JP2007196623A - ヘッド圧制御方法及びインクジェット方式画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク流路に取り付けられたバルブを開くとき(開く瞬間)に発生するヘッド圧の変動を抑制するヘッド圧制御方法を提供する。
【解決手段】インク流路65に取り付けられた待機バルブ67が閉じられた状態から開放されるときに(開放されるに先立って)、加圧ポンプ63を駆動して記録ヘッド22Kの中のインクに作用する圧力を高くする。これによりヘッド圧を適正な範囲内に保てる。従って、記録ヘッド22Kのノズル22Knから外部の空気が引き込まれることが防止されてヘッド圧の変動が抑制される。この結果、ヘッド圧の変動に起因する画像不良が防止される。
【選択図】図3
【解決手段】インク流路65に取り付けられた待機バルブ67が閉じられた状態から開放されるときに(開放されるに先立って)、加圧ポンプ63を駆動して記録ヘッド22Kの中のインクに作用する圧力を高くする。これによりヘッド圧を適正な範囲内に保てる。従って、記録ヘッド22Kのノズル22Knから外部の空気が引き込まれることが防止されてヘッド圧の変動が抑制される。この結果、ヘッド圧の変動に起因する画像不良が防止される。
【選択図】図3
Description
本発明は、記録ヘッドの中のインクに作用する圧力(ヘッド圧)を制御するヘッド圧制御方法、及びこのヘッド圧制御方法が実施されるインクジェット方式画像形成装置に関する。
記録ヘッド(印字ヘッド)から記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置(インクジェット記録装置)が知られている。このインクジェット方式画像形成装置では、一般に、インクを吐出する複数のノズルが高密度に形成された小型の記録ヘッドを用いて高精細な画像を形成できる。また、この小型の記録ヘッドを複数配置して各記録ヘッドから異なる色のインクを吐出させることにより、比較的安価で小型な構成で記録媒体にカラー画像を形成できる。インクジェット方式画像形成装置は上記のような利点を有するので、業務用、家庭用を問わず、プリンタ、ファクシミリ及び複写機など、様々な画像出力装置に用いられている。
上記のようなインクジェット方式画像形成装置では、記録ヘッドからのインク吐出動作を安定化させるために、記録ヘッド内のインクを所定の負圧に維持する(記録ヘッド内のインクに作用する圧力を所定の負圧に保つ)ことが重要である。このため、一般には、記録ヘッドよりも下方にインクタンクを配置して水頭差を一定範囲内に保っておき、この一定範囲内に保たれた水頭差を利用してインクに負圧を作用させる構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
上記のように水頭差を利用して一定の負圧が付与されたインクは、記録ヘッドからのインク吐出に伴って上昇する記録ヘッド内の負圧との差圧によってインクタンクから記録ヘッド内に引き込まれるように供給される。この結果、記録ヘッド内が一定の負圧に保たれることになる。
特開2003−11380号公報
上記のようなインクジェット方式画像形成装置には、記録ヘッドとインクタンクを接続するインク流路に開閉自在なバルブが取り付けられたものがある。このようなインクジェット方式画像形成装置では供給・回復・印字等の各動作に応じてバルブを開閉させることによってすべての動作を満足できる構成になっている。
ところが、上記のようにバルブを開閉させる際に、この開閉に起因してインクの脈流が発生して記録ヘッド内のインクに圧力変動が起こることがある。大量のインクを短時間で消費するプリンタでは径の大きなインク流路が使用されており、このような径の大きなインク流路ではバルブの開閉に起因する圧力変動が起き易いことが判明した。特に、閉めた状態のバルブを開くときは、記録ヘッドからバルブに向かう方向にインクが流れ易く、この結果、記録ヘッド内の負圧が大きくなり易い(ヘッド圧が低過ぎになり易い)。ヘッド圧が所定の圧力よりも低くなった場合、記録ヘッドのノズルから外部の空気が引き込まれるので、印字不良の原因となるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑み、インク流路に取り付けられたバルブを開くとき(開く瞬間)に発生するヘッド圧の変動を抑制するヘッド圧制御方法及びインクジェット方式画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のヘッド圧制御は、インクが貯められたインク容器から、バルブが取り付けられた第1インク流路を経由してインクが供給される記録ヘッドの中のインクに作用する圧力が一定範囲内の圧力になるように制御するヘッド圧制御方法において、
(1)前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くすることを特徴とするものである。
(1)前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くすることを特徴とするものである。
ここで、
(2)前記第1インク流路とは異なる第2インク流路によって前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続すると共に前記インク容器から前記記録ヘッドにインクを送る加圧ポンプを前記第2インク流路に取り付けておき、
(3)前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする際に、前記加圧ポンプを駆動させてもよい。
(2)前記第1インク流路とは異なる第2インク流路によって前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続すると共に前記インク容器から前記記録ヘッドにインクを送る加圧ポンプを前記第2インク流路に取り付けておき、
(3)前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする際に、前記加圧ポンプを駆動させてもよい。
さらに、
(4)前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであってもよい。
(4)前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであってもよい。
また、上記目的を達成するための本発明のインクジェット方式画像形成装置は、インクが貯められたインク容器から、バルブが取り付けられた第1インク流路を経由して記録ヘッドにインクを供給しながら該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置において、
(5)前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする加圧手段を備えたことを特徴とするものである。
(5)前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする加圧手段を備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(6)前記加圧手段は、前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続する、前記第1インク流路とは異なる第2インク流路に取り付けられた加圧ポンプであってもよい。
(6)前記加圧手段は、前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続する、前記第1インク流路とは異なる第2インク流路に取り付けられた加圧ポンプであってもよい。
さらに、
(7)前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであってもよい。
(7)前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであってもよい。
本発明によれば、インク流路に取り付けられたバルブが閉じられた状態から開放されるときに(開放されるに先立って)、記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くするので、ヘッド圧を適正な範囲内に保てる。従って、記録ヘッドのノズルから外部の空気が引き込まれることが防止されてヘッド圧の変動が抑制される。この結果、ヘッド圧の変動に起因する画像不良が防止される。
ここでいう、バルブが開放されるときとは、バルブが開放される瞬間よりも少し(0.1秒〜1秒程度)前をいう。
本明細書でいう、「記録」(画像形成とも称する)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も含むものとする。
また、「記録媒体」(シートとも称する)とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも含むものとする。
さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様に広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を含むものとする。
本発明は、記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式のプリンタに実現された。
図1を参照して、本発明のインク供給装置が組み込まれたプリンタの一例を説明する。
図1は、本発明のインク供給装置が組み込まれたプリンタの一例を模式的に示す正面図である。
プリンタ10は、このプリンタ10に画像情報を送るホストPC(パソコン)12に接続されている。プリンタ10には、4つ(4本)の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yが記録媒体(ここではロ−ル紙)Pの搬送方向(矢印A方向)に並んで配置されている。4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yからはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクが吐出される。これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、所謂ラインヘッドであり、図1の紙面に直交する方向(矢印A方向に直交する方向)に延びている。これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの長さは、プリンタ10で印字できる記録媒体のうち最大の幅(図1の紙面に直交する方向の長さ)よりもやや長い。また、これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、画像形成中は固定されて動かない。
4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yから安定してインクを吐出できるように、プリンタ10には、回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40によって、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yからのインク吐出状態は初期のインク吐出状態に回復する。回復ユニット40には、回復動作のときに4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yのインク吐出口形成面22Ks、22Cs、22Ms、22Ysからインクを除去するキャッピング機構50が備えられている。キャッピング機構50は各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに独立して設けられており、図1の例では6色分(即ち、6つのキャッピング機構50)が示されているが、このうち2色分は記録ヘッド追加時の予備的な機構である。キャッピング機構50は、周知のブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ54(図3参照)等から構成されている。
ロ−ル紙Pはロール紙供給ユニット24から供給され、プリンタ10に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロ−ル紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。
ロ−ル紙Pに画像を形成する際には、搬送中のロ−ル紙Pの記録開始位置がブラックの記録ヘッド22Kの下に到達した後に、記録データ(画像情報)に基づいて記録ヘッド22Kからブラックインクを選択的に吐出する。同様に記録ヘッド22C、記録ヘッド22M、記録ヘッド22Yの順に、各色のインクを吐出してカラー画像をロ−ル紙Pに形成する。プリンタ10には、上記の部品・部材の他、各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに供給されるインクを貯めておくメインタンク28K、28C、28M、28Yや、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yにインクを供給したり回復動作をしたりするための各種ポンプ(図3等参照)などが備えられている。上記したメインタンク28K、28C、28M、28Yや各種ポンプなどによってインク供給装置が構成されている。
図2を参照して、プリンタ10の電気的な系統を説明する。
図2は、図1のプリンタの電気的な系統を示すブロック図である。
ホストPC12から送信された記録データ(画像情報)やコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100に受信される。CPU100は、プリンタ10の記録データの受信、記録動作、ロ−ル紙Pのハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU100では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。記録前の動作処理としては、出力ポート114、モータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yをキャッピング機構50(図1参照)から離して記録位置(画像形成位置)に移動させる。
続いて、出力ポート114、モータ駆動部116を介してロ−ル紙Pを繰り出すロールモータ(図示せず)、及び低速度でロ−ル紙Pを搬送する搬送モータ120等を駆動してロ−ル紙Pを記録位置に搬送する。一定速度で搬送されるロ−ル紙Pにインクを吐出し始めるタイミング(記録タイミング)を決定するための先端検知センサ(図示せず)でロ−ル紙Pの先端位置を検出する。その後、ロ−ル紙Pの搬送に同期して、CPU100はイメージメモリ106から対応する色の記録データを順次に読み出し、この読み出したデータを各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに記録ヘッド制御回路112経由して(介して)転送する。
CPU100の動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。また、作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yのクリーニングや回復動作時に、CPU100は、出力ポート114、モータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動し、インクの加圧、吸引等の制御を行い、また、CPU100は出力ポート114を介してバルブ制御部126によってバルブ67を開閉させる。ただし、バルブ67が閉じられた状態から開放されるときには、ヘッド圧を制御するために、ポンプモータ124を駆動させて加圧ポンプ63(図3参照)によって各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの中のインクに作用する圧力を高くするように予めプログラムされている。
図3を参照して、プリンタ10に組み込まれたインク供給装置について説明する。
図3は、インクジェット方式画像形成装置に組み込まれたインク供給装置を示す模式図である。図3では、記録ヘッド22Kにインクを供給したり、この記録ヘッド22Kを回復させたりするためのインク供給装置を示すが、他の記録ヘッド22C、22M、22Yについても同じ構成のインク供給装置が備えられている。また、図1と図3に示す構成要素には同一の符号が付されている。このインク供給装置によって本発明のヘッド圧制御方法が実行される。
プリンタ10(図1参照)には、記録ヘッド22Kにインクを供給するインク供給装置60が組み込まれている。インク供給装置60は、プリンタ10の本体に着脱自在なインクタンク70と、このインクタンク70と記録ヘッド22Kとをつなぐインク供給路62の途中に配置されたサブタンク80などから構成されている。サブタンク80と記録ヘッド22Kは、2つのインク流路64、65で接続されて(つながれて)いる。インク流路65が、本発明にいう第1インク流路の一例であり、インク流路64が、本発明にいう第2インク流路の一例である。
サブタンク80とヘッドフェイス面22Ksの高さの差Hによる水頭差分の負圧がヘッド内部に付与されており、この負圧によりノズル22Ks内部のインク液面が表面張力によってノズル内部に保たれている。適切な負圧の大きさは、ノズルの直径やインクの粘度によって異なるが、本実施例において通常は−70mmAq〜−200mmAq程度である。なお、1mmAqは9.8Paである。
インク流路64、65は、それぞれサブタンク80と記録ヘッド22Kの液室(インクが溜められる部屋)22Krの上部とを接続する。また、インク流路64には、記録ヘッド22Kのクリーニング時に駆動する加圧ポンプ63が取り付けられており、インク流路65には、所定のタイミングでインク流路65を開閉する待機バルブ67(本発明にいうバルブの一例である)が取り付けられている。なお、加圧ポンプ63は、ダイヤフラムポンプ等の非駆動時にインクの流通可能なポンプを使用し、図3の矢印C方向にインクが流れるようにのみ駆動する。待機バルブ67は、ソレノイドのプランジャー67aに一体化されたバルブシート67bによってインク流路の遮断を行う電磁バルブが採用される。
サブタンク80には、このサブタンク80に貯められているインク(貯蔵インク)の液面レベルを検知する周知の液面検知センサ86が取り付けられている。また、インクタンク70には、このインクタンク70内のインクの有無を検出する検出センサ(図示せず)が取り付けられている。さらに、プリンタ10の本体にインクタンク70を装着するときに接続されるエア−流路には、インクタンク70の内部圧力を大気圧にするための大気開放バルブ74が取り付けられている。
液面検知センサ86が、サブタンク80内のインク液面が一定レベル以下になったと検知したときは、インクタンクバルブ74が開放され、インク供給ポンプ72が稼動し始めてインクタンク70からインクが吸引されてサブタンク80に供給される。一方、液面検知センサ86が、サブタンク80内のインク液面が予め決められている上限レベルになったと検知したときは、インク供給ポンプ72が停止し、インクタンクバルブ74が密閉されてインクの供給は停止される。インク供給ポンプ72としては、チュ−ブポンプが用いられており、インク供給ポンプ72の非稼動時にはインク流路62が遮断される(インクタンク70とサブタンク80と間のインク流路が遮断される)。
待機バルブ67を開閉させる際に、この開閉に起因してインクの脈流が発生して記録ヘッド22Kの中のインクに作用している圧力に変動が起こることがある。プリンタ10が大量のインクを短時間で消費するタイプの場合、径の大きなインク流路64,65が使用されており、このような径の大きなインク流路64,65では待機バルブ67の開閉に起因するヘッド圧の変動が起き易い。特に、閉めた状態の待機バルブ67を開くときは、記録ヘッド22Kから待機バルブ67に向かう方向にインクが流れ易く、この結果、記録ヘッド22K内の負圧が大きくなり易い(ヘッド圧が低過ぎになり易い)。ヘッド圧が所定の圧力よりも低くなった場合、記録ヘッド22Kのノズルから外部の空気が引き込まれるので、印字不良の原因となるおそれがある。
待機バルブ67の開放によって記録ヘッド22Kの中のインクに作用する負圧が低くなり過ぎることを防ぐヘッド圧制御方法について図4から図6までを参照して説明する。
図4は、プリンタの電源をオンしてから待機状態に移行するまでの手順を示すフロー図である。図5は、待機バルブの開閉と加圧ポンプの駆動のタイミングを示すタイムチャートである。図6は、待機バルブの構造を示す断面図であり、(a)は密閉状態を示し、(b)は開放状態を示す。
待機バルブ67(図3参照)は、印字を行う際には開放状態にある。印字に伴ってノズル22Kn(図3参照)からインクが吐出されて液室22Kr(図3参照)内のインクが減少し、この減少に伴って、サブタンク80からインク流路64、65を通じて液室22Kr内にインクが供給される。また、後述するようにクリーニング時にも待機バルブ67は開放状態である方が良い。従って、プリンタ10の起動時に待機バルブ67を開放する動作が必要となる。
プリンタ10(図1参照)の電源を投入することにより、図4のフローは起動する。待機状態に移行するためには待機バルブ67(図3参照)の開放が必要であるが、上述したように直ちに待機バルブ67を開いてしまった場合、開くことにより待機バルブ67に形成される空間67c、67d(図6に示す)に記録ヘッド22Kからインクが逆流する(引き込まれる)ので、記録ヘッド22Kのインクに作用する負圧が低くなり過ぎる。このようなヘッド圧の低下を防止するためにプリンタ10の電源投入後、先ず、加圧ポンプ63を駆動させる(S401)。これにより、記録ヘッド22K内のインクに作用している負圧がやや小さくなるか又は正圧になり(ヘッド圧が高くなり)、ノズル22Knから少量のインクが排出する可能性がある。加圧ポンプ63を駆動させて時間t1(図5に示す)が経過した後、待機バルブ67を開放する(S402)。ここでは、時間t1を0.1秒〜1秒程度とした。時間t1は、記録ヘッド22Kのサイズ、加圧ポンプ63の能力、待機バルブ67のサイズ等によって実験的に予め求めておく。
待機バルブ67の開放に起因して、上述したようにインクが待機バルブ67に向かう方向に流れるのでヘッド圧は低下し始めるが、S401でヘッド圧を高くしておいたので、待機バルブ67の開放によってヘッド圧が低くなり過ぎることはない。即ち、ノズル22Knから外部の空気が引き込まれることはほとんどない。待機バルブ67を開放して時間t2(図5に示す)が経過した後に、加圧ポンプを停止する(S403)。ここでは、時間t2を0.1秒〜1秒程度とした。時間t2は、記録ヘッド22Kのサイズ、加圧ポンプ63の能力、待機バルブ67のサイズ等によって実験的に予め求めておく。
上記のように加圧ポンプ63を一時的に駆動したことにより記録ヘッド22Kからインクが排出されてフェイス面22Ks(図3参照)にインク等が付着していることがある。フェイス面22Ksに付着しているインク等をワイパー(図示せず)で拭き取るために、記録ヘッド22Kをワイプ位置に移動させて(S404)、周知のワイプ動作を実施する(S405)。このワイプ動作終了後、記録ヘッド22Kをキャップ位置に移動させ(S406)、フェイス面22Ksをキャップで覆って待機状態に移行する。これによりプリンタ10は待機状態となってこのフローは終了する。
上記のように閉めた状態の待機バルブ67を開くに先立ってヘッド圧を高くしておき、続いて待機バルブ67を開くのでヘッド圧は低くなり過ぎない。このため、記録ヘッド22Kのノズル22Knから外部の空気が引き込まれないので印字不良の原因にはならない。
上記のようにヘッド圧を制御する他の動作について、図7を参照して説明する。
図7は、クリーニング動作の手順を示すフロー図である。
プリンタ10(図1参照)がクリーニング指令を受信することによりこのフローが起動してクリーニング動作が開始される。クリーニング指令を受信したときは待機バルブ67(図3参照)は開放状態である。先ず、インク流路64,65内の気泡を除去することを目的とした循環クリーニングを行うために、加圧ポンプ63を駆動させる(S701)。この駆動によりインク流路64から記録ヘッド22K、インク流路65を経由してインクと共に気泡がサブタンク80(図3参照)に押し流される。循環クリーニングを一定時間実行した後(一定時間経過後)、循環クリーニングを終了させるために加圧ポンプ63を停止する(S702)。続いて、記録ヘッド22Kのノズル22Kn近傍の泡及びフェイス面22Ksの汚れ等を除去することを目的とした加圧クリーニングを行うために、待機バルブ67を密閉し(S703)、加圧ポンプ63を再び駆動させる(S704)。これによりノズル22Kn近傍の泡及びフェイス面22Ksの汚れが押し出される。加圧クリーニングを一定時間実行した後(一定時間経過後)、加圧クリーニングを終了させるために加圧ポンプ63を停止する(S705)。
続いて、上述したように待機状態では待機バルブ67は開放状態であるので、図4のフローに示す電源ON時と同様に記録ヘッド22Kに与圧をかけながら待機バルブ67を開放することによって記録ヘッド22Kに発生する負圧を相殺する(S706〜S709)。続いて、フェイス面22Ksに付着しているインク等を除去するために図4のフローと同様にワイプ動作を行って(S710〜S711)、このフローを終了する。
以上説明したようにインク流路65に取り付けられた待機バルブ67が閉じられた状態から開放されるときに(開放されるに先立って)、記録ヘッド22Kの中のインクに作用する圧力を高くするので、ヘッド圧を適正な範囲内に保てる。従って、記録ヘッド22Kのノズル22Knから外部の空気が引き込まれることが防止されてヘッド圧の変動が抑制される。この結果、ヘッド圧の変動に起因する画像不良が防止される。
10 プリンタ
22Y、22M、22C、22K 記録ヘッド
63 加圧ポンプ
64,65 インク流路
67 待機バルブ
80 サブタンク
22Y、22M、22C、22K 記録ヘッド
63 加圧ポンプ
64,65 インク流路
67 待機バルブ
80 サブタンク
Claims (6)
- インクが貯められたインク容器から、バルブが取り付けられた第1インク流路を経由してインクが供給される記録ヘッドの中のインクに作用する圧力が一定範囲内の圧力になるように制御するヘッド圧制御方法において、
前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くすることを特徴とするヘッド圧制御方法。 - 前記第1インク流路とは異なる第2インク流路によって前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続すると共に前記インク容器から前記記録ヘッドにインクを送る加圧ポンプを前記第2インク流路に取り付けておき、
前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする際に、前記加圧ポンプを駆動させることを特徴とする請求項1に記載のヘッド圧制御方法。 - 前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであることを特徴とする請求項2に記載のヘッド圧制御方法。
- インクが貯められたインク容器から、バルブが取り付けられた第1インク流路を経由して記録ヘッドにインクを供給しながら該記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装置において、
前記バルブが閉じられた状態から開放されるときに、前記記録ヘッドの中のインクに作用する圧力を高くする加圧手段を備えたことを特徴とするインクジェット方式画像形成装置。 - 前記加圧手段は、
前記記録ヘッドと前記インク容器とを接続する、前記第1インク流路とは異なる第2インク流路に取り付けられた加圧ポンプであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット方式画像形成装置。 - 前記加圧ポンプは、その非駆動時にインクを通過させるものであることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット方式画像形成装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090407 |