JP3872546B2 - ワンピース型プラスチックキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワンピース型プラスチックキャップに関するもので、より詳細には、シールブレークに先立ってブリッジブレークが確実に行われ、これにより内容物が密封されていたことの保証が行われるワンピース型プラスチックキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
天面及び天面の周縁から垂下するスカートをプラスチックで一体に成形して成り、該スカートの内周面に容器への締結機構を設けたプラスチックキャップは、ライナーやパッキングを用いることなしに、容器口との間の密封を行えることから、種々のびん詰め製品に対するキャップとして広く使用されている。
【0003】
ワンピース型プラスチックキャップの密封構造についても種々の提案が既になされており、例えば、特公平6−33098号公報には、天面及び天面の周縁から垂下するスカートをプラスチックで一体に成形して成り、該スカートの内周面に容器への締結機構を設けたプラスチックキャップにおいて、該天面とスカートとの内側コーナ部乃至その近傍に、容器口の上縁乃至外周縁と実質上ぴったり係合する受け座と、該受け座から溝を介して位置し且つ該受け座の面よりも微小間隔だけ突出した少なくとも1個のシール用突起部とを設け、該シール用突起部の圧縮変形に伴う圧力で密封が行われることを特徴とするプラスチックキャップが記載されている。
【0004】
また、容器口部の密封にインナーリングを用いることも既に知られており、例えば、特公平5−47464号公報には、ワンピース構造ではないが、蓋本体、及び蓋本体の天板の内側に形成された、容器口部の内面をシールするための、開口部の方に向かって、即ち下方に向かって全体的に円錐台形状に拡開した環状突起部を備えるライナーよりなる容器蓋であって、前記環状突起部は、基部が半径方向外方に断面直線的に斜め下方に延び、先端部が半径方向内側に向かって斜め下方に延びる外側面、及び全体として半径方向外方に断面直線的に斜め下方に延びる内側面を有しており、内側面は基部の外側面よりも軸方向に対して大きな角度を形成して、半径方向外方に斜め下方に延びていることを特徴とする容器蓋が記載されている。
【0005】
更に、ピルファープルーフ型(タンパーエビデント型)プラスチックキャップにおいて、ブリッジが切れた後、密封が解除されるようにするような提案も既にあり、例えば、実開平6−69152号公報には、蓋天板及びこの蓋天板の周縁から垂下する周壁から構成され、該周壁の内周面に、容器口部の外周面に形成された容器ねじ部と螺合するキャップねじ部を有する蓋本体と、容器口部に対して前記蓋本体と一体的に装着され、複数のブリッジを備えたピルファープルーフバンドと、閉栓時に、前記容器口部を密封するよう前記周壁の内周面に設けられた密封用パッキングとからなり、開栓時に、前記キャップねじ部が容器ねじ部に沿って移動しても、前記密封用パッキングが前記周壁の内周面に沿ってスライドするが、少なくとも前記ブリッジが切れると同時に該パッキングによる密封を解除するように、前記密封用パッキングを前記容器口部を上方に持ち上げうるパッキング案内部を有することを特徴とする合成樹脂製ピルファープルーフキャップが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述した第1の従来技術のプラスチックキャップは、シール部の微少な押圧変形に伴う圧力で高い持続密封圧が得られ、また、開封時には迅速にガス抜きが行われて、開封時における内容物の吹出しやキャップの飛出しの問題が解消されるという利点はあるが、タンパーエビデント型プラスチックキャップのこれを適用しようとすると、ブリッジの切断に先立って、わずかな開栓角度の旋回で、密封解除が行われるため、容器の開封が行われていないという保証機能が失われることになる。
【0007】
一方、第2の従来技術では、蓋本体とは別個にライナーを設けるものであるが、この場合には、インシェルモールド等の手段で蓋とは別のライナーを形成する工程が必要となり、工程数が多く、また、キャップのコストが高くなるという欠点がある。加えて、本発明らの研究によると、ライナー材のような柔軟な材料を用いた場合には、容器口部とインナーリングとの間でキャップの広い回転角度に亘って確実な密封状態を形成させることが困難であることが分かった。
【0008】
また、第3の従来技術も、蓋本体とは別個にパッキングを必要とするものであって、やはりキャップのコスト低減という目的にはそぐわないものであり、また、パッキングの移動によりシールブレークを遅らせるという着想には目を見張るべきものがあるが、原理上自生圧力を有する内容物には適用できないという問題がある。
【0009】
従って、本発明の目的は、従来技術における上記の問題点を解消し、容器に対する確実な密封が可能であると共に、シールブレークに先立ってブリッジブレークが確実に行われ、これにより内容物が密封されていたことの保証が行われるワンピース型プラスチックキャップを提供するにある。
【0010】
本発明の他の目的は、製造が容易であり、しかもインナーリングとビン口部との加圧密封状態が、開栓時において、キャップの軸方向の変位がかなり大きくなる場合にも尚維持されるワンピース型プラスチックキャップを提供するにある。本発明の更に他の目的は、上記の性能に加えて、持続性に優れた密封性能、特に耐圧密封性及び減圧密封性を有するワンピース型プラスチックキャップを提供するにある。
本発明の別の目的は、シールブレーク角度を大きくすることが可能となるワンピース型のタンパーエビデント性プラスチックキャップを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、天面部と、ビン首部に係合するねじを内面に備えたスカート部と、天面部の内側に形成されたビン口と係合するインナーリングとを備え且つ前記スカート部の下端には、破断可能なブリッジを介して、開栓に際してビン首部に係止される周状バンドが連結されているワンピース型プラスチックキャップにおいて、前記インナーリングはビン口内面との面シールを可能にするに十分な天面に垂直な軸方向寸法を有し、前記インナーリングの外周面は付け根或いは付け根の立ち上がり部から径外方向及び軸方向に延びているテーパー角度10゜乃至60゜のテーパー面となっており、前記インナーリングの先端部はビン口の内径よりも小さい最先端を有すると共に、最先端に向けて外径が次第に減少するビン口とのガイド面を有し、且つインナーリングの付け根は、ビン口内径よりも大きくないという条件下に、ビン口内径とほぼ等しい外径を有し、前記インナーリングは、付け根から先端に向けて、その水平断面における厚みが次第に減少するように設けられ、前記インナーリングがキャップ締まり角度に相当する軸方向変位の0.3乃至1.0倍の軸方向寸法を有し、さらに前記インナーリングがガイド面以外の部分で0.5乃至2.0mmの厚みを有しており、前記キャップは弾性率が1.0×10 乃至2.0×10 kg/cm の範囲の樹脂から成ることを特徴とするプラスチックキャップが提供される。
【0012】
本発明のワンピース型プラスチックキャップは、基本的には、天面部と、ビン首部に係合するねじを内面に備えたスカート部と、天面部の内側に形成されたビン口と係合するインナーリングとを備え、しかも前記スカート部の下端には、破断可能なブリッジを介して、開栓に際してビン首部に係止される周状バンドが連結されている。
【0013】
このタイプのワンピース型プラスチックキャップでは、周状バンドがスカート部から切り離されていないということを明示することにより、内容物が密封状態に維持されているという保証を与えるものである。
【0014】
本発明では、このインナーリングをビン口内面との面シールを可能にするに十分な軸方向(本明細書においては天面に垂直な方向を軸方向と呼ぶ)寸法を有するようにしたこと、また、インナーリングの外周面を、その付け根或いは付け根の立ち上がり部から径外方向及び軸方向に延びているテーパー角度10゜乃至60゜のテーパー面となるようにしたこと、インナーリングの先端部を、ビン口の内径よりも小さい最先端を有すると共に、最先端に向けて外径が次第に減少するビン口のガイド面を有するようにしたこと、インナーリングの付け根を、ビン口内径よりも大きくないという条件下に、ビン口内径とほぼ等しい外径を有するようにしたこと、キャップを弾性率が1.0×104 乃至2.0×104 kg/cm2 の範囲の樹脂から形成したことに顕著な特徴を有するものである。
【0015】
先ず、従来のワンピース型プラスチックキャップでは、インナーリングとビン口部との接触がワンポイント接触であるが、本発明では、インナーリングをビン口内面と面接触可能としていることが重要である。即ち、ビンの口部の中でも、口部内面は最も損傷を受けにくい部分であり、最も平滑な状態に維持されている。かくして、インナーリングの外周面と口部内面との間に加圧面接触を可能にすれば、開栓時にキャップが軸方向に変位した場合にも、密封状態が維持されることが期待される。
【0016】
本発明では、この加圧状態での面接触を可能にするために、インナーリングの付け根を、ビン口内径よりも大きくないという条件下に、ビン口内径とほぼ等しい外径を有するようにすると共に、インナーリングの外周面を付け根から径外方向及び軸方向に延びているテーパー面とし、しかもこのテーパ面のテーパー角度(2θ)も一定の範囲、即ち10゜乃至60゜の角度とした。これにより、インナーリングの外周面には加圧力が発生し、密封状態が維持される。
【0017】
本発明者らは、添付図面図2及び図5に示すポリプロピレン製キャップ(詳細は後述する試験例参照)について、有限要素法による数値解析を行い、キャップとビンとの距離(天面に垂直な軸方向距離)とキャップの各部における接触荷重との関係を調べた。図1はその結果である。
【0018】
図1には、移動距離(mm)を横軸及び接触荷重(kgf)を縦軸として、結果がプロットされており、ここで接触荷重は、天面に平行な径方向(X)は外方側を正として、天面に垂直な軸方向(Y)は天面側を正として示している。尚、曲線1はインナーリングのX方向接触荷重、曲線2はインナーリングのY方向接触荷重、曲線3はビン口頂部受け座のX方向接触荷重、曲線4はビン口頂部受け座のY方向接触荷重、曲線5はシール用突起部のX方向接触荷重、曲線6はシール用突起部のY方向接触荷重、曲線7はビン口外周部受け座のX方向接触荷重、曲線8はビン口外周部受け座のX方向接触荷重をそれぞれ示している。また、解析は、Y軸方向の変位が3.56mmの範囲、終了時の垂直荷重が80kgfの範囲で行っている。
【0019】
図1の結果によると、インナーリングの外周面には広いY軸方向の移動距離(約1乃至3mm)にわたって、径内方向向きの約10kgfの接触荷重が発生しており、加圧面接触が可能となるという驚くべき事実が明らかとなる。更に、この例では、最終的には、ビン口部がビン口頂部受け座及びビン口外周部受け座、並びにこれらの受け座間のシール用突起部に接触して、ビン口部とシール用突起部との間で耐圧力の大きな密封が行われることも了解される。
【0020】
図1の解析では、各部分の歪みの範囲は、それほど大きくなく、弾性変形の範囲(線形範囲)、具体的には10%以内に設定されており、閉栓時、密封時及び開栓時の何れの段階においても、上記の変位と接触荷重との関係が維持されるものである。
【0021】
本発明において、インナーリングとビン口内面との間で面シールを可能にするためには、キャップの構成プラスチックが比較的高弾性率を有する必要があり、一般に1×104 乃至2×104 kg/cm2 、特に1.2×104 乃至1.6×104 kg/cm2 の弾性率を有するべきである。弾性率が上記範囲よりも低い場合、インナーリングが塑性変形を生じやすく、有効な接触荷重を発生させることが困難となる傾向があり、一方上記範囲よりも高いと、ビン口内へのインナーリングの円滑な挿入が困難となったり、シール部の破損を生じる傾向がある。
【0022】
また、本発明では、インナーリングの先端部を、ビン口の内径よりも小さい最先端を有すると共に、最先端に向けて外径が次第に減少するビン口のガイド面を有するように構成したので、閉栓に際してインナーリングのビン口内への挿入や開栓に際してのインナーリングのビン口外への抜き出しが円滑に行われることになる。
【0023】
タンパーエビデント型プラスチックキャップの開栓に際しては、キャップの開栓角度に応じてブリッジブレークとシールブレーク(リーク)とが生じる。今、開栓開始位置を基準として、ブリッジブレークが生じる角度をB及びシールブレーク角度をLとする。ブリッジブレークは、ブリッジを構成する樹脂が或る限界(破断伸び)まで引き延ばされてから破断するので、角度Bをブリッジの伸びに相当する角度よりも小さくすることは困難である。一方、ライナーやパッキング付きのキャップとは異なり、ワンピース型のキャップでは、ビン口部と比較的剛性のある天面のシール部とが係合しているため、角度Lを十分に大きくとることが困難であり、このため、B−Lの値は、通常正の値となり、ブリッジブレークに先立ってシールブレークが生じるようになる。これに対して、本発明によれば、インナーリングとビン口内面との間に面シールを可能にしたので、角度Lを十分に大きくとることが可能となり、B−Lの値をマイナスの値に保つことが可能となる。後述する試験例を参照されたい。本発明のキャップでは、実際、B−Lの値がマイナスの値となり、シールブレークに先立ってブリッジブレークが確実に行われ、これにより内容物が密封されていたことの保証が行われる
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明において、インナーリングは、付け根から先端に向けて、その水平断面における厚みが実質上等しいか或いはこの厚みが次第に減少するように設けられているのが好ましく、一般に、ガイド面以外の部分で0.5乃至2.0mm、特に0.8乃至1.5mmの厚みを有するのが、面シールを円滑に行う見地から好ましい。
【0025】
また、インナーリングはビン口内面との面シールを可能にするだけの軸方向寸法を有するが、具体的には、キャップの締まり角度、即ち開栓開始位置からキャップとビン口とのネジの係合が外れる位置までの角度に対応する軸方向変位の0.3乃至1.3倍、特に0.5乃至1.0倍の軸方向寸法を有することが好ましい。即ち、この軸方向寸法が余りにも大きくなると、閉栓時の挿入や開栓時の抜き出しが困難となり、一方余りにも小さいと有効な面シールを行うことが困難となる。
【0026】
更に、インナーリングのガイド面は、インナーリングの内面に対して10゜乃至60゜、特に20゜乃至50゜のテーパー角度(2θ)を有していることが、インナーリングのビン口内面への挿入を容易にする上で好適である。
【0027】
本発明のキャップでは、天面部の内面には、インナーリングの外方に、ビン口の頂部乃至外周部と係合する密封用の小突起が形成されていることが耐圧密封性及び持続密封性の点で好ましい。即ち、本発明のキャップでは、インナーリングとビン口内面との間で加圧面シールが可能となっていることは、既に指摘したとおりであるが、インナーリングの外方の天面部内面に密封用の小突起を形成させ、閉栓時に、ビン口の頂部乃至外周部をこれに係合させると、インナーリングとビン口内面との接触荷重に比して大きな接触荷重が確保され、耐圧密封性及び減圧密封性等の持続密封性を一層向上させることができる(図1の曲線5及び6参照)。
【0028】
スカート部外面にキャップ把持用のローレット溝を設けておくと、開栓トルクが大きい場合にも、開栓操作を容易に行うことができる。
【0029】
本発明のキャップでは、周状バンドとスカート部下端とを周状切断面で分離し、且つブリッジを周状切断面よりも内側に位置せしめて、スカート部下端と周状バンドとを連結するようにするのが、ブリッジブレークの角度Bを小さくするために好ましい。即ち、周状バンドとスカート部下端とを周状切断面で分離することにより、ブリッジのフリーな部分の長さを最も短くし、開栓時のブリッジの伸びを短く抑制することができる。また、ブリッジを周状切断面よりも内側に位置せしめることにより、ブリッジの水平断面積を小さくして、スカート部下端と周状バンドとを連結することが可能となり、ブリッジのブレークが小さい荷重で可能となるようにしている。
この態様において、周状切断面は少なくとも1個の連結部を介して設けられ、連結部の近傍の周状バンド部には2本の軸方向に延びるスリットと該2本のスリットを横切る1本の周方向に延びるスリットとが設けられている。
【0030】
周状バンドは、径内方向且つ斜め方向に延びる可撓性フィンやラチェットを多数周状に配置し、或いは更にフィンの下方に小間隔だけ離間して設けた補助ビードとを備えていることが、開栓に際して、周状バンドの連れ回りを防止して、ブリッジの破断を確実に行うために、好適である。
【0031】
ラチェットのように剛性のある連れ回り防止機構を設ける場合、スカート部の下端には、周状切断面の内側に位置し且つ周状切断面よりも周状バンド側に小間隔だけ延びているストッパーを形成し、閉栓に際しては、このストッパーとブリッジとが係合してキャップの旋回が行われるようにするのが、閉栓時におけるブリッジの保護のために好ましい。即ち、ストッパーとブリッジとは、長さ方向(軸方向)の広い面積にわたって接触しながら、閉栓操作が行われるので、ブリッジの軸方向の破断応力が比較的小さい場合にも、ブリッジの保護が行われ、ブリッジの破断が抑制されることになる。
【0032】
本発明の特に好適なキャップでは、天面部のインナーリングの外方には、ビン口部の頂部及び外周部と実質上ぴったり係合する受け座と、該受け座から溝を介して位置し且つ該受け座の面よりも微小間隔だけ突出した少なくとも1個のシール用突起部とを設ける。このキャップでは、閉栓操作の終期に近い段階で、ビン口コーナ部とシール用突起部とが先ず係合し、この突起部が押圧される。突起部の両側に位置する溝は突起部の圧縮変形を許容し、突起部の内、受け座を含む面から内方に突出した部分の体積が溝に押し出された状態(この状態では受け座とビン口頂部とが、また受け座とビン口外周とが実質上ぴったり係合している)で、密封が完了する。更に、突起部は、受け座が過度の変形を抑制するため、常に微小間隔だけしか圧縮変形しない。そのため、塑性変形しにくく、経時変化に伴う密封圧の低下が著しく小さく、密封時は勿論のこと、リシール時にも高い密封圧が保証される。かくして、このキャップでは、持続性に優れた密封性能、特に耐圧密封性及び減圧密封性が得られる。
【0033】
この態様のキャップにおいて、シール用突起部がほぼ台形状の断面形状を有し且つ溝がほぼ倒立台形状の断面形状を有することが、突起部の圧縮変形を円滑に行わせるために好適である。また、同様な見地から、上記台形状突起部乃至溝のテーパー角度が80゜乃至100°の範囲にあることが好ましい。
【0034】
また、シール用突起部の上面が容器口部のシールすべき面と補完関係にある表面を有することが、面でのシールを可能にするために好適である。
【0035】
シール用突起部が受け座の面よりも3乃至1000μm内方に突出していること、シール用突起部の先端の巾寸法が5乃至500μmの範囲にあることが、シール用突起部の塑性変形を防止しながら、確実な耐圧密封及び減圧密封を可能にするために好ましい。
【0036】
本発明のこの態様のキャップでは、ビン口部の外周部と係合する受け座が、天面部に軸方向且つ径内方向に突出して設けられたアウターリングの内周面で形成されているのがよく、この場合には、ビン口部の外径寸法に誤差があっても、アウターリングが径外方向に広がり、ビン口部の位置決めを確実に且つ円滑にできるという利点をもたらす。
【0037】
本発明のワンピース型プラスチックキャップは、前述した範囲の弾性率を有するものであればよく、種々のプラスチックを使用でき、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン1共重合体等のオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂;耐衝撃性スチレン樹脂;アクリル樹脂;ナイロン系樹脂などの任意の樹脂から形成されるが、密封性能及び成形性の点では高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂からなることが好ましい。
【0038】
キャップの成形は、キャップ形状に対応する形状の金型を使用し、上記樹脂の射出成形により或いは圧縮成形により容易に行うことができる。
【0039】
【実施例】
本発明を次の実施例により、具体的に説明する。
図2は本発明の一実施例のプラスチックキャップの一部断面側面図であり、図3は図2のプラスチックキャップの要部の拡大断面図であり、図4は図2のプラスチックキャップをビンに閉栓した状態を示す一部断面側面図であり、図5は試験例に用いた図2のキャップの寸法を示す説明図であり、図6は図2の実施例のキャップの一変形を示す一部断面側面図であり、図7は図2の実施例のキャップの他の変形を示す一部断面側面図であり、図8は他の実施例のプラスチックキャップの一部断面側面図であり、図9は更に他の実施例のプラスチックキャップを示す一部断面側面図であり、図10は図9のキャップをビンに閉栓した状態を示す一部断面側面図である。
【0040】
実施例1
図2において、このプラスチックキャップ1は、容器口部の形状にあわせてほぼ円筒形状をしており、天面部2と天面の周縁部から垂下したスカート部3とから一体に形成されている。天面部2の内面4にはインナーリング5及び密封乃至密封補助機構6が形成されている。スカート部3の内面にはビン首部のネジと係合するネジ7が形成されており、スカート部3の外面にはキャップの把持を容易にするためのローレット溝8が形成されている。スカート部3の下端9には、破断可能なブリッジ10を介して、開栓明示用の周状バンド11が連結されている。周状バンド11には、径内方向且つ斜め方向に延びる可撓性フィン12を多数周状に配置して設けており、これにより、開栓に際して、周状バンドの連れ回りを防止して、ブリッジの破断を確実に行うようになっている。
【0041】
図2のキャップの要部を示す図3において、インナーリング5の外周面は、付け根部20、ほぼ垂直な立ち上がり部21、シール面となるべきテーパー面22、最大外径部26、ガイド面23及び最先端24からなっており、最先端24より内方にはテーパ状の内周面25が形成されている。
【0042】
シール面となるべきテーパー面22は、天面に垂直な方向(図において下方向))に且つ径外方向(図において右方向)に傾斜して延びており、ビン口内面との面シールを可能にするに十分な寸法を有している。このテーパー面22のテーパー角度(2θ)は、一般に10゜乃至60゜、特に20゜乃至50゜の範囲となっている。
【0043】
インナーリングの付け根20を、ビン口内径(DI )よりも大きくないという条件下に、ビン口内径(DI )とほぼ等しい外径を有するようにすると共に、この具体例では、ビン口内面への挿入及び抜き出しを容易にするように、ほぼ垂直の立ち上がり部21を形成している。
【0044】
また、インナーリング5の先端に、ビン口の内径(DI )よりも小さい最先端24を形成すると共に、テーパー状外周面22の最大外径部26から最先端24に向けて外径が次第に減少するビン口のガイド面23を形成して、ビン口内面へのインナーリング5の挿入を容易にしている。
【0045】
この具体例において、インナーリング5の内周面24のテーパー角度(2α)はテーパー状外周面22のテーパー角度(2θ)と同一であり、従って、立ち上がり部21におけるインナーリングの厚みは先端に向けて厚みが減少しているが、テーパ状外周面22におけるインナーリングの厚み(t)は先端に向けて一定であり、インナーリングのテーパー状外周面22の変形を可能にすると共に、テーパー状外周面22における接触荷重が一定になるようにしている。勿論、インナーリング5の内周面24のテーパー角度(2α)をテーパー状外周面22のテーパー角度(2θ)よりもやや大きくして、テーパ状外周面22におけるインナーリングの厚み(t)を先端に向けてやや減少するようにすることもある。
【0046】
図3において、天面部2のインナーリング5の外方には持続密封機構6が形成されており、この密封機構6は、ビン口部の頂部と実質上ぴったり係合する受け座30と、ビン口部の外周部と実質上ぴったり係合する受け座31と、該受け座30、31から溝32、33を介して位置し且つ該受け座を通るビンの面よりも微小間隔だけ突出した少なくとも1個のシール用突起部34とからなっている。
【0047】
この具体例において、シール用突起部34がほぼ台形状を有し且つ溝32、33もほぼ倒立台形状の断面形状を有することが了解されよう。また、この態様のキャップでは、ビン口部の外周部と係合する受け座31が、天面部の外周から天面の垂直方向且つ径内方向にテーパー状に突出して設けられたアウターリング35の内周面で形成されていることも了解されよう。
【0048】
再び、図2に戻って、この実施例のキャップでは、周状バンド11とスカート部下端9とを周状切断面13で分離し、且つブリッジ10を周状切断面13よりも内側に位置せしめて、連結部とブリッジ10でスカート部下端9と周状バンド11とを連結し、ブリッジブレークの角度Bを小さくするようにしている。
【0049】
図2の具体例では、周状切断面13は、連結部14(スカート部下端9と周状バンド11との接続部)を残して形成されており、周状バンド11には、周状切断面13の端部乃至その近傍から途中まで軸方向下方に延びる第1の小間隔の軸方向スリット乃至弱化線15、周状切断面から小間隔をおいて平行に延び且つ軸方向スリット15と交差する小間隔の周方向スリット乃至弱化線16、周方向スリット乃至弱化線16から周状バンドの途中まで軸方向下方に延び且つ第1のの軸方向スリットとは周方向に間隔おいて設けられている第2の小間隔の軸方向スリット乃至弱化線17、及び第2の軸方向スリット乃至弱化線17の下方に形成された小間隔の連結部18がそれぞれ形成されている。これらの各機構により、キャップを取り外すとき、後述するように、周状バンド11も同時に取り外すことが可能となっている。
【0050】
図2のキャップをビン口に閉栓した状態を示す図4において、ビン口40は、内周面41と、頂部42と、外周面43とを備えており、外周面の下方には、キャップ締結用のネジ44、周状バンド固定用のあご45及びサポートリング46がそれぞれ設けられている。
【0051】
閉栓に際して、ビン口のネジ44と、キャップのネジ7とが係合し、キャップ1の旋回による閉栓工程が進行する。
【0052】
閉栓の進行に伴い、ビン口の頂部42がキャップインナーリング5のガイド面23(図3)と係合し、キャップインナーリング5が、そのガイド面23に続いて外周面22がビン口内面41に沿って案内され、ビン口内に導入される。
【0053】
閉栓工程の終期において、ビン口40のコーナー部は、シール用突起部34(図3)と係合して、耐圧密封性及び減圧密封性等の持続密封性に優れた密封を形成させることができる。この際、キャップの頂部受け座30と外周部受け座31は、ビン口40を保持して、適切な密封圧が得れるように作用する。勿論、キャップインナーリング5の外周面22とビン口内面41との間にも適切な面シールが行われる。また、キャップのフィン12は、ビン口1のあご45の下に食い込んでビン口と係合している。
【0054】
開栓に際して、キャップ1を閉栓方向と逆方向に旋回させる。周状バンド11は、フィン12と補助ビードにより、ビン首部に旋回不能に固定されているので、キャップの旋回による剪断力はブリッジ10に作用し、ブリッジブレーク角度Bに達すると、ブリッジ10の剪断が先ず生じる。このブリッジ10の剪断後も、キャップインナーリング5の外周面22とビン口内面41との間の面シールが維持されるが、リーク角度Lに達すると、リークが生じる。尚、ビンコーナー部とシール用突起部34とのシールは、ブリッジブレーク角度B内で解除される。更にキャップ1の旋回を進めることにより、キャップ1のネジ7とビン口40のネジ44との係合状態が解除され、キャップはビン口から離脱可能となる。
【0055】
図2の実施例のキャップの場合、スカート部の下端9と周状バンド11との接続部14は開栓時には切断不能であるが、スリット乃至弱化線15、16及び17の間隔が広がるので、周状バンド11がビンのあご部に係止された状態で、スカート部3の上方への持ち上げが可能となるが、変位が一定以上になると、接続部18が破断し、スカート部3と共に周状バンド11がビン40から取り外されることになる。
【0056】
[試験例]
以下のキャップ及びボトルを試料として用いて、開栓性試験等を行った。
【0057】
(1)キャップ:
図2及び図3に示す構造及び形状を有し、且つ図5に示す寸法を有するキャップを用いた。
θ=14゜
α=14゜
キャップ外径 29.9mm
インナーリング5の付け根部20の径 20.2mm
インナーリング5の最大外径部26の径 21.05mm
インナーリング5の高さ方向寸法 4mm
ガイド面の高さ 1mm
ネジピッチ 3.175mm/360度
ブリッジの個数 22個
シール用突起部の突出寸法 0.15mm
キャップの成形は、レジンとして白色ポリプロピレン組成物(弾性係数1.6×104 kg/mm2 )を使用し、目付量=3.08 gで成形した。
【0058】
(2)ボトル
内容積1.5 Lのポリエチレンテレフタレート製のボトルであって、口部が熱結晶化され、ボトルの口部内径が20.6mm(±0.25mm)のものを使用した。
【0059】
1) ホットパック充填試験
以下のとおりにしてホットパック充填ボトルを用意した。
(1)87℃の温水を、ヘッドスペース4mlが残るようにボトルに充填し、キャッピングした。
(2)キャッピングは、アルコア201−1SAキャッパーを用いて、以下の条件により行った。
ヘッドプレッシャー=15Kgf
スタティクトルク =15Kgf・cm
ヘッド回転数 =230rpm
(3)キャッピング直後、30秒横倒し(60℃−15分)の後、(30℃−15分)シャワー冷却した。
上記のホットパック充填ボトルを以下の試験項目で評価した。
【0060】
(1)開栓性試験(開栓トルク、ブリッジブレーク&リーク角度)(n=5)
ホットパック充填後、ボトルを、5℃、室温、40℃の温度区で正立にて保管し、1日後、1週間後、2週間後その温度区から取り出し、室温にて20秒以内に開栓トルク、締まり角度、ブリッジブレーク&リーク角度を測定した。
【0061】
締まり角度は、開栓開始位置から、キャップとビン口とのネジの螺合が解除されるまでの角度であるが、表には、この角度から1回転に相当する360度を差し引いて示した。
ブリッジブレーク角度(B)は、開栓開始位置からブリッジが切断開始されるまでの角度で示した。
リーク角度(L)は、開栓開始位置からリークが開始されるまでの角度で示した。
【0062】
試験数(N)を5とし、試験結果を下記表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003872546
【0064】
(2)倒立落下衝撃試験(n=10)
ホットパック充填1日後、10°傾斜の鉄塊に60cmの高さから充填ボトルを倒立落下した。室温区に3日放置した後、40℃温度区に1日、さらに5℃温度区に1日放置した後、液面の低下の有無を確認する。
試験結果は、試験した10個全てのボトルについて、液面の低下がみられないというものであった。
【0065】
(3)瞬間耐圧試験(n=10)
昇圧は1秒に5psiの速度で行った。その後、128psiで1分間放置し、その際のボトルの液漏れを観察し、さらに昇圧し175psiで1分間放置してキャップ飛びのないことを確認した。
試験結果は、試験した10個全てのボトルについて、液漏れも、キャップ飛びも確認されなかった。
【0066】
(4)ヒートサイクル試験(n=10)
充填ボトルに対して、[40℃−1週間→5℃−1週間]、の操作を2サイクル繰り返し行い、15℃にてボトル内の減圧値を測定した。上記の操作を行わなかった充填ボトルの減圧値と比較した。
試験結果は、試験した10個全てのボトルについて、減圧値の低下が観測されず、液漏れは確認されなかった。
【0067】
2):コールドフィル充填試験
以下のとおりにしてコールドフィル充填ボトルを用意した。
(1)ボトルに常温の水を充填した後、炭酸ガス置換を行い、キャッピングした。その後、充填ボトルを下記の要領で熱処理した。
(2)キャッピング条件は、上記ホットパック充填と同一条件で行った。
(3)熱処理(シャワー)条件
(42℃−13分)→(60℃−10分)→(80℃−14分)→
(77℃−9分)→(60℃−10分)→(42℃−12分)→
(30℃−5分)
上記のコールドフィル充填ボトルを以下の試験項目で評価した。
【0068】
(1)開栓トルク試験(開栓トルク、締まり角度)(n=5)
コールドフィル充填後、ボトルを、5℃、室温、40℃の温度区で正立にて保管し、1日後、1週間後、2週間後その温度区から取り出し、室温にて20秒以内に開栓トルク、締まり角度を測定した。
【0069】
試験結果を下記表2に示す。
【0070】
【表2】
Figure 0003872546
【0071】
(2)倒立落下衝撃試験(n=7)
コールドフィル充填1日後、10°傾斜の鉄塊に60cmの高さから倒立落下した。室温区に3日放置した後、40℃温度区に1日、5℃温度区に1日放置した後、液面の低下の有無を確認した。
試験結果は、試験した7個全てのボトルについて、液面の低下がみられないというものであった。
【0072】
(3)瞬間耐圧試験(n=7)
SST試験器にて100psiをかけ30秒保持し液漏れの有無を確認した。試験結果は、試験した7個全てのボトルについて、液漏れは確認されなかった。
【0073】
3)コンピューターによる解析
上記キャップについて、コンピューターによる有限要素法による数値解析を行った結果、図1に示す結果が得られた。
【0074】
実施例1のキャップ(図2)の変形を示す図6において、周状バンド11に形成されたビン首部への固定機構12が図2のものと相違しており、他は図2のものと共通である。この具体例のキャップでは、固定機構12が上向き且つ中心向きの周状フック50として、付け根51を介して周状バンド11の内面に形成されており、この周状フック50の内径側先端から付け根の途中までには、切り欠き溝52が形成されていて、ビン口あご部45(図4参照)への係合を容易にしている。この形状のキャップは、周状フック50が下向きとなった状態で成形を行い、成形後、周状フック50を上向きに反転させることにより得られ、この際切り欠き溝52は、周状フックの反転を容易にする作用をも有する。
【0075】
実施例1のキャップ(図2)の他の変形を示す図7において、周状バンド11に形成されたビン首部への固定機構15が図2のものと相違しており、他は図2のものと共通である。この具体例のキャップでは、固定機構12が径中心向きの可撓性フィン53として、周状バンド11の内面に形成されており、この周状フィン53の下方には小さい溝54を介して、内向きビード55が形成されている。フィン53には、内周側先端から付け根の途中に至る切り欠き溝56が形成されていて、閉栓時におけるフィン53の上方への曲げを容易にしている。このフィン53は、ビン口あご部45(図4参照)へ係合して固定を行う。尚、内向きビード55は、開栓時において、周状フィン53が下向き方向への過度の曲げを阻止する作用を行っている。
【0076】
実施例2
本発明の他の実施例のキャップを示す図8において、インナーリング5の構造及び他の密封部6の構造は、図2の場合と同様であるが、キャップ1のネジ7には、間隔をおいて軸方向に、切り欠き部19が形成されており、ビン口内周41とインナーリング5との間にリークが発生した場合には、キャップとビン口とのネジ同士が係合している場合にも、速やかにガス抜きが行われるようになっており、これによりキャップの飛翔が防止される。
【0077】
図8に示す具体例において、周状切断面13は全周にわたって設けられ、環状切断面となっている。周状バンド11には径内方向に延びる可撓性ラチェット57を多数周状に配置して備え、開栓時にビン口部に設けたラチェット(図示せず)と係止するようになっている。このラチェット57は、図示するように径外方向の付け根でも上端部でも、周状バンド11に固定されている。
【0078】
このキャップでは、閉栓時に、周状バンド内方のラチェット57がビン口部のラチェットを乗り越えるように回動する。この際のブリッジ10の破断を防止するために、スカート部の下端9には、周状切断面13の内側に位置し且つ周状切断面13よりも周状バンド11側に小間隔だけ延びているストッパー58を形成し、閉栓に際してはストッパー58とブリッジ10とが係合してキャップの旋回が行われるようにする。
【0079】
周状切断面13の内周側端縁とストッパー58との間には、溝59が形成されていて、ストッパー58にある程度の柔軟性を与えている。ストッパー59は、閉栓時にブリッジ10と係合する垂直係合部60と、開栓時に切断されたブリッジ10の切断端縁と係合する傾斜部61とを備えており、これにより、開栓時に、切断されたブリッジ端縁を介して周状バンド11を下に押し下げて、周状バンド11が切り離されていることを明瞭にし、タンパーエビデント性を一層向上させるようになっている。
【0080】
実施例3
本発明の他の実施例のタンパーエビデント型プラスチックキャップを示す図9及び図10において、この例では、持続密封機構6として、ビン口頂部と係合する断面が台形状のシール用突起を、インナーリング5よりも外側の天面部内面4に備えたものを用いた。インナーリング5、ブリッジ10及び周状バンド11の構成は、実施例1のものと同様である。図示していないが、台形状のシール用突起6の内周側及び外周側には、ビン口頂部と実質上ぴったり係合する受け座を溝を介して設けてもよいことは図2の場合と同様である。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、インナーリングを特定の形状及び寸法で設けると共に、キャップのプラスチックの材質を特定のものとすることにより、従来技術における種々の問題点を解消し、容器に対する確実な密封が可能であると共に、シールブレークに先立ってブリッジブレークが確実に行われ、これにより内容物が密封されていたことの保証が行われるワンピース型プラスチックキャップを提供することができた。
【0082】
また、インナーリングに加えて、ビン口頂部乃至外周部と係合する小さなシール用突起部を形成することにより、上記の性能に加えて、持続性に優れた密封性能、特に耐圧密封性及び減圧密封性が得られた。
更に、ブリッジ及び周状バンドを、特定の関係に設けることにより、シールブレーク角度を大きくすると共に、ブリッジブレーク角度を小さくすることが可能となるワンピース型のタンパーエビデント性プラスチックキャップを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動距離(mm)を横軸及びキャップの各部の接触荷重(kgf)を縦軸として、有限要素法による数値解析結果をプロットしたグラフである。
【図2】本発明の一実施例のプラスチックキャップの一部断面側面図である。
【図3】図2のプラスチックキャップの要部の拡大断面図である。
【図4】図2のプラスチックキャップをビンに閉栓した状態を示す一部断面側面図である。
【図5】試験例に用いた図2のキャップの寸法を示す説明図である。
【図6】図2の実施例のキャップの一変形を示す一部断面側面図である。
【図7】図2の実施例のキャップの他の変形を示す一部断面側面図である。
【図8】本発明の他の実施例のキャップの一部断面側面図である。
【図9】本発明の更に他の実施例のプラスチックキャップを示す一部断面側面図である。
【図10】図9のキャップをビンに閉栓した状態を示す一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 プラスチックキャップ
2 天面部
3 スカート部
4 内面4
5 インナーリング
6 密封補助機構6
7 ネジ
8 ローレット溝
9 下端
10 ブリッジ
11 周状バンド
12 片状のラチェット
13 環状切断面
14 連結部
15 第1の軸方向スリット乃至弱化線
16 周方向スリット乃至弱化線
17 第2の軸方向スリット乃至弱化線
18 連結部
19 ガス抜き溝
20 付け根部
21 立ち上がり部
22 テーパー状外周面
23 ガイド面
24 最先端
25 内周面
26 最大外径部
30,31 受け座
32、33 溝
34 シール用突起部
35 アウターリング
40 ビン口
41 内周面
42 頂部
43 外周面
44 キャップ締結用のネジ
45 周状バンド固定用のあご
46 サポートリング
50 周状フック
51 付け根
52 切り欠き溝
53 周状フィン
54 溝
55 ビード
56 切り欠き溝
57 ラチェット
58 ストッパー
59 溝
60 垂直係合部
61 傾斜係合部

Claims (5)

  1. 天面部と、ビン首部に係合するねじを内面に備えたスカート部と、天面部の内側に形成されたビン口と係合するインナーリングとを備え且つ前記スカート部の下端には、破断可能なブリッジを介して、開栓に際してビン首部に係止される周状バンドが連結されているワンピース型プラスチックキャップにおいて、前記インナーリングはビン口内面との面シールを可能にするに十分な天面に垂直な軸方向寸法を有し、前記インナーリングの外周面は付け根或いは付け根の立ち上がり部から径外方向及び軸方向に延びているテーパー角度10゜乃至60゜のテーパー面となっており、前記インナーリングの先端部はビン口の内径よりも小さい最先端を有すると共に、最先端に向けて外径が次第に減少するビン口とのガイド面を有し、且つインナーリングの付け根は、ビン口内径よりも大きくないという条件下に、ビン口内径とほぼ等しい外径を有し、
    前記インナーリングは、付け根から先端に向けて、その水平断面における厚みが次第に減少するように設けられ、前記インナーリングがキャップ締まり角度に相当する軸方向変位の0.3乃至1.0倍の軸方向寸法を有し、さらに前記インナーリングがガイド面以外の部分で0.5乃至2.0mmの厚みを有しており、
    前記キャップは弾性率が1.0×10 乃至2.0×10 kg/cm の範囲の樹脂から成ることを特徴とするプラスチックキャップ。
  2. 天面部の内面には、インナーリングの外方に、ビン口の頂部乃至外周部と係合する密封用の小突起が形成されている請求項1記載のプラスチックキャップ。
  3. 前記天面部のインナーリングの外方には、ビン口部の頂部及び外周部と実質上ぴったり係合する受け座と、該受け座から溝を介して位置し且つ該受け座を通るビン口面よりも微小間隔だけ突出した少なくとも1個のシール用突起部とを設けてなる請求項1記載のプラスチックキャップ。
  4. ビン口部の外周部と係合する受け座が、天面部に軸方向に突出して設けられたアウターリングの内周面で形成されている請求項3記載のプラスチックキャップ。
  5. 前記インナーリングの外周面は、付け根部から先端に向かって、ほぼ垂直な立ち上がり部、シール面となるべきテーパー面、最大外径部、ガイド面及び最先端からなっており、最先端より内方にはテーパー状の内周面が形成されている請求項1乃至4のいずれかに1項記載のプラスチックキャップ。
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