JP4581223B2 - 集束イオンビーム装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
集束イオンビーム装置の光学系を自動調整する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
集束イオンビーム(以下FIB)で試料加工を行うとき、形状とサイズに合わせてビーム制限絞りを変えて適切な照射電流に変更する。ビーム制限絞りを変更するたびに、操作者はFIB用レンズ又は補正用偏向器又は非点補正器の設定を微小に変更する手段により軸ずれ補正又は焦点補正をしていた。さらに、イオン銃のイオンエミッタの状態により、操作者はFIBの引出し条件(引出し電圧等)を頻繁に変更するために、軸ずれと焦点位置ずれが発生する。このようにFIB装置では、軸ずれ補正又は焦点補正は操作者によって頻繁に行われていた。
【0003】
荷電粒子線装置の軸ずれ自動補正又は焦点自動補正に関する公知3例を以下に示す。
【0004】
公知例1は特開平6-176721号の走査電子顕微鏡の軸ずれ自動補正装置である。電子線が対物レンズの中心を通過するように調整するために、対物レンズの励磁電流を変化させる前後の画像を取得し、得られた画像を2値化した後ミスアライメントに起因する像の移動方向と移動量を算出し、その移動量がゼロになる様にアライメント装置を制御する。
【0005】
公知例2は特開平7-176285の走査電子顕微鏡の焦点自動補正装置である。荷電粒子線の収束状態を変化させ、各収束状態で取得される画像の高周波成分を抽出し、その絶対量の1画面分の積分値を記録する。各収束状態における積算値を比較し、積算値が最大となる時の収束状態を合焦点状態と判定する。
【0006】
公知例3は透過電子顕微鏡の自動焦点補正装置である特開平11-138242である。
試料が合焦点面に位置すると電子線入射角度の変化前後での画像は移動しないが、試料が合焦点面から外れていれば電子線入射角の変化前後で画像が移動する。
この視差による位置ずれ量をフーリエ変換像の位相差像に基づく方法で解析し、焦点ずれ量に変換して焦点を補正する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
FIB装置での軸ずれ補正又は焦点補正は、操作者に負担となるばかりではなく、観察・加工の効率を低下させていた。さらに、FIB照射量が増大すると試料表面の破壊が進んでしまうために、軸ずれ補正又は焦点補正確認のための走査イオン顕微鏡(以下SIM)像取得時間を短くしなければならない。しかし、SIM像取得時間の短縮は、操作者の技術のみに依存していた。
【0008】
公知例1で用いられている軸ずれ解析法は解析結果の信頼性を数値的に示す機能が無い点が課題1である。軸ずれ解析法では、移動量の解析結果は、画像劣化によって解析不能となった場合でも、間違った解析結果をそのまま出力していた。
例えばずれ角が大き過ぎたため、焦点位置変化によって試料が視野から外れて位置ずれ解析不能となる場合もある。また焦点位置変化量が大き過ぎたために像ボケが起こり、位置ずれ解析不能となる場合もある。自動補正装置では解析が全て正しく実行される保証はないため、解析結果の信頼性を評価する手段と、信頼性が乏しい場合は補正を中止する機能を必要とする。
【0009】
公知例2の焦点自動補正装置での解析精度の試料依存性が課題2である。試料自体にシャープな構造があれば合焦点と焦点外れの間で画像の高周波成分の積算値に明瞭な差が見られるが、試料自体にシャープな構造が無いと合焦点と焦点外れの間で高周波成分の積算値の差はほとんど無くなってしまう。
【0010】
また対物レンズ状態を変化させ、画像のシャープネスが最大となる対物レンズ状態を検索する、いわゆる漸近法では多数のデータを必要とする。データ取込時間は荷電粒子源の輝度や検出器の感度など、物理的な要因で制限される。そのため1データ当りの取込時間を短縮させ過ぎるとデータのS/Nが劣化し、解析が困難となる。またデータ取込み数の削減は解析精度の劣化を招く。
【0011】
また公知例1同様、解析結果の信頼性を評価する指標が無いため、解析に用いた視野内にシャープな構造が存在しなかったため焦点を解析できない場合でも、間違った解析結果をそのまま出力していた。
【0012】
公知例3の透過電子顕微鏡用焦点補正装置での電子線入射角度のみを変化させる補正用偏向器の必要性が課題3である。補正用偏向器の設定を変更したときに試料に入射する電子線の角度のみが変化するのは、補正用偏向器の偏向支点と対物レンズの合焦点面が一致した時のみである。偏向支点が合焦点面とほぼ一致している補正用偏向器の無い装置では、焦点ずれ量解析が出来なかった。
【0013】
このため本発明の目的は、
1.軸ずれ補正において解析結果の信頼性を数値的に示す機能
2.焦点補正において試料依存性の少ない解析結果の信頼性を評価する指標
3.偏向支点と対物レンズの合焦点面が合致しないFIB装置での焦点解析法
を用いて軸ずれ自動補正又は焦点自動補正を実現し、高速で高精度な観察・加工ができるFIB装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
FIB装置の光学系微調整を自動化して高速・高精度な観察・加工を実現する手段を以下に挙げる。加工の形状とサイズに合わせてビーム制限絞りを変えて適切な照射電流に変更するたびに、FIB用レンズ又は補正用偏向器又は非点補正器の設定変更により軸ずれ又は焦点位置ずれを自動補正する。また、イオン銃からのFIBの引出し条件を変えるたび発生する軸ずれも自動で補正する。FIB装置での軸ずれあるいは焦点の自動補正機能は公知例1から3とは異なる固有の機構により実現される。
【0015】
課題1を解決するための手段は、対物レンズ又はビーム制限絞りの設定変更前後の画像位置ずれ解析にフーリエ変換の位相差を利用した軸ずれ解析法である。各画像のフーリエ変換像の位相差画像を逆フーリエ変換した解析画像には、位置ずれ量に対応した位置にδ的なピークのみが存在すると仮定できる。従ってδ的なピークの重心位置計算によってδ的なピークの位置つまり画像間の位置ずれ量を1画素以下の精度で求められる。また解析画像の強度を規格化した後計算されたδ的なピークの強度を画像間の一致度と見なすことが出来る。この一致度を解析結果の信頼性と見なすことが出来るので、一致度を利用した解析結果の合否判定機能を設ける。
【0016】
課題2を解決するための手段は、試料依存性が少ない視差に基づく焦点解析法(公知例3)の採用である。前もって手動で合焦点を調整した後、視差に基づく焦点解析法に必要なパラメータを測定して、焦点位置がずれた場合に上記パラメータを元に焦点補正を行う。
【0017】
課題3を解決するための手段は、偏向支点が対物レンズの合焦点面と一致しない補正用偏向器を持つ装置でも、視差に基づく焦点解析法が成り立つことを利用する。操作者が設定した、もしくは画像の公知例2のシャープネスを評価基準とした解析法によって特定された第1の焦点ずれ量F1において、補正用偏向器又はビーム制限絞りの設定変更前後の画像を取得し、該画像間の第1の位置ずれ量D1を解析する。ここで制御値は電圧値もしくはそれらを制御するデジタル信号である。入射荷電粒子線の振り角δα、倍率M、球面収差係数Csとすると、位置ずれD1と焦点ずれF1はD1=M・δα(S+F1+Cs・δα2)で関係付けられる。Sは偏向支点が対物レンズの合焦点面と一致しないために発生した画像移動の項である。その後焦点ずれ量がF1+δFの位置で補正用偏向器制御値変化前後の画像を取得した場合、該画像間の位置ずれ量DはD1+δD=M・δα(S+F1+δF+Cs・δα2)となるので、第1の位置ずれ量D1との差δDから第1の焦点ずれ量F1との差δFを求めることが出来る。
【0018】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉
図1は、本発明の実施形態の一例であるFIB装置の基本構成を示す。
【0019】
本発明のFIB装置は、半導体ウエハや半導体チップ等の基板を載置する可動の試料台2と、基板の分析しようとする位置を特定するため試料台2の位置を制御する試料位置制御装置9と、集束イオンビームカラム1内にイオン銃11と、コンデンサレンズ18と、ビーム制限絞り13と、ビーム制限絞り制御装置13と、補正用偏向器5と、非点補正器14と、走査用偏向器4と、対物レンズ19を持ち、走査用偏向器4と2次粒子検出器8に接続した画像解析装置12を持つ。試料へのFIB照射電流は、ビーム制限絞り13により制御する。集束イオンビームカラム1で走査用偏向器4が、FIBを走査して、画像解析装置12は、走査用偏向器4と同期して2次粒子検出器8から送り出される画像信号を受信する。集束イオンビームカラム1、試料位置制御装置9、画像解析装置12などは、中央処理装置6により制御される。
【0020】
まず、最初のSIM像を得るまでの工程を説明する。試料に適切な電流量のFIBを照射できる様にFIB装置の初期設定をする。光軸と平行な方向をZ方向、光軸と直交する面をXY平面とする。試料24を挿入し、試料台2のZ位置の粗調整を行う。または低倍で試料24の画像を確認し、焦点位置の粗調整を行っても良い。この粗調整は対物レンズ19の制御値調整で行っても良い。試料台2のXY移動を用いて光学系調整用の視野を選択する。次にFIBの対物レンズ19の光軸からのずれ角を補正する。コンデンサレンズ18の焦点位置を変化させた時の像移動を目視にて認識し、像移動が最小になる様に補正用偏向器5の制御値を調整する。次にFIBの非点調整を行う。非点補正器14の制御値を変化させたときの像変形を目視にて認識し、像変形が最小になる様に非点補正器の制御値を調整する。軸ずれ補正、焦点補正、非点補正を終了後に、試料台2を用いて撮影用視野に移動し、対物レンズ19の焦点位置を微調整した後、画像の取込みを行う。
【0021】
以下に述べる本発明は、FIBの軸ずれ補正および対物レンズ焦点位置の微調整の自動化に関する。
【0022】
対物レンズ19の軸ずれ自動補正装置の基本構成を図2に示す。視野や倍率等を設定した後、対物レンズ19を第1の状態に設定して第1の画像を撮影する。対物レンズ19の制御値変化によって対物レンズ19を第2の状態に変化さて第2の画像を撮影する。中央処理装置6ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法を用いて第1と第2の画像間の位置ずれ量Dと一致度を計算し、該一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、該位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼ0にするために必要な補正用偏向器5の制御値(IAL_x, IAL_y)の計算を行う。倍率Mにおいて、対物レンズ19の光軸からα=(αx、 αy)ずれて入射するFIB32は、対物レンズの焦点位置Z座標をδF変化させると、FIB33の様に試料に入射する。FIB32とFIB33間の試料入射位置のXY座標ずれ量は(Dx, Dy)=M・δF・(αx、 αy)になる。このため第1の対物レンズ状態で撮影した第1の画像と、第2の対物レンズ状態で撮影した第2の画像は(Dx, Dy)の位置ずれを持つ。この関係を利用してずれ角(αx、 αy)を求める。該ずれ角(αx、 αy)をほぼ0にするために必要な補正用偏向器5の制御値(IAL_x, IAL_y)を計算すると、軸ずれを補正することができる。しかし、FIB装置では対物レンズ19の制御値変化による焦点位置変化量や、補正用偏向器5の制御値変化によるずれ角変化量の物理的な絶対量を測定することは難しい。また軸ずれをほぼ0にするという目的において、焦点位置変化量やずれ角の絶対量を知る必要は無いので、位置ずれ量Dを直接補正用偏向器5の制御値変化量に変換し、該計算結果を基に補正用偏向器5の制御値を設定し、軸ずれを補正する。
【0023】
ここでフーリエ変換の位相成分を利用した位置ずれ解析法の説明図を図3に示す。位置ずれD=(Dx, Dy)のある画像ペアS1(n, m)=S2(n+Dx, m+Dy)を仮定し、S1(n, m), S2(n, m)の2次元離散的フーリエ変換をS1(k, l), S2(k, l)とする。フーリエ変換にはF{S(n+Dx, m+Dy)}=F{S(n, m)}exp(iDx・k+iDy・l)の公式があるので、S1(k, l)=S2(k, l)exp(iDx・k+iDy・l)と変形できる。つまりS1(k, l)とS2(k, l)の位置ずれは位相差exp(iDx・k+iDy・l)=P(k, l)で表現される。P(k, l)は周期が(Dx, Dy)の波でもあるので、位相差画像P(k, l)を逆フーリエ変換した画像P(n, m)には(Dx, Dy)の位置にδ的なピークが発生する。なお振幅の情報を全て除去するのではなく、S1(k, l)・S2(k, l)*=|S1||S2| exp(iDx・k+iDy・l)の振幅成分にlog若しくは√の処理を施して振幅成分を抑制した画像を計算し、該画像に逆フーリエ変換を施しても位置ずれベクトルの位置(Dx, Dy)にδ的なピークが発生するので、該画像で位置ずれ解析を行っても良い。位相差画像P(k, l)をフーリエ変換しても(Dx, Dyにδ的なピークが発生するので、位相差画像P(k, l)のフーリエ変換像で位置ずれ解析を実行しても良い。
【0024】
画像P(n, m)にはδ的なピークのみが存在すると仮定できるので、重心位置計算によってδ的なピークの位置を小数点以下の精度で正しく求められる。またδ的なピーク以外は雑音と見なすことが出来るので、画像P(n, m)全体の強度に対するδ的なピークの強度の割合を画像間の一致度と見なす事が出来る。従来の位置ずれ解析法では位置ずれ解析結果の信頼性を評価することは困難であり、視野外れや像ボケのために間違った位置ずれ量を出力しても、その位置ずれ量に基づいて補正用偏向器5を変化させてしまう。本位置ずれ解析法では一致度が出力されるので、一致度の下限値を設定し、一致度が下限値以下であれば軸ずれ補正は行わないように設定されている。これによって視野外れや像ボケによる誤動作を防止できる。
【0025】
位置ずれ量Dを補正用偏向器5の制御値変化量δIALに変換するために、予め補正用偏向器5の制御値変化量δIALと位置ずれ量Dの関係を計測しておく必要がある。倍率Mm1において対物レンズ19の制御値をδIOBJ_m1変化させた時、IAL=(IAL_x,IAL_y)における位置ずれ量D0=(Dx_0,Dy_0)を解析し、IAL+δIAL=(IAL_x,+δIAL_x,IAL_y+δIAL_y)における位置ずれ量と位置ずれ量D0との差δDm1=(δDm1_x, δDm1_y)を求める。
【0026】
また入射FIBのずれ角αは補正用偏向器5の制御値IALとほぼ比例関係にあるが、図2に示す様に補正用偏向器5は対物レンズ19の上部に設けられているため、対物レンズ19の電界によっても試料に入射するFIBの位置は変化してしまう。試料の高さ変化が大きい場合にも対応するために、試料に入射するFIBの位置Dは対物レンズ19の制御値IOBJ値をパラメータとした補正項を導入した式、δDm1_ θ∝(A+B・IOBJ)δIALで求められる。ここでA、BおよびCは装置固有の係数である。また焦点位置変化量は対物レンズ19の制御値変化量に比例するのでδF∝δIOBJとなる。δDm1_ θ=M m1・δIOBJ_m1・(a+b・IOBJ)δIAL とし、各IOBJにて位置ずれ量δDm1_ θを計測し、係数aおよびbを特定する。位置ずれ量から補正用偏向器5の制御値変化量を計算する際は、δDm1_ θ‘= δDm1_ θ/(a+b・IOBJ)を用いる。
【0027】
以上、補正用偏向器5の制御値変化量δIALと位置ずれ量δDの関係を特定し、中央処理装置6に記録した後、軸ずれ補正を実行する。倍率Mにおいて、対物レンズ19の制御値をδIOBJ変化させた時の位置ずれ量がD=(Dx,Dy)の場合、位置ずれ量Dに対物レンズ制御値補正をしてDθ‘に変換する。軸ずれを相殺するために必要な補正用偏向器の制御値変化量は-(Mm1・δIOBJ_m1 /M・δIOBJ)・(Dθ _x‘・δIAL_x/δDm1_x_ θ‘, Dθ _y‘・δIAL_y/δDm1_y_ θ‘)と計算される。
【0028】
ここで軸ずれ補正における入力パラメータであるδIOBJの大きさについて考察する。δIOBJつまりδFが大きいほどずれ角αに対応する位置ずれ量Dが大きくなり、ずれ角解析精度向上する。しかし焦点位置変化量δFを大きくし過ぎると、位置ずれ量Dも大きくなるため視野外れが発生する。特に高倍率では視野範囲が狭くなるので視野外れが頻繁に発生する。視野外れが起らない様、δFの上限値は倍率Mに反比例させる必要がある。また焦点位置変化量δFが大きいと像ボケが大きくなり、視野が外れてなくとも位置ずれ解析不能となる場合もある。像ボケで決められる焦点位置変化量δFの上限値は対物レンズ19の焦点深度や試料24の構造に依存するので、実際に焦点位置を変化させて焦点位置変化量δFの上限を判断した方が良い。そこで以下の判断フローを設けておく。まず倍率等で決められる焦点位置量δFで位置ずれ解析を行い、位置ずれ解析不能つまり画像間の一致度が下限値以下となった場合は焦点位置変化量を減らし、再度位置ずれ解析を行う。焦点位置変化量がほぼ0となっても位置ずれ解析不能つまり一致度が下限値以下となった場合は、視野に全く特徴が無い等、視野自体に問題があると考えられる。この場合は倍率を下げるか視野を変更した後、再度解析する必要がある。
【0029】
図4のフローに従い軸ずれ補正を実行する。補正パラメータを入力した後、軸ずれ補正実行の指示を与えると、対物レンズ19が第1の状態における第1の画像取込みが開始される。対物レンズ19の制御値を変化させ、第2の状態に設定した後、第2の画像を取込み、画像間の位置ずれを解析する。位置ずれ解析で得られた画像間の一致度を参照し、一致度が下限値以上であれば位置ずれ量を補正用偏向器5の制御値変化量に換算し、軸ずれを補正する。所定回数軸ずれ補正を実行した後、軸ずれ補正を終了する。一致度不足の場合はまず制御値変化量を縮小して画像ペアの取込みを再開する。制御値変化量を縮小しても一致度が不足している場合は、倍率や視野を変更して画像ペアの取込みを再開する。いずれの対策を行っても一致度不足の場合は処理を中断する。
【0030】
なお、補正用偏向器5の偏向支点と対物レンズ19の合焦点面が一致していなくとも、ずれ角が0に近づくと焦点位置変化による像の位置ずれ量が0に近づくと言う現象も変わらない。またずれ角を0にする補正の他に、操作者があるずれ角を設定し、該ずれ角における対物レンズ19の制御値変化による位置ずれ量を記録しておき、記録された位置ずれ量になるように補正用偏向器5を調整すれば、指定した前期ずれ角に補正出来る。
【0031】
軸ずれの原因として、ビーム電流変更時のビーム制限絞り13の位置ずれがある。
ビーム制限絞り13の穴位置が光軸から外れると、対物レンズ19に入射するFIBはずれ角を持つ事になる。このビーム制限絞り13の穴位置を制御する自動補正装置の補正フローを図5に示す。視野や倍率等を設定した後、中央処理装置6の画面にて対物レンズ19の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、補正実行ボタンをクリックするとFIB装置は補正を開始する。対物レンズ19が第1の状態で第1の画像を撮影した後、対物レンズ19の制御値δIOBJ変化させて第2の状態に設定し、第2の画像を撮影する。撮影された第1と第2の画像は、フーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で一致度と位置ずれを解析する。該一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、該位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼ0にするために必要なビーム制限絞り13のビーム制限絞り制御装置13の制御値(IAP_x, IAP_y)の計算を行う。この計算も、予めビーム制限絞り13のビーム制限絞り制御装置13の制御値変化量δIAPと位置ずれ量Dの関係を計測し、見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。なおビーム制限絞り制御装置13による軸ずれ補正はモーターやギアなどを用いた機械的な方法で行うため、可動範囲は広いが設定精度は不充分である。一方補正用偏向器5の制御値調整による軸ずれ補正は電気的な方法で行うため、可動範囲は狭いが設定精度は高い。そこでビーム制限絞り13の位置調整機構と補正用偏向器5を兼備えた装置においては、ビーム制限絞り13の位置調整による軸ずれ粗調整の後、補正用偏向器5調整による軸ずれ微調整を行う。
【0032】
非点補正器14の自動補正フローを図6に示す。視野や倍率等を設定した後、中央処理装置6の画面にて非点補正器の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、補正実行ボタンをクリックすると補正が開始する。視野と倍率と偏向量等を設定した後、非点補正器14の制御値を第1の制御値に設定したときに、対物レンズの焦点位置を第1の位置にして第1の画像を撮影する。次に対物レンズの焦点位置を第2の位置にして第2の画像を撮影する。画像解析装置12ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第1と第2の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度が下限値以上であれば位置ずれ解析結果とその際の装置パラメータを記録する。次に非点補正器14の制御値を第1の制御値に設定したときに、対物レンズの焦点位置を第3の位置にした時に、第3の画像を撮影する。対物レンズの焦点位置を第4の位置にして、第4の画像を撮影する。画像解析装置12ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第3と第4の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度に基づいて非点補正を実行するかの判断と、位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼ0にするために必要な第1の非点補正器14用の制御値(ISTEIGX_x, ISTIGX_y)の計算を行う。この計算も、予め非点補正器の制御値変化量δISTEIGXと位置ずれ量Dの関係を計測し、見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。
【0033】
次に焦点補正について述べる。焦点補正法としては視差による位置ずれを利用した解析法、画像のシャープネスを評価基準とした解析法、画像のフーリエ変換像と入射電子線強度分布のシミュレーション像の比較に基づく解析法がある。視差に基づく解析法は透過電子顕微鏡などで用いられており、補正用偏向器5の偏向支点と合焦点面がほぼ一致していることを仮定している場合、試料が合焦点面に位置すると電子線入射角度の変化前後での画像間の移動は無いが、試料が合焦点面から外れていれば電子線入射角の変化前後で画像間の移動が発生する。δαは入射電子線の振り角、Mは倍率、Csは球面収差係数をすると、位置ずれ量Dと焦点ずれ量FにはD=M・δα(F+Cs・δα2)の関係があり、視差による位置ずれ量Dが測定できれば焦点ずれ量Fが求められる。
【0034】
しかしFIB装置では補正用偏向器5の偏向支点と対物レンズ19の合焦点面が一致していない。その場合の焦点解析法を、図7を用いて説明する。第1の焦点ずれ量F1において、補正用偏向器5の制御値変化前後の画像を取得し、該画像間の第1の位置ずれ量D1を解析する。ずれ角がほぼ0の入射FIB31、ずれ角がδαの入射FIB32、倍率M、球面収差係数Csとすると、位置ずれ量D1と焦点ずれ量F1にはD1=M・δα(S+F1+Cs・δα2)となる。Sは偏向支点が合焦点面と一致しないために発生した画像移動の項である。次に焦点ずれ量F1+δFにおいて補正用偏向器5の制御値変化前後の画像を取得し、該画像間の位置ずれ量を計算する。ずれ角がほぼ0の入射FIB31、ずれ角がδαの入射FIB33とすると、該位置ずれ量はD1+δD=M・δα(S+F1+δF+Cs・δα2)となるので、第1の位置ずれ量D1との差δDから第1の焦点ずれ量F1との差δFを求めることが出来る。画像解析装置12では位置ずれ量δDから焦点ずれδFを計算し、焦点をF1に設定するために必要な対物制御値変化量δIOBJを求め、それを元に対物レンズ19を補正する。以上、補正用偏向器5の偏向支点が対物レンズ19の合焦点面と一致しなくとも、試料に対する焦点位置ずれを一定に保つことは可能である。
【0035】
シャープネスに基づく解析法は焦点と共に非点解析にも用いられる方法であるが、多少の試料依存性がある。また様々な非点・焦点状態を比較する、いわゆる漸近法であるためシャープネス状態の収集に時間を要すると言う問題点がある。またフーリエ変換像に基づく解析法も焦点と共に非点解析にも用いられる方法である。解析に用いる画像の枚数は少ないが、シミュレーションとのフィッティングに時間を要するという問題点がある。また試料依存性が非常に大きく、一般の撮影視野では動作しない場合が多い。一方視差に基づく解析法は、前述の様に合焦点面の指定が必要であると言う問題点はあるが、全ての視野を同じ焦点状態に設定することは可能である。試料依存性が最も少なく、また2枚の画像で解析できるので高速化可能である。以上を考慮すると、光学系調整用試料を用いた合焦点面の特定および非点補正にはシャープネスもしくはフーリエ変換像に基づく解析法を用い、各撮影視野における焦点微調整には視差を利用した解析法を用いるのが最も効率的である。
【0036】
視差を利用した対物レンズの焦点自動補正装置の基本構成を図8に示す。まず図9に示すフローに従い、合焦点面での位置ずれ量D1を解析・記録する。光学調整用の視野と倍率等を設定し、対物レンズ19の制御値をシャープネスやフーリエ変換に基づく補正法で補正した値、もしくは操作者が指定した値に設定する。中央処理装置6の画面にて補正用偏向器5の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、記録ボタンをクリックすると解析が開始する。補正用偏向器5の制御値が第1の制御値である第1の画像を撮影する。補正用偏向器5の制御値を第2の設定にして、ずれ角がδαのFIB32を試料に照射して、第2の画像を撮影する。画像解析装置12ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第1と第2の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度が下限値以上であれば位置ずれ解析結果とその際の装置パラメータを記録する。
【0037】
焦点自動補正は図10のフローに従って実行する。視野と倍率等を設定し、中央処理装置6の画面にて補正用偏向器5の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、実行ボタンをクリックすると焦点補正が開始する。位置ずれ量D1とそれを記録した時の装置パラメータが読み出される。位置ずれ量D1が記録されていない場合はエラーメッセージが表示される。次に補正用偏向器5の制御値を第3の設定にして、第3の画像を撮影する。補正用偏向器5の制御値を第4の設定して、ずれ角がδαのFIB33を試料に照射して、第4の画像を撮影する。画像解析装置12ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第3と第4の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼD1にするために必要な対物レンズ19の制御値の計算を行う。
【0038】
この計算も、予め対物レンズ19の制御値変化量δIOBJと位置ずれ量Dの関係を計測し、見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。倍率Mm2において補正用偏向器5の制御値をδIAL_m2変化させた時、対物レンズ19制御値IOBJ_0における位置ずれ量D0=(Dx_0,Dy_0)を解析し、対物レンズ19制御値IOBJ_0+δIOBJにおける位置ずれ量との差δDm2=(δDm2_x, δDm2_y)を求める。倍率Mにおいて、対物レンズ19の制御値をδIOBJ変化させた時の位置ずれ量D1との差がδD=(δDx, δDy)の場合、対物レンズ19制御値IOBJを用いて位置ずれ量δDをδDに補正し、視差による位置ずれδDを相殺するために必要な対物レンズ19の制御値変化量を求める。対物レンズ19制御値変化量は±(Mm2・δIAL_m2 /M・δIAL)・δIOBJ・|δD‘| /|δDm2|と記述される。
【0039】
<実施例2>
図11は、本発明の実施形態の一例である微細試料作製を目的としたFIB装置の基本構成図である。
【0040】
本発明のFIB装置は、半導体ウエハや半導体チップ等の基板を載置する可動の試料台2と、基板の分析しようとする位置を特定するため試料台の位置を制御する試料位置制御装置9と、プローブ151を基板の分析位置近傍に移動させ、プローブ151を試料台2と独立に駆動するプローブ制御装置152と、集束イオンビームカラム1内の2次粒子検出器8と走査用偏向器4に接続した画像解析装置12とを持つ。プローブ151とプローブ制御装置152はマニピュレータを構成する。集束イオンビームカラム1で走査用偏向器4が、FIBを走査して、画像解析装置12は、走査用偏向器4と同期して2次粒子検出器8から送り出される画像信号を受信する。集束イオンビームカラム1、試料位置制御装置9、プローブ制御装置152、画像解析装置12などは、中央処理装置6により制御される。
【0041】
まず、最初のSIM像を得るまでの工程を説明する。試料に適切な電流量のFIBを照射できる用にFIB装置の初期設定をする。光軸と平行な方向をZ方向、光軸と直交する面をXY平面とする。試料24を挿入し、試料台2のZ位置の粗調整を行う。または低倍で試料24の画像を確認し、焦点位置の粗調整を行っても良い。この粗調整は対物レンズ19の制御値調整で行っても良い。試料台2のXY移動を用いて光学系調整用の視野を選択する。次にFIBの対物レンズ19の光軸からのずれ角を補正する。対物レンズ19の焦点位置を変化させた時の像移動を目視にて認識し、像移動が最小になる様に補正用偏向器5の制御値を調整する。次に非点補正器14の光軸調整を行う。非点補正器14の制御値を変化させたときの像移動を検出し、像移動が最小になる様に非点補正器の制御値を調整する。軸ずれ補正後、光学系調整用視野にて焦点・非点を補正する。次に試料台2を用いて撮影用視野に移動し、対物レンズ19の焦点位置を微調整した後、画像の取込みを行う。
【0042】
以下に述べる本発明は、対物レンズ焦点位置の微調整の自動化とプローブと試料台間の距離測定に関する。
【0043】
試料24に対する焦点自動補正は図10のフローに従って実行する。視野と倍率等を設定し、中央処理装置6の画面にて補正用偏向器5の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、実行ボタンをクリックすると焦点補正が開始する。位置ずれ量D1とそれを記録した時の装置パラメータが読み出される。位置ずれ量D1が記録されていない場合はエラーメッセージが表示される。次に補正用偏向器5の制御値が第3の制御値である第3の画像を撮影する。補正用偏向器5の制御値を第4の制御値に設定して第4の画像を撮影する。画像解析装置12ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第3と第4の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼD1にするために必要な対物レンズ19の制御値の計算を行う。
【0044】
この計算も、予め対物レンズ19の制御値変化量δIOBJと位置ずれ量Dの関係を計測し、見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。倍率Mm2において補正用偏向器5の制御値をδIAL_m2変化させた時、対物レンズ19制御値IOBJ_0における位置ずれ量D0=(Dx_0,Dy_0)を解析し、対物レンズ19制御値IOBJ_0+δIOBJにおける位置ずれ量との差δDm2=(δDm2_x, δDm2_y)を求める。倍率Mにおいて、対物レンズ19の制御値をδIOBJ変化させた時の位置ずれ量D1との差がδD=(δDx, δDy)の場合、対物レンズ19制御値IOBJを用いて位置ずれ量δDをδDに補正し、視差による位置ずれδDを相殺するために必要な対物レンズ19の制御値変化量を求める。対物レンズ19制御値変化量はδIOBJ-S=±(Mm2・δIAL_m2 /M・δIAL)・δIOBJ・|δD‘| /|δDm2|と記述される。
【0045】
次に、図10のフローに従ってプローブ151の先端に対する焦点自動補正を実行し、視差による位置ずれδDを相殺するために必要な対物レンズ19の制御値変化量がδIOBJ-Pであると求める。このとき、プローブと試料の間隔は、h=δF・|δIOBJ-P -δIOBJ-S |である。予めて、対物レンズ19の制御値変化量δIOBJに対する焦点距離変化量δFの関係を計測して、この計算は見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。上記により求められたプローブと試料の間隔hは、図12で示される中央処理装置6に表示する。表示画面155にはSIM像表示部157とプローブ高さ表示部153を子画面として表示することができる。さらに、表示画面155にはスケールを表示するサイズ表示バー156と、上記により求められたプローブと試料の間隔hを数値で表示するプローブ試料間距離の表示部154がある。この表示画面155により、操作者は直感的に認識可能となり、FIB装置の操作効率が改善する。
【0046】
<実施例3>
図13に、集束イオンビームカラムと走査型電子顕微鏡カラムを組み合わせた装置の全体構成図を示す。本装置は、イオン銃351、イオン銃351から放出するイオンビームを集束するコンデンサレンズ352、走査用偏向器353、補正用偏向器373、対物レンズ371等からなる集束イオンビームカラム381と、電子銃357、前記電子銃357から放出する電子線358を集束するレンズ359、走査用偏向器360、補正用偏向器374、対物レンズ372等で構成される走査型電子顕微鏡カラム382、および真空試料室から主に構成される。また、本装置はFIB354を試料361に照射して、試料からの2次電子又は二次イオンを検出するための二次粒子検出器356、および試料361を載せる可動の試料台362と、試料台の位置を制御する試料位置制御装置363とを備える。さらに、本装置では、プローブ364を試料片摘出位置に移動させ、試料台362と独立に駆動するプローブ制御装置365、堆積ガス供給装置367、二次粒子検出器356からの観察像を解析する画像解析装置366および、観察像を表示する中央制御表示装置355等を備える。
【0047】
次に、本装置の動作について説明する。まず、イオン銃351から放出したイオンをコンデンサレンズ352、走査用偏向器353、補正用偏向器373、および対物レンズ371を通して試料361に照射する。FIB354は試料上で直径数ナノメートルから1マイクロメートル程度に細束化される。FIB354を試料361に照射するとスパッタリング現象により試料表面の構成原子が真空中に放出される。したがって走査用偏向器353を用いてFIB354を走査させることで、マイクロメートルからサブマイクロメートルレベルの加工ができることになる。また、FIB354照射によって形成するデポ膜は、プローブ364の先端にある接触部と試料を接続したり、FIB加工で作製した微小試料を試料ホルダに固定するために使用する。また、FIB354を走査して、試料から放出される二次電子や二次イオンを二次粒子検出器356で検出して、その強度を画像の輝度に変換することによって試料361やプローブ364などを観察することができる。
【0048】
本装置では、イオンビーム照射軸が中心軸からずれると、イオンビーム径の拡大および形状の劣化を引き起こし、所望の加工形状を作製できなくなる場合がある。したがって、高い加工性能を維持するために、加工前にイオンビーム照射の軸ずれを最小化しておく必要がある。そこで、本発明を本装置でのイオンビーム照射の軸ずれ補正に適用する例について述べる。まず、対物レンズ371を第1の状態に設定しておき、FIB354を試料361に照射し、第1の画像を撮影する。対物レンズ371の制御値変化によって対物レンズ371を第2の状態に変化させて第2の画像を撮影する。画像解析装置366ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法を用いて第1と第2の画像間の位置ずれ量と一致度を計算し、該一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、該位置ずれ量をほぼ0にするために必要な補正用偏向器373の制御値の計算を行う。さらに本装置では、既に述べた走査電子顕微鏡と同様に、対物レンズ371の制御値変化による焦点位置変化量や、補正用偏向器373の制御値変化によるずれ角変化量の物理的な絶対量を測定することは難しい。また軸ずれをほぼ0にするという目的において、焦点位置変化量やずれ角の絶対量を知る必要は無いので、位置ずれ量を直接に補正用偏向器373の制御値変化量に変換し、該計算結果を基に補正用偏向器373の制御値を設定し、軸ずれを補正する。
【0049】
なお、ここで、位置ずれ量を軸ずれ補正用偏向器373の制御値変化量に変換するために、予め軸ずれ補正用器373の制御値変化量と位置ずれ量の関係を計測しておく必要があるが、これについても、既に述べたFIB装置と同様に行うことができるので、詳細については省略する。
【0050】
さらに本装置では、イオンビームと電子線の試料照射位置を一致させる。しかし、試料の高さが変わった場合は、試料照射位置は一致しない。そこで、本装置での焦点自動補正は、焦点と偏向の補正を同時に行う。まず、自動補正の前に合焦点面での位置ずれ量を解析・記録すために以下の操作を行う。光学調整用の視野と倍率等を設定し、対物レンズ371の制御値をシャープネスやフーリエ変換に基づく補正法で補正した値、もしくは操作者が指定した値に設定する。中央制御表示装置355の画面にて補正用偏向器373の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、記録ボタンをクリックすると解析が開始する。補正用偏向器373の制御値が第1の制御値である第1の画像を撮影する。補正用偏向器373の制御値を第2の設定にして、第2の画像を撮影する。画像解析装置366ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第1と第2の画像の位置ずれ量D1と一致度を計算し、一致度が下限値以上であれば位置ずれ解析結果とその際の装置パラメータを記録する。次に、試料を観察位置に固定して視野と倍率等を設定し、中央制御表示装置355の画面にて補正用偏向器373の制御値変化量等の補正パラメータを入力し、実行ボタンをクリックすると焦点補正が開始する。位置ずれ量D1とそれを記録した時の装置パラメータが読み出される。位置ずれ量D1が記録されていない場合はエラーメッセージが表示される。次に補正用偏向器373の制御値を第3の設定にして、第3の画像を撮影する。補正用偏向器373の制御値を第4の設定して、第4の画像を撮影する。画像解析装置366ではフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法で第3と第4の画像の位置ずれ量と一致度を計算し、一致度に基づいて軸ずれ補正を実行するかの判断と、位置ずれ量(Dx, Dy)をほぼD1にするために必要な対物レンズ371の制御値の計算を行う。
【0051】
この計算も、予め対物レンズ371の制御値変化量δIOBJと位置ずれ量Dの関係を計測し、見積られた変換係数や必要な補正項を用いて実行される。倍率Mm2において補正用偏向器373の制御値をδIAL_m2変化させた時、対物レンズ371制御値IOBJ_0における位置ずれ量D0=(Dx_0,Dy_0)を解析し、対物レンズ371の制御値IOBJ_0+δIOBJにおける位置ずれ量との差δDm2=(δDm2_x, δDm2_y)を求める。倍率Mにおいて、対物レンズ371の制御値をδIOBJ変化させた時の位置ずれ量D1との差がδD=(δDx, δDy)の場合、対物レンズ371の制御値IOBJを用いて位置ずれ量δDをδDに補正し、視差による位置ずれδDを相殺するために必要な対物レンズ371の制御値変化量を求める。対物レンズ371の制御値変化量は±(Mm2・δIAL_m2 /M・δIAL)・δIOBJ・|δD‘| /|δDm2|と記述される。さらに、電子線と集束イオンビームの照射角度の差βと、対物レンズ371の制御値変化量に比例する補正用偏向器373の制御値の計算を行う。
【0052】
次に、本装置でFIBおよびプローブを用いて試料の一部を微小試料として摘出して、微小試料の断面を電子顕微鏡機能で観察する場合について述べる。まず、図14に示すように、FIB354を試料361に照射して、試料台の回転を組み合わせて、観察分析位置を囲むように溝を形成する。この加工領域は、長さ約5μm、幅約1μm、深さ約3μmであり、片方側面で試料361と接続している。その後、試料台362を回転させ、FIB354で三角柱の斜面を形成するように加工する。ただし、この状態では、微小試料391と試料361とは支持部s2で接続されている。次に、プローブ364を微小試料391の端部に接触させた後に、FIB354の照射により堆積性ガスを接触点393に堆積させてプローブ364を微小試料391に接合し一体化する。次に、支持部s2をFIB354で切断して微小試料391を切り取る。微小試料391はプローブ364に支持された状態になり、観察・分析を目的とする表面及び内部断面が微小試料391の観察分析面として取り出す準備が完了する。次に、図15に示すように、プローブ制御装置365を操作して微小試料391を試料361表面から浮上する高さまで持ち上げる。そして、プローブ364に支持された状態で微小試料391の追加工をするために、FIB354の照射角をプローブの回転操作で適切に設定する追加工により所望の観察断面p3を作製する。次に、微小試料391を回転させて、観察断面p3に走査電子顕微鏡カラム382の電子線358が概略垂直に入射するようにプローブ制御装置365の試料保持体392を動かして微小試料391の姿勢を制御した後静止させる。これにより、二次粒子検出器356での2次電子の検出効率はウェーハ最表面を観察する場合と同程度になり、微小試料391の観察断面p3の観察条件は非常に良好に、しかも観察分析面p2、観察断面p3に対して望ましい角度に調整して綿密な観察・分析ができる。
【0053】
この形状観察の際に、試料ドリフトやステージ微動誤差等のため視野がずれてくる場合もある。この視野ずれを補正するため、微小試料の観察を用いた位置ずれ調整を実行する。最初に、微小試料の第1の画像を取得し、次に、微小試料の第2の画像を取得し、記録されている第1の画像との位置ずれ量をフーリエ変換像の位相差解析に基づく方法で解析し、位置ずれ量と一致度を計算する。一致度が下限値以上であれば試料台もしくは補正用偏向器にて視野ずれを補正する。一致度が下限値以下となった場合は視野外れの可能性があるので、画像取込み倍率を縮小して第2の画像を取込み、記録された第1の画像を計算機内で縮小した画像とで位置ずれ解析を行う。再度の解析でも位置ずれ解析不能であった場合はエラーメッセージを表示し、観察を中断する。以上により、微小試料のドリフトを補正し、高精度に試料の観察・加工を行うことができた。
【0054】
【発明の効果】
ずれ角αの解析精度は位置ずれ量Dの解析精度と比例関係にある。本発明で採用したフーリエ変換像の位相差解析に基づく位置ずれ解析法は従来位置ずれ解析法よりも1桁高いサブピクセルの解析精度を持つために、本発明のずれ角の解析精度は従来装置より1桁向上する。本軸ずれ補正装置は熟練したオペレータと同様な精度の補正を数秒で実行できる。
【0055】
また、本位置ずれ解析法では画像間の一致度を計算する。視野外れや像ボケのための位置ずれ解析不能の基準として一致度の下限を設定し、計算された一致度が前記下限値以下であれば軸ずれ補正は行わない。また位置ずれ解析不能となった場合は焦点位置変化量や倍率を縮小し、再度補正を行うフローを設けることにより、視野外れや像ボケに対応することができ、さらにFIB装置の無人稼動も可能となる。
【0056】
本焦点補正法は、試料依存性が少なく、FIBによる観察・加工の作業効率を向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例であるFIB装置の基本構成図。
【図2】FIB装置における補正用偏向器を用いた軸ずれ自動補正装置の基本構成図。
【図3】位置ずれ解析法の説明図。
【図4】補正用偏向器を用いた軸ずれ自動補正の工程を示す流れ図。
【図5】ビーム制限絞り穴位置の自動補正装置の流れ図。
【図6】非点補正器での自動補正装置の補正の流れ図。
【図7】光軸からのずれ角変化による像の位置ずれ量と焦点ずれ量の説明図。
【図8】視差を利用した対物レンズの焦点自動補正装置の基本構成図。
【図9】視差を利用した対物レンズの焦点自動補正の流れ図。
【図10】FIB装置における焦点自動補正の工程を示す流れ図。
【図11】集束イオンビームカラムとプローブを組み合わせた試料作製装置の全体構成図。
【図12】中央処理装置上のプローブと試料の間隔の表示例を示す図。
【図13】集束イオンビームカラムと走査型電子顕微鏡カラムを組み合わせた試料観察装置の全体構成図。
【図14】試料観察装置で試料作製を示す図。
【図15】試料観察装置で試料を摘出して断面を観察する図。
【符号の説明】
1…集束イオンビームカラム、2…試料台、4…走査用偏向器、5…補正用偏向器、6…中央処理装置、8…2次粒子検出器、9…試料位置制御装置、11…イオン銃、12…画像解析装置、13…ビーム制限絞り、13…ビーム制限絞り制御装置、14…非点補正器、18…コンデンサレンズ、19…対物レンズ、24…試料、31…レンズの光軸、32…第1設定のFIB、33…第2設定のFIB、151…プローブ、152…プローブ制御装置、153…プローブ高さ表示部、154…プローブ試料間距離の表示部、155…表示画面、156…サイズ表示バー、157…SIM像表示部、351…イオン銃、352…コンデンサレンズ、353…走査用偏向器、354…FIB、356…二次粒子検出器、357…電子銃、358…電子線、359…レンズ、360…走査用偏向器、361…試料、362…試料台、363…試料位置制御装置、364…プローブ、365…プローブ制御装置、367…堆積ガス供給装置、355…中央制御表示装置、366…画像解析装置、371…対物レンズ、372…対物レンズ、373…補正用偏向器、374…補正用偏向器、381…集束イオンビームカラム、382…走査電子顕微鏡カラム、391…微小試料、392…試料保持体、393…接触点、s2…支持部、p2…観察分析面、p3…観察断面。
Claims (3)
- イオン銃と、前記イオン銃からのイオンビームを集束する集束イオンビーム用レンズと、
試料を掲載する試料台と、
前記集束イオンビーム用レンズの焦点位置が第1の位置にある時に、集束イオンビームが前記集束イオンビーム用レンズを通過して試料に照射して前記試料からの荷電粒子で得られる第1の走査イオン顕微鏡像と、
前記集束イオンビーム用レンズの焦点位置が第2の位置にある時に得られる第2の走査イオン顕微鏡像を記録して、フーリエ変換後の位相差解析に基づく位置ずれ解析法を用いて前記第1の走査イオン顕微鏡像と前記第2の走査イオン顕微鏡像との間の位置ずれ量と一致度を解析する画像解析装置と、
前記位置ずれ量から偏向補正信号に変換する制御部と、
集束イオンビームの光路を制御する偏向制御装置を持ち、
前記制御部は前記一致度が所定値よりも大きい場合は軸ずれ補正を行い、前記一致度が所定値よりも小さい場合は軸ずれ補正を行わないようにすることを特徴とする集束イオンビーム装置。 - 請求項1に記載の集束イオンビーム装置において、
前記集束イオンビームの非点収差を補正する制御部を有することを特徴とする集束イオンビーム装置。 - 請求項1に記載の集束イオンビーム装置において、
前記焦点位置を試料位置に補正する制御部を有することを特徴とする集束イオンビーム装置。
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