JP4695403B2 - 転写加飾シート、表面保護加飾シート及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

転写加飾シート、表面保護加飾シート及び加飾成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転写加飾シート、表面保護加飾シート及び加飾成形品の製造方法に関する。
樹脂成形品、木製品等の表面を加飾する方法として、転写加飾シートを用いて転写する方法、表面保護加飾シートを貼付する方法等が知られている。これらの加飾方法においては、転写加飾シートや表面保護加飾シートが使用されている。転写加飾シートや表面保護加飾シートは、通常、耐候性、耐摩耗性、耐摩擦性、耐薬品性等の諸物性を得るための保護層を有するものである。
このような保護層を、熱硬化性組成物を塗布することによって形成すると、加熱して架橋硬化させる際に基材フィルムの耐熱温度以上に高い温度での架橋硬化反応を行うことができない。このため、低温で硬化させなければならず、硬化に長時間かかり生産性が悪いという問題を生じる。これに加えて、成形品表面の耐薬品性、耐摩耗性が劣るという問題を生じることが多かった。
また、このような保護層を、エネルギー線硬化被覆組成物を基材フィルムに塗布し、エネルギー線によって硬化させることによって形成することもできる。しかし、このような保護層においては、充分な成形性、耐薬品性、耐候性が得られないものであった。
このような保護層として、特定の(メタ)アクリル当量、水酸基価、重量平均分子量のポリマー、多官能イソシアネート、特定の紫外線吸収剤を含む活性エネルギー線樹脂組成物を保護層とする転写加飾シート(特許文献1参照)も開示されているが、このような転写加飾シートは、シート作成時に加熱して保護層を架橋硬化させるものであり、上述したような熱硬化性組成物による保護層を有する転写加飾シートと同様の問題を生じる。また、この転写加飾シートは、成形品に転写した後に紫外線を照射するものであるので、複雑な形状の成形品に紫外線を照射する場合、均一に照射することは困難で、このため生産性や品質に劣るといった問題を生じる。
また、三次元曲面等の複雑な表面形状を有する樹脂成形体の加飾方法として、射出成形同時加飾法が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。射出成形同時加飾法とは、射出成形の際に金型内に挿入された転写加飾シートを、キャビティー内に射出注入された溶融樹脂と一体化させ、樹脂成形体表面に加飾を施す方法である。
このような射出成形同時加飾法は、転写加飾法とラミネート加飾法とに大別することができる。転写加飾法においては、樹脂成形体の表面に積層一体化された加飾シートのうち、基材フィルムのみが剥離除去され、装飾層等の転写層のみが樹脂成形体に残留して積層されるものであり、加飾シートとしては転写加飾シートが用いられる。ラミネート加飾法においては、基材フィルム及びその上に設けられた装飾層を有する加飾シートの全層が、樹脂成形体の表面に積層一体化されるものである。加飾シートとしては表面保護加飾シート(ラミネートシート)が用いられる。
このような射出成形同時加飾法においては、転写加飾シートが予備成形時にあるいは溶融樹脂の射出時に、キャビティーの内周面に沿うように延伸されて密着し得ること(成形性)、その際に加飾シートが真空圧空作用により、あるいは溶融樹脂の圧力、剪断応力による引っ張り等によって、金型形状に沿うために最低必要な量以上に伸ばされて変形しないことが、よい成形品を得るための重要な要件となる。このことは、加飾シートをラミネートシートとして用いる場合も同様であり、特に、奥行きの深い金型を用いるような成形においては、加飾シートに深い絞りがなされることから重要な要件となる。しかし、従来の加飾シートにおいてこれらのすべての物性を同時に満足させることは困難であった。
特開平10−297185号公報 特公昭50−19132号公報 特公昭61−17255号公報
本発明は、上記現状に鑑み、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性に優れた成形品を安価に得ることができ、かつ成形品曲面部にクラックを生じさせない転写加飾シート、表面保護加飾シート並びにこれらを用いた耐候性、耐摩耗性、耐薬品性に優れた成形品を提供することを目的とする。
第1の本発明は、離型性を有する基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる転写加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであることを特徴とする転写加飾シートである。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、更に、水性アクリル樹脂を含有するものであることが好ましい。
上記水性アクリル樹脂は、アセトアセチル基を有するものであることが好ましい。
上記保護層の上に、更に、絵柄層及び接着層が順次設けられたものであることが好ましい。
本発明はまた、上述の転写加飾シートを成形金型内に挟み込み、キャビティー内に樹脂を射出充満させることによって樹脂成形し、その表面に上記転写加飾シートの接着を同時に行う工程(A)、及び、基材フィルムを剥離する工程(B)からなることを特徴とする加飾成形品の製造方法でもある。
第2の本発明は、離型性を有しない基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる表面保護加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであり、上記保護層が形成された面と反対面に、絵柄層及び接着層が順次設けられたことを特徴とする表面保護加飾シートである。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、更に、水性アクリル樹脂を含有するものであることが好ましい。
上記水性アクリル樹脂は、アセトアセチル基を有するものであることが好ましい。
上記基材フィルムと上記接着層との間に絵柄層が設けられたものであることが好ましい。
本発明はまた、上述の表面保護加飾シートを加熱して軟化させて、真空吸引することにより成形品表面に上記表面保護加飾シートを接着させることを特徴とする加飾成形品の製造方法でもある。
本発明はまた、上述の表面保護加飾シートを成形金型内に挟み込み、キャビティー内に樹脂を射出充満させることによって樹脂成形し、その表面に上記転写加飾シートを同時に接着させることを特徴とする加飾成形品の製造方法でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
第1の本発明は、離型性を有する基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる転写加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであることを特徴とする転写加飾シートである。本発明の転写加飾シートは、優れた耐候性、耐摩耗性、耐薬品性や、成形品曲面部にクラックが生じることのない優れた外観を成形品に与えることができる点で優れたものである。また、紫外線等の活性エネルギー線による硬化であるため、硬化設備をコンパクトにでき、短時間に処理できるので製造効率においても優れている。更に、射出成形同時加飾法においても好適に使用することができるものであり、優れた外観、加飾層の密着性、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性に優れた成形品を安価に得ることができる。
本発明の転写加飾シートは、離型性を有するフィルムを基材フィルムとして使用し、上記基材フィルムの片面に保護層及び必要に応じて絵柄層、接着層を形成したものである。本発明の転写加飾シートは、成形品上に加飾層を接着させた後に基材フィルムを剥離することによって加飾を行うものであるから、成形後に容易に基材フィルムを剥離することができる程度の離型性を有するものであることが必要とされる。
上記離型性を有する基材フィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂シート、アルミニウム箔、銅箔等の金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハン等のセルロース系シート又は上述のシートの複合体等、通常の転写加飾シートの基材フィルムとして用いられるものを使用することができる。
上記離型性を有するフィルムとしては、基材フィルムと保護層との剥離性が良好な組合せを選択した場合には、基材フィルム上に保護層を直接設けることができる。基材フィルムと保護層との剥離性が充分でない場合には、上記基材フィルムの表面に離型層を形成することによって、離型性を有する基材フィルムとしたものであってもよい。上記離型層は、離型剤を塗布、乾燥させることによって形成することができる。上記離型剤の塗布方法としては、特に限定されず、グラビヤコート法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げることができる。上記離型剤としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤及びこれらの複合型離型剤等を用いることができる。
上記離型層は、0.01〜0.5μmの厚みに形成することが好ましい。0.01μm未満であると、離型性が低下するという問題を生じるおそれがある。0.5μmを超えると、ロールに巻き取った場合、離型剤の裏移りによる塗工面の汚染という問題を生じるおそれがある。上記厚みは、0.03〜0.3μmであることがより好ましい。
上記保護層は、転写後又は成形同時転写後に、基材フィルム及び離型層を剥離した際に、転写物の最外層となり、光や薬品、摩耗から成形品や絵柄層を保覆するための層である。本発明の転写加飾シートは、上記保護層を水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を使用することによって形成された層とすることによって、保護層中のウレタン樹脂の作用によって、保護層の加工性、耐傷つき性、耐摩耗性等の効果を得ることができるものである。
上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されるものである。
上記工程(1)は、水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装することによって、被膜層を形成する工程であり、上記工程(2)は活性エネルギー線の照射によって硬化する工程である。上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、水性ウレタン樹脂を含有するものであることから、高分子量樹脂であるのに、比較的高固形分で低粘度であるので、良好な塗装作業性が得られ、かつ、良好な活性エネルギー線硬化性が得られるという優れた効果を奏するものであると推測される。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物に使用する水性ウレタン樹脂としては特に限定されず、公知の水分散性ウレタン樹脂を使用することができる。カルボキシル基、水酸基等の活性水素を含有したポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等と、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルへキサメチレンジイソシアネート若しくはリジンジイソシアネート等の分子内に二個のイソシアネート基を有する二官能イソシアネート、これらの二官能イソシアネートの多量体、又は、これらの二官能イソシアネートと水若しくはトリメチロールプロパン等との反応生成物である多官能イソシアネートとの反応生成物等を挙げることができる。上記水性ウレタン樹脂は、分子内に活性エネルギー線硬化性不飽和結合を含んでいるものであってもよい。
上記水性ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、スーパーフレックス150(商品名、第一工業製薬社製)、アデカボンタイターHUX−540(商品名、旭電化社製)、ネオレッツR−972(商品名、アビシア社製)、ハイドランAPX−101H(商品名、大日本インキ社製)、ユーコートUX−350(商品名、三洋化成社製)、ネオステッカー1000(商品名、日華化学社製)等を挙げることができる。
上記重合性不飽和結合含有化合物としては、分子内に1個以上の(メタ)アクリレート基を有するものが挙げられる。具体的には、1,6−ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。上記重合性不飽和結合含有物の分子量が500以下の場合、自身水分散性がなくてもよいが、分子量が500を超える場合は、水分散性を付与されたものであることが好ましい。水分散性を付与した上記重合性不飽和結合含有化合物としては特に限定されず、例えば、ビームセットEM−90(商品名、荒川化学工業社製)、紫光UV−W101(商品名、日本合成化学社製)等を挙げることができる。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、更に、水性アクリル樹脂を含有するものであってもよい。水性アクリル樹脂を含有することによって、密着性等の性質がより改善されたものとなる点で好ましい。
上記水性アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モノマー類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(イソ)ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルモノマー類、スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等の芳香族系モノマー類、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の二塩基酸ジエステルモノマー類、アクリロニトリル、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル等のモノマー類又はこれらの混合物を乳化重合したものが挙げられる。なかでも、アセトアセチル基を含有する(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル等の活性水素含有モノマーを、モノマー全量の0.5〜10質量%使用することによって得られた水性アクリル樹脂は、水性活性エネルギー線硬化組成物の活性エネルギー線硬化性を高め、かつ、絵柄層を形成するインキ、接着剤との密着性を改善する効果を有するので、特に好ましい。
上記水性アクリル樹脂は、上記モノマー混合物を乳化重合することによって得ることができる。上記乳化重合は特に限定されず、例えば、乳化剤存在下における水中で行うことができる。上記乳化剤としては特に限定されず、オレイン酸カリウム、ラウリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性乳化剤、及び、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等の反応性乳化剤を挙げることができる。これらは2種以上使用してもよい。
上記乳化重合における重合開始剤としては特に限定されず、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、パーオキシエステル類等の過酸化物等の水溶性のものを挙げることができる。また、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤と上記過酸化物とを併用してもよい。
また、分子量調整のために必要に応じてn−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を使用してもよい。上記乳化重合によって得られるアクリルエマルジョン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、下限−15℃、上限30℃であることが好ましく、下限−10℃、上限20℃であることがより好ましい。−15℃未満であると、塗膜のブロッキング性が低下するおそれがあり、30℃を超えると、塗膜の加工性が低下するおそれがある。なお、上記Tgは上記モノマー混合物中の各モノマーのホモポリマーのTgと組成比から計算によって求めることができる。
上記水性ウレタン樹脂、重合性不飽和結合含有化合物、水性アクリル樹脂を配合する場合、これらの配合割合はそれぞれ固形分質量比で40〜95/5〜30/0〜30であることが好ましい。上記水性ウレタン樹脂が40質量部未満では、塗膜の加工性、耐摩耗性が劣るおそれがある。95質量部を越えても、それ以上塗膜の加工性、耐摩耗性の向上はなく、耐溶剤性が低下し、経済的にも不利になるおそれがある。上記重合性不飽和結合含有化合物が5質量部未満の場合、硬化性が低下して充分な耐溶剤性が得られないおそれがある。30質量部を越えると、塗膜の加工性が低下するおそれがある。上記水性アクリル樹脂が30質量部を越えてもインキの密着性はそれ以上の向上はない。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、更に、紫外線吸収剤を含有していることが好ましい。紫外線吸収剤を含有すると耐候性を向上させることができる。太陽から地表には300〜400nmの波長域の紫外線が降り注ぎ、これが塗膜の劣化の原因の一つとなるので、上記紫外線吸収剤は300〜400nmに吸収域を有しているものであることが好ましい。具体的には、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系等が挙げられる。
上記サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等を挙げることができる。
上記ベンゾフェノン系としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等を挙げることができる。
上記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、チヌビン1130(α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)とα−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロポキシ]ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)とポリエチレングリコールの混合物)、オクチル−〔3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、オクチル−〔3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5’−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)−6−(1’’−メチル−1’’−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1’−メチルブチル−1’−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール等を挙げることができる。
上記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
上記トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−〔4’−[2’’−ヒドロキシ−3’’−ドデシルオキシピロピル]オキシ〕−2’−ヒドロキシフェニル−4,6−(2’’’,4’’’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−6−(2’’−ヒドロキシ−4’’−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。なかでも、チヌビン1130が水性樹脂への分散性が良好である点で好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記紫外線吸収剤の含有量は、上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物に対して、固形分比で下限0.1質量%、上限30質量%であることが好ましい。上記割合が、0.1質量%未満であると、充分な耐候性が得られないおそれがある。上記割合が30質量%を超えると、硬化性が低下するおそれがある。又、添加量を増やしたことの効果が見られないため、経済的に不利になるおそれがある。上記下限は、より好ましくは0.5質量%であり、更に好ましくは1質量%である。上記上限は、より好ましくは20質量%であり、更に好ましくは15質量%である。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、更にその他の添加剤を含有するものであってもよい。上記その他の添加剤としては、ヒンダードアミン型光安定剤、光重合開始剤等を挙げることができる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、スミソープ577(住友化学社製)、チヌビン622LD、チヌビン144、チヌビン111FDL、チヌビン123、チヌビン292(以上、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−63、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87(以上、旭電化社製)、グッドライトUV−3034(グッドリッチ社製)等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
後述する工程(2)における活性エネルギー線の照射が紫外線照射である場合は、光重合開始剤を添加することが好ましい。上記光重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のヒドロキシケトン類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。光重合開始剤を処理して水分散性を付与させたもの、例えば、イルガキュア819DW(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)等も使用することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記紫外線吸収剤として300〜400nmに吸収域をもつものを使用した場合には、上記光重合開始剤としては400nm以上に感光域をもつものを使用することが好ましい。ただし、吸収域が長波長になりすぎると、可視光領域が存在することになり光重合開始剤自体が有色になるので、保護層が着色することになり好ましくない。従って、このような場合には、上記光重合開始剤は400〜420nmに吸収域をもつ2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、イルガキュア819DW(前出)等のホスフィンオキサイド類が特に好ましい。
上記光重合開始剤の含有量は、上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物に対して、固形分比で、下限0.5質量%、上限10質量%であることが好ましい。0.5質量%未満であると、充分な硬化性が得られないおそれがある。10質量%を超えても添加量を増やしたことの効果が見られないため、経済的に不利になるおそれがある。上記下限は、より好ましくは1質量%であり、更に好ましくは1.5質量%である。上記上限は、より好ましくは8質量%であり、更に好ましくは5質量%である。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物は、水性であり溶媒は水を主体とするものであるが、組成物全量に対して50質量%未満の割合で有機溶剤を含有するものであってもよい。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物に添加できる有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系等を挙げることができる。メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤の添加は、効率的に脱水することができるので特に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物には、必要に応じて重合禁止剤、酸化防止剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、滑剤、可塑剤等を配合することができる。更に、硬化性に悪影響を与えない範囲で、酸化チタン、紺青、カーボンブラック等の着色顔料;塩基性染料系、酸性染料系、媒染染料系の染料;硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク等の体質顔料を配合することもできる。
上記工程(1)において、上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する方法としては、グラビヤコート法、ロールコート法、スプレーコート法等を挙げることができる。
上記保護層は、0.5〜30μmの厚みに形成することが好ましい。0.5μm未満であると耐摩耗性、耐薬品性が劣るおそれがある。30μmを超えると、加工性が低下するだけでなく、経済性からも不利になるおそれがある。上記厚みは、1〜10μmであることがより好ましい。
上記工程(1)の後、40〜200℃の温風で1秒〜10分間程度乾燥させて溶剤を蒸発させた後に、活性エネルギー線を照射することが好ましい。
上記保護層は、上記工程(1)の後、活性エネルギー線の照射によって硬化させる工程(2)を行うことによって形成される。これによって、重合性不飽和結合含有化合物の重合反応を生じさせることによって硬化させるものである。
本発明においては、平面のフィルムに塗装して活性エネルギー線を照射することができるため、短時間で処理ができ、かつ、照射の均一性が高く、高品質の成形品を得ることができる。
上記活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、γ線等を挙げることができる。上記活性エネルギー線が紫外線の場合のエネルギー源としては特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極放電ランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の紫外線ランプ類を挙げることができる。上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物として、300〜400nmに吸収域のある紫外線吸収剤、400〜420nmに吸収域のある光重合開始剤を併用したものを使用した場合には、400〜420nmに強い発光域をもつメタルハライドランプが特に好ましい。また、上記メタルハライドランプで照射した後、365nmに主発光域をもつ高圧水銀灯を照射する二段照射を行うこともできる。
上記紫外線ランプ類は、紫外線とともに熱線を発生する。このため、安定な紫外線発光を得るために、ランプの冷却を行いながら照射することが好ましい。冷却方法としては水冷式、風冷式等を挙げることができる。風冷式の場合は、冷却風がフィルムに当たらないように吸出しを選択することもできる。また、ランプから放出される熱線がフィルムに当たらないように、熱線カットフィルター等を装着した光源も使用できる。
上記活性エネルギー線が電子線の場合は、走査型、非走査型の電子線照射装置をエネルギー源として用いることができる。
上記水性活性エネルギー線硬化被覆組成物により形成された被膜を硬化させるための上記照射量としては、紫外線の場合は50〜10000mJ/cmが好ましく、電子線の場合は1〜50Mradが好ましい。活性エネルギー線の照射量が上記範囲内であると、良好な耐候性、耐摩耗性、耐摩擦性、耐薬品性を得ることができる。
本発明の転写加飾シートは、上記保護層の上に、更に、絵柄層及び接着層が順次設けられたものであることが好ましい。上記絵柄層は、意匠性を得るための絵柄を形成した層であり、接着層は成形品の表面と絵柄層及び保護層の接着性を良好なものとするために形成する層である。
上記絵柄層は、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂、アルキド系樹脂等の樹脂をバインダーとして、適切な色の顔料又は染料を着色剤として含有する着色インキ等による印刷によって形成することができる。
上記印刷の方法としては特に限定されず、例えば、オフセット印刷法、グラビヤ印刷法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。特に多色刷りや階調表現を行うには、オフセット印刷法やグラビヤ印刷法が適している。上記絵柄層は、表現したい絵柄に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合もある。また、上記絵柄層は、金属蒸着層からなるもの又は印刷層と金属蒸着層との組合せからなるものでもよい。
上記接着層は、成形品表面に本発明の転写加飾シートを接着するためのものである。上記接着層は、上記保護層又は絵柄層上の、接着させたい部分に形成される。すなわち、接着させたい部分が全面なら全面に形成し、接着させたい部分が一部分なら部分的に形成するとよい。
上記接着層には、成形品の素材に適した感熱性又は感圧性の樹脂を適宜使用する。例えば、成形品の材質がアクリル系樹脂の場合は、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
また、成形品の材質がポリフェニレンオキサイド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用することが好ましい。更に、成形品の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂を使用することが好ましい。
上記接着層の形成方法としては、グラビヤコート法、ロールコート法等のコート法、グラビヤ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法がある。なお、保護層や絵柄層が成形品に充分な接着性を有する場合には、上記接着層を設けなくてもよい。
また、転写層間に、アンカー層を設けてもよい。アンカー層は、転写層間の密着性を高めたり、薬品から成形品や絵柄層を保護するための樹脂層であり、例えば、二液ウレタン樹脂、メラミン硬化系、エポキシ硬化系等の熱硬化樹脂、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。アンカー層の形成方法としては、グラビヤコート法、ロールコート法等のコート法、グラビヤ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法を挙げることができる。
上述した本発明の転写加飾シートの一例を図1として示した。図1に示した転写加飾シートは、離型性を有する基材フィルム1、離型層2、保護層3、絵柄層4及び接着層5が順に積層されたものである。転写層6は、例えば、保護層3、絵柄層4及び接着層5を合わせたものである。
なお、上記転写加飾シートの構成は、上記した態様に限定されるものではなく、例えば、成形品の地模様や透明性を生かし、表面保護層処理だけを目的とした転写加飾シートを用いる場合には、基材フィルムの上に保護層及び接着層を上述のように順次形成して転写層から絵柄層を省略することができる。
本発明の転写加飾シートは、外観、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性に優れた加飾成形品を製造することもできる。本発明の転写加飾シートは、射出成形同時加飾法に好適に使用することができるものであるが、成形品に対するロール圧着等のその他の転写方法による転写において使用することもできる。上述した転写加飾シートを使用して射出成形同時加飾法を行う加飾成形品の製造方法も本発明の一部である。
本発明の加飾成形品の製造方法は、本発明のシートを成形金型内に挟み込み、キャビティー内に樹脂を射出充満させることによって樹脂成形し、その表面に上記転写加飾シートの接着を同時に行う工程(A)、及び、基材フィルムを剥離する工程(B)からなるものである。
工程(A)は、射出成形同時加飾法によって加飾層を形成した成形品を製造する工程である。工程(A)においては、まず、本発明の転写加飾シートを成形金型内に挟み込む。具体的には、本発明の転写加飾シートを、可動型と固定型とからなる成形用金型内に転写層を内側にして、つまり、基材フィルムが固定型に接するように転写加飾シートを送り込む。この際、枚葉の転写加飾シートを1枚ずつ送り込んでもよいし、長尺の転写加飾シートの必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の転写加飾シートを使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、転写加飾シートの絵柄層と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、転写加飾シートを間欠的に送り込む際に、転写加飾シートの位置をセンサーで検出した後に転写加飾シートを可動型と固定型とで固定するようにすれば、常に同じ位置で転写加飾シートを固定することができ、絵柄層の位置ずれが生じないので便利である。
射出成形同時加飾法の一例を、転写加飾シートを用いる場合について、図5、図6を用いて説明する。図5及び図6は、射出成形同時加飾法における成形工程の一例を示す説明図であって、本発明の方法はこれらに限定されるものではない。射出成形同時加飾装置60は、雌金型70と、この雌金型70の側方に対向配置された雄金型80とを備えている。雌金型70は、得るべき成形体の外形に対応するキャビティー72が設けられるとともに、その内部に上記キャビティー72に開口する吸気孔74が設けられていて、シリンダ等からなる進退装置75により雄金型80に対して接近−離隔する方向に進退動するようになっている。また、雄金型80は、上記キャビティー72内に挿入されるコア部82を有し、その内部に溶融樹脂を注入するためのゲート84が設けられている。そして、必要に応じて、上記雌金型70と雄金型80との間に進退可能に熱盤90が配されている。
装置60を用いて射出成形と同時に加飾を行うには、まず、雌金型70の側方に転写加飾シート100を対向配置し、この転写加飾シート100を必要に応じて上記熱盤90により適当な温度で加熱軟化させ、次いで、転写加飾シート100を雌金型70と熱盤90との間に挟んでキャビティー72の開口面を閉じ、雌金型70に設けられた吸気孔74を通じて真空引きを行うとともに、所望により、熱盤90に設けられた通気孔を通じて圧空供給を行う。両金型は通常30〜50℃程度に加熱されている。
これにより、転写加飾シート100は図5に示されるように、キャビティー72の内周面に沿うように延伸されて密着する。この工程は一般に予備成形と呼ばれており、通常軟化されたシートを最大200%程度まで延伸させる。続いて、熱盤90を退避させ、図6に示されるように、雌金型70を前進させることにより、雄金型80と合体させて型締めを行った後、雌金型70と雄金型80との間に形成されるキャビティー空間に、雄金型80に設けられたゲート84を通じて流動状態の樹脂成形材料を注入充填して射出成形を行う。
これにより、雌金型70内の転写加飾シート100が注入樹脂と一体化して貼り付き、射出成形完了後に型開きを行うと、型内から外表面に転写加飾シート100が貼着された成形体が取り出される。後工程において、成形体の外表面に一体化した転写加飾シート100のうちの基体フィルムのみを剥離し、装飾層等の転写層を成形体側に残留させて転写層となすことにより加飾が完了する。
上記シートを所定の位置に配置した後、上記シートを成形金型表面に密着させることが好ましい。このような密着は、例えば、上記シートを加熱して軟化させて、真空吸引することにより行うことができる。上記転写加飾シートを加熱して軟化させる方法としては、温度80〜150℃、3〜15秒間が挙げられる。
次に、成形用金型を閉じて上記転写加飾シートを成形金型内に挟み込んだ後、可動型に設けたゲートより溶融樹脂を、得るべき成形体の外形に対応するキャビティー内に射出充満させ、成形品を形成するのと同時にその面に転写加飾シートを接着させる。
工程(A)によって得た樹脂成形品は、冷却した後成形用金型を開いて金型から取り出すことができる。上記工程(A)によって得られた樹脂成形品は、次に、基材フィルムを剥離する(工程(B))。基材フィルムは離型性を有するものであることから、冷却後には基材フィルムと保護層との境界面で容易に剥離することができる。なお、基材フィルムが表面に離型層を設けることによって離型性を付与したものである場合は、基材フィルムを剥がすと、離型層と保護層との境界面で剥離が起こる。このようにして、本発明の転写加飾シートにより、優れた外観、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性を有する加飾樹脂成形品を得ることができる。
上述の射出成形による成形同時転写法に適用できる樹脂材料としては、射出成形可能な熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂(2液硬化性樹脂を含む)であれば特に限定されず、様々な樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂材料としては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AN樹脂等の汎用樹脂;ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等のエンジニアリング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー等の補強材を添加した複合樹脂も使用できる。
上記加飾樹脂成形品の形状は特に限定されるものではなく、用途に応じて任意の形状のものとすることができる。上記加飾樹脂成形品が板状形状である場合、上記加飾樹脂成形品を構成する樹脂成形品の厚みについては特に限定はなく、1〜5mmであることが好ましく、更に好ましくは2〜3mmである。
図2は、板状形状を有する本発明の加飾樹脂成形品の一例の構成を示す部分断面図であり、加飾樹脂成形品20は、転写加飾シート10がラミネートシートとしてその全層が樹脂成形品7上に積層された構造を有している。
本発明の転写加飾シートは、その他の方法による樹脂成形品の加飾に使用することもできる。すなわち、射出成形同時加飾法以外の方法でも転写を行うことができる。本発明の転写加飾シートを用いて、成形品を加飾する方法としては、例えば、ゴムロールを使用した加熱加圧による転写方法等を挙げることができる。
上記ゴムロールを使用した加熱加圧による転写を行う方法を以下に詳述する。まず、接着層側を下にして、成形品上に転写加飾シートを配置する。次に、耐熱ゴム状弾性体、例えばシリコーンラバーを備えたロール転写機、アップダウン転写機等の転写機を用い、温度80〜260℃、圧力50〜200kg/mの条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を介して転写加飾シートの基材フィルム側から熱及び/又は圧力を加える。これによって、上記転写加飾シートを成形品表面に接着することができる。接着後、基材フィルムを剥離することによって、加飾成形品が得られる。
上記ゴムロールを使用した加熱加圧による転写を行う場合、加飾される成形品は、素材を限定されるものではなく、特に樹脂成形品、木工製品又はこれらの複合製品等を加飾することができる。上記加飾される成形品は、透明、半透明、不透明のいずれでもよく、着色されていてもよい。
第2の本発明は、離型性を有しない基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる表面保護加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであり、上記保護層が形成された面と反対面に、絵柄層及び接着層が順次設けられたことを特徴とする表面保護加飾シートである。すなわち、第2の本発明は、転写ではなくラミネートによる加飾に使用される表面保護加飾シートである。本発明の表面保護加飾シートによっても、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性に優れた成形品を製造することができる。
上記表面保護加飾シートは、離型性を有しない基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる表面保護加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであり、上記保護層が形成された面と反対面に、絵柄層及び接着層が順次設けられたことを特徴とするものである。
図3に、本発明の表面保護加飾シートの一例を示す。表面保護加飾シート11は、例えば、離型性を有しない基材フィルム1の片面に保護層3が設けられ、反対面に絵柄層4及び接着層5が設けられたものである。
上記表面保護加飾シートは、基材フィルムとして離型性を有しない材料を用い、また保護層の上に重ねて絵柄層や接着層を形成しないこと以外は転写加飾シートと同様の材料及び工程で作成される。上記離型性を有しない基材フィルムとしては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂シートを使用することができる。また、成形品の地模様や透明性を生かし、表面保護処理だけを目的とした表面保護加飾シートを用いる場合には、絵柄層を省略することができる。なお、基材フィルムや絵柄層が成形品に対して充分な接着性を有する場合には、接着層を設けなくてもよい。
上記表面保護加飾シートを用いた加飾成形品の製造方法は、上記表面保護加飾シートを成形金型内に挟み込み、キャビティー内に樹脂を射出充満させることによって樹脂成形し、その表面に上記表面保護加飾シートを同時に接着させる方法である。上記表面保護加飾シートを用いた加飾成形品は、上述の転写加飾シートを用いた加飾成形品の製造方法と、同様にして製造することができる。
上記表面保護加飾シートはまた、あらかじめできた成形品を加飾することもできる。上述の転写加飾シートを用いて加飾する場合と同様に、上記表面保護加飾シートを、接着層側が成形品表面に接するように配置し、次にヒーター等により基材フィルムを加熱して軟化させた後、下方より真空吸引して、接着層を成形品表面に接着させることにより、上記表面保護加飾シートを用いた加飾成形品を製造することができる。
本発明の転写加飾シートは、離型性を有する基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる転写加飾シートであって、上記保護層は、水性ウレタン樹脂及び重合性不飽和結合含有化合物を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成されたものであることを特徴とする転写加飾シートである。このため、優れた耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性を有し、かつ良好な外観を有する成形品を安価に得ることができる。
本発明の転写加飾シート、表面保護加飾シートは、上述した構成からなるものであるため、優れた外観、耐候性、耐摩耗性及び耐薬品性を有する成形品を安価に得ることができる。従って、本発明のシートは、プラスチック成形品等の表面の保護及び装飾に好適に適用される。
以下に本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
(製造例1)
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、脱イオン水68.5部、レベノールWZ(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、花王社製)1部を仕込み、充分窒素置換して内温を80℃まで昇温して保持した後、10%濃度に溶解した過硫酸アンモニウム水溶液1部を添加すると同時に、スチレン66部、2−エチルヘキシルアクリレート28.5部、アクリル酸3.5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、アセトアセトキシエチルメタクリレート8.5部、n−ドデシルメルカプタン0.85部、レベノールWZ(前出)8部、及び、脱イオン水49.4部からなるモノマー乳化混合物、並びに、2%濃度に溶解した過硫酸アンモニウム水溶液10部を並行して3時間かけて滴下した。反応容器内を80℃に保持したまま5時間攪拌を続けた。その後、室温まで冷却して25%アンモニア水2部を添加して充分攪拌し、固形分46%のアセトアセチル基含有アクリルエマルジョン樹脂を得た。
参考例1)
スーパーフレックス150(水性ウレタン樹脂、固形分30%、第一工業製薬社製)300部、UV−101W(水性ウレタンアクリレート、固形分20%、日本合成社製)50部、チヌビン1130(α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロポキシ]ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)、ポリエチレングリコールの混合物、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)4部、チヌビン292(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)1部、イルガキュア819DW(水性光重合開始剤、有効成分45%、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)4.5部、メタノール69部からなる紫外線硬化被覆組成物を、グラビヤコーターで、離型層を施した50μmのポリエステル樹脂系フィルムに乾燥膜厚7μmになるように塗装し、60℃の温風で5分予備乾燥させた後に、集光型メタルハライドランプMBL−250NL(120W/cm、オゾンタイプ石英管、発光域200〜430nm、日本電池社製)1灯の下を15m/分の速度で通過させて紫外線を照射し硬化させた。この時の紫外線照射量は530mJ/cmであった。この転写加飾シートの塗布面に絵柄層としてアクリル系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビヤコーターで順次印刷し、図1に示す層構成の転写加飾シートを形成した。得られた絵柄層形成転写加飾シートを用い射出成形同時加飾法により成形品の表面に転写した後、基材フィルムを剥がし、加飾成形品を得た。尚、成形条件は、樹脂温度230℃、金型温度50℃、樹脂圧力約140MPaとした。成形品は、材質をABS樹脂とし、図4に示すような凹凸のある成形面をもつ金型を用い成形した。なお、図4に記載される数値は、上記金型の各部分のサイズ(mm)を示す。
(実施例2)
上記紫外線硬化被覆組成物が、スーパーフレックス150HS(水性ウレタン樹脂、固形分38%、第一工業製薬社製)210部、製造例1のアセトアセチル基含有アクリルエマルジョン樹脂22部、アロニックスM350(トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、東亜合成社製)10部、チヌビン1130(前出)4部、チヌビン292(前出)1部、及び、予めイルガキュア819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)2部をメタノール179部に溶解した溶液からなるものであること以外は参考例1と同様にして、加飾成形品を得た。
参考例3)
上記紫外線硬化被覆組成物が、ネオステッカー1000(アクリル変性水性ウレタン樹脂、固形分36%、日華化学社製)250部、アロニックスM350(前出)10部、チヌビン1130(前出)4部、チヌビン292(前出)1部、及び、予めイルガキュア819(前出)52部をメタノール127部に溶解した溶液からなるものであること以外は参考例1と同様にして、加飾成形品を得た。
参考例4)
参考例1の紫外線硬化被覆組成物を、離型層を施していない50μmのポリエステル樹脂フィルムに乾燥膜厚7μmになるように塗装し、60℃の温風で5分予備乾燥させた後に集光型メタルハライドランプMBL−250NL(前出)1灯の下を15m/分の速度で通過させて紫外線を照射し硬化させた。この時の紫外線照射量は530mJ/cmであった。この転写加飾シートの塗布面と反対面に絵柄層としてアクリル系インキ、接着層としてアクリル樹脂をグラビヤコーターで順次印刷形成した。得られた絵柄層形成転写加飾シートを用い射出成形同時加飾法により成形品の表面にラミネートして加飾成形品を得た。尚、成形条件は、樹脂温度230℃、金型温度50℃、樹脂圧力約140MPaとした。成形品は、材質をABS樹脂とし、図4に示すような凹凸のある成形面を持つ金型を用い成形した。
(実施例5)
実施例2の紫外線硬化被覆組成物を使用して、参考例3と同様にして加飾成形品を得た。
(比較例1)
紫外線硬化被覆組成物が、スーパーフレックス150(前出)300部、チヌビン1130(前出)3.6部、チヌビン292(前出)0.9部、及び、予めイルガキュア819(前出)1.8部をメタノール79部に溶解した溶液からなるものであること以外は参考例1と同様にして、加飾成形品を得た。
(評価方法)
実施例、参考例及び比較例で得られた加飾成形品について、外観、密着性、耐溶剤性、耐摩耗性、耐湿性、耐候性を下記の方法で評価し、得られた結果を表1に示した。
<外観>
コーナー部のクラックの有無を目視にて判断し、下記の基準にて評価した。
〇:全くクラックがない
△:若干のクラックがある
×:かなりのクラックがある
<密着性>
塗面に鋭利なカッターで1mm間隔の碁盤目を100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。塗膜の残存数を測定し、下記の基準にて評価した。
〇:残存数が90個以上
△:残存数が50個以上、90個未満
×:残存数が50個未満
<耐溶剤性>
メチルエチルケトンを含ませた脱脂綿で塗面を擦る。塗膜の侵され具合を目視にて判断し、下記の基準で評価した。
〇:全く変化なし
△:若干侵される
×:かなり侵される
<耐摩耗性>
摩耗輪CS−10を装着したテーバー摩耗試験機で100回転させ摩耗の程度を目視にて判断し、下記の基準で判断した。
〇:下地の露出が全くない
△:下地の露出が若干ある
×:著しい下地の露出がある
<耐湿性>
50℃×95%RHの環境にて168時間放置後取り出し、1時間常温で放置して外観を観察し、下記の基準にて評価した。
〇:変化なし
△:少々外観変化なし
×:著しく変化あり
<耐候性>
促進耐候試験機(キセノンウエザオメータ ATLAS社製)にセットして、75MJ/cm照射後に目視にて判断し、下記の基準にて評価した。
〇:変化なし
△:少々外観変化あり
×:著しく外観変化あり
Figure 0004695403
表1より、実施例のシートは、外観、密着性、耐溶剤性、耐摩耗性、耐湿性、耐候性の全てにおいて良好であったが、比較例のシートは、すべてが良好なものではなかった。
本発明の転写加飾シート及び表面保護加飾シートは、プラスチック成形品等の表面の保護及び装飾に好適に適用される。
本発明の転写加飾シートの構成の一例を示す断面図である。 本発明の加飾樹脂成形品の構成の一例を示す部分断面図である。 本発明の表面保護加飾シートの構成の一例を示す断面図である。 実施例及び比較例で用いた雌金型の断面図である。 射出成形同時加飾法における一例の成形工程の一部を示す説明図である。 射出成形同時加飾法における一例の成形工程の一部を示す説明図である。
符号の説明
1 基材フィルム
2 離型層
3 保護層
4 絵柄層
5 接着層
6 転写層
7 樹脂成形品
10、100 転写加飾シート
11 表面保護加飾シート
20 加飾樹脂成形品
60 射出成形同時加飾装置
70 雌金型
72 キャビティー
74 吸気孔
75 進退装置
80 雄金型
82 コア部
84 ゲート
90 熱盤

Claims (5)

  1. 離型性を有する基材フィルムの片面に、保護層を形成してなる転写加飾シートであって、
    前記保護層は、水性ウレタン樹脂重合性不飽和結合含有化合物、およびアセトアセチル基を有する水性アクリル樹脂を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を塗装する工程(1)、並びに、活性エネルギー線の照射によって硬化する工程(2)によって形成され
    前記保護層は、転写後に、基材フィルムから離型した際に転写物の最外層に位置するところに形成されたものである
    ことを特徴とする転写加飾シート。
  2. 前記保護層の上に、更に、絵柄層及び接着層が順次設けられたものである請求項記載の転写加飾シート。
  3. 水性ウレタン樹脂、重合性不飽和結合含有化合物、およびアセトアセチル基を有する水性アクリル樹脂を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を、離型性を有する基材フィルムの片面に塗装する工程(1)、および
    塗装により得られた層に、活性エネルギー線を照射して硬化させて、保護層を形成する工程(2)
    を包含する、転写加飾シートの製造方法。
  4. 水性ウレタン樹脂、重合性不飽和結合含有化合物、およびアセトアセチル基を有する水性アクリル樹脂を含有する水性活性エネルギー線硬化被覆組成物を、離型性を有する基材フィルムの片面に塗装し、次いで活性エネルギー線の照射によって硬化させて、保護層を形成する工程、および
    得られた保護層の上に、絵柄層及び接着層を順次設ける工程、
    を包含する、転写加飾シートの製造方法。
  5. 請求項1または2記載の転写加飾シートを成形金型内に挟み込み、キャビティー内に樹脂を射出充満させることによって樹脂成形し、その表面に前記転写加飾シートの接着を同時に行う工程(A)、及び、基材フィルムを剥離する工程(B)からなる
    ことを特徴とする加飾成形品の製造方法。
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