JP4682988B2 - クリーム類の殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クリーム類の殺菌方法、製造方法、更にはこれにより得られるクリーム類に関する。
ケーキなどのトッピングに使用されるホイップクリームや、パン菓子などに練り込み用途で使用される人工濃縮乳などのような水中油型乳化油脂組成物の製造方法は、通常、原料調整工程、加熱殺菌工程、冷却工程、充填工程の4工程を有している。
この内、加熱殺菌工程、特に賞味期限の長い製品を製造するための加熱殺菌方法としては、食品に直接蒸気を作用させる蒸気直接加熱殺菌が多用されている(特許文献1)。この殺菌方法は、短時間で高温に加熱できることから、製品が受ける加熱によるダメージ(風味劣化等)が少なく、フレッシュ感が多い製品が製造可能となる。一方、この方法は蒸気を直接作用させるため、加熱量に応じて系中の水分増加が起こるため、通常、加熱殺菌工程の後に設置されたフラッシュタンクにおいて蒸気加熱後に真空引きされ、加熱される前の水分含量になるように水分が除去される。この際、フラッシュタンクでの真空引きにより、水分と共に原材料の香気成分や高揮発性成分が除去されるため、製品の風味が薄っぺらくなってしまう不具合があった。また、フラッシュタンクを用いず、間接冷却方式で冷却した場合、蒸気により増加した水分量だけ、製品が希釈されてしまい、風味が希釈される不具合があった。
一方、水分が増加しない加熱方法である間接加熱、例えば、プレート式などを用いて、賞味期限の長い製品を製造するために必要な高温領域まで加熱すると、高温領域での加熱時間が長いため、加熱ダメージが大きく、フレッシュ感のないものになる不具合があった。更に、プレート内でスケールが発生し、長時間の連続製造ができない不具合もあった。
また、近年、食品そのものを電気抵抗体とし、食品自体に電気をかけることで、自己発熱させ、食品を加熱する、通電加熱方法(特許文献2)、それを用いた無菌食品の製造方法(特許文献3)が提案されている。通電加熱は、間接加熱と比較して、均一に、かつ、急速に加熱できる長所を持っており、局部加熱による焦げの発生が少ないといった利点がある。しかし、加熱スピードは、蒸気直接加熱と比較すると遅く、やはり間接加熱の時と同様の不具合があった。また、特許文献3には、通電加熱装置と無菌充填装置を組み合わせた無菌食品を製造する方法について記載され、特に実施例において、通電加熱と間接加熱(熱交換装置)を組み合わせた方法が示されているが、この方法は、間接加熱の風味面での不具合を軽減させるものではない。また、処理順などに関する記載も示唆もなく、ただ、従来の無菌食品製造装置の中に、通電加熱装置を組み入れたにすぎず、それらを組み合わせることによる利点も見出されていなかった。
特開平9−182781号公報 特開平7−39320号公報 特開2003−289838号公報
本発明は、風味豊かで(味が強く、においが強い)、フレッシュ感があるクリーム類、更にはその新規製造方法、殺菌方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、通電加熱工程(1)、蒸気加熱工程(2)、間接冷却工程(4)を、この順で実施することを特徴とするクリーム類の殺菌方法を提供した。これによれば、加熱の際に、通電加熱工程(1)と蒸気加熱工程(2)が併用されているので、加熱ダメージやスケールの発生を防止しつつ、一方で水分量の増加を最小限にとどめて目的温度まで昇温することが可能となり、さらに冷却を間接冷却工程(4)で行うことで、香気成分や高揮発性成分が除去されることを防止し、風味豊かで(味が強く、においが強い)、フレッシュ感があるクリーム類を提供することが可能となる。
さらに、蒸気加熱工程(2)と、間接冷却工程(4)の間に、ホールド工程(3)を有することを特徴とする前記のクリーム類の殺菌方法を提供した。
さらに、通電加熱工程(1)の到達温度が90〜140℃で、蒸気加熱工程(2)の到達温度が、通電加熱工程(1)の到達温度より高く尚かつ125℃〜150℃であることを特徴とする前記のクリーム類の殺菌方法を提供した。
さらに、前記クリーム類の殺菌方法を行うことを特徴とするクリーム類の製造方法、また、これらの殺菌方法、製造方法を用いて製造されたことを特徴とするクリーム類を提供した。
本発明の殺菌方法に従えば、風味豊かで(味が強く、においが強い)、フレッシュ感があるクリーム類を製造することが可能となる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のクリーム類は水中油型乳化油脂組成物である。水中油型乳化油脂組成物は、通常、油脂、水を成分として含有し、水中に油滴が分散した形態を言い(以下、O/W型エマルジョンと言うことがある)、牛乳や生クリームといった天然由来のO/W型エマルションや、人工のO/W型エマルションも含む。また、水相又は油相中に各種成分を含有していてもよい。例えば、油脂、蛋白原料、乳化剤、糖類、安定剤・増粘剤、無機塩類などを必要に応じて添加できる。
前記油脂としては、特に限定されないが、例えば、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、ヒマワリ種子油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、ゴマ油、カポック油、落花生油、米糠油、胡麻油、月見草油、シア脂、サル脂、カカオ脂、マンゴー核油、イリッペ脂などの各種植物油脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの各種動物油脂および、それらの分別、硬化、エステル交換等の処理をして得られる加工油脂、さらには市販のバター、マーガリン、またはショートニングあるいはハードバター等が挙げられ、これらを単独、または併用して用いることができる。
前記蛋白原料としては、特に限定されないが、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、加糖練乳、無糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルク、バターミルクパウダー、ホエー、ホエーパウダー、カゼイン、カゼインナトリウム、脂肪球皮膜タンパク、α−ラクトアルブミンやβ−ラクトグロブリン、血清アルブミン、生クリーム等の乳由来の蛋白質、更には卵蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の乳以外の蛋白質等を使用することができる。卵蛋白質としては、液状あるいは乾燥された卵黄、卵白、全卵及びこれらより分離される単一(単純)蛋白質、例えばオボアルブミン、コンアルブミン、オボムコイド、オボグロブリン、ホスビチン、リベチン、リン糖蛋白質、低密度リポ蛋白質、高密度リポ蛋白質等がある。大豆蛋白質としては、豆乳、脱脂大豆粉、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、脱脂豆乳粉末、大豆蛋白加水分解物等がある。小麦蛋白質としては、グリアジン、グルテニン、プロラミン、グルテリン等がある。また、その他動物性及び植物性蛋白質等の蛋白質も使用できる。これらの蛋白質は、目的に応じ単独、または併用して用いることができる。
前記乳化剤としては、特に限定されないが、大豆レシチン、卵黄レシチン、または、それらの酵素分解物、脂肪酸とグリセリンのエステル及びその誘導体(グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル等)、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等を挙げることができる。これらは、単独、または併用して用いることができる。
前記糖類としては、特に限定されないが、ブドウ糖、果糖、マンノース、キシロース、ショ糖、乳糖、麦芽糖、マルトース、トレハロース、マルトトリオース、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、異性化液糖、ショ糖結合水飴、酵素糖化水飴、還元乳糖、還元澱粉糖化物、還元糖ポリデキストロース、澱粉加水分解物、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、オリゴ糖アルコール、ラフィノース、ラクチュロース、ステビア、アスパルテーム等の糖類が挙げられる。これらは、単独、または併用して用いることができる。
前記安定剤・増粘剤としては、特に限定されないが、プルラン、サイリウム、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、ジェランガム、グルコマンナン、グアーガム、キサンタンガム、タマリンド種子多糖、カラギーナン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ファーセルラン、ローカストビーンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、結晶セルロース、カードラン及びそれらの低分子化物、澱粉、化工澱粉、各種α化デンプン、ゼラチン、デキストリン、寒天、デキストラン等が挙げられる。これらの安定剤・増粘剤は、単独、または併用して用いることができる。
また、脂質蛋白複合体や蛋白糖複合体などについても何ら限定されず用いることができる。
前記無機塩類としては、特に限定されないが、食塩、岩塩、海塩、塩化カリウム、ヘキサメタリン酸塩、第2リン酸塩、第1リン酸塩、クエン酸のアルカリ金属塩(カリウム、ナトリウム等)、ポリリン酸塩、重曹等が挙げられる。これらは、単独、または併用して用いることができる。
この他、抽出物、着香料、調味料、乳製品、酵素処理物、pH調整剤、酵素、食品保存料、日持ち向上剤、酸化防止剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー等を使用することができ、これらは、単独、または併用して用いることができる。
本発明のクリーム類の殺菌方法は、通電加熱工程(1)、蒸気加熱工程(2)、間接冷却工程(4)の3つの工程を、この順で実施することを特徴としている(尚、この順であれば、他の工程を間で行っても構わない。)。また、蒸気加熱工程(2)と間接冷却工程(4)の間にホールド工程(3)を有する方が好ましく、これら以外に予備加熱工程、乳化・均質化工程、熟成工程、充填工程などの工程を有していても良い。
<通電加熱工程(1)>
本発明の通電加熱工程(1)における通電加熱とは、食品の持つ電気抵抗を利用し、電流を流して食品そのものを発熱させる加熱方法である。通電加熱によれば、蒸気加熱とは異なり、クリーム類中の水分量の増加を防止しつつ加熱することが可能となる。通電加熱装置としては、例えば、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング)やジュール式アセプライザー((株)イズミフードマシナリ)がある。本工程では、例えば、前記油脂、蛋白原料、乳化剤、糖類、安定剤・増粘剤、無機塩類、香料、水等の原料により作製されたクリーム類を、到達温度90〜140℃、更には90〜135℃、特に100〜125℃まで加熱していることが好ましい(なお、本発明において到達温度とは、各工程中で到達した最高温度を表す。効率の点から考えると、各加熱工程の到達温度が、その工程の最終温度となって次の工程に移行されることが好ましい。)。それは、到達温度が高いほど短時間で大きな加熱ダメージを受け、フレッシュ感が損失してしまうので、より高温部の昇温は、短時間で昇温可能な次の工程(蒸気加熱工程(2))で行うのが望ましいからである(特に、通電加熱で140℃を上回る温度まで加熱すると、フレッシュ感の喪失が激しい。)。尚、上記到達温度までの加熱を従来のプレート式間接加熱で行うことも考えられるが、この場合局部的な加熱による焦げ(スケール)がつきやすく、長時間の連続運転が困難と成りやすい為、好ましくない。一方、90℃未満の温度までの加熱であれば、従来のプレート式間接加熱方法での加熱でも局部的な加熱による焦げ(スケール)がつきにくいことから、通電加熱を用いるメリットが少なくなる。
なお、通電加熱工程(1)の前に、予め他の加熱方法で予備加熱を行っておくことも考えられる。例えば、本発明の殺菌方法で処理することとなる水中油型乳化油脂組成物を予め形成する際に、これを加熱下で行うと効率的に作成できることが多く、この際に加熱された水中油型乳化油脂組成物をそのまま使用することで通電加熱工程(1)を短時間で終えることが可能となる。また、例えばプレート式間接加熱装置等を有する従来の製造ラインに通電加熱装置を増設する際には、低温域の加熱にプレート式間接加熱装置を使用し、これよりも高い温度域において通電加熱装置を用いること等もできる。この場合、通電加熱装置の増設コストを低く抑えることが可能となる。なお、これら通電加熱工程(1)の前の他の方法による予備加熱は、焦げ(スケール)の形成を低減する上で、90℃未満の温度域で行うことが好ましい。
尚、乳化を完了させた後に本発明の殺菌方法を施しても良いし、或いは、予備乳化の状態で本発明の殺菌方法を施し、通電加熱工程(1)又は他の工程中で乳化を完了させることも可能である。また、予備乳化の状態で殺菌を終え、その後に乳化を完了させることも可能である。
<蒸気加熱工程(2)>
本発明の蒸気加熱工程(2)における蒸気加熱とは、蒸気を直接、食品に作用させることで加熱する方法である。方式としては、例えば蒸気吹き込み方式、インフュージョン方式等がある。前者は、食品に蒸気を直接吹き込む方式であり、装置としては、例えば、スチームインジェクション(岩井機械(株))がある。後者は、蒸気雰囲気中に食品を入れ込む方式であり、装置としては、例えば、スチームインフュージョンシステム(岩井機械(株))がある。本発明の目的であるフレッシュ感を残すためには、蒸気吹き込み方式がより好ましい。それは、蒸気吹き込み方式は、インフュージョン方式と比較し、加熱時間を短くできるため、フレッシュ感を残存させやすい傾向があるからである。
また、本蒸気加熱工程(2)では、前記通電加熱工程(1)によって加熱されたクリーム類を、通電加熱工程(1)の到達温度より高い温度であって、尚かつその到達温度が125℃〜150℃まで加熱されていることが好ましい(特に、蒸気加熱の到達温度を125℃より低い温度とすると、殺菌が不十分になりやすく、ホールド時間で補おうとすると、フレッシュ感が損なわれることが多い。150℃以上では蒸気加熱であっても加熱ダメージが大きくなってしまう。)。それは、高温部での加熱時間が長いほど、加熱ダメージが大きくなりフレッシュ感が損なわれやすい為、より高温部の昇温は、短時間で昇温可能な蒸気加熱工程(2)で行うのが望ましいからである。また、この様に蒸気加熱を高温部の加熱のみに限ることにより、水中油型乳化油脂組成物中の水分量の増加を最小限に抑えることが可能となる。
なお、製品設計の点から、通電加熱工程(1)と蒸気加熱工程(2)の各昇温幅を各種設定することができる。例えば、通電加熱工程(1)の昇温幅を減らして蒸気加熱工程(2)の昇温幅を増やすとフレッシュ感を高めやすく、逆に通電加熱工程(1)の昇温幅を増やし蒸気加熱工程(2)の昇温幅を減らすと、フレッシュ感を抑えた設計とすることができる。
<ホールド工程(3)>
本発明においては、蒸気加熱工程(2)と、間接冷却工程(4A)または蒸発−還流式冷却工程(4B)からなる冷却工程(4)の間に、ホールド工程(3)を有していることが好ましい。ホールドとは、殺菌効果を高めるため、到達温度において設定された時間、保持することをいう。ホールド工程(3)におけるホールド時間(τ:秒)と、ホールド温度(T:℃)は、次式の関係を満たしていることが好ましい。この式を満たしていることにより、十分な殺菌効果を得ることが可能となる。
τ=A×1/10((T−121.1)/10)×60 (定数A=0〜100)
間接冷却工程(4)>
間接冷却工程(4)は、蒸気加熱工程(2)又はホールド工程(3)終了時の高温状態より、その製品に適切な温度まで冷却する工程である(クリーム等に於いては、その結晶性の制御の点から、2〜15℃に冷却することが好ましい。)。間接冷却とは、冷却される対象物とそれ以外の物質との熱交換により冷却する方法であり、例えば、プレート方式、チューブラー方式、多管式冷却方式、掻き取り方式や冷たい物質の混合などが挙げられるが、中でも熱交換能力が高い、プレート方式、多管式冷却方式を用いるのが好ましい。間接冷却によれば、蒸発冷却を行う際とは異なり、香気成分や高揮発性成分が除去されにくく、風味豊かなクリーム類を提供することが容易となる。特に本発明に於いては、加熱工程を特定の方法とすることでクリーム類中の水分量の増加を最小限にとどめているので、間接冷却による冷却であっても水分の増加による風味の低下を防ぐことが可能となっている。
本発明のクリーム類としては、例えばカスタードクリームやホワイトクリーム、ホイップクリーム等が挙げられる。なお、本発明の殺菌後のクリーム類は、必要により冷蔵(0〜15℃)もしくは冷凍状態(−0℃以下)で保存してもよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
(実施例1)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング社製)により110℃まで加熱した。その後、スチームインジェクションでの加熱(岩井機械工業(株))により140℃まで加熱し、殺菌保持装置であるホールディングチューブにて140℃で4s間保持した。その後、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)を用い5℃まで冷却した。
Figure 0004682988
(比較例1)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング社製)により110℃まで加熱した。その後、スチームインジェクション(岩井機械工業(株))での加熱により140℃まで加熱し、殺菌保持装置であるホールディングチューブにて140℃で4s間保持した。その後、蒸発冷却器(岩井機械工業(株)製)を用いて80℃まで冷却した後、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)を用い5℃まで冷却した。
(実施例2)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング社製)により110℃まで加熱した。その後、スチームインジェクション(岩井機械工業(株))での加熱により140℃まで加熱し、殺菌保持装置であるホールディングチューブにて140℃で4s間保持した。その後、蒸発冷却器(岩井機械工業(株)製)を用いて80℃まで冷却した。蒸発冷却器において、蒸発した物質を凝縮させ、乳化物に戻した。その後、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)を用い5℃まで冷却した。
(比較例2)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、スチームインジェクション(岩井機械工業(株))での加熱により140℃まで加熱した。殺菌保持装置であるホールディングチューブにて140℃で4s間保持した。その後、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)を用い5℃まで冷却した。
(比較例3)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング社製)により140℃まで加熱した。殺菌保持装置であるホールディングチューブにて140℃で4s間保持した。その後、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)を用い5℃まで冷却した。
(比較例4)
表1の配合にて水相と油相を調整し、65℃に温調しながら、予備乳化した。予備乳化液を調合タンクに投入し、送液ポンプ(ホモゲナイザーHV,(株)イズミフードマシナリ社製)を用いて、プレート式熱交換機(岩井機械工業(株)製)にて、80℃まで予備加熱を行い、その後、スチームインジェクション(岩井機械工業(株))での加熱により110℃まで加熱した。その後、ジュール加熱滅菌装置((株)フロンティアエンジニアリング社製)により140℃まで加熱したが、ジュール加熱滅菌装置出口付近の上部に焦げが発生し、試料は作製できなかった。
上記で得られた各試料の、味の強さ、においの強さ、フレッシュ感を、専門パネル10名による官能評価で評価した。それぞれの評価結果は、以下の方法で点数化し、表2に示した。なお、各々の評価で3点以上を合格とした。
5:強く感じる
4:やや強く感じる
3:やや薄く感じる
2:薄く感じる
1:ほとんど感じない
Figure 0004682988
表2より明らかな様に、実施例1、2は、味の強さ、においの強さ、フレッシュ感の何れの評価においても優れた結果を示した。これに対し各比較例は、何れかの評価で不具合を生じるか、或いは作製できないという結果であった。

Claims (9)

  1. 通電加熱工程(1)、蒸気加熱工程(2)、間接冷却工程(4)を、この順で実施することを特徴とするクリーム類の殺菌方法。
  2. 通電加熱工程(1)の前に、予備加熱を行うことを特徴とする請求項1に記載のクリーム類の殺菌方法。
  3. 更に蒸気加熱工程(2)と、間接冷却工程(4)の間に、ホールド工程(3)を有することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法。
  4. 通電加熱工程(1)の到達温度が90〜140℃で、蒸気加熱工程(2)の到達温度が、通電加熱工程(1)の到達温度より高く尚かつ125℃〜150℃であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法。
  5. 蒸気加熱工程(2)の加熱方式が蒸気吹き込み方式であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法。
  6. ホールド工程(3)におけるホールド時間(τ:秒)とホールド温度(T:℃)が、次式を満たすことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法。
    τ=A×1/10((T-121.1)/10)×60 (定数A=0〜100)
  7. 間接冷却工程(4)の冷却方式がプレート式、チューブラー式、或いは、多管式冷却方式であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法を行うことを特徴とするクリーム類の製造方法。
  9. 請求項1〜7の何れか1項に記載のクリーム類の殺菌方法、或いは請求項8に記載のクリーム類の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするクリーム類
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