JP5341094B2 - 積層型圧電素子および噴射装置ならびに燃料噴射システム - Google Patents

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Description

本発明は、積層型圧電素子およびこれを用いた噴射装置ならびに燃料噴射システムに関する。本発明の積層型圧電素子は、例えば、駆動素子(圧電アクチュエータ),センサ素子および回路素子に用いられるものであり、駆動素子としては、例えば、自動車エンジンの燃料噴射装置,インクジェットのような液体噴射装置,光学装置のような精密位置決め装置,振動防止装置が挙げられる。また、センサ素子としては、例えば、燃焼圧センサ,ノックセンサ,加速度センサ,荷重センサ,超音波センサ,感圧センサおよびヨーレートセンサが挙げられる。回路素子としては、例えば、圧電ジャイロ,圧電スイッチ,圧電トランスおよび圧電ブレーカが挙げられる。
従来、複数の圧電体層が内部電極層を介して積層された積層体を備え、この積層体の側面に一対の外部電極が形成された積層型圧電素子が知られている。この積層型圧電素子は、積層体の対向する側面に正極の外部電極と負極の外部電極とがそれぞれ形成され、これらの外部電極に内部電極層が交互に電気的に接続された構造を有しており、外部電極を介して内部電極層間の圧電体層に電圧を印加することにより、積層方向に変位が得られる。この変位の主要因は、積層体を構成する圧電体層の結晶粒子に存在するドメインウォールの移動に対応するものである。このドメインウォールの移動は、結晶粒子間の結晶粒界により拘束されることが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2005−191397号公報
上記のような積層型圧電素子においては、圧電体層の結晶粒界により、ドメインウォールの移動が拘束されて応答速度が遅くなるという課題がある。また、圧電体層の結晶粒界によりドメインウォールの移動が拘束されることに対応して、積層型圧電素子の変位量が小さくなるという課題がある。さらに、圧電体層の結晶粒界を少なくするには結晶粒子を大きくすればよいが、圧電体層の結晶粒子が大きい場合には圧電磁器の機械的強度が小さくなるため、連続駆動によって積層型圧電素子を構成する圧電磁器である圧電体層にクラックが発生し、変位量が徐々に低下するという課題があった。
本発明は、このような課題を解決すべく案出されたものであり、その目的は、ドメインウォールの移動が拘束されにくく、応答速度が速くて変位量を大きくすることができ、機械的強度も十分で特性劣化を抑えることができる積層型圧電素子を提供することにある。
本発明の積層型圧電素子は、圧電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体を含む積層型圧電素子であって、前記圧電体層は、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されており、
前記圧電体層は、焼成時のピーク温度が850℃〜950℃であるとともに、650℃までを10時間かけて降温し、さらに200℃までを15時間かけて降温することによって、形成されることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記構成において、前記分極ドメインは複数の結晶粒子を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記各構成において、前記分極ドメインの自発分極方向が前記内部電極層間に印加される電圧の電界方向に対してずれていることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記各構成において、前記圧電体層は、結晶粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記各構成において、前記分極ドメインは、前記圧電体層における前記内部電極層の端部近傍に存在することを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記各構成において、前記分極ドメインは複数の前記圧電体層に形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の積層型圧電素子は、上記各構成において、前記分極ドメインは全ての前記圧電体層に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の噴射装置は、噴出孔を有する容器と、上記のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とするものである。
本発明の燃料噴射システムは、高圧燃料を蓄えるコモンレールと、このコモンレールに蓄えられた燃料を噴射する上記記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とするものである。
本発明の積層型圧電素子によれば、圧電体層に複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されていることから、分極ドメイン間のドメインウォールの移動が結晶粒子間の結晶粒界で拘束されにくくなっている。そのため、ドメインウォールの拘束を小さくすることができ、電界によるドメインウォールの移動速度および移動量を大きくすることができる。これにより、積層型圧電素子の応答速度が速くなり、変位量を大きくすることができる。また、結晶粒子径に制限を受けない分極ドメインが存在していることとなるため、結晶粒子径を小さく抑えてもドメインウォールの移動量を確保することができるので、圧電体層の結晶粒子を小さくすることができ、これによって機械的強度が大きく、かつ変位量の大きな積層型圧電素子とすることができる。その結果、連続駆動による積層体のクラックの発生を抑えることができ、特性劣化を小さく抑えることができる。
また、本発明の噴射装置によれば、容器内に蓄えられた液体を噴射孔から吐出させる積層型圧電素子として本発明の積層型圧電素子を備えていることから、積層型圧電素子において大きな変位量と優れた耐久性とを確保することができるので、液体の所望の噴射を長期にわたって安定して行なうことができる。
さらに、本発明の燃料噴射システムによれば、コモンレールに蓄えられた高圧燃料を噴射する装置として本発明の噴射装置を備えていることから、高圧燃料の所望の噴射を長期にわたって安定して行なうことができる。
本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す斜視図である。 (a)および(b)は、それぞれ図1に示す積層型圧電素子を構成する圧電体層の分極ドメインの模式図である。 図1に示す積層型圧電素子1の積層体7における内部電極層5の端部近傍を模式的に示す要部拡大断面図である。 本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略図である。
<積層型圧電素子>
以下、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の積層型圧電素子の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2(a)および(b)は、それぞれ図1に示す積層型圧電素子を構成する圧電体層の分極ドメインの模式図である。
図1に示すように、本例の積層型圧電素子1は、圧電体層3と内部電極層5とが交互に積層された積層体7と、この積層体7の側面に接合されて内部電極層5に電気的に接続された外部電極9とを含むものである。
そして、本発明の積層型圧電素子1においては、図2(a)および(b)に示したように、圧電体層3において、複数の結晶粒子11に跨った分極ドメイン12が形成されている。こうした分域構造は、結晶粒界での結晶欠損,残留応力,異相成分等の不連続性を低減することにより実現される。そのため、このような分域構造を有する圧電体層3では、ドメインウォールの結晶粒界での拘束力が小さくなり、この圧電体層3に印加される電界に対するドメインウォールの移動速度が速くなる。つまり、変位の応答速度を速くすることができる。
この複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12は、圧電体層3の内部電極層5間に位置する部位に形成されている。この複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12の大きさは、最小厚みが1nm以下である結晶粒界層の厚みより大きければ、結晶粒子11の粒子径に限定されるものではない。また、この複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12の存在箇所は、内部電極層5間に位置すればどこでもよいが、内部電極層5と圧電体層3の磁器との間の応力の影響が小さくなる、内部電極層5間の中央部に主に存在していることが好ましい。
なお、このような複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12は、圧電体層3を低温で焼成することにより形成することができる。すなわち、高い焼成温度では、結晶配列の揃った結晶粒子群は結合して1つの粒子になってしまう。それに対して、低い焼成温度では、結晶配列の揃った結晶群の中に面欠陥を残したまま焼結を終了することが可能となり、面欠陥を介して、隣接した粒子間で自発分極の揃った領域を作ることができる。
このとき、好ましい焼成時のピーク温度は850〜950℃であり、降温時には焼成鉢上部に風を当てて冷却することが分極ドメインを成長させる点から好ましい。すなわち、焼成鉢上部へ送風しながら冷却することにより、圧電素子に温度勾配を持たせた状態でゆっくりと温度を下げることができる。これにより、圧電素子のキュリー温度を下回った部位から順次、自発分極を発生させることができ、結晶粒子間を跨った分極ドメインを形成しやすくなる。
さらに、この分極ドメイン12は、図2(b)に示すように、複数の結晶粒子11を含むことが好ましい。この状態も、結晶粒界の不連続性が低減されることにより実現される分域構造であるが、このように複数の結晶粒子11を含む分極ドメイン12が存在する場合には、この圧電体層3に印加される電界に対するドメインウォールの移動がより大きくなり、圧電体層3の変位量をより大きくすることができる。なお、この場合の分極ドメイン12の大きさは、複数の結晶粒子11を含む大きさであればよく、特に大きさが限定されるものではない。
このような複数の結晶粒子11を含む分極ドメイン12を形成するには、微粉末PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)をもとにして、低温焼成にて圧電体層3を製作すればよい。つまり、微粉末PZTをもとに低温焼成にて圧電体層3を製作することにより、結晶粒子径が小さい、複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12を形成することができる。このとき、焼成温度としては、ピーク温度を900℃以下にすることが好ましい。
また、複数の結晶粒子11を跨る分極ドメイン12を形成するには、結晶粒子11間での不連続性の発生を抑えることが必要である。内部電極に銀とパラジウムとの合金を用いた場合には、焼成時に結晶粒界部へ銀が選択的に進入する傾向がある。低温焼成は、内部電極から粒界部への銀の拡散量を減らし、結晶粒子11間での不連続性の発生を抑える点からも重要である。さらに、圧電体層3に鉛サイトが欠損したPZTを用いると、焼成時に内部電極から拡散してくる銀を結晶粒内の鉛サイトに取り込む効果があり、この効果は粒界部の銀存在量を抑える上で重要である。
また、分極ドメイン12の自発分極の方向が、内部電極層5間に印加される電圧の電界方向に対してずれていることが好ましい。積層型圧電素子1の変位の大部分は、分極ドメイン12の自発分極の方向が圧電体層3に印加される電圧の電界方向に揃うことによって発現する。従って、自発分極の方向が印加される電圧の電界方向に対してずれている分極ドメイン12が存在していることによって、変位量をより大きくすることができる。
この場合、分極ドメイン12の自発分極方向の電界方向に対するずれは、そのずれの向きに特に制約はなく、バラバラの向きであっても構わない。
このような分極ドメイン12を形成するためには、圧電体層3に用いる結晶相として少なくとも室温で菱面体晶相を含有するものが好ましい。菱面体晶相は、分極軸となり得る結晶方位が正方晶相の6方向に対して8方向であるため、分極前に高い荷重下に曝すことで、自発分極の向きが積層方向に対して垂直な方向へ向きやすくなり、隣接する結晶粒子間で結晶方位が揃いやすくなる。さらに、圧電体層3の圧電体は、PZTにドナーが含まれたSoft(ソフト)材であることが好ましい、Soft材は、ドメインウォールが移動しやすいため、分極前の高荷重に対して圧電体層の変形が発生し、自発分極の向きが揃いやすくなるためである。
また、分極ドメイン12の自発分極の方向が内部電極層5間に印加される電圧の電界方向に対してずれるように形成するには、圧電体層3に用いるPZTにキュリー温度が室温より高いものを選定しておけばよい。このとき、温度に対して分極ドメイン12が安定するという観点からは、キュリー温度が300℃以上のPZTを選定することが好ましい。
また、圧電体層3の結晶粒子11の平均粒子径は5μm以下であることが好ましい。結晶粒子11の平均粒子径が5μm以上では粒内破壊となる傾向があるのに対して、平均粒子径が5μm以下の場合は、駆動による圧電体層3の破壊モードが粒界破壊となる傾向がある。その結果、圧電体層3は、その磁器強度が高く、クラックの進展が進みにくいものとなるので、連続駆動による変位の劣化がほとんどなくなる傾向にある。それに対して、結晶粒子11の平均粒子径が5μmより大きいと、連続駆動による特性劣化が大きくなる傾向がある。
圧電体層3の結晶粒子11の平均粒子径を5μm以下とするには、例えば、圧電体層3を構成するPZT磁器組成物のAサイトの構成元素とBサイトの構成元素との比である構成元素比(A/B比)を1以下として圧電体層3を形成するようにすればよい。
また、分極ドメイン12は、図3に示すように、圧電体層3における内部電極層5の端部近傍13に存在することが好ましい。なお、図3は、図1に示す積層型圧電素子1の積層体7における内部電極層5の端部近傍の例を模式的に示す要部拡大断面図である。積層型圧電素子1の積層体7における内部電極層5の端部近傍の部位13は、積層体7における活性領域と不活性領域との境界に位置しており、この部位に分極ドメイン12が存在することによって、この部位13が周囲と比較して柔らかくなる。そして、この部位13を柔らかくすることにより、内部電極層5の端部近傍に存在する不活性領域による圧電体層3への拘束が小さくなるため、積層型圧電素子1の変位量が大きくなる。すなわち、ドメインウォールの結晶粒界による拘束力が小さくなる分極ドメイン12が存在する領域を内部電極層5の端部近傍に配置することで、積層型圧電層1の変位量が大きくなる。
このように分極ドメイン12を圧電体層3における内部電極層5の端部近傍の部位13に存在するようにするには、セラミックグリーンシートに内部電極層5用の金属ペーストを印刷し、積層することにより積層体7を作製する際に、内部電極層5の中央部に対して内部電極層5の端部の金属ペーストにおけるAg比率を高めてやればよい。
また、分極ドメイン12は、複数の圧電体層3に形成されていることが好ましい。つまり、複数の結晶粒子11に跨がる分極ドメイン12の存在する圧電体層3は変位量が大きいため、そうした圧電体層3を積層体7に複数配置することにより、変位量をさらに大きくすることができる。所望の積層位置にて複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12の存在を多くするためには、分極ドメイン12の存在を多くする位置の内部電極層5の銀(Ag)比率を95質量%と高くし、その他の内部電極層5の銀比率を90質量%にしてやればよい。特に積層体7の積層方向の中央部に位置する圧電体層3で変位量が大きくなるようにして、積層体7の積層方向の端部に位置する圧電体層3で変位量が小さくなるように銀比率を異ならせた内部電極層3を配置することによって、連続駆動により積層体7の端部で発生しやすくなるクラックの発生を抑えることができる。
さらに、分極ドメイン12は、全ての圧電体層3に形成されていることが好ましい。つまり、複数の結晶粒子11に跨がる分極ドメイン12の存在する圧電体層3は変位量が大きいため、そうした分極ドメイン12が全ての圧電体層3に形成されていることによって、積層型圧電素子1の変位量がさらに大きくなる。
複数の結晶粒子11に跨がる分極ドメイン12を全ての圧電体層3に形成されているものとする場合は、基本的には前述の形成方法と同じでよい。つまり、結晶粒子11の界面の不連続性を低減するためには、内部電極層5と圧電体層3の磁器との界面に発生する残留応力を低減する必要があり、内部電極層5にはヤング率の低い金属を選定する必要があるので、AgとPdとの合金を用いる場合は、Agの比率を95質量%以上として焼成温度を900℃以下とすることが好ましい。このようにすることにより、結晶粒界での結晶欠損,残留応力,異相成分等の不連続性を低減することができ、複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12を全ての圧電体層3に形成することができる。
<製造方法>
次に、本発明の積層型圧電素子の製造方法について説明する。
まず、圧電材料としてチタン酸ジルコン酸鉛(PbZrO−PbTiOからなるペロブスカイト型酸化物(Pb(Zr,Ti)O):PZT)を主成分とする粉末と、アクリル系,ブチラール系等の有機高分子からなるバインダーと、DBP(フタル酸ジブチル),DOP(フタル酸ジオクチル)等の可塑剤とを混合してスラリーを作製する。次いで、このスラリーからドクターブレード法やカレンダーロール法等のテープ成型法を用いてセラミックグリーンシートを作製する。
ここで、PZT粉末は、高純度粉末からなる混合原料を固相法により700℃以下の低温で合成したものを用いることが好ましい。
なお、圧電体層3には、圧電材料としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の他にも、チタン酸バリウムBaTiOを主成分とする圧電セラミックス材料等を用いてもよい。この圧電セラミックスとしては、その圧電特性を示す圧電歪み定数d33が高いものが望ましい。
次に、内部電極層5用の金属ペーストを作製する。この金属ペーストは、主に銀パラジウム(Ag−Pd)からなる金属粉末にバインダーおよび可塑剤等を添加混合して得る。この金属ペーストをセラミックグリーンシートの片面にスクリーン印刷等によって塗布して、内部電極ペースト層を形成する。
ここで、金属ペーストは、Pdの比率を10質量%以下としたものが好ましい。また、内部電極層5の積層体7中における位置によりPd比率の異なる金属ペーストを用いることにより、積層体7中における所望の位置で複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12を有する圧電体層3を備えた、積層体7を得ることができる。つまり、Pd比率を下げた金属ペーストを用いた内部電極層5の周辺の圧電体層3では、内部電極層5と圧電体層3との間での応力が低減され、複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12が形成されやすくなるので、どのように分極ドメイン12を形成するのかに応じて金属ペーストのPd比率を異ならせればよい。
なお、内部電極層5用の金属粉末としては、銀パラジウムの他に、銅,パラジウム,白金またはニッケル等の粉末を用いてもよい。
次に、金属ペーストを用いて内部電極ペースト層が印刷されたセラミックグリーンシートを、例えば図1に示す構造となるように積層して乾燥することで、焼成前の積層成型体を得る。このとき、積層体7の上下の端部のように圧電体層3の厚みをさらに必要とする場合は、金属ペーストを印刷していないセラミックグリーンシートを厚みの必要な箇所に部分的に積層すればよい。また、積層成型体は、個片の積層体7の大きさに切断して所望の形状にすることができる。なお、内部電極ペースト層の厚みは、内部電極層5の厚みに応じて、スクリーン印刷であれば1〜40μm程度にすることができる。
次に、積層成形体を所定の温度で脱バインダー処理した後、900〜950℃の温度で焼成する。このとき、焼成温度プロファイルの条件は、昇温した後に650℃以上の温度領域で25時間以上保持し、その後の降温過程では温度範囲650℃から200℃を15時間以上かけて降温する。次いで、得られた焼結体を所望の寸法に加工した上で積層体7とし、その側面に外部電極9を形成する。外部電極9は、主に銀からなる金属粉末にバインダー,可塑剤およびガラス粉末等を添加混合して金属ペーストを作製し、この金属ペーストを積層体7の側面にスクリーン印刷等によって印刷して600〜800℃の温度で焼成することによって形成できる。
さらに、外部電極9の外面に、金属のメッシュもしくはメッシュ状の金属板が埋設された導電性接着剤からなる導電性補助部材を形成してもよい。なお、金属のメッシュとは金属線を編み込んだものであり、メッシュ状の金属板とは金属板に孔を形成してメッシュ状にしたものをいう。
その後、外部電極9にリード線を半田等で接続した後、外部電極9を含む積層体7の側面にシリコーンゴム等からなる外装樹脂をディッピング等の手法を用いてコーティングしてもよい。
得られた積層型圧電素子1は、圧電体層3に複数の結晶粒子11に跨る分極ドメイン12が形成されている。本発明の積層型圧電素子1においてより高い効果を得るためには、前述のように、圧電体層3を形成するためのPZT粉末は、高純度粉末からなる混合原料を固相法により700℃以下の低温で合成したものを用いること、また、内部電極層5用の金属ペーストはPdの比率を10質量%以下としたものを用いることが、さらに、積層体7の焼成プロファイルでは、ピーク温度が900℃〜950℃の範囲にあり、また650℃以上の温度領域で25時間以上保持し、また降温過程では温度範囲650℃から200℃を15時間以上かけて降温することが好ましい。
<噴射装置>
図4は、本発明の噴射装置の実施の形態の一例を示す概略断面図である。図4に示すように、本例の噴射装置19は、一端に噴射孔21を有する収納容器(容器)23の内部に上記の実施の形態の例に代表される本発明の積層型圧電素子1が収納されている。
収納容器23内には、噴射孔21を開閉することができるニードルバルブ25が配設されている。噴射孔21には流体通路27がニードルバルブ25の動きに応じて連通可能になるように配設されている。この流体通路27は外部の流体供給源に連結され、流体通路27に常時高圧で燃料等の流体が供給されている。従って、ニードルバルブ25が噴射孔21を開放すると、流体通路27に供給されていた流体が高圧で噴射孔21から外部に、例えば図示しない内燃機関の燃料室内等に吐出されるように構成されている。
また、ニードルバルブ25の上端部は内径が大きくなっており、収納容器23に形成されたシリンダ29と摺動可能なピストン31とが配置されている。そして、収納容器23内には、前述の本発明の積層型圧電素子1が収納されている。
このような噴射装置19では、圧電アクチュエータとしての積層型圧電素子1が電圧を印加されて伸長すると、ピストン31が押圧され、ニードルバルブ25が噴射孔21を閉塞し、流体の供給が停止される。また、電圧の印加が停止されると積層型圧電素子1が収縮し、皿バネ33がピストン31を押し返し、流体通路27が開放され噴射孔21が流体通路27と連通して、噴射孔21から流体の吐出(噴射)が行なわれるようになっている。
また、本発明の噴射装置は、噴射孔を有する容器と、本発明の積層型圧電素子1とを備え、容器内に蓄えられた液体が積層型圧電素子1の駆動により噴射孔から吐出されるように構成されていてもよい。すなわち、積層型圧電素子1が必ずしも容器23の内部にある必要はなく、積層型圧電素子1の駆動によって容器の内部に圧力が加わるように構成されていればよい。なお、本発明において、液体とは、燃料またはインク等の他に、種々の液状流体(導電性ペースト等)が含まれる。
<燃料噴射システム>
図5は、本発明の燃料噴射システムの実施の形態の一例を示す概略図である。図5に示すように、本例の燃料噴射システム35は、高圧燃料を蓄えるコモンレール37と、このコモンレール37に蓄えられた高圧燃料を噴射する複数の本発明の噴射装置19と、コモンレール37に高圧燃料を供給する圧力ポンプ39と、噴射装置19に駆動信号を与える噴射制御ユニット41とを備えている。
噴射制御ユニット41は、外部情報または外部からの信号に基づいて高圧流体の噴射の量およびタイミングを制御する。例えば、エンジンの燃焼室内の状況をセンサ等で感知しながら燃料噴射の量およびタイミングを制御するものである。圧力ポンプ39は、燃料タンク43から燃料を1000〜2000気圧程度、好ましくは1500〜1700気圧程度の高圧にしてコモンレール37に供給する役割を果たす。コモンレール37では、圧力ポンプ39から送られてきた高圧燃料を蓄え、噴射装置19に適宜送り込む。噴射装置19は、前述したように噴射孔21から所定量の高圧燃料を外部または隣接する容器、例えばエンジンの燃焼室内に霧状に噴射する。
本発明の積層型圧電素子を備えた圧電アクチュエータを以下のようにして試作した。
<試料番号1>
平均粒経が0.4μmのチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電セラミックスの仮焼粉末と、バインダーおよび可塑剤とを混合したスラリーを調整した。このスラリーを用いて、ドクターブレード法で焼成後の厚みが150μm程度の圧電体層となるセラミックグリーンシートを作製した。次いで、銀−パラジウム合金(銀70質量%−パラジウム30質量%)にバインダーを加えた内部電極層用の金属ペーストを調製した。この金属ペーストをセラミックグリーンシートの片面にスクリーン印刷し、これらの金属ペーストが印刷されたセラミックグリーンシートを300枚積層した。この積層成形体をピーク温度1100℃で200分間保持した後、室温まで15時間かけて温度を低下させて焼成した。得られた焼結体を所定の寸法に加工して、積層体を得た。
<試料番号2>
まず、試料番号1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。次いで、内部電極層用に2種類の金属を用いて2種類の金属ペーストを調製した。一つは銀90質量%−パラジウム10質量%の合金を用いた金属ペーストであり、もう一つは銀100%の金属ペーストである。最初に、銀90質量%−パラジウム10質量%の合金を用いた金属ペーストをセラミックグリーンシートの片面にスクリーン印刷し、次に、積層体としたときに電極端部となる位置に、銀100%の金属ペーストを重ねてスクリーン印刷し、このセラミックグリーンシートを300枚積層して積層成形体を得た。この積層成形体を650℃から900℃までを10時間かけて昇温させ、900℃で5時間保持した後、650℃までを10時間かけて降温し、さらに200℃までを15時間かけて降温することで焼成した。得られた焼結体を所定の寸法に加工して積層体を得た。
ここで、積層したときに内部電極層の中央部に対して内部電極層の端部となる位置に銀100%の金属ペーストを印刷することにより、作製した積層体中の内部電極層の端部付近における内部電極層と圧電体層との界面における応力を低減することができる。これにより、内部電極層の端部近傍において、結晶粒界に存在する残留応力を低減し、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されやすくした。
<試料番号3>
まず、試料番号1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。次いで、内部電極層用に2種類の金属を用いて2種類の金属ペーストを調製した。一つは銀90質量%−パラジウム10質量%の合金を用いた金属ペーストであり、もう一つは銀95質量%−パラジウム5質量%の合金を用いた金属ペーストである。調製した金属ペーストをセラミックグリーンシートの片面にそれぞれスクリーン印刷した。そして、このセラミックグリーンシートを300枚積層するときに、中央の200層には銀95質量%−パラジウム5質量%の合金を用いた金属ペーストを印刷したセラミックグリーンシートが配置されるようにし、またその上下の50層ずつの積層には、銀90質量%−パラジウム10質量%の合金を用いた金属ペーストを印刷したセラミックグリーンシートが配置されるようにして、300層の積層成形体を得た。この積層成形体を650℃から900℃までを10時間かけて昇温させ、900℃で5時間保持した後、650℃までを10時間かけて降温し、さらに200℃までを15時間かけて降温することで焼成した。得られた焼結体を所定の寸法に加工して積層体を得た。
ここで、積層したときに積層体の中央部となるセラミックグリーンシートには内部電極層用に銀95質量%の金属ペーストを印刷することにより、製作した積層体においては、積層体の中央部において内部電極層と圧電体層との界面における応力を低減することができる。これにより、積層体の積層中央部において、結晶粒界に存在する残留応力を低減し、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されやすくした。
<試料番号4>
まず、試料番号1と同様にしてセラミックグリーンシートを得た。次いで、内部電極層用に銀95質量%−パラジウム5質量%の合金を用いた金属ペーストを調製した。調製した金属ペーストをセラミックグリーンシートの片面にスクリーン印刷し、300層の積層成形体を得た。この積層成形体を650℃から900℃までを10時間かけて昇温させ、900℃で5時間保持した後、650℃までを10時間かけて降温し、さらに200℃までを15時間かけて降温することで焼成した。得られた焼結体を所定の寸法に加工して積層体を得た。
このように、焼成ピーク温度を900℃とすることで、鉛の分解を抑えて焼成することにより、圧電体層の組成が不均一となることを防ぎ、また、内部電極層としてAg比率が高くヤング率の低い金属を選定することにより、結晶粒界での結晶欠損,残留応力,異相成分等の不連続性を低減して、全ての圧電体層において複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されやすくした。
以上の試料番号1〜4の積層体にそれぞれ外部電極を形成し、その後、各積層型圧電素子に対して導電部材を介して外部電極に3kV/mmの直流電界を15分間印加して、分極処理を行なった。このようにして圧電アクチュエータとしての積層型圧電素子を作製した。
<評価方法>
得られた積層型圧電素子について、分極ドメインの状態については、TEM(透過型電子顕微鏡)により観察を行なった。
また、得られた積層型圧電素子に170Vの直流電圧を印加したところ、全ての積層型圧電素子(圧電アクチュエータ)において、積層方向に変位が得られた。これらの積層型圧電素子に室温で0〜+170Vの正弦波電圧を150Hzの周波数で印加して、1×10回,1×10回および1×10回まで連続駆動した試験を行ない、各試験後の変位量を測定した。結果は表1に示す通りであった。
Figure 0005341094
<評価結果>
表1に示すように、本発明の実施例である試料番号2〜4の各積層型圧電素子においては、圧電体層において複数の結晶粒子に跨る分極ドメインの存在が観察された。しかしながら、比較例である試料番号1の積層型圧電素子では、圧電体層において複数の結晶粒子に跨る分極ドメインの存在を認めることができなかった。
なお、本発明の実施例である試料番号2の積層型圧電素子では、全ての内部電極層の端部近傍部位で複数の結晶粒子に跨る分極ドメインの存在を確認することができた。
また、本発明の実施例である試料番号3の積層型圧電素子では、積層体の積層中央部の圧電体層において、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインの存在を確認することができた。
さらに、本発明の実施例である試料番号4の積層型圧電素子では、全ての圧電体層において、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインの存在を確認することができた。
さらにまた、比較例である試料番号1の積層型圧電素子の圧電体層の結晶粒子の平均粒子径は6μmであり、連続駆動後に磁器である圧電体層にクラックが多発していたのに対して、本発明の実施例である試料番号2〜4の積層型圧電素子では、圧電体層の結晶粒子の平均粒子径が2〜3μmであり、連続駆動後でも小さなクラックが少し認められるだけであり、耐久性にも優れていることが確認できた。
そして、試料番号1の積層型圧電素子では初期の変位量が24μmであったのに対して、1×10回後の変位量は18μmに低下し、5×10回後には圧電体層にクラックが多発して停止した。
これに対して、試料番号2の積層型圧電素子では初期の変位量が36μmであったのに対して、1×10回後の変位量は36μm、1×10回後の変位量は35μm、1×10回後の変位量は35μmであった。また、試料番号3の積層型圧電素子では初期の変位量が41μmであったのに対して、1×10回後の変位量は40μm、1×10回後の変位量は40μm、1×10回後の変位量は39μmであった。また、試料番号4の積層型圧電素子では初期の変位量が48μmであったのに対して、1×10回後の変位量は47μm、1×10回後の変位量は47μm、1×10回後の変位量も47μmであった。これらの結果から、本発明の積層型圧電素子によれば、大きな変位量を有するとともに、1×10回の連続駆動後も素子性能が大きく劣化することがなく、長期間にわたる耐久性に優れていることが分かる。
中でも、試料番号4の積層型圧電素子では、極めて大きな変位量を有しており、連続駆動後も素子性能がほとんど変化することがなく、素子変位量が非常に安定していて耐久性にも優れていた。
1・・・積層型圧電素子
3・・・圧電体層
5・・・内部電極層
7・・・積層体
9・・・外部電極
11・・・結晶粒子
12・・・分極ドメイン
19・・・噴射装置
21・・・噴射孔
23・・・収納容器(容器)
25・・・ニードルバルブ
27・・・流体通路
29・・・シリンダ
31・・・ピストン
33・・・皿バネ
35・・・燃料噴射システム
37・・・コモンレール
39・・・圧力ポンプ
41・・・噴射制御ユニット
43・・・燃料タンク

Claims (9)

  1. 圧電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体を含む積層型圧電素子であって、前記圧電体層は、複数の結晶粒子に跨る分極ドメインが形成されており、
    前記圧電体層は、焼成時のピーク温度が850℃〜950℃であるとともに、650℃までを10時間かけて降温し、さらに200℃までを15時間かけて降温することによって、形成されることを特徴とする積層型圧電素子。
  2. 前記分極ドメインは複数の結晶粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層型圧電素子。
  3. 前記分極ドメインの自発分極方向が前記内部電極層間に印加される電圧の電界方向に対してずれていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層型圧電素子。
  4. 前記圧電体層は、結晶粒子の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  5. 前記分極ドメインは、前記圧電体層における前記内部電極層の端部近傍に存在することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  6. 前記分極ドメインは複数の前記圧電体層に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  7. 前記分極ドメインは全ての前記圧電体層に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の積層型圧電素子。
  8. 噴出孔を有する容器と、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の積層型圧電素子とを備え、前記容器内に蓄えられた液体が前記積層型圧電素子の駆動により前記噴射孔から吐出されることを特徴とする噴射装置。
  9. 高圧燃料を蓄えるコモンレールと、該コモンレールに蓄えられた前記高圧燃料を噴射する請求項8に記載の噴射装置と、前記コモンレールに前記高圧燃料を供給する圧力ポンプと、前記噴射装置に駆動信号を与える噴射制御ユニットとを備えたことを特徴とする燃料噴射システム。
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