JP4716490B2 - ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造 - Google Patents

ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造 Download PDF

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Description

本発明は、キャップの天板部内面に付設される密封用ライナーの構造に関し、特に、上から下に順次にカール部と傾斜壁とネジ部が形成された缶の口頸部に対して、口頸部のネジに合わせてシェルのスカート部にネジを形成しながら装着する際に、シェルの天板部とスカート部の間の接続部分を絞り加工して段部に形成するようなネジ付き缶用キャップにおける密封ライナー構造に関する。
天板部の周縁から接続部分を介してスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される弾性変形可能な樹脂製の密封用ライナーとからなるキャップを、上から下に順次にカール部と傾斜壁とネジ部が形成された缶の口頸部に被せて、キャッピング装置(キャッパー)によるロールオン成形により、キャップの天板部を上方から押さえ付けて、口頸部のネジに合わせてシェルのスカート部にネジを形成しながら、キャップを口頸部に装着する際に、キャップのシェルの天板部とスカート部の間の接続部分を絞り加工して段部に形成することで、口頸部のカール部に外側から樹脂製のライナーを押し付けることにより、カール部とライナーとの密着を強化して缶の密封性をより確実なものにするということが従来から行なわれている。
そのようなネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造について、下記の特許文献1には、キャップの装着時にカール部を変形させることなく、カール部とライナーとによる密封性を充分に確保することができて、しかも、開封時や開封後の使用時におけるキャップの開閉を円滑に行えるようにするための構造が開示されており、また、下記の特許文献2には、キャップのシェルのスカート部の上端付近に円周方向に沿って複数個のベントホール部が形成されているキャップにおいて、ベントホール部からキャップ内にシャワー水を侵入させて容器のネジ部の洗浄する際に、カール部内に水が侵入するのを防止するための構造が開示されている。
すなわち、下記の特許文献1には、カール部とライナーとによる密封性を更に向上させるために、キャップを口頸部に装着した状態で、ライナーの外側環状リブを、カール部のカール中心よりも下方(カール部の最大外径部よりも下方)にまで密着させるという構造が開示されており、また、特許文献2には、ベントホール部から侵入した水がカール部内にまで侵入するのを防止するために、密封材(ライナー)の外周端部を、容器のカール部下端よりも下方(カール部の下方に形成される傾斜壁の部分)で容器外周面と接触させるという構造が開示されている。
特開2001−139053号公報 特開2004−284607号公報
ところで、キャップのシェルの天板部とスカート部の間の接続部分を段部に形成することで口頸部のカール部とキャップのライナーとの密着を強化しているようなネジ付き缶であっても、これを使用して缶詰製品を製造する場合に、内容物を熱間充填して密封したり、内容物を充填・密封した後でレトルト殺菌処理(例えば130℃×30分間)するような場合には、缶内圧の変化によりキャップの天板部が上下に変位して、カール部とライナーとの密着状態が変化することで、缶の密封性が低下してしまうことがある。また、製造された缶詰製品の保管、取扱い中において、誤ってキャップの側を下に缶詰を逆さまに落下させたような場合に、キャップが変形してライナーとカール部との密着面積が減少することで、缶の密封性が低下してしまうことがある。
なお、上記の特許文献1には、ライナーの外側環状リブを、カール部のカール中心よりも下方(カール部の最大外径部よりも下方)にまで密着させるという構造が開示され、また、特許文献2には、密封材(ライナー)の外周端部を、容器のカール部下端よりも下方(カール部の下方に形成される傾斜壁の部分)で容器外周面と接触させるという構造が開示されているものの、本発明者による検討の結果、そのような構造を採用したとしても、上記のような問題を確実に解消するには不充分な場合があることが判明した。
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造について、缶内圧の変化によりキャップの天板部が上下に変位したり、落下によりキャップが変形するようなことがあっても、口頸部のカール部とキャップのライナーとによる缶の密封性を充分に確保できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、上記のような課題を解決するために、天板部の周縁から接続部分を介してスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される弾性変形可能な樹脂製のライナーとからなるキャップを、上から下に順次にカール部と傾斜壁とネジ部が形成された缶の口頸部に対して、口頸部のネジに合わせてシェルのスカート部にネジを形成しながら装着する際に、シェルの天板部とスカート部の間の接続部分を絞り加工して段部に形成するようなネジ付き缶用キャップにおいて、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、外方に膨出する曲面を有するカール部の最大外径部よりも下方にまで密着し、カール部の下方の傾斜壁と密着し、且つ、天板部とスカート部の間の段部の肩部よりも下方にまでシェルと密着すると共に、キャップのシェルのスカート部の上端付近に、内方に凹んで上方の切り込み部で開口するベントホール部が、円周方向に沿って複数個所に形成されており、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、各ベントホール部の内方に凹んだ上端部と当接するように構成されていることを特徴とするものである。
上記のような本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造によれば、キャップを口頸部に装着した状態で、天板部とスカート部の間の段部の肩部よりも下方までライナーがシェルと密着していることにより、カール部の最大外径部よりも下方でカール部と密着するライナーの密着部分や、カール部の下方の傾斜壁と密着するライナーの密着部分で、ライナーを確実に固定保持することができて、その結果、缶内圧の変化によりキャップの天板部が上下に変位したり、落下等によりキャップが変形したりしても、口頸部のカール部とキャップのライナーとによる缶の密封性を充分に確保することができる。
また、キャップのシェルのスカート部の上端付近に、内方に凹んで上方の切り込み部で開口するベントホール部が、円周方向に沿って複数個所に形成されているのに対して、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーを、各ベントホール部の内方に凹んだ上端部に当接させることにより、缶内圧によりキャップの天板部が外方に膨らんだ際に、ベントホール部によりライナーを一層確実に固定保持することができ、また、ベントホール部からのガス漏れをライナーにより防止できて、密封性の低下を確実に防止できると共に、キャップが僅かに開栓方向に回動して口頸部との螺合が緩むのを、ライナーとベントホール部との接触摩擦により防止することができて、キャップの螺合の緩みによる密封性の低下を確実に防止することができる。
なお、キャップのシェルのスカート部の下端部分がピルファープルーフリングとなっているピルファープルーフキャップでは、未開封の状態で口頸部に装着されているキャップを、故意に開栓方向に僅かだけ回動させることで、ピルファープルーフリングの弱化部を破断することなく缶内のガスを漏らすような悪戯をされる虞があるのに対して、上記のようにキャップのライナーを口頸部のベントホール部に当接させることで、故意にキャップを僅かだけ回動させるのが困難になる(力が弱いとキャップは全く回動せず、力を入れるとピルファープルーフリングの弱化部が破断するまでキャップが回動してしまう)ことから、結果的には、そのような悪戯を防止することができて、ピルファープルーフ効果を高めることができる。
ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造について、缶内圧の変化によりキャップの天板部が上下に変位したり、落下によりキャップが変形するようなことがあっても、口頸部のカール部とキャップのライナーとによる缶の密封性を充分に確保できるようにするという目的を、最良の形態として以下の実施例に具体的に示すように、天板部の周縁から接続部分を介してスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される弾性変形可能な樹脂製のライナーとからなるキャップを、上から下に順次にカール部と傾斜壁とネジ部が形成された缶の口頸部に対して、口頸部のネジに合わせてシェルのスカート部にネジを形成しながら装着する際に、シェルの天板部とスカート部の間の接続部分を絞り加工して段部に形成するようなネジ付き缶用キャップにおいて、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、外方に膨出する曲面を有するカール部の最大外径部よりも下方にまで密着し、カール部の下方の傾斜壁と密着し、且つ、天板部とスカート部の間の段部の肩部よりも下方にまでシェルと密着すると共に、キャップのシェルのスカート部の上端付近に、内方に凹んで上方の切り込み部で開口するベントホール部が、円周方向に沿って複数個所に形成されており、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、各ベントホール部の内方に凹んだ上端部と当接するように構成するということで実現した。
本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造の実施例について以下に説明する。本実施例では、図1および図4に示すように、キャップ1は、略円板状の天板部11の周縁から曲面状の接続部分12を介して略円筒状のスカート部13を垂下させた金属薄板製のシェル(キャップの本体部分)10と、該シェル10の天板部11の内面に付設される樹脂製の密封用ライナー20とからなるピルファープルーフキャップであって、キャップ1が装着されるネジ付き缶2は、肩部4から上方に口頸部3が一体的に立設された金属薄板製のボトル型缶である。
缶2の口頸部3に装着される前の未使用のキャップ1では、シェル10のスカート部13の中央部分は、キャップ装着時にネジが形成される円筒部15となっており、缶2の口頸部3にキャップ1を装着する際には、この円筒部15に側方からロールを押し付けることにより、口頸部3のネジ33と合致するようにネジが形成される。また、スカート部13の円筒部15の下方には、複数のブリッジとスリットとによる弱化部16が形成されており、該弱化部16よりも下方がピルファープルーフリング17となっていて、缶2の口頸部3に装着したキャップ1を最初に開けて開封する際に、キャップ1を開栓方向に回転させると、弱化部16のブリッジが破断され、ピルファープルーフリング17はキャップ1のスカート部13から切り離されて缶2の口頸部3に残ることとなる。
なお、開封状態を明示することで不正使用等の悪戯を防止するためのピルファープルーフ(タンパーエビデンス)機能の具体的な構造については、上記のように複数のブリッジとスリットとによる弱化部16でのブリッジの破断によりピルファープルーフリング17が切り離されるようなものに限らず、例えば、弱化部16については、板厚を薄くしたスコア(刻線)であっても良いし、開栓するとリング部分が円周方向で間隔をおいて複数個所で縦方向に破断されるような構造であっても良い等、適宜の構造により実施可能なものである。
キャップ1が装着される缶2の口頸部3には、上から下に順次に、上端開口縁に沿ってリング状に形成される外巻きのカール部31と、該カール部31から下方且つ外方に延びる傾斜壁32と、該傾斜壁32から下方に延びるネジ部33と、該ネジ部33の下方に続くビード部34と、ビード部34の下方に設けられる小径筒部35とが一体的に形成されている。
ビード部34とその下方の小径筒部35については、缶2の口頸部3にキャップ1を被せて、キャッピング装置(キャッパー)によりキャップ1のスカート部13の円筒部15にネジ成形加工を施しながら口頸部3に装着する際に、小径筒部35にキャッパーのローラーが入り込み、キャップ1のピルファープルーフリング17の下端部分を変形させて、当該部分をビード部34と小径筒部35の間の段部に押し付けるように絞り込ませることで、ピルファープルーフリング17を口頸部3に係止固定するためのものである。
上記のようなキャップ1と缶2の口頸部3とによる本実施例において、図1に示すように、キャップ1のシェル10のスカート部13の上部に、ライナー20による密封が解除されたときに缶内のガス抜きを効果的に行なうためのベントホール部19が、キャップ1を回転させる際の滑り止めにもなるように、円周方向に沿って複数個所に形成されている。そして、キャップ1を口頸部3に装着した状態では、図3および図4に示すように、ライナー20の外側環状リブ24は、キャップ1のシェル10に対して、天板部11とスカート部13の間の段部18の肩部18bよりも下方にまで密着し、また、缶2の口頸部3に対して、外方に膨出する曲面を有するカール部31の最大外径部(カール中心Oの高さにおけるカール部21の外周面)よりも下方にまで密着し、カール部31の下方の傾斜壁32と密着していると共に、内方に凹んで上方の切り込み部で開口するベントホール部19に対して、その内方に凹んだ上端部19aと当接している。
また、キャップ1のシェル10の天板部11の内面(裏面)に付設される密封用の樹脂製ライナー20は、キャップ1の天板部11の内面に溶融状態で射出された合成樹脂材を型押しする周知の型押成形法により一体的に成形されるもので、弾性変形が可能なポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂のような従来周知の合成樹脂材からなるライナー20には、その中央部に円板状の薄肉な平坦部21が形成され、その周辺部に環状の平坦面23を挟んで同心的に配置された2個の環状リブ22,24が形成されている。なお、このライナー20については、中央部に円板状の平坦部21を有する全体が円板状のものに限らず、周辺部の2個の環状リブ22,24と環状の平坦面23とからなる全体が環状のものであっても良い。
そのような未使用のキャップ1を缶2の口頸部3に被せただけの状態では、図2に示すように、口頸部3の上端のカール部31に対して、上方から押し付けられることなく弾性変形していないライナー20の2個の環状リブ22,24は、内側環状リブ22の外側壁22aと外側環状リブ24の内側壁24aとが、環状平坦面23を頂部として縦断面で山型となるように、それぞれ対称的に傾斜したものとなっていて、カール部31のカール中心Oから見て、外側環状リブ24が半径方向外側に位置し、内側環状リブ22が半径方向内側に位置して、各環状リブ22,24と環状平坦面23によりカール部31が上方両側から包囲されるようになっている。
そのようにキャップ1を口頸部3に被せただけの状態から、口頸部3にキャップ1を装着する際には、周知のキャッピング装置(キャッパー)を使用して、上方から最大で1274〜1372N程の垂直荷重をキャップ1に加えて、キャップ1を上方から押さえ付けながら、天板部11の周辺部からスカート部13の上部(ローレット部14)までの間の曲面状の接続部分12を内方に向かって窄ませるように絞り加工し、また、口頸部3のネジ部33のネジに合わせてスカート部13の円筒部15にネジをロールで成形し、さらに、ピルファープルーフリング17の下端部を口頸部3の小径筒部35にロールで絞り込ませて、ピルファープルーフリング17を口頸部3に係止固定している。
ところで、上記のようにキャップ1が缶2の口頸部3に装着された状態において、図3および図4に示すように、シェル10の天板部11の内面に付設されているライナー20の内側環状リブ22と環状平坦面23はカール部31と密着している。また、シェル10の天板部11スカート部13の間の接続部分12は、絞り加工によって縮径部18aと肩部18bとからなる段部18に形成されている。そして、ライナー20の外側環状リブ24は、口頸部3に対して、外方に膨出する曲面を有するカール部31の最大外径部(カール中心Oの高さにおけるカール部31の外周面)よりも下方にまで密着し、また、カール部31の下方の傾斜壁32と密着していると共に、キャップ1のシェル10に対して、天板部11とスカート部13の間の段部18肩部18bよりも下方にまで密着している。
なお、キャップ1を口頸部3に装着した状態において、カール部31と密着する外側環状リブ24の密着部分の下端は、密封性と開栓性との兼ね合いから、カール部31の最大外径部から内方に、水平方向(口頸部半径方向)の距離Lで、0.1〜0.4mmの範囲内にあるのが好ましく、0.1mmよりも小さいと密封性が劣ることとなり、0.4mmよりも大きいと開栓性が劣ることとなる。
また、ライナー20の硬度については、ボトル型缶にキャップを装着する際の一般的な打栓圧や缶の挫屈強度からして、樹脂の硬度が硬すぎると、図2に示す状態から図3および図4に示す状態にライナー20を弾性変形させるのが難しくなり、一方、樹脂の硬度が軟らかすぎると、見た目だけは図3および図4に示す状態にライナー20を弾性変形させても、缶内圧の上昇時や落下時に密封性を維持するのが難しくなることから、D硬度(ASTM D2240)5〜15の範囲内の硬さとすることが好ましい。
上記のような本実施例のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造によれば、ライナー20の外側環状リブ24が、段部18肩部18bよりも下方にまでシェル10と密着していることで、カール部31の最大外径部よりも下方にまで密着する密着部分や、カール部31の下方の傾斜壁32と密着する密着部分で、ライナー20を強く固定保持させて密着状態を確実なものにすることができ、その結果、缶内圧の変化によりキャップ1の天板部11が上下に変位したり、落下等によりキャップ1が変形したりしても、キャップのライナー20と口頸部3のカール部31とによる缶の密封性を充分に確保することができる。
また、キャップ1が口頸部3に装着された状態で、ライナー20の外側環状リブ24とベントホール部19の上端部19aとが当接していることで、缶内圧によりキャップ1の天板部11が外方に膨らんだ際に、ベントホール部19の上端部19aによりライナー20の外側環状リブ24を一層確実に固定保持することができ、また、ベントホール部19からのガス漏れをライナー20の外側環状リブ24により防止できて、密封性の低下を確実に防止できると共に、キャップ1が僅かに開栓方向に回動して口頸部3との螺合が緩むのを、ライナー20の外側環状リブ24とベントホール部の上端部19aとの接触摩擦により防止することができて、キャップ1と口頸部3との螺合の緩みによる密封性の低下を確実に防止することができる。
さらに、スカート部13の下端部分がピルファープルーフリング17となっているキャップ(ピルファープルーフキャップ)1では、未開封の状態で口頸部3に装着されているキャップ1を、故意に開栓方向に僅かだけ回動させることで、ピルファープルーフリング17の弱化部16を破断することなく缶内のガスを漏らすような悪戯をされる虞があるのに対して、キャップ1のライナー20の外側環状リブ24を口頸部3のベントホール部19の上端部19aに当接させることで、両者の接触摩擦により、口頸部3に対して故意にキャップ1を開栓方向に僅かだけ回動させるのが困難になる(力が弱いとキャップ1は全く回動せず、力を入れるとピルファープルーフリング17の弱化部16が破断するまでキャップが回動してしまう)ことから、結果的には、そのような悪戯を防止することができて、ピルファープルーフ効果を高めることができる。
なお、本実施例では、缶2の口頸部3にキャップ1を被せただけの状態(口頸部3に装着する前の状態)において、内側環状リブ22の外側壁22aと外側環状リブ24の内側壁24aが、その間の環状平坦面23を頂部として縦断面で山型となるようにそれぞれ傾斜して、口頸部3のカール部31のカール中心Oから半径方向内側に内側環状リブ22が位置し、半径方向外側に外側環状リブ24が位置している。そして、そのような状態で、外側環状リブ24の内側壁24aのみをカール部31と接触させているが、場合によっては、内側環状リブ22の内側壁22aのみをカール部31と接触させるようにしても良いし、外側環状リブ24の内側壁24aと内側環状リブ22の内側壁22aとの両方をカール部31と接触させるようにしても良いものである。
以上、本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造の一実施例について説明したが、そのような本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造について、図3および図に示すような本実施例と、図5〜図7に示すような各比較例(図5=比較例1、図6=比較例2、図7=比較例3)とをそれぞれ試料として、缶内圧が変化した際の密封性の検査として瞬間耐圧試験を、また、缶容器を倒立落下させた際の密封性の検査として落錘試験をそれぞれ実施した。なお、各実施例と各比較例とは、図示したようにそれぞれのライナーの形状が異なるだけで、それぞれのライナーの樹脂の材質や硬度は全て同じである。
瞬間耐圧試験については、ボトル型缶の口頸部と同一形状に作成された口頸部マスター治具に対して、キャッパーによりキャップを装着した後、0.35kg/cm2/sの速度で9kg/cm2まで加圧してから、室温(RT)と60℃のそれぞれで、1日、6日、15日の各期間それぞれ保管した後で、漏洩の有無を調べて、漏れありを不良数とし、各試料でのサンプル個数中の不良数の割合を調査した。その結果は、以下の表1に示す通りである。
Figure 0004716490
上記の表1からみても、図3および図に示すような本発明の実施例は、図〜図に示すような各比較例(比較例1〜3)と比べて、缶内圧が変化した際の密封性に優れていることが判る。
落錘試験については、口頸部の外径が約28mmのボトル型アルミ缶(500ml入り)に液体窒素を滴下しながら[常温で缶内圧が約0.098Mpa(1kg/cm2)になるように調整]、90℃の熱水を詰めて、供試キャップにてキャッピング(キャッピング荷重883N、プレッシャーブロック絞り径×絞り深さ:φ26.35mm×2.2mm、柴崎製作所#501キャッパー使用)し、125℃及び/又は130℃で30分間レトルト殺菌してから冷却後、角度10°、20°の鉄面に10cm、20cm、30cmのそれぞれの高さから倒立落下させた後、漏洩の有無を調べて、漏れありを不良数とし、各試料でのサンプル個数中の不良数の割合を調査した。その結果は、以下の表2に示す通りである。
Figure 0004716490
上記の表2からみても、図3および図に示すような本発明の実施例は、図〜図に示すような各比較例(比較例1〜3)と比べて、缶容器を倒立落下させた際の密封性に優れていることが判る。
本発明のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造の一実施例について、ライナーが付設されたキャップ(装着前の未使用の状態)と、該キャップが装着されるネジ付き缶の口頸部とを示す部分断面側面図。 図1に示したキャップをネジ付き缶の口頸部に被せただけの状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を、ベントホール部の部分を通らない縦断面によって示す拡大断面図。 図1に示したキャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を、ベントホール部の部分を通らない縦断面によって示す拡大断面図。 図1に示したキャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を、ベントホール部の部分を通る縦断面によって示す拡大断面図。 本発明に対する比較例(比較例1)について、キャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を示す拡大断面図。 本発明に対する比較例(比較例2)について、キャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を示す拡大断面図。 本発明に対する比較例(比較例3)について、キャップをネジ付き缶の口頸部に装着した状態でのキャップのライナーと缶の口頸部との関係を示す拡大断面図。
1 キャップ
2 缶
3 口頸部
10 シェル
11 天板部
12 (天板部とスカート部の間の)接続部分
13 スカート部
16 弱化部
17 ピルファープルーフリング
18 (天板部とスカート部の間の)段部
18a (段部の)肩部
19 ベントホール部
19a (ベントホール部の)上端部
20 ライナー
22 (ライナーの)内側環状リブ
22a 内側環状リブの外側壁
23 (ライナーの)環状平坦面
24 (ライナーの)外側環状リブ
24a 外側環状リブの内側壁
31 カール部
32 傾斜壁
33 ネジ部

Claims (5)

  1. 天板部の周縁から接続部分を介してスカート部を垂下させた金属薄板製のシェルと、該シェルの天板部内面に付設される弾性変形可能な樹脂製のライナーとからなるキャップを、上から下に順次にカール部と傾斜壁とネジ部が形成された缶の口頸部に対して、口頸部のネジに合わせてシェルのスカート部にネジを形成しながら装着する際に、シェルの天板部とスカート部の間の接続部分を絞り加工して段部に形成するようなネジ付き缶用キャップにおいて、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、外方に膨出する曲面を有するカール部の最大外径部よりも下方にまで密着し、カール部の下方の傾斜壁と密着し、且つ、天板部とスカート部の間の段部の肩部よりも下方にまでシェルと密着すると共に、キャップのシェルのスカート部の上端付近に、内方に凹んで上方の切り込み部で開口するベントホール部が、円周方向に沿って複数個所に形成されており、キャップを口頸部に装着した状態で、樹脂製のライナーが、各ベントホール部の内方に凹んだ上端部と当接するように構成されていることを特徴とするネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  2. 樹脂製のライナーが、環状の平坦面を挟んで同心的に配置された2個の環状リブを有するものであり、キャップを口頸部に被せて、キャップを口頸部に装着する前の状態で、内側環状リブの外側壁と外側環状リブの内側壁が、その間の環状平坦面を頂部として縦断面で山型となるようにそれぞれ傾斜して、口頸部のカール部のカール中心から半径方向内側に内側環状リブが位置し、半径方向外側に外側環状リブが位置していることを特徴とする請求項1に記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  3. キャップを口頸部に装着した状態で、カール部の最大外径部に対して、その下方でカール部と密着するライナーの密着部分の下端が、水平方向の距離で0.1〜0.4mmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  4. 樹脂製のライナーの硬度が、D硬度(ASTM D2240)5〜15の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
  5. キャップがピルファープルーフキャップであって、キャップのシェルのスカート部の下端部分が、破断可能な弱化部を有するピルファープルーフリングとなっていることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造。
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