JP4688329B2 - アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置に関するもので、例えば、インクジェット用プリンターヘッド、積層型圧電アクチュエータ等に好適に用いられるアクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、圧電磁器を利用した製品としては、例えばセラミックフィルタ、超音波応用振動子、圧電ブザー、圧電点火ユニット、超音波モータ、圧電ファン、圧電アクチュエータ、及び加速度センサ、ノッキングセンサ、AEセンサ等の圧電センサがある。
【0003】
ここで、圧電アクチュエータとは、圧電体が有する逆圧電効果を利用するものであり、従来、圧電セラミックスと内部電極とを交互積層し圧電縦効果を応用した積層型圧電アクチュエータがある。
【0004】
この積層型圧電アクチュエータの圧電磁器としては、比較的大きな圧電歪定数を有するジルコン酸チタン酸鉛(PZT)に、第三成分としてPb(Ni、Nb)O3やPb(Mg、Nb)O3等を固溶させた系のモルフォトロピック相境界(M.P.B.)近傍の組成物が利用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般に圧電磁器では、圧電歪定数が大きくなるとキュリー温度が低くなる傾向があるため、高温用途においては、積層型圧電アクチュエータを構成する圧電セラミックスにキュリー温度の高いものを用い、積層数を増加させることによって必要変位量を確保してきた。
【0006】
しかしながら、安易に積層数によって変位量を大きくすることは、信頼性の低下、及び製品コストの増加につながるといった問題があった。
【0007】
また、荷重を加えない状態でかつ低電界領域で積層型圧電アクチュエータを変位させた場合、レーザ変位計などで測定される実際の変位量は、共振・***振法より測定された圧電歪定数を用いて算出した変位量と比較的正確に一致するが、圧縮荷重下で高電界を印加させて積層型圧電アクチュエータを変位させた場合には、圧電歪だけでなく自発分極の反転に起因すると考えられる歪も加わるため、圧電歪定数を用いて算出した変位量よりも実際の変位量の方が大きくなる。
【0008】
その為、積層型圧電アクチュエータを車載用途の燃料噴射弁など、予め圧縮荷重を加えた状態で使用する場合、共振・***振法によって求められる圧電歪定数では、圧電磁器の歪の指標として不充分であり、実際の変位量から求められる実効的な圧電歪定数の大きさを歪の指標とする必要がある。
【0009】
即ち、従来アクチュエータ材料として用いられている前記のPZT系圧電磁器組成物では、共振・***振法から求めた圧電歪定数を共振圧電歪定数、実際の変位量から計算される実効的な圧電歪定数を実効圧電歪定数とした場合、圧電歪定数比(実効圧電歪定数/共振圧電歪定数)は、1.5程度で通常の圧電材料が有する一般的な圧電歪定数比と同程度であり、大きな実効圧電歪定数を実現するために、材料のキュリー温度が低くなるといった問題や、積層数が増加し製品コストが高くなってしまったり、信頼性が低下したりするといった問題があった。
【0010】
それは、上述したように、一般に、圧電材料のキュリー温度と圧電歪定数は負の相関関係があるため、圧電歪定数比が小さいと、キュリー温度が高い材料では実効圧電歪定数も小さくなってしまうからである。従って、高信頼性、低コスト及び高温での駆動が可能な積層型圧電アクチュエータを実現するために、キュリー温度が高く圧電歪定数比の大きな圧電磁器が切望されていた。
【0011】
本発明は、キュリー温度が高く、しかも実効圧電歪定数が大きいアクチュエータ用圧電磁器及び積層型圧電アクチュエータ並びに噴射装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のアクチュエータ用圧電磁器は、Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト型複合酸化物であって、一般式を、Pb x−a (Yb 2/3 1/3 (Zr 1−z Ti 1−y と表したとき、前記x、y、z、aが、0.955≦x≦0.995、0.015≦y≦0.025、0.45≦z≦0.50、0.03≦a≦0.07、Mは、Ca、Sr及びBaのうち少なくとも1種の関係を満足し、キュリー温度が290℃以上であることを特徴とする。
【0013】
本発明のアクチュエータ用圧電磁器では、キュリー温度を高くできるとともに、圧縮荷重下での実効圧電歪定数を高くできる。
【0014】
また、このような関係を満足することにより、本発明の圧電磁器は特に優れたキュリー温度及び圧縮荷重下での実効圧電歪定数を示すことができる。
【0015】
また、本発明の積層型圧電アクチュエータは、圧電体と電極とを交互に積層してなるとともに、前記圧電体が、上記アクチュエータ用圧電磁器からなることを特徴とする。このような積層型圧電アクチュエータでは、キュリー温度が高く、実効圧電歪定数の大きな圧電体により構成されているため、高温での使用が可能であり、圧電体の積層数を増加させることなく、大きな変位量を得ることができる。
【0016】
このような積層型圧電アクチュエータでは、圧縮荷重下での実効圧電歪定数が、共振・***振法により求めた圧電歪定数の1.8倍以上であることが望ましい。
【0017】
本発明の噴射装置は、噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された上記積層型圧電アクチュエータと、該積層型圧電アクチュエータの駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の積層型圧電アクチュエータの縦断面図を示すもので、この積層型圧電アクチュエータは、複数の圧電体1と複数の内部電極2とを交互に積層してなる活性体3aと、この活性体3aの両端面に形成された不活性体3bからなる柱状積層体3の対向する側面において、内部電極2の端部に1層おきに絶縁体4を形成し、絶縁体4を形成していない内部電極2の端部を同一の外部電極5に接続して構成されている。
【0019】
活性体3aと不活性体3bは同時焼成されて柱状積層体3が形成されており、活性体3aの圧電体1と不活性体3bは、同一圧電セラミック材料から構成されることが、焼成時における収縮差を小さくするという点から望ましい。活性体3aは、変位を発生させる部分であり、不活性体3bは、柱状積層体3を機械的に保持し、発生する力を外部へ伝達する機能を有する。
【0020】
内部電極2は、同時焼成時には柱状積層体3の全ての側面に露出しているが、そのうち対向する側面において、内部電極2端部を含む圧電体1の端部1層おきに溝が形成され、該溝部にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等の絶縁体4が充填され、これにより、内部電極2の一方の端部が絶縁されている。
【0021】
なお、絶縁体4は低ヤング率の材質、例えばシリコーンゴム等が好ましい。このように、内部電極2は互い違いに1層おきに絶縁され、絶縁されていない内部電極2の他方の端面は、例えば、予め塗布しておいた導電性耐熱接着剤5aに導電性部材5bを密着させた状態で、導電性耐熱接着剤5aを加熱硬化させることにより、外部電極5が形成されている。外部電極5の下側端部にはリード線6が取り付けられている。
【0022】
活性体3aの圧電体1の厚みは0.05〜0.25mm、内部電極2の厚みは0.003〜0.01mm、不活性体3bの厚みは、それぞれ0.5〜3.0mmとされ、圧電体1、内部電極2の積層数は、所望の特性を得るためにそれぞれ100〜400層とされている。
【0023】
さらに、内部電極2間の沿面放電を防止し、大きな電圧を印加するために、柱状積層体3の側面がシリコーンゴムなどの伸縮性をもつ絶縁物からなる被覆層(図示せず)で被覆されている。
【0024】
内部電極2は、銀、または銀−パラジウムあるいは、銀白金を主成分として構成されている。
【0026】
発明では、圧電体1が、一般式を、Pbx-aa(Yb2/31/3y(Zr1-zTiz1-y3と表したとき、x、y、z、aが、0.955≦x≦0.995、0.015≦y≦0.025、0.45≦z≦0.50、0.03≦a≦0.07、Mは、Ca、Sr及びBaのうち少なくとも1種の関係を満足するものである。
【0027】
A/Bサイト比を示すxを0.955〜0.995とした理由は、A/Bサイト比が0.955未満のときは圧電歪定数が小さくなり、実効圧電歪定数としても小さくなるからであり、また、A/Bサイト比が0.995よりも大きくなると、実効圧電歪定数/共振圧電歪定数比が小さくなるためである。A/Bサイト比を示すxは、実効圧電歪定数を大きくし、実効圧電歪定数/共振圧電歪定数比を大きくするという点から、0.970〜0.990であることが望まししい。
【0028】
ペロブスカイト型複合酸化物のAサイトのCa、Sr及びBaのうち少なくとも1種による置換量をモル%以下(a≦0.07)としたのは、AサイトのCa、Sr等による置換量がモル%をえると、キュリー温度の低下が大きくなるからである。AサイトのCa、Sr等による置換量は、高いキュリー温度を維持するという点から、3〜モル%が望ましく、特には、4モル%が望ましい。
【0029】
さらに、Bサイトの、Wと、Y、Dy、Ho、Er、Tm、Lu及びYbのうち少なくとも1種による置換量は、1.5〜2.5モル%(0.015≦y≦0.025)であることが必要である。置換量が1.5モル%よりも小さい場合には、最適焼成温度が1150℃より高くなり、例えば同時焼成型のアクチュエータを作製した場合に内部電極のコスト代が大きくなってしまう。また、2.5mol%より置換量が多いときにはキュリー温度が低下するからである。Bサイトの、Wと、Y等による置換量は、焼成温度を低下し、内部電極材料を安価にするという点から、1.5〜2.5モル%であることが望ましい。
【0031】
本発明では、特に、一般式、Pbx-aa(Yb2/31/3y(Zr1-zTiz1-y3と表したときに、xが0.970〜0.990、yが0.015〜0.025、zが0.47〜0.48、aが0.03〜0.07であり、MとしてはSrとBaであることが望ましい。
【0032】
本発明のアクチュエータ用圧電磁器は、ペロブスカイト型結晶を主結晶相とするもので、異相は殆ど存在しないことが望ましい。また、Ag、Al、Fe、S、Cl、Eu、K、P、Cu、Mg、Si等が不可避不純物として混入する場合もあるが、特性上問題ない。
【0033】
このような積層型圧電アクチュエータでは、圧電体のキュリー温度を高くできるとともに、圧縮荷重下での実効圧電歪定数を高くできる。従って、圧電体1のキュリー温度が高いため、高温において積層型圧電アクチュエータを用いる場合でも、圧電体の積層数を増加させることなく、大きな変位量を得ることができるとともに、圧電体の圧縮荷重下での実効圧電歪定数が高いため、大きな変位量を得ることができる。
【0034】
このような積層型圧電アクチュエータでは、圧電体の圧縮荷重下での実効圧電歪定数を、共振・***振法により求めた圧電歪定数の1.8倍以上とすることができる。
【0035】
図2は、本発明の噴射装置を示すもので、図において符号31は収納容器を示している。この収納容器31の一端には噴射孔33が設けられ、また収納容器31内には、噴射孔33を開閉することができるニードルバルブ35が収容されている。
【0036】
噴射孔33には燃料通路37が連通可能に設けられ、この燃料通路37は外部の燃料供給源に連結され、燃料通路37に常時一定の高圧で燃料が供給されている。従って、ニードルバルブ35が噴射孔33を開放すると、燃料通路37に供給されていた燃料が一定の高圧で内燃機関の図示しない燃料室内に噴出されるように形成されている。
【0037】
また、ニードルバルブ35の上端部は直径が大きくなっており、収納容器31に形成されたシリンダ39と摺動可能なピストン41を有している。そして、収納容器31内には、上記した圧電アクチュエータ43が収納されている。
【0038】
このような噴射装置では、圧電アクチュエータ43が電圧を印加されて伸長すると、ピストン41が押圧され、ニードルバルブ35が噴射孔33を閉塞し、燃料の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると圧電アクチュエータ43が収縮し、皿バネ45がピストン41を押し返し、噴射孔33が燃料通路37と連通して燃料の噴射が行われるようになっている。
【0039】
【実施例】
原料粉末として高純度のPbO、ZrO2、TiO2、BaCO3、SrCo3、CaCO3、WO3、Yb23、Y23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23の各原料粉末を所定量秤量し、ボールミルで20時間湿式混合した。次いで、この混合物を脱水、乾燥した後、900℃で3時間仮焼し当該仮焼物を再びボールミルで湿式粉砕し脱水、乾燥し、原料粉末を作製した。
【0040】
この原料粉末に有機バインダー(PVA)を混合し、造粒した。得られた粉末を1.5t/cm2の圧力でプレス成形し円柱形状の成形体を得た。更に、これらの成形体をMgO等からなる容器内に密閉し、大気中1150℃で2時間の条件で焼成した。得られた焼結体は、直径3.5mm厚み7mmの円柱形状となるよう加工し、磁器密度を測定した。
【0041】
また、この円柱の両主面にAgペーストを焼付けることにより電極を形成し、80℃のシリコンオイル中で2kV/mmの直流電圧を30分間印加して分極処理した後、共振・***振法による圧電歪定数d33及び比誘電率の温度特性からキュリー温度を求めた。
【0042】
次に、上記原料粉末と、有機高分子からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、スリップキャステイング法により、厚み150μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0043】
このグリーンシートの片面に銀−パラジウムを主成分とし、Ag/Pd比が70/30の導電性ペーストをスクリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが塗布された複数のグリーンシートを200枚積層し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていないグリーンシートを10枚積層した。
【0044】
次に、この積層体を100℃で加熱を行いながら加圧を行い、積層体を一体化し、12mm×12mmの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バインダを行い、1100℃で5時間の本焼成を行った。
【0045】
その後、焼結体の対向する側面において、内部電極端部を含む圧電磁器の端部に該2側面において互い違いになるように、1層おきに深さ100μm、積層方向の幅50μmの溝を形成し、該溝にシリコーンゴムを充填した。この後、焼結体の対向する側面に外部電極を形成し、絶縁されていない内部電極の端部を外部電極に接続した。
【0046】
この後、正極用外部電極、負極用外部電極にリード線を接続し、アクチュエータの外周面にデイッピングにより、シリコーンゴムを被覆した後、1kVの分極電圧を印加し、アクチュエータ全体を分極処理して積層型圧電アクチュエータを得た。
【0047】
得られた積層型圧電アクチュエータについて、応力40MPaに相当する圧縮荷重を積層方向に印加し、電圧を0〜150Vの範囲で変化させることによってレーザ変位計で変位を測定し、変位量を積層数及び印加電圧で割ることによって実効圧電歪定数を算出し、その結果を表1〜に記載した。
【0048】
尚、表1では、組成式を、Pbx-0.07Ba0.04Sr0.03Yb0.020.01(Zr0.52Ti0.480.973と固定し、A/Bサイト比を示すxを変化させたときの磁器密度、キュリー温度、圧電歪定数、実効圧電歪定数、圧電歪定数比を求め、記載した。
【0049】
また、表2では、組成式を、Pb0.97-aa(Yb0.020.01)(Zr1-zTiz0.973と固定し、Mとして元素を変化させ、またAサイトのMによる置換量aとTi比zを変化させたときの磁器密度、キュリー温度、圧電歪定数、実効圧電歪定数、圧電歪定数比を求め、記載した。
【0051】
さらに、表では、組成式を、Pb0.09Ba0.04Sr0.03(Yb2/31/3y(Zr0.52Ti0.481-y3と固定し、Bサイトの(Yb2/31/3)による置換量を変化させたときの磁器密度、キュリー温度、圧電歪定数、実効圧電歪定数、圧電歪定数比を求め、記載した。
【0052】
【表1】
Figure 0004688329
【0053】
【表2】
Figure 0004688329
【0055】
【表3】
Figure 0004688329
【0056】
表1から、A/Bサイト比が0.955〜0.995の範囲内である本発明では、キュリー温度が290℃以上、圧電歪定数が305pC/N以上、実効圧電歪定数が550pm/V以上、圧電歪定数比が1.8以上であった。これに対して、A/Bサイト比が範囲外の場合には、圧電歪定数、実効圧電歪定数が低いことが判る。
【0057】
また、表2から、AサイトのCa等による置換では、キュリー温度、圧電歪定数、実効圧電歪定数、圧電歪定数比を総合すると、BaとSrによる置換の場合が最も良好であることが判る。さらに、置換量については、Aサイトをモル%以下置換することにより高いキュリー温度を維持できるが、10モル%となると、急激にキュリー温度が低下することが判る。
【0059】
また、表から、BサイトのYbとWによる置換量が0、1モル%の場合には焼結不良となり、5モル%の場合には、キュリー温度、圧電歪定数、実効圧電歪定数が低下することが判る。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト型複合酸化物であって、一般式を、Pb x−a (Yb 2/3 1/3 (Zr 1−z Ti 1−y と表したとき、前記x、y、z、aが、0.955≦x≦0.995、0.015≦y≦0.025、0.45≦z≦0.50、0.03≦a≦0.07、Mは、Ca、Sr及びBaのうち少なくとも1種の関係を満足し、キュリー温度が290℃以上であるため、特に優れたキュリー温度及び圧縮荷重下での実効圧電歪定数を示す積層型圧電アクチュエータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型圧電アクチュエータを示す斜視図である。
【図2】本発明の噴射装置の説明図である。
【符号の説明】
1・・・圧電体
2・・・内部電極
31・・・収納容器
33・・・噴射孔
35・・・バルブ
43・・・圧電アクチュエータ

Claims (4)

  1. Pb、Zr及びTiを主成分とするペロブスカイト型複合酸化物であって、一般式を、Pb x−a (Yb 2/3 1/3 (Zr 1−z Ti 1−y と表したとき、前記x、y、z、aが、
    0.955≦x≦0.995
    0.015≦y≦0.025
    0.45≦z≦0.50
    0.03≦a≦0.07
    Mは、Ca、Sr及びBaのうち少なくとも1種の関係を満足し、
    キュリー温度が290℃以上であることを特徴とするアクチュエータ用圧電磁器。
  2. 圧電体と電極とを交互に積層してなるとともに、前記圧電体が、請求項1記載のアクチュエータ用圧電磁器からなることを特徴とする積層型圧電アクチュエータ。
  3. 圧縮荷重下での実効圧電歪定数が、共振・***振法により求めた圧電歪定数の1.8倍以上であることを特徴とする請求項2に記載の積層型圧電アクチュエータ。
  4. 噴射孔を有する収納容器と、該収納容器内に収容された請求項2また記載の積層型圧電アクチュエータと、該積層型圧電アクチュエータの駆動により前記噴射孔から液体を噴出させるバルブとを具備してなることを特徴とする噴射装置。
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