JP4546343B2 - デジタルpll回路およびその同期制御方法 - Google Patents

デジタルpll回路およびその同期制御方法 Download PDF

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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

本発明は,デジタル同期網内の伝送装置(光伝送装置,移動通信装置など)における基準クロック源を生成するSyncユニットのデジタルPLL回路に関する。
デジタル同期網の最上位には,基準となるクロック源があり,これには一般的に1次標準器のセシウム原子発振器が使用される。同期網内の各伝送装置は,この基準クロック源から分配されるクロックをもとに,装置内で使用するクロックを生成するSyncユニットを持つ。このSyncユニットが生成するクロックの特性は,ITU810,GR−1244(ベルコア)で同期網における従属階層レベル(Stratum )ごとに細かく規定されている。本発明は,多数ある基準ノード(基準クロック)を選択し,瞬時に位相同期を確立することを目的とするデジタルPLL(DPLL)回路に関するものである。
まず,DPLL(Digital Phase Locked Loop )回路について簡単に説明する。
図7に,従来のDPLL回路ブロック図を示す。図7に示すDPLL回路は,デジタル位相比較器(DPD:Digital Phase Detector)101,位相差カウントクロックを生成するための内部高精度発振器102,アナログPLL回路103,DSP等の演算装置で構成されるデジタルループフィルタ(DLF:Digital Loop Filter )104,デジタル/アナログ(D/A)変換器105,スレーブ発振器である電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator )106,出力周波数を分周して入力周波数に変換する1/N分周器107からなる。
デジタル位相比較器101は,入力された基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相差を,内部高精度発振器102とアナログPLL回路103により生成した高速な位相差カウントクロック信号によりカウントし,2入力の位相差をカウント値として出力する。このデジタル位相比較器101で検出した位相差をもとに生成した誤差信号をデジタルループフィルタ104で平均化する。これをD/A変換器105によりデジタル/アナログ変換してスレーブ発振器である電圧制御発振器106の制御電圧にフィードバックする。この出力信号が1/N分周器107を介して帰還クロック信号FB_CLK としてデジタル位相比較器101に入力されることで,スレーブ発振器である電圧制御発振器106の出力周波数が基準クロック信号 REF_CLK に同期するように制御される。
図8は,スレーブ発振器に直接周波数合成器(DDS:Direct Digital Synthesizer)を用いた従来のDPLL回路ブロック図である。基本的な動作は,図7に示すDPLL回路と同様であるが,スレーブ発振器として,電圧制御発振器の代わりに直接周波数合成器205が用いられている。直接周波数合成器205は,固定発振器である内部高精度発振器202のクロックを源振として,出力する発振波形をデジタルデータによって合成して作り出す回路である。ここで,デジタルループフィルタ204からのフィードバック値がデジタルデータに相当する。出力周波数の設定分解能は,フィードバック値や直接周波数合成器205のビット幅に依存し,図9のように離散的な変化をするが,平均的な周波数偏差としては,±0に近い値になる。
従来技術では,DPLL回路において,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK の位相差が,固定値になるように設定されており,引込み当初は,最大基準クロック信号 REF_CLK または帰還クロック信号FB_CLK の周波数周期分の位相差が生じる。そのため,位相を一致させるために,その位相差分周波数誤差が発生し,位相を合わせるための位相引込みに時間が掛かる。
この時間を短縮するため,Phase Build Out 機能により,図中の出力周波数のクロックにて,1/Nの分周期の出力位相を調整(リセット)し,最大の位相差を出力クロックの周期分の範囲まで短縮することを行っている。しかしながら,このPhase Build Out による位相差短縮でも,位相差は比較的大きく,高精度を求められるDPLL回路では,その位相誤差による周波数変動が問題であった。
一方,周波数誤差を小さくする手段として,ハード的に位相を跳ばす方法以外に,デジタル位相比較器(DPD)での位相収束点を,補正する方法が考えられるが,従来のDPLL方式では,補正数が整数であるため,DPLL特有の量子誤差分が残り,高速引込みにも課題が残った。
下記の特許文献1(位相同期ループ回路)には,周波数比較回路を有するPLL回路のPLL起動特性を改善し,PLLの収束性の向上,高速追従性,収束動作の安全性を図るため,周波数同期ループから周波数ロック信号を発生させ,位相誤差信号出力を零にプリセットし,分周回路の内容および位相基準生成回路の出力位相を互いに関連する所定の値にプリセットすることにより,PLL起動直後の位相比較結果を特定の値に固定するようにした技術が記載されている。しかし,この特許文献1に記載されている方法を用いても,上述したようなDPLL特有の量子誤差分が残り,また,位相収束点を目的とする最終位相収束点に合わせることができないという問題がある。
特開平6−152403号公報
従来の技術では,基準クロック信号と帰還クロック信号との位相差の検出精度が,DPLL特有の量子誤差により十分ではないため,高速引込みが困難であり,出力信号の周波数と位相を精度よく安定に維持するのが難しいという問題があった。
また,DPLL回路のアプリケーションによっては,最終位相収束点を基準クロック信号を基準にして一定にする必要がある場合がある。すなわち,基準クロック信号とDPLL回路の出力信号との位相差を,所定の目標値(最終位相収束点)に固定する必要があるアプリケーションがある。しかし,特許文献1に記載されているような従来の技術では,この位相差を目標値に設定することができなかった。
本発明は,上記の問題点の解決を図り,瞬時に位相同期を確立し,高精度で周波数変動が少ないDPLL回路を実現することを目的とする。
本発明のDPLL回路は,上記課題を解決するため,まず入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差をM回測定し,その位相差測定により得られた値を仮の位相収束点として周波数同期をとり,周波数同期完了を確認した後に,仮の位相収束点を徐々に与えられた最終位相収束点に近づけていくことを第1の特徴とする。
また,本発明の第2の特徴は以下のとおりである。入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差の測定では,位相差カウントクロックを入力基準信号の周波数fの整数倍の周波数nfとして測定するのではなく,(nf+Δf)の周波数としてΔf分のオフセットを持たせて測定する。Δfは,0<|Δf|<fの所定値である。そして,位相差の検出をM回(M≧2)行い,1/Mの精度で位相差を検出する。入力基準信号の周波数fとMとの関係が,M=f/Δfであることが望ましい。入力基準信号の周波数fとMとの関係がM=f/Δfであれば,入力基準信号の立ち上がりから位相差カウントクロックによりクロック数のカウントを開始するときの入力基準信号と位相差カウントクロックとの位相差が各測定ごとに少しずつずれていくことになり,M回でちょうど1クロック分ずれることになる。したがって,初回測定時の位相のずれがいくらであってもM回の測定結果に位相ずれの影響がなくなり,M回の測定結果を平均化することにより,位相差カウントクロックが入力基準信号のちょうど整数倍の周波数のときよりも高精度で入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差を測定できることになる。
本発明によれば,高精度な位相制御が可能になり,高速に精度よく周波数同期をとり,目的とする最終位相収束点に位相が合った出力信号を得ることができる。
図1は,本発明に係るDPLL回路の構成例を示す図である。図1において,1はデジタル信号プロセッサ(DSP)等によって構成されるデジタルフィルタ演算部,2は位相差カウントクロック信号生成部,3はデジタル位相比較器(DPD),4はスレーブ発振器,5は1/N分周器である。
位相差カウントクロック信号生成部2は,図7および図8で説明した内部高精度発振器102,202およびアナログPLL回路103,203に相当する機能を持つ。ただし,生成する位相差カウントクロック信号の周波数は,入力基準信号の周波数fの整数倍の周波数nfにΔf(ただし,0<|Δf|<f)のオフセットを有する(nf+Δf)の周波数となっている。
スレーブ発振器4は,図7に示すD/A変換器105および電圧制御発振器106,または図8に示す直接周波数合成器205と同様なものである。また,1/N分周器5も,図7および図8に示す1/N分周器107,206と同様な回路で構成される。
本発明では,デジタルフィルタ演算部1が,図7および図8に示すデジタルループフィルタ(DLF)104,204と異なる。本構成例では,デジタルフィルタ演算部1は,デジタル位相比較器3により測定した基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK とのM回分の位相差を積算する位相差積算部11,積算した位相差をもとに仮の位相収束点を決める位相収束点設定部12,基準クロック信号 REF_CLK の位相と帰還クロック信号FB_CLK の位相収束点との差を算出する収束点との位相差算出部13,スレーブ発振器4に対する制御信号を出力するスレーブ発振器制御部14を備える。
また,スレーブ発振器制御部14は,仮の位相収束点のもとで周波数同期完了を確認する同期確認部15と,周波数同期完了の確認の後に仮の位相収束点をあらかじめ設定された目的とする最終位相収束点に徐々に近づける位相収束点変更部16とを備える。
図2は,図1に示すDPLL回路の動作フローを示す。図2に従って,図1に示すDPLL回路の同期制御方法を説明する。
〔ステップS1〕:引込みの際,Phase Build Out 処理により,スレーブ発振器4の出力クロックの周期に位相を合わせる。すなわち,基準クロック信号 REF_CLK をトリガにし,1/N分周器5が出力する帰還クロック信号FB_CLK の出力位相を,基準クロック信号 REF_CLK の基準位相にできるだけ近い位置に設定する。
〔ステップS2〕:次に,Phase Build Out 後の位相で,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相差を,位相差カウントクロック信号生成部2が生成した位相差カウントクロック信号によって,デジタル位相比較器3がカウントすることにより測定する。測定はM回行い,位相差積算部11でM回分の位相差を積算する。これにより,1/Mの精度で位相差を検出できるようにする。
〔ステップS3〕:位相収束点設定部12は,DPLL回路出力の仮の位相収束点を,ステップS2で測定した数値として設定する。これにより,収束点との位相差算出部13の出力は一時的に0になる。このため,瞬時に位相引込みが完了する。
〔ステップS4,S5〕:この時点では,位相は確立しているものの,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との周波数は一致していないため,収束点との位相差算出部13によって周波数誤差分の誤差信号が検出され,スレーブ発振器制御部14によって周波数制御が行われる。制御されるスレーブ発振器4のVCO周波数やDDSの設定値の誤差にもよるが,この周波数制御による周波数同期に掛かる時間は,周波数誤差の大きさに応じて異なる。同期確認部15によって,周波数同期が完了したことを確認したならば,次のステップS6へ進む。
〔ステップS6〕:周波数同期が完了したことを確認した後,位相収束点変更部16は,位相収束点の補正数を所定のステップで減らしていくことにより,位相収束点設定部12が設定した仮の位相収束点を,目的とする最終位相収束点に徐々に近づける。この補正数を変化させる方法は,デジタルフィルタ演算部1のファームウェアによって任意に設定することができる。
〔ステップS7,S8〕:仮の位相収束点が最終位相収束点になったならば,位相収束点変更部16による位相収束点の変更処理を中止し,以後,通常のDPLL制御による周波数位相同期制御を続ける。
ステップS5において,周波数同期が完了したことを確認する方法として,例えば以下の方法のいずれかを用いることができる。
(1)デジタル位相比較器3による位相差カウント結果から判定する方法。
(2)スレーブ発振器4として電圧制御発振器(VCO)を用いたDPLL方式の場合,VCOの制御電圧から判定する方法。
(3)スレーブ発振器4として直接周波数合成器(DDS)を用いたDPLL方式の場合,DDSの制御信号から判定する方法。
(4)あらかじめ使用条件を想定し,周波数同期確立までに必要な時間を算出し,その時間分だけ待って,位相収束点の補正過程へ移行する方法。
図3は,本発明の一実施例を示すDPLL回路ブロック図である。このDPLL回路では,スレーブ発振器として直接周波数合成器(DDS)40を用いているが,図7に示すように,D/A変換器105と電圧制御発振器(VCO)106を用いることもできる。
入力される基準クロック信号 REF_CLK の周波数は8KHz,直接周波数合成器40の出力信号は3.24MHzである。1/N分周器5は,3.24MHzの出力信号を,8KHzの帰還クロック信号FB_CLK に分周する。
内部高精度発振器20およびアナログPLL回路21によって生成する位相差カウントクロック信号の周波数は,77.76MHzに250Hzのオフセットを加えた77.76MHz+250Hzである。すなわち,このDPLL回路では,デジタル位相比較器3に入力する位相差カウントクロック信号のクロック周波数が,基準クロック信号 REF_CLK の周波数の整数倍に対して,わずかに所望の値にオフセットしている。このクロック周波数のオフセットとデジタルフィルタ演算部1での平均化処理により,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相差精度を数倍に向上させることが可能になっている。すなわち,デジタル位相比較器3による一回の測定結果は整数であるが,M回の測定による平均化処理により精度が1/Mとなる。
M回の位相差の平均化処理の結果,デジタルフィルタ演算部1による位相差の検出結果は整数ではなく,小数で表せるため,位相同期の収束点を小数精度で処理・制御可能である。このため,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK の入力クロックを瞬時に位相差カウントクロック信号周期×1/Mの分解能で,一致させることが可能となる。
なお,本実施例のデジタルフィルタ演算部1では,M回の測定結果をMで割って,実際に位相差の平均値を求めて位相合わせを行うのではなく,Mで割る平均化処理を省略し,M回分の積算値のまま位相収束点に位相を合わせる処理を行うが,処理結果は,実質的に小数精度の平均化処理を行った結果と同じになる。
DPLLの引込み時間を検討すると,図3に記入した周波数関係の設計となった場合,少なくともPhase Build Out の段階では,最大位相差が1/3.24MHzで,位相差の時間はプラス・マイナスを考慮すると,±1/(3.24MHz×2)≒±154.32nsecであったが,位相差カウントクロック信号の周波数77.76MHz+Δf(250Hz)の32倍の平均化処理により,1/(77.76MHz×2)≒±0.2nsecとなり,位相誤差を約1/770に短縮できることになる。これにより引込み時間が小さくできることと,誤差が小さいことにより周波数誤差を圧縮できることが明らかである。
また,DPLLのアプリケーションとして,最終位相収束点を,基準クロック信号 REF_CLK を基準にして,一定にする必要がある場合がある。図4に,本実施例における最終位相収束点の例を示す。
本実施例における8KHzの基準クロック信号 REF_CLK を,約77.76MHzの位相差カウントクロック信号でカウントすると,77.76MHz/8KHz=9720であるので,図4に示すように1周期は9720カウントの長さとなり,基準クロック信号 REF_CLK に対する帰還クロック信号FB_CLK の目的とする位相差(位相収束点)は,0〜9720の範囲で任意に定めることができる。本実施例では,このDPLL回路の設計時に定められた最終的に目標とする帰還クロック信号FB_CLK の基準クロック信号 REF_CLK に対する最終位相収束点が8192であるものとする。
最初に,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相差が大きい状態で,位相差が最終位相収束点になるように,位相と周波数の同期制御を行うと,位相引込みに時間がかかることになる。そこで本実施例では,最初に計測された位相差を仮の位相収束点として位相収束点の補正を行い,仮の位相収束点に一旦高速に位相を引き込んだ後に,通常のDPLL動作で周波数引込みを行う。この周波数引込みが完了したことを確認した後,ゆっくりと位相収束点の補正値を0「ゼロ」に近づけることで,極小の位相ステップで目的とする最終位相収束点への位相同期を完了することが可能となる。このゆっくりの程度はアプリケーションによって,ファームウェア処理内で任意に決めることができるが,最小位相ステップによる周波数誤差は,DPLLの最小制御量でもあるので,システム上問題にはならない。
本実施例におけるデジタルフィルタ演算部1の動作をさらに詳しく説明する。本DPLL回路の周波数関係は,図3に示したように,基準クロック信号 REF_CLK および帰還クロック信号FB_CLK が8KHz,直接周波数合成器40の出力が3.24MHz,位相差カウントクロック信号の周波数が77.76MHz+250Hzであるとする。また,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相合わせの位置である最終位相収束点は,図4に示したように,8192カウントであるとする。
(1)DPLL回路に基準クロックが印加された場合,DPLLとして,クロック検出・クロック周波数の確認を行う。この動作については従来技術と同様であり,本発明には関係しない。
(2)まず,Phase Build Out を実行する。すなわち,基準クロック信号 REF_CLK をトリガにし,1/N分周回路5の出力する帰還クロック信号FB_CLK の出力位相を,基準クロック信号 REF_CLK の基準位相関係に近くする。
1/N分周器5の入力周波数は3.24MHzであるので,Phase Build Out の実行により,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相のずれは,最大で1/3.24MHz(秒)であり,プラス・マイナスを考えると,この位相のずれの範囲は,±1/(3.24MHz×2)=±154.3nsecとなる。
(3)デジタルフィルタ演算部1は,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK の位相関係を,デジタル位相比較器3からM個入手する。位相差カウントクロック信号のΔfオフセットは250Hzであり,8KHz/250Hz=32であるので,この例ではM=32である。
図4に示したように,8KHzを位相差カウントクロック信号でカウントすると,9720カウントであり,デジタル位相比較器3から出力されるデータx1 ,x2 ,…,x32は,それぞれ0〜9720の数値の整数であるが,上記(2)のPhase Build Out の実行によって,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相のずれの範囲は,上述のように±154.3nsecになるので,カウント数は,1回分の位相データについて8192±12の範囲となる。
(4)デジタル位相比較器3の出力データxi (i=1〜32)の平均値(xave )を,デジタルフィルタ演算部1にて演算し算出する。その平均値をDPLLの仮の位相収束点とし,DPLLの周波数位相同期を行う。ここでは計算処理の簡易化のために,実際に平均値を算出する代わりに,32倍の積算値で処理を進めるものとする。平均値で演算処理しても,積算値で演算処理しても,本発明の原理に変わりがあるわけではない。むしろ,積算値のまま演算したほうが高速処理が可能であり好ましい。
図5は,仮位相収束点を説明するための図である。図5に示すように,仮位相収束点は,最終位相収束点に対して±12カウントの位置に定められることになる。
(5)DPLLの周波数位相同期は,通常のDPLL動作である。本発明のDPLL動作では,一度検出した位相差が位相収束点になっているので,位相はほぼ一致済みとなる。位相が合った時点で,周波数誤差分が,段々とデジタル位相比較器3の位相データとして表れ,周波数が一致するよう,DPLLの制御が行われる。このDPLLの動作により,基準クロック信号 REF_CLK と帰還クロック信号FB_CLK との位相関係が,補正した位相関係となり,同期が確立する。
(6)次に,この仮位相収束点を徐々に当初の位相基準点である最終位相収束点に変更していく。今回の周波数関係では,±12の補正値があり,ステップ値は1/32となるので,32個の積算値では±384であり,この±384を段階的に0に近づけることを行う。この補正値が0になると,周波数がほとんど変わらない状態で最終位相収束点への位相同期が完了することになる。
図6はデジタルフィルタ演算部1の構成例を示す図である。本実施例において,位相収束点設定部12は,位相収束点の補正値を記憶する位相収束点補正値記憶部121,あらかじめ設定された目的とする位相収束点の最終位相収束点情報を記憶する最終位相収束点情報記憶部122,および加算器123から構成される。収束点との位相差算出部13は,位相差積算部11の出力値と位相収束点設定部12のマイナス出力値とを加算する加算器によって構成される。
与えられた最終位相収束点の値は8192であり,32個の積算値では8192×32となる。この値は,あらかじめ最終位相収束点情報記憶部122に記憶される。位相差積算部11は,デジタル位相比較器3の32個の出力データxi (i=1〜32)を積算する。この積算値S(=Σi=1 32 i )を位相収束点補正値記憶部121へ送る。位相収束点補正値記憶部121は,最終位相収束点情報(8192×32)から積算値Sを引いた値Cを補正値として記憶する。補正値Cは,±384の範囲の値となる。
加算器123により,最終位相収束点情報(8192×32)から補正値Cが減算され,その結果が収束点との位相差算出部13へ送られる。収束点との位相差算出部13では,積算値Sから加算器123の出力を減算する処理を行う。この出力がスレーブ発振器制御部14へ送られ,スレーブ発振器4に対する制御信号が生成される。
この状態で周波数同期が確定すると,位相収束点変更部16は,位相収束点補正値記憶部121に記憶された補正値Cを,yステップごとに補正し0に近づける。更新するステップ値yは,システムのアプリケーション上,あらかじめ任意に決めることができる。最終位相までに到達する時間を早くしたい場合には,yを大きく設定し,ステップによる周波数変動を抑えたい場合には,yを小さい値に設定すればよい。
補正された収束点のもとでの周波数同期完了を確認する方法として,位相差カウント処理結果から判断する方法,またはスレーブ発振器4に対する制御信号の変動から判断する方法,または所定の時間が経過したときに周波数同期が完了したと判断する方法などを用いることができる。
本発明に係るDPLL回路の構成例を示す図である。 本発明に係るDPLL回路の動作フローを示す図である。 本発明の一実施例を示すDPLL回路ブロック図である。 本実施例における最終位相収束点の例を示す図である。 仮位相収束点を説明するための図である。 デジタルフィルタ演算部1の構成例を示す図である。 従来のDPLL回路ブロック図である。 従来の他のDPLL回路ブロック図である。 DPLL回路の出力周波数の例を示す図である。
符号の説明
1 デジタルフィルタ演算部
2 位相差カウントクロック信号生成部
3 デジタル位相比較器
4 スレーブ発振器
5 1/N分周器
11 位相差積算部
12 位相収束点設定部
13 収束点との位相差算出部
14 スレーブ発振器制御部
15 同期確認部
16 位相収束点変更部
20 内部高精度発振器
21 アナログPLL回路
40 直接周波数合成器

Claims (4)

  1. スレーブ発振器を含む位相同期ループにより周波数と位相とが入力基準信号に同期した出力信号を生成するデジタルPLL回路において,
    入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差を,前記入力基準信号の周波数fの整数倍の周波数nfにΔf(ただし,0<|Δf|<f)のオフセットを有する(nf+Δf)の周波数を持つ位相差カウントクロック信号によって測定し,その測定した位相差をM回分(M≧2)積算する位相差積算手段と,
    前記位相差積算手段により積算した位相差をもとに,測定された位相差を仮の位相収束点として設定する位相収束点設定手段と,
    前記積算した位相差と前記設定された仮の位相収束点とをもとに,前記スレーブ発振器に対する周波数同期制御の制御信号を出力する制御手段とを備える
    ことを特徴とするデジタルPLL回路。
  2. 請求項1記載のデジタルPLL回路において,
    前記設定された仮の位相収束点のもとで周波数同期完了を確認する同期確認手段と,
    周波数同期完了を確認した後に,前記設定された仮の位相収束点を,あらかじめ設定された目的とする最終位相収束点に段階的に近づける位相収束点変更手段とを備える
    ことを特徴とするデジタルPLL回路。
  3. 請求項2記載のデジタルPLL回路において,
    前記同期確認手段は,入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差カウント処理結果,またはスレーブ発振器に対する制御信号,または所定の時間が経過したか否かによって,周波数同期完了を判断する
    ことを特徴とするデジタルPLL回路。
  4. スレーブ発振器を含む位相同期ループにより周波数と位相とが入力基準信号に同期した出力信号を生成するデジタルPLL回路の同期制御方法において,
    入力基準信号と出力信号の帰還信号との位相差を,前記入力基準信号の周波数fの整数倍の周波数nfにΔf(ただし,0<|Δf|<f)のオフセットを有する(nf+Δf)の周波数を持つ位相差カウントクロック信号によって測定し,その測定した位相差をM回分(M≧2)積算する過程と,
    前記積算した位相差をもとに,測定された位相差を仮の位相収束点として設定する過程と,
    前記積算した位相差と前記設定された仮の位相収束点とをもとに,前記スレーブ発振器に対する周波数同期制御の制御信号を出力する過程と,
    前記設定された仮の位相収束点のもとで周波数同期完了を確認する過程と,
    周波数同期完了を確認した後に,前記設定された仮の位相収束点を,あらかじめ設定された目的とする最終位相収束点に段階的に近づける過程とを有する
    ことを特徴とするデジタルPLL回路の同期制御方法。
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