上体３８（膨張体）を構成したが、これに限定されることなく、駆動原（モータ、流体シリンダ等）の駆動を適宜伝達機構（リンク機構、ギヤ機構等）で伝達して滑動体を浮上させるように浮上体を構成してもよい。
【００４０】
次に、前記第１，第２プッシュ・プル装置３７ａ，３７ｂは、図１０に示すように、太さの相異する複数本の筒状支柱４７ａ、４７ｂ、４７ｃを伸縮可能に連結した伸縮ブーム４８の中に油圧シリンダ４９ａ、４９ｂにより伸縮する伸縮ロッド５０ａ、５０ｂを装着した構造をなしている。上記筒状支柱４７ｃの先端側が、前記パレット３３や前記第２浮上滑動装置３６ｂに係止可能な係止部に形成されている。尚、本第１実施例では、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、第２浮上滑動装置３６ｂの変位手段として構成したが、この変位機能に加えて、パレット３３への外力付与手段を兼ねるように構成してもよい。
ここで、本第１実施例では、上記第１，第２浮上滑動装置３６ａ，３６ｂ等によって「浮上手段」が構成されている。また、上記第１プッシュ・プル装置３７ａ等によって「パレット外力付与手段」が構成され、上記第２プッシュ・プル装置３７ｂ等によって「変位手段」が構成されていると言える。
【００４１】
次に、図１１，１２，１３により本システム１によるコンテナ２への搬送物４の搬入作業について説明する。先ず、図１１(ａ)に示すように、ステージ５に近接して移送装置３が位置決めされており、またステージ５上には第１，２浮上滑動装置３６ａ，３６ｂが載置されている。次に、図１１(ｂ)に示すように、その後端側の開閉扉を開いた状態の空のコンテナ２をシャーシＲ上に搭載したトラックＴが後進して、支持枠体８の内部に進入して所定の停止位置に停止する。このとき、スプレッダ７の真下にコンテナ２が位置し、コンテナ２上面の各隅金具とスプレッダ７の各係止具１２とが対向する。そして、スプレッダ７を下降させ、各係止具１２の先端部を、コンテナ２の隅金具の係止孔に挿入した後、回動させてコンテナ２に係止具１２を係止させる。この状態より、スプレッダ７を上昇させてトラックＴのシャーシＲからコンテナ２が取外され水平状態に懸吊される。その後、図１１(ｃ)に示すように、コンテナ２が取外されたトラックＴを前進させ支持枠体８の外方で停止させる。
【００４２】
次に、図１２(ａ)に示すように、スプレッダ７を下降させて、支持具２７の先端部を、コンテナ２下面の隅金具の係止孔に挿入すると共に支持具２７の基部で隅金具を支持し、コンテナ２を搬出入位置Ａに位置決め載置する。このように搬出入位置Ａに位置決めされたコンテナ２は、その床面２ａがステージ５の床面５ａと実質上同一高さレベルであり、またコンテナ２の開口部２ｂがステージ５の一端側に隣接した状態となる。その後、図１２(ｂ)に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂの作用でステージ５床面５ａ上にある第２浮上滑動装置３６ｂをコンテナ２側へ押し込んで、第２浮上滑動装置３６ｂをコンテナ２内の床面２ａ上に位置させる。次いで、図１２(ｃ)に示すように、４枚のパレット３３を連結手段３４により連結してなるパレット３３をステージ５床面５ａ上に載置する。
【００４３】
次に、図１３(ａ)に示すように、パレット３３上にクレーンやフォークリフト等の荷役装置で搬送物４（大型機械）を載せた後、パレット３３上に取付けたフック部材等を利用してワイヤー等で搬送物４を固定する。その後、通気管４１からチューブ４０に圧縮空気を導入して滑動体３９と共にパレット３３を床面５ａから浮上させる。そして、図１３(ｂ)に示すように、第１プッシュ・プル装置３７ａの作用でステージ５床面５ａ上にあるパレット３３をコンテナ２側へ押し込んで、パレット３３をコンテナ２内へ搬入する。パレット３３がコンテナ２内に完全に搬入されたら、チューブ４０への圧縮空気の供給を止め、パレット３３を下降させてコンテナ２床面２ａ上に載置させることとなる。そして、第２プッシュ・プル装置３７ｂの作用でコンテナ２床面２ａ上にある第２浮上滑動装置３６ｂをステージ５側へ引っ張り出し、第２浮上滑動装置３６ｂをステージ５の床面５ａ上に再び位置させる。次いで、図１３(ｃ)に示すように、スプレッダ７の上昇により搬出入位置Ａに位置するコンテナ２を持ち上げ、この状態より支持枠体８の外方で停止していたトラックＴを後進させて支持枠体８内部に進入させ、トラックＴのシャーシＲをコンテナ２の真下に位置させる。その後、スプレッダ７を下降させてコンテナ２をトラックＴシャーシＲに搭載し、コンテナ２の隅金具に対する係止具１２の係止を解除してからスプレッダ７を上昇させる。すると、コンテナ２を搭載したトラックＴを搬送物４の輸送先である目的地に向かって発車できる。
尚、以上はコンテナ２へ搬送物４を搬入して目的地へ向かって輸送する過程について詳述したが、目的地まで輸送されてきた搬送物４をコンテナ２から搬出する搬出作業では、前記搬入作業と逆の手順を採用すれば対応することができる。
【００４４】
このような上記第１実施例では、係止具１２によるコンテナ２の係止及びスプレッダ７の昇降によって、トラックＴのシャーシＲに対してコンテナ２を簡易に脱着することができ、従来既知のコンテナジャッキやトラックに搭載されるサイドリフターや大型クレーン等の装置に比べ、短時間で脱着作業を実施することができる。また、支持具２７によるコンテナ２の係止及びスプレッダ７の懸吊によって、トラックＴのシャーシＲから取外したコンテナ２を水平状態に載置することができる。従って、レベリング機構等を用いたコンテナ２の水平保持を行う必要がなく、多量にコンテナ２への搬送物４の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる。さらに、搬出入位置Ａに載置されるコンテナ２は、ステージ５の床面５ａと実質上同じ高さレベルの床面２ａを有し、その開口部２ｂがステージ５の一端側に隣接するので、やはり搬送物４の搬出入作業を効率化させることができる。特に、大型工作機械、長尺製品等の重厚長大な搬送物４を多量にコンテナ２へ搬出入する場合でも、その作業を大幅に効率化することができる。
【００４５】
また、上記第１実施例では、流体シリンダ２０ａ，２０ｂ、滑車２１，２３，２４ａ，２４ｂ及びワイヤ２２等からスプレッダ７の昇降懸吊手段を構成したので、重量搬送物４が搬入されたドライコンテナ２を円滑に昇降させることができる。さらに、支持枠本体４を構成する一対の門形フレーム１４の幅Ｄ及び高さＨを、コンテナ２を搭載したトラックＴを支持枠体８内部に必要最小限の間隔でもって進入させ得る大きさに設定してあるので、移送装置３全体として比較的コンパクトなものとすることができ、例えば、工場等の建物内でこの移送装置３を使用することも可能となる。また、支持枠体８をレール９上を走行可能とし、さらにスプレッダ７は、伸縮自在な伸縮部材１１に係止具１２を備えて構成されているので、様々な大きさのコンテナ２への搬送物４の搬出入作業に簡易に対応できる。即ち、図１４に示すように、例えば、全長４０フィートのコンテナ２への搬出入作業を行う場合には、先ず、支持枠体８をステージ５から離れる方向に所定の距離だけ移動させた後、このコンテナ２の４隅部に対応するように伸縮部材１１を伸長させ、この状態より、上述のようなコンテナ２の脱着作業を行わせる。また、上記第１実施例では、支持枠体８はレール９上を走行可能とされているので、複数のステージ５をレール９で連繋して適宜箇所に支持枠体８の方向転換テーブル等を備えて構成すれば、１基の移送装置３により複数のステージ５での搬送物の搬出入作業に対応できる。
【００４６】
また、上記第１実施例では、モジュール化された複数のパレット３３を組合せて使用し、コンテナ２の平面形状と略一致させるようにしたので、パレット３３がコンテナ２の内壁に隙間なく載置されることとなり、コンテナ２に対するパレット３３のずれを防止することができる。また、ステージ５上でパレット３３に対する搬送物４の固定作業を実施できるので、コンテナ２内部でその固定作業を行うものに比べて、搬送物４の搬出入作業を効率化することができる。また、ステージ５上又はステージ５の周囲に、コンテナ２へ搬入予定の搬送物４を準備できるので、やはり搬送物４の搬出入作業を効率化することができる。また、パレット３３は、連結手段３４によって搬送物４の種類に応じて連結・非連結を選択できるので、複数の大きさのパレット３３を用意する必要がない。また、このモジュール化されたパレット３３をコンテナ２の付随物として取扱えば、例えば、目的地において、搬送物４搬出した後の空パレット３３に輸送先への搬送物４を積載して使用することができる。
【００４７】
尚、本発明においては、上記第１実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記第１実施例では、移送装置３に、コンテナ２をトラックＴのシャーシＲから脱着させる機能を備えて構成したが、この脱着機能の他に各種機能を付加することができる。例えば、図１５に示すように、スプレッダ７に、搬送物４を吊下げ可能なワイヤやクランプ具等の適宜搬送具７１を着脱自在に取付け、スプレッダ７の昇降により搬送具７１に搬送物４を吊下げ、この搬送物４を、支持枠体８の走行によってトラックＴの荷台Ｎに対して荷積みあるいは荷降しする荷役機能を付加することができる。また、例えば、図１６に示すように、支持枠体８の基礎フレーム１６に、パレット３３に係止可能な引掛け治具（コの字形状治具等）やワイヤなどの搬送具７２を着脱自在に取付け、この搬送具７２に係止されたパレット３３を、支持枠体８の走行によってコンテナ２に対して搬出入するパレット移動機能を付加することができる。
【００４８】
また、上記第１実施例では、支持枠体８がレール９上を走行できる構成としたが、支持枠体８の基礎フレーム１６が地面に固定設置される構成としてもよい。さらに、上記第１実施例では、スプレッダ７が伸縮部材１１を備え、様々な大きさのコンテナ２に対応できる構成としたが、この伸縮部材１１を使用せずに所定の大きさのコンテナ２にのみ対応する簡易構成のスプレッダ７としてもよい。このような固定設置型の支持枠体８や簡易構成のスプレッダ７を組合せて使用すれば、安価で簡易な移送装置３を提供することができる。また、ステージ５として、その床面５ａ高さがトラックＴに搭載されたコンテナ２の床面２ａと実質上同一高さレベルとなるものを使用することもでき、この場合、コンテナ２の高さ調整及び水平保持を、係止具１２による係止及びスプレッダ７の昇降によって迅速に行うことができる。
【００４９】
また、上記第１実施例では、レール９上を支持枠体８のみが走行可能な構成としたが、ステージ５も走行可能な構成としたり、ステージ５のみが走行可能な構成とすることができる。このような構成によれば、支持枠体８に対してステージ５を接近させ、床置き状態のコンテナ２の開口部２ｂに対してステージ５の先端側を確実に隣接させることができる。また、上記レール９を延設してステージ５をライン化することができる。即ち、ステージ５と例えば梱包エリアとを連繋して、この梱包エリアで、搬入予定の搬送物４をパレット３３に積載したり、固定作業をしたり等の準備作業を行うことができる。
【００５０】
また、上記第１実施例では、第１，２プッシュ・プル装置３７ａ，３７ｂを伸縮ブーム機構で構成したが、これに限定されることなく、モータの回転により巻き取られる又は回動するロープ、チェーン巻回装置、回転するスクリューにパレットを係止させる係止装置、ローラコンベア装置、屈曲アーム装置、伸縮チューブ装置、自走式プッシュ・プル装置及びその他これらに類する装置がある。例えば、上記自走式プッシュ・プル装置３７ａとしては、図１７，１８に示すように、ステージ５の床面５ａ上を走行可能な台車８０で構成することができる。この台車８０は、平板部材８１に受動車輪８２及び駆動モータ８４により駆動される駆動車輪８３を設け、さらに、平板部材８１の先端側にパレット３３に係止可能な係止部８５を形成して構成される。従って、この台車８０を、その係止部８５をパレット３３に係止させた状態で、ステージ５の床面５ａ上を走行させることによって、パレット３３がステージ５とコンテナ２の床面５ａ，２ａ上を変位するようになっている。
【００５１】
また、図１９，２０に示すように、上記第１実施例における第２浮上滑動装置３６ｂを所定間隔をおいて基台８９上に平行に２基セットし、さらに基台８９の下側にステージ５又はコンテナ２の床面５ａ，２ａ上を走行可能な無端状ベルト８８や走行輪等を設けて構成してもよい。このような構成によると、第２浮上滑動装置３６ｂの変位を円滑に実施できる。また、上記第１実施例では、第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるための第２プッシュ・プル装置３７ｂを伸縮ブーム機構で構成したが、これに限定されることなく、例えば、図２１に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、ステージ５の内部に周回自在に支持される無端状ベルトやチェーン等からなるコンベヤ９０と、このコンベヤ９０を周回駆動させる駆動モータ９１とを備えて構成でき、この周回するコンベヤ９０で第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。また、例えば、図２２に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、流体シリンダ９３のピストンロッド９４の先端側に設けられる歯車９５と、該歯車９５と噛合可能で、ステージ５及び第２浮上滑動装置３６ｂに設けられるラック９６とを備えて構成でき、この流体シリンダ９３の伸縮作動をラック・ピニオン機構で伝達して第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。
【００５２】
また、本実施例では、第１プッシュ・プル装置３７ａによってパレット３３に外力を付与する手段を構成したが、この機能を上記浮上滑動装置３６に備えることができる。この場合、多数のローラ４５のうちの少なくとも１個のローラが駆動モータ（油圧、エア、電気モータ等）で自転するか又は外部に設けた電動機より受動する構造のものを適宜使用する。また、前記浮上滑動装置３６を上下反転して使用することができ、即ち、ローラ４５を床面側に向け、断面Ｕ字形を有する基台４２の底面を上方に向けてセットし、基台４２の上にパレット３３を載せて、この状態よりチューブ４０に圧縮空気を供給して、基台４２と共にパレット３３を床面から浮上させ、ローラ４５の床面での滑動によりパレット３３を搬送可能に構成できる。また、第２プッシュ・プル装置３７ｂによって第２浮上滑動装置３６ｂを変位させる手段を構成したが、これを止めて作業者が第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。
【００５３】
（第２実施例）
次に、帯状の鋼板をロール状にした、いわゆるコイル状搬送物を搬送物として取り扱う際に好適に使用される搬出入システム５１について説明する。本システム５１では、スプレッダ７及びそれを支持する支持枠体８は上記第１実施例に係る移送装置３のそれらと同じ構造・機能を有している。しかしながら、ステージ５２、パレット３３及び搬送物５９をステージ５２とドライコンテナ２との間で移動させる移動手段５４が第１実施例のそれらと相異する。
【００５４】
この第２実施例に係るステージ５２は、図２３に示すように、第１実施例で使用されるステージ５の床面５ａ上に設置されている浮上滑動装置３６上に、鋼板から形成した垂下へり５５がついた敷板体５６を、そのコーナーに設けたフック（図示なし）を介してクレーン（図示なし）により運んできて、浮上滑動装置３６を被覆して、この第２実施例のステージ５２にすることができる。このステージ５２の床面５２ａは、第１実施例の床面５ａより高いレベルとなるが、上述のように支持枠体８に設けた支持具２７の高さレベルを調整することによって、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２とステージ５２の床面５２ａ高さは実質上同一の高さレベルとなる。
尚、上記床面５２ａのレベル調整はステージ５２（５）側に設けたレベル調整手段で行うこともできる。
【００５５】
次に、前記パレット５３は、図２４に示すように、パレット本体５７と、このパレット本体５７上に配置され、コイル状搬送物５９の円筒側面に接して支持するキャンパー部材５８とを備えている。また、このパレット本体５７の下側には下部開放空間６０が開放されている。また、パレット５３は、載置状態のコイル状搬送物５９の軸方向の両端側を位置決めするように、パレット本体５７に設けたレール上を移動可能でかつ固定可能なコイル固定具６１を備えている。また、上記第１実施例のパレット３３同様にして、このパレット５３も全長２０フィートのコンテナ２の平面形状を略４等分する大きさでモジュール化されている。尚、上記パレット５３にコイル状搬送物５９を載せて安定化するには、キャンパー部材５８で支持されるコイル状搬送物５９にバンド６２をかけて緊縛すると共に、コイル状搬送物５９の端面側をコイル固定具６１で位置決めする。
【００５６】
次に、前記移動手段５４は、図２５，２６に示すように、前記パレット５３を持ち上げるための支持台６４と、この支持台６４の下面に設けられ圧縮空気が供給される膨張体６８と、この膨張体６８に複数（４つ）設けられ、床面に向けて気体を噴出する排気ノズル６５と、作業者の操作部６６とを備えている。そして、排気ノズル６５からの排気により支持台６４が床面から浮上するようになっている。
ここで、本第２実施例では、上記支持台及び膨張体６８等によって「浮上手段」が構成されていると言える。
【００５７】
次に、コイル状搬送物５９の搬出入作業について説明する。図２７に示すように、まずステージ５２の床面５２ａ上にパレット５３を載せ、その上にクレーン又はフォークリフト等の荷役装置を使用して運んできたコイル状搬送物５９を載せる。次いで、パレット５３の下部開放空間６０に移動手段５４の支持台６４を挿入してから、膨張体６８に圧縮空気を導入して膨張させて、その圧縮空気が噴射ノズル６５から床面に噴射されると、支持台６４と共にパレット５３が床面５２ａから浮上する。この状態で、支持台６４に対して作業者が水平方向の外力を付与すれば支持台６４と共にパレット５３が搬送されることとなる。そして、コンテナ２の中にコイル状搬送物５９を搬入したら排気ノズル６５への圧縮空気の供給を停止する。すると、移動手段５４と共にパレット５３が床面２ａ上に着地してコイル状搬送物５９がコンテナ２内に積載されることになる。そして、上記作用を繰り返し行って、搬入予定の複数（４つ）のコイル状搬送物５９を全て搬入し終えたら、第１実施例と同様にして、スプレッダ７の昇降によって、支持枠体８内部に進入しているトラックＴのシャーシＲにコンテナ２を搭載させ、このコンテナ２を搭載したトラックＴをコイル状搬送物５９の輸送先である目的地に向かって発車させることとなる。
尚、以上はコンテナ２へコイル状搬送物５９を搬入して目的地へ向かって輸送する過程について詳述したが、目的地まで輸送されてきたコイル状搬送物５９をコンテナ２から搬出する搬出作業は、前記搬入作業と逆の手順を採用すれば対応することができる。
【００５８】
このような上記第２実施例では、コンテナ２へのコイル状搬送物５９の搬出入作業を大幅に効率化することができる。また、第１実施例で使用した重量搬送物４の搬出入に適したステージ５に敷板体５６を覆って設置すれば、コイル状搬送物５９を搬出入するのに適したステージ５２に直ちに変更することができ、様々な種類の搬送物に対応できる搬出入システムを構築できる。また、ステージ５２上でフォークリフト等の荷役装置を利用して小型貨物等の搬送物を効率よく搬出入することもできる。
【００５９】
尚、図２８に示すように、上記第１実施例に係る搬出入システム１と第２実施例に係る搬出入システム５１とを複数のシステムを組合せて使用することができる。ここで、搬出入システム１では重量搬送物４の搬出入作業が行われ、また、搬出入システム５１では、コイル状搬送物５９や小型貨物等の搬出入作業が行われる。また、スプレッダ７に、コイル状搬送物５９のクランプに適した搬送具７１が着脱自在に取付けられている。
このような構成によると、ＣＦＳで取扱う全ての荷物に対応し得る搬出入システムを構築することできる。さらに、人海戦術で行われていた作業の効率化に加え、一般貨物と一般貨物以外の貨物（重量物や長尺物等）を同じ場所（ＣＦＳ）で搬出入することができ、横待ち（特殊業者への転送）等の無駄な物流をなくすことができ、安価な物流費で対応することができる。
【００６０】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例に係る搬出入システムを説明する斜視図である。
【図２】コンテナ移送装置を説明するための斜視図である。
【図３】同じく支持枠体内にコンテナを搭載したトラックが進入した状態を示す斜視図である。
【図４】ステージを説明するための平面図である。
【図５】パレットを説明するための斜視図である。
【図６】移動手段を説明するための平面図である。
【図７】浮上滑動装置を説明するための縦断面図である。
【図８】同じく斜視図である。
【図９】浮上滑動装置の作用を説明するための説明図であり、(ａ)はパレットが床面から浮上した状態を示し、（ｂ）はパレットが床面に載置された状態を示す。
【図１０】第１，第２プッシュ・プル装置を説明するための平面図である。
【図１１】第１実施例に係る搬出入作業を説明するための斜視図であり、(ａ)は開始前の状態を示し、(ｂ)は支持枠体内部にトラックが進入した状態を示し、(ｃ)はトラックからコンテナが取外された状態を示す。
【図１２】同じく斜視図であり、(ａ)はコンテナが床置きされた状態を示し、(ｂ)はコンテナ内に移動手段を搬入した状態を示し、(ｃ)はステージ上にパレットを載置した状態を示す。
【図１３】同じく斜視図であり、(ａ)はパレット上に搬送物を積載した状態を示し、(ｂ)はパレットが搬入される状態を示し、(ｃ)はトラックにコンテナを搭載した状態を示す。
【図１４】スプレッダの他の形態を説明するための斜視図である。
【図１５】コンテナ移送装置の他の機能を説明するための斜視図である。
【図１６】同じく他の機能を説明するための斜視図である。
【図１７】第１プッシュ・プル装置の他の例を説明するための平面図である。
【図１８】同じく側面図である。
【図１９】第２浮上滑動装置の他の例を説明するための平面図である。
【図２０】同じく正面図である。
【図２１】第２プッシュ・プル装置の他の例を説明するための側面図である。
【図２２】第２プッシュ・プル装置のさらに他の例を説明するための側面図である。
【図２３】第２実施例に係るステージを説明するための斜視図である。
【図２４】パレットを説明するための斜視図である。
【図２５】移動手段を説明するための斜視図である。
【図２６】移動手段の排気ノズルを説明するための説明図である。
【図２７】第２実施例の搬出入作業を説明するための斜視図である。
【図２８】複数のステージを並設した例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
１，５１；搬出入システム、２；ドライコンテナ、２ａ；床面、３；コンテナ移送装置、４；搬送物、５，５２；ステージ、５ａ，５２ａ；床面、６，５４；移動手段、７；スプレッダ（係止手段）、８；支持枠体、９；レール、１０；スプレッダ本体、１１；伸縮部材、１２；係止具、１４；門形フレーム、１５；連結フレーム、１６；基礎フレーム、１７；脚部、２５；駆動モータ、２７；支持具、３３，５３；パレット、３４；連結手段、３６ａ；第１浮上滑動装置、３６ｂ；第２浮上滑動装置、３７ａ；第１プッシュ・プル装置（パレット外力付与手段）、３７ｂ；第２プッシュ・プル装置（変位手段）、３８；浮上体、３９；滑動体、４５；ローラ、４８；伸縮ブーム、５６；敷板体、５９；コイル状搬送物、６４；支持台、６８；膨張体、７１，７２；搬送具、８０；台車、８５；係止部、９０；コンベヤ、９１；駆動モータ、９３；流体シリンダ、９４；ピストンロッド、９５；歯車、９６；ラック、Ａ；搬出入位置、Ｎ；荷台、Ｒ；シャーシ、Ｓ，６０；下部開放空間、Ｔ；トラック。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライコンテナへの搬送物の搬出入用システムに関し、更に詳しくは、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる搬出入システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来からトラック、鉄道車両、船等の輸送手段で貨物を運ぶのにコンテナが使用されているが、その中にいわゆるドライコンテナと称されるコンテナがある。このドライコンテナは、貨物を外的破壊・破損要因から護るとともに前記輸送手段に積み易くするために直方体形の箱状容れ物になっている。そして、このドライコンテナは、天井を持たないフラットコンテナ、天井を開口可能なオープントップコンテナ等の特殊コンテナに比べ、一般的に保有数が高く、安価であり、確保も容易であり、さらに気密性に優れるといった利点がある。
ところが、ドライコンテナは搬送物の搬出入口が最小側面である後端側に設けられており、その後端側の開口部を介してドライコンテナへの搬送物の搬出入作業｛バンニング（デバンニングも含む）とも言う。｝が行われる。そのため、ドライコンテナへの搬送物の搬出入に際して、特に搬送物が重厚長大な重量搬送物である場合は、その搬出入作業は困難を極める。すなわち、ドライコンテナの中に進入可能な小型フォークリフトその他のキャリアー等を使用して搬送できる特定の重量搬送物を除き、ほとんどの重量搬送物（長尺物や大型貨物等）はドライコンテナへの搬出入は不可能に近いものであった。従って、上記の重量搬送物は、ドライコンテナではなく特殊コンテナ(オープントップコンテナ、フラットラックコンテナ等)に特殊搬送機(クレーン、大型リフト等)を使って搬入していることが現状であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
以上より本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ドライコンテナへの重量搬送物の搬出入を効率よく実現できるドライコンテナへの搬送物の搬出入システムを提供することを目的とする。
【０００４】
上述の先行技術は、トラック（又はトレーラ）のシャーシにドライコンテナを搭載した状態で、レベリング機構等を用いてドライコンテナをステージに対して同一水平面に保持して搬送物の搬出入を行う形態を主に開発されている。
そして、この先行技術の使用形態のひとつに、多量にドライコンテナへの搬送物の搬出入作業を実施する物流センターやＣ・Ｆ・Ｓ（コンテナ・フレート・ステーション）での使用が挙げられる。例えば、近年、将来に向けた物流対策の一環として、全国の主要港湾でコンテナターミナルが整備されつつあるが、このコンテナターミナルにおいてＣＹ（コンテナヤード）と空コンテナ置き場（バンプール等）に隣接する地域に、上記先行技術を使用した新たなコンテナ・バンニングセンターを構築することが望まれている。この場合、上述のようなレベリング機構等を用いたドライコンテナの水平保持作業を伴う搬送物の搬出入作業を行うより、ドライコンテナをトラックのシャーシから外し床置きした状態で搬送物の搬出入作業を行う方が、その搬出入作業をより効率化させ得ることが判明した。
【０００５】
そこで、本発明者らは、ドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業をより効率化し得る有用な装置を提案すべく検討した結果、上述の先行技術にドライコンテナを昇降可能な特定の装置を特定の関係をもって結合した搬出入システムとすればよいという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システムは、搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段を備え、前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能であり、前記コンテナ移送装置は、前記浮上滑動装置により床面から浮上される前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能としたことを特徴とする。
また、請求項１１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システムは、搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備え、前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、前記浮上滑動装置は、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とからなることを特徴とする。
【０００６】
本発明の搬出入システムによると、トラックのシャーシに対してドライコンテナを簡易かつ迅速に脱着することができ、トラックのシャーシから取外したドライコンテナをステージに対する所定の位置に簡易かつ迅速に位置決めすることができる。この位置決めされたドライコンテナは、その後端開口部がステージの先端側に隣接すると共に、その床面をステージの床面と実質上同一高さとなっており、この状態で、ドライコンテナとステージとの間で移動手段によって搬送物の搬出入作業が効率良く実施される。従って、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる等の利点を有する。
【０００７】
上記「コンテナ移送装置」としては、上述のドライコンテナの脱着機能等を有する限り、その構成、形状、大きさ、設置形態等は特に問わず、例えば、前記コンテナ移送装置は、前記搬送物が収納される前記ドライコンテナに係止可能な係止具を有する係止手段と、該係止手段を昇降可能に支持する支持枠体とを備え、前記係止手段によって、前記ドライコンテナをトラックのシャーシに対して脱着可能とすることができる。
【０００８】
ここで、上記「係止手段」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナの上面の４隅部と対向する位置に前記係止具を有するスプレッダであることが好ましい。ドライコンテナ上面の４隅部に既在する隅金具（被係止具）を利用して係止具を係止でき、しかもドライコンテナを水平状態を保って円滑に昇降させることができるためである。
尚、上記「スプレッダ」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナにのみ対応する簡易な構成とすることができるが、スプレッダ本体と、該スプレッダ本体に対して水平方向に伸縮可能でかつ前記係止具を有する伸縮部材とを備えることが好ましい。例えば、全長２０フィートと全長４０フィートのコンテナのように様々な大きさのドライコンテナに対応できるためである。
【０００９】
また、上記「支持枠体」としては、例えば、一対の門型フレームと、該一対の門型フレームの脚部が立設される基礎フレームとを備えることができる。また、前記支持枠体は、両側外方から前記係止手段を懸吊した状態で、該係止手段を昇降させ得る昇降懸吊手段を備えることが好ましい。支持枠体内部に、ドライコンテナを搭載したトラックを停止させ得るためである。さらに重量搬送物が搬入されたドライコンテナを係止手段により円滑に昇降させ得るためである。
【００１０】
また、上記支持枠体は、例えば、前記ドライコンテナを載置可能な支持具を備えることが好ましい。トラックのシャーシから取外したドライコンテナを確実に水平状態に載置できるためである。
ここで、上記「支持具」としては、例えば、所定の大きさのドライコンテナの下面の４隅部のうち少なくとも２隅部と対向する位置に設けられることが好ましい。ドライコンテナの下面の４隅部に既在する隅金具（被係止具）を利用して載置できるためである。また、前記支持具は高さ調整可能であることが好ましい。後述の実施例で説明するように、ステージの床面の高さを変更して搬送物の搬出入作業を実施する場合に対応し得るためである。
【００１１】
尚、上記支持枠体は、上述のスプレッダと同様にして、前記支持具を、所定の大きさのドライコンテナにのみ対応する平面位置に設置して簡易な構造としたり、前記支持具を、支持枠体に対して水平方向に伸縮可能な伸縮部材に設けて様々な大きさのドライコンテナに対応可能な構成としたりできる。また、上記支持枠体の支持具を使用せず、トラックのシャーシから取外されたドライコンテナを、地面に直接的に載置したり、スペーサを介して間接的に載置したりできる。
【００１２】
また、上記コンテナ移送装置としては、例えば、その設置形態を、地面に固定設置される簡易な構成とすることができる。また、前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能であることが好ましい。ステージとコンテナ移送装置との間隔を任意に設定でき、様々な大きさのドライコンテナの搬出入作業に対応できるためである。また、複数のステージをレールで連繋すれば、１基のコンテナ移送装置で複数のステージにおける搬送物の搬出入作業に対応できるためである。さらに、搬出入作業に係わる各種機能を付加することができるためである。例えば、前記コンテナ移送装置は、前記搬送物を吊下げ可能な搬送具を備え、該搬送具に吊下げられる搬送物を、前記レール上の走行によってトラックの荷台に対して荷積みあるいは荷降し可能とすることができる。また、前記コンテナ移送装置は、前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能とすることができる。
【００１３】
また、上記「移動手段」としては、上述のようにドライコンテナとステージとの間で搬送物を移動させる機能等を有する限りにおいて、その構成、形状、大きさ等は特に問わない。例えば、移動手段としてフォークリフト等の荷役装置を挙げることができるが、前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備えることが好ましい。後述の第１実施例で示すように、搬送物が大型機械等の極めて重い重量搬送物であっても、この重量搬送物を、ドライコンテナとステージとの床面を円滑に移動させることができるためである。また、上記移動手段としては、例えば、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で前記浮上手段を変位させ得る変位手段を備えることが好ましい。ドライコンテナ及びステージにわたって浮上手段を設置する場合に、この浮上手段を自動で簡易に変位できるためである。
【００１４】
ここで、上記「浮上手段」としては、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であることが好ましい。大型機械等の重量搬送物の移動により好適な浮上手段を構成できるためである。また、上記「滑動体」としては、多数の並列配設されるローラを備えることが好ましい。より円滑な移動を実現できるためである。また、上記「浮上滑動装置」としては、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とから構成することができる。そして、上記移動手段が変位手段を備える構成にあっては、この変位手段によって第２浮上滑動装置が変位されることとなる。
【００１５】
また、上記「変位手段」としては、前記浮上手段に係止可能な係止部を有する伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備えて構成できる。また、前記変位手段は、前記ステージに周回自在に設けられ、前記浮上手段を移送可能なコンベヤと、該コンベヤを周回駆動させ得る駆動モータとを備えて構成できる。さらに、前記変位手段は、流体シリンダと、該流体シリンダのピストンロッドの先端側に設けられる歯車と、該歯車と噛合可能で、前記ステージ及び前記浮上手段に設けられるラックとを備えて構成できる。
【００１６】
また、上記「パレット外力付与手段」としては、前記パレット外力付与手段は、伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備え、該ブームの先端側は、前記パレットに係止可能な係止部を有して構成することができる。また、前記パレット外力付与手段は、前記ステージの床面を走行可能な台車を備え、該台車は、前記パレットに係止可能な係止部を有して構成することができる。また、前記パレット外力付与手段が前記変位手段を兼ねることが好ましい。移動手段を簡易に構成できるためである。
【００１７】
また、上記「ステージ」としては、パレットを介して搬送物を載置できれば、その構成、形状、大きさ等は特に問わないが、例えば、前記ステージは、前記浮上手段を覆い得る敷板体を備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さであることが好ましい。単独のステージで、上記浮上手段を使用しない別の移動手段（例えば、フォークリフト等の荷役装置や後述の浮上手段など）を用いる搬出入作業に迅速に対応でき、即ち、各種搬送物の搬出入作業に対応できるためである。
【００１８】
また、上記「パレット」としては、例えば、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。ドライコンテナ内へパレットをほとんど隙間なく搬入することができ、ドライコンテナに対するパレットの固定作業等をなくす、あるいは必要最小限とすることができるためである。また、前記パレットは、２以上の場合であって、パレット本体と、該パレット本体に設けられ、該パレット本体と他のパレットのパレット本体とを連結可能な連結手段とを備え、該パレット及び他のパレットと、更には必要に応じて組み合せて使用される他のパレットを組み合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。各種搬送物の種類等に応じてパレットの連結・非連結を選択できる汎用性の高いパレットを実現できるためである。また、前記パレットは、前記搬送物を移動させるための浮上手段を格納可能な下部開放空間を備えることができる。
【００１９】
また、上記「移動手段」としては、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段を備え、該浮上手段は、前記パレットの下部開放空間に進入可能な支持台と、該支持台の下部に設けられ、導入される圧縮空気を前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面に向って噴射可能な膨張体とを有することが好ましい。後述の第２実施例で示すように、搬送物がコイル状重量搬送物であっても、このコイル状重量搬送物を、ドライコンテナとステージとの床面を円滑に移動させることができるためである。
【００２０】
ここで、上記「ステージ」としては、前記ステージは、前記搬送物を移動させるための浮上滑動装置を覆い得る敷板体を備え、該敷板体の上面が、前記膨張体が圧縮空気を噴射するステージの床面であり、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さであることが好ましい。単独のステージで、各種搬送物の搬出入作業に迅速に対応できるためである。
【００２１】
また、上記「パレット」としては、パレット本体と、該パレット本体の上部に設けられ、コイル状の搬送物の周面側を載置可能な一対のキャンパー部材とを備えると共に、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致することが好ましい。コイル状搬送物の積載に好適なパレットを実現でき、さらにドライコンテナ内へパレットをほとんど隙間なく搬入することができ、ドライコンテナに対するパレットの固定作業等をなくす、あるいは必要最小限とすることができるためである。また、上記パレットとしては、前記パレット本体の下部に設けられ、前記浮上手段を格納可能な下部開放空間を備えて構成できる。
尚、コイル状搬送物を積載したパレットは、コイル状搬送物の軸心をドライコンテナの輸送方向（長尺方向）に直交する向きとなるようにドライコンテナ内に収納されることが好ましい。コンテナの輸送時に、輸送方向へのコイルの巻き体の飛び出しを防止するためである。
【００２２】
なお、搬出入構造体は、パレットを介して搬送物を載置可能なステージと、該ステージに近接して設けられ、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ該ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされ、該ステージの床面と実質上同一高さの床面でもって、該ステージの先端側に隣接する後端開口部を有するドライコンテナと、該ドライコンテナ及び前記ステージの床面に設けられ、前記パレットを該ドライコンテナ又はステージの床面から浮上させ得る浮上滑動装置とを備えることを特徴とする。
【００２３】
上記「搬出入構造体」としては、前記ステージの床面に載置され、前記浮上滑動装置を格納する下部開放空間を有するパレットを備えることができる。また、前記ドライコンテナの床面に載置され、前記浮上滑動装置を格納する下部開放空間を有するパレットを備えることができる。さらに、前記パレットに積載される搬送物を備えることができる。
【００２４】
なお、他の搬出入構造体は、前記搬送物を移動させるための浮上滑動装置を覆い得る敷板体を備えるステージと、前記ステージに近接して設けられ、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ該ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされ、前記ステージの前記敷板体の上面と実質上同一高さの床面でもって、該ステージの先端側に隣接する後端開口部を有するドライコンテナとを備えることを特徴とする。
【００２５】
ここで、上記「搬出入構造体」としては、前記ステージの前記敷板体の上面に載置されるパレットを備えることができる。また、前記ドライコンテナの床面に載置されるパレットを備えることができる。さらに、前記パレットに積載される搬送物を備えることができる。
【００２６】
尚、上記「搬送物」としては、コンテナ内に搬入できる重量、幅、高さ及び材質であればその種類は特に問わず、例えば、機械類（自動車部品、電気製品等）、コンクリートパイル、フレコン、果物類、その他雑貨等を挙げることができる。特に、重厚長大な搬送物として、大型工作機械、長尺製品、コイル状製品、大型ガラス製品、石製品や自動車等が挙げられる。
【００２７】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を具体的に説明する。
（第１実施例）
図１に示すように、本第１実施例における搬送物の搬出入システム１は、搬送物４（重量搬送物である大型機械）を積載可能なパレット３３と、このパレット３３を載置可能なステージ５と、トラックＴのシャーシＲ（図３参照）に対してドライコンテナ２（以下、コンテナ２とも略記する。）を脱着可能で、かつ、ステージ５に対する所定の搬出入位置Ａへドライコンテナ２を移送可能であるコンテナ移送装置３（以下、移送装置３とも略記する。）と、搬出入位置Ａに位置決めされるコンテナ２とステージ５との間で搬送物４を移動させるための移動手段６とを備えて構成される。
【００２８】
上記移送装置３は、図２に示すように、スプレッダ７と、このスプレッダ７を両側外方から昇降可能に懸吊支持する支持枠体８と、この支持枠体８が走行可能な地面に敷設されるレール９とを備えている。このスプレッダ７は、水平枠状のスプレッダ本体１０と、このスプレッダ本体１０に対してその長辺側フレームに沿って伸縮可能なコ字形平面をなす伸縮部材１１とを備えている。この伸縮部材１１には、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の上面の４隅部に対向する位置に下方を向く４つの係止具１２が設けられている。各係止具１２の先端部を、コンテナ２の上面の４隅部を形成する隅金具（図示せず）の係止孔（図示せず）に挿入した後、回動させることにより、コンテナ２に係止具１２が係止されるようになっている。また、上述と逆の作用によって、係止具１２によるコンテナ２の係止を解除するようになっている。
【００２９】
次に、上記支持枠体８は、前後一対の門形フレーム１４と、これら各門形フレーム１４の頭部１８ａ，１８ｂを連結する左右一対の連結フレーム１５と、各門形フレーム１４の脚部１７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄが立設される左右一対の基礎フレーム１６とを備える骨格状構造体である。また、各門形フレーム１４のうち脚部１７ａ、１７ｂと脚部１７ｃ、１７ｄとの間隔Ｄ及び頭部１８ａ，１８ｂの地面からの高さＨは、コンテナ２を搭載したトラックＴを後進させて支持枠体８の内方下部に進入させたとき、コンテナ２をスプレッダ７の真下に位置させることが可能な必要最小限の間隔となる適宜値に設定されている（図３参照）。
【００３０】
前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、門形フレーム１４の脚部１７ｂ，１７ｃに沿って流体シリンダ２０ａ、２０ｂが立設されている。各流体シリンダ２０ａ、２０ｂのピストンロッド先端部には滑車２１が設けられ、この滑車２１に巻回されたワイヤ２２が、門形フレーム１４の頭部１８ａ，１８ｂに取着した共通滑車２３及び各分離滑車２４ａ，２４ｂの周りを巻回され、その両端部がスプレッダ本体１０に固定されている。従って、前記流体シリンダ２０ａ、２０ｂを伸縮させると、そのストローク長の２倍の高低差をもってスプレッダ７が昇降するようになっている。
ここで、上記流体シリンダ２０ａ、２０ｂ、各滑車２１，２３，２４ａ，２４ｂ及びワイヤ２２等によって「昇降懸吊手段」が構成されていると言える。
【００３１】
また、前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、前記レール９上を走行可能な多数の走行輪（図示せず）と、これら走行輪を回転駆動させる駆動モータ２５とが設けられている。この駆動モータ２５の駆動力は、ベルトやチェーン等の適宜駆動伝達手段（図示せず）を介して各走行輪に伝達されるようになっている。従って、レール上を走行することによって、前記移送装置３は、ステージ５に対して近接・離反するようになっている。尚、前記支持枠体８には前記スプレッダ７、流体シリンダ２０ａ、２０ｂ及び駆動モータ２５等を制御する制御装置（図示せず）が設置されている。
ここで、上記駆動モータ２５及び多数の走行輪等によって「走行手段」が構成されていると言える。
【００３２】
また、前記支持枠体８を構成する各基礎フレーム１６には、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の下面の４隅部に対向する位置に上方を向く２つの支持具２７が設けられている。この支持具２７の先端部を、コンテナ２の下面の４隅部を形成する隅金具（図示せず）の係止孔（図示せず）に挿入すると共に支持具２７の基部で隅金具を支持し、上述のようにスプレッダ７で懸吊することにより、コンテナ２は、水平状態を保ち、その開口部２ｂがステージ５の先端側５ｂに隣接する搬出入位置Ａ（図１参照）に位置決め載置されるようになっている。また、各支持具１２は、その高さ位置を調整可能とされており、後述の第２実施例のように、敷板体によってステージ５の床面５ａ高さが変更された際に対応できるようになっている。さらに、各支持具２７は、基礎フレーム１６の側面から突出した使用状態から基礎フレーム１６内部に収納される収納状態に変位できるようになっている。
尚、上記支持具２７を、コンテナ２の４隅部のうち対角線上にある２隅部に対向する位置に２つ設けたり、コンテナ２の４隅部のうちステージ５に近接する２隅部に対向する位置に２つ設けたりしてもよい。また、上記第１実施例では、支持具２７をコンテナ移送装置３に一体的に設けて構成したが、これを止め、支持具２７を有する支持部材を基礎金具等を介して地面に直接載置して、この支持部材上にコンテナを載置支持するようにしてもよい。この場合、地面と支持部材との間や、支持部材と支持具との間にシム等を介して支持具の高さ調整をしたり、支持部材に高さ寸法の異なる支持具を設けて高さ調整を実施することができる。
【００３３】
次に、前記ステージ５は、コンテナ２に対して搬出入される搬送物４を一時的に直接載置したり又は後述のパレットを介して間接的に載置したりする構造物である。このステージ５は、図４に示すように、多数の鋼材製の縦横の板状フレーム２９ａ，２９ｂを枠組みしてなる格子状構造で形成され、その広さは少なくとも所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２の床面２ａと略同じ大きさになっている。また、ステージ５の全面域にわたって、後述の移動手段を設置するための設置領域が設けられている。また、このステージ５にはレベル調整手段（図示せず）が設けられ、その床面５ａ高さを微調整可能になっている。そして、ステージ５の床面の高さは、上述のように、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２の床面２ａと実質上同一高さで面一となるように設定されている。また、ステージ５の地面への設置位置は、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２の開口部２ｂにステージ５の先端側５ｂが隣接するように設定されている（図１参照）。
尚、上記ステージ５としては、後述の移動手段等を設置可能で重量搬送物４を載置可能であるなら、その形状、大きさ、材質等は特に問わず、例えば、コンクリート製で平板状に形成することができる。また、ステージ５の周囲には先端側５ｂを除いて後述のパレットの飛び出しを防止するストッパー部材１９が設けられている。
【００３４】
次に、上記パレット３３は、図５に示すように、所定間隔をおいて３本平行に配設されたビーム状基材３０と、搬送物４を直接載せるために前記ビーム状基材３０の上に直交配列してなる多数本の板状の積載部材３１とを備え、全体として搬送物４の搬出入方向の奥行きよりも横幅が大きい長方形の格子状構造をなしている。また、パレット３３の載置部材３１の裏面側には、相隣接する前記ビーム状基材３０間に耐荷重部材３２が複数本固着されている（図９参照）。
【００３５】
そして、このパレット３３の奥行き寸法は、所定の大きさ（例えば、全長２０フィート）のコンテナ２奥行き長さを略４等分した寸法に設定され、また、パレット３３の横幅寸法は、コンテナ２の横幅と略同じ寸法に設定されている。即ち、このパレット３３の形状は、コンテナ２の平面形状の大きさに対して略４等分にモジュール化されていることとなる。また、パレット３３の４隅部には、このパレット３３と同じようにモジュール化された他のパレット３３を連結させるための連結板、連結ボルト等からなる連結手段３４が設けられ、搬送物４の種類（搬送物の形状、大きさ、重量等）に応じて適宜連結・解除できるようになっている。また、パレット３３の積載部材３１の下面には所定の大きさの下部開放空間Ｓ（以下、空間Ｓとも略記する。）が形成され、この空間Ｓに後述の移動手段の一部が格納されるようになっている。
【００３６】
尚、上記実施例では、パレット３３をコンテナ２の平面形状を４等分した形状にモジュール化したが、これに限定されず、パレットは、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致するように構成されていればよい。ここで、「ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致する」とは、様々な大きさ及び形状の１つ、あるいは２以上のパレットを組合わせて得られる底面形状が、ドライコンテナの底面形状と略一致する大きさということである。
【００３７】
また、２以上を組み合わせて用いるパレットでは、例えば、パレットの形状をドライコンテナの底面の長辺（又は短辺を）を２等分、３等分、４等分、５等分等とする形状とすることができる。特に、全長２０フィートのコンテナの場合には、その全長（長辺）を４等分した形状、また、全長４０フィートのコンテナの場合には、その全長（長辺）を８等分した形状とすることが好ましい。パレットの汎用性に優れるためである。また、底面を１／６、２／６、３／６等の大きさのパレットや、２／５、３／５等の等分でない大きさのパレットを組み合わせてもよい。また、長辺方向を３等分し、短辺方向を２等分する底面等の大きさを持つ６等分のパレット、即ち、長辺方向及び短辺方向の双方向を区分けしたパレットを組み合わせてもよい。
【００３８】
次に、上記移動手段６は、図６に示すように、前記パレット３３をステージ５及びコンテナ２の各床面５ａ，２ａから浮上させて滑動させ得る浮上滑動装置３６を備えている。この浮上滑動装置３６は、ステージ５上に固定載置される第１浮上滑動装置３６ａと、ステージ５及びコンテナ２の各床面５ａ，２ａ間で変位される第２浮上滑動装置３６ｂとから構成される。そして、上記移動手段６は、この第１浮上滑動装置３６ａ又は第２浮上滑動装置３６ｂによって床面５ａ，２ａから浮上されるパレット３３に外力を付与する第１プッシュ・プル装置３７ａと、第２浮上滑動装置３６ｂを変位させる第２プッシュ・プル装置３７ｂとを備えている。各浮上滑動装置３６ａ，３６ｂは、図７，８に示すように、圧縮空気の導入により膨張する浮上体３８と、この浮上体３８の上面側に配置される滑動体３９とを備えている。この浮上体３８は、合成繊維コードで補強されたチューブ４０と、そのチューブ４０に圧縮空気を通気させる通気管４１とからなり、ステージ５の床面５ａに置かれる断面Ｕ字形を有する基台４２の中に設置される。また、前記滑動体３９は、浮上体３８の上に断面Ｕ字形の支持部材４４と、この支持部材４４に所定間隔をおいて平行に軸着される複数個のローラ４５とを備えている。
【００３９】
従って、前記滑動体３９の上に耐荷重部材３２を介してパレット３３を載せた状態で、前記通気管４１からチューブ４０に圧縮空気を導入すると前記支持部材４４と共に滑動体３９が上昇し、パレット３３が床面２ａ（５ａ）から浮上する｛図９(ａ)参照｝。そのパレット３３に搬送物の搬出入方向の外力を付加すればパレット３３は移動することになる。そして、床面２ａ（５ａ）上で所定距離だけパレット３３を移動させて前記チューブ４０から圧縮空気を排出させれば、パレット３３は降下してそのビーム状基材３０がステージ５又はコンテナ２の床面５ａ，２ａに着地する｛図９(ｂ)参照｝。
尚、本第１実施例では、多数のローラ４５を備えて滑動体３９を構成したが、これに限定されることなく、無端状ベルト等からなるコンベヤなどで滑動体を構成してもよい。また、圧縮空気の導入による膨張で滑動体を浮上させるように浮上体３８（膨張体）を構成したが、これに限定されることなく、駆動原（モータ、流体シリンダ等）の駆動を適宜伝達機構（リンク機構、ギヤ機構等）で伝達して滑動体を浮上させるように浮上体を構成してもよい。
【００４０】
次に、前記第１，第２プッシュ・プル装置３７ａ，３７ｂは、図１０に示すように、太さの相異する複数本の筒状支柱４７ａ、４７ｂ、４７ｃを伸縮可能に連結した伸縮ブーム４８の中に油圧シリンダ４９ａ、４９ｂにより伸縮する伸縮ロッド５０ａ、５０ｂを装着した構造をなしている。上記筒状支柱４７ｃの先端側が、前記パレット３３や前記第２浮上滑動装置３６ｂに係止可能な係止部に形成されている。尚、本第１実施例では、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、第２浮上滑動装置３６ｂの変位手段として構成したが、この変位機能に加えて、パレット３３への外力付与手段を兼ねるように構成してもよい。
ここで、本第１実施例では、上記第１，第２浮上滑動装置３６ａ，３６ｂ等によって「浮上手段」が構成されている。また、上記第１プッシュ・プル装置３７ａ等によって「パレット外力付与手段」が構成され、上記第２プッシュ・プル装置３７ｂ等によって「変位手段」が構成されていると言える。
【００４１】
次に、図１１，１２，１３により本システム１によるコンテナ２への搬送物４の搬入作業について説明する。先ず、図１１(ａ)に示すように、ステージ５に近接して移送装置３が位置決めされており、またステージ５上には第１，２浮上滑動装置３６ａ，３６ｂが載置されている。次に、図１１(ｂ)に示すように、その後端側の開閉扉を開いた状態の空のコンテナ２をシャーシＲ上に搭載したトラックＴが後進して、支持枠体８の内部に進入して所定の停止位置に停止する。このとき、スプレッダ７の真下にコンテナ２が位置し、コンテナ２上面の各隅金具とスプレッダ７の各係止具１２とが対向する。そして、スプレッダ７を下降させ、各係止具１２の先端部を、コンテナ２の隅金具の係止孔に挿入した後、回動させてコンテナ２に係止具１２を係止させる。この状態より、スプレッダ７を上昇させてトラックＴのシャーシＲからコンテナ２が取外され水平状態に懸吊される。その後、図１１(ｃ)に示すように、コンテナ２が取外されたトラックＴを前進させ支持枠体８の外方で停止させる。
【００４２】
次に、図１２(ａ)に示すように、スプレッダ７を下降させて、支持具２７の先端部を、コンテナ２下面の隅金具の係止孔に挿入すると共に支持具２７の基部で隅金具を支持し、コンテナ２を搬出入位置Ａに位置決め載置する。このように搬出入位置Ａに位置決めされたコンテナ２は、その床面２ａがステージ５の床面５ａと実質上同一高さレベルであり、またコンテナ２の開口部２ｂがステージ５の一端側に隣接した状態となる。その後、図１２(ｂ)に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂの作用でステージ５床面５ａ上にある第２浮上滑動装置３６ｂをコンテナ２側へ押し込んで、第２浮上滑動装置３６ｂをコンテナ２内の床面２ａ上に位置させる。次いで、図１２(ｃ)に示すように、４枚のパレット３３を連結手段３４により連結してなるパレット３３をステージ５床面５ａ上に載置する。
【００４３】
次に、図１３(ａ)に示すように、パレット３３上にクレーンやフォークリフト等の荷役装置で搬送物４（大型機械）を載せた後、パレット３３上に取付けたフック部材等を利用してワイヤー等で搬送物４を固定する。その後、通気管４１からチューブ４０に圧縮空気を導入して滑動体３９と共にパレット３３を床面５ａから浮上させる。そして、図１３(ｂ)に示すように、第１プッシュ・プル装置３７ａの作用でステージ５床面５ａ上にあるパレット３３をコンテナ２側へ押し込んで、パレット３３をコンテナ２内へ搬入する。パレット３３がコンテナ２内に完全に搬入されたら、チューブ４０への圧縮空気の供給を止め、パレット３３を下降させてコンテナ２床面２ａ上に載置させることとなる。そして、第２プッシュ・プル装置３７ｂの作用でコンテナ２床面２ａ上にある第２浮上滑動装置３６ｂをステージ５側へ引っ張り出し、第２浮上滑動装置３６ｂをステージ５の床面５ａ上に再び位置させる。次いで、図１３(ｃ)に示すように、スプレッダ７の上昇により搬出入位置Ａに位置するコンテナ２を持ち上げ、この状態より支持枠体８の外方で停止していたトラックＴを後進させて支持枠体８内部に進入させ、トラックＴのシャーシＲをコンテナ２の真下に位置させる。その後、スプレッダ７を下降させてコンテナ２をトラックＴシャーシＲに搭載し、コンテナ２の隅金具に対する係止具１２の係止を解除してからスプレッダ７を上昇させる。すると、コンテナ２を搭載したトラックＴを搬送物４の輸送先である目的地に向かって発車できる。
尚、以上はコンテナ２へ搬送物４を搬入して目的地へ向かって輸送する過程について詳述したが、目的地まで輸送されてきた搬送物４をコンテナ２から搬出する搬出作業では、前記搬入作業と逆の手順を採用すれば対応することができる。
【００４４】
このような上記第１実施例では、係止具１２によるコンテナ２の係止及びスプレッダ７の昇降によって、トラックＴのシャーシＲに対してコンテナ２を簡易に脱着することができ、従来既知のコンテナジャッキやトラックに搭載されるサイドリフターや大型クレーン等の装置に比べ、短時間で脱着作業を実施することができる。また、支持具２７によるコンテナ２の係止及びスプレッダ７の懸吊によって、トラックＴのシャーシＲから取外したコンテナ２を水平状態に載置することができる。従って、レベリング機構等を用いたコンテナ２の水平保持を行う必要がなく、多量にコンテナ２への搬送物４の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できる。さらに、搬出入位置Ａに載置されるコンテナ２は、ステージ５の床面５ａと実質上同じ高さレベルの床面２ａを有し、その開口部２ｂがステージ５の一端側に隣接するので、やはり搬送物４の搬出入作業を効率化させることができる。特に、大型工作機械、長尺製品等の重厚長大な搬送物４を多量にコンテナ２へ搬出入する場合でも、その作業を大幅に効率化することができる。
【００４５】
また、上記第１実施例では、流体シリンダ２０ａ，２０ｂ、滑車２１，２３，２４ａ，２４ｂ及びワイヤ２２等からスプレッダ７の昇降懸吊手段を構成したので、重量搬送物４が搬入されたドライコンテナ２を円滑に昇降させることができる。さらに、支持枠本体４を構成する一対の門形フレーム１４の幅Ｄ及び高さＨを、コンテナ２を搭載したトラックＴを支持枠体８内部に必要最小限の間隔でもって進入させ得る大きさに設定してあるので、移送装置３全体として比較的コンパクトなものとすることができ、例えば、工場等の建物内でこの移送装置３を使用することも可能となる。また、支持枠体８をレール９上を走行可能とし、さらにスプレッダ７は、伸縮自在な伸縮部材１１に係止具１２を備えて構成されているので、様々な大きさのコンテナ２への搬送物４の搬出入作業に簡易に対応できる。即ち、図１４に示すように、例えば、全長４０フィートのコンテナ２への搬出入作業を行う場合には、先ず、支持枠体８をステージ５から離れる方向に所定の距離だけ移動させた後、このコンテナ２の４隅部に対応するように伸縮部材１１を伸長させ、この状態より、上述のようなコンテナ２の脱着作業を行わせる。また、上記第１実施例では、支持枠体８はレール９上を走行可能とされているので、複数のステージ５をレール９で連繋して適宜箇所に支持枠体８の方向転換テーブル等を備えて構成すれば、１基の移送装置３により複数のステージ５での搬送物の搬出入作業に対応できる。
【００４６】
また、上記第１実施例では、モジュール化された複数のパレット３３を組合せて使用し、コンテナ２の平面形状と略一致させるようにしたので、パレット３３がコンテナ２の内壁に隙間なく載置されることとなり、コンテナ２に対するパレット３３のずれを防止することができる。また、ステージ５上でパレット３３に対する搬送物４の固定作業を実施できるので、コンテナ２内部でその固定作業を行うものに比べて、搬送物４の搬出入作業を効率化することができる。また、ステージ５上又はステージ５の周囲に、コンテナ２へ搬入予定の搬送物４を準備できるので、やはり搬送物４の搬出入作業を効率化することができる。また、パレット３３は、連結手段３４によって搬送物４の種類に応じて連結・非連結を選択できるので、複数の大きさのパレット３３を用意する必要がない。また、このモジュール化されたパレット３３をコンテナ２の付随物として取扱えば、例えば、目的地において、搬送物４搬出した後の空パレット３３に輸送先への搬送物４を積載して使用することができる。
【００４７】
尚、本発明においては、上記第１実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記第１実施例では、移送装置３に、コンテナ２をトラックＴのシャーシＲから脱着させる機能を備えて構成したが、この脱着機能の他に各種機能を付加することができる。例えば、図１５に示すように、スプレッダ７に、搬送物４を吊下げ可能なワイヤやクランプ具等の適宜搬送具７１を着脱自在に取付け、スプレッダ７の昇降により搬送具７１に搬送物４を吊下げ、この搬送物４を、支持枠体８の走行によってトラックＴの荷台Ｎに対して荷積みあるいは荷降しする荷役機能を付加することができる。また、例えば、図１６に示すように、支持枠体８の基礎フレーム１６に、パレット３３に係止可能な引掛け治具（コの字形状治具等）やワイヤなどの搬送具７２を着脱自在に取付け、この搬送具７２に係止されたパレット３３を、支持枠体８の走行によってコンテナ２に対して搬出入するパレット移動機能を付加することができる。
【００４８】
また、上記第１実施例では、支持枠体８がレール９上を走行できる構成としたが、支持枠体８の基礎フレーム１６が地面に固定設置される構成としてもよい。さらに、上記第１実施例では、スプレッダ７が伸縮部材１１を備え、様々な大きさのコンテナ２に対応できる構成としたが、この伸縮部材１１を使用せずに所定の大きさのコンテナ２にのみ対応する簡易構成のスプレッダ７としてもよい。このような固定設置型の支持枠体８や簡易構成のスプレッダ７を組合せて使用すれば、安価で簡易な移送装置３を提供することができる。また、ステージ５として、その床面５ａ高さがトラックＴに搭載されたコンテナ２の床面２ａと実質上同一高さレベルとなるものを使用することもでき、この場合、コンテナ２の高さ調整及び水平保持を、係止具１２による係止及びスプレッダ７の昇降によって迅速に行うことができる。
【００４９】
また、上記第１実施例では、レール９上を支持枠体８のみが走行可能な構成としたが、ステージ５も走行可能な構成としたり、ステージ５のみが走行可能な構成とすることができる。このような構成によれば、支持枠体８に対してステージ５を接近させ、床置き状態のコンテナ２の開口部２ｂに対してステージ５の先端側を確実に隣接させることができる。また、上記レール９を延設してステージ５をライン化することができる。即ち、ステージ５と例えば梱包エリアとを連繋して、この梱包エリアで、搬入予定の搬送物４をパレット３３に積載したり、固定作業をしたり等の準備作業を行うことができる。
【００５０】
また、上記第１実施例では、第１，２プッシュ・プル装置３７ａ，３７ｂを伸縮ブーム機構で構成したが、これに限定されることなく、モータの回転により巻き取られる又は回動するロープ、チェーン巻回装置、回転するスクリューにパレットを係止させる係止装置、ローラコンベア装置、屈曲アーム装置、伸縮チューブ装置、自走式プッシュ・プル装置及びその他これらに類する装置がある。例えば、上記自走式プッシュ・プル装置３７ａとしては、図１７，１８に示すように、ステージ５の床面５ａ上を走行可能な台車８０で構成することができる。この台車８０は、平板部材８１に受動車輪８２及び駆動モータ８４により駆動される駆動車輪８３を設け、さらに、平板部材８１の先端側にパレット３３に係止可能な係止部８５を形成して構成される。従って、この台車８０を、その係止部８５をパレット３３に係止させた状態で、ステージ５の床面５ａ上を走行させることによって、パレット３３がステージ５とコンテナ２の床面５ａ，２ａ上を変位するようになっている。
【００５１】
また、図１９，２０に示すように、上記第１実施例における第２浮上滑動装置３６ｂを所定間隔をおいて基台８９上に平行に２基セットし、さらに基台８９の下側にステージ５又はコンテナ２の床面５ａ，２ａ上を走行可能な無端状ベルト８８や走行輪等を設けて構成してもよい。このような構成によると、第２浮上滑動装置３６ｂの変位を円滑に実施できる。また、上記第１実施例では、第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるための第２プッシュ・プル装置３７ｂを伸縮ブーム機構で構成したが、これに限定されることなく、例えば、図２１に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、ステージ５の内部に周回自在に支持される無端状ベルトやチェーン等からなるコンベヤ９０と、このコンベヤ９０を周回駆動させる駆動モータ９１とを備えて構成でき、この周回するコンベヤ９０で第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。また、例えば、図２２に示すように、第２プッシュ・プル装置３７ｂを、流体シリンダ９３のピストンロッド９４の先端側に設けられる歯車９５と、該歯車９５と噛合可能で、ステージ５及び第２浮上滑動装置３６ｂに設けられるラック９６とを備えて構成でき、この流体シリンダ９３の伸縮作動をラック・ピニオン機構で伝達して第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。
【００５２】
また、本実施例では、第１プッシュ・プル装置３７ａによってパレット３３に外力を付与する手段を構成したが、この機能を上記浮上滑動装置３６に備えることができる。この場合、多数のローラ４５のうちの少なくとも１個のローラが駆動モータ（油圧、エア、電気モータ等）で自転するか又は外部に設けた電動機より受動する構造のものを適宜使用する。また、前記浮上滑動装置３６を上下反転して使用することができ、即ち、ローラ４５を床面側に向け、断面Ｕ字形を有する基台４２の底面を上方に向けてセットし、基台４２の上にパレット３３を載せて、この状態よりチューブ４０に圧縮空気を供給して、基台４２と共にパレット３３を床面から浮上させ、ローラ４５の床面での滑動によりパレット３３を搬送可能に構成できる。また、第２プッシュ・プル装置３７ｂによって第２浮上滑動装置３６ｂを変位させる手段を構成したが、これを止めて作業者が第２浮上滑動装置３６ｂを変位させるようにしてもよい。
【００５３】
（第２実施例）
次に、帯状の鋼板をロール状にした、いわゆるコイル状搬送物を搬送物として取り扱う際に好適に使用される搬出入システム５１について説明する。本システム５１では、スプレッダ７及びそれを支持する支持枠体８は上記第１実施例に係る移送装置３のそれらと同じ構造・機能を有している。しかしながら、ステージ５２、パレット３３及び搬送物５９をステージ５２とドライコンテナ２との間で移動させる移動手段５４が第１実施例のそれらと相異する。
【００５４】
この第２実施例に係るステージ５２は、図２３に示すように、第１実施例で使用されるステージ５の床面５ａ上に設置されている浮上滑動装置３６上に、鋼板から形成した垂下へり５５がついた敷板体５６を、そのコーナーに設けたフック（図示なし）を介してクレーン（図示なし）により運んできて、浮上滑動装置３６を被覆して、この第２実施例のステージ５２にすることができる。このステージ５２の床面５２ａは、第１実施例の床面５ａより高いレベルとなるが、上述のように支持枠体８に設けた支持具２７の高さレベルを調整することによって、搬出入位置Ａに位置決め載置されるコンテナ２とステージ５２の床面５２ａ高さは実質上同一の高さレベルとなる。
尚、上記床面５２ａのレベル調整はステージ５２（５）側に設けたレベル調整手段で行うこともできる。
【００５５】
次に、前記パレット５３は、図２４に示すように、パレット本体５７と、このパレット本体５７上に配置され、コイル状搬送物５９の円筒側面に接して支持するキャンパー部材５８とを備えている。また、このパレット本体５７の下側には下部開放空間６０が開放されている。また、パレット５３は、載置状態のコイル状搬送物５９の軸方向の両端側を位置決めするように、パレット本体５７に設けたレール上を移動可能でかつ固定可能なコイル固定具６１を備えている。また、上記第１実施例のパレット３３同様にして、このパレット５３も全長２０フィートのコンテナ２の平面形状を略４等分する大きさでモジュール化されている。尚、上記パレット５３にコイル状搬送物５９を載せて安定化するには、キャンパー部材５８で支持されるコイル状搬送物５９にバンド６２をかけて緊縛すると共に、コイル状搬送物５９の端面側をコイル固定具６１で位置決めする。
【００５６】
次に、前記移動手段５４は、図２５，２６に示すように、前記パレット５３を持ち上げるための支持台６４と、この支持台６４の下面に設けられ圧縮空気が供給される膨張体６８と、この膨張体６８に複数（４つ）設けられ、床面に向けて気体を噴出する排気ノズル６５と、作業者の操作部６６とを備えている。そして、排気ノズル６５からの排気により支持台６４が床面から浮上するようになっている。
ここで、本第２実施例では、上記支持台及び膨張体６８等によって「浮上手段」が構成されていると言える。
【００５７】
次に、コイル状搬送物５９の搬出入作業について説明する。図２７に示すように、まずステージ５２の床面５２ａ上にパレット５３を載せ、その上にクレーン又はフォークリフト等の荷役装置を使用して運んできたコイル状搬送物５９を載せる。次いで、パレット５３の下部開放空間６０に移動手段５４の支持台６４を挿入してから、膨張体６８に圧縮空気を導入して膨張させて、その圧縮空気が噴射ノズル６５から床面に噴射されると、支持台６４と共にパレット５３が床面５２ａから浮上する。この状態で、支持台６４に対して作業者が水平方向の外力を付与すれば支持台６４と共にパレット５３が搬送されることとなる。そして、コンテナ２の中にコイル状搬送物５９を搬入したら排気ノズル６５への圧縮空気の供給を停止する。すると、移動手段５４と共にパレット５３が床面２ａ上に着地してコイル状搬送物５９がコンテナ２内に積載されることになる。そして、上記作用を繰り返し行って、搬入予定の複数（４つ）のコイル状搬送物５９を全て搬入し終えたら、第１実施例と同様にして、スプレッダ７の昇降によって、支持枠体８内部に進入しているトラックＴのシャーシＲにコンテナ２を搭載させ、このコンテナ２を搭載したトラックＴをコイル状搬送物５９の輸送先である目的地に向かって発車させることとなる。
尚、以上はコンテナ２へコイル状搬送物５９を搬入して目的地へ向かって輸送する過程について詳述したが、目的地まで輸送されてきたコイル状搬送物５９をコンテナ２から搬出する搬出作業は、前記搬入作業と逆の手順を採用すれば対応することができる。
【００５８】
このような上記第２実施例では、コンテナ２へのコイル状搬送物５９の搬出入作業を大幅に効率化することができる。また、第１実施例で使用した重量搬送物４の搬出入に適したステージ５に敷板体５６を覆って設置すれば、コイル状搬送物５９を搬出入するのに適したステージ５２に直ちに変更することができ、様々な種類の搬送物に対応できる搬出入システムを構築できる。また、ステージ５２上でフォークリフト等の荷役装置を利用して小型貨物等の搬送物を効率よく搬出入することもできる。
【００５９】
尚、図２８に示すように、上記第１実施例に係る搬出入システム１と第２実施例に係る搬出入システム５１とを複数のシステムを組合せて使用することができる。ここで、搬出入システム１では重量搬送物４の搬出入作業が行われ、また、搬出入システム５１では、コイル状搬送物５９や小型貨物等の搬出入作業が行われる。また、スプレッダ７に、コイル状搬送物５９のクランプに適した搬送具７１が着脱自在に取付けられている。
このような構成によると、ＣＦＳで取扱う全ての荷物に対応し得る搬出入システムを構築することできる。さらに、人海戦術で行われていた作業の効率化に加え、一般貨物と一般貨物以外の貨物（重量物や長尺物等）を同じ場所（ＣＦＳ）で搬出入することができ、横待ち（特殊業者への転送）等の無駄な物流をなくすことができ、安価な物流費で対応することができる。
【００６０】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、多量にドライコンテナへの各種搬送物の搬出入作業を行う場合であっても、その搬出入作業の大幅な効率化を達成できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】第１実施例に係る搬出入システムを説明する斜視図である。
【図２】コンテナ移送装置を説明するための斜視図である。
【図３】同じく支持枠体内にコンテナを搭載したトラックが進入した状態を示す斜視図である。
【図４】ステージを説明するための平面図である。
【図５】パレットを説明するための斜視図である。
【図６】移動手段を説明するための平面図である。
【図７】浮上滑動装置を説明するための縦断面図である。
【図８】同じく斜視図である。
【図９】浮上滑動装置の作用を説明するための説明図であり、(ａ)はパレットが床面から浮上した状態を示し、（ｂ）はパレットが床面に載置された状態を示す。
【図１０】第１，第２プッシュ・プル装置を説明するための平面図である。
【図１１】第１実施例に係る搬出入作業を説明するための斜視図であり、(ａ)は開始前の状態を示し、(ｂ)は支持枠体内部にトラックが進入した状態を示し、(ｃ)はトラックからコンテナが取外された状態を示す。
【図１２】同じく斜視図であり、(ａ)はコンテナが床置きされた状態を示し、(ｂ)はコンテナ内に移動手段を搬入した状態を示し、(ｃ)はステージ上にパレットを載置した状態を示す。
【図１３】同じく斜視図であり、(ａ)はパレット上に搬送物を積載した状態を示し、(ｂ)はパレットが搬入される状態を示し、(ｃ)はトラックにコンテナを搭載した状態を示す。
【図１４】スプレッダの他の形態を説明するための斜視図である。
【図１５】コンテナ移送装置の他の機能を説明するための斜視図である。
【図１６】同じく他の機能を説明するための斜視図である。
【図１７】第１プッシュ・プル装置の他の例を説明するための平面図である。
【図１８】同じく側面図である。
【図１９】第２浮上滑動装置の他の例を説明するための平面図である。
【図２０】同じく正面図である。
【図２１】第２プッシュ・プル装置の他の例を説明するための側面図である。
【図２２】第２プッシュ・プル装置のさらに他の例を説明するための側面図である。
【図２３】第２実施例に係るステージを説明するための斜視図である。
【図２４】パレットを説明するための斜視図である。
【図２５】移動手段を説明するための斜視図である。
【図２６】移動手段の排気ノズルを説明するための説明図である。
【図２７】第２実施例の搬出入作業を説明するための斜視図である。
【図２８】複数のステージを並設した例を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
１，５１；搬出入システム、２；ドライコンテナ、２ａ；床面、３；コンテナ移送装置、４；搬送物、５，５２；ステージ、５ａ，５２ａ；床面、６，５４；移動手段、７；スプレッダ（係止手段）、８；支持枠体、９；レール、１０；スプレッダ本体、１１；伸縮部材、１２；係止具、１４；門形フレーム、１５；連結フレーム、１６；基礎フレーム、１７；脚部、２５；駆動モータ、２７；支持具、３３，５３；パレット、３４；連結手段、３６ａ；第１浮上滑動装置、３６ｂ；第２浮上滑動装置、３７ａ；第１プッシュ・プル装置（パレット外力付与手段）、３７ｂ；第２プッシュ・プル装置（変位手段）、３８；浮上体、３９；滑動体、４５；ローラ、４８；伸縮ブーム、５６；敷板体、５９；コイル状搬送物、６４；支持台、６８；膨張体、７１，７２；搬送具、８０；台車、８５；係止部、９０；コンベヤ、９１；駆動モータ、９３；流体シリンダ、９４；ピストンロッド、９５；歯車、９６；ラック、Ａ；搬出入位置、Ｎ；荷台、Ｒ；シャーシ、Ｓ，６０；下部開放空間、Ｔ；トラック。
Claims (35)
- 搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、
前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、
前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段を備え、
前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、
前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能であり、
前記コンテナ移送装置は、前記浮上滑動装置により床面から浮上される前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能としたことを特徴とするドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。 - 前記コンテナ移送装置は、前記搬送物を吊下げ可能な搬送具を備え、該搬送具に吊下げられる搬送物を、前記レール上の走行によってトラックの荷台に対して荷積みあるいは荷降し可能とした請求項１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記移動手段は、前記浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備える請求項１又は２記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記移動手段は、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で前記浮上手段を変位させ得る変位手段を備える請求項３記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記滑動体は、多数の並列配設されるローラを備える請求項１乃至４のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記浮上滑動装置は、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とからなる請求項１乃至５のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記変位手段は、前記浮上手段に係止可能な係止部を有する伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備える請求項４記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレット外力付与手段は、伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備え、該ブームの先端側は、前記パレットに係止可能な係止部を有する請求項３記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレット外力付与手段が前記変位手段を兼ねる請求項４記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記ステージは、前記浮上手段を覆い得る敷板体を備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さである請求項１乃至９のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 搬送物を積載可能なパレットと、該パレットを載置可能なステージと、トラックのシャーシに対してドライコンテナを脱着可能で、かつ、前記ステージに対する所定の位置へ前記ドライコンテナを移送可能であるコンテナ移送装置と、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナと前記ステージとの間で前記搬送物を移動させるための移動手段とを備え、
前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナは、該ドライコンテナの後端開口部が前記ステージの先端側に隣接すると共に、該ドライコンテナの床面と前記ステージの床面とが実質上同一高さであり、
前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る浮上手段と、前記浮上手段によって床面から浮上する前記パレットに対して外力を付与可能なパレット外力付与手段とを備え、
前記浮上手段は、圧縮空気の導入により膨張する膨張体と、該膨張体の膨張により上昇する滑動体とを備える浮上滑動装置であり、
前記浮上滑動装置は、前記ステージの床面に固定載置される第１浮上滑動装置と、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で変位される第２浮上滑動装置とからなることを特徴とするドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。 - 前記コンテナ移送装置は、地面に敷設されるレールを備え、前記レール上の走行によって前記ステージに対して近接・離反可能である請求項１１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記コンテナ移送装置は、前記搬送物を吊下げ可能な搬送具を備え、該搬送具に吊下げられる搬送物を、前記レール上の走行によってトラックの荷台に対して荷積みあるいは荷降し可能とした請求項１２記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記コンテナ移送装置は、前記パレットに係止可能な搬送具を備え、該搬送具に係止されるパレットを、前記レール上の走行によってドライコンテナに対して搬出入可能とした請求項１２記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記移動手段は、前記ステージ及び前記ドライコンテナの床面の間で前記浮上手段を変位させ得る変位手段を備える請求項１１乃至１４のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記滑動体は、多数の並列配設されるローラを備える請求項１１乃至１５のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記変位手段は、前記浮上手段に係止可能な係止部を有する伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備える請求項１５記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレット外力付与手段は、伸縮可能なブームと、該ブームを伸縮させる流体シリンダとを備え、該ブームの先端側は、前記パレットに係止可能な係止部を有する請求項１１乃至１７のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレット外力付与手段が前記変位手段を兼ねる請求項１５記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記ステージは、前記浮上手段を覆い得る敷板体を備え、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さである請求項１１乃至１９のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記コンテナ移送装置は、前記搬送物が収納される前記ドライコンテナに係止可能な係止具を有する係止手段と、該係止手段を昇降可能に支持する支持枠体とを備え、前記係止手段によって、前記ドライコンテナをトラックのシャーシに対して脱着可能とした請求項１１乃至２０のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記係止手段は、所定の大きさのドライコンテナの上面の４隅部と対向する位置に前記係止具を有するスプレッダである請求項２１記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記スプレッダは、スプレッダ本体と、該スプレッダ本体に対して水平方向に伸縮可能でかつ前記係止具を有する伸縮部材とを備える請求項２２記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記支持枠体は、一対の門型フレームと、該一対の門型フレームの脚部が立設される基礎フレームとを備える請求項２１乃至２３のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記支持枠体は、両側外方から前記係止手段を懸吊した状態で、該係止手段を昇降させ得る昇降懸吊手段を備える請求項２１乃至２４のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記支持枠体は、前記ドライコンテナを載置可能な支持具を備える請求項２１乃至２５のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記支持具は、所定の大きさのドライコンテナの下面の４隅部のうち少なくとも２隅部と対向する位置に設けられる請求項２６記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記支持具は高さ調整可能である請求項２６又は２７記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレットは、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致する請求項１乃至２８のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレットは、２以上の場合であって、パレット本体と、該パレット本体に設けられ、該パレット本体と他のパレットのパレット本体とを連結可能な連結手段とを備え、該パレット及び他のパレットと、更には必要に応じて組み合せて使用される他のパレットを組み合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致する請求項１乃至２８のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレットは、前記搬送物を移動させるための前記浮上手段を格納可能な下部開放空間を備える請求項２９又は３０記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記移動手段は、前記搬送物が積載される前記パレットを、前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面から浮上させ得る第２浮上手段を備え、該第２浮上手段は、前記パレットの下部開放空間に進入可能な支持台と、該支持台の下部に設けられ、導入される圧縮空気を前記ドライコンテナ又は前記ステージの床面に向って噴射可能な膨張体とを有する請求項１乃至３１のいずれか一項に記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記ステージは、前記搬送物を移動させるための前記浮上滑動装置を覆い得る敷板体を備え、該敷板体の上面が、前記膨張体が圧縮空気を噴射するステージの床面であり、前記所定の位置に位置決めされる前記ドライコンテナの床面が、前記敷板体の床面と実質上同一高さである請求項３２記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレットは、パレット本体と、該パレット本体の上部に設けられ、コイル状の搬送物の周面側を載置可能な一対のキャンパー部材とを備えると共に、１の場合にはこれ単独にて、２以上の場合にはこれを組合せると、前記ドライコンテナの平面形状の大きさと略一致する請求項３２又は３３記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
- 前記パレットは、前記パレット本体の下部に設けられ、前記第２浮上手段を格納可能な下部開放空間を備える請求項３４記載のドライコンテナへの搬送物の搬出入システム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001210913A JP4723126B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001210913A JP4723126B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003020125A JP2003020125A (ja) | 2003-01-21 |
| JP4723126B2 true JP4723126B2 (ja) | 2011-07-13 |
Family
ID=19046313
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001210913A Expired - Fee Related JP4723126B2 (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP4723126B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2867766B1 (fr) * | 2004-03-17 | 2007-05-18 | Scierie Piveteau | Installation pour le transfert de charge entre une plate-forme de transfert et un vehicule de transport |
| KR100949358B1 (ko) * | 2008-07-25 | 2010-03-26 | 형제산업(주) | 컨테이너 카용 에어롤 유니트 |
| JP2011168355A (ja) * | 2010-02-17 | 2011-09-01 | Sumitomo Metal Logistics Service Co Ltd | 重量物搬送システム及び重量物搬送方法 |
| JP5610228B2 (ja) * | 2011-05-25 | 2014-10-22 | 株式会社ダイフク | 物品搬送設備及び物品搬送方法 |
| JP2018034968A (ja) * | 2016-08-31 | 2018-03-08 | 株式会社ジャロック | ツインシャトルラックシステム |
| CN107188088B (zh) * | 2017-06-23 | 2022-11-11 | 苗林展 | 组合装卸装置以及集装箱内超重或超长物体的装卸方法 |
| JP7245769B2 (ja) * | 2019-01-29 | 2023-03-24 | 日本フルハーフ株式会社 | 荷物搬出入構造 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0672956U (ja) * | 1993-03-29 | 1994-10-11 | 日本軽金属株式会社 | リフトアップ式ローラコンベア |
-
2001
- 2001-07-11 JP JP2001210913A patent/JP4723126B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0672956U (ja) * | 1993-03-29 | 1994-10-11 | 日本軽金属株式会社 | リフトアップ式ローラコンベア |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003020125A (ja) | 2003-01-21 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6808356B2 (en) | Device for carrying article into and from container, method for introducing and discharging article into and from container, and pallet for carrying article | |
| US9950881B2 (en) | Robotic trailer loading device with telescoping robot | |
| US6071062A (en) | Apparatus for lifting, handling, and transporting a container | |
| US3883013A (en) | Apparatus of applying skids of grating structure and removing the same | |
| JPH11199058A (ja) | フォーク駆動式荷役装置及び荷役方法 | |
| JP4664747B2 (ja) | 搬送物搬送方法 | |
| JP4723126B2 (ja) | ドライコンテナへの搬送物の搬出入システム | |
| AU2008330293A1 (en) | Method and apparatus for stacking loads in vehicles | |
| KR20110041781A (ko) | 컨테이너 적재 장치 | |
| JP3877755B2 (ja) | 搬送物の搬送装置、これを用いた輸送容器からの搬送物の搬出方法、及び輸送容器への搬送物の搬入方法 | |
| JP2003020124A (ja) | 搬送物搬出入用のドライコンテナ移送装置及び搬出入構造体 | |
| JPH07215665A (ja) | パレタイザーおよび空パレット供給装置 | |
| JP4612221B2 (ja) | 搬送物の搬出入用パレット及びドライコンテナへの搬送物搬送方法 | |
| KR19980045030A (ko) | 화물 하역/선적방법 및 그 장치 | |
| JPH11106009A (ja) | コンテナ用立体自動倉庫 | |
| JP2002205826A (ja) | コンテナに対する積載物の搬入装置及び搬出装置並びに搬入方法及び搬出方法 | |
| US20230192425A1 (en) | Apparatus and method for unloading and loading a transport unit | |
| JP2006082837A (ja) | 長尺物用パレット及びそのパレットへの搬送物の積載方法並びにそのパレットを用いる輸送容器への搬送物の搬送方法 | |
| US20240132307A1 (en) | System and method for unloading a shipping container | |
| JP2000203720A (ja) | コンテナタ―ミナル | |
| JP3315601B2 (ja) | 運搬車両 | |
| JP2002362213A (ja) | 車両用荷役装置 | |
| JP3194707B2 (ja) | 資材ストック装置および資材搬送方法 | |
| JP2001341980A (ja) | トラック輸送が可能な門型リフター | |
| JPH08198457A (ja) | コンテナの貨物積み卸し装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080507 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101129 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110105 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110304 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110322 |
|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110407 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415 Year of fee payment: 3 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |