図1から図6は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X1を表す。図1は、マイクロスイッチング素子X1の平面図であり、図2は、マイクロスイッチング素子X1の部分省略平面図である。図3から図5は、各々、図1の線III−III、線IV−IV、および線V−Vに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X1は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14(図2では省略)と、駆動電極15Aと、駆動電極15B(図2では省略)と、駆動電極16A,16Bとを備える。
ベース基板S1は、単結晶シリコンなどのバルクシリコン材料よりなる。ベース基板S1において可動部12に対向する部位には凹部12’が設けられている。この凹部12’の深さは例えば1〜10μmである。
固定部11は、図3から図5に示すように、境界層17を介してベース基板S1に接合している。また、固定部11は、単結晶シリコンなどのバルクシリコン材料よりなる。固定部11を構成するシリコン材料は、1000Ω・cm以上の抵抗率を有するのが好ましい。境界層17は例えば二酸化シリコンよりなる。
可動部12は、例えば図2、図4、または図5に表れているように、第1面12aおよび第2面12bを有し、固定部11に固定された固定端12cと自由端12dとを有してベース基板S1に沿って延び、スリット18を介して固定部11に囲まれている。第2面12bはベース基板S1に対向する。また、可動部12は、固定部11および境界層17を介してベース基板S1に支持されている。可動部12について図3および図4に示す厚さTは例えば50μm以下である。可動部12について、図2に示す長さL1は例えば500〜1500μmであり、長さL2は例えば100〜500μmである。可動部12は、例えば単結晶シリコンなどのバルクシリコン材料よりなる。スリット18の幅は例えば10μmである。
コンタクト電極13は、本発明における可動コンタクト電極であり、図2によく表れているように、可動部12の第1面12a上にて自由端12d近くに設けられている。コンタクト電極13の厚さは例えば0.5〜2.0μmである。このような厚さ範囲は、コンタクト電極13の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極13の構成材料としては、例えば、Ruなどの高融点金属、Au,Al,Cuなどの、高周波数帯で低抵抗を示す金属、または導電性ポリシリコン材料を採用することができる。
各コンタクト電極14は、本発明における固定コンタクト電極であり、図3および図5に示すように、固定部11上に立設されており、且つ、コンタクト電極13に対向する突起部14aを有する。また、各コンタクト電極14は、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極14の構成材料としては、例えば、Ruなどの高融点金属、Au、Au合金、Cu、またはCu合金を採用することができる。
駆動電極15Aは、本発明における第1駆動機構の可動駆動電極であり、図2および図5によく表れているように可動部12の第1面12a上に設けられている。駆動電極15Aの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極15Bは、本発明における第1駆動機構の固定駆動電極であり、図4によく表れているように、その両端が固定部11に接合して駆動電極15Aの上方を跨ぐように立設されている。このような駆動電極15Bは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極15Bの構成材料としては、コンタクト電極14の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極16Aは、本発明における第2駆動機構の可動駆動電極であり、図4および図5に示すように可動部12の第2面12bに設けられている。また、駆動電極16Aは、可動部12を貫通するビア16aを介して、第1面12a上の電極パッド16bと電気的に接続されている。駆動電極16Aの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。ビア16aおよび電極パッド16bは所定の導電材料よりなる。
駆動電極16Bは、本発明における第2駆動機構の固定駆動電極であり、図4から図6(図6はベース基板S1およびその上の駆動電極16Bを表す)に示すように、ベース基板S1上に設けられ、駆動電極16Aに対向する部位を有する。駆動電極16Bは、可動部12および境界層17を貫通するビア16cを介して、可動部12の第1面12a上の電極パッド16dと電気的に接続されている。電極パッド16dは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極16Bの構成材料としては、コンタクト電極13の構成材料と同一のものを採用することができる。ビア16cおよび電極パッド16dは所定の導電材料よりなる。
マイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15Aに電位を付与すると、駆動電極15A,15B間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部12は、図7に示すようにコンタクト電極13が一対のコンタクト電極14に当接するまで、動作ないし弾性変形する。このような閉動作により、マイクロスイッチング素子X1の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極13により一対のコンタクト電極14が電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極14間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X1において、駆動電極15Aに対する電位付与を停止することによって駆動電極15A,15Bの間に作用する静電引力を消滅させると同時に或は消滅させた直後、駆動電極16Aに電位を付与して駆動電極16A,16B間に所定の静電引力を発生させると、コンタクト電極13が一対のコンタクト電極14から離反するように可動部12が動作して、可動部12はその開状態位置に復帰する。このような開動作により、図3および図5に示すような、マイクロスイッチング素子X1の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極14が電気的に分離され、電流がコンタクト電極14間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X1については、上述した閉動作により再び閉状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X1においては、可動部12の復元力に加えて駆動電極16A,16B間に生ずる静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができる。したがって、マイクロスイッチング素子X1は、コンタクト電極13と一対のコンタクト電極14との間を閉じた後に駆動電極15A,15B間の静電引力を消滅させても当該コンタクト電極13,14間が張り付いて離れない現象すなわちスティクションを、回避することができる。
また、マイクロスイッチング素子X1においては、可動部12の復元力に加えて駆動電極16A,16B間の静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができるため、可動部の復元力のみを利用して開状態が達成される従来のマイクロスイッチング素子よりも、可動部について小さなバネ定数を設定するのに適する。可動部12について小さなバネ定数を設定するのに適する本マイクロスイッチング素子X1は、閉状態に至るように可動部を動作させるうえで第1駆動機構(駆動電極15A,15B)に要する電圧(駆動電圧)を低減するのに好適である。
図8から図12は、マイクロスイッチング素子X1の製造方法を、図5に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図8(a)に示すように、所定の加工が施された材料基板SAおよび材料基板SBを用意する。材料基板SAには、予め、境界層17がパターン形成され、ビア16a,16cが埋め込み形成され、そして、駆動電極16Aがパターン形成されている。材料基板SBには、予め、凹部12’が設けられ、駆動電極16Bがパターン形成されている。
次に、図8(b)に示すように、材料基板SAおよび材料基板SBを接合して材料基板SCを形成する。例えば、接合面をプラズマやイオン照射等の方法で活性化したうえで接合対象物を圧接する低温接合技術を利用して、材料基板SAおよび材料基板SBを接合することができる。材料基板SCは、材料基板SAに由来する第1層101と、材料基板SBに由来する第2層102と、これらの間に介在する中間層としての境界層17とからなる積層構造を有する。
次に、図9(a)に示すように、研磨によって第1層101を薄層化する。本工程では、ビア16a,16cを露出させる。
次に、図9(b)に示すように、第1層101上に導体膜103を形成する。例えば、スパッタリング法により、第1層101上にCrを成膜し、続いてその上にAuを成膜する。Cr膜の厚さは例えば10〜100nmであり、Au膜の厚さは例えば100〜1000nmである。
次に、図9(c)に示すように、フォトリソ法により導体膜103上にレジストパターン104,105,106,107を形成する。レジストパターン104は、上述のコンタクト電極13に対応するパターン形状を有する。レジストパターン105は、上述の駆動電極15Aに対応するパターン形状を有する。レジストパターン106,107は、各々、上述の電極パッド16b,16dに対応するパターン形状を有する。
次に、図10(a)に示すように、レジストパターン104,105,106,107をマスクとして利用して導体膜103に対してエッチング処理を施すことにより、第1層101上に、コンタクト電極13、駆動電極15A、および電極パッド16b,16dを形成する。エッチング手法としては、イオンミリング(例えばArイオンによる物理的エッチング)を採用することができる。金属材料に対する後出のエッチング手法としてもイオンミリングを採用することができる。
次に、レジストパターン104,105,106,107を除去した後、図10(b)に示すように、第1層101にエッチング処理を施すことによって、図2にパターン形状が表れているスリット18を形成する。具体的には、フォトリソ法により第1層101上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して、第1層101に対して異方性のエッチング処理を施す。エッチング手法としては、反応性イオンエッチングを採用することができる。本工程にて、固定部11および可動部12がパターン形成されることとなる。
次に、図10(c)に示すように、スリット18を塞ぐように、材料基板SCの第1層101側に犠牲層108を形成する。犠牲層108の厚さは例えば2〜10μmである。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層108を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。
次に、図11(a)に示すように、犠牲層108においてコンタクト電極13に対応する箇所に凹部108aを形成する。凹部108aは、コンタクト電極14の突起部14aを形成するためのものであり、凹部108aの深さは0.5〜5μmである。
次に、図11(b)に示すように、犠牲層108をパターニングして開口部108bを形成する。具体的には、フォトリソ法により犠牲層108上に所定のレジストパターンを形成した後、当該レジストパターンをマスクとして利用して犠牲層108に対してエッチング処理を施す。エッチング手法としては、ウエットエッチングを採用することができる。開口部108は、固定部11においてコンタクト電極14が接合する領域を露出させるためのものである。本工程では、固定部11において駆動電極15Bが接合する領域を露出させるための図外の開口部も併せて形成する。
次に、材料基板SCにおいて犠牲層108が設けられている側の表面に通電用の下地膜(図示略)を形成した後、図11(c)に示すようにレジストパターン109を形成する。下地膜は、例えば、スパッタリング法により厚さ50nmのCrを成膜し、続いてその上に厚さ500nmのAuを成膜することによって形成することができる。レジストパターン109は、コンタクト電極14に対応する開口部109aおよび駆動電極15Bに対応する開口部109bを有する。
次に、図12(a)に示すように、コンタクト電極14および駆動電極15Bを形成する。具体的には、下地膜においてレジストパターン109によっては覆われていない箇所に、電気めっき法により例えばAuを成長させる。
次に、図12(b)に示すように、レジストパターン109をエッチング除去する。この後、電気めっき用の上述の下地膜において露出している部分をエッチング除去する。これらエッチング除去においては、各々、ウエットエッチングを採用することができる。
次に、図12(c)に示すように、例えばウエットエッチングによって犠牲層108を除去する。この後、必要に応じて、コンタクト電極14および駆動電極15Bの下面に付着している下地膜の一部(例えばCr膜)をウエットエッチングにより除去した後、超臨界乾燥法により素子全体を乾燥する。超臨界乾燥法によると、可動部12が第2層102ないしベース基板S1に張り付いてしまうスティッキング現象を適切に回避することができる。
以上のようにして、マイクロスイッチング素子X1を製造することができる。本方法では、コンタクト電極13に対向する部位を有するコンタクト電極14について、めっき法によって犠牲層108上に厚く形成することができる。そのため、一対のコンタクト電極14については、所望の低抵抗を実現するための充分な厚さを設定することが可能である。厚いコンタクト電極14は、マイクロスイッチング素子X1の挿入損失を低減するうえで好ましい。
マイクロスイッチング素子X1のベース基板S1には、可動部12に対応して凹部12’が設けられているところ、この凹部12’の存在は、開動作において可動部12がベース基板S1に当接することを回避するためのものである。境界層17が充分に厚い場合には、ベース基板S1に凹部12’を設けなくてもよい。
マイクロスイッチング素子X1では、ベース基板S1表面に設けられた駆動電極16Bに代えて、ベース基板S1(バルクシリコン材料よりなる)において部分的にイオンが注入されて導電率が高められた駆動電極16Bを設けてもよい。
図13および図14は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X2を表す。図13は、マイクロスイッチング素子X2の平面図である。図14は、図13の線XIV−XIVに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X2は、ビア16a,16cおよび電極パッド16b,16dを有さずに、固定部11の所定箇所に切欠部11aを有して当該切欠部11aにて駆動電極16A,16Bが露出する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。本発明に係るマイクロスイッチング素子は、このような構造を有してもよい。
図15および図16は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X3を表す。図15は、マイクロスイッチング素子X3の平面図であり、図16は、図15の線XVI−XVIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X3は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14と、圧電駆動部20と、駆動電極16A,16Bとを備える。マイクロスイッチング素子X3は、第1駆動機構として駆動電極15A,15Bに代えて圧電駆動部20を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
圧電駆動部20は、本発明における圧電型駆動機構であり、駆動電極21,22と、これらの間の圧電膜23とからなる。駆動電極21,22は、各々、例えば、Ti下地層およびPt主層からなる積層構造を有する。駆動電極22は、所定の配線(図示略)を介してグランド接続されている。圧電膜23は、電界が加えられることにより歪みが生じる性質(逆圧電効果)を示す圧電材料からなり、電界印加時において図16の矢印A1に示す方向に変形するように設けられている。そのような圧電材料としては、例えば、PZT(PbZrO3とPbTiO3の固溶体)、MnがドープされたZnO、ZnO、またはAlNを採用することができる。駆動電極21,22の厚さは例えば0.55μmであり、圧電膜23の厚さは例えば1.5μmである。
本発明に係るマイクロスイッチング素子における第1駆動機構としては、このような圧電駆動部20を利用することもできる。圧電駆動部20が稼動することによって、マイクロスイッチング素子X3における閉動作が実現される。
図17および図18は、本発明の第4の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X4を表す。図17は、マイクロスイッチング素子X4の平面図であり、図18は、図17の線XVIII−XVIIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X4は、ベース基板S1と、固定部11と、可動部12と、コンタクト電極13と、一対のコンタクト電極14と、熱駆動部30と、駆動電極16A,16Bとを備える。マイクロスイッチング素子X4は、第1駆動機構として駆動電極15A,15Bに代えて熱駆動部30を有する点において、マイクロスイッチング素子X1と異なる。
熱駆動部30は、本発明における熱型駆動機構であり、熱膨張率の異なる熱電極31,32からなる。可動部12に直接接合している熱電極31の方が、熱電極32よりも、大きな熱膨張率を有する。熱駆動部30は、通電時に熱電極31,32が発熱および熱膨張して矢印A2に示すように変形するように設けられている。熱電極31は、例えばFe合金あるいはCu合金よりなる。熱電極32は、例えばAl合金よりなる。
本発明に係るマイクロスイッチング素子における第1駆動機構としては、このような熱駆動部30を利用することもできる。熱駆動部30が稼動することによって、本素子における閉動作が実現される。
マイクロスイッチング素子X1,X3,X4においては、第2駆動機構として、マイクロスイッチング素子X1に関して上述したような開動作を実現するための所定の圧電駆動部を、駆動電極16A,16Bの代わりに設けてもよい。この圧電駆動部は、可動部12の第2面12bに設けられ、二つの駆動電極とこれらの間の圧電膜とからなる積層構造を有する。この圧電膜は、電界印加時に可動部12をベース基板S1に接近させるべく変形するように設けられている。このような圧電駆動部についての他の構成は、マイクロスイッチング素子X3の圧電駆動部20に関して上述したのと同様である。
マイクロスイッチング素子X1,X3,X4においては、第2駆動機構として、マイクロスイッチング素子X1に関して上述したような開動作を実現するための所定の熱駆動部を、駆動電極16A,16Bの代わりに設けてもよい。この熱駆動部は、可動部12の第2面12bに設けられ、熱膨張率の異なる二つの熱電極からなる積層構造を有する。この熱駆動部は、通電時に可動部12をベース基板S1に接近させるべく変形するように設けられている。このような熱駆動部についての他の構成は、マイクロスイッチング素子X4の熱駆動部30に関して上述したのと同様である。
図19から図24は、本発明の第5の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X5を表す。図19は、マイクロスイッチング素子X5の平面図である。図20および図21は、各々、マイクロスイッチング素子X5の部分省略平面図である。図22から図24は、各々、図19の線XXII−XXII、線XXIII−XXIII、および線XXIV−XXIVに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X5は、ベース基板S5と、可動部51(図21では仮想線で表す)と、コンタクト電極52と、一対のコンタクト電極53と、駆動電極54A(図21では省略)と、駆動電極54Bと、駆動電極55A(図21では省略)と、駆動電極55B(図20では省略)とを備える。
可動部51は、第1面51aおよび第2面51bを有し、一端がベース基板S5に接合し、ベース基板S5に沿って延びる部位を有する。第1面51aはベース基板S5に対向する。可動部51は例えばポリシリコンよりなり、可動部51の厚さ例えば1〜3μmである。
コンタクト電極52は、本発明における可動コンタクト電極であり、図22に示すように可動部51の第1面51aに設けられている。コンタクト電極52の厚さは例えば0.5〜2.0μmである。このような厚さ範囲は、コンタクト電極52の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極52の構成材料としては、例えば、Au,Al,Cuなどの金属または導電性ポリシリコン材料を採用することができる。
各コンタクト電極53は、本発明における固定コンタクト電極であり、図21によく表れているようにベース基板S5上にパターン形成されており、且つ、コンタクト電極52に対向する部位を有する。また、各コンタクト電極53は、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極53の構成材料としては、コンタクト電極52の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極54Aは、本発明における第1駆動機構の可動駆動電極であり、例えば図20および図23に示すように、その一部が可動部51の第1面51aにて広がるように設けられている。駆動電極54Aの構成材料としては、コンタクト電極52の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極54Bは、本発明における第1駆動機構の固定駆動電極であり、図21によく表れているように、ベース基板S5上にパターン形成されている。このような駆動電極54Bは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極54Bの構成材料としては、コンタクト電極52の構成材料と同一のものを採用することができる。駆動電極54A,54B間のギャップは例えば0.5〜5μmである。
駆動電極55Aは、本発明における第2駆動機構の可動駆動電極であり、例えば図20および図22に示すように、可動部51の第2面51bにパターン形成されている。駆動電極55Aの構成材料としては、コンタクト電極52の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極55Bは、本発明における第2駆動機構の固定駆動電極であり、図19および図22に示すように、駆動電極55Aに対向する部位を有してベース基板S5上に立設されている。駆動電極55Bは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極55Bの構成材料としては、例えばAu、Au合金、Cu、またはCu合金を採用することができる。
マイクロスイッチング素子X5において、駆動電極54Aに電位を付与すると、駆動電極54A,54B間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部51は、コンタクト電極52が一対のコンタクト電極53に当接するまで動作ないし弾性変形する。このような閉動作により、マイクロスイッチング素子X5の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極52により一対のコンタクト電極53が電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極53間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X5において、駆動電極54Aに対する電位付与を停止することによって駆動電極54A,54Bの間に作用する静電引力を消滅させると同時に或は消滅させた直後、駆動電極55Aに電位を付与して駆動電極55A,55B間に所定の静電引力を発生させると、コンタクト電極52が一対のコンタクト電極53から離反するように可動部51が動作して、可動部51はその開状態位置に復帰する。このようにして、図22に示すような、マイクロスイッチング素子X5の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極53が電気的に分離され、電流がコンタクト電極53間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X5については、上述した閉動作により再び閉状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X5においては、可動部51の復元力に加えて駆動電極55A,55B間に生ずる静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができる。したがって、マイクロスイッチング素子X5は、コンタクト電極52と一対のコンタクト電極53との間を閉じた後に駆動電極54A,54B間の静電引力を消滅させても当該コンタクト電極52,53間が張り付いて離れない現象すなわちスティクションを、回避することができる。
また、マイクロスイッチング素子X5においては、可動部51の復元力に加えて駆動電極55A,55B間の静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができるため、可動部の復元力のみを利用して開状態が達成される従来のマイクロスイッチング素子よりも、可動部について小さなバネ定数を設定するのに適する。可動部51について小さなバネ定数を設定するのに適する本マイクロスイッチング素子X5は、閉状態に至るように可動部を動作させるうえで第1駆動機構(駆動電極54A,54B)に要する電圧(駆動電圧)を低減するのに好適である。
図25から図27は、マイクロスイッチング素子X5の製造方法を、図24に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図25(a)に示すように、ベース基板S5上に各コンタクト電極53および駆動電極54Bをパターン形成する。具体的には、所定の導電材料をベース基板S5上に成膜した後、フォトリソ法により当該導電膜上に所定のレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとして導電膜に対してエッチング処理を施す。
次に、図25(b)に示すように犠牲層201を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、一対のコンタクト電極53および駆動電極54Bを覆いつつ所定材料をベース基板S5上に堆積ないし成長させる。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層201を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。
次に、所定のマスクを用いて行うエッチング処理により、図25(c)に示すように、犠牲層201においてコンタクト電極53に対応する箇所に凹部201aを形成する。
次に、図25(d)に示すように、凹部201a内に所定材料を充填することによってコンタクト電極52を形成する。
次に、 図26(a)に示すように駆動電極54Aをパターン形成する。例えば、犠牲層201上およびベース基板S5上にわたって所定の導電材料を成膜した後、所定のマスクを使用して当該膜をパターニングすることによって駆動電極54Aをパターン形成することができる。
次に、図26(b)に示すように可動部51を形成する。例えば、所定の開口部を有するレジストパターンを犠牲層201上およびベース基板S5上にわたって形成した後、当該レジストパターンの開口部内にポリシリコンを堆積させることによって、可動部51を形成することができる。
次に、図26(c)に示すように駆動電極55Aを形成する。例えば、可動部51上に所定の導電材料を成膜した後、所定のマスクを使用して当該膜をパターニングすることによって、駆動電極55Aを形成することができる。
次に、図27(a)に示すように犠牲層202を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、可動部51や駆動電極55Aなどを覆いつつ所定材料をベース基板S5上に堆積ないし成長させる。
次に、図27(b)に示すように駆動電極55Bを形成する。例えば、所定の開口部を有するレジストパターンを犠牲層202上およびベース基板S5上にわたって形成した後、当該レジストパターンの開口部内に所定の導電材料を堆積させることによって、駆動電極55Bを形成することができる。
次に、図27(c)に示すように、例えばウエットエッチングによって犠牲層201,202を除去する。以上のようにして、マイクロスイッチング素子X5を製造することができる。
マイクロスイッチング素子X5においては、第1駆動機構として、駆動電極54A,54Bを含む上述のような静電型駆動機構に代えて、圧電型駆動機構または熱型駆動機構を設けてもよい。また、マイクロスイッチング素子X5においては、第2駆動機構として、駆動電極55A,55Bを含む上述のような静電型駆動機構に代えて、圧電型駆動機構または熱型駆動機構を設けてもよい。
図28から図33は、本発明の第6の実施形態に係るマイクロスイッチング素子X6を表す。図28は、マイクロスイッチング素子X6の平面図である。図29および図30は、各々、マイクロスイッチング素子X6の部分省略平面図である。図31から図33は、各々、図28の線XXXI−XXXI、線XXXII−XXXII、および線XXXIII−XXXIIIに沿った断面図である。
マイクロスイッチング素子X6は、ベース基板S6と、可動部61(図30では仮想線で表す)と、コンタクト電極62と、一対のコンタクト電極63と、二つの駆動電極64A(図30では省略)と、二つの駆動電極64Bと、駆動電極65A(図30では省略)と、駆動電極65B(図29では省略)とを備える。
可動部61は、第1面61aおよび第2面61bを有し、両端がベース基板S6に接合し、ベース基板S6に沿って延びる部位を有する。第1面61aはベース基板S6に対向する。可動部61は例えばポリシリコンよりなり、可動部61の厚さ例えば0.5〜5μmである。
コンタクト電極62は、本発明における可動コンタクト電極であり、図31に示すように可動部61の第1面61aに設けられている。コンタクト電極62の厚さは例えば0.5〜2.0μmである。このような厚さ範囲は、コンタクト電極62の低抵抗化を図るうえで好ましい。コンタクト電極62の構成材料としては、例えば、Au,Al,Cuなどの金属または導電性ポリシリコン材料を採用することができる。
各コンタクト電極63は、本発明における固定コンタクト電極であり、図30によく表れているようにベース基板S6上にパターン形成されており、且つ、コンタクト電極62に対向する部位を有する。また、各コンタクト電極63は、所定の配線(図示略)を介してスイッチング対象の所定の回路に接続されている。コンタクト電極63の構成材料としては、コンタクト電極62の構成材料と同一のものを採用することができる。
各駆動電極64Aは、本発明における第1駆動機構の可動駆動電極であり、例えば図29および図32に示すように、その一部が可動部61の第1面61a上にて広がるように設けられている。駆動電極64Aの構成材料としては、コンタクト電極62の構成材料と同一のものを採用することができる。
各駆動電極64Bは、本発明における第1駆動機構の固定駆動電極であり、図30によく表れているように、ベース基板S6上にパターン形成されている。このような駆動電極64Bは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極64Bの構成材料としては、コンタクト電極62の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極65Aは、本発明における第2駆動機構の可動駆動電極であり、例えば図29および図31に示すように、可動部61の第2面61b上に設けられている。駆動電極65Aの構成材料としては、コンタクト電極62の構成材料と同一のものを採用することができる。
駆動電極65Bは、本発明における第2駆動機構の固定駆動電極であり、図28および図31に示すように、駆動電極65Aに対向する部位を有してベース基板S6上に立設されている。駆動電極65Bは、所定の配線(図示略)を介してグラウンド接続されている。駆動電極65Bの構成材料としては、例えばAu、Au合金、Cu、またはCu合金を採用することができる。
マイクロスイッチング素子X6において、各駆動電極64Aに電位を付与すると、各駆動電極64A,64B間には静電引力が発生する。付与電位が充分に高い場合、可動部61は、コンタクト電極62が一対のコンタクト電極63に当接する位置まで弾性変形する。このような閉動作により、マイクロスイッチング素子X6の閉状態が達成される。閉状態においては、コンタクト電極62により一対のコンタクト電極63が電気的に橋渡しされ、電流がコンタクト電極63間を通過することが許容される。このようにして、例えば高周波信号のオン状態を達成することができる。
一方、閉状態にあるマイクロスイッチング素子X6において、各駆動電極64Aに対する電位付与を停止することによって各駆動電極64A,64B間に作用する静電引力を消滅させると同時に或は消滅させた直後、駆動電極65Aに電位を付与して駆動電極65A,65B間に所定の静電引力を発生させると、コンタクト電極62が一対のコンタクト電極63から離反するように可動部61が動作して、可動部61はその開状態位置に復帰する。このような開動作により、図31に示すような、マイクロスイッチング素子X6の開状態が達成される。開状態では、一対のコンタクト電極63が電気的に分離され、電流がコンタクト電極63間を通過することは阻まれる。このようにして、例えば高周波信号のオフ状態を達成することができる。また、このような開状態にあるマイクロスイッチング素子X6については、上述した閉動作により再び閉状態に切り替えることが可能である。
マイクロスイッチング素子X6においては、可動部61の復元力に加えて駆動電極65A,65B間に生ずる静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができる。したがって、マイクロスイッチング素子X6は、コンタクト電極62と一対のコンタクト電極63との間を閉じた後に駆動電極64A,64B間の静電引力を消滅させても当該コンタクト電極62,63間が張り付いて離れない現象すなわちスティクションを、回避することができる。
また、マイクロスイッチング素子X6においては、可動部61の復元力に加えて駆動電極65A,65B間の静電引力をも利用して、開状態ないしオフ状態を達成することができるため、可動部の復元力のみを利用して開状態が達成される従来のマイクロスイッチング素子よりも、可動部について小さなバネ定数を設定するのに適する。可動部61について小さなバネ定数を設定するのに適する本マイクロスイッチング素子X6は、閉状態に至るように可動部を動作させるうえで第1駆動機構(駆動電極64A,64B)に要する電圧(駆動電圧)を低減するのに好適である。
図34から図36は、マイクロスイッチング素子X6の製造方法を、図33に相当する断面の変化として表す。本方法においては、まず、図34(a)に示すように、ベース基板S6上に各コンタクト電極63および各駆動電極64Bをパターン形成する。具体的には、所定の導電材料をベース基板S6上に成膜した後、フォトリソ法により当該導電膜上に所定のレジストパターンを形成し、当該レジストパターンをマスクとして導電膜に対してエッチング処理を施す。
次に、図34(b)に示すように犠牲層301を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、一対のコンタクト電極63および駆動電極64Bを覆いつつ所定材料をベース基板S6上に堆積ないし成長させる。犠牲層材料としては例えば二酸化シリコンを採用することができる。また、犠牲層301を形成するための手法としては、例えばプラズマCVD法やスパッタリング法を採用することができる。
次に、所定のマスクを用いて行うエッチング処理により、図34(c)に示すように、犠牲層301においてコンタクト電極63に対応する箇所に凹部301aを形成する。
次に、 図34(d)に示すように、凹部301a内に所定材料を充填することによってコンタクト電極62を形成する。
次に、 図35(a)に示すように各駆動電極64Aをパターン形成する。例えば、犠牲層301上およびベース基板S6上にわたって所定の導電材料を成膜した後、所定のマスクを使用して当該膜をパターニングすることによって、駆動電極64Aをパターン形成することができる。
次に、図35(b)に示すように可動部61を形成する。例えば、所定の開口部を有するレジストパターンを犠牲層301上およびベース基板S6上にわたって形成した後、当該レジストパターンの開口部内にポリシリコンを堆積させることによって、可動部61を形成することができる。
次に、図35(c)に示すように駆動電極65Aを形成する。例えば、可動部61上に所定の導電材料を成膜した後、所定のマスクを使用して当該膜をパターニングすることによって、駆動電極65Aを形成することができる。
次に、図36(a)に示すように犠牲層302を形成する。具体的には、例えばスパッタリング法により、可動部61や駆動電極65Aなどを覆いつつ所定材料をベース基板S6上に堆積ないし成長させる。
次に、図36(b)に示すように駆動電極65Bを形成する。例えば、所定の開口部を有するレジストパターンを犠牲層302上およびベース基板S6上にわたって形成した後、当該レジストパターンの開口部内に所定の導電材料を堆積させることによって、駆動電極65Bを形成することができる。
次に、図36(c)に示すように、例えばウエットエッチングによって犠牲層301,302を除去する。以上のようにして、マイクロスイッチング素子X6を製造することができる。
マイクロスイッチング素子X6においては、第1駆動機構として、駆動電極64A,64Bを含む上述のような静電型駆動機構に代えて、圧電型駆動機構または熱型駆動機構を設けてもよい。また、マイクロスイッチング素子X6においては、第2駆動機構として、駆動電極65A,65Bを含む上述のような静電型駆動機構に代えて、圧電型駆動機構または熱型駆動機構を設けてもよい。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)基板と、
第1面および当該第1面とは反対の第2面を有して前記基板に支持された可動部と、
前記第1面上に設けられた可動コンタクト電極と、
前記可動コンタクト電極に対向する部位を各々が有する一対の固定コンタクト電極と、
前記一対の固定コンタクト電極に前記可動コンタクト電極が接近するように前記可動部を動作させることが可能な、前記可動部における前記第1面側に設けられた第1駆動機構と、
前記一対の固定コンタクト電極から前記可動コンタクト電極が離反するように前記可動部を動作させることが可能な、前記可動部における前記第2面側に設けられた第2駆動機構と、を備える、マイクロスイッチング素子。
(付記2)前記可動部の前記第2面は前記基板に対向し、前記第2駆動機構は、前記第2面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有する固定駆動電極とを含む、付記1に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記3)前記基板における前記可動部に対応する箇所に凹部が設けられている、付記2に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記4)前記第2駆動機構の前記固定駆動電極は、前記基板表面にパターン形成されたものである、付記2または3に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記5)前記第2駆動機構の前記固定駆動電極は、金属または低抵抗ポリシリコン材料よりなる、付記4に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記6)前記基板はシリコン材料よりなり、前記第2駆動機構の前記固定駆動電極は、基板において部分的にイオンが注入されて導電率が高められた部位である、付記2または3に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記7)前記可動部の前記第1面は前記基板に対向し、前記第2駆動機構は、前記第2面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有して前記基板上に立設された固定駆動電極とを含む、付記1に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記8)前記固定駆動電極は、めっき法により形成されたものである、付記7に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記9)前記第2駆動機構は、前記可動部の前記第2面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む、付記1に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記10)前記第2駆動機構は、前記可動部の前記第2面上に設けられた熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む、付記1に記載のマイクロスイッチング素子。
(付記11)前記可動部は、その一端が前記基板に固定された片持ち梁形状を有する、付記1から10のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記12)前記可動部は、その両端が前記基板に固定された両持ち梁形状を有する、付記1から10のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記13)前記可動部はバルクシリコン材料よりなる、付記1から12のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記14)前記可動部は堆積したシリコン材料よりなる、付記1から12のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記15)前記第1駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた可動駆動電極と、前記可動駆動電極に対向する部位を有する固定駆動電極とを含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記16)前記第1駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた第1電極膜と、第2電極膜と、当該第1および第2電極膜の間に介在する圧電膜とからなる積層構造を含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。
(付記17)前記第1駆動機構は、前記可動部の前記第1面上に設けられた熱膨張率の異なる複数の材料膜からなる積層構造を含む、付記1から14のいずれか一つに記載のマイクロスイッチング素子。