JP2000241524A - デジタルプロセッシングpll - Google Patents

デジタルプロセッシングpll

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JP2000241524A
JP2000241524A JP11039153A JP3915399A JP2000241524A JP 2000241524 A JP2000241524 A JP 2000241524A JP 11039153 A JP11039153 A JP 11039153A JP 3915399 A JP3915399 A JP 3915399A JP 2000241524 A JP2000241524 A JP 2000241524A
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vco
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JP11039153A
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Takashi Umeda
孝志 梅田
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SAの影響を除去しながら同期するまでの時
間が短く且つセシウム発振器と同等な周波数安定度を有
する安価で保守作業が少ない標準信号発振器を提供す
る。 【解決手段】 電圧制御発振器(VCO)7の出力信号
とGPSからの基準入力信号とを比較し、両方の位相が
一致するようにPLL制御部3を用いてVCO7を制御
するデジタルプロセッシングPLLにおいて、PLL制
御部3は、制御開始から所定時間が経過するまでVCO
制御電圧が変化する量を予めVCO個別に計測された制
御電圧−周波数特性データと比較して演算することによ
り、目的とする周波数を発生させるVCO制御電圧を得
る高速引き込み制御手段22を備えることを特徴とする
デジタルプロセッシングPLL。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧制御発振器の
発振周波数の制御を行うデジタルプロセッシングPLL
(フェーズ・ロックド・ループ:位相同期ループ)に関
し、更に詳しくは、電圧制御型水晶発振器(VCXO)
の出力信号の位相を、GPS(グローバル・ポジショニ
ング・システム:全地球測位システム)からの基準入力
信号の位相と比較し、両方の信号の位相が一致するよう
にPLL制御部を用いてVCXOの制御を行うデジタル
プロセッシングPLLに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高度情報化社会の進歩に伴い、情
報通信網における基準周波数に対する要求精度は高くな
っている。特に、デジタル有線通信網、及び、移動体通
信網では、基準周波数に高い精度を要求している。現
在、高精度の網同期を必要とする通信システムにおいて
は、標準発振器として、セシウム発振器(原子周波数標
準信号発振器)が利用されている。しかし、セシウム発
振器は高価であり、かつ、定期的に調整や保守作業が必
要であるという問題を有している。また、セシウム発振
器をマスタ発振器とすると共に高安定な水晶発振器を従
属発振器として基準周波数を発生及び分配させる通信シ
ステムでは、情報量の増加による高周波化に伴い、従属
発振器の周波数精度が不十分になる問題が発生してい
る。これは、例えば、従来の通信システムでは周波数の
同期のずれに対応するためにデータのバッファメモリを
設置しているが、高周波化により単位時間当たりに伝送
される情報量が増加すると、通信システム中に非常に多
くのバッファメモリが必要とされることによる。また、
通信周波数の高周波化により情報が高速且つ大量に通信
されるようになると、バッファメモリにデータを一時的
に蓄えること自体が高速通信を阻害する要因となる場合
があるため、バッファメモリを使用しない通信システム
が要望されている。そのため、高周波を使用する通信シ
ステムの従属発振器においては、セシウム発振器に比べ
ると比較的安価なルビジウム原子周波数標準信号発振器
を用いて、バッファメモリを不要にしている。しかし、
ルビジウム原子周波数標準信号発振器も、水晶発振器に
比べれば高価であり、精度を維持するためには、ランプ
交換やガスセル交換等を数年毎に行うこと等の定期的な
保守作業が必要であるという問題を有している。そこ
で、安価な通信システムを実現するためにGPSのタイ
ミング信号を基準信号とした標準発振器が用いられるよ
うになった。即ち、電圧制御水晶発振器(VCXO)の
出力信号と、GPSから供給されるタイミング信号の位
相を比較して両者の位相差が零となるように、前記VC
XOを制御する位相同期ループ(PLL)を用いて標準
信号を得るものである。
【0003】以下に、従来のPLLによる標準発振器の
一例として、デジタルプロセッシングPLL(DPPL
L)を用いた場合の標準発振器について説明する。図4
は、DPPLLを用いた場合の標準発振器の構成ブロッ
ク図である。図4において、位相比較器1は、一方の入
力端より入力されるGPSのタイミング信号である基準
入力信号の位相と、他方の入力端より入力される後述す
る分周器9の出力信号の位相とを比較し、両者の位相差
量に応じた信号を出力する。PLL制御部3は、位相比
較器1からの位相差量を示す信号に応じて制御信号を生
成するものであり、後述するVCXO7の出力信号を分
周した信号の位相が前記GPSからの基準入力信号の位
相に近づくように、VCXO7の制御信号をデジタル信
号で出力する。D/A(デジタル/アナログ)変換器5
では、PLL制御部3から出力されたデジタル制御信号
をアナログの制御電圧Vcontに変換して出力する。
VCXO7は、制御電圧Vcontに応じた発振周波数
にて発振する水晶発振器であり、その出力周波数の一部
は、後述する分周器9に送出される。分周器9は、所定
の分周比にて前記VCXO7の出力信号を分周して位相
比較器1へ出力するものである。図4に示した標準発振
器の動作を以下に説明する。GPS衛星から受信した1
秒毎のGPSタイミング信号は、基準入力信号として位
相比較器1の一方の入力端に入力される。位相比較器1
は、他方の入力端から入力される分周器9の出力信号と
基準入力信号の位相とを比較して両者の位相差に対応し
た信号を生成してPLL制御部3に出力する。PLL制
御部3は、入力した信号からVCXO7を制御するため
のデジタル信号を生成してD/A変換器5に出力する。
D/A変換器5は、デジタル信号をアナログの制御電圧
Vcontに変換して出力する。 VCXO7は、入力
した制御電圧Vcontに対応した周波数(例えば、5
MHz等)を生成して外部回路に供給すると共にその一
部を分周器9に出力する。分周器9は、VCXO7から
入力した周波数を分周(例えば、5MHzの周波数なら
1/5000000)して1Hz(1秒間に1周期)の
信号として位相比較器1の他方の入力端に出力する。以
下、上述した動作が繰り返される。この動作の繰り返し
により、次第にGPSタイミング信号とVCXO7の出
力は同期する。
【0004】図5は、図4中のPLL制御部3内をさら
に詳しく示したブロック図である。図5のPLL制御部
3は、標準発振器内部で生成された1秒毎にスイッチン
グ動作するスイッチ11と、入力信号を平均化処理して
出力する第1の平均化処理部12と、第1の平均化処理
部12により平均化された出力を積分する積分演算部1
3と、第1の平均化処理部12の出力と積分演算部13
の出力を加算して出力する加算部14と、加算部14の
出力に水晶振動素子の感度定数Aを乗算する乗算部15
とを有している。また、積分演算部13と加算部14と
乗算部15により完全積分型のループフィルター(特性
上は低域通過フィルタ)16を構成しており、直流成分
に対しては大きな利得を持つようになっている。水晶振
動素子の感度定数Aと積分定数Bの各定数により、ルー
プフィルタ16の周波数特性(カットオフ周波数等)を
変えることができる。水晶の感度定数A(比例定数)と
は、ループフィルター16の出力が1ビットである時
に、VCXO7の周波数可変範囲を制御するためにD/
A変換器5に入力するビット数を何ビット分にするかを
決める係数である。積分定数Bとは、ループフィルタ1
6により除去したい雑音の周波数を決定するための係数
である。図5に示したPLL制御部3の動作を以下に説
明する。位相比較器1からの信号は、スイッチ11によ
り内部で生成された1秒毎の信号になって第1の平均化
処理部12に入力される。第1の平均化処理部12で
は、白色雑音を抑圧するためおよびサンプリング誤差を
キャンセルするために位相比較器1からの位相差を10
秒分だけ平均化してループフィルタ16に出力する。ル
ープフィルタ16では、入力信号に対して適切な比例演
算と積分演算を行いVCXO7を制御するためのデジタ
ル信号を出力する。上記したPLL制御を用いることに
より、位相比較器1からの位相差量の出力が徐々に小さ
な値となり、GPSのタイミング信号と同等の発振精度
を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周知の
ようにGPSタイミング信号にはSA(セレクティブ・
アベーラビリティ)が加えられているため、GPSのタ
イミング信号を基準信号として利用したPLLにより標
準信号を得る標準発振器では、周波数確度はセシウム発
振器を基準信号としたものに比べて劣化したものとな
る。尚、SAとは、GPSのタイミング信号に重畳され
て加えられた意図的な位相ずれであって、専用(軍事
用)受信機においてはこのSAを利用して同期ずれを低
減し、測位精度を高める効果を奏するが、汎用受信機で
受信した場合には、むしろ周波数安定度の低下をもたら
すことになる。SAは1周期が数十時間とゆっくりした
位相変動であり、従来のDPPLLでは入力と出力の位
相差が0に近づくにつれて周波数も同期することから、
SAを抑圧するためのDPPLL(ループフィルタ1
6)の比例定数及び積分定数を設定した場合には、1p
ps(パルス/秒)に同期するまでに非常に長い時間が
必要になる。図6は、従来のDPPLLにより周波数が
目的とする周波数に収束するまでの周波数応答(b)及
び位相差が無くなるまでの位相応答(a)とを対比させ
て示したグラフであり、図6(a)の位相応答のグラフ
中で位相差が0と見なせるのは1430(Ksec)以
上である(1430×1000(秒)≒16.55
日)。従って、従来のDPPLLによりSAを抑圧して
目的の周波数を得ようとするとする場合には、約16.
55日を要することとなる。このように、GPSのタイ
ミング信号を基準信号として利用してDPPLLによっ
て標準信号を得る標準発振器では、セシウム発振器相当
の精度を得るために非常に長い時間が必要であるという
問題がある。本発明は、GPSから供給されるタイミン
グ信号を基準信号とするDPPLLにおける上記問題を
解決するためになされたものであって、SAの影響を除
去しながら同期するまでの時間が短く且つセシウム発振
器と同等な周波数安定度を有する安価で保守作業が少な
い標準信号発振器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明のデジタルプロセッシング
PLLは、電圧制御発振器(VCO)の出力信号とGP
Sからの基準入力信号とを比較し、両方の位相が一致す
るようにPLL制御部を用いて前記VCOを制御すると
共に、完全積分型のループフィルタを用いてセレクティ
ブ・アベーラビリティの影響を除去するデジタルプロセ
ッシングPLLにおいて、前記PLL制御部は、制御開
始から所定時間が経過するまでのVCO制御電圧が変化
する量を予めVCO個別に計測された制御電圧−周波数
特性データと比較して演算することにより、目的とする
周波数を発生させるVCO制御電圧を得る高速引き込み
制御手段を備えることを特徴とする。請求項2の本発明
は、請求項1に記載のデジタルプロセッシングPLLに
おいて、前記VCO制御電圧の変化量は、前記VCOに
入力する信号を生成するD/Aコンバータの制御信号を
平均化して得ることを特徴とする。請求項3の本発明
は、請求項1または2に記載のデジタルプロセッシング
PLLにおいて、前記ループフィルタは、前記高速引き
込み制御手段が目的とする周波数を発生させるVCO制
御電圧を得た際に、ループフィルタ内の積分値を0にす
ることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を示した
図を用いて説明する。図6(a)の位相応答のグラフと
図6(b)の周波数応答のグラフとを対比させると、位
相応答の最初のピーク点が現れる時点で周波数偏差が0
になっている。また、位相応答は、ループフィルタ16
からの出力される制御値に対応して変化する。本発明で
は、上記に基づいて、VCXO7毎に位相応答の最初の
ピーク点に至る特性を制御値との関係を含めて予め検出
しておき、位相応答の最初のピーク点が現れる途中まで
の特性からその位相応答の最初のピーク点を予測し、予
想したピーク点における制御値をPLL制御部3からD
/Aコンバータ5に出力し、その際に積分演算部13の
積分値を0にして再度PLL動作を始めることにより、
従来の方法より早く同期状態を得て、SAの影響を除去
しながらセシウム発振器と同等な周波数安定度を有する
標準信号発振器を得る。図1は、本発明の一実施形態の
標準信号発振器の構成を示すブロック図である。尚、従
来技術を示した図5で用いた構成と同様な構成について
は、図1においても図5と同じ番号を付してその説明は
省略する。図1における第2の平均化処理部19は、高
速引き込み制御部22を構成するものであって、ループ
フィルタ16から出力されるD/A変換器5の制御値を
平均化して出力する。周波数オフセット制御部20は、
第2の平均化処理装置19と共に高速引き込み制御部2
2を構成するものであって、VCXO7毎に位相応答の
最初のピーク点に至る特性を制御値の変化に対応させて
予め検出し、例えばテーブル形式の制御値データとして
記憶している。周波数オフセット手段20は、制御値の
変化により、位相応答における最初のピーク点が現れる
途中までの特性データを検出し、その制御値の変化した
データと予め記憶したテーブル形式の制御値データを比
較することによりそのピーク点を予測することにより、
位相応答のピーク点における制御値を算出する。そし
て、該制御値とループフィルタ16から出力される制御
値との差分を出力する。第2の加算機21は、ループフ
ィルタ16から出力される制御値と周波数オフセット制
御部20から出力される制御値との和、即ち位相応答の
ピーク点における制御値をD/A変換器5に出力する。
ここで、周波数オフセット制御部20における予測値の
設定方法について説明する。例えば、図2は、基準入力
信号と分周器9の出力信号との周波数偏差が1×10−
9の時にループフィルタ16から出力される制御値(制
御ビット数)と、その制御ビット数を第2の平均化処理
装置19で平均化した値を示す図である。尚、同図はル
ープフィルタ16の出力信号のみがD/A変換器5に供
給されているものとする。図2に示すように、1×10
-9の周波数偏差をD/A変換器5は(1×10-9)/
(6×10-13)≒1638(ビット)の制御ビット数
で制御するように設定されている。尚、この式における
6×10-13は、D/A変換器5の制御ビット数1ビッ
ト当たりで制御可能なVCXO7の発振周波数である。
この例においては、処理開始から1日後のD/Aの制御
ビット数の平均値は864であり、この時の周波数偏差
ΔFは、1.67×10-10(ビット数で278ビッ
ト)である。ここで、864(制御ビットの平均値)/
278(周波数偏差)≒3.1の数式から予測のための
定数3.1が得られる。即ち、予め、この定数を求めて
おくことにより、制御ビットの平均値を定数にて除算す
れば、その時点における周波数偏差を推定することがで
きるのである。
【0008】次に、本実施形態における周波数偏差の影
響をキャンセルして高速に同期する動作について説明す
る。ループフィルタ16から出力される制御値には完全
積分型のループフィルター16により抑圧できなかった
SAの変動分が含まれるため、第2の平均化処理部19
は、その制御値中に残った変動分を除去するべく、ルー
プフィルタ16から出力されるD/A変換器5の制御値
を平均化して出力する。周波数オフセット制御部20に
おいて、図2におけるの1日目の制御ビット数の平均値
(864ビット)を3.1で除する事により周波数偏差
ΔFに相当する制御ビット数(278ビット)を求め、
求めた周波数偏差ΔFに相当する制御ビット数(278
ビット)とD/A変換器5の制御ビット数(1360ビ
ット)を加算して第2の加算機21に出力する。第2の
加算機21からは、その加算された制御ビットを出力す
る。このようにして、D/A変換器5に出力する制御ビ
ット数を、周波数偏差が「0」となるよう設定すること
ができる。上述したようにして、周波数偏差が「0」の
D/A制御ビット数を出力できるまでの時間を短縮する
ことができても、ループフィルタ16内の積分演算部1
3には積分値が残っているので、位相応答のピーク点か
ら位相応答が「0」になるまでの時間が必要になる。こ
の時間を短縮するために積分演算部13に残っている積
分値を「0」にリセットして、再度、PLL制御部3の
動作を開始する。このようにして、本実施形態の標準信
号発振器では、1日の平均化処理部19の平均化結果を
用いて、SAの影響を除去すると共に周波数偏差が
「0」の制御値を演算により出力することができること
から、PLL回路による収束を待つ従来の方法よりも高
速に周波数偏差を「0」にすることができる。また、そ
の際に、積分演算部13に残っている積分値を一旦
「0」にして、再度、PLL制御部3をスタートさせる
ことにより、位相応答のピーク点から位相応答が「0」
になるまでの時間を短縮することができる。
【0009】本発明の発明者が上述した実施形態を検証
するために行った実験によると、実際のGPS信号に重
畳されるSAの周波数特性は、1日〜2日周期の位相変
動を含んでおり、変動量は最大で±300nsec程度
であった。その実際のSAのPLL制御部3への入力信
号における位相変動と、本実施形態のPLL制御部3を
用いてSAを抑圧したVCXO7の出力信号における位
相変動とを1ヶ月分記録したデータを図3に示す。図3
において、GPSから供給される基準入力信号の位相変
動は、上記したように最大±300nsec程度である
が、VCXO7の出力信号における最大位相変動は、±
50nsec程度以内におさまっている。従って、本実
施形態のPLL制御部3を用いてSAを抑制したVCX
O7の出力信号は、標準信号発振器として十分な特性を
得ていると判断できる。尚、本実施形態で利用したVC
XO7の安定度は、10秒間(10S)で、ドリフト量
は3×10-13程度とセシウム発振器に匹敵する値が得
られた。また、本実施形態で用いた発振器のコストはG
PS受信部を含めてもセシウム発振器の1/4程度であ
った。本発明は、上記の如くPLL制御部3に高速引き
込み制御部22を設けることにより、SAの影響を除去
しながら高速に周波数を同期させて、標準信号発振器並
に安定したVCXO7の出力を得ることができる。従っ
て、本発明を用いることにより、安価で保守作業が少な
いGPS信タイミング信号と水晶発振器を用いた発振器
であっても、高価で定期的な保守作業が必要であるセシ
ウム発振による標準信号発振器と同等な高精度の標準信
号発振器を提供することができる。また、ループフィル
タにより抑圧できなかったSAの変動分を抑圧でき、周
波数を高速に同期させるだけでなく、位相についても高
速に同期させることができる。
【0010】
【発明の効果】上記のように請求項1の本発明は、保守
作業が少なく安価なGPSタイミング信号と水晶発振器
を用いた発振器であっても、高速引き込み制御部を備え
たことにより高速に周波数を同期させることができるこ
とから、SAの影響を除去しながら同期するまでの時間
が短く且つ保守作業が必要で高価なセシウム発振器と同
等な周波数安定度を有することができる。請求項2の本
発明では、VCO制御電圧の変化量は、VCOに入力す
る信号を生成するD/Aコンバータの制御信号を平均化
して得ることから、ループフィルタにより抑圧できなか
ったSAの変動分を抑圧できる。請求項3の本発明で
は、ループフィルタは、高速引き込み制御手段が目的と
する周波数を発生させるVCO制御電圧を得た際に、ル
ープフィルタ内の積分値を0にすることから、周波数を
高速に同期させるだけでなく、位相についても高速に同
期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】入力と出力の周波数偏差が1×10-9の時のD
/A変換器の制御値(制御ビット数)と、その制御ビッ
ト数を平均化した値を示す図である。
【図3】実際のSAのPLL制御部への入力信号におけ
る位相変動と、本実施形態のPLL制御部を用いてSA
を抑圧したVCXO7の出力信号における位相変動とを
1ヶ月分記録したデータを示す図である。
【図4】DPPLLを用いた場合の標準発振器の構成ブ
ロック図である。
【図5】図4中のPLL制御部3内をさらに詳しく示し
たブロック図である。
【図6】従来のDPPLLにより周波数が目的とする周
波数に収束するまでの周波数応答(b)及び位相差が無
くなるまでの位相応答(a)とを対比させてグラフで示
した図である。
【符号の説明】
1・・・位相比較器、3・・・PLL制御部、5・・・
D/A変換器、7・・・電圧制御型水晶発振器、9・・
・分周器、11・・・スイッチング部、12・・・第1
の平均化処理部、13・・・積分演算部、14・・・第
1の加算器、15・・・乗算器、16・・・ループフィ
ルタ、19・・・第2の平均化処理部、20・・・周波
数オフセット制御部、21・・・第2の加算器、22・
・・高速引き込み制御部、A・・・水晶の感度定数(比
例定数)、B・・・積分定数

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧制御発振器(VCO)の出力信号と
    GPSからの基準入力信号とを比較し、両方の位相が一
    致するようにPLL制御部を用いて前記VCOを制御す
    ると共に、完全積分型のループフィルタを用いてセレク
    ティブ・アベーラビリティの影響を除去するデジタルプ
    ロセッシングPLLにおいて、 前記PLL制御部は、制御開始から所定時間が経過する
    までのVCO制御電圧が変化する量を予めVCO個別に
    計測された制御電圧−周波数特性データと比較して演算
    することにより、目的とする周波数を発生させるVCO
    制御電圧を得る高速引き込み制御手段を備えることを特
    徴とするデジタルプロセッシングPLL。
  2. 【請求項2】 前記VCO制御電圧の変化量は、前記V
    COに入力する信号を生成するD/Aコンバータの制御
    信号を平均化して得ることを特徴とする請求項1に記載
    のデジタルプロセッシングPLL。
  3. 【請求項3】 前記ループフィルタは、前記高速引き込
    み制御手段が目的とする周波数を発生させるVCO制御
    電圧を得た際に、ループフィルタ内の積分値を0にする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のデジタルプ
    ロセッシングPLL。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010273132A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Fujitsu Semiconductor Ltd タイミング調整回路、タイミング調整方法及び補正値算出方法
JP2011242399A (ja) * 2010-05-19 2011-12-01 Tektronix Inc 位相過渡応答測定方法
JP2015144382A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 富士通株式会社 生成装置及び生成方法

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