JP4690314B2 - N−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、N−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法に関する。より詳しくは、多価カルボン酸又はその環状酸無水物とヒドロキシアミン又はその塩とを反応させて、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造する方法に関する。N−ヒドロキシ環状イミド化合物は、写真現像液中の酸化剤、ペプチド合成用試薬や酸化触媒、殺虫剤合成用の中間体、重合反応の開始剤等として有用である。
N−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法として、環状酸無水物とヒドロキシルアミンとを反応させる方法が広く知られている。特開2001−233854号公報には、環状酸無水物とヒドロキシルアミンとをカルボン酸溶媒中で反応させることにより、N−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造する方法が示されている。しかし、この方法では、環状酸無水物に対するN−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率が60〜70%と低く、工業的に十分満足できる方法とは言えない。特許第3288682号公報には、環状酸無水物とヒドロキシルアミン塩とを溶媒中で、塩基を添加することなく反応させて、N−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造する方法が開示されている。この方法では、N−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率は40%から90%と大きな幅があり、ヒドロキシルアミン塩を環状酸無水物に対して約2倍モル量用いたときに高い収率が得られている。
このように、従来の環状酸無水物とヒドロキシルアミンとの反応によりN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得る方法では、環状酸無水物に対するN−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率が悪く、環状酸無水物の利用率が低い。これを改善するため未反応の環状酸無水物を回収して再利用することも考えられるが、これには回収設備費等の費用がかかり、経済的に不利となる。環状酸無水物に対してヒドロキシルアミンを過剰量用いると、N−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率は向上するが、この場合にはヒドロキシルアミンの利用率が低下し、やはり経済的に不利となる。
一方、文献等に記載されているN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法において、ヒドロキシルアミン又はその塩と反応させる原料成分は、ほとんどが環状酸無水物であり、ジカルボン酸を用いた例はほとんどない。そのため、環状酸無水物に変換困難なジカルボン酸からN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得ることは実質的に不可能であった。また、環状酸無水物に変換容易なジカルボン酸であっても、ジカルボン酸から環状酸無水物を経ることなく直接N−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造できる方法が開発されれば、環状酸無水物化工程が不要となり、設備費等の面で経済的に極めて有利になる。
特開2001−233854号公報 特許第3288682号公報
従って、本発明の目的は、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸の何れからでも、収率良くN−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、原料成分の利用率の高いN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、多価カルボン酸環状無水物又は多価カルボン酸とヒドロキシルアミン又はその塩とを、反応系内の水を除去しながら反応させると、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物が収率よく生成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸又はこれらの混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩とを、有機溶媒中、脱水操作を施しながら反応させて、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得るN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法であって、ヒドロキシルアミン水溶液を反応系に逐次添加して反応を行うことを特徴とする、N−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法を提供する。
また、本発明は、多価カルボン酸、又は多価カルボン酸と多価カルボン酸環状無水物との混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩とを、有機溶媒中、脱水操作を施しながら反応させて、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得るN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法を提供する。
前記多価カルボン酸環状無水物には、下記式(1)
Figure 0004690314
[式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfのうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。なお、分子内に環状酸無水物骨格を2以上有していてもよい。nは0、1又は2を示す]
で表される化合物が含まれる。
多価カルボン酸環状無水物として、例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸モノ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、及び2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物から選択された少なくとも1種の化合物を使用できる。
前記多価カルボン酸には、下記式(2)
Figure 0004690314
[式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、Ra、Rb、Rc、Rd、Re及びRfのうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。なお、分子内に環状イミド骨格を形成可能な1対のカルボキシル基を2以上有していてもよい。nは0、1又は2を示す]
で表される化合物が含まれる。
多価カルボン酸として、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、及び2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸から選択された少なくとも1種の化合物を使用できる。
前記製造法において、水と共沸可能な有機溶剤を反応溶媒の全部又は一部として用い、反応系内の水を前記有機溶剤との共沸により除去しながら反応を行うのが好ましい。この場合、共沸留出液を、水を除去した後に反応系にリサイクルしてもよい。有機溶剤としては、例えば、カルボン酸、エステル、ケトン、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、及びハロゲン化炭化水素から選択された少なくとも1種の溶媒を用いることができる。
本発明によれば、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸の何れからでも、収率良くN−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造することができる。また、原料成分の利用率を大きく改善できる。
実施例1〜6で用いた反応装置を示す概略図である。 比較例1〜5で用いた反応装置を示す概略図である。
符号の説明
1,11 フラスコ
2,12 還流式冷却管
3 ディーンスターク式分留器
4,14 温度計
5,15 撹拌翼
[多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸]
本発明では、一方の原料成分として、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸、又はこれらの混合物(例えば、多価カルボン酸環状無水物とそれに対応する多価カルボン酸との混合物)を用いる。多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸は、それぞれ、2以上混合して使用することもできる。また、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸に光学異性体が存在する場合には、1つの光学異性体のみを用いてもよく、複数種の光学異性体の混合物を用いてもよい。
多価カルボン酸環状無水物としては、分子内に少なくとも1つの環状酸無水物骨格を有する化合物であれば特に限定されない。多価カルボン酸環状無水物は、一般に、下記式(I)
Figure 0004690314
(式中、Aは主鎖に2以上の原子を有する2価の有機基である)
で示される。
また、多価カルボン酸としては、分子内に環状イミド骨格を形成可能な1対のカルボキシル基(2個のカルボキシル基)を少なくとも1組有する化合物であれば特に限定されない。多価カルボン酸は、一般に、下記式(II)
Figure 0004690314
(式中、Aは前記に同じ)
で示される。
前記Aにおける2価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アリレン基、2価の脂環式炭化水素基等の2価の炭化水素基、及びこれらが、酸素原子、硫黄原子等の連結基を介して又は介することなく2以上結合した2価の基などが挙げられる。
アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基などの炭素数1〜20(好ましくは1〜12、さらに好ましくは2〜4)程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基などが挙げられる。アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、プロペニレン基などの炭素数2〜20(好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜4)程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基などが挙げられる。アリレン基としては、例えば、o−フェニレン、1,8−ナフチレン基などが挙げられる。2価の脂環式炭化水素基には、例えば、1,2−シクロペンチレン、1,2−シクロヘキシレン基等のシクロアルキレン基;1−シクロヘキセン−1,2−イレン、4−シクロヘキセン−1,2−イレン基等のシクロアルケニレン基;デカリン−2,3−イレン、デカリン−1,8−イレン、ノルボルナン−2,3−イレン、ノルボルネン−5,6−イレン基などの2価の多環脂環式基(橋架け環式基)などが含まれる。
これらのアルキレン基等の2価の炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基などが挙げられる。
前記ハロゲン原子には、ヨウ素、臭素、塩素およびフッ素原子が含まれる。アルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基が含まれる。ハロアルキル基には、クロロメチル、トリフルオロメチル基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)の直鎖状又は分岐鎖状ハロアルキル基が含まれる。
アリール基には、例えば、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル基などが含まれる。アラルキル基には、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル基などが含まれる。シクロアルキル基には、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などが含まれる。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、オクタデシルオキシ基などの炭素数1〜30程度(特に、炭素数1〜20程度)のアルコキシ基が含まれる。
置換オキシカルボニル基には、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ヘキサデシルオキシカルボニル基などのC1-30アルコキシ−カルボニル基(特に、C1-20アルコキシ−カルボニル基);シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル基などのシクロアルキルオキシカルボニル基(特に、3〜20員シクロアルキルオキシカルボニル基);フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基(特に、C6-20アリールオキシ−カルボニル基);ベンジルオキシカルボニル基などのアラルキルオキシカルボニル基(特に、C7-21アラルキルオキシ−カルボニル基);ソジウムオキシカルボニル基等のメタロキシカルボニル基(金属塩化されたカルボキシル基)などが挙げられる。
置換若しくは無置換カルバモイル基には、カルバモイル;N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル基などのN−炭化水素基置換カルバモイル基やN,N−ジ炭化水素基置換カルバモイル基などが含まれる。
アシル基としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル基などのC1-30脂肪族アシル基(特に、C1-20脂肪族アシル基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシル基;アセトアセチル基;シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル基などのシクロアルカンカルボニル基等の脂環式アシル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基などが例示できる。
アシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、オクタノイルオキシ、デカノイルオキシ、ラウロイルオキシ、ミリストイルオキシ、パルミトイルオキシ、ステアロイルオキシ基などのC1-30脂肪族アシルオキシ基(特に、C1-20脂肪族アシルオキシ基)等の脂肪族飽和又は不飽和アシルオキシ基;アセトアセチルオキシ基;シクロペンタンカルボニルオキシ、シクロヘキサンカルボニルオキシ基などのシクロアルカンカルボニルオキシ基等の脂環式アシルオキシ基;ベンゾイルオキシ、ナフトイルオキシ基などの芳香族アシルオキシ基などが例示できる。
置換オキシスルホニル基としては、例えば、メトキシスルホニル基などのアルコキシスルホニル基;シクロヘキシルオキシスルホニル基などのシクロアルキルオキシスルホニル基;フェニルオキシスルホニル基などのアリールオキシスルホニル基;ベンジルオキシスルホニル基などのアラルキルオキシスルホニル基;ソジウムオキシスルホニル基などのメタロキシスルホニル基(金属塩化されたスルホ基)などが挙げられる。置換若しくは無置換スルファモイル基としては、例えば、スルファモイル;N−メチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル基などのN−炭化水素基置換スルファモイル基やN,N−ジ炭化水素基置換スルファモイル基などが挙げられる。置換若しくは無置換アミノ基には、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ基などのN−炭化水素基置換アミノ基やN,N−ジ炭化水素基置換アミノ基が挙げられる。また、置換若しくは無置換ホスホノ基としては、例えば、ホスホノ;メチルホスホノ、ジメチルホスホノ、フェニルホスホノ、ジフェニルホスホノ基などのO−炭化水素基置換ホスホノ基などが挙げられる。置換若しくは無置換ホスホノオキシ基としては、例えば、ホスホノオキシ;メチルホスホノオキシ、ジメチルホスホノオキシ、フェニルホスホノオキシ、ジフェニルホスホノオキシ基などのO−炭化水素基置換ホスホノオキシ基;O,O′−ジソジオホスホノオキシ基などのO−金属置換ホスホノオキシ基などが挙げられる。
前記置換基が複数存在するときには、その内少なくとも2つが結合して、Aを構成する原子と共に、芳香族性又は非芳香族性の環を形成してもよい。好ましい芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜10員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよいが、炭化水素環である場合が多い。このような環には、例えば、シクロヘキサン環などの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シクロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロアルケン環、橋かけ環(5−ノルボルネン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素環など)、ベンゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい芳香族環(縮合環を含む)が含まれる。前記環は、芳香族環で構成される場合が多い。前記環は、前記2価の炭化水素基が有していてもよい置換基として例示した置換基、例えば、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
好ましい多価カルボン酸環状無水物は前記式(1)で表される。また、好ましい多価カルボン酸は前記式(2)で表される。式(1)、(2)中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfにおけるハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、置換若しくは無置換ホスホノオキシ基としては前記と同様の基が例示される。
a、Rb、Rc、Rd、Re及びRfのうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。このような芳香族性若しくは非芳香族性の環としては、前記Aにおける2価の炭化水素基が有していてもよい少なくとも2つの置換基が結合して形成する芳香族性又は非芳香族性の環と同様の環が挙げられる。このような環は、前記と同様の置換基、例えば、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子などを有していてもよい。
多価カルボン酸環状無水物の代表的な例として、下記式(1a)〜(1l)
Figure 0004690314
(式中、R1〜R49は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、R1〜R49のうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい)
で表される化合物が挙げられる。
式(1a)〜(1l)中、R1〜R49におけるハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、置換若しくは無置換ホスホノオキシ基、R1〜R49のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに形成する芳香族性若しくは非芳香族性の環としては前記と同様の基や環が例示される。
式(1a)〜(1l)で表される化合物の具体例として、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸モノ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、及び2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物などが挙げられる。
また、多価カルボン酸の代表的な例として、下記式(2a)〜(2l)
Figure 0004690314
(式中、R50〜R106は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、R50〜R104のうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい)
で表される化合物が挙げられる。
式(2a)〜(2l)中、R50〜R106におけるハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、置換若しくは無置換ホスホノオキシ基、R50〜R106のうち少なくとも2つが互いに結合して隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに形成する芳香族性若しくは非芳香族性の環としては前記と同様の基や環が例示される。
式(2a)〜(2l)で表される化合物の具体例として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸などが挙げられる。
[ヒドロキシルアミン又はその塩]
本発明では、もう一方の原料成分として、ヒドロキシルアミン又はその塩を用いる。ヒドロキシルアミンの塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の強酸の塩などが挙げられる。ヒドロキシルアミンの塩を用いる場合は、使用前又は反応系内で塩基を作用させて遊離のヒドロキシルアミン又はヒドロキシルアミンの弱酸塩に変換してもよい。塩基としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;酢酸カリウム、酢酸ナトリウムなどのアルカリ金属酢酸塩等のアルカリ金属カルボン酸塩などが例示される。前記塩基の使用量は、ヒドロキシルアミンの塩に対して、通常は1〜5当量、好ましくは1〜2当量、さらに好ましくは1〜1.5当量である。
ヒドロキシルアミン又はその塩は、そのまま使用してもよく、水溶液等の溶液又は分散液の形態で使用してもよい。ヒドロキシルアミン又はその塩の使用量は、多価カルボン酸環状無水物の酸無水物基、又は多価カルボン酸の環状イミド骨格を形成可能な1対のカルボキシル基(2つのカルボキシル基からなる組)(多価カルボン酸環状無水物と多価カルボン酸の混合物を用いる場合には、酸無水物基と1対のカルボキシル基の総量)に対して、通常0.5〜10当量、好ましくは1〜2当量、さらに好ましくは1〜1.5当量である。
[反応]
多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸又はこれらの混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩との反応は、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸などのカルボン酸(炭素数1〜20程度のカルボン酸等);メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン等の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの置換基を有していてもよい脂環式炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;エチルメチルケトンなどのケトン;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド類;これらの混合物が挙げられる。なお、反応原料を溶解させるために水を溶媒として用いることもできる。これらの溶媒の使用量は、反応を損なわない範囲で適宜選択できるが、通常、反応に用いる多価カルボン酸環状無水物及び多価カルボン酸の総量100重量部に対して、一般には10〜5000重量部、好ましくは30〜2000重量部、さらに好ましくは50〜700重量部程度である。
本発明の方法の重要な特徴は、反応を脱水操作を施しながら行う点にある。脱水の対象となる水には、反応原料等を溶解する溶媒として用いられた水、及び反応(ヒドロキシルアミン塩と塩基との中和反応を含む)で副生する水等が含まれる。脱水の方法としては、特に限定されないが、物理的に水を分離除去する方法、化学的に水を除去する方法、及びこれらの組み合わせが挙げられる。物理的に水を分離除去する方法には、(a)反応系内に水を吸収又は吸着する物質を存在させたり、該物質を充填した塔や槽に反応液を循環させて、反応系中の水を吸収又は吸着する方法、(b)反応系中の水を、単独で又は水と共沸可能な有機溶剤との共沸により留去させる方法等がある。水と共沸可能な有機溶剤は反応溶媒の全部又は一部として用いられる。化学的に水を除去する方法には、(c)水と実質的に非可逆的に反応する物質を反応系内に存在させておく方法などがある。
前記(a)の方法において使用する水を吸収又は吸着する物質としては、例えば、モレキュラーシーブ、シリカゲル、活性炭、高分子吸水剤などが挙げられる。
前記(b)において使用される水と共沸可能な有機溶剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、イソ吉草酸などのカルボン酸;クロロ酢酸メチル、アクリル酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、ギ酸イソプロピル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、炭酸ジエチル、硝酸イソアミル、ギ酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、酪酸ブチル、イソ酪酸エチル、イソ吉草酸メチル、プロピオン酸プロピル、酢酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、酪酸プロピル、カプロン酸メチル、イソ酪酸プロピル、イソ酪酸イソプロピル、安息香酸メチル、酢酸フェニル、酪酸イソブチル、イソ酪酸イソブチル、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、イソ酪酸イソアミル、桂皮酸メチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソブチル、安息香酸イソアミルなどのエステル;エチルメチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、フェノール、トルエン、m−キシレン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素;エタノール、アリルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、フルフリルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、2−ペンタノール、tert−アミルアルコール、シクロヘキサノール、1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソアミルアルコールなどのアルコール;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチレン、trans−1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;エピクロルヒドリン、エチルエーテル、メチルプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、イソプロピルエーテル、1,2−ジエトキシエタン、アニソール、フェネトール、シネオール、フェニルエーテルなどのエーテル;アセトニトリル、アクリロニトリルなどのニトリル;クロラール、パラアルデヒド、トリオキサン、サフロールなどのアルデヒド類及びアセタール類;二硫化炭素などの含硫黄化合物;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;ピペリジン、ピリジン、3−メチルピリジン、ニコチンなどの含窒素複素環化合物;フェノールなどのフェノール類などが挙げられる。
これらの有機溶剤は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、カルボン酸、エステル、ケトン、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ハロゲン化炭化水素などが特に好ましい。
前記(b)においては、水と共沸する有機溶剤の使用量を低減するため、共沸留出液から水を除去し、残った有機溶剤を反応系に戻すのが好ましい。この場合、水の除去方法としては、共沸留出液を、水を吸収又は吸着する物質に接触させて水を除いた後、反応系に戻す方法が挙げられる。水を吸収又は吸着する物質としては前記例示のものを使用できる。また、別の方法として、水と共沸する有機溶剤が、共沸組成において有機層と水層の2層に分液するような溶剤である場合には、共沸留出液を分液させ、水層を除去し、有機層のみを反応系に戻す方法がある。このような水と共沸し且つ水と分液する有機溶剤の代表的な例として、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
前記(c)において、水と実質的に非可逆的に反応する物質としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸などの炭素数1〜12程度のカルボン酸に対応するカルボン酸無水物等の鎖状酸無水物(非環状酸無水物)が例示できる。
反応温度は、反応速度の観点より、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは90℃以上である。また、生成物の安定性を考慮すると、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、さらに好ましくは160℃以下である。反応圧力は特に制限はないが、常圧での沸点が低い溶媒を反応溶媒として用いる場合には、反応速度を高めるため、反応系を加圧にして沸点を上昇させ反応温度を高めるのが好ましい。
反応方式は、反応器に原料、溶媒等を張り込んで反応を開始し、反応終了後に反応生成物を抜き取るバッチ方式、原料、溶媒等の全部又は一部を反応器に連続的に供給しつつ反応を行い、反応終了後に反応生成物を抜き取るセミバッチ方式、原料、溶媒の全部又は一部を反応器に連続的に供給しつつ反応を行い、反応生成物(反応液)を連続的に抜き取る連続方式等の何れの方式であってもよい。
なお、遊離のヒドロキシルアミン[ヒドロキシルアミンの弱酸塩(酢酸塩など)を含む]は水溶液中では熱に弱く、長時間熱にさらすと分解する。例えば、遊離のヒドロキシルアミンの水溶液を反応系に一括添加すると、その系の脱水能力にもよるが、反応の初期には水が多く存在し、未反応のヒドロキシルアミンがこの多くの水の存在下で加熱されるため分解し、ヒドロキシルアミン基準のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率が低下しやすくなる。そのため、遊離のヒドロキシルアミンの水溶液は逐次的(連続的または間欠的)に反応系に供給するのが好ましい。
反応により、反応原料に対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物が生成する。例えば、前記式(I)で表される多価カルボン酸環状無水物、式(II)で表される多価カルボン酸、又はこれらの混合物を原料として用いた場合には、下記式(III)
Figure 0004690314
(式中、Aは前記に同じ)
で表されるN−ヒドロキシ環状イミド化合物が生成する。反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段やこれらの組み合わせにより分離精製できる。
本発明の方法によれば、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸の何れからでも、高い収率でN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得ることができる。また、従来の方法に比べて原料成分の利用率を大幅に改善できる。このような効果が得られるのは以下の理由によるものと推測される。例えば、無水コハク酸又はコハク酸とヒドロキシルアミンとからN−ヒドロキシコハクイミドを製造する場合を例にとって説明すると、反応は下記式に示される反応機構に従って進行するものと考えられる。
Figure 0004690314
環状酸無水物である無水コハク酸(3)とヒドロキシルアミン(4)とが反応すると、まず無水コハク酸(3)が開環して、片側の末端にカルボキシル基、もう一方の末端にN−ヒドロキシカルバモイル基を有する開環生成物(5)となる。そして、この開環生成物(5)の末端の2つの基が分子内でアンモニウム塩化して化合物(6)となり、そこから水1分子が離脱してN−ヒドロキシコハクイミド(7)が生成する。しかし、反応系内に水が多く存在すると、生成したN−ヒドロキシコハクイミド(7)は水と逆反応を起こして、アンモニウム塩(6)を経て、開環生成物(5)へと容易に戻りうる。この開環生成物(5)はさらに水と反応し、コハク酸とヒドロキシルアミンのアンモニウム塩(8)を経て、コハク酸(9)とヒドロキシルアミン(4)とに分解する。つまり、コハク酸(9)からN−ヒドロキシコハクイミド(7)に至る各段階に平衡関係が存在し、N−ヒドロキシコハクイミド(7)の収率はこれらの平衡関係に支配される。ヒドロキシルアミン(4)を無水コハク酸(3)に対して過剰に用いれば、無水コハク酸(3)に対するN−ヒドロキシコハクイミド(7)の収率の向上効果が見られるのもこのためであると推測される。
また、出発原料を無水コハク酸(3)に対応するジカルボン酸であるコハク酸(9)としても同様の平衡関係が生じるので、反応の本質は無水コハク酸(3)を用いた場合と同じである。ただ、上記式に示されるように、コハク酸(9)を原料にした場合は、無水コハク酸(3)を原料にした場合よりも、N−ヒドロキシコハクイミド(7)に至るまでに1分子多くの水が副生する。水は問題の平衡を生成物側から原料側へ動かすように作用する。よって、反応機構からすると、より多くの水が副生するコハク酸(9)を原料とする方法は、N−ヒドロキシコハクイミド(7)を製造する上で、無水コハク酸(3)を原料とする方法と比べて不利である。文献に記載されている方法の大部分が原料として環状酸無水物を用いており、ジカルボン酸を用いた例がほとんどないのはこのためと思われる。
しかしながら、本発明の方法では、反応系内の水を除去しながら反応を行うので、上記式において平衡が原料側から生成物側へと動くため、原料として環状酸無水物及び多価カルボン酸の何れを用いても、高い収率で目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物が得られるものと推察される。
また、本発明の好ましい態様の1つとして、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸又はこれらの混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩とを、有機溶媒中で、脱水操作をすることなく所定時間反応させる前工程と、次いで脱水操作を施しながら反応させる後工程とを含む態様が挙げられる。この態様は、特に、生成したN−ヒドロキシ環状イミド化合物を単離することなく前記有機溶媒に溶解した状態で使用に供する場合(例えば前記有機溶媒を次工程の反応溶媒として用いる場合等)において、該有機溶媒としてヒドロキシルアミンと脱水縮合生成物を形成するような溶媒を用いる場合に有用である。
ヒドロキシルアミンと脱水縮合生成物を形成可能な有機溶媒としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸などの脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式カルボン酸;メタンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げられる。これらのなかでも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の炭素数1〜8(好ましくは1〜4)程度のモノカルボン酸(特に脂肪族モノカルボン酸)が好ましい。
前工程での反応温度は前記反応温度と同様である。前工程での反応時間は、原料成分の種類、有機溶媒の種類等によっても異なるが、一般に、0.5〜40時間、好ましくは2〜25時間、さらに好ましくは5〜20時間程度である。前工程において目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の収率が頭打ちになり収率の上昇が小さくなった時点で後工程に移行するのが好ましい。後工程での反応は前記反応温度と同様である。後工程での反応時間も、原料成分の種類、有機溶媒の種類等によっても異なるが、一般に、0.5〜40時間、好ましくは1〜15時間、さらに好ましくは2〜10時間程度である。
この方法によれば、ヒドロキシルアミンが反応溶媒として用いる有機溶媒と反応する場合でも、該反応による生成物の生成が抑制され、目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物を収率良く生成させることができ、ヒドロキシルアミンの使用率を向上できる。このような効果が得られるのは次のような理由によるものと推測される。ヒドロキシルアミンと多価カルボン酸とから生成する目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物と、ヒドロキシルアミンと多価カルボン酸以外の反応性化合物(例えば、酢酸等のモノカルボン酸など)との脱水縮合生成物とを比較した場合、一般に、自由エネルギーの点では(熱力学的には)前者の方が安定であるが、エンタルピーの点では(速度論的には)後者の方が有利である。また、一般に、熱力学的には、ヒドロキシルアミンと多価カルボン酸との反応により生成する鎖状のN−ヒドロキシモノアミドは目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物ほど安定ではないが、ヒドロキシルアミンと多価カルボン酸以外の反応性化合物との脱水縮合生成物よりは安定である。そのため、反応の初期では、ヒドロキシルアミンと多価カルボン酸以外の反応性化合物との脱水縮合生成物が生成しやすいが、時間とともに、該脱水縮合生成物が、前記鎖状のN−ヒドロキシモノアミドを経由して、目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物へと変化する。この反応は平衡反応であり、水の存在が必要である。反応の初期で水を抜いてしまうと、この平衡反応が進行せず、最終的にヒドロキシルアミンと多価カルボン酸以外の反応性化合物(この場合は反応溶媒)との脱水縮合生成物がかなりの割合で存在することになる。しかし、上記方法のように、反応初期には水を系外に抜くことなく反応させ、上記平衡反応が十分に進行した後に脱水操作を開始すると、ヒドロキシルアミンと他の反応性化合物との脱水縮合生成物の生成量が少なく、しかも目的のN−ヒドロキシ環状イミド化合物を効率よく製造できる。
これを、コハク酸とヒドロキシルアミンとを酢酸溶媒中で反応させてN−ヒドロキシコハクイミドを製造する場合を例にとって説明する(下記式参照)。コハク酸(9)はヒドロキシルアミン(4)と反応して、片側の末端にカルボキシル基、もう一方の末端にN−ヒドロキシカルバモイル基を有する化合物(5)(N−ヒドロキシコハク酸モノアミド)が生成し、さらにこの化合物からN−ヒドロキシコハクイミド(7)が生成する。一方、ヒドロキシルアミン(4)は溶媒である酢酸(10)とも反応してN−ヒドロキシ酢酸アミド(11)が生成する。ここで、エンタルピー(ΔH)の値(kcal/mol)は、(9)+(4)+(10)>(7)>(11)>(5)の順に低くなり、自由エネルギー(ΔG)の値(kcal/mol)は、(9)+(4)+(10)>(11)>(5)>(7)の順に低くなる。すなわち、熱力学的には目的のN−ヒドロキシコハクイミド(7)の方がN−ヒドロキシ酢酸アミド(11)より安定であるが、速度論的には後者の方が前者より生成しやすい。そのため、反応の初期では、まずN−ヒドロキシ酢酸アミド(11)が生成しやすく、時間とともに、これが化合物(5)を経て、N−ヒドロキシコハクイミド(7)へと変化する。この反応は平衡反応であり水の存在が必要であるが、反応初期で脱水操作を行うと、この平衡反応が進行せず、かなりの量のN−ヒドロキシ酢酸アミド(11)が最終生産物として得られる。ところが、上記の方法のように、脱水操作を行わずに反応させる前工程と脱水操作を行いながら反応させる後工程とにより反応を実施すると、N−ヒドロキシ酢酸アミド(11)の生成を抑制しつつ、N−ヒドロキシコハクイミド(7)を効率よく得ることが可能となる。
Figure 0004690314
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
図1に示されるような、上部に還流式冷却管を取り付けたディ−ンスターク式分留器(内容積20ml)、温度計、テフロン(登録商標)製撹拌翼を装着した300ml三つ口フラスコに、ヒドロキシルアミン塩酸塩13.0g、炭酸カリウム22.0g、酢酸50g、及びシクロヘキサン3.0gを入れ、ディーンスターク式分留器にはシクロヘキサンを充たし、オイルバスにより温度を65℃に保った。1時間後に、フラスコ内にコハク酸17.71gを加え、ディーンスターク上部に取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。8時間後、加熱を停止した。なお、反応で副生した水はシクロヘキサンと共沸し、還流式冷却管で冷却された留出液はディーンスターク式分留器中で有機層と水層の2層に分液した。有機層(シクロヘキサン層)はフラスコに戻した。反応液を高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により分析した結果、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度が16.4重量%であった。これはコハク酸に対する収率94.7%に相当する。
比較例1
図2に示されるような、還流式冷却管、温度計、テフロン(登録商標)製撹拌翼を装着した300ml三つ口フラスコに、ヒドロキシルアミン塩酸塩13.0g、炭酸カリウム22.0g、及び酢酸50gを入れ、オイルバスにより温度を65℃に保った。1時間後に、フラスコ内にコハク酸17.71gを加え、フラスコに取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。1時間ごとに反応液をHPLCにより分析したところ、5時間後に、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度の増加は止まり、その後一定となった。その時のN−ヒドロキシコハクイミドの濃度は8.9重量%であった。これはコハク酸に対する収率10.4%に相当する。
実施例2
図1に示されるような、上部に還流式冷却管を取り付けたディ−ンスターク式分留器(内容積20ml)、温度計、テフロン(登録商標)製撹拌翼を装着した300ml三つ口フラスコに、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液37.41g、酢酸150g、シクロヘキサン2.4g、及びコハク酸53.1gを入れ、ディーンスターク式分留器にはシクロヘキサンを充たした。ディーンスターク上部に取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。6時間後、加熱を停止した。なお、ヒドロキシルアミン水溶液中の水及び反応で副生した水はシクロヘキサンと共沸し、還流式冷却管で冷却された留出液はディーンスターク式分留器中で有機層と水層の2層に分液した。有機層(シクロヘキサン層)はフラスコに戻した。反応液をHPLCにより分析した結果、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度が13.4重量%であった。これはコハク酸に対する収率64.9%に相当する。
実施例3
図1に示されるような、上部に還流式冷却管を取り付けたディ−ンスターク式分留器(内容積20ml)、温度計、テフロン(登録商標)製撹拌翼を装着した300ml三つ口フラスコに、酢酸150g、シクロヘキサン2.4g、及びコハク酸53.1gを入れ、ディーンスターク式分留器にはシクロヘキサンを充たした。ディーンスターク上部に取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。還流開始と同時に、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液をチューブ式定量ポンプにて毎時4.0gの流量でフラスコ内に供給した。9時間後、加熱を停止した。なお、ヒドロキシルアミン水溶液中の水及び反応で副生した水はシクロヘキサンと共沸し、還流式冷却管で冷却された留出液はディーンスターク式分留器中で有機層と水層の2層に分液した。有機層(シクロヘキサン層)はフラスコに戻した。反応液をHPLCにより分析した結果、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度が19.2重量%であった。これはコハク酸に対する収率91.9%に相当する。
比較例2
図2に示されるような反応装置(但し、フラスコの内容積は100ml)のフラスコに、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液12.34g、酢酸50g、及びコハク酸17.71gを入れ、フラスコに取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。1時間ごとに反応液をHPLCにより分析したところ、5時間後に、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度の増加は止まり、その後一定となった。その時のN−ヒドロキシコハクイミドの濃度は4.5重量%であった。これはコハク酸に対する収率20.8%に相当する。
実施例4
図1に示されるような反応装置(但し、ディ−ンスターク式分留器の内容積は10ml、フラスコの内容積は100ml)のフラスコに、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液12.34g、シクロヘキサン0.8g、酢酸50g、及びグルタル酸19.81gを入れ、ディーンスターク式分留器にはシクロヘキサンを充たした。ディーンスターク上部に取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。5時間後、加熱を停止した。なお、ヒドロキシルアミン水溶液中の水及び反応で副生した水はシクロヘキサンと共沸し、還流式冷却管で冷却された留出液はディーンスターク式分留器中で有機層と水層の2層に分液した。有機層(シクロヘキサン層)はフラスコに戻した。反応液をHPLCにより分析した結果、N−ヒドロキシグルタルイミドの濃度は4.9重量%であり、これはグルタル酸に対する収率36.7%に相当する。
比較例3
比較例2のコハク酸17.71gをグルタル酸19.81gに変更したこと以外は比較例2と同様の操作を行った。6時間後に、N−ヒドロキシグルタルイミドの濃度の増加は止まり、その後一定となった。その時のN−ヒドロキシグルタルイミドの濃度は3.0重量%であった。これはグルタル酸に対する収率12.9%に相当する。
実施例5
実施例4のグルタル酸19.81gをアジピン酸21.92gに変更したこと以外は実施例2と同様の操作を行った。8時間後の反応液中のN−ヒドロキシアジピンイミドの濃度は2.9重量%であり、これはアジピン酸に対する収率19.7%に相当する。
比較例4
比較例2のコハク酸17.71gをアジピン酸21.92gに変更したこと以外は比較例2と同様の操作を行った。6時間後に、N−ヒドロキシアジピンイミドの濃度の増加は止まり、その後一定となった。その時のN−ヒドロキシグルタルイミドの濃度は0.8重量%であった。これはグルタル酸に対する収率5.4%に相当する。
実施例6
図1に示されるような反応装置(但し、ディ−ンスターク式分留器の内容積は10ml、フラスコの内容積は100ml)のフラスコに、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液12.34g、キシレン50g、及びコハク酸17.71gを入れ、ディーンスターク式分留器にはキシレンを充たした。ディーンスターク上部に取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。8時間後、加熱を停止した。なお、ヒドロキシルアミン水溶液中の水及び反応で副生した水はキシレンと共沸し、還流式冷却管で冷却された留出液はディーンスターク式分留器中で有機層と水層の2層に分液した。有機層(キシレン層)はフラスコに戻した。反応液を室温に戻したところ、固形物の沈殿があった。この固形物を濾過し、55℃で真空乾燥し、重量を測定したところ14.2gであった。また、この固形物中のN−ヒドロキシコハクイミドの濃度をHPLCにより分析した結果、48.7重量%であった。これはコハク酸に対する収率40.4%に相当する。
比較例5
図2に示されるような反応装置(但し、フラスコの内容積は100ml)のフラスコに、50重量%ヒドロキシルアミン水溶液12.34g、キシレン50g、及びコハク酸17.71gを入れ、フラスコに取り付けた還流式冷却管で還流が始まるまでオイルバス温度を上げた。1時間ごとに反応液をHPLCにより分析したところ、8時間後に、N−ヒドロキシコハクイミドの濃度の増加は止まり、その後一定となった。反応液を室温に戻したところ、固形物の沈殿があった。この固形物を濾過し、55℃で真空乾燥し、重量を測定したところ13.23gであった。また、この固形物中のN−ヒドロキシコハクイミドの濃度をHPLCにより分析した結果、9.6重量%であった。これはコハク酸に対する収率7.1%に相当する。
実施例7
ディ−ンスターク式分留器を取り付けたフラスコに、無水ピロメリット酸10g、酢酸90g、ヘキサン20gを入れ、100℃のバスで加熱した。還流していることを確認し、液温が74℃に達してから50重量%ヒドロキシルアミン水溶液6.66gを滴下した。脱水しながら液温を70〜74℃に管理し、2時間撹拌を行った。反応液をHPLCにより分析した結果、無水ピロメリット酸の転化率80%で、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミドが70%の収率で得られた。
比較例6
フラスコに、無水ピロメリット酸10g、酢酸90gを入れ、80℃のバスで加熱した。液温が77℃に達してから50重量%ヒドロキシルアミン水溶液6.66gを滴下した。液温を77〜80℃に管理し、2時間撹拌を行った。反応液をHPLCにより分析した結果、無水ピロメリット酸の転化率70%で、N,N′−ジヒドロキシピロメリット酸ジイミドが42%の収率で得られた。
実施例8
200ml三つ口フラスコに、酢酸供給用のポンプ、液面計、ディーンスターク式分留器を取り付けた。ディーンスターク式分留器には液抜き取り用のポンプを取り付けた。また、液面計は酢酸供給用のポンプと連動しており、フラスコ内部を一定液面に保つよう酢酸を供給できるようにしている。
フラスコ内に酢酸54.9g、ヒドロキシルアミン・コハク酸塩(ヒドロキシルアミンとコハク酸が1:1で塩を形成したもの)50.8gを仕込み、10時間還流状態に保った。この時点で反応器内容物をHPLCにより分析したところ、N−ヒドロキシコハクイミドが収率70.1%、N−ヒドロキシアセトアミドが収率9.8%で生成していた。その後、ディーンスターク式分留器に取り付けたポンプを起動し、分留器内の液を10g/hで抜き取るとともに、酢酸供給用ポンプも起動し、フラスコ内の液面を一定に保った。5時間後、反応器内容物をHPLCにより分析したところ、N−ヒドロキシコハクイミドが収率94.6%、N−ヒドロキシアセトアミドが収率3.7%で生成していた。
比較例7
実施例8と同様の装置に、実施例8と同様の量の酢酸及びヒドロキシルアミン・コハク酸塩を仕込み、還流状態に保った。また、還流開始と同時に、ディーンスターク式分留器に取り付けたポンプを起動し、分留器内の液を10g/hで抜き取り、酢酸供給用のポンプも起動し、フラスコ内の液面を一定に保った。10時間後、反応器内容物をHPLCで分析したところ、N−ヒドロキシコハクイミドが収率54.4%、N−ヒドロキシアセトアミドが収率44.5%で生成していた。
本発明によれば、多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸の何れからでも、収率良くN−ヒドロキシ環状イミド化合物を製造することができ、また原料成分の利用率を大きく改善できる。こうして得られるN−ヒドロキシ環状イミド化合物は、写真現像液中の酸化剤、ペプチド合成用試薬や酸化触媒、殺虫剤合成用の中間体、重合反応の開始剤等として有用である。

Claims (10)

  1. 多価カルボン酸環状無水物、多価カルボン酸又はこれらの混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩とを、有機溶媒中、脱水操作を施しながら反応させて、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得るN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法であって、ヒドロキシルアミン水溶液を反応系に逐次添加して反応を行うことを特徴とする、N−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  2. 多価カルボン酸、又は多価カルボン酸と多価カルボン酸環状無水物との混合物と、ヒドロキシルアミン又はその塩とを、有機溶媒中、脱水操作を施しながら反応させて、対応するN−ヒドロキシ環状イミド化合物を得るN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  3. 多価カルボン酸環状無水物が、下記式(1)
    Figure 0004690314
    [式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfのうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。なお、分子内に環状酸無水物骨格を2以上有していてもよい。nは0、1又は2を示す]
    で表される化合物である請求項1又は2記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  4. 多価カルボン酸環状無水物が、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸モノ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸モノ無水物、及び2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物から選択された少なくとも1種の化合物である請求項1又は2記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  5. 多価カルボン酸が、下記式(2)
    Figure 0004690314
    [式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基、置換若しくは無置換カルバモイル基、アシル基、アシルオキシ基、スルホ基、置換オキシスルホニル基、置換若しくは無置換スルファモイル基、ニトロ基、置換若しくは無置換アミノ基、置換若しくは無置換ホスホノ基、又は置換若しくは無置換ホスホノオキシ基を示し、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfのうち少なくとも2つが互いに結合して、隣接する炭素−炭素結合と共に二重結合を形成するか、又は隣接する炭素原子若しくは炭素鎖とともに芳香族性若しくは非芳香族性の環を形成してもよい。なお、分子内に環状イミド骨格を形成可能な1対のカルボキシル基を2以上有していてもよい。nは0、1又は2を示す]
    で表される化合物である請求項1〜4の何れか1項に記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  6. 多価カルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、及び2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸から選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜4の何れか1項に記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  7. 水と共沸可能な有機溶剤を反応溶媒の全部又は一部として用い、反応系内の水を前記有機溶剤との共沸により除去しながら反応を行う請求項1〜6の何れか1項に記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  8. 共沸留出液を、水を除去した後に反応系にリサイクルする請求項記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  9. 有機溶剤が、カルボン酸、エステル、ケトン、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、及びハロゲン化炭化水素から選択された少なくとも1種である請求項7又は8記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
  10. 有機溶剤が、カルボン酸、アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲン化炭化水素、ニトリル、アミド、及びこれらの混合物から選択された少なくとも1種である請求項1又は2記載のN−ヒドロキシ環状イミド化合物の製造法。
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