JP4623717B2 - インク供給装置及び圧力発生方法 - Google Patents

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本発明は、インクを吐出する印字ヘッドにインクを供給するインク供給装置、及び印字ヘッド内に圧力を発生させる圧力発生方法に関する。
印字ヘッド(記録ヘッド)から記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。このインクジェット方式画像形成装置では、一般に、インクが吐出される複数のノズルが高密度に形成された小型の印字ヘッドを用いて高精細な画像を形成できる。また、この小型の印字ヘッドを複数配置して、各印字ヘッドに異なる色のインクを供給することにより、比較的安価で小型な構成で記録媒体にカラー画像を形成できる。インクジェット方式画像形成装置は上記のような利点を有するので、業務用、家庭用を問わず、プリンタ、ファクシミリ及び複写機など、様々な画像出力装置に用いられている。
上記のようなインクジェット方式画像形成装置では、印字ヘッドからのインク吐出動作を安定化させるために、印字ヘッド内のインクを所定の負圧に維持する(印字ヘッド内のインクに作用する圧力を所定の負圧に保つ)ことが重要である。このため、一般には、印字ヘッドにインクを供給するインク供給系中に負圧発生手段を備え、その負圧発生手段によって負圧を付与したインクを印字ヘッドに供給している。
このような負圧発生手段として、インクタンク内に収容したスポンジ状のインク吸収体の毛管作用を利用して負圧を発生する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、他の負圧発生手段として、可撓性のインクバッグと弓形ばねとを備えた構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、他の負圧発生手段として、印字ヘッドよりも下方にインクタンクを配置しておき、水頭差を利用してインクに負圧を付与する構成も知られている(例えば、特許文献3参照)。
上記のような負圧発生手段によって一定の負圧が付与されたインクは、印字ヘッドからのインク吐出に伴って上昇する印字ヘッド内の負圧との差圧によって、インクタンクから印字ヘッド内に引き込まれるように供給される。この結果、印字ヘッド内が一定の負圧に保たれることになる。
特開2002−1988号公報 特開平06−198904号公報 特開2003−11380号公報
上述したような負圧発生手段を備えたインク供給系では、上述したように、印字ヘッドからのインク吐出に伴って印字ヘッド内の負圧が上昇し、この上昇する負圧に起因した圧力差を利用して、インクタンクから印字ヘッド内にインクを引き込むように供給している。このため、単位時間当りに印字ヘッドから吐出されるインクの量が急増したときは、インクタンクから印字ヘッドへのインク供給が追いつかず、この結果、印字ヘッド内の負圧が上昇する(印字ヘッド内のインクに作用する圧力が一定の圧力よりも低い圧力となる)ことがある。この逆に、単位時間当りに印字ヘッドから吐出されるインクの量が急減したときは、インクの慣性によって印字ヘッド内の負圧が下降する(印字ヘッド内のインクに作用する圧力が一定の圧力よりも高い圧力となる)ことがある。
このように印字ヘッド内の負圧が変動した場合、印字ヘッドからのインク吐出動作が不安定となって、画像の記録品位の低下を招くおそれがある。特に、大判サイズの記録媒体に画像を高速で記録するような産業用の印刷装置では、単位時間当りに印字ヘッドから吐出されるインクの量が大きく変化するので印字ヘッド内の負圧が変動し易い。このため、高い記録品位の要求に応えるためにも印字ヘッド内の負圧の変動を小さく抑えることが重要となる。
また、同様に、大判サイズの記録媒体に画像を高速で記録するような産業用の印刷装置においてはユーザの交換するインクタンクと印字ヘッドとの間であって、この印字ヘッドよりも下方の位置にインクタンク(以下サブタンクという)を配置しておき、水頭差を利用してインクに負圧を付与する構成が広く採用されている。ところが、水頭差を利用するためにサブタンクと印字ヘッドの配置位置が上記のように限定されて制約されており、この制約から装置全体構成の自由度に少なからず影響が与えられる。
本発明は、上記事情に鑑み、インク容器と印字ヘッドの配置位置に関係無く、印字ヘッド内のインクに作用する圧力を適正な範囲内に保てるインク供給装置及び圧力発生方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のインク供給装置は、インクを吐出するノズル及びこのノズルに連通する液室が形成された印字ヘッドの前記液室に供給されるインクが貯められるインク容器を備え、前記インク容器から前記液室にインクを供給するインク供給装置において、
(1)前記インク容器と前記液室を循環するインクが流れるインク循環路と、
(2)該インク循環路にインクを循環させる循環ポンプとを備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(3)前記循環ポンプは、前記インク循環路に配置されたものであってもよい。
また、
(4)前記インク循環路は、
(4―1)前記インク容器と前記液室とを接続する第1インク循環路と、
(4―2)この第1インク循環路が接続された部分とは異なる部分で前記インク容器と前記液室とを接続する第2インク循環路とを有するものであってもよい。
さらに、
(5)前記第1インク循環路を開閉する開閉バルブを備えてもよい。
さらにまた、
(6)前記循環ポンプは、前記第1インク循環路に配置されたものであってもよい。
さらにまた、
(7)前記第2インク循環路を開閉する開閉バルブを備えてもよい。
さらにまた、
(8)前記循環ポンプは、正逆転していずれの方向にもインクを循環させるものであってもよい。
さらにまた、
(9)前記循環ポンプは、ギアポンプ又はチューブポンプであってもよい。
さらにまた、
(10)前記循環ポンプは、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更するものであってもよい。
さらにまた、
(11)前記液室内のインクに作用している圧力を検出する圧力検出センサを備え、
(12)前記循環ポンプは、前記圧力検出センサで検出された圧力に基づいて、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更するものであってもよい。
さらにまた、
(13)前記循環ポンプは、前記印字ヘッドから吐出されるインクの単位時間当たりの量に基づいて、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更するものであってもよい。
さらにまた、
(14)前記インク容器は、前記インク容器に貯められたインクの液面が前記印字ヘッドの前記ノズルのインク吐出口よりも上方に位置するように配置されたものであってもよい。
また、上記目的を達成するための本発明の圧力発生方法は、インクを吐出するノズル及びこのノズルに連通する液室が形成された印字ヘッドの前記液室に供給されるインクが貯められるインク容器を備え、前記インク容器から前記液室にインクを供給するインク供給装置における、前記印字ヘッドに圧力を発生させる圧力発生方法において、
(15)前記インク容器と前記液室との間でインクを循環させることにより前記印字ヘッドに圧力を発生させることを特徴とするものである。
ここで、
(16)循環させるインクの量を変更することにより、発生させる圧力を変更してもよい。
また、
(17)インクが循環するインク循環路を、前記インク容器と前記液室とを接続する第1インク循環路と、この第1インク循環路が接続された部分とは異なる部分で前記インク容器と前記液室とを接続する第2インク循環路とで構成すると共に、前記第1インク循環路及び前記第2インク循環路にインクを循環させる循環ポンプを配置しておき、
(18)該循環ポンプを駆動させることにより、前記第1インク循環路及び前記第2インク循環路にインクを循環させてもよい。
さらに、
(19)前記液室内のインクに作用している圧力を検出する圧力検出センサを用意しておき、
(20)前記圧力検出センサで検出された圧力に基づいて、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更してもよい。
さらにまた、
(21)前記印字ヘッドから吐出されるインクの単位時間当たりの量に基づいて、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更してもよい。
なお、本明細書でいう、「記録」(画像形成とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も含むものとする。
また、「記録媒体」(シートとも称する)とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含むものとする。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を含むものとする。
本発明によれば、循環ポンプを駆動することによりインク循環路をインクが循環し、インク容器と液室との間でインクが循環することとなる。この循環の際に、インク循環路における圧力損失によって負圧が発生し、この負圧が液室に作用して印字ヘッド内のインク(ノズル内のインク)に作用する圧力を適正な範囲内の負圧に保てる。この結果、記録品位が向上する。また、インク容器と印字ヘッドの位置関係が限定されないので装置全体構成の自由度が向上する。さらに、印字ヘッドの液室内のインクが循環してインク容器に戻るので、液室内のインク中に存在する気泡を液室から除去できる。この結果、インクの吐出がいっそう安定する。
本発明は、記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式のプリンタに実現された。
図1を参照して、本発明のインク供給装置が組み込まれたプリンタの一例を説明する。
図1は、本発明のインク供給装置が組み込まれたプリンタの一例を模式的に示す正面図である。
プリンタ10は、このプリンタ10に画像情報を送るホストPC(パソコン)12に接続されている。プリンタ10には、4つ(4本)の印字ヘッド22K、22C、22M、22Yが記録媒体(ここではロ−ル紙)Pの搬送方向(矢印A方向)に並んで配置されている。4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yからはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクが吐出される。これら4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yは、所謂ラインヘッドであり、図1の紙面に直交する方向(矢印A方向に直交する方向)に延びている。これら4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yの長さは、プリンタ10で印字できる記録媒体のうち最大の幅(図1の紙面に直交する方向の長さ)よりもやや長い。また、これら4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yは、画像形成中は固定されて動かない。
4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yから安定してインクを吐出できるように、プリンタ10には、回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40によって、印字ヘッド22K、22C、22M、22Yからのインク吐出状態は初期のインク吐出状態に回復する。回復ユニット40には、回復動作のときに4つの印字ヘッド22K、22C、22M、22Yのインク吐出口形成面22Ks、22Cs、22Ms、22Ysからインクを除去するキャッピング機構50が備えられている。キャッピング機構50は各印字ヘッド22K、22C、22M、22Yに独立して設けられており、図1の例では6色分(即ち、6つのキャッピング機構50)が示されているが、このうち2色分は印字ヘッド追加時の予備的な機構である。キャッピング機構50は、周知のブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ等から構成されている。
ロ−ル紙Pはロール紙供給ユニット24から供給され、プリンタ10に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロ−ル紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。
ロ−ル紙Pに画像を形成する際には、搬送中のロ−ル紙Pの記録開始位置がブラックの印字ヘッド22Kの下に到達した後に、記録データ(画像情報)に基づいて印字ヘッド22Kからブラックインクを選択的に吐出する。同様に印字ヘッド22C、印字ヘッド22M、印字ヘッド22Yの順に、各色のインクを吐出してカラー画像をロ−ル紙Pに形成する。プリンタ10には、上記の部品・部材の他、各印字ヘッド22K、22C、22M、22Yに供給されるインクを貯めておくメインタンク28K、28C、28M、28Yや、印字ヘッド22K、22C、22M、22Yにインクを供給したり回復動作をしたりするための各種ポンプ(図3等参照)などが備えられている。上記した各種ポンプなどによって本発明のインク供給装置の一例が構成されている。
図2を参照して、プリンタ10の電気的な系統を説明する。
図2は、図1のプリンタの電気的な系統を示すブロック図である。
ホストPC12から送信された記録データやコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、プリンタ10の記録データの受信、記録動作、ロ−ル紙Pのハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU100では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。記録前の動作処理としては、出力ポート114、モータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各印字ヘッド22K、22C、22M、22Yをキャッピング機構50から離して記録位置(画像形成位置)に移動させる。
続いて、出力ポート114、モータ駆動部116を介してロ−ル紙Pを繰り出すロールモータ(図示せず)、及び低速度でロ−ル紙Pを搬送する搬送モータ120等を駆動してロ−ル紙Pを記録位置に搬送する。一定速度で搬送されるロ−ル紙Pにインクを吐出し始めるタイミング(記録タイミング)を決定するための先端検知センサ(図示せず)でロ−ル紙Pの先端位置を検出する。その後、ロ−ル紙Pの搬送に同期して、CPU100はイメージメモリ106から対応する色の記録データを順次に読み出し、この読み出したデータを各印字ヘッド22K、22C、22M、22Yに印字ヘッド制御回路112経由して(介して)転送する。
CPU100の動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。また、作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。各印字ヘッド22K、22C、22M、22Yのクリーニングや回復動作時に、CPU100は、出力ポート114、モータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動し、インクの加圧、吸引等の制御を行う。
図3から図5までを参照して、プリンタ10に組み込まれたインク供給装置について説明する。
図3は、インクジェット方式画像形成装置に組み込まれたインク供給装置を示す模式図である。図4は、印字ヘッドをクリーニングする際の手順を示すフロー図である。図5は、インク吐出面からインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は、拭き取り終了直後を示し、(c)は、拭き取り終了後の待機状態を示す。図3では、印字ヘッド22Kにインクを供給したり、この印字ヘッド22Kを回復させたりするためのインク供給装置を示すが、他の印字ヘッド22C、22M、22Yについても同じ構成のインク供給装置が備えられている。また、図3と図5では、図1と図2に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
プリンタ10(図1参照)には、印字ヘッド22Kにインクを供給するインク供給装置60が組み込まれている。インク供給装置60は、プリンタ10の本体に着脱自在なインクタンク70と、このインクタンク70と印字ヘッド22Kとをつなぐインク供給路62の途中に配置されたサブタンク80などから構成されている。サブタンク80の下に印字ヘッド22Kが配置されている。サブタンク80に貯められたインクの液面は、印字ヘッド22Kのノズル22Knのインク吐出口よりも上方に位置する。
サブタンク80と印字ヘッド22Kは、2つのインク流路64,66で接続されて(つながれて)いる。インク流路64は、本発明にいう第1インク循環路の一例であり、インク流路66は、本発明にいう第2インク循環路の一例である。サブタンク80と印字ヘッド22Kは同一のフレーム(図示せず)に固定されており、印字ヘッド22Kと共にサブタンク80及びインク流路64,66は移動する。
インク流路64は、サブタンク80の底部と印字ヘッド22Kの液室(インクが貯められる部屋)22Krの上部とを接続する。一方、インク流路66は、インク流路64が接続された部分とは異なる部分でサブタンク80の底部と印字ヘッド22Kの液室22Krの上部とを接続する
インク流路64には、サブタンク80と液室22Krの間でインクを循環させる循環ポンプ68が取り付けられている。循環ポンプ68を駆動させることにより、サブタンク80内のインクは、インク流路64を通って液室22Krに流れ込み、さらに液室22Krからインク流路66を通ってサブタンク80に戻り、さらに、インク流路64に流れ込んで循環する。循環ポンプ68の駆動を逆にすることにより、サブタンク80内のインクは、インク流路66を通って液室22Krに流れ込み、さらに液室22Krからインク流路64を通ってサブタンク80に戻り、さらに、インク流路66に流れ込んで循環する。上記のように循環ポンプ68は正逆転するものであり、いずれの方向にもインクを循環させられる。なお、循環ポンプ68は、印字ヘッド22Kをクリーニングする際にも使用される。
また、インク流路64には、所定のタイミングでインク流路64を開閉する待機バルブ69が取り付けられている。一方、インク流路66には、所定のタイミングでインク流路66を開閉する加圧バルブ67が取り付けられている。インク流路66のうち加圧バルブ67とサブタンク80の間の部分には、インク流路66内のインク圧力を検出する圧力検出センサ81が取り付けられている。
サブタンク80の上壁には、サブタンク80の内部圧力を大気圧にするための大気開放バルブ84が固定されている。この大気開放バルブ84を開放することにより、サブタンク80の内部圧力は大気圧に等しくなる。また、サブタンク80には、このサブタンク80に貯められているインク(貯蔵インク)の液面レベルを検知する周知の液面検知センサ86が取り付けられている。液面検知センサ86が、サブタンク80内のインク液面が一定レベル以下になったと検知したときは、供給ポンプ72が稼動し始めてインクタンク70からインクが吸引されてサブタンク80に供給される。一方、液面検知センサ86が、サブタンク80内のインク液面が予め決められている上限レベルになったと検知したときは、供給ポンプ72が停止してインクの供給は停止される。
インクタンク70には、このインクタンク70内のインクの有無を検出する検出センサ(図示せず)が取り付けられている。また、プリンタ10の本体にインクタンク70を装着するときに接続されるエア−流路には、インクタンク70の内部圧力を大気圧にするための大気開放バルブ74が取り付けられている。
印字ヘッド22Kのクリ−ニング動作について説明する。
ここでいうクリ−ニング動作とは、印字ヘッド22Kのインク吐出品位を継続的に維持するために行われる動作をいい、経過時間や吐出状況等の条件を満たした場合、又は、画像品位に異状が見られる場合等に自動的に若しくは任意で実施される。
図4のフローに示すように、クリーニング動作は、クリーニング指令を受信することにより開始される(S401)。クリーニング指令を受信した後、大気開放バルブ84、加圧バルブ67、待機バルブ69が順次に開放される(S402〜S404)。続いて、循環ポンプ68が作動して(矢印C方向の回転)(S405)、サブタンク80からインク流路64を経由して印字ヘッド22Kにインクが圧送される。このインクの圧送によって、記録動作中等にフィルタ−90のサブタンク80側に溜まった泡を再びサブタンク80へ押し流す。
循環ポンプ68を一定時間だけ作動させた後、加圧バルブ67を閉めて(S406)インク流路66を遮断する(閉じる)。これにより印字ヘッド22Kの液室22Krに大きな正圧力が加わる(作用する)。この大きな正圧力によって、印字ヘッド22Kの各ノズル22Knからはインクが排出されて、このノズル22Knやその周辺部に存在する泡やゴミ等の異物が除去される。
さらに一定時間経過後、循環ポンプ68を停止させ(S407)、待機バルブ69と大気開放バルブ84を順に閉じる(S408、S409)。なお、この状態では印字ヘッド22Kの各ノズル22Knの開口を含むフェイス面22Ksにインクが付着して汚れた状態である。この汚れを除去するために、図5に示すように、キャッピング機構50に固定されたワイパー52でフェイス面22Ksを拭く。この動作の際は、先ず、図5(a)に示すように、印字ヘッド22Kが回復キャップ54の上方に移動する(S410)。続いて、回復キャップ54が矢印B方向に移動することにより、図5(b)に示すように、フェイス面22Ksに付着しているインクなどの汚れがワイパー52で拭き取られる(S411)。この動作はワイピング動作と呼ばれる。ワイピング動作終了後は、図5(c)に示すように、印字ヘッド22Kは再びキャッピングされて待機状態となる(S412)。この待機状態にある印字ヘッド22Kはフェイス面22Ksを回復キャップ54でキャッピングされている(塞がれている)ので、ノズル22Knにあるインクの増粘が防止される。なお、印字ヘッド22Kから排出されたインク(廃インク)は回復キャップ54に受けられて吸引ポンプ92(図3参照)によって吸引される。この廃インクはフィルター94(図3参照)で濾過されて異物が除去された(スクリ−ニングした)後にインクタンク70に再び戻される。また、上記したワイピング動作だけが適宜のタイミングで実施されることがある。
図6と図7を参照して、循環ポンプ68によって印字ヘッド22K内の圧力を調整する技術について説明する。
図6は、インク供給装置を示す拡大図である。図7は、インクが循環する循環路における圧力の遷移を示す圧力遷移図である。これらの図では、図3に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。なお、図7の圧力遷移図とは、循環ポンプ68を含むインク循環路を水平展開して各部における圧力を表したものである。また、図7における矢印の上の符号(数字)は各部材を表し(例えば68は循環ポンプを表す)、矢印の左側(循環ポンプ68では68IN)がインク流入側の圧力であり、右側(循環ポンプ68では68OUT)がインク流出側の圧力である。
上記した加圧バルブ67、待機バルブ69、及び大気開放バルブ84としては、図6に示すように、ソレノイドのプランジャー130に一体化されたバルブシ−ト132によってインク流路の遮断を行う電磁バルブが採用されるが、本発明においてはこれらの方式を何ら限定するものではなく他の方式のものを採用しても何ら問題無い。また、循環ポンプ68としてはギアポンプを用いたが、チューブポンプや、他の方式のポンプを用いてもよい。
記録時には印字ヘッド22Kに適正な負圧を付与する(印字ヘッド22Kのインク吐出口(ノズルの出口)においてインクのメニスカスが形成されるような圧力をインクに与える)必要がある。この場合、加圧バルブ67、待機バルブ69、及び大気開放バルブ84は開放状態にある。この状態で循環ポンプ68が矢印D方向に回転するように駆動させることにより、サブタンク80内のインクはサブタンク80から順に、加圧バルブ67、フィルタ90、印字ヘッド22Kの液室22Kr、フィルタ91、待機バルブ69、循環ポンプ68を経て再びサブタンク80に戻される。
上記のように循環するインクの各部(例えば循環ポンプ68のインク吸引側68INとインク排出側68OUT)における圧力は、図7に示すように、サブタンク80から始まるインク循環路においては、バルブ67,69、フィルタ90,91など、圧力損失が生じる部材にかかる度に負圧が大きくなり、循環ポンプ68のインク流入(吸引)側68INで最大となる。この循環ポンプ68によってインクは正圧を付与されサブタンク80に圧送されて戻される。
上記の図7に示される圧力遷移図における圧力(負圧)は循環ポンプ68の流量(循環するインクの流量)にほぼ比例し増減する。このため、この流量を制御することにより、印字ヘッド22Kに付与する(作用する)圧力(図7ではQ〜Rの範囲内の負圧)を制御できる。また、印字ヘッド22Kの液室22Krにおいては、液室22Kr内の流路断面積を広くするなどの工夫をすることにより、この液室22Kr内における圧力損失(Q―R)を抑制できるので、液室22Krに連通する複数のノズルに渡って一定した圧力(負圧)を付与できる。
図8から図11までを参照して、待機モ−ドから記録動作までの手順を説明する。
図8は、待機モ−ドから記録動作までの手順を示すフロー図である。図9(a)は、回復キャップにキャッピングされた印字ヘッドを示す模式図であり、(b)は、記録動作中の印字ヘッドの位置を示す模式図である。図10(a)は、水頭差だけに起因するインク循環路での圧力を示すグラフであり、(b)は、循環ポンプを用いたときのインク循環路での圧力を示すグラフである。図11は、印刷デューティ(吐出デューティ)が0%と100%のときにおけるインク循環路での圧力を示すグラフである。図10及び図11における符号は、図7における符号と同じものである。
待機モ−ド時に印字指令を受信することにより(S801)、大気開放バルブ84が開放される(S802)。続いて、加圧バルブ67が開いてインク流路66が開放される(S803)。本実施例ではサブタンク80が印字ヘッド22Kの上方に配置されているので、大気開放バルブ84と加圧バルブ67が開くことにより印字ヘッド22Kのノズル22Knには水頭圧力h1(図10(a)参照)が作用し、サブタンク80からインク流路66を通って印字ヘッド22Kにインクが流れ込もうとする。ここで、待機バルブ69を開いて(S804)循環ポンプ68を作動させることにより(S805)、上記の負圧が発生するので、水頭圧力h1(図10(a)参照)が消滅して、図10(b)に示すように、印字ヘッド22Kのノズル22Knには負圧h2が付与される(作用する)。この結果、上述したように、印字ヘッド22K内のインクに負圧が与えられてインク吐出口においてインクのメニスカスが形成されることとなる。
続いて、印字ヘッド22Kをワイピング位置へ移動させて(S806)、図4と図5を参照して説明したワイピング動作を実施し(S807)、その後、図9(b)に示すように、印字ヘッド22Kを降下させて記録位置に移動させる(S808)。上述したようにサブタンク80、インク流路64,66、及び印字ヘッド22Kは同一のフレームに固定されているので、印字ヘッド22Kが降下してもインク流路64,66は確保されたままであり、印字ヘッド22Kには上記の負圧h2が作用したままである。また、これらが同一フレームに取り付けられていない場合であっても、相対的な位置関係が変化しなければ同様に負圧h2は維持される。
上記のように印字ヘッド22Kが降下して所定の記録位置に達した後、記録動作(画像形成)が実行される(S809)。この記録動作の終了後、図9(a)に示すように、印字ヘッド22Kは上昇して回復キャップ54によってキャッピングされる(S810)。その後、循環ポンプ68の作動を停止し(S811)、続いて、待機バルブ69を閉めて(S812)加圧バルブ67を閉め(S813)、さらに大気開放バルブ84を閉めて(S814)再び待機モ−ドとなって、このフローを終了する。
ところで、記録動作中はノズル22Knからインクが吐出するので、液室22Krからノズル22Knにインクが供給されて液室22Kr内のインクが減少する。この場合、記録スピ−ド(印字速度)に連動した印字ヘッド22Kの吐出周波数、及び形成画像に依存ずる印字ヘッド22Kのノズル全体に対する吐出ノズルの割合(印刷デューティ)に応じてインクの流れが発生し、インク循環路(インク流路64,66)を流れるインク量が変動することに起因して、印字ヘッド22Kのノズル22Knに作用する圧力が変動する。
ここで、ある一定の吐出周波数でインクを吐出すると仮定した場合、非吐出である印刷デューティ0%(全ノズルからインクを吐出しない)時の圧力遷移線1001と、印刷デューティ100%(全ノズルからインクを吐出する)時の圧力遷移線1002に挟まれる範囲内で印字ヘッド22Kのノズル22Kn内の圧力は変動する。この圧力変動は印字ヘッド22Kのインク吐出状態に影響を及ぼすので、循環ポンプ68で循環させるインクの流量を制御することにより上記の圧力変動を抑制できる。この制御について説明する。
ノズル22Knから単位時間当たりに吐出するインクの量が低減していく場合は、循環ポンプ68の回転数を上げて、循環するインクの量(インク流量)を増加させる。これにより、液室22Kr内の負圧(すなわち、ノズル22Kn内の負圧)が大きくなる(負圧が上昇する)。従って、インク吐出量の低減に伴う印字ヘッド22K内の負圧の下降が抑えられるので、印字ヘッド22K内を一定の負圧に保てる。
一方、ノズル22Knから単位時間当たりに吐出するインクの量が増加していく場合は、循環ポンプ68の回転数を下げて、循環するインクの量(インク流量)を減少させる。また、単位時間当たりのインクの吐出量が特に多い場合には循環ポンプ68の作動を停止もしくは逆転させる。これにより、液室22Kr内の負圧(すなわち、ノズル22Kn内の負圧)が小さくなる(負圧が下降する)。従って、印字ヘッド22K内が過度に負圧になることが防止される。上記のような制御をすることによりノズル22Knに常に適切な負圧を付与できる。
上記のような制御を実施するためには、印字ヘッド22K内の圧力の変動を検出するために圧力検出センサ81(図3等参照)を液室22Kr中に配置しておき、この圧力検出センサ81の検出値を循環ポンプ68の駆動回路にフィ−ドバックさせる方法が考えられる。すなわち、圧力検出センサ81で検出された圧力に基づいて循環ポンプ68の回転数を制御して、印字ヘッド22K内の圧力を調整する。この調整については、図12と図13を参照して後述する。なお、圧力検出センサ81は、検出値と液室22Krに実際に加わる圧力との相関関係が明らかになっており、それが制御テーブルに反映されていれば、循環路中の他の場所に配置してもよい。
また、形成画像及びインク吐出の頻度(周波数)に基づいて循環ポンプ68の最適な駆動テ−ブルを予め作成しておき、この駆動テ−ブルに基づいて循環ポンプ68を駆動させる方法が考えられる。すなわち、印字ヘッド22Kから吐出されるインクの単位時間当たりの量に基づいて循環ポンプ68の回転数を制御して、印字ヘッド22K内の圧力を調整する。なお、印字ヘッド22K内の圧力変動に起因するノズル22Knからのインク吐出状態の変化が形成画像の品位上問題のないレベルであれば、循環ポンプ68は一定条件での作動を行ってもよい。
上記した圧力検出センサ81で検出された圧力に基づいて循環ポンプ68の回転数を制御して、印字ヘッド22K内の圧力を調整する技術について図12と図13を参照して詳細に説明する。
図12は、図6のインク供給装置が動作する際の一例を示すタイムチャートである。図13は、図6のインク供給装置が動作する手順の一例を示すフロー図である。
先ず、図12を参照して、図6のインク供給装置の動作を、印字ヘッド22Kの印刷デューティと印字ヘッド22Kに作用する圧力との観点から説明する。
印字ヘッド22Kからインクを吐出しない非吐出時の状態(印刷デューティOFF(0%)の状態)301にあって、循環ポンプ68は印字ヘッド22Kをインク吐出動作可能な状態とするために、符号302で示すように循環ポンプ68が一定圧力を発生するようにし、符号303で示すように印字ヘッド22Kの圧力を制御する。印字ヘッド22Kからインク吐出を開始する場合(符号304)は、このインク吐出に先立って循環ポンプ68が発生する圧力を大気圧(0mmAq)に予め近づける(負圧を減らす)(符号306、305)。また、印刷が開始された後も、印刷デューティの変化に応じてポンプ発生圧力の調整を行う。これらにより、インク吐出による圧力変化を緩和し、負圧が好ましいインク吐出可能領域内307に制御されるようにする。ここで、大気圧に近づけてもインク吐出可能領域内307に収まらない場合は、循環ポンプ68を正転(インク供給方向へ回転)させて、大気圧よりも高い圧力状態(正圧)311になるように制御する。逆に、印刷デューティが減少する場合(符号310)は、ポンプ発生圧力を負圧にする(符号309)。
以上のような印刷デューティに基づいて循環ポンプ68の駆動を制御することにより、インクの慣性力に起因した印刷デューティの変化への応答の遅れによって不規則な圧力変化(符号308)は見られるものの、概ね負圧が好ましいインク吐出可能領域内307に制御されるようになる。
図13を参照して圧力制御の手順の一例を示す。この手順は、図2に示したプリンタの制御系の構成にあっては、ROM104に格納されたプログラム等に従ってCPU100が実行する。
まず、印刷データの有無を確認し(S1301)、印刷データがある場合は、循環ポンプ68を回転させ始め(S1302)、印刷を開始する(S1303)。続いて、上記の圧力検出センサ81で圧力を検出する(S1304)。この検出された圧力が所定範囲内のときは、循環ポンプ68をそのまま回転させて印刷を続行し、印刷が終了したか否かが判定される(S1305)。印刷が終了したと判定されたときは、このフローを終了する。印刷が終了していないと判定されたときは、S1304に戻って、再び、上記の圧力検出センサ81で圧力を検出する(S1304)。
S1304において検出された圧力が所定の下限値よりも高い場合は、印字ヘッド22K内の圧力が大気圧よりも高くなるおそれがあるので、循環ポンプ68の回転数を速めることにより印字ヘッド22K内の圧力が上記の所定範囲内になるように制御し(S1306)、印刷が終了したか否かが判定される(S1305)。印刷が終了したと判定されたときは、このフローを終了する。印刷が終了していないと判定されたときは、S1304に戻って、再び、上記の圧力検出センサ81で圧力を検出する(S1304)。
S1304において検出された圧力が所定の下限値よりも低い場合は、印字ヘッド22K内の圧力が大気圧よりもかなり低くなりインクが吐出しないおそれがあるので、循環ポンプ68の回転数を下げて(遅くして)印字ヘッド22K内の圧力が上記の所定範囲内になるように制御し(S1307)、印刷が終了したか否かが判定される(S1305)。印刷が終了したと判定されたときは、このフローを終了する。印刷が終了していないと判定されたときは、S1304に戻って、再び、上記の圧力検出センサ81で圧力を検出する(S1304)。
なお、以上のようなソフトウエアの処理によらず、画像データの構成ビットを計数するカウンタと、そのカウント値に基づいて循環ポンプ68を駆動するモータの制御を行う手段とをハードウエアにより構成することもできる。また、印刷の進捗に応じて印刷デューティが変化した時に制御を行うのではなく、予め印刷データに基づいてポンプの制御曲線を定め、これに基づいてフィードフォワード的にポンプ制御を行うようにしてもよい。
ところで、インクを吐出させる為のエネルギーとして発熱素子から発生される熱エネルギーを用いた所謂バブルジェット記録方式を採用した印字ヘッドや、他のインク吐出方式(例えば、圧電素子を用いた方式等)の印字ヘッドでは、インク吐出の際にノズル内に生成した泡の残泡、インク中の溶存ガスの溶出物などが液室などに滞留してインクの吐出に悪影響を与えるおそれがある。本発明では画像形成中に、印字ヘッド22Kの液室22Krを含むインク流路内でインクを循環させるので、上記の泡はフィルタ90,91で捕集されてサブタンク80に運ばれ、このサブタンク80でインクから分離される。このため、泡などが液室22Kr内に累積して堆積することが無く、継続的に安定してインクが吐出される。
以上説明したように、インク供給装置60によれば、循環ポンプ68を駆動することによりインク流路64,66をインクが循環し、サブタンク80と液室22Krとの間でインクが循環することとなる。この循環の際に、インク流路64,66における圧力損失によって負圧が発生し、この負圧が液室22Krに作用して印字ヘッド22K内のインク(ノズル22Kn内のインク)に作用する圧力を適正な範囲内の負圧に保てる。この結果、記録品位が向上する。また、サブタンク80と印字ヘッド22Kの位置関係が限定されないので装置全体構成の自由度が向上する。さらに、印字ヘッド22Kの液室22Kr内のインクが循環してサブタンク80に戻るので、液室22Kr内のインク中に存在する気泡を液室22Krから除去できる。この結果、インクの吐出がいっそう安定する。
上記した実施例1では、印字ヘッド22Kよりも上方にサブタンク80が配置されているが、本発明ではこのような配置に限定するものではない。この例として、印字ヘッド22Kよりも下方にサブタンク80が配置されたインク供給装置160について図14を参照して説明する。
図14は、実施例2のインク供給装置を示す模式図である。この図では、図3に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。
実施例2のインク供給装置160では、印字ヘッド22Kよりも下方にサブタンク80が配置されている。このような位置関係であっても、印字ヘッド22K内を適正な負圧に保つために外部から正圧力を与えるような場合においては循環ポンプ68を利用できる。
また、上記のように印字ヘッド22Kとサブタンク80の位置関係に拘らず循環ポンプ68によって印字ヘッド22K内を適切な負圧に保てるので、従来の水頭差による差圧に頼った装置等と比較して、サブタンク80の設置位置の規制を受けることがなく、装置の設計自由度も向上する。
実施例1においては循環ポンプ68を駆動させることにより、サブタンク80と液室22Krの間で循環するインクの流量を変化させ、印字ヘッド22Kに付与する圧力を制御する例を述べたが、本発明ではインク流路64,66の圧力損失を可変にすることによっても、印字ヘッド22Kに付与する圧力を制御できる。
具体的には、実施例1の構成において、加圧バルブ67(図6等参照)として、印加電圧によりプランジャ−130(図6等参照)のストロ−ク量が変位する比例電磁弁を用いる。プランジャー130の一端にはバルブシ−ト132が取り付けられており、そのストロ−ク量を制御することによってインク流路66の流路断面積を可変でき、いわゆる可変流抵抗体とすることで印字ヘッド22Kの液室22Krに付与する負圧量を制御する。この構成においては、循環ポンプ68の流量を一定として圧力制御が可能である。また、循環ポンプ68及び加圧バルブ67(比例電磁弁)双方によって圧力を制御してもよい。このような構成であっても実施例1と同様の効果を得られる。
なお、循環ポンプを含むインク循環路を備え、循環ポンプの作動時にインク循環路がもつ圧力損失によって発生した負圧を印字ヘッドに付与するシステムであれば本発明に包容される。また、インクを吐出する為のエネルギーとして発熱素子から発生される熱エネルギーを用いた、いわゆるバブルジェット記録方式を採用したインクジェット記録ヘッドに本発明を適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明には他の方式(例えば、圧電素子を用いた方式等)のインクジェット記録ヘッドにも適用できることは明らかである。
また、本発明に係るインク供給装置を用いて記録媒体に画像を記録する(画像形成する)インクジェット方式画像形成装置の機械的構成としては、印字ヘッドを搭載したキャリッジを移動させる間に画像形成するシリアル記録方式であっても、記録媒体の幅に対応した長さの印字ヘッドに対して記録媒体を相対的に移動させながら画像形成するフルライン記録方式であってもよい。
本発明のインク供給装置が組み込まれたプリンタの一例を模式的に示す正面図である。 図1のプリンタの電気的な系統を示すブロック図である。 インクジェット方式画像形成装置に組み込まれたインク供給装置を示す模式図である。 印字ヘッドをクリーニングする際の手順を示すフロー図である。 インク吐出面からインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は、拭き取り終了直後を示し、(c)は、拭き取り終了後の待機状態を示す。 インク供給装置を示す拡大図である。 インクが循環する循環路における圧力の遷移を示す圧力遷移図である。 待機モ−ドから記録動作までの手順を示すフロー図である。 (a)は、回復キャップにキャッピングされた印字ヘッドを示す模式図であり、(b)は、記録動作中の印字ヘッドの位置を示す模式図である。 (a)は、水頭差だけに起因するインク循環路での圧力を示すグラフであり、(b)は、循環ポンプを用いたときのインク循環路での圧力を示すグラフである。 印刷デューティ(吐出デューティ)が0%と100%のときにおけるインク循環路での圧力を示すグラフである。 図6のインク供給装置が動作する際の一例を示すタイムチャートである。 図6のインク供給装置が動作する手順の一例を示すフロー図である。 実施例2のインク供給装置を示す模式図である。
符号の説明
10 プリンタ
22K、22C、22M、22Y 印字ヘッド
22Kr 印字ヘッド22Kの液室
60 インク供給装置
64,66 インク流路
67 加圧バルブ
68 循環ポンプ
69 待機バルブ
70 インクタンク
80 サブタンク
81 圧力検出センサ

Claims (4)

  1. インクを吐出するノズル及びこのノズルに連通する液室が形成された印字ヘッドと、
    前記液室に供給されるインクが貯められるインク容器と、を備え、前記インク容器から前記液室にインクを供給するインク供給装置において、
    前記インク容器と前記液室とを接続する第1インク流路と、
    前記第1インク流路が接続された部分とは異なる部分で前記インク容器と前記液室とを接続する第2インク流路と、
    前記第1インク流路に設けられ、前記インク容器と前記液室との間でインクを、前記第1インク流路及び前記第2インク流路を経由させることにより循環させる循環ポンプと、
    前記液室内のインクに作用している圧力を検出する圧力検出センサと、
    前記インク容器と前記液室との間に設けられ、前記第2インク流路から前記インク容器を経由せずに前記液室へと流れるインクに含まれる異物を濾過するフィルタと、
    前記第2インク流路に設けられ、前記第2インク流路を開閉する開閉バルブとを備え、
    前記循環ポンプは、前記第1インク流路から前記液室を経由させて前記第2インク流路にインクを圧送させる第1方向と、前記第2インク流路から前記液室を経由させて前記第2インク流路にインクを圧送させる第2方向とにインクを圧送可能であり、前記圧力検出センサで検出された圧力に基づいて、前記第2方向に流れるインクの量を変更し、
    前記印字ヘッドをクリーニングする際、前記開閉バルブが開いた状態で、前記循環ポンプが前記第1方向にインクを圧送させることにより、前記フィルタに溜まった異物を押し流し、所定時間経過後、前記開閉バルブが閉じ、前記循環ポンプが前記第1方向にインクを圧送させることにより前記ノズルからインクを排出させることを特徴とするインク供給装置。
  2. 前記循環ポンプは、ギアポンプ又はチューブポンプであることを特徴とする請求項1記載のインク供給装置。
  3. 前記循環ポンプは、
    前記印字ヘッドから吐出されるインクの単位時間当たりの量に基づいて、前記インク循環路を循環させるインクの量を変更するものであることを特徴とする請求項1または2記載のインク供給装置。
  4. 前記インク容器は、
    前記インク容器に貯められたインクの液面が前記印字ヘッドの前記ノズルのインク吐出口よりも上方に位置するように配置されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインク供給装置。
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