JP4628275B2 - マイクロスイッチング素子およびマイクロスイッチング素子製造方法 - Google Patents

マイクロスイッチング素子およびマイクロスイッチング素子製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、MEMS技術を利用して製造される微小なスイッチング素子、および、MEMS技術を利用したスイッチング素子製造方法に関する。
携帯電話など無線通信機器の技術分野では、高機能を実現するために搭載される部品の増加などに伴い、高周波回路ないしRF回路の小型化に対する要求が高まっている。このような要求に応えるべく、回路を構成する様々な部品について、MEMS(micro-electromechanical systems)技術の利用による微小化が進められている。
そのような部品の一つとして、MEMSスイッチが知られている。MEMSスイッチは、MEMS技術により各部位が微小に形成されたスイッチング素子であり、機械的に開閉してスイッチングを実行するための少なくとも一対のコンタクトや、当該コンタクト対の機械的開閉動作を達成するための駆動機構などを有する。MEMSスイッチは、特にGHzオーダーの高周波信号のスイッチングにおいて、PINダイオードやMESFETなどよりなるスイッチング素子よりも、開状態にて高い絶縁性を示し且つ閉状態にて低い挿入損失を示す傾向にある。これは、コンタクト対間の機械的開離により開状態が達成されることや、機械的スイッチであるために寄生容量が少ないことに、起因する。MEMSスイッチについては、例えば下記の特許文献1〜4に記載されている。
特開2004‐1186号公報 特開2004‐311394号公報 特開2005‐293918号公報 特表2005‐528751号公報
図14から図18は、従来のマイクロスイッチング素子の一例であるマイクロスイッチング素子X2を表す。図14は、マイクロスイッチング素子X2の平面図であり、図15は、マイクロスイッチング素子X2の一部省略平面図である。図16から図18は、各々、図14の線XVI−XVI、線XVII−XVII、および線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X2は、ベース基板S2と、固定部41と、可動部42と、コンタクト電極43と、一対のコンタクト電極44(図15において省略)と、駆動電極45と、駆動電極46(図15において省略)とを備え、静電駆動型として構成されたものである。
固定部41は、図16から図18に示すように、境界層47を介してベース基板S2に接合している。固定部41およびベース基板S2は単結晶シリコンよりなり、境界層47は二酸化シリコンよりなる。
可動部42は、例えば図14、図15、または図18に表れているように、固定部41に固定された固定端42aと自由端42bとを有してベース基板S2に沿って延び、スリット48を介して固定部41に囲まれている。また、可動部42は単結晶シリコンよりなる。
コンタクト電極43は、図15によく表れているように可動部42の自由端42b近くに設けられている。一対のコンタクト電極44の各々は、図16および図18に示すように、固定部41上に立設されており、且つ、コンタクト電極43に対向する部位を有する。また、各コンタクト電極44は、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極43,44は所定の導電材料よりなる。
駆動電極45は、図15によく表れているように可動部42上および固定部41上にわたって設けられている。駆動電極46は、図17によく表れているように、その両端が固定部41に接合して駆動電極45の上方を跨ぐように立設されている。また、駆動電極46は、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極45,46は所定の導電材料よりなる。このような駆動電極45,46は、静電型の駆動機構を構成する。
このような構成のマイクロスイッチング素子X2において、駆動電極45に所定の電位を付与すると、駆動電極45,46間には静電引力が発生する。その結果、可動部42は、コンタクト電極43が一対のコンタクト電極44に当接する位置まで弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X2の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極43により一対のコンタクト電極44が電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極対44間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
閉状態にあるマイクロスイッチング素子X2において、駆動電極45に対する電位付与を停止することによって駆動電極45,46の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部42はその自然状態に復帰し、コンタクト電極43は、両コンタクト電極44から離隔する。このようにして、図16および図18に示すような、マイクロスイッチング素子X2の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極44が電気的に分離され、電流がコンタクト電極対44間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。
図19から図21は、マイクロスイッチング素子X2の製造方法を、図16および図17に相当する断面の変化として表す。マイクロスイッチング素子X2の製造においては、まず、図19(a)に示すような材料基板S2’が用意される。材料基板S2’は、いわゆるSOI(silicon on insulator)基板であり、第1層51、第2層52、および、これらの間の中間層53よりなる積層構造を有する。第1層51および第2層52は単結晶シリコンよりなり、中間層53は二酸化シリコンよりなる。
次に、図19(b)に示すように、スパッタリング法により第1層51上に導体膜54が形成される。導体膜54は0.75μmの一様の厚さを有する。
次に、図19(c)に示すように、導体膜54上にレジストパターン55,56が形成される。レジストパターン55は、コンタクト電極43に対応するパターン形状を有する。レジストパターン56は、駆動電極45に対応するパターン形状を有する。
次に、図20(a)に示すように、レジストパターン55,56をマスクとして利用して導体膜54に対して行うエッチング処理により、第1層51上に、コンタクト電極43および駆動電極45が形成される。このようにして形成されるコンタクト電極43および駆動電極45は、0.75μmの同じ厚さを有する。
次に、レジストパターン55,56を除去した後、図20(b)に示すように、第1層51に対するエッチング処理によりスリット48が形成される。具体的には、フォトリソ法により第1層51上に所定のレジストパターン(図示略)が形成された後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、第1層51に対してエッチング処理が施される。本工程にて、固定部41および可動部42がパターン形成されることとなる。
次に、図20(c)に示すように、スリット48を塞ぐように、基板S2’の第1層51側に犠牲層57が形成される。犠牲層57は二酸化シリコンよりなる。本工程では、スリット48の側壁の一部にも犠牲層材料が成膜され、スリット48は塞がれる。また、本工程で形成される犠牲層57の厚さを調節することにより、得られるマイクロスイッチング素子X2におけるコンタクト電極43,44間および駆動電極45,46間の開状態での離隔距離を調節することが可能である。ただし、犠牲層57の厚さは5μm以下に設定される。犠牲層57の厚さが5μmを超えると、犠牲層57内に生ずる内部応力に起因して材料基板S2’が不当に反る場合があり、また、犠牲層57にクラックが生じやすくなるからである。
次に、図21(a)に示すように、犠牲層57がパターニングされて開口部57a,57bが形成される。開口部57aは、固定部41においてコンタクト電極44が接合する領域を露出させるためのものである。開口部57bは、固定部41において駆動電極46が接合する領域を露出させるためのものである。
次に、犠牲層57上に形成される所定のレジストパターン(図示略)をマスクとして利用して行う電気めっき法により、図21(b)に示すように一対のコンタクト電極44および駆動電極46が形成される。
次に、図21(c)に示すように、ウエットエッチング法により犠牲層57および中間層53の一部を除去する。本エッチング処理では、まず犠牲層57が除去され、その後、スリット48に臨む箇所から中間層53の一部が除去される。このエッチング処理は、可動部42の全体と第2層52との間に適切に空隙が形成された後に停止される。このようにして、中間層53において上述の境界層47が残存形成される。また、第2層52は、ベース基板S2を構成することとなる。以上の工程を経て、静電駆動型のマイクロスイッチング素子X2が製造される。
静電駆動型スイッチング素子において強く求められる特性の一つとして、駆動電圧の小さいことが挙げられる。マイクロスイッチング素子X2において駆動電圧を低減するうえでは、可動部42を薄く設定して可動部42について小さなバネ定数を設定するのが有効である。
一方、スイッチング素子において一般的に求められる特性の一つとして、閉状態においてコンタクト電極を通過する信号の挿入損失が低いことが挙げられる。スイッチング素子の挿入損失を低減するうえでは、コンタクト電極を厚く設定してコンタクト電極について小さな抵抗を設定するのが有効である。
しかしながら、従来のマイクロスイッチング素子X2においては、コンタクト電極43の低抵抗化を図るのが困難な傾向がある。マイクロスイッチング素子X2では、上述の低駆動電圧化の観点から、コンタクト電極43を厚く設定することが抑制されるからである。
コンタクト電極43および駆動電極45は、図19(b)および図19(c)を参照して上述したように、第1層51上に形成された一様厚さの導体膜54からパターン形成されて同じ厚さを有する。そのため、コンタクト電極43の低抵抗化を図るべく当該コンタクト電極43について大きな厚さを設定すると、それに伴って駆動電極45も大きな厚さを有することとなる。駆動電極45が厚いほど、駆動電極45を収縮させるように発生する内部応力は大きく、従って、当該内部応力の作用によって可動部42が不当に変形してコンタクト電極44および駆動電極46の側に反るという不具合が生じやすい。可動部42のこのような反りは、マイクロスイッチング素子X2のスイッチング機能を阻害したり、諸特性の劣化を誘発してしまうので、好ましくない。例えば、可動部42の反りに起因して、非駆動時(駆動電極45,46間に電圧が印加されていない時)においてもコンタクト電極43,44が接触してしまう場合があり、ひいては、常時的に駆動電極45,46が接触してしまう場合がある。このような状態を回避するためには、低駆動電圧化の観点から所定の小さな値に設定されている可動部42の厚さに対して、駆動電極45およびこれと同じ厚さに形成されるコンタクト電極43の厚さを抑える必要がある。具体的には、上述のように5μm以下の厚さで形成される犠牲層57を利用して実現可能な、可動部42とコンタクト電極44との間の離隔距離および可動部42と駆動電極46との間の離隔距離、の制限内で可動部42の反りが抑制されるように、駆動電極45およびコンタクト電極43を薄く設定する必要がある。
このように、マイクロスイッチング素子に関する従来の技術においては、素子の低駆動電圧化を図りつつ、コンタクト電極について充分な低抵抗を実現して素子の挿入損失を低減するのが、困難な場合がある。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであり、駆動電圧の低減を図り且つ挿入損失の低減を図るのに適したマイクロスイッチング素子およびその製造方法を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、マイクロスイッチング素子が提供される。このマイクロスイッチング素子は、ベース基板と、当該ベース基板に接合している固定部と、当該固定部に固定された固定端を有してベース基板に沿って延びる可動部と、当該可動部におけるベース基板とは反対の側に設けられた可動コンタクト電極膜と、当該可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が固定部に接合している一対の固定コンタクト電極と、可動部におけるベース基板とは反対の側に少なくとも設けられ且つ可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜と、可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ固定部に接合している固定駆動電極とを備える。
このような構成のマイクロスイッチング素子においては、可動コンタクト電極膜と可動駆動電極膜とは同じ厚さを有さず且つ可動駆動電極膜は可動コンタクト電極膜より薄い。そのため、本素子では、低駆動電圧化の観点から所定の小さな値に設定されている可動部の厚さに対し、可動駆動電極膜について充分に小さな厚さを設定することができ、これとともに、可動コンタクト電極膜の低抵抗化の観点から当該可動コンタクト電極膜について充分に大きな厚さを設定することができる。可動コンタクト電極膜の抵抗が小さいほど、本マイクロスイッチング素子の挿入損失は小さい傾向にある。したがって、本マイクロスイッチング素子は、駆動電圧の低減を図り且つ挿入損失の低減を図るのに適しているのである。
好ましくは、可動コンタクト電極膜は、可動駆動電極膜よりも、可動部の固定端から遠くに位置する。このような構成によると、固定駆動電極に対する可動駆動電極膜の相対的に小さな変位で、固定コンタクト電極に対する可動コンタクト電極膜の相対的に大きな変位を実現することができる。したがって、本構成は、素子駆動の効率化ないし駆動電圧の低減を図るうえで好適である。
好ましくは、可動駆動電極膜の厚さは0.53μm以下である。可動駆動電極膜についてのこのような厚さ範囲は、可動部の反りを抑制するうえで好適であり、従って、素子の駆動電圧を低減するうえで好適である。
好ましくは、可動コンタクト電極膜の厚さは0.5〜2.0μmである。可動コンタクト電極膜についてのこのような厚さ範囲は、可動コンタクト電極膜の低抵抗化を図るうえで好適である。
好ましくは、可動部のバネ定数は40N/m以下である。可動部についてのこのようなバネ定数範囲は、素子の駆動電圧を低減するうえで好適である。
本発明の第2の側面によると、ベース基板と、当該ベース基板に接合している固定部と、当該固定部に固定された固定端を有してベース基板に沿って延びる可動部と、当該可動部におけるベース基板とは反対の側に設けられた可動コンタクト電極膜および可動駆動電極膜と、可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が固定部に接合している一対の固定コンタクト電極と、可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ固定部に接合している固定駆動電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を、第1層と、第2層と、当該第1および第2層の間の中間層とからなる積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことによって製造するための方法が提供される。このマイクロスイッチング素子製造方法は、第1層上に導体膜を形成する工程と、当該導体膜をパターニングすることにより、可動コンタクト電極膜およびプレ可動駆動電極膜を形成する工程と、当該プレ可動駆動電極膜に対してエッチング処理を施すことにより、可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜を形成する工程とを含む。本方法は、可動部上に可動コンタクト電極膜とこれより薄い可動駆動電極膜とを具備する上述の第1の側面に係るマイクロスイッチング素子を製造するうえで好適である。
本発明の第3の側面によると、ベース基板と、当該ベース基板に接合している固定部と、当該固定部に固定された固定端を有してベース基板に沿って延びる可動部と、当該可動部におけるベース基板とは反対の側に設けられた可動コンタクト電極膜および可動駆動電極膜と、可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が固定部に接合している一対の固定コンタクト電極と、可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ固定部に接合している固定駆動電極と、を備えるマイクロスイッチング素子を、第1層と、第2層と、当該第1および第2層の間の中間層とからなる積層構造を有する材料基板に対して加工を施すことによって製造するための別の方法が提供される。このマイクロスイッチング素子製造方法は、第1層上に導体膜を形成する工程と、可動コンタクト電極膜に対応するパターン形状を有する第1マスクパターンを導体膜上に形成する工程と、当該第1マスクパターンを利用して導体膜に対して当該導体膜の厚さ方向の途中までエッチング処理を施す工程と、可動駆動電極膜に対応するパターン形状を有する第2マスクパターンを導体膜上に形成する工程と、第1および第2マスクパターンを利用して導体膜に対してエッチング処理を施すことにより、可動コンタクト電極膜、および、当該可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜、を形成する工程とを含む。本方法は、可動部上に可動コンタクト電極膜とこれより薄い可動駆動電極膜とを具備する上述の第1の側面に係るマイクロスイッチング素子を製造するうえで好適である。
本発明の第2および第3の側面に係る方法は、更に、所定のレジストパターンをマスクとして利用して第1層に対して例えば異方性のエッチング処理を施すことにより、第1層において可動部および固定部を形成する工程と、当該固定部における固定コンタクト電極接合領域を露出させるための少なくとも二つの開口部、および、固定部における固定駆動電極接合領域を露出させるための少なくとも一つの開口部、を有して第1層の側を覆う犠牲層を形成する工程と、犠牲層を介して可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が固定コンタクト電極接合領域にて固定部に接合している固定コンタクト電極、および、犠牲層を介して可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ固定駆動電極接合領域にて固定部に接合している固定駆動電極、を形成する工程と、例えばウエットエッチングにより、犠牲層、および、中間層において第2層と可動部との間に介在する部位、を除去する工程とを含む。このような構成によると、第1の側面に係るマイクロスイッチング素子における可動部、固定部、固定コンタクト電極、および固定駆動電極を適切に形成することができる。
図1から図5は、本発明に係るマイクロスイッチング素子X1を表す。図1は、マイクロスイッチング素子X1の平面図であり、図2は、マイクロスイッチング素子X1の一部省略平面図である。図3から図5は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、および線V−Vに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14(図2において省略)と、駆動電極15と、駆動電極16(図2において省略)とを備え、静電駆動型として構成されたものである。
固定部11は、図3から図5に示すように、境界層17を介してベース基板S1に接合している。また、固定部11は、単結晶シリコンなどのシリコン材料よりなる。固定部11を構成するシリコン材料は、1000Ω・cm以上の抵抗率を有するのが好ましい。境界層17は例えば二酸化シリコンよりなる。
可動部12は、例えば図1、図2、または図5に表れているように、固定部11に固定された固定端12aと自由端12bとを有してベース基板S1に沿って延び、スリット18を介して固定部11に囲まれている。好ましくは、可動部12のバネ定数は40N/m以下である。可動部12についてのこのようなバネ定数範囲は、本素子の駆動電圧を低減するうえで好適である。40N/m以下のバネ定数を実現するうえでは、可動部12について図3および図4に示す厚さT1は例えば15μm以下である。また、可動部12について、図2に示す長さL1は例えば650〜1000μmであり、長さL2は例えば100〜200μmである。スリット18の幅は例えば1.5〜2.5μmである。可動部12は、例えば単結晶シリコンよりなる。可動部12が単結晶シリコンよりなる場合、可動部12自体において不当な内部応力が発生しない。
コンタクト電極13は、本発明における可動コンタクト電極膜であり、図2によく表れているように可動部12の自由端12b近くに設けられている。コンタクト電極13について図3に示す厚さT2は0.5〜2.0μmである。厚さT2のこのような範囲は、コンタクト電極13の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極13は、所定の導電材料よりなり、例えば、Mo下地膜とその上のAu膜とからなる積層構造を有する。
一対のコンタクト電極14の各々は、本発明における固定コンタクト電極であり、図3および図5に示すように、固定部11上に立設されており、且つ、コンタクト電極13に対向する接触部14aを有する。コンタクト電極14の厚さは例えば15μm以上である。また、各コンタクト電極14は、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極14の構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極15は、本発明における可動駆動電極膜であり、図2によく表れているように可動部12上および固定部11上にわたって設けられている。駆動電極15について図4に示す厚さT3は、コンタクト電極13の厚さT2より小さい限りにおいて0.53μm以下である。また、駆動電極15について、可動部12上における図2に示す長さL3は例えば550〜900μmである。駆動電極15の構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極16は、本発明における固定駆動電極であり、図4によく表れているように、その両端が固定部11に接合して駆動電極15の上方を跨ぐように立設されている。駆動電極16の厚さは例えば15μm以上である。また、駆動電極16は、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極16の構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
このような構成のマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に所定の電位を付与すると、駆動電極15,16間には静電引力が発生する。その結果、可動部12は、コンタクト電極13が一対のコンタクト電極14ないし接触部14aに当接する位置まで弾性変形する。このようにして、マイクロスイッチング素子X1の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極13により一対のコンタクト電極14が電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極対14間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
閉状態にあるマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15に対する電位付与を停止することによって駆動電極15,16の間に作用する静電引力を消滅させると、可動部12はその自然状態に復帰し、コンタクト電極13は、両コンタクト電極14から離隔する。このようにして、図3および図5に示すような、マイクロスイッチング素子X1の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極14が電気的に分離され、電流がコンタクト電極対14間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。
マイクロスイッチング素子X1においては、コンタクト電極13と駆動電極15とは同じ厚さを有さず、且つ、駆動電極15はコンタクト電極13より薄い(駆動電極15の厚さT3は、コンタクト電極13の厚さT2より小さい限りにおいて0.53μm以下である)。そのため、マイクロスイッチング素子X1では、低駆動電圧化の観点から所定の小さな値に設定されている可動部12の厚さT1に対し、駆動電極15について充分に小さな厚さT3を設定することができ、これとともに、コンタクト電極13の低抵抗化の観点から当該コンタクト電極13について充分に大きな厚さT2を設定することができる。コンタクト電極13の抵抗が小さいほど、マイクロスイッチング素子X1の挿入損失は小さい傾向にある。したがって、マイクロスイッチング素子X1においては、駆動電圧および挿入損失を共に適切に低減することができる。
また、マイクロスイッチング素子X1においては、コンタクト電極13は、駆動電極15よりも、可動部12の固定端12aから遠くに位置する。このような構成によると、駆動電極16に対する駆動電極15の相対的に小さな変位で、コンタクト電極14に対するコンタクト電極13の相対的に大きな変位を実現することができる。したがって、マイクロスイッチング素子X1では、素子駆動の効率化ないし駆動電圧の低減を適切に図ることができる。
図6から図10は、マイクロスイッチング素子X1の第1の製造方法を、図3および図4に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図6(a)に示すような材料基板S1’を用意する。材料基板S1’は、SOI(silicon on insulator)基板であり、第1層21、第2層22、および、これらの間の中間層23よりなる積層構造を有する。本実施形態では、例えば、第1層21の厚さは15μmであり、第2層22の厚さは525μmであり、中間層23の厚さは4μmである。第1層21は、例えば単結晶シリコンよりなり、固定部11および可動部12へと加工される。第2層22は、例えば単結晶シリコンよりなり、ベース基板S1へと加工される。中間層23は、例えば二酸化シリコンよりなり、境界層17へと加工される。
次に、図6(b)に示すように、第1層21上に導体膜24を形成する。例えば、スパッタリング法により、第1層21上にMoを成膜し、続いてその上にAuを成膜する。Mo膜の厚さは例えば30nmであり、Au膜の厚さは例えば500nmである。
次に、図6(c)に示すように、フォトリソ法により導体膜24上にレジストパターン25,26を形成する。レジストパターン25は、コンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。レジストパターン26は、駆動電極15に対応するパターン形状を有する。
次に、図7(a)に示すように、レジストパターン25,26をマスクとして利用して導体膜24に対してエッチング処理を施すことにより、第1層21上に、コンタクト電極13およびプレ駆動電極15’を形成する。プレ駆動電極15’は、本発明におけるプレ可動駆動電極膜である。本工程におけるエッチング手法としては、イオンミリング(例えばArイオンによる物理的エッチング)を採用することができる。後出の金属材料に対するエッチング手法としてもイオンミリングを採用することができる。
次に、エッチング処理にさらされて劣化したレジストパターン25,26を除去した後、図7(b)に示すように、フォトリソ法によりコンタクト電極13上にレジストパターン27を形成する。
次に、図7(c)に示すように、レジストパターン27をマスクとして利用してプレ駆動電極15’に対して所定程度のエッチング処理を施すことにより、駆動電極15を形成する。本工程にて、コンタクト電極13より薄い駆動電極15が第1層21上に形成される。
次に、図8(a)に示すようにレジストパターン27を除去した後、図8(b)に示すように、第1層21にエッチング処理を施すことによってスリット18を形成する。具体的には、フォトリソ法により第1層21上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、第1層21に対して異方性のエッチング処理を施す。エッチング手法としては、反応性イオンエッチングを採用することができる。本工程にて、固定部11および可動部12がパターン形成されることとなる。
次に、図8(c)に示すように、スリット18を塞ぐように、材料基板S1’の第1層21側に犠牲層28を形成する。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層28を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。また、本工程で形成される犠牲層28の厚さを調節することにより、得られるマイクロスイッチング素子X1におけるコンタクト電極13,14間および駆動電極15,16間の開状態での離隔距離を調節することが可能である。ただし、犠牲層28の厚さは5μm以下に設定される。犠牲層28の厚さが5μmを超えると、犠牲層28内に生ずる内部応力に起因して材料基板S1’が不当に反る場合があり、また、犠牲層28にクラックが生じやすくなるからである。
次に、図9(a)に示すように、犠牲層28においてコンタクト電極13に対応する箇所に2つの凹部28aを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層28上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層28に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。ウエットエッチングのためのエッチング液としては、例えばバッファードフッ酸(BHF)を採用することができる。犠牲層28に対する後出のウエットエッチングにおいてもBHFを採用することができる。各凹部28aは、コンタクト電極14の接触部14aを形成するためのものであり、例えば1μmの深さを有する。凹部28aの深さを調節することにより、可動部12ないしコンタクト電極13とコンタクト電極14との間の距離を調節することができる。また、本工程では、犠牲層28において駆動電極15に対応する箇所にも所定の深さの凹部を形成してもよい。当該凹部の深さを調節することにより、可動部12ないし駆動電極15と駆動電極16との間の距離を調節することができる(当該距離が短いほど素子の駆動電圧は低減する傾向にある)。当該凹部の深さは例えば0.5μmである。
次に、図9(b)に示すように、犠牲層28をパターニングして開口部28b,28cを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層28上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層28に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。開口部28bは、固定部11においてコンタクト電極14が接合する領域(固定コンタクト電極接合領域)を露出させるためのものである。開口部28cは、固定部11において駆動電極16が接合する領域(固定駆動電極接合領域)を露出させるためのものである。
次に、材料基板S1’において犠牲層28が設けられている側の表面に通電用の下地膜(図示略)を形成した後、図9(c)に示すようにレジストパターン29を形成する。下地膜は、例えば、スパッタリング法により厚さ50nmのMoを成膜し、続いてその上に厚さ500nmのAuを成膜することによって形成することができる。レジストパターン29は、一対のコンタクト電極14に対応する開口部29aおよび駆動電極16に対応する開口部29bを有する。
次に、図10(a)に示すように、一対のコンタクト電極14および駆動電極16を形成する。具体的には、開口部28b,28c,29a,29bにて露出する下地膜上に、電気めっき法により例えば金を成長させる。
次に、図10(b)に示すように、レジストパターン29をエッチング除去する。この後、電気めっき用の上述の下地膜において露出している部分をエッチング除去する。これらエッチング除去においては、各々、ウエットエッチングを採用することができる。
次に、図10(c)に示すように、犠牲層28および中間層23の一部を除去する。具体的には、犠牲層28および中間層23に対してウエットエッチング処理を施す。本エッチング処理では、まず犠牲層28が除去され、その後、スリット18に臨む箇所から中間層23の一部が除去される。このエッチング処理は、可動部12の全体と第2層22との間に適切に空隙が形成された後に停止する。このようにして、中間層23において境界層17が残存形成される。また、第2層22は、ベース基板S1を構成することとなる。
次に、必要に応じて、コンタクト電極14および駆動電極16の下面に付着している下地膜の一部(例えばMo膜)をウエットエッチングにより除去した後、超臨界乾燥法により素子全体を乾燥する。超臨界乾燥法によると、可動部12がベース基板S1等に張り付いてしまうスティッキング現象を適切に回避することができる。
以上のようにして、図1から図5に示すマイクロスイッチング素子X1を製造することができる。上述の方法によると、可動部12上にコンタクト電極13とこれより薄い駆動電極15とを具備するマイクロスイッチング素子X1を適切に製造することができる。
また、上述の方法では、コンタクト電極13に対向する接触部14aを有するコンタクト電極14について、めっき法によって犠牲層28上に厚く形成することができる。そのため、一対のコンタクト電極14については、所望の低抵抗を実現するための充分な厚さを設定することが可能である。厚いコンタクト電極14は、マイクロスイッチング素子X1の挿入損失を低減するうえで好ましい。
図11および図12は、マイクロスイッチング素子X1の第2の製造方法を、図3および図4に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、第1の製造方法と同様に、図11(a)に示すような材料基板S1’を用意し、図11(b)に示すように第1層21上に導体膜24を形成する。
次に、図11(c)に示すように、フォトリソ法により導体膜24上にレジストパターン31を形成する。レジストパターン31は、コンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。
次に、図12(a)に示すように導体膜24を加工する。具体的には、レジストパターン31をマスクとして利用して導体膜24に対して当該導体膜24の厚さ方向の途中までエッチング処理を施す。
次に、エッチング処理にさらされて劣化したレジストパターン31を除去した後、図12(b)に示すように、フォトリソ法により導体膜24上にレジストパターン32,33を形成する。レジストパターン32は、コンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。レジストパターン33は、駆動電極15に対応するパターン形状を有する。レジストパターン31の劣化の程度が小さければ当該レジストパターン31を除去せずに、本工程では、レジストパターン32を形成せず且つレジストパターン33を形成してもよい。
次に、図12(c)に示すように、レジストパターン32,33をマスクとして利用して導体膜24に対してエッチング処理を施すことにより、第1層21上に、コンタクト電極13および駆動電極15を形成する。本工程にて、コンタクト電極13より薄い駆動電極15が第1層21上に形成される。
この後、第1の製造方法に関して図8から図10を参照して上述した各工程と同様の工程を経て、図1から図5に示すマイクロスイッチング素子X1を製造することができる。第2の製造方法によっても、第1の製造方法と同様に、可動部12上にコンタクト電極13とこれより薄い駆動電極15とを具備するマイクロスイッチング素子X1を適切に製造することができる。
上述のようなマイクロスイッチング素子X1において、可動部12について、構成材料をシリコンとし、バネ定数を24N/mとし、長さL1を900μmとし、コンタクト電極13(可動コンタクト電極膜)の厚さT2を0.75μmとし、駆動電極15(可動駆動電極膜)について、Mo膜とその上のAu膜との積層構造を有するものとし、厚さT3を0.35μmとし、面積を60000μm2とし、可動部12上における駆動電極15の長さL3を800μmとし、可動部12が変形していない状態でのコンタクト電極13,14間の距離を4.0μmとし、可動部12が変形していない状態での駆動電極15,16間の距離を4.5μmとしたマイクロスイッチング素子を用意した。
本実施例のマイクロスイッチング素子の非駆動時(駆動電極15,16間に電圧が印加されていない時)においては、可動部12の自由端12bの変位量(即ち、可動部12の反り量)は3.3μmであり、コンタクト電極13はコンタクト電極14に接触せず且つ駆動電極15は駆動電極16に接触していなかった。自由端12bの変位量とは、可動部12が変形していない状態での自由端12bの位置を基準位置〔0μm〕として評価したものである。また、本実施例のマイクロスイッチング素子について駆動最小電圧(マイクロスイッチング素子において閉状態を達成するために駆動電極15,16間に発生させるべき最小の電位差)を測定したところ、12Vであった。これらの結果を図13の表に掲げる。
可動部12のバネ定数を24N/mに代えて40N/mとし且つ駆動電極15の厚さT3を0.35μmに代えて0.53μmとした以外は、実施例1と同一の条件のマイクロスイッチング素子を用意した。本実施例のマイクロスイッチング素子の非駆動時においては、可動部12の自由端12bの変位量は3.5μmであり、コンタクト電極13はコンタクト電極14に接触せず且つ駆動電極15は駆動電極16に接触していなかった。また、本実施例のマイクロスイッチング素子について駆動最小電圧を測定したところ、16Vであった。これらの結果を図13の表に掲げる。
比較例1
可動部12のバネ定数を24N/mに代えて40N/mとし且つ実施例1の駆動電極15とは異なる駆動電極(可動駆動電極膜)を具備する以外は実施例1と同一の条件のマイクロスイッチング素子を用意した。本比較例の駆動電極は、0.75μmの厚さを有し(従って、本比較例では可動部12上のコンタクト電極13と当該駆動電極は同じ厚さを有する)、可動部12上において実施例1の駆動電極15と同じ箇所に設けられている。本比較例のマイクロスイッチング素子の非駆動時においては、コンタクト電極13はコンタクト電極14に接触していた。そのため、本比較例のマイクロスイッチング素子について、駆動最小電圧は測定不能であった。これらの結果を図13の表に掲げる。
比較例2
可動部12のバネ定数を24N/mに代えて66N/mとし且つ実施例1の駆動電極15とは異なる駆動電極(可動駆動電極膜)を具備する以外は実施例1と同一の条件のマイクロスイッチング素子を用意した。本比較例の駆動電極は、0.75μmの厚さを有し(従って、本比較例では可動部12上のコンタクト電極13と当該駆動電極は同じ厚さを有する)、可動部12上において実施例1の駆動電極15と同じ箇所に設けられている。本比較例のマイクロスイッチング素子の非駆動時においては、可動部12の自由端12bの変位量は3.2μmであり、コンタクト電極13はコンタクト電極14に接触せず且つ駆動電極15は駆動電極16に接触していなかった。また、本実施例のマイクロスイッチング素子について駆動最小電圧を測定したところ、25Vであった。これらの結果を図13の表に掲げる。
評価
本発明に係る実施例1,2のマイクロスイッチング素子においては、駆動電極15(可動駆動電極膜)は、コンタクト電極13(可動コンタクト電極膜)より薄く、低駆動電圧化を図ることができた。具体的には、駆動電極15の厚さが0.35μmである実施例1のマイクロスイッチング素子では、可動部12のバネ定数が24N/mである設定にて、12Vの低駆動電圧でコンタクト電極13,14間を閉じることができた。駆動電極15の厚さが0.53μmである実施例2のマイクロスイッチング素子では、可動部12のバネ定数が40N/mである設定にて、16Vの低駆動電圧でコンタクト電極13,14間を閉じることができた。
比較例1,2のマイクロスイッチング素子においては、可動駆動電極膜はコンタクト電極13(可動コンタクト電極膜)と同一厚さ(0.75μm)を有して比較的厚く、低駆動電圧化を図ることができなかった。具体的には、可動部12のバネ定数が40N/mに設定された比較例1のマイクロスイッチング素子では、非駆動時であってもコンタクト電極13,14間は接触していた。比較例1のマイクロスイッチング素子はスイッチング素子として機能できない。可動部12のバネ定数が66N/mに設定された比較例2のマイクロスイッチング素子では、25Vもの駆動電圧を要し、低駆動電圧化を図ることができなかった。
本発明に係るマイクロスイッチング素子の平面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図1の線III−IIIに沿った断面図である。 図1の線IV−IVに沿った断面図である。 図1の線V−Vに沿った断面図である。 図1に示すマイクロスイッチング素子の第1の製造方法における一部の工程を表す。 図6の後に続く工程を表す。 図7の後に続く工程を表す。 図8の後に続く工程を表す。 図9の後に続く工程を表す。 図1に示すマイクロスイッチング素子の第2の製造方法における一部の工程を表す。 図11の後に続く工程を表す。 実施例1,2および比較例1,2における可動コンタクト電極膜の厚さ、可動駆動電極膜の厚さ、可動部のバネ定数、可動部の反り量、および駆動最小電圧をまとめた表である。 従来のマイクロスイッチング素子の平面図である。 図14に示すマイクロスイッチング素子の一部省略平面図である。 図14の線XVI−XVIに沿った断面図である。 図14の線XVII−XVIIに沿った断面図である。 図14の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。 図14に示す従来のマイクロスイッチング素子の製造方法における一部の工程を表す。 図19の後に続く工程を表す。 図20の後に続く工程を表す。
符号の説明
X1,X2 マイクロスイッチング素子
S1,S2 ベース基板
11,41 固定部
12,42 可動部
13,14,43,44 コンタクト電極
15,16,45,46 駆動電極
17,47 境界層
18,48 スリット
25,26,27,31,32,33 レジストパターン
28,57 犠牲層

Claims (7)

  1. ベース基板と、
    前記ベース基板に接合している固定部と、
    前記固定部に固定された固定端を有し、自然状態において前記ベース基板に沿って延びる可動部と、
    前記可動部における前記ベース基板とは反対の側にそれぞれ設けられた、可動コンタクト電極膜および前記可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜と、
    前記可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が前記固定部に接合している一対の固定コンタクト電極と、
    前記可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ前記固定部に接合している固定駆動電極と、を備え
    前記可動部は、前記可動駆動電極膜および前記固定駆動電極間に静電引力が発生すると、前記可動コンタクト電極膜が前記一対の固定コンタクト電極に当接する位置まで弾性変形し、閉状態になる一方、前記可動駆動電極膜および前記固定駆動電極間に作用する静電引力が消滅すると、前記可動コンタクト電極膜が前記一対の固定コンタクト電極から離隔し、自然状態に復帰して開状態になるマイクロスイッチング素子。
  2. 前記可動コンタクト電極膜は、前記可動駆動電極膜よりも、前記可動部の前記固定端から遠くに位置する、請求項1に記載のマイクロスイッチング素子。
  3. 前記可動駆動電極膜の厚さは0.53μm以下である、請求項1または2に記載のマイクロスイッチング素子。
  4. 前記可動コンタクト電極膜の厚さは0.5〜2.0μmである、請求項1から3のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  5. 前記可動部のバネ定数は40N/m以下である、請求項1から4のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
  6. 第1層、ベース基板である第2層、ならびに、これら第1層および第2層の間の中間層からなる積層構造を有する材料基板の前記第1層上に導体膜を形成する工程と、
    前記第1層および前記導体膜に対してエッチング処理を施すことにより、前記第1層において可動部、固定部ならびに前記可動部上の可動コンタクト電極膜およびプレ可動駆動電極膜を形成する工程と、
    前記プレ可動駆動電極膜に対してエッチング処理を施すことにより、前記可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜を形成する工程と、
    前記固定部における固定コンタクト電極接合領域を露出させるための少なくとも二つの開口部、および、前記固定部における固定駆動電極接合領域を露出させるための少なくとも一つの開口部、を有して前記第1層の側を覆う犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が前記固定コンタクト電極接合領域にて前記固定部に接合している固定コンタクト電極、および、前記犠牲層を介して前記可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ前記固定駆動電極接合領域にて前記固定部に接合している固定駆動電極、を形成する工程と、
    前記犠牲層、および、前記中間層において前記第2層と前記可動部との間に介在する部位、を除去する工程と、を含むマイクロスイッチング素子製造方法。
  7. 第1層、ベース基板である第2層、ならびに、これら第1層および第2層の間の中間層からなる積層構造を有する材料基板の前記第1層に導体膜を形成する工程と、
    可動コンタクト電極膜に対応するパターン形状を有する第1マスクパターンを前記導体膜上に形成する工程と、
    前記導体膜における前記第1マスクパターンで覆われていない領域に対して当該導体膜の厚さ方向の途中までエッチング処理を施す工程と、
    前記可動駆動電極膜に対応するパターン形状を有する第2マスクパターンを前記導体膜上に形成する工程と、
    前記導体膜における前記第1および第2マスクパターンで覆われていない領域に対してエッチング処理を施すことにより、可動コンタクト電極膜、および、当該可動コンタクト電極膜より薄い可動駆動電極膜、を形成する工程と、
    前記第1層に対してエッチング処理を施すことにより、前記第1層において可動部および固定部を形成する工程と、
    前記固定部における固定コンタクト電極接合領域を露出させるための少なくとも二つの開口部、および、前記固定部における固定駆動電極接合領域を露出させるための少なくとも一つの開口部、を有して前記第1層の側を覆う犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層を介して前記可動コンタクト電極膜に対向する部位を各々が有し且つ各々が前記固定コンタクト電極接合領域にて前記固定部に接合している固定コンタクト電極、および、前記犠牲層を介して前記可動駆動電極膜に対向する部位を有し且つ前記固定駆動電極接合領域にて前記固定部に接合している固定駆動電極、を形成する工程と、
    前記犠牲層、および、前記中間層において前記第2層と前記可動部との間に介在する部位、を除去する工程と、を含むマイクロスイッチング素子製造方法。
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