JP4543196B2 - 複相構造を持った不織布およびその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
一方の表面が親水性で、他方の表面が疎水性であり、しかも透気性の優れた不織布、およびこの不織布を製造する方法に関する。さらに本発明は、このような不織布を利用した子供用・大人用オムツ、女性用生理用品、メディカルケア用品等の吸収体製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、吸収体製品において、液体を吸収および固定する機能を発現するための基本的な考え方は、液体透過性に優れたトップシートと、液体を一時的に拡散、貯留するアクイジション層と、液体を吸収して安定的に固定する吸収層とを適切に組み合わせるとういう概念から成り立っている。
【0003】
従来技術においては、トップシートとして親水性もしくは親水化処理された比較的薄い多孔性の不織布が、アクイジション層としては嵩高な圧縮抵抗の高い不織布が、また吸収層としては高吸水性樹脂(SAP)/パルプの混合体が、それぞれ分離、独立した要素として組み合わされて使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、吸収体製品を工業的規模で連続的に製造するためには、吸収の主体をなすトップシート、アクイジション層、およびSAP/パルプの混合体の各要素に対応する他種類の素材をそれぞれ別個に供給することが必要であり、しかもこれら他種類の素材を一体化するためには、数段階の工程の各々でホットメルト等の結合材を多量に使用することが必要である等、プロセスとしてきわめて複雑となる。
【0005】
また、例えばトップシートに要求される表面ドライ感の維持と高い水透過性とは互いに矛盾する条件であり、従来の技術はここにも大きな問題が存在する。
上述のような従来の技術が抱えている、表面ドライ感の維持と高い水透過性という矛盾を解決し、さらにアクイジション機能を効果的に発揮させるなどの機能面での改善を達成するためには、疎水性繊維層と親水性繊維層とを効果的に配置し、通気性と水透過性とをより安定に保つ必要がある。このような課題の解決は、個々の機能を兼ね備えた要素を複合して複合構造化することによりはじめて可能になる。
【0006】
本発明は、このような多機能を兼ね備えた、複相構造を持った不織布とその製造法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布において、A相は疎水性繊維層と親水性繊維層とが層状に重なった構造を有し、B相は疎水性繊維と親水性繊維とが混在した状態で水流交絡により圧縮された構造を有していることを特徴とする複相構造を持った不織布が提供される。
【0008】
好ましくは、A相の見掛け密度は、0.10g/cm3 以下であり、B相の見掛け密度は0.15g/cm3 以上である。
A相の占める面積Aと、B相の占める面積Bとの比は、広い範囲で選択可能であるが、好ましい範囲は、
B/(A+B)×100=10〜60(%)
である。
B相は、A相内に複数の帯状に分布しており、各帯状B相の幅は、1mm以上、好ましくは2mm〜20mmである。この帯は、連続する1本の帯であることが望ましいが、不連続な帯からなっていてもよい。
【0009】
不織布は、好ましくは疎水性の化合繊繊維からなるカードウェブと、親水性繊維からなるカードウェブとを重ね合わせ、低圧力水流で予備交絡させたたA相に密着する帯状B相として、その各々が、さらに複数本の高圧水流によって水流交絡処理することにより形成されているものである。
水流交絡処理することにより形成された帯状B相の間隔は、好ましくは10mm以上である。
【0010】
あるいは、不織布として、疎水性の熱融着性繊維を主成分とするカードウェブと、親水性繊維を主成分とするカードウェブとを重ね合わせ、ついで熱風処理を施すことにより全体を結合させて形成した不織布を用い、熱グリッドロールにより加熱圧着させることにより帯状のB層を設けることもできる。
【0011】
本発明はまた、嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布の製造法において、疎水性の化合繊繊維からなるカードウェブと、親水性繊維からなるカードウェブとを重ね合わせ、両者を低圧力水流で予備交絡させてウェブを形成する工程と、ウェブに、所定間隔で高圧水流を当てる水流交絡処理により、A相と、このA相内に帯状の複数のB相を形成する水流交絡処理工程と、を備えていることを特徴とする複相構造を持った不織布の製造法を提供する。
【0012】
水流交絡処理工程は、各帯状B相について複数本の近接する高圧水流により行うことができる。
さらに本発明は、嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布の製造法において、疎水性の熱融着性繊維を主成分とするカードウェブと、親水性繊維を主成分とするカードウェブとを重ね合わせ、ついで熱風処理を施すことにより熱融着性繊維の一部を溶融させてウェブを形成する工程と、ウェブに、2〜20mmの間隔で複数の環状突起部を設けた熱グリッドロールを圧着させて加熱圧着させることにより、A相と、このA相内に帯状の複数のB相を形成する加熱圧着処理工程と、を備えていることを特徴とする複相構造を持った不織布の製造法を提供する。
【0013】
本発明の複相構造を持った不織布は、嵩高なA相部分を主体に、高吸水性樹脂を固定することにより、複合吸収体として利用することが可能である。このような複合吸収体は、吸収体製品の吸収要素として有用である。
【0014】
また本発明の複相構造を持った不織布は、吸収体製品のトップシート、またはバックシートとして利用することが可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の複相構造を持った不織布の基本的な構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の複相構造を持った不織布を構成するのに適用される、カードウェブからなる疎水性繊維層Pと、これに重ね合わされた、同じくカードウェブからなる親水性繊維層Qとからなるウェブを示している。このウェブは、複数の列状に延びる部分で、疎水性繊維層Pと親水性繊維層Qとを相互に部分的に交絡もしくは融着により圧縮させることにより、図2に示すような、本発明の複相構造を持った不織布を構成する。
【0016】
図2において、疎水性繊維層Pと親水性繊維層Qとが単に重なり合ったままの状態を保っている領域をA相、両層を部分的に交絡もしくは融着させることにより、疎水性繊維層Pの構成繊維と、親水性繊維層Qの構成繊維とが相互に混ざり合って圧縮され、厚みを低下させた領域をB相として示している。
この圧縮は、疎水性繊維層Pと親水性繊維層Qとを重ね合わせ、両者を低圧力水流で予備交絡させたのち、所定間隔で高圧水流を当てる水流交絡処理により、A相と、このA相内に帯状の複数のB相を形成することにより行うことができる。
【0017】
あるいは、疎水性の熱融着性繊維を主成分とするカードウェブと、親水性繊維を主成分とするカードウェブとを重ね合わせ、ついで熱風処理を施すことにより熱融着性繊維の一部を溶融させたのち、2〜20mmの間隔で複数の環状突起部を設けた熱グリッドロールを圧着させて加熱圧着させることにより、A相と、このA相内に帯状の複数のB相を形成することができる。
A相とB相は、その層構成、物性および機能において、表1に示すように相互に異なっている。
【0018】
【表1】
Figure 0004543196
【0019】
表1に示すように、A相は、B相に対比すると厚さが大きく、見掛け密度が低くバルキーであるが、強度は低い。一方、B相は薄いが強度が高く、いわば強度の支持体となっていることが分かる。
【0020】
A相の厚さは、7g/cm2 の圧力下での測定値で0.5mm 〜10mmの範囲である。
見掛け密度でいえば、0.10g/cm3 以下、多くの例では0.08g/cm3 〜0.02g/cm3 である。
一方、B相の厚さは、同一条件での測定値で0.1mm 〜1mmの範囲である。見掛け密度でいえば、0.15g/cm3 以上、多くの例では0.17g/cm3 〜0.5g/cm 3 である。
A相とB相との強度の比較は容易ではないが、A相が1.0 〜5kg/ 50mmであるのに対して、B相は4kg/ 50mm〜20kg/ 50mmである。
上記の層構成、強度および見掛け密度におけるA相およびB相間の相違を倍率で示すと、A相とB相との間には下記の範囲で示すような差があることが分かる。
厚さ: A/B=1.5 倍〜30倍 (通常は3〜10倍)
強度: B/A=2.0 倍〜20倍 (通常は2.5 〜10倍)
見掛け密度: B/A=1.5 倍〜10倍 (通常は2.0 〜5.0 倍)
【0021】
疎水性繊維層Pの構成繊維としては、
PP繊維、PET繊維、PE繊維等の合成繊維類、またはこれらの複合繊維、あるいはその混合体が挙げられるが、B相の形成に融着を適用する場合には、融着成分として、易熱融着成分を含むものがよい。易熱融着性繊維の例としては、易溶融性PETコポリマー、PE/PET複合繊維、PE/PP複合繊維、易溶融性PPコポリマー/PP複合繊維等が挙げられる。
親水性繊維層Qの構成繊維としては、レーヨン、コットン、アセテート等のセルロース系繊維、あるいは上記合成繊維の親水性加工繊維が用いられ、P:Qの割合は、Qの含有量で表すと、全体の10〜90%以上、好ましくは20〜60%が好ましい。
【0022】
A相とB相との間で最も重要な相違点は、水透過性である。
すなわちA相は、疎水性繊維層と親水性繊維とが互いにほとんど混ざり合うことがなく重なった状態であるため、疎水性の表面側に水性液体が接触させても、圧力を掛けない限り透過させることは難しい。一方、B相は、疎水性繊維面から見ると、疎水性繊維の中に親水性繊維が混ざり込み、多数の親水性繊維が先端を表面に露出している構造を持っている。しかも親水性繊維の存在割合は、通常のB層作成方法では下層(親水性層側)が明らかに多いので、厚さ方向に関して親水性の勾配を持つことになる。
【0023】
このような構造のため、B相に水性液体が接触すると、このB相を通じて液体は素早く浸透し、B相を透過することになる。
このような特性を有する本発明の複相構造を持った不織布を、例えば吸収体製品において、疎水性表面を着用者の皮膚側に位置するような配置でトップシート(皮膚接触シート)として利用すると、着用者から排出された液体は、B相を通じて素早く吸収されるが、A相の表面は濡れず、しかも水分は残存しないので、皮膚の乾燥状態が保たれる。
さらに、例えばシート状吸収体の基布として利用し、バルキーな疎水性面のA相に部分に高吸水性樹脂(SAP)のスラリーをコーティングして、SAP粒子を繊維間に包蔵させた構造とした場合には、B相は液体を分配、拡散させるためのチャンネルとして働き、吸収体の面積利用効率の向上に寄与する。
【0024】
このようなA相およびB相の互いに異なる機能を有効に、かつ効率的に発揮させるためには、B相の存在状態が重要である。第1はB相の幅であり、第2はB相の存在面積である。
【0025】
本発明の一つの形態では、B相はA相の中に複数の帯状に分布している。このB相の帯は、連続する1本の帯であっても、不連続な複数の帯であってもよいが、ある程度の幅を持つ帯であることが重要である。きわめて幅の狭い線状である場合には、排出される液体の表面張力の程度にもよるが、液体が線をまたぐ粒状を形成し、スムースな浸透が行われない。
【0026】
帯状のB相の幅は、疎水性表面の性状等の条件によっても異なるが、通常は1mmもしくはそれ以上が好ましく、さらに好ましくは2mm〜20mmであることが望ましい。
【0027】
このような幅を持つB相を形成するためには、グリッドロールを用いて熱で溶融させた状態で圧着する場合には、使用するグリッドロールのグリッド幅を規定すればよい。また高圧水流による水流交絡を適用する場合には、連続に配置されたノズルを持つ1本のノズルビームを用いたのでは上記の好ましい範囲の幅の帯状を形成することが難しいので、2〜5個のノズル群を一定間隔で配置したノズルビームを使用するのが望ましい。この場合に形成されるB相の帯は、微視的には複数列の交絡線の集合であるが、全体としては所望の幅の帯として機能する。
なお、ノズルビームを使用する場合、吐出孔の数が多すぎると、高圧水流がフラッディングを起こし、好ましい交絡パターンが得られないことがあるので注意が必要である。
疎水性繊維層と親水性繊維層とを低圧力の水流で予備交絡させたウェブを使用する場合、この予備水流交絡は細かいピッチのノズルを用い、例えば20kg/cm2 程度の低い圧力で水流交絡を行い、B相形成のための水流交絡はそれよりも著しく高い、例えば50kg/cm 2 もしくはそれ以上の高圧で行うことが望ましい。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
<複相構造を持った不織布の製造>
下記の組成の疎水性繊維層Pおよび親水性繊維層Qからなる2層のカードウェブを用意した。
Figure 0004543196
この2層のカードウェブを相互に重ね合わせて水流処理装置に導き、第一段処理として、ノズル径0.1mm φ、ノズル間隔0.5mm のノズルビームを用い、20kg/cm 2 の水流圧で全面処理を行ってウェブを調製した。
ついで第二段処理として、ノズル径0.15mmφ、ノズル間隔1mmで配置された3個のノズルからなるノズル群を、相互に15mmの間隔で設けたノズルビームを用いて、80kg/cm 2 の水流圧で部分的な強度の交絡処理を行った後、乾燥させて、A相内にB相が複数の帯状に分布する複相構造を持った水流交絡不織布を得た。
【0029】
得られた不織布は、図3に示すように、嵩高なA相と、低密度のB相とを持ち、B相の割合(B/(A+B)×100)は約15%、A相の見掛け密度は0.07g/cm3 、B相の見掛け密度は0.2g/cm 3 であった。
【0030】
<高吸水性樹脂(SAP)のコーティング基材としての利用>
PEO(製紙用粘材、住友精化製)の0.5 %水溶液に、EtOHをEtOH/水=60/40になるように添加して、一部ゲル状になった高粘度液に、SAP(住友精化製、商品名「SA-60S」)を約20%になるように添加してSAPのスラリーを調製した。
この粘稠なスラリーを上記の不織布の疎水性繊維層P表面にアプリケータを用いて、SAP目付で200g/m2 になるように塗布し、脱溶媒、乾燥させて、シート状の吸収体を得た。
得られた吸収体を観察すると、SAPのほとんどはA相の部分に存在し、B相の部分にはほとんど存在しなかった。A相のSAPがウェブに安定に捕捉され、乾燥後に振動処理してもほとんどSAPの脱落は生じなかった。
【0031】
(実施例2)
下記の組成の疎水性繊維層Pおよび親水性繊維層Qからなる2層のカードウェブを用意した。
Figure 0004543196
この2層のカードウェブを相互に重ね合わせた状態でネットコンベアに載せ、約135 ℃に加熱された熱風ゾーンを通過させて、PE/PET成分を一部溶融させて他の繊維と接合させ、いわゆるスルーエアーボンド法による嵩高ウェブを製造した。
得られたウェブの表面に、周面に幅3mmの環状突起が10mm間隔で形成され、表面がテフロン加工された鉄製のグリッドロールを表面温度180℃に加熱し、40kg/cmの圧力で圧着させながら、20m/minの速度で移動させた。
【0032】
これにより得られた不織布は、図4に示すように、嵩高なA相と、圧縮および融着されたB相を有するもので、B相の割合(B/A+B×100)は約30%、A相の見掛け密度は0.06g/cm3 、B相の見掛け密度は0.3g/cm 3 であった。
【0033】
<吸収体の表面材としての利用>
市販オムツ(ユニチャーム社製、商品名「マミーポコパワースリム」)の表面材を取り除き、上記の不織布に差し替えて生理食塩水を注入して吸収テストを行ったところ、液はB相からのみ急速に吸収され、吸収分は逆戻りも吸収残りも認められず、きわめてドライな状態を保っていた。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明の複相構造を持った不織布は、嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布において、A相は疎水性繊維層と親水性繊維層とが層状に重なった構造を有し、B相は疎水性繊維と親水性繊維とが混在した状態で圧縮された構造を有している。これにより、表面ドライ感の維持と高い水透過性という矛盾を解決し、さらにアクイジション機能を効果的に発揮させるなどの機能面での改善を達成することができる。したがって、この複相構造を持った不織布を吸収体製品に、疎水性表面を着用者の皮膚側に位置するような配置でトップシートに利用した場合、着用者から排出された液体は、B相を通じて素早く吸収されるが、A相の表面は濡れず、しかも水分は残存しないので、皮膚の乾燥状態が保たれるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複相構造を持った不織布を構成するのに適用される疎水性繊維層と親水性繊維層からなるウェブを模式的に示す断面図。
【図2】本発明の複相構造を持った不織布を模式的に示す断面図。
【図3】本発明の実施例1で得られた複相構造を持った不織布を模式的に示す断面図。
【図4】本発明の実施例2で得られた複相構造を持った不織布を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
P 疎水性繊維層
Q 親水性繊維層
WJ ウォータージェットシールライン
HZ ヒートシールゾーン

Claims (12)

  1. 嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、前記A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布において、
    前記A相は疎水性繊維層と親水性繊維層とが層状に重なった構造を有し、前記B相は疎水性繊維と親水性繊維とが混在した状態で水流交絡により圧縮された構造を有していることを特徴とする複相構造を持った不織布。
  2. 前記A相の見掛け密度が0.10g/cm3 以下であり、前記B相の見掛け密度が0.15g/cm3 以上である請求項1に記載の複相構造を持った不織布。
  3. 前記A相の占める面積Aと、前記B相の占める面積Bとの比が、
    B/(A+B)×100=10〜60(%)
    である請求項1または2に記載の複相構造を持った不織布。
  4. 前記B相が前記A相内に複数の帯状に分布しており、各帯状B相の幅が2mm〜20mmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の複相構造を持った不織布。
  5. 前記不織布が、疎水性の化合繊繊維からなるカードウェブと、親水性繊維からなるカードウェブとを重ね合わせ、低圧力水流で予備交絡させたA相に密着する前記帯状B相として、その各々が、さらに複数本の高圧水流によって水流交絡処理することにより形成されている請求項4に記載の複相構造を持った不織布。
  6. 前記水流交絡処理することにより形成された帯状B相の間隔が10mm以上である請求項4または5に記載の複相構造を持った不織布。
  7. 嵩高で見掛け密度の小さい水難透過性の部分(A相)と、このA相と密着し、前記A相よりも大きい見掛け密度の水易透過性の部分(B相)とから構成されている、透気性の優れた不織布の製造法において、
    疎水性の化合繊繊維からなるカードウェブと、親水性繊維からなるカードウェブとを重ね合わせ、両者を低圧力水流で予備交絡させてウェブを形成する工程と、
    前記ウェブに、所定間隔で高圧水流を当てる水流交絡処理により、A相と、このA相内に帯状の複数のB相を形成する水流交絡処理工程と、
    を備えていることを特徴とする複相構造を持った不織布の製造法。
  8. 前記水流交絡処理工程が、各帯状B相について複数本の近接する高圧水流により行われる請求項に記載の方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載された複相構造を持った不織布の嵩高な前記A相部分を主体に、高吸水性樹脂を固定した複合吸収体。
  10. 請求項に記載された前記複合吸収体を吸収体として用いて構成された吸収体製品。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載された複相構造を持った不織布をトップシートとして用いて構成された吸収体製品。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載された複相構造を持った不織布をバックシートとして用いて構成された吸収体製品。
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