JP5620140B2 - レトルト殺菌に適したキャップの製造方法 - Google Patents

レトルト殺菌に適したキャップの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5620140B2
JP5620140B2 JP2010086557A JP2010086557A JP5620140B2 JP 5620140 B2 JP5620140 B2 JP 5620140B2 JP 2010086557 A JP2010086557 A JP 2010086557A JP 2010086557 A JP2010086557 A JP 2010086557A JP 5620140 B2 JP5620140 B2 JP 5620140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liner
curled
flat
mouth
top plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010086557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011219098A (ja
Inventor
義彦 松川
義彦 松川
英一郎 笠戸
英一郎 笠戸
佐々木 勝彦
勝彦 佐々木
博士 矢部
博士 矢部
敏久 堀
敏久 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JAPAN CHEMICAL RESEARCH & INDUSTRIES. LTD.
Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
JAPAN CHEMICAL RESEARCH & INDUSTRIES. LTD.
Daiwa Can Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JAPAN CHEMICAL RESEARCH & INDUSTRIES. LTD., Daiwa Can Co Ltd filed Critical JAPAN CHEMICAL RESEARCH & INDUSTRIES. LTD.
Priority to JP2010086557A priority Critical patent/JP5620140B2/ja
Publication of JP2011219098A publication Critical patent/JP2011219098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5620140B2 publication Critical patent/JP5620140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D53/00Sealing or packing elements; Sealings formed by liquid or plastics material
    • B65D53/04Discs
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/34Silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/10Homopolymers or copolymers of propene
    • C08L23/12Polypropene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L91/00Compositions of oils, fats or waxes; Compositions of derivatives thereof

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Closures For Containers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)

Description

本発明は、レトルト殺菌される容器に用いられるキャップの製造方法に関し、特にキャップの内部に密封用のライナーが形成する製造方法に関するものである。
金属製のボトル型缶などの容器には、ネジ式のキャップが用いられており、この種の容器では、開封した後に再度キャップを装着して再封止できるので、容器としての利便性が高い。また、この種の容器における内容物は飲料が大半であり、そのために容器の開口部(いわゆる口部)を液密状態に封止するために、キャップの内面には、口部に密着するライナーが設けられている。
ライナーは、容器の口部を密封するためのものであるから、口部に密着する必要があり、そのため従来では、キャップを容器の口部に装着する際にライナーを容器の口部に積極的に密着させている。その例が特許文献1ないし4などに記載されている。具体的には、天板部と、その周辺部に連続して形成された円筒状のスカート部とを備えたキャップシェルをアルミニウム合金などの金属板によって一体的に形成し、その天板部の内面における周辺部に、合成樹脂製のライナーを設け、そのキャップシェルを容器の口部に冠着した状態で、天板部の周辺部を絞り成形し、その内面に設けられているライナーの外周側の部分を、口部の上端部に形成されているカール部の外周面に密着させている。
このようにキャップシェルに絞り加工を施すことにより、カール部に荷重が掛かるので、その荷重によるカール部の変形を防止する必要があり、例えば特許文献1に記載された発明では、ライナーの外周部に、カール部の内側に嵌合させられる内周側リブと、カール部の外周面に密着させられる外周側リブとを形成し、これらのリブの間にカール部の頂部を挿入させるように構成し、かつ各リブにおける内壁面(カール部に接触する面)で形成される凹部をいわゆる山形状としている。したがって、特許文献1に記載された発明では、カール部に掛かる荷重を低減して、その変形を防止できる、とされている。また、特許文献1の発明によれば、容器口部の密封性を十分に確保できるとともに、キャップの開閉を円滑にできる、とされている。さらに、特許文献2に記載された発明では、ライナーをカール部の外周面から離隔して位置させるように構成することにより、キャップシェルのコーナー部を絞り成形した際の荷重によりカール部が変形することを防止するようにしている。
一方、ライナーは、キャップシェルのコーナー部を絞り成形することに伴って変形するので、そのような変形の後においてもカール部との間に隙間を生じることなく密封性を維持する必要がある。そこで、例えば特許文献3に記載された発明では、ライナーの外周端を、ナール谷部の天板部側先端部よりも筒部開口端に延出させている。したがって、ライナーにおけるカール部の内側に嵌合するリング状凸部よりも外周側の部分は、ほぼ平板状の鍔部となっている。また、特許文献4に記載された発明では、ナール部より上方に、周方向に連続して延びる環状凹部が形成されている。
さらに、ライナーに要求される特性は、上述した密封性および開栓性だけではないのであり、落下などによってキャップに衝撃力が作用した場合であっても密封状態を維持することが要求される。そこで、例えば特許文献5には、延伸性を高めることにより耐熱気密性および開栓性に加えて落下密封性を向上させるように組成を特定したライナーが開示されている。
特開2001−139053号公報 特開2003−175962号公報 特開平05−201459号公報 特開平09−95354号公報 特許第4319594号公報
上述した特許文献1ないし4に記載された発明では、ライナーの形状を工夫することにより、それぞれの発明における目的を達成するようにしているが、耐熱気密性および開栓性に加えて落下密封性の各特性を十分に満足することは難しい。これに対して特許文献5に記載された発明は、ライナーの組成を特定し、伸びに優れた耐熱性ライナーであり、耐熱気密性および開栓性ならびに落下密封性の各特性を向上させることができる。しかしながら、特許文献5に記載されている組成のライナーは、伸びに優れているために、特許文献1ないし4に記載されているような一般的な形状とした場合、カール部の外周面に大きく巻き付いた形状になって開栓トルクが増大する要因になったり、あるいはキャップシェルのコーナー部の内面から部分的に剥離して隙間が生じたり、さらには落下などによる衝撃を受けた場合に破断もしくは亀裂が生じる可能性があり、特許文献5に記載された組成による特性を生かしたライナーとするには未だ改善の余地があった。
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、上記の特許文献5に記載された組成の合成樹脂のうち、性状を更に特定した樹脂を用い、耐熱気密性は勿論のこと、開栓性および落下密封性に優れたライナーを有するキャップの製造方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明は、板部と該天板部の周縁部から垂下するスカート部とを備えたキャップシェルにおける前記天板部の内面側の周辺部分に、容器の口部の開口端に縦断面が略円形に形成されたカール部の頂部に当接する平坦部と、前記カール部の内周面に当接する内側リブとが一体に形成されたライナーを施し、該ライナーが施された前記キャップシェルを前記口部に冠着させて、前記天板部と前記スカート部との境界位置を絞り成形して前記平坦部と前記カール部とを密着させるレトルト殺菌に適したキャップの製造方法において、前記ライナーは、(A)230℃で荷重が21.18Nでは流動しない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体30〜50質量%と、(B)流動パラフィン35〜50質量%と、(C)ポリプロピレン系樹脂5〜30質量%と、(D)シリコーンオイル0.2質量%以上とを含む樹脂組成物100質量部に対して、(E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20質量部を含有し、「測定温度25℃における50%圧縮応力」が196N/cm〜490N/cm、(130℃における50%圧縮応力)/(25℃における50%圧縮応力)≧0.3、130℃で70%圧縮した後の復元率が60%以上、かつ130℃での伸び率が100%以上である組成物を素材として形成され、前記ライナーを前記天板部の内面に施す際に、前記平坦部の厚さを前記前記カール部の外周半径の80%〜150%、前記平坦部が前記カール部の外周面から前記口部の半径方向で外側に突出する長さを前記カール部の外周半径の0%〜65%に成形し、かつ前記内側リブを、前記平坦部において、前記口部における中心軸線を中心とした前記カール部の中心よりも内周側の位置から環状に突出して形成するとともに、該内側リブの外周面を前記口部の中心軸線に平行な軸線に対して15°〜45°の角度範囲で傾斜したテーパー面に形成し、かつ前記内側リブの前記平坦部との境界部分での前記口部の半径方向に測った厚さを前記カール部の外周半径の50%〜150%、前記内側リブの前記平坦部からの突出長さを前記カール部の外周半径の60%〜150%に成形し、前記平坦部の圧縮量が、前記カール部の頂部側および前記口部の半径方向で外側のそれぞれで60%〜90%になるように前記絞り成形することを特徴とする製造方法である。
本発明によれば、ライナーが上記の組成物を素材として形成されているので、カール部に密着させるために天板部とスカート部との境界部分に絞り成形を施した場合、ライナーがカール部の外周面に隙間なく密着し、良好な密封性を得ることができる。特に、130℃で70%圧縮した後の復元率が60%以上、かつ130℃での伸び率が100%以上であることにより、容器が落下してキャップに衝撃力が作用した場合であっても、ライナーの割れや亀裂が生じにくく、落下密封性を良好なものとするができる。また、ライナーにおける各部の寸法を上記のように規定したことにより、上記の絞り成形を行った後のライナーが、カール部の外周面に過剰に回り込むことがなく、開栓トルクの増大を抑制して開栓性を良好なものにすることができる。特に、平坦部の厚さおよび絞り成形による圧縮量を上記のように規定したことにより、衝撃吸収力を十分大きくできるとともに、開栓トルクの増大を抑制でき、さらには密封性を良好なものとすることができる。総じて、本発明によれば、耐熱気密性は勿論のこと、開栓性および落下密封性に優れたライナーを有するキャップを得ることができる。
コーナー部の絞り成形前のライナーの形状を示す部分断面図である。 コーナー部の絞り成形後のライナーの形状を示す部分断面図である。 この発明に係るキャップシェルの一例の左半分を断面で示す部分断面側面図である。 ライナーの素材である組成物についての伸び率の試験片を示す図である。
本発明のキャップは、130℃で30分ほどの条件でレトルト殺菌される容器の口部を密封するために用いられるキャップであり、特にその容器の口部が、断面がほぼ円形となるようにカール成形され、そのカール部に密着する合成樹脂製のライナーを内面に備えているキャップである。さらに、容器の再封止を可能にするために、ネジによって容器の口頸部に装着されるように構成されている。そのネジは、いわゆるロールオン成形されるようになっており、したがってネジ部やライナーを口部に密着させるための絞り成形の施されていないキャップシェルを金属素材によって作り、その内面に上記のライナーを設け、これをボトル型缶などの容器の口頸部に冠着し、その状態で、絞り成形およびネジ部のロールオン形成が行われる。
そのキャップシェルの一例を図3に示してある。ここに示すキャップシェルは、アルミニウム合金板や表面処理鋼板等の従来から知られた金属製キャップ用の金属板を素材としてプレス加工によって成形されたものであり、円板状の天板部1と円筒形のスカート部2とをカップ状に一体成形したものである。また、絞り成形の後に、スカート部2の上部に凹部3aと凸部3bとが周方向全体に亘って交互に繰り返しているナール部3が形成され、そのナール部3の凹部3aの上部には、容器の開栓時に容器内部のガスを速やかに排出するために形成された周方向に延びるベントスリット4が形成される。また、スカート部2の下部には、複数のブリッジ5aと周方向に延びるスリット5bとによる破断ライン5が形成されており、スカート部2は破断ライン5よりも上方の主部と破断ライン5よりも下方のピルファープルーフバンド部6とに区画されている。
また、キャップシェルの天板部1の内面には合成樹脂製の密封用のライナー7が形成されている。その素材は、耐熱仕様のレトルト用ライナー材として特別に開発されたものであって、より具体的には、前掲の特許第4319594号公報に記載されている組成物のうち、圧縮後の復元率および伸びに優れたものが使用されている。すなわち、その組成物は、
(A)230℃で荷重が21.18Nでは流動しない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体30〜50質量%と、
(B)流動パラフィン35〜50質量%と、
(C)ポリプロピレン系樹脂5〜30質量%と、
(D)シリコーンオイル0.2質量%以上とを含む樹脂組成物100質量部に対して、
(E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20質量部を含有し、「測定温度25℃における50%圧縮応力」が196N/cm〜490N/cm、(130℃における50%圧縮応力)/(25℃における50%圧縮応力)≧0.3の組成物であり、そのうちの特に、「130℃で70%圧縮した後の復元率が60%以上、かつ130℃での伸び率が100%以上」の組成物である。ここで、復元率と伸び率とを上記の範囲に規定しているのは、上記の復元率が60%を下回ると、容器が落下した場合などに衝撃力を受けるとライナー7が割れたり、亀裂が入ったりするからである。また、同様の理由で、伸び率を100%以上としたのである。なお、伸び率とは、厚さ2mmで各部の寸法が図4の試験片を、130℃の条件下で試験片に50mm/minの速度で引張荷重を加えたとき、試験片が破断した時点のチャック(つかみ具)間の距離の、元の距離に対する伸び量の割合である。
ライナー7は、このような樹脂材料を溶融した状態で、キャップシェルの天板部1の内面側に供給し、その樹脂材料を金型により所定の形状に型押し成形したものであり、図1に示すように、天板部1の内面の中央部分を被覆する平板部7aと、天板部1の周辺部分に位置し、容器における口部の開口端を密封するための密封部とを一体に成形したものである。その密封部は、容器における口部の開口端部であるカール部8の頂部に密接される平坦部7bと、平坦部7bの内周縁から下方に突出するように形成され、カール部8の内周面に密接される内側リブ7cとを備えている。したがって、カール部8の内周面に対しては内側リブ7cを密着させ、カール部8の外周面に対しては、後述するコーナー部の絞り成形によって、前記平坦部7bを密着させるように構成されている。
上述したように、本発明におけるライナー7は伸びに優れた合成樹脂を素材としているので、カール部8に対して効果的に密着させることができるが、その半面、カール部8に過度に巻き付いて開栓トルクの増大要因になったり、あるいは伸びのためのいわゆる余肉が不足して隙間が生じたりする可能性がある。そこで、本発明ではライナー7の絞り成形前における各部の寸法を、その素材の特性をより良く生かすために以下のように設定してある。なお、以下に示す各部の寸法は、本発明者等の実験に基づいて求められたものである。
本発明に係るライナー7は、上述したように、平坦部7bと内側リブ7cとを備えており、その平坦部7bの厚さL3は、カール部8の外周半径rの80%(r×4/5)〜150%(r×3/2)に設定されている。これは、カール部8の内径D0が20mmのボトル型缶を対象とする場合には、1mm〜1.7mmに相当する。
平坦部7bの厚さL3がカール部8の外周半径rの80%(r×4/5)より薄い(1mm未満)と、天板部1とスカート部2との境界部分であるコーナー部に絞り成形を施すことにより平坦部7bに伸びが生じた場合、ライナー7の余肉が不足してライナー7とコーナー部の内面との間に隙間Cが生じる可能性が高くなる。図2に、コーナー部に絞り成形を施した後の形状を示してあり、絞り成形によって生じるコーナー部の内面と絞り成形によって引き延ばされたライナー7との間に上記の隙間Cが生じて密封性を確保できなくなる可能性が高くなる。また、平坦部7bの厚さL3がカール部8の外周半径rの150%(r×3/2)より厚い(1.7mm超)と、ライナー7を形成するための樹脂素材の量が過剰になってコストの増大要因となり、また、上述したコーナー部の絞り成形によって延ばされた前記平坦部7bの先端部が、図2に破線で示すA’部のように、カール部8の下側にまで流れ込み、これが要因となって開栓トルクが増大してしまう。このような理由で、平坦部7bの厚さL3を上記の範囲に規定してある。
また、本発明では、絞り成形前における前記平坦部7bの長さを規定してある。具体的には、前述した構成のキャップシェルを容器の口部に冠着した状態、すなわち絞り成形前における平坦部7bの先端が、カール部8の最外周面から突出する長さL4は、(0≦L4≦r×0.65)に設定されている。すなわち、カール部8の外周半径rの65%以下であり、これは、上述したボトル型缶を対象とする場合には、0.8mm以下である。
絞り成形前における平坦部7bのカール部8からのいわゆる突出長さL4が「0」未満であると、すなわち平坦部7bの先端がカール部8の最外周面から内周側に後退していると、コーナー部の絞り成形によってカール部8の外周面に密着するライナー7の長さ(もしくは幅)が不足し、その結果、密封性が悪くなる可能性が高くなる。また反対に、絞り成形前における平坦部7bのカール部8からのいわゆる突出長さL4がカール部8の外周半径rの65%を超えると、上述したコーナー部の絞り成形によって延ばされた前記平坦部7bの先端部が、図2に破線で示すA’部のように、カール部8の下側にまで流れ込み、これが要因となって開栓トルクが増大してしまう。このような理由で、絞り成形前における平坦部7bのカール部8からのいわゆる突出長さL4を上記の範囲に規定してある。
一方、本発明におけるライナー7の内側リブ7cは、外周面7coがテーパー形状であり、かつ内周面7ciが円筒形状をなすように構成されている。その外周面7coは、前記口部における前記カール部8の中心Oの半径位置より口部の中心側に寄った位置から図1での斜め下方に向けて形成されたテーパー面であり、そのテーパー面の母線角度θすなわち口部の中心軸線と平行な軸線に対する外周面7coの傾斜角は、15°〜45°に設定されている。そして、その外周面7coの最大外径D1すなわち前記平坦部7bと外周面7coとの交点の径D1はD0がφ20mmの時、21.5mm〜22.5mmに設定されている。
上記の母線角度θが15°未満であると、すなわち外周面7coが平坦部7bに対して、より垂直に近くなると、キャップシェルを容器の口部に冠着させる際に、カール部8に対する内側リブ7cの掛かり具合が悪くなってキャッピング不良や密封不良が生じ易くなる。また、母線角度θが45°を超えると、同様に、キャッピング不良や密封不良が生じ易くなり、これに加えて前記平坦部7bのうち内側リブ7cに繋がる部分(言い換えれば内側リブ7cの基礎となる部分)Xの剛性が低下し、前記コーナー部の絞り成形に伴ってキャップシェルがカール部8に押し付けられた場合に材料の流れが促進され、その結果、前記平坦部7bの先端部が、図2に破線で示すA’部のように、カール部8の下側にまで流れ込み、これが要因となって開栓トルクが増大してしまう。このような理由で、絞り成形前における内側リブ7cの母線角度θを上記の範囲に規定してある。
同様の理由で、内側リブ7cの基端部(内側リブ7cと前記平坦部7bとの境界部分)の厚さ(口部の半径方向に測った幅:以下、最大幅と記す)L1と、内側リブ7cの長さL2とが以下の範囲に設定されている。すなわち、内側リブ7cの最大幅L1は、カール部8の外周半径rに対して、(r/2≦L1≦3/2r)に設定されている。すなわち、カール部8の外周半径rの1/2倍以上、3/2倍以下に設定されており、これは前述したボトル型缶を対象とする場合には、0.6mm〜1.8mmの範囲である。また、内側リブ7cの長さL2は、カール部8の外周半径rに対して、(r×0.6≦L2≦r×1.5)に設定されている。すなわち、カール部8の外周半径rの0.6倍以上、1.5倍以下に設定されており、これは前述したボトル型缶を対象とする場合には、0.7mm〜1.9mmの範囲である。
これら内側リブ7cの最大幅L1および長さL2が上記の範囲を下回ると、剛性の低下によって、前記平坦部7bの先端部が、図2に破線で示すA’部のように、カール部8の下側にまで流れ込み、これが要因となって開栓トルクが増大してしまう。反対に上記の範囲を超えると、ライナー7を形成するための樹脂素材の量が過剰になってコストの増大要因となる。
さらに、本発明に係るキャップでは、天板部1とスカート部2との境界部分であるコーナー部に絞り成形が施されてライナー7がカール部8の外周面に密着させられる。その場合、ライナー7は圧縮されるとともに材料の流動(伸び)が生じるので、上述した平坦部7bの圧縮量が以下の範囲となるように絞り成形が行われる。すなわち、コーナー部の絞り成形を行った後における前記カール部8の頂部側(図2での上側)のライナー7の厚さT1と絞り成形前の平坦部7bの厚さL3との比率(T1/L3)、およびコーナー部の絞り成形を行った後における前記口部の半径方向で外側(図2での左側)のライナー7の厚さT2と絞り成形前の平坦部7bの厚さL3との比率(T2/L3)のそれぞれが、0.1〜0.4に設定されている。
これらの比率(T1/L3,T2/L3)が0.1未満となると、ライナー7が過剰に圧縮された状態となってライナー7が絞り成形時に樹脂割れが発生する可能性が高く、またライナー7による衝撃吸収力が低減し、またライナー7がカール部8を強く締め付けて開栓トルクが増大してしまう。また反対に上記の各比率が0.4を超えると、ライナー7の圧縮応力が不足して容器の口部を良好に密封する状態を維持できなくなる可能性が高くなる。
なお、参考として、前記内側リブ7cにおける外周面7coの後退量L5、すなわち口部の半径方向で図った前記外周面7coの基端部の位置と外周面7coの先端(図1での下端)との位置の寸法差L5は、(0.4×r≦L5≦0.7×r)とすることが好ましい。前述したボトル型缶を対象とする場合には、0.5mm以上で0.8mm以下の範囲である。r×0.4mm未満であると、前述したキャッピング不良や密封不良が生じ易くなり、また反対にr×0.7mmを超えると、キャッピング時に内側リブ7cがカール部8に対して掛かり難くなって密封不良が生じ易くなるとともに、平坦部7bのうち内側リブ7cの基礎となる部分の剛性が不足して、前記平坦部7bの先端部が、図2に破線で示すA’部のように、カール部8の下側にまで流れ込み、これが要因となって開栓トルクが増大してしまう。
ここで、本発明でライナーに使用する素材について行った実験結果を示す。表1に、本発明例と比較例とにおける各材料の配合割合および一般性状をまとめて示してある。「エラストマーA」および「エラストマーB」は水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体である。一方、「一般性状」における硬度の「D型」は、タイプDデュロメータを使用して測定した表面硬度であり、試験片(厚さ2mm×16mmφの試料を3枚重ねて、厚さ6mm×16mmφの円柱形を作成した)にデュロメータ(株式会社テクロック製)を25℃の条件下で49Nで押し付けた時の値である。また「A型」は、タイプAデュロメータを使用して測定した表面硬度であり、試料にデュロ メータを25℃の条件下で9.8Nで押し付けた時の値である。そして、「MFR」は、230℃に加熱した状態で37.24Nの荷重を掛けた場合のメルトフローレートである。したがって、これら本発明例および比較例のいずれも、特許第4319594号公報に記載された発明で特定している組成物に含まれるものである。
Figure 0005620140
(圧縮復元性試験)
上記の本発明例による組成物および比較例による組成物を使用して、4mm×16mmφの試験片を作成し、これを、レトルト殺菌処理時の温度と同じ130℃に加熱し、その状態で体積比で70%に圧縮し、その圧縮荷重を取り除いて1時間放置した後の体積を測定し、圧縮して減少した体積のうち荷重を取り除いたことにより復元した体積の割合、すなわち70%圧縮復元率を測定した。結果は、表2に示すとおりである。すなわち、本発明例では、70%圧縮復元率が60%を超えていたが、比較例では60%を下回っていた。
Figure 0005620140
(引張り試験)
上記の本発明例による組成物および比較例による組成物を使用して、厚さ2mmで図4のような試験片を作成し、これをレトルト殺菌処理時の温度と同じ130℃に加熱し、その状態で試験片をチャックで挟んで50mm/minの速度で引張荷重を加えたとき、試験片が破断した時点のチャック間の距離を測定し、その測定値に基づいて伸び率を求めた。
結果は表3に示すとおりである。すなわち本発明例では、伸び率が100%以上であったのに対して、比較例における伸び率は100%に至らなかった。
Figure 0005620140
(評価)
上記の本発明例および比較例の組成物(合成樹脂)を使用してキャップシェルの内面にライナーを形成し、これをボトル型缶の口部に冠着し、ロールオン成形によって容器の口部にキャップを装着した。ボトル型缶の内容物は、水であり、その量は500mlとした。キャップ装着後130℃、30分のレトルトされた試験缶を、キャップを下向きにして10度の傾斜角をつけた鉄製の治具に高さ50cmの高さから落下させ、ライナーの状態を目視で調べたところ、本発明例では、ライナーの割れや亀裂は認められなかった。これに対して、比較例では、80%のボトル型缶のライナーに割れや亀裂が認められた。すなわち、本発明例によれば、ライナーの各部の寸法を前述した範囲の収めることにより開栓トルクを増大させることなく確実に容器の口部を密封することができ、これに加えて落下密封性に優れることが認められた。
1…天板部、 2…スカート部、 7…ライナー、 7b…平坦部、 7c…内側リブ、 7co…(内側リブの)外周面、 8…カール部。

Claims (1)

  1. 板部と該天板部の周縁部から垂下するスカート部とを備えたキャップシェルにおける前記天板部の内面側の周辺部分に、容器の口部の開口端に縦断面が略円形に形成されたカール部の頂部に当接する平坦部と、前記カール部の内周面に当接する内側リブとが一体に形成されたライナーを施し、該ライナーが施された前記キャップシェルを前記口部に冠着させて、前記天板部と前記スカート部との境界位置を絞り成形して前記平坦部と前記カール部とを密着させるレトルト殺菌に適したキャップの製造方法において、
    前記ライナーは、(A)230℃で荷重が21.18Nでは流動しない水素添加スチレン/共役ジエン系ブロック共重合体30〜50質量%と、(B)流動パラフィン35〜50質量%と、(C)ポリプロピレン系樹脂5〜30質量%と、(D)シリコーンオイル0.2質量%以上とを含む樹脂組成物100質量部に対して、(E)平均粒径0.1〜10μmの微粉末タルク0.1〜20質量部を含有し、「測定温度25℃における50%圧縮応力」が196N/cm〜490N/cm、(130℃における50%圧縮応力)/(25℃における50%圧縮応力)≧0.3、130℃で70%圧縮した後の復元率が60%以上、かつ130℃での伸び率が100%以上である組成物を素材として形成され、
    記ライナーを前記天板部の内面に施す際に、
    記平坦部の厚さを前記前記カール部の外周半径の80%〜150%、
    記平坦部が前記カール部の外周面から前記口部の半径方向で外側に突出する長さを前記カール部の外周半径の0%〜65%に成形し、
    かつ前記内側リブを、前記平坦部において、前記口部における中心軸線を中心とした前記カール部の中心よりも内周側の位置から環状に突出して形成するとともに、該内側リブの外周面を前記口部の中心軸線に平行な軸線に対して15°〜45°の角度範囲で傾斜したテーパー面に形成し、
    かつ前記内側リブの前記平坦部との境界部分での前記口部の半径方向に測った厚さを前記カール部の外周半径の50%〜150%
    記内側リブの前記平坦部からの突出長さを前記カール部の外周半径の60%〜150%に成形し、
    前記平坦部の圧縮量が、前記カール部の頂部側および前記口部の半径方向で外側のそれぞれで60%〜90%になるように前記絞り成形する
    とを特徴とする、レトルト殺菌に適したキャップの製造方法。
JP2010086557A 2010-04-02 2010-04-02 レトルト殺菌に適したキャップの製造方法 Active JP5620140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010086557A JP5620140B2 (ja) 2010-04-02 2010-04-02 レトルト殺菌に適したキャップの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010086557A JP5620140B2 (ja) 2010-04-02 2010-04-02 レトルト殺菌に適したキャップの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011219098A JP2011219098A (ja) 2011-11-04
JP5620140B2 true JP5620140B2 (ja) 2014-11-05

Family

ID=45036595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010086557A Active JP5620140B2 (ja) 2010-04-02 2010-04-02 レトルト殺菌に適したキャップの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5620140B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4301534B2 (ja) * 1999-11-11 2009-07-22 大和製罐株式会社 ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造
JP2003175962A (ja) * 2001-12-11 2003-06-24 Japan Crown Cork Co Ltd 金属製容器のための蓋
JP4319594B2 (ja) * 2003-10-06 2009-08-26 大和製罐株式会社 耐熱性金属ppキャップ用ライナー、該ライナー付キャップおよびそれらの製法
JP4716490B2 (ja) * 2005-03-29 2011-07-06 大和製罐株式会社 ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011219098A (ja) 2011-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2847077B1 (en) Metal container
JP6515952B2 (ja) ボトル缶、キャップ付きボトル缶、及びボトル缶の製造方法
JP3872546B2 (ja) ワンピース型プラスチックキャップ
CN109890717A (zh) 用于容器的拉开封闭件
JP4443006B2 (ja) 開栓性、閉栓性及び密封性に優れたプラスチックキャップ
JP4707172B2 (ja) ピルファープルーフキャップ付き缶容器
JP5890993B2 (ja) 金属製容器と容器蓋の組み合わせ
JP5620140B2 (ja) レトルト殺菌に適したキャップの製造方法
JP4716490B2 (ja) ネジ付き缶用キャップの密封ライナー構造
MXPA05001263A (es) Cierre de energia de aplicacion reducida.
JP4630131B2 (ja) 容器蓋及び密封方法
JP4443005B2 (ja) ワンピースプラスチックキャップ
JP2004262458A (ja) キャップ、閉止装置、および容器詰め飲料
JP5062683B2 (ja) キャップ及びボトル
JP2005225535A (ja) 金属薄板製容器のための容器蓋
JP2008201435A (ja) キャップ、閉止装置および飲料入り閉止装置
JP4575678B2 (ja) 容器蓋
JP2004059020A (ja) 広口容器用キャップの液こぼれ防止構造
WO2022191196A1 (ja) キャップ
JP4932411B2 (ja) レトルト用キャップ、閉止装置および飲料入り閉止装置
JP4762616B2 (ja) 密封方法
JP2004175388A (ja) キャップ、閉止装置、および容器詰め飲料
JP4357313B2 (ja) 金属薄板製シェルと合成樹脂製ライナーとから構成された容器蓋
JP2004035056A (ja) キャップ付ボトル缶、ボトル缶、およびキャップ
JP2021024622A (ja) 金属製キャップ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140902

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140918

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5620140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250