JP5090219B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体に液体を吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。
記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドは、種々の方式によりインクを吐出するものが知られている。中でも、インクを吐出するために利用されるエネルギとして熱を用いる記録ヘッドは、電気熱変換体(ヒータ)を発熱させることによってインクに気泡を発生させ、その圧力を利用してインクを吐出させるものである。このようなインクジェット記録装置では、一般にインクが吐出される複数のノズルが高密度に形成された小型の記録ヘッドを用いて高精細な記録が行われる。また、この小型の記録ヘッドを複数配置して各記録ヘッドに異なる色のインクを供給することにより、比較的安価でかつ小型な構成で、記録媒体にカラー記録を行うことができる。そのためインクジェット記録装置は、業務用、家庭用を問わず、プリンタ、ファクシミリおよび複写機など、様々な記録装置に用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドからのインク吐出動作を安定させるために、記録ヘッド内のインクを所定の負圧に維持する(記録ヘッド内のインクに作用する圧力を所定の負圧に保つ)ことが重要である。このため、一般には記録ヘッドにインクを供給するインク供給系の中に負圧発生手段を備え、その負圧発生手段によって負圧が付与されたインクを記録ヘッドに供給している。
負圧発生手段として特許文献1には、インクタンク内に収容したスポンジ状のインク吸収体の毛管作用を利用して負圧を発生する構成が開示されている。また他の負圧発生手段として特許文献2には、可撓性のインクバッグと弓形ばねとを備えた構成が開示されている。さらに他の負圧発生手段として特許文献3には、記録ヘッドよりも下方にインクタンクを配置し、記録ヘッドとインクタンクとの水頭差を利用してインクに負圧を付与する構成が開示されている。
特許文献1から特許文献3のような負圧発生手段を備えたインク供給系では、記録ヘッドからのインク吐出に伴って、記録ヘッド内の負圧は上昇する。この上昇する負圧を利用して、インクタンクから記録ヘッドへインクが供給される。このため、単位時間当りに記録ヘッドから吐出されるインクの量が多いときには、インクタンクから記録ヘッドへのインク供給が追いつかず、記録ヘッド内の負圧が所定の負圧より大きくなることがある。また逆に、単位時間当りに記録ヘッドから吐出されるインクの量が少ないときは、インクの慣性によって記録ヘッド内の負圧が所定の負圧よりも小さくなることがある。
このような課題に対して特許文献4では、記録ヘッドとインクタンクの間にサブタンク(以下、貯留部ともいう)を設けてこのサブタンクへのインク供給をポンプにより行う。そして、貯留部から記録ヘッドにインクを供給しつつ、貯留部に設けたファンによって記録ヘッド内の負圧を制御している。このように、インクの供給と負圧の制御とを別々に行う構成が提案されている。
特開2002−1988号公報 特開平06−198904号公報 特開2003−11380号公報 特開2006−326855号公報
しかし、記録ヘッド内には気泡が発生することがある。これは、インク中の溶存ガスが析出することに起因する。溶存ガスとはインク中に溶け込んでいる空気を指し、一般に温度が低い程多く溶け込む。このような溶存ガスは、記録動作中にインクが記録ヘッドのノズルへ移動するのに伴い温度が上昇し、その温度上昇に伴って析出する。
特許文献4のように記録ヘッドとインクタンクの間にサブタンクを設けた構成では、記録ヘッド近傍で発生(析出)した気泡がサブタンクに到達することが考慮されていないため、記録ヘッドに残ってしまうおそれがある。その場合、気泡が記録ヘッドのノズルに入りインクを良好な状態で吐出することができなくなり記録品位を低下させるおそれがある。
よって本発明は、記録ヘッドに混入した気泡によって記録品位を低下することのないインクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
そのため本発明のインクジェット記録装置は、インクを吐出可能な吐出部前記吐出部の上方に設けられ、前記インクを貯留する貯留部と、前記貯留部の上部空間の空気を放出するための空気流路と、前記空間と前記空気流路の間にあるバルブと、前記空気流路内を減圧する負圧発生手段と、前記バルブが閉じられた状態の前記空気流路内の圧力が所定の圧力以下となることに応答してバルブを開放させるための圧力センサとを有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出可能な吐出部と、前記吐出部の上方に設けられ、前記インクを貯留する貯留部と、前記貯留部の上部空間の空気を放出するための空気流路と、前記空間と前記空気流路の間にあるバルブと、前記空気流路内を減圧する負圧発生手段と、前記バルブが閉じられた状態の前記空気流路内の圧力が所定の圧力以下となることに応答してバルブを開放させるための圧力センサとを有することを特徴とする。
本発明によればインクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出部と貯留部とを一体に形成し、貯留部は吐出部の上方に設け、吐出部で発生する気泡は、浮力によって貯留部を経由して貯留部上部の空間に到達するように構成する。これによって、記録ヘッドに混入した気泡によって記録品位を低下することのないインクジェット記録装置、インクジェット記録方法を実現することができた。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態を適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)を模式的に示した正面図である。記録装置10はホストPC12と接続されており、ホストPC12から送信される記録情報に基づいて、4つの記録ヘッド(以下、ヘッドユニットともいう)22K、22C、22M、22Yから記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行う。4つのヘッドユニット22K、22C、22M、22Yは、記録媒体(以下、ロール紙ともいう)Pの搬送方向(矢印A方向)に沿って配置されている。各ヘッドユニットは搬送方向に黒インク用ヘッドユニット22K、シアンインク用ヘッドユニット22C、マゼンタインク用ヘッドユニット22M、イエローインク用ヘッドユニット22Yの順で配置されている。ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yは所謂ラインヘッドであり、記録媒体搬送方向に対して記録幅全域に亘ってそれぞれを平行に並べた状態で設けられている。記録装置が記録を行う際は、各ヘッドユニットを移動させることなく、ヘッドユニットに設けられたヒータを駆動することによってノズルからインクを吐出して記録を行う。
ヘッドユニットは記録に伴って、ノズルを有する面(以下、インク吐出口面ともいう)22Ks、22Cs、22Ms、22Ysにゴミやインク滴等の異物が付着することで吐出状態が変わり、記録に影響を与えることがある。そのため、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yから安定してインクを吐出できるように、記録装置10には回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40によるインク吐出口面のクリーニングを定期的に行うことによって、ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのノズルからのインク吐出状態を初期の良好なインク吐出状態に回復することができる。回復ユニット40には、クリーニング動作のときに4つのヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのインク吐出口面22Ks、22Cs、22Ms、22Ysからインクを除去するキャップ50が備えられている。キャップ50は各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yに独立して設けられており、ブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ等から構成されている。
記録媒体Pはロール紙供給ユニット24から供給され、記録装置10に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロール紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。
記録を行う際には、搬送中のロール紙Pがブラックのヘッドユニット22Kの下に到達すると、ホストPC12から送られた記録情報に基づいて、ヘッドユニット22Kからブラックインクが吐出される。同様にヘッドユニット22C、ヘッドユニット22M、ヘッドユニット22Yの順に、各色のインクが吐出されてロール紙Pへのカラー記録が完成する。
更に記録装置10には各ヘッドユニットに供給されるインクを貯めておくメインタンク28K、28C、28M、28Yや、後述するクリーニング動作をするためのポンプ(図3等参照)などが備えられている。
図2は、図1の記録装置10の制御系を示すブロック図である。
ホストPC(ホスト装置)12から送信された記録情報やコマンドは、インターフェイスコントローラ102を介してCPU100で受信される。CPU100は、記録装置10の記録情報の受信、記録動作、ロール紙Pのハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU100では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。記録前に行う動作処理では、出力ポート114およびモータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yをキャップ50から離して記録位置に移動させる。またCPU100は、出力ポート114およびモータ駆動部116を介してロール紙Pを繰り出すロールモータ126およびロール紙Pを搬送する搬送モータ120等を駆動してロール紙Pを記録位置に搬送する制御を行う。
記録を行う際は、一定速度で搬送されるロール紙Pにインクを吐出するタイミング(記録タイミング)を決定するため、先端検知センサ109でロール紙Pの先端位置を検出する。その後、ロール紙Pの搬送に同期してCPU100はイメージメモリ106から記録情報を順次読み出し、この読み出した記録情報を各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yに、ヘッドユニット制御回路112経由して転送する。
CPU100の動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラムおよびテーブルなどが記憶されている。また、CPU100は作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。さらにCPU100は、各ヘッドユニット22K、22C、22M、22Yのクリーニングや回復動作時に、出力ポート114、モータ駆動部116を介してクリーニングポンプモータ124を駆動してインクの加圧および吸引等の制御を行う。また、ファンモータ125の駆動制御もCPU100が行っている。
図3は、本実施形態の記録装置におけるブラックインク用のインクタンク28Kからヘッドユニット22Kまでのインクの通る経路を模式的に示した図である。各色のヘッドユニットは同じ構造であるため、ここでは例としてブラックインク用ヘッドユニット22Kについてのみ説明を行う。
記録装置10には、ヘッドユニット22Kにインクを供給するインク供給装置60が組み込まれており、ヘッドユニット22Kは、貯留部22Krとインクを吐出可能な吐出部22KSiとを備えている。インク供給装置60は、記録装置10の本体に着脱自在なインクタンク28Kと、このインクタンク28Kとヘッドユニット22Kとをつなぐインク供給路62の途中に配置されたインク供給ポンプ72などから構成されている。供給ポンプ72は、インクフィルタ90を介して貯留部22Krへのインク供給を担う。
貯留部22Krには、貯留されているインクの液面22Krsのレベルを検知する液面検知センサ86Kが取り付けられている。また、貯留部22Kr下方では、ヘッドユニット22Kのノズル22Knと、ノズル22Knへのインク供給口が形成された吐出部22KSiとが接続されている。
貯留部22Kr上部には、空気で満たされた空間(以下、空気室という)66Kにエアフィルタ95Kを介して、圧力制御機構であるファン68が接続されており、エアフィルタ95Kとファン68の間には大気開放バルブ84と圧力センサ81が設けられている。圧力センサ81は空気室66の空間内の圧力を検出することが可能である。なお本実施形態では空気室66よりファン68に至る流路は1本で例示しているが、適時複数本、もしくは途中で分岐するような構成をとってもよい。また圧力センサにおいてはファン68の作動安定性によっては設けなくともよい。
インクタンク28Kには、このインクタンク内のインクの有無を検出する検出センサ(不図示)が取り付けられている。また、インクタンク28Kには、インクタンク28Kの内部圧力を大気圧にするための大気開放バルブ74Kが取り付けられている。
貯留部22Krの液面検知センサ86Kの測定結果でインク液面22Krsが一定レベル以下と判断した時は、インクタンク28Kの大気開放バルブ74が開放され、供給ポンプ72を稼動してインクタンク28Kからインクを吸引する。そして、吸引したインクを貯留部22Kr内に供給する。一方、液面検知センサ86Kが一定レベル以上のインク液面22Krsを検知したときは、供給ポンプ72が停止し、インクタンク28Kの大気解放バルブ74が密閉されてインクの供給は停止される。
ところで、供給ポンプ72にはチューブポンプが用いられており、供給ポンプ72が非稼動時にはインク供給路62は遮断される(インクタンク28Kと貯留部22Krとの間の流路が遮断される。
ヘッドユニット22Kにおけるノズル22Knのクリーニングを行う場合は、キャップ50内を減圧させる方向にクリーニングポンプ92を駆動させ、貯留部22Kr内のインクをノズル22Knからキャップ50に引き込んで排出させる。このインクの排出によって、記録動作中等にノズル22Knの周囲部に溜まったゴミ等の異物を除去することができる。
図4は、ヘッドユニット22Kの吐出口面22Ksをクリーニングする際の手順を示したフローチャートである。また、図5は、吐出面22Ksからワイパ52によってインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は拭き取り終了直後を示し、(c)は拭き取り終了後の待機状態を示す図である。ここでいうクリーニングとは、ヘッドユニット22Kのインク吐出を良好な状態に継続的に維持するために行われる動作をいい、経過時間や吐出状況等の条件を満たした場合、または記録品位に異常が見られる場合等に自動的もしくは任意で実施される動作である。以下、図4を参照してクリーニングの動作について順に説明する。
ステップS401でクリーニング指令を受信すると、ステップS402で大気開放バルブ84を解放する。その後、ステップS403でクリーニングポンプ92がキャップ50内を減圧させる方向に駆動し、貯留部22Kr内のインクをノズル22Knからキャップ50に引き込んで排出させる。このインクの排出によって、記録動作中等にノズル22Knの周囲部に溜まった微細な気泡や、ヘッドユニット22Kの吐出口面22Ks上に付着したゴミ等の異物を除去することができる。そして一定時間経過後、ステップ404でクリーニングポンプ92の駆動を停止し、ステップ405で大気開放バルブ84を閉じる。
なお、この状態ではヘッドユニット22Kの各ノズル22Knの開口を含む吐出口面22Ksに、まだインクが付着していることがある。そこで、このような汚れを除去するために、後述するように、キャップ50と共に設けられたワイパ52で吐出口面22Ksを拭く。その際、先ずステップS406で図5(a)に示すように、ヘッドユニット22Kが回復キャップ50の上方へと移動する。その後、ステップS407でキャップ50が矢印B方向に移動することにより、図5(b)に示すように、吐出口面22Ksに付着しているインクなどの汚れがワイパ52で拭き取られる。この動作をワイピング動作と呼び、ワイピング動作終了後は、ステップS408で図5(c)に示すように、ヘッドユニット22Kは再びキャッピングされて待機状態になる。この待機状態にあるヘッドユニット22Kは吐出口面22Ksがキャップ当接部54でキャッピングされている(塞がれている)ので、キャップ50内での空気の対流がほとんど無く、ノズル22Knにあるインクが増粘するのを防止することができる。ヘッドユニット22Kが待機状態になってクリーニング動作は終了となる。
なお、ノズル22Knから排出されたインク(廃インク)はキャップ50に受容されて吸引ポンプ92(図3参照)によって吸引される。吸引された廃インクは、廃インクタンク71(図3参照)に圧送される。廃インクタンク71には微小な大気開放口75が設けられており、廃インク(および気泡)の流入に伴い変化する廃インクタンク71内の圧力を大気へと開放する役割を担う。
図6は、ヘッドユニット22Kとその周囲を拡大して示した図である。記録時にはノズル22Knにメニスカスを形成するためにヘッドユニット22Kに適正な負圧を付与する必要がある。そのため、記録時には大気開放バルブ84を開放状態にして、ファン68をC方向への空気の流れを作るように作動させることによって、ヘッドユニット22K内の空気室66が減圧される。その結果、貯留部22Krを介してノズル22Kn内も同様に減圧される。
本実施形態では大気と連通した貯留部22Krが、吐出部22Ksの上方に配置されているので、大気開放バルブ84が開くことによりノズル22Kn先端の開口部には液面22Krsからの水頭圧力Hの正圧力がノズル22Kn開口部に作用する。そのため、ファン68による空気室66内への減圧量は水頭圧力H以上に設定される。これによりヘッドユニット22Kのノズル22Knに負圧が付与される。この結果、ノズル22Knの開口部においてインクのメニスカスが形成される。
なお、ファン68を一定の駆動条件(回転数)で作動させた場合、記録時に用いられるインクの消費によって液面22Krsは下方へ下がり、水頭差Hも減少するためノズル22Kn開口部に作用する負圧は相対的に大きくなってゆき、液面検知センサ86による液面位置の下限検知に従ってインクの供給が実施され、上限位置を検知してインク供給が停止されるまでは逆にノズル22Kn開口部に作用する負圧は小さくなる。この一連のサイクルによるノズル22Kn開口部に作用する負圧の変動が問題のない範囲にあるように、ファン68の作動条件、および液面検知センサ86の検知位置を設定するとよい。
ただし、必要に応じてファン68の駆動条件を適時変化させるようにしても何ら問題ない。
ところで、貯留部22Kr内には記録動作および待機時に、インク中の溶存ガスの析出や、インク供給動作により気泡69が混入する場合がある。尚、インク中の溶存ガスとはインクに溶け込んでいる空気を指し、一般に温度が低い程多く溶け込む。こういったガスがインク中に析出する一例としては、記録動作中にインクが吐出部22KSiの方へ移動するのに伴い、吐出部22KSiに設けられたヒータの熱によって、インクの温度が上昇していくケースが挙げられる。また、貯留部22Kr内への供給インクに気泡が含まれる一例としては、供給路62(図3参照)でのガス透過が挙げられる。供給路62内は通常インクで満たされているが、供給路62をチューブ等で構成する場合、時間の経過とともに大気中の空気がチューブを透過し内部に混入する。このようにして混入した空気が気泡となり、インク供給動作にともない貯留部22Kr内へ混入する。こういった気泡は累積するように溜まっていき、やがてインク供給路を塞ぐ等、記録品位に問題を発生させるような現象を引き起こす。そのため従来は、所定の間隔で記録に寄与しないインクを吐出口から排出させると同時に気泡69も排出して気泡の除去を行ったり、累積して溜まった気泡を所定位置(例えばインクタンク)まで押し流すといった手法をとっていた。
本実施形態のヘッドユニット22Kは、特許文献4のように貯留部と吐出部とが分かれていない。つまり、貯留部と吐出部とが一体で形成されたヘッドユニット22Kになっている。このように一体で構成することで、吐出口近傍で発生した気泡69が浮力によって貯留部22Krを介してインク液面22Krsに容易に到達し空気室66で消滅(以下、気液分離という)する。このように空気室66に到達した気泡69は、記録時に大気開放バルブ84が開放されると、ヘッドユニット内の負圧を調整するために駆動されるファン68の動作によって外部へと放出される。すなわち記録動作が実行されている間、貯留部22Krのインクは記録によるインク消費よって減っていくが、本実施形態のヘッドユニット22Kの構成では、減ったインクと同等体積の空気が吸入口61および空気流路64を経由して空気室66内に導かれる。また、液面検知センサ86によって液面22Krsが一定レベル以下になったと検知した場合にはインク供給ポンプ72により、液面検知センサ86がインク液面22Krsの上限レベルを検知するまで貯留部22Kr内へインクを供給する。この際も、貯留部22Krsの上限レベルを検知するまで貯留部22Kr内へインクを供給する。この際も、貯留部22Kr内に流入するインクの体積相当の空気が空気流路64を介して大気へ放出される。従って、気泡69が空気室66に累積して溜まっていくことはない。
ただし、ノズル22Knは、きわめて極細な流路で構成されており、気泡69が貯留部22Krに出てこない場合があり、吐出部22KSi内に留まることがある。このような場合には、上述したようなクリーニング動作によりインクの排出を伴ってノズル22Knより気泡69を排出する。ただし上述したように気泡69の大部分は通常の動作内で取り除かれる。よってここでは貯留部22Krに出てこない少量の気泡69を除去するのみである。そして、そのような少量の気泡69はノズル22Kn近傍に存在するため、クリーニング動作により排出するインクの量が少ない量で気泡69を取り除くことができる。
図7は、記録信号を受信してから記録が終了するまでの動作を表わしたフローチャートである。通常、記録装置を使用していない状態では、ノズルKnからのインクの漏れを防止する目的で大気開放バルブ84は閉じられている。記録を開始する場合には、先ず大気開放バルブ84が閉じられている状態で、ファン68を作動させて空気流路64内を減圧させてから、大気開放バルブ84を開く。以下、記録を行う際の処理に関して順に説明する。
ステップS701で記録装置10が記録信号を受信すると、ステップS702へ進みファン68を作動させる。次にステップS703で、ファン68による減圧が正常に行われているかを確認するために空気流路64内の圧力を圧力センサ81で確認する。ここで、所定の圧力が得られていない場合には、ステップS704へ進み、ファン68の回転数の補正を行う。ステップS703で所定の圧力が得られていればステップS705へと移行して大気開放バルブ84を解放する。大気開放バルブ84の解放によって空気室66が減圧されてノズル22Knにも負圧が作用するようになり、ノズルKnの開口(吐出口)にはメニスカスが最適な状態で形成される。
次に、ステップS706でヘッドユニット22Kをワイピング位置へ移動させて、ステップS707でヘッドユニット22Kの吐出口面22Ksのワイピングを行う。その後、ステップ708で記録を行うためヘッドユニット22Kを下降させてから記録位置へ移動させる。ステップ709で記録媒体Pに対して記録を行い、記録動作終了後、ステップS710でヘッドユニット22Kを上昇させて、待機位置まで移動して再びキャップ50によってキャッピングされる。その後、ステップS711で大気開放バルブ84を閉じて、ステップS712でファン68の作動を停止し、再び待機モードとなってこのフローチャートを終了する。
図8は、図6のVIII−VIII断面を示した図である。
吐出部22KSi内のノズル22Knは、ヒーターボード22Khと供給口形成部材22Ktとの2つのチップを接合することで形成されている。また、供給口形成部材22Ktには貯留部22Krを形成する液室25Kが当接し、供給口形成部材22Ktのインク流路と貯留部22Krとは連通している。また、ヒーターボード22Khとヘッド基板24Kとは、通電ワイヤ26Kによって結線され、ヘッドユニット22Kと外部基板との間で信号のやり取りを行う。また、吐出部22KSi、ヘッド基板24K、液室25K等は図示せぬ手段によりベースプレート23Kに固定されている。
本実施形態のインクジェット記録装置では、供給口形成部材22Ktと液室25Kとの当接面からインク液面22Krsに至る流路では、気泡69が自らの浮力により上方へ移動できるように形成されている。貯留部22Krに混入した気泡69は、上方へ移動するとともにインク液面22Krsに達し消滅(以下、気液分離という)する。また、上述したインク供給動作により貯留部22Krのインク量は一定範囲内に維持されており、ファン68によってヘッドユニット内の負圧調整が行われているため、気液分離した気泡69が貯留部22Kr上方の空気室66に累積して溜まっていくことはない。なお、気泡69が壁面等に付着する場合があるが、こうした気泡69は微細であり、流路を塞ぐ等の弊害になることはない。また大きくなる場合にはいずれ壁面から離れて気液分離される。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置では、気泡69の除去は記録動作、インク供給動作、待機時等、通常の動作サイクルの中で自動的に行われるため特別に気泡除去のためのシーケンスを実施する必要がない。
なお、上述の説明における貯留部22Krは、気泡69がノズル22Knから液面22Krsに達するまでに遮るものがない構成を示しているが、これに限定するものではなく以下で説明するような構成でもよい。
図9および図10は、本実施形態の変形例であるヘッドユニット22Kx、22Kyをそれぞれ示した図である。図9のヘッドユニット22Kxでは貯留部22Krに、吐出部22KSiとインク液面22Krsとの間に流路が設けられた仕切りが備えられている。この流路は、発生する気泡69の径より大きな間隔Dを備えているため、気泡が浮力によって上昇するのを妨げずない。そのため気泡69は流路を通過可能であり、流路を通過した気泡69はインク液面22Krsに達して気液分離する。
また、図10のヘッドユニット22Kyも同様に貯留部22Krに、吐出部22KSiとインク液面22Krsとの間に流路が設けられた仕切りが備えられている。そして、この仕切りには一部気泡が滞留する滞留部22Krtが設けられる。ただし滞留部22Krtは、気泡69がインク流路を塞ぐほど累積する前に、滞留した気泡70が一部分離するように構成されており、さらにこの仕切りは、分離した気泡69の径よりも大きな間隔Dの絞り部22Krdを備えている。その結果、分離した気泡69はインク液面22Krsまで上昇して気液分離する。
なお、上記変形例では、ヘッドユニットと仕切りとは一体で構成された例を示しているが、これに限定するものではなく、別体で構成されていてもよい。
このように、ヘッドユニットの吐出部と貯留部とを一体で構成し、吐出部や貯留部で発生した気泡が貯留部内のインクの液面まで、容易に到達可能な構成にする。これにより気液分離が可能であり、ファンによって負圧制御と同時に気泡の排出を行う構成によって、ヘッドユニット内に累積で溜まることがない。そのため、気泡の除去のためのクリーニング実施頻度が低減し、同時に記録に寄与しないインクの吐出量を抑制することができた。またクリーニング実施頻度の低減のより記録速度をアップすることができた。
よって本実施形態のインクジェット記録装置を用いることで、インクの吐出部に供給するインクの負圧制御を単純化し、それに伴う装置構成の簡略化によるコストダウンを実現可能なインク供給装置、インクジェット記録装置を実現することができた。
本実施形態を適用可能なインクジェット記録装置を模式的に示した正面図である。 図1の記録装置の制御系を示すブロック図である。 本実施形態の記録装置におけるブラックインク用のインクタンクからヘッドユニットまでのインクの通る経路を模式的に示した図である。 ヘッドユニットの吐出口面をクリーニングする際の手順を示したフローチャートである。 吐出面からワイパによってインクを拭き取る手順を示す模式図であり、(a)は拭き取り開始前を示し、(b)は拭き取り終了直後を示し、(c)は拭き取り終了後の待機状態を示す図である。 ヘッドユニットとその周囲を拡大して示した図である。 記録信号を受信してから記録が終了するまでの動作を表わしたフローチャートである。 図6のVIII−VIII断面を示した図である。 本実施形態の変形例であるヘッドユニットを示した図である。 本実施形態の変形例であるヘッドユニットを示した図である。
符号の説明
22K ヘッドユニット
22Kn ノズル
22Kr 貯留部
28K インクタンク
50 キャップ
64 空気流路
66 空気室
68 ファン
69 気泡
84 大気開放バルブ
90 インクフィルタ
95K エアフィルタ

Claims (2)

  1. インクを吐出可能な吐出部
    前記吐出部の上方に設けられ、前記インクを貯留する貯留部と、
    前記貯留部の上部空間の空気を放出するための空気流路と、
    前記空間と前記空気流路の間にあるバルブと、
    前記空気流路内を減圧する負圧発生手段と、
    前記バルブが閉じられた状態の前記空気流路内の圧力が所定の圧力以下となることに応答してバルブを開放させるための圧力センサとを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクを吐出可能な吐出部と、
    前記吐出部の上方に設けられ、前記インクを貯留する貯留部と、
    前記貯留部の上部空間の空気を放出するための空気流路と、
    前記空間と前記空気流路の間にあるバルブと、
    前記空気流路内を減圧する負圧発生手段と、
    前記バルブが閉じられた状態の前記空気流路内の圧力が所定の圧力以下となることに応答してバルブを開放させるための圧力センサとを有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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