JP5498562B2 - 不織布の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は不織布製造方法に関する。
使い捨ておむつ、パンティーライナー、及び生理用ナプキン等といった吸収性物品において、その機能に応じて、シート材の片面に突出した部分を配したものや、筋状に***した部分を配したもの、多数の小さな孔をあけたものなどが開発されている。
特許文献1には、1種または複数の3次元成形構造の形状に一致するように実質的に平坦な重合体フィルムの実質的に連続的なウエブを凹凸加工および穿孔するための方法および装置が開示されている。このウエブの成形構造は、大径第二開口を有し、その大径第二開口の底部は有孔壁によって閉鎖されているものである。この有孔壁は多数の小径第一開口を含むものである。この小径第一開口は穿孔であり高圧液体によりウエブを破断し穿孔されたものである。
また特許文献2には、繊維が自由度を有する状態で略シート状に形成された繊維集合体に、主に気体からなる流体を噴きあてて、所定の溝部、開口部または突起部の1または2以上が形成された不織布を製造する技術が開示されている。この製造方法では、所定の噴きあて手段により、繊維集合体の他の面側から主に気体からなる流体を噴きあてることで、繊維を移動、より分けて、溝部、開口部、突起部等を形成する。その後、凹凸形状を保持したまま所定の加熱装置により加熱処理することで繊維集合体に含まれる熱可塑性繊維を熱融着させて不織布を形成するものである。また、繊維集合体を支持する通気性支持部材は、該通気性支持部材における繊維集合体を支持する側が略平面状又は略曲面状であると共に、該略平面状又は略曲面状における表面は略平坦であるとされている。
さらに特許文献3には、中央部と中央部に隣接し、中央部より高さが高い両端部を有し、その中央部の全体には凸部と凹部とが分散されて形成されていて、凸部より凹部の繊維集合密度が低く、両端部の繊維集合密度が均一である不織布が開示されている。また、この製造方法として、凹凸を有する通気性コンベアに熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを載置し、繊維ウエブを載置した状態で搬送する間に繊維ウエブ表面に幅方向において不連続的に気体を噴射して、通気性コンベアの凹状部に繊維ウエブを追随させて基体を噴射した部位においてのみ繊維ウエブに凹凸状部を形成した後、繊維ウエブを加熱して熱可塑性繊維を融着し一体化するという製造方法が開示されている。
特開平08−226065号公報 特開2008−002034号公報 特開平04−024261号公報
特許文献1に開示された不織布では、上記大径の開口あるいは凹部が、ウエブ上に滴下された液体および固体を素早く配分して、小径の開口は液体を毛細管現象によって液体を完全に吸収してウエブを透過させ、着用者に快適な装着感を提供するとしている。しかし、大径第二開口が十分な面積的大きさを有していないため、軟便等の粘性の高い液体が供給された場合、大径第二開口にて十分に保持することが困難であり、漏れる場合がある。
特許文献2に開示された不織布では、繊維配向、繊維疎密又は繊維目付けの1又は2以上が調整された不織布を提供することができるとされている。しかし、軟便等の粘性の高い液体が供給された場合、溝部を伝って漏れる場合がある。
特許文献3に開示された不織布では、軟便等の粘性の高い液体が供給された場合、高粘性の液体が中央部の凹状部を透過して表面に流れることなく、またその液体の逆戻りを抑制することができるとされる。しかし、大量の軟便等の粘性の高い液体が供給された場合、中央部の凹状部からの透過では対応しきれず、表面を流れて漏れる場合がある。
吸収性物品の表面材として用いたときの軟便等の粘性の高い液体の漏れを抑制する不織布を提供することにある。
本発明の第1の不織布の製造方法は、複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置した支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送し、第1の熱風および第2の熱風を吹き付けて、第1凸部と該第1凸部に囲まれた第1凹部とが配された第1凹凸構造に賦形するとともに、前記第1凹部底面が第2凸部と第2凹部とが配され該第2凸部が前記第1凸部より高さが低い第2凹凸構造に賦形する工程を有し、前記第1の熱風を吹き出す第1ノズルと前記第2の熱風を吹き出す第2ノズルを有し、前記第1ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつける、または前記第1ノズルと前記支持体との間および前記第2ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつけ、前記繊維ウエブに前記繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上の前記第1の熱風を吹き付けて前記繊維ウエブを前記支持体の形状に沿わせて繊維同士を仮融着し、前記第1の熱風よりも高温の前記第2の熱風を吹き付けて前記仮融着させた形状を保持した状態で前記繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する不織布の製造方法を提供する。
本発明の不織布の製造方法によれば、繊維ウエブに第1の熱風および第2の熱風を吹き付けて、第1凸部とそれに囲まれた第1凹部とに賦形された第1凹凸構造に作製できる。それとともに、第1凹部底面を第1凸部とそれより高さが低い第2凸部とに賦形された第2凹凸構造に作製できる。よって、第2凹凸構造に軟便等の粘性の高い液が供給された場合、第2凹凸構造がある第1凹部内にその液が拡がるが、第1凸部によってその液の拡がりは堰き止められ、それ以上の拡がりを抑えることができる不織布を製造できる。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した図であり、(1)は平面図、(2)は第2凹凸構造の断面図、(3)は第2凹凸構造の部分斜視拡大図である。 第1実施形態の不織布の変形例を示した断面図である。 第2凹凸構造が配される第1凹部のパターン例を示した平面図である。 本発明に係る不織布の第2実施形態を示した図であり、(1)は平面図、(2)は第2凹凸構造の部分斜視図である。 本発明の不織布の製造装置の好ましい一実施形態(第1実施形態)を示した図面であり、(1)は概略構成図、(2)は支持体の拡大斜視図である。 第1実施形態の不織布を製造する支持体部を示した図面であり、(1)は支持体に配される支持体部を示した斜視図、(2)は支持体に取り付けた支持体部の拡大断面図である。 第2実施形態の不織布を製造する支持体部を示した図面であり、(1)は支持体に配される支持体部を示した斜視図、(2)は支持体に取り付けた支持体部の拡大断面図である。 本発明の不織布の製造装置の第2実施形態を示した概略構成図である。 液流れの評価方法を示した部分断面図であり、(1)は第1実施形態の不織布の評価方法を示した図面であり、(2)は第2実施形態の不織布の評価方法を示した図面である。 不織布と吸収体との接着性の評価方法を示した部分断面図である。 液流れの評価結果を示した部分断面図であり、(1)は第1実施形態の不織布の評価結果を示した図面であり、(2)は第2実施形態の不織布の評価結果を示した図面である。 本発明の吸収性物品としての使い捨ておむつの一例を示した部分切欠き図である。
本発明に係る不織布の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、図1を参照しながら、以下に説明する。
本発明の不織布10は例えば使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートに適用することが好ましく、第1面側Z1を着用者の肌面側に向けて用い、第2面側Z2を物品内部の吸収体(図示せず)側に配置して用いることが好ましい。以下、図面に示した不織布10の第1面側Z1を着用者の肌面に向けて用いる実施態様を考慮して説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。
図1に示すように、本発明の不織布10としての第1の不織布10Aは、シート状の不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出する第1凸部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2にへこむ複数の第1凹部12とを有している。各第1凹部12は、第1の不織布10Aの全面にわたって、例えば縦横に配されていて、各第1凹部12を囲むように第1凸部11が配されている。したがって、第1凸部11は連続して配されていることが好ましい。このように、第1凸部11と第1凹部12とで第1凹凸構造13が成されている。
また、第1凹部12の底面部は、第1凹部12の最下面SBを基準にして第1凸部11の高さH1より低い高さH2の第2凸部21と、第2凹部22とが配された第2凹凸構造23を成している。第2凹凸構造23は第2凹部22より第2凸部21が低密度で嵩高な不織布構造である。この第2凹凸構造23は、上記第1凹部12の底面内において、第2凸部21と第2凹部22とが異なる方向に交互に配列されているものである。
ここでは、第1面側Z1からみた第2凸部21が第1突出部21Aであり、また第2面側Z2からみた第2凹部22が第2突出部22Aとなる。したがって、第1突出部21Aと第2突出部22Aとは一部が共有されている。
上記第1突出部21Aの頂部(以下、第1突出部頂部ともいう。)21Tとその開口部21Hとの間に壁部21Wを有する。この壁部21Wは、第1突出部21Aにおいて環状構造を成している。
また第2突出部22Aの頂部(以下、第2突出部頂部ともいう。)22Tとその開口部22Hとの間に壁部22Wを有する。この壁部22Wは、第2突出部22Aにおいて環状構造を成している。
そして、壁部21Wと壁部22Wは少なくとも一部分を共有している。
ここでいう「環状」とは、平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、平面視において、円、楕円、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。シートの連続状態を好適に維持する上では円又は楕円が好ましい。さらに、「環状」を立体としていえば、円柱、斜円柱、楕円柱、切頭円錐、切頭斜円錐、切頭楕円錐、切頭四角錐、切頭斜四角錐など任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する上では、円柱、楕円柱、切頭円錐、切頭楕円錐が好ましい。
上述の例のように配設された第1、第2突出部21A、22Aを有する第1の不織布10Aは、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。
このように上記第1の不織布10Aは、面方向に連続した構造を有していることが好ましい。この「連続」とは、断続した部分や小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は上記小孔に含めない。上記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1mm以上のものと定義することができる。
さらに、第1凸部11の高さは、3mm以上10mm以下、好ましくは4mm以上9mm以下、より好ましくは6mm以上8mm以下とする。また、第2凸部21は、第1凸部11よりも2mm以上低く、好ましくは3mm以上低く、より好ましくは4mm以上低い高さであり、且つ、第2凸部21の高さH2が1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上を有する。これらの寸法とすることによって、肌触り感が良好で、軟便等の粘性の高い液の漏れを防止することができる。なお、上述の粘性の高い液とは、軟便、経血等の粘性の高い液(例えば、粘度が10mPa・s以上350mPa・s以下の液)をいう。
本発明の第1の不織布10Aに用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、下記の繊維などが挙げられる。ポリエチレン(PE)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維があり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の熱可塑性樹脂を単独で用いてなる繊維があり、また、芯鞘型、サイドバイサイド型等の構造の複合繊維がある。本発明では複合繊維を用いるのが好ましい。ここでいう複合繊維とは、高融点成分が芯部分で低融点成分が鞘部分とする芯鞘繊維、また高融点成分と低融点成分とが並列するサイドバイサイド繊維が挙げられる。その好ましい例として、鞘成分(低融点成分)がポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンである芯鞘構造の繊維が好ましく挙げられ、該芯/鞘構造の繊維の代表例としては、PET(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/PE(鞘)、ポリ乳酸(芯)/PE(鞘)、PP(芯)/低融点PP(鞘)等の芯鞘構造の繊維が挙げられる。さらに具体的には、上記構成繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン複合繊維を含むのが好ましい。ここで、該ポリエチレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンであり、該ポリプロピレン複合繊維の複合組成は、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリプロピレンであるのが好ましく、より具体的には、PET(芯)/PE(鞘)、PET(芯)/低融点PP(鞘)が挙げられる。また、これらの繊維は、単独で用いて不織布を構成してもよいが、2種以上を組み合わせた混繊として用いることもできる。
また、第1突出部21Aと第2突出部22Aとの繊維密度が異なっている。具体的には、第1突出部21Aの繊維密度が第2突出部22Aの繊維密度より低くなっている。
第1突出部(第2凸部)21Aにおける繊維密度は後述する測定方法において30本/mm以上130本/mm以下が好ましく、50本/mm以上100本/mm以下がより好ましい。第2突出部(第2凹部)22Aにおける繊維密度は後述する測定方法において250本/mm以上500本/mm以下が好ましく、300本/mm以上450本/mm以下がより好ましい。また、第1突出部(第2凸部)21Aにおける繊維密度と第2突出部(第2凹部)22Aにおける繊維密度の差は、150本/mm以上であることが好ましい。
このように繊維密度に差が生じていることから、第1の不織布10Aを吸収性物品の表面シートに用いた場合において、第1の不織布10Aの第1面側Z1から液体が供給された場合、肌に接触する第1突出部21Aへの液移行を防ぎ、毛管現象により吸収体に近い第2突出部22Aへの液移行を進めることになる。このため、第1の不織布10Aの表面側(第1面側Z1)の液残りが少なくなる。
次に、本実施形態の第1の不織布10Aにおける寸法諸元について以下に説明する。
シートの厚さについては、第1の不織布10Aの側面視としてみたときの全体の厚さをシート厚みTS(=H1)とし、その凹凸に湾曲したシートの局部的な厚さを層厚みTLとする。シート厚みTSは、用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm以上7mm以下が好ましく、1.5mm以上5mm以下がより好ましい。その範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、さらには、適度なクッション性を実現することができる。層厚みTLは、シート内の各部位において異なっていてよく、用途によって適宜調節すればよい。おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、第1突出部頂部21Tの層厚みTL1は0.1mm以上3mm以下であることが好ましく、0.4mm以上2mm以下がより好ましい。好ましい層厚みの範囲としては第2突出部頂部22Tの層厚みTL2および壁部21Wの層厚みTL3も同様である。各層厚みTL1、TL2、TL3の関係は、TL1>TL3>TL2であることが好ましい。これにより、第1突出部21Aにおいて、特に肌面側では、繊維密度が低く、良好な肌当たりを実現することができる。一方、第2突出部22Aは繊維密度が高くなり、潰れにくく、型崩れせずに良好なクッション性と液体の吸収速度に優れた不織布とすることができる。
平面視した上記第1突出部21Aと第2突出部22Aとの間隔は、用途によって適宜調節すればよく、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm以上15mm以下が好ましく、3mm以上10mm以下がより好ましい。また上記第1の不織布10Aの坪量は特に限定されないが、シート全体の平均値で15g/m以上50g/m以下が好ましく、20g/m以上40g/m以下がより好ましい。
また図2に示すように、上記第1の不織布10Aにおいては、第1凸部11は、第1面側Z1とは反対の第2面側Z2の一部が平坦面11Sであり、該平坦面11Sは、上記第2凹凸構造23が第2面側Z2で接する仮想平面Sと同一平面または該仮想平面Sより第2面側Z2に存することが好ましい。
この構成により、第1凸部11の平坦面11Sの部分で吸収体3との接触面積を確保することができるので、吸収体3に対して十分な接着面積の確保が可能になる。よって、吸収体3に対する表面材としての第1の不織布10Aの固定性を向上させることができ、第1の不織布10Aのよれや浮き上がりを防止して吸収性を向上させることができる。なお、吸収体3に第1の不織布10Aをしっかりと固定するために、第1の不織布10Aの端部にサイド不織布6を貼り付けることも好ましい。
次に、第2凹凸構造23が配される第1凹部22のパターン例を、図3を参照して説明する。
図3(1)に示すように、不織布10の平面視全面にわたって図面上縦長の長方形の第1凹部12が等間隔に縦横に配されている。また各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。なお、「第1凸部11が連続的」とは、第1凸部11が各第1凹部12を除いた状態において連なった1枚の不織布を形成している状態であることをいう。以下、同様である。
このような第1凹部12の配列では、縦横方向、特に横方向への液拡がりを抑制することができる。
図3(2)に示すように、不織布10の平面視全面にわたって図面上縦長の長方形の第1凹部12が等間隔に縦横にかつ縦方向に例えば1/2ピッチずつずらして配されている。また図示はしないが、第1凹部12を横方向に例えば1/2ピッチずつずらして配してもよい。さらに各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。
このような第1凹部12の配列では、縦横方向、特に横方向への液拡がりは図3(1)に示したパターンよりも抑制効果は大きい。
図3(3)に示すように、不織布10の平面視全面にわたって図面上横長の長方形の第1凹部12が等間隔に縦横に配されている。また図示はしないが、第1凹部12を縦方向または横方向に例えば1/2ピッチずつずらして配してもよい。さらに各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。
このような第1凹部12の配列では、縦横方向、特に縦方向への液拡がりを抑制することができる。
図3(4)に示すように、不織布10の平面視全面にわたって円形の第1凹部12が等間隔に縦横に配されている。図示はしないが、円形の代わりに長円形もしくは楕円形であってもよい。また縦方向もしくは横方向の配置は、例えば1/2ピッチずらして配してもよい。さらに各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。
このような第1凹部12の配列では、縦横方向均等な液拡がりを抑制することができる。
図3(5)に示すように、不織布10の平面視全面にわたってハート形の第1凹部12が等間隔に横方向に配列され、その横方向に配列されたハート形の第1凹部12の第1群が縦方向に上下互い違いにして配されている。すなわち、各ハート形の尖った側の第1群の各ハート形間に、別の第1群の各ハート形の尖った部分が入り込むように配されている。さらに、第1群の各ハート形の丸い側が別の第1群の各ハート形の丸い部分と対向するように配されている。また各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。
このような第1凹部12の配列では、見た目のデザイン性を高めることができる。また、縦横方向への液拡がりを抑制することができる。
図3(6)に示すように、不織布10の平面視全面にわたって図面縦方向に第1凹部12が縞状に等間隔に配されている。また各第1凹部12の周囲にはそれらを囲むように第1凸部11が連続的に配されている。
このような第1凹部12の配列では、横方向への液拡がりを抑制することができる。
上述した第1凹部12のパターン形状およびその配置例は一例であって、上記形状、配置例に限定されることはなく、適宜変更可能である。例えば、十字形、H字形、等、種々の形状であってもよい。さらには、ハート形とダイヤ形の組み合わせ、十字形と四角形の組み合わせ、等の異種形状を組み合わせてもよい。
本発明の上記第1実施形態の第1の不織布10Aは、以下のような効果を奏する。
上記第1の不織布10A(前記図1参照)は***物、特に軟便等の粘性の高い液の捕捉性に優れる。
本発明の第1の不織布10Aは、第1凸部11の高さH1より第2凸部21の高さH2の高さが低いことから、第2凹凸構造23に軟便等の液が供給された場合、第2凹凸構造23内に軟便等の粘性の高い液が拡がるが、第1凸部11によって、その液の拡がりは堰き止められるので、それ以上の拡がりを抑えることができる。
また第2凸部21は第2凹部22よりも低密度(第1突出部21Aの繊維密度<第2突出部22Aの繊維密度)で嵩高なウエブ賦形であることから、第2凹凸構造23に軟便等の液体が供給されると、第2凸部21よりその内部空間に導かれる。
さらに第1凸部11の繊維密度が均一であることから、部分的に液漏れすることがない。
上記第1の不織布10A(前記図1参照)は、優れたクッション性を有する。
本実施形態の第1の不織布10Aは表裏の片面だけではなく、両面において突出した部分を有するため、その構造に特有のクッション性を発現する。例えば筋状の突起や片面の突起ではどうしても線ないし面としての弾力性を発現することとなるが、本実施形態によれば三次元的な動きに対してもよく追従して両面において点で支持された立体的なクッション性を奏する。また、壁部21Wによって繊維が厚み方向に潰れてしまうことのない適度のクッション性を発現することができ、その形状復元力によって、梱包状態や着用が継続されても初期のクッション力が維持されやすくなる。すなわち、第1、第2突出部21A、22Aは、潰れ難く、変形が起こっても回復し易い。
上記第1の不織布10A(前記図1参照)は、肌触りに優れる。
本実施形態の第1の不織布10Aには両面方向に第1、第2突出部11A、21Aを有し、その頂部11T、21Tは丸みを帯びている。そのため、そのどちらの面を肌面側にしても、表面シートが肌に対して点で柔らかく接触する良好な肌触りが実現される。また、装着時の圧力に対しても接触する点が面状に増減することで肌触りを良好としながら、圧力に対する表面シート全体の形状変形を抑えることができ、また、圧力変形からの形状復元も容易にできる。上記の良好なクッション性に起因する作用もあり、点接触による動的な作用と相俟って、独特の良好な肌触りが得られる。また、***等を受けたときにも、上述した点接触が効果を奏し、サラッとした肌触りが実現される。
上記第1の不織布10A(前記図2参照)は、吸収体3に対する固定性に優れる。
第1凸部11の平坦面11Sの部分で吸収体3との接触面積を確保することができるので、吸収体3に対して十分な接着が可能になり、表面材としての固定性が向上する。このため、第1の不織布10Aのよれや吸収体3からの浮き上がりを防止することができる。
次に本発明に係る不織布の好ましい一実施形態(第2実施形態)について、図4を参照しながら、以下に説明する。
図4に示すように、本発明の不織布10としての第2の不織布10Bは、シートの不織布を平面視した側の第1面側Z1に突出する第1凸部11と、第1面側Z1とは反対側の第2面側Z2にへこむ複数の第1凹部12とを有している。各第1凸部11は、第2の不織布10Bの全面にわたって、例えば縦横に配されていて、各第1凸部11を囲むように第1凹部12が配されている。したがって、第1凹部12は連続して配されていることが好ましい。このように、第1凸部11と第1凹部12とで第1凹凸構造13が成されている。
また、第1凸部11の上面は、第2凸部21と第2凹部22が配された第2凹凸構造23を成している。第2凹凸構造23は第2凹部22より第2凸部21が低密度で嵩高なウエブ賦形である。この第2凹凸構造23は、上記第1凸部11の上面内において、第2凸部21と第2凹部22とが異なる方向に交互に配列されているものである。
上記第2凹凸構造23は前述の第1の不織布10Aと同様である。すなわち、第1面側Z1からみた第2凸部21が第1突出部21Aであり、また第2面側Z2からみた第2凹部22が第2突出部22Aとなっている。さらに第1突出部21Aにおいて環状構造の壁部21Wを有し、第2突出部22Aにおいて環状構造の壁部22Wを有し、壁部21Wと壁部22Wは一部分を共有している。
上述の例のように配設された第1、第2突出部21A、22Aを有する第2の不織布10Bは、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。
さらに、第1凹部12の深さは、1mm以上10mm以下、好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは3mm以上10mm以下とすることにより、軟便等の粘性の高い液の漏れを防止することができる。また、深さが10mm以下であることにより、立体形状が潰れにくく好ましい。また、第2凸部21は、1mm以上、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上の高さを有することにより、クッション性が良く肌触り感が良好になる。
また、第1凹部12の底面は、少なくともその一部が平坦面12Sとなっている。この平坦面12Sによって、第1凹部12の底面と吸収体3とが接着しやすくなり、表面材としての第2の不織布10Bの固定性が向上するので、第2の不織布10Bのよれや浮き上がりを防止することができる。なお、吸収体3に第2の不織布10Bをしっかりと固定するために、第2の不織布10Bの端部にサイド不織布6を貼り付けることも好ましい。
本発明の第2の不織布10Bに用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、前記第1の不織布10Aと同様の繊維が挙げられる。
また、第1突出部21Bと第2突出部22Bとの繊維密度が異なっている。具体的には、第1突出部21Bの繊維密度が第2突出部22Bの繊維密度より低くなっている。
第1突出部(第2凸部)21Bにおける繊維密度は後述する測定方法において30本/mm以上130本/mm以下が好ましく、50本/mm以上100本/mm以下がより好ましい。第2突出部(第2凹部)22Bにおける繊維密度は後述する測定方法において250本/mm以上500本/mm以下が好ましく、300本/mm以上450本/mm以下がより好ましい。また、第1突出部(第2凸部)21Bにおける繊維密度と第2突出部(第2凹部)22Bにおける繊維密度の差は、150本/mm以上であることが好ましい。
このように繊維密度に差が生じていることから、第2の不織布10Bを吸収性物品の表面シートに用いた場合において、第2の不織布10Bの第1面側Z1から液体が供給された場合、肌に接触する第1突出部21Aへの液移行を防ぎ、毛管現象により吸収体に近い第2突出部22Aへの液移行を進めることになる。このため、第2の不織布10Bの表面側(第1面側Z1)の液残りが少なくなる。
次に、本実施形態の第2の不織布10Bにおける寸法諸元について以下に説明する。
シートの厚さについては、第2の不織布10Bの側面視としてみたときの全体の厚さをシート厚みTS(=H1)とし、その凹凸に湾曲したシートの局部的な厚さを層厚みTLとする。シート厚みTSは、用途によって適宜調節すればよいが、おむつや生理用品等の表面シートとして用いる場合、1mm以上7mm以下が好ましく、1.5mm以上5mm以下がより好ましい。その範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、さらには、適度なクッション性を実現することができる。層厚みTLは、前述の第1の不織布10A(第1実施形態)と同様であり、シート内の各部位において異なっていてよく、用途によって適宜調節すればよい。
また、平面視した上記第1突出部21Aと第2突出部22Aとの間隔も前述の第1の不織布10A(第1実施形態)と同様である。
上記第2の不織布10Bの第2凹凸構造23に適用できるパターン例は、前記第1の不織布10Aに用いることができる第2凹凸構造23と同様なパターンを用いることができる。
上記第2の不織布10Bは、以下のような効果を奏する。
上記第2の不織布10Bは、***物、特に軟便等の粘性の高い液の捕捉性に優れる。
第2の不織布10Bは、第1凸部11の上面で第2凹凸構造23が作製されていることから、第2凹凸構造23に軟便等の液が供給された場合、第2凹凸構造23内である第1凸部11内に軟便等の粘性の高い液が拡がるが、第1凸部11の側壁部、すなわち第1凹部12の外側によって、その液の拡がりは堰き止められるので、それ以上の拡がりを抑えることができる。また、第2凹凸構造23の表面を流れた軟便等の粘性の高い液は第1凹部12内に流れ込み、それ以上の拡がりを防止することができる。
また第2凸部21は第2凹部22よりも低密度(第1突出部21Aの繊維密度<第2突出部22Aの繊維密度)で嵩高なウエブ賦形であることから、第2凹凸構造23に軟便等の液体が供給されると、第2凸部21より第1凸部11の内部空間に導かれ、貯えられる。
さらに第1凸部11の繊維密度が均一であることから、部分的に液漏れすることがない。
上記第2の不織布10Bは、前記第1の不織布10Aと同様に優れたクッション性を有し、肌触りに優れる。
次に、本発明に係る不織布の製造方法および製造装置の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、図5から図8に示した不織布の製造装置の概略構成図を参照しながら、以下に説明する。
まず、図5から図7を参照して、本発明に係る不織布の製造方法の実施に好ましく用いられる不織布の製造装置100について説明する。
図5から図7に示すように、不織布の製造装置100は、熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブ50を搬送するとともに賦形形状を付与する支持体110を有する。
この支持体110は、図示していない駆動装置によって回転されるドラム111とその表面に配された支持体部112を有している。この支持体部112の凹凸形状によって、前述の第1の不織布10A、第2の不織布10Bが作製される。また、ドラム111には表面全域にわたって通気部(図示せず)が配されている。
上記繊維ウエブ50は搬送部131としての搬送コンベアによって支持体110の表面に供給され、賦形された繊維ウエブ50は支持体110より案内部132としての案内ローラよって所定の方向に送り出される。
ここで支持体110について詳細に説明する。
図6に示すように、前述の不織布10Aを作製する際に用いる支持体110(110A)は、ドラム111の表面に、所定間隔を置いて支持体部112が配置されている。支持体部112には、例えば、支持体基部113の面内縦横に突起114と孔115とが交互に配されている。この支持体基部113の表面の高さは、ドラム111の表面より高さΔh1だけ高くなっている。この高さΔh1が存することによって、第1の不織布10Aを作製した際の第1凸部11の高さが第2凸部21の高さより高くなる。
また、ドラム111の通気部117は、ドラム111表面に支持体部112を配したときに上記孔115と連通するように配されている。
上記支持体110Aでは、支持体部112の所定間隔が第1の不織布10Aの第1凸部11を作り出し、支持体部112が第1の不織布10Aの第2凹部12、すなわち第2凹凸構造23の第2凸部21と第2凹部22を作り出すようになっている。
また図7に示すように、前述の第2の不織布10Bを作製する際に用いる支持体110(110B)は、ドラム111の表面に、所定間隔を置いて支持体部112が配置されている。支持体部112には、例えば、支持体基部113の面内縦横に突起114と孔115とが交互に配されている。また、ドラム111の通気部117は、ドラム111表面に支持体部112を配したときに上記孔115と連通するように配されている。さらに上記所定間隔の部分に、別の支持体116が配されている。この別の支持体116は、支持体112の高さよりΔh2だけ高くなっている。この高さΔh2が存することによって、第2の不織布10Bを作製した際に第1凸部11の周囲に第1凹部12が作られることになる。また支持体部112が第2の不織布10Bの第1凸部11、すなわち、第2凹凸構造23の第2凸部21と第2凹部22を作り出し、支持体部112の所定間隔に存する別の支持体116が第2の不織布10Bの第1凹部12を作り出すようになっている。
上記いずれの場合も突起114は、先端に向かうにしたがって先細りになる形状を有し、その先端部は丸みが形成されている、例えば紡錘形状を成す。その高さは不織布の用途、規格等により変わり、特に制限するものではないが、通常、3mm以上30mm以下に形成され、突起ピッチはMD方向に6mm以上15mm以下であり、CD方向に4mm以上8mm以下になっている。MD方向とは、繊維ウエブ50の搬送方向であり、CD方向とは支持体110の表面におけるMD方向に対して直行する方向をいう。この突起114は、その高さが低すぎては繊維ウエブ50に十分な凹凸を賦形することができず、高すぎると熱風を吹き付けたときに突起114が繊維ウエブ50を突き抜ける可能性がある。よって、突起114は、上記範囲の高さで適宜設定される。そして好ましくは、3mm以上10mm以下の高さに形成され、MD方向に6mm以上10mm以下に配され、CD方向に4mm以上6mm以下に配されている。
また上記孔115は、支持体110に配された複数の開口部からなり、その開口率が支持体110の表面積に対して20%以上45%以下に設定されている。この開口率は好ましくは25%以上40%以下に設定され、より好ましくは30%以上35%以下に設定される。開口率が20%未満では、繊維ウエブ50に十分な凹凸形状を賦形することが難しくなり、開口率が45%を超えると、熱風を吹き付けた際に繊維ウエブ50が支持体110の下に移行して支持体110から剥離しにくくなり、賦形形状の悪化や毛羽が形成されやすくなる可能性がある。
再び図5を参照する。上記支持体110は、回転することにより、支持体部112に配された突起114で繊維ウエブ50を掛け止めるようにして繊維ウエブ50を搬送する。支持体110の外方には、繊維ウエブ50の供給方向にそって順に、第1の熱風W1を吹き付ける第1ノズル121と、第2の熱風W2を吹き付ける第2ノズル122とが備られている。
第1ノズル121は、ヒータ123を備え、ヒータ123で加熱された第1の熱風W1を、通気性を有する通気コンベア133を通して支持体110の表面に対して、例えばほぼ垂直に吹き付ける。第1ノズル121の吹き付け孔は、好ましくは、MD方向における長さが1mm以上20mm以下で、CD方向における長さはウエブ幅以上、または賦形加工を行う幅である。吹き付け孔は、一列または多列のスリット形状、一列または多列に丸孔、長孔もしくは角孔が千鳥もしくは直列に配置した形状を有している。より好ましくは、MD方向における長さが2mm以上20mm以下の一列のスリット形状を有している。このように、第1ノズル121の吹き付け孔が形成されていることから、第1の熱風W1が繊維ウエブ50の表面の幅方向に均一な風速で吹き付けられる。この第1の熱風W1には、上記ヒータ123によって所定温度に加熱された空気、窒素または水蒸気を用いることができる。好ましくは、コストがかからない空気を用いる。
第1ノズル121から吹き付ける第1の熱風W1の温度は、繊維ウエブ50の繊維同士を凹凸形状が保持される状態に仮融着させる温度にヒータ123によって制御されている。また第1の熱風W1の風速は、支持体110の凹凸形状に沿うように適宜に調節される。
上記通気コンベア133は、第1の熱風W1が吹き付けられる位置の手前から吹き付けられた位置を過ぎるまで、繊維ウエブ50を支持体110との間で挟みつつ、支持体110の表面にそって繊維ウエブ50を送り側に搬送する。この通気コンベア133によって第1ノズル121から吹きつける第1の熱風W1による繊維ウエブ50の乱れ、飛散が防止できる。
第2ノズル122は、ヒータ124を備え、ヒータ124で加熱された第2の熱風W2を、支持体110の表面に対して、例えばほぼ垂直に吹き付ける。第2ノズル122の吹き付け孔は、幅方向、流れ方向に規則的に開孔しているパンチングメタルを使用することが望ましい。開孔率は、好ましくは10%以上40%以下であり、より好ましくは20%以上30%以下である。このように、第2ノズル122の吹き付け孔が形成されていることから、第2の熱風W2が繊維ウエブ50の表面の幅方向に均一な風速で吹き付けられる。この第2の熱風W2には、上記ヒータ124によって加熱された空気、窒素または水蒸気を用いることができる。好ましくは、コストがかからない空気を用いる。
第2ノズル122から吹きつける第2の熱風W2の温度は、ヒータ124によって、第1の熱風W1で仮融着された繊維ウエブ50の凹凸形状を保持した状態で繊維ウエブ50の繊維同士を融着させてその凹凸形状を固定する温度に制御されている。また第2の熱風W2の風速は、その目的を考慮して適宜に定められるが、風速が遅すぎると繊維への熱伝達ができず、繊維が融着せず凹凸形状の固定が不十分になる。一方、風速が速すぎると、繊維へ熱が当たりすぎるため、風合いが悪くなる傾向となることを考慮して決定される。
さらに、第1ノズル121の吹き出し方向には、第1ノズル121から通気コンベア133、繊維ウエブ50、支持体110を通して吹き付けられた第1の熱風W1を吸引する吸引部125が配されている。この吸引部125には、吸引された第1の熱風W1を排気する排気装置127が接続されている。またさらに、第2ノズル122の吹き出し方向には、第2ノズル122から繊維ウエブ50、支持体110を通して吹き付けられた第2の熱風W2を吸引する吸引部126が配されている。この吸引部126には、吸引された第2の熱風W2を排気する排気装置128が接続されている。また、何れの吸引部もCD方向の長さが適宜調整可能な構造とすることができる。このような吸引部126を配することにより、吹き付ける熱風の跳ね返り等によりウエブが乱れることを防止し、所望の形状に安定して賦形することができる。また、ドラム周りが高温になりすぎることを防止し、これと接するウエブが過度に融着して硬くなることを防止できる。さらに、ウエブを支持体に保持しやすくなり、搬送が容易になる。熱風温度の安定化、ユーティリティーのランニングコストを考えると熱風は循環して使用することが望ましい。
上述の第1実施形態の不織布の製造装置100では、第1ノズル121で第1の熱風W1を吹き付けて繊維ウエブ50の繊維同士を凹凸形状が保持される状態に仮融着させることができる。この状態で、第2ノズル122によって第2の熱風W2を吹き付けることから、繊維ウエブ50の繊維同士が融着され、凹凸形状を維持した状態で固定することができる。さらに、繊維ウエブ50に第1、第2の熱風W1、W2を吹き付けることから、熱により繊維ウエブ50の繊維が柔軟化されるので、支持体部112の表面形状に沿いやすくなり、凹凸形状の保持性がよくなる。その際、第1、第2の熱風W1、W2は、支持体部に形成された通気孔を通過することから、繊維ウエブ50を突起114の表面により沿わせ易くなる。その結果、賦形性のよい低密度で嵩高な不織布が得られる。
繊維ウエブ50は、第1ノズル121から吹き付ける第1の熱風W1により支持体110の凹凸形状に沿うよう変形かつ弱く繊維間固着され、第2ノズル122から吹き付ける第2の熱風W2によって熱融着して不織布とされる。ここで、支持体110の凹凸形状に沿うよう変形とは、支持体110の一部分において沿うように変形されていればよく、完全に支持体110Tの形状に接触していなくてもよい。繊維ウエブ50が支持体110の凹凸形状に沿いすぎた場合、前述した支持体110からの離間時に賦形形状の崩れや毛羽形成等の影響だけでなく、不織布の実質的な厚みが低下し繊維の融着点が増加する、支持体110との接触による過度な繊維融着が起こる等により、不織布から柔軟性が損なわれてしまう。そのため、支持体部112の突起114の先端と繊維ウエブ50は直接接触することが賦形性を良好とする点から好ましく、突起114の孔115側では繊維ウエブ50は支持体部112と離間して隙間を形成していることが不織布の柔軟性や低密度構造形成の点から好ましい。また、突起114の孔115側に該隙間を形成していることにより、第2の熱風W2が繊維ウエブ50の厚み方向に貫通し易くなることで、熱風吹き付け面側と支持体110側の繊維の融着状態に差が生じにくくなり、嵩高な構造が圧縮や引張等の変形に対しても回復され易く、毛羽となりにくい不織布となる。同様の観点から、さらに、孔115においても繊維ウエブ50との間に隙間を形成していることがより好ましい。
さらに、該隙間によって支持体110と直接接触した場合には、支持体110が各熱風によって繰り返し暖められているため、繊維ウエブ50の支持体110側の面で繊維の融着が過度に進んで表面が硬くなり、その結果風合いが悪化する。しかし、支持体110と離間させることで支持体110の熱による影響を低減できる。
また、支持体110がドラム状に形成されているので、装置構成を小型化でき、装置の占有面積を縮小化できる。また、支持体110がドラム形状に構成されているため、従来のコンベア式の支持体よりも賦形した繊維ウエブ50の繊維が支持体部112より剥離しやすくなる。
次に、本発明の不織布10の製造方法の実施に好ましく用いられる製造装置の別の一例について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、不織布の製造装置200は、前述の不織布の製造装置100において、通気コンベア133の配置が異なるものであり、その他の構成部品は前述の不織布の製造装置100の構成部品と同様である。すなわち、通気コンベア133は、第1の熱風W1が吹き付けられる位置の手前から第2の熱風W2が吹き付けられた位置を過ぎるまで、繊維ウエブ50を支持体110との間で挟みつつ、支持体110の表面にそって繊維ウエブ50を送り側に搬送するものである。この通気コンベア133によって第1ノズル121から吹きつける第1の熱風W1および第2ノズル122か吹きつける第2の熱風W2による繊維ウエブ50の乱れ、飛散が防止できる。さらに不織布の製造装置200は、前述の不織布の製造装置100と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明に係る不織布の製造方法の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、前述の図5および図6を参照しながら、以下に説明する。
第1実施形態の不織布の製造方法は、前述の不織布の製造装置100または200によって実現される。ここでは、一例として不織布の製造装置100を用いた場合を説明する。なお、不織布の製造装置200を用いた場合も同様の製造方法になる。
まず、搬送部131によって繊維ウエブ50を支持体110の突起114が形成された表面に搬送する。
繊維ウエブ50の繊維に用いることができる繊維材料は特に限定されない。具体的には、前述の繊維などが挙げられる。また繊維ウエブ50の坪量は、特に限定されないが、10g/m以上50g/m以下が好ましく、20g/m以上40g/m以下であることがより好ましい。
そして支持体110表面に搬送された繊維ウエブ50をさらに通気コンベア133と支持体110とによって挟むようにして搬送する。このとき、支持体110の回転時の周速度と通気コンベア133の搬送速度とが一致するように、双方を制御することが好ましい。
次に第1ノズル121より第1の熱風W1を吹き付け、通気コンベア133を通して繊維ウエブ50に吹き付ける。このとき、第1の熱風W1は、支持体110の表面に対して垂直方向から吹き付ける。また第1ノズル121の吹き出し数は繊維ウエブ50の搬送方向にそって複数個所としてもよい。この第1の熱風W1によって、支持体110の突起114の形状に沿った凹凸形状に繊維ウエブ50が賦形される。繊維ウエブ50の繊維同士の融着は、その凹凸形状が維持できる程度の仮融着でよい。
このとき、第1の熱風W1の温度は、繊維の種類、加工速度、熱風の風速などによって変わるので一義的に定めることはできないが、繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上とすることが好ましく、この融点より15℃高い温度以下の温度に制御することが好ましい。より好ましくは低融点成分の融点より50℃低い温度以上この融点より10℃高い温度以下に制御する。例えば低融点成分として融点132℃のポリエチレンを用いた場合には、好ましい温度範囲は、72℃以上147℃以下、より好ましくは82℃以上142℃以下となる。
なお、第1の熱風W1の温度が繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度より低すぎる場合、繊維の戻りが生じ賦形性が悪くなる。他方、繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点より15℃高い温度より高すぎると、繊維同士が一気に融着し、自由度の低下により賦形性が損なわれることとなる。
また第1の熱風W1の風速は適宜に調節されるが、好ましくは、10m/sec以上120m/sec以下の風速に制御する。第1ノズル121から吹き付ける第1の熱風W1の風速が遅すぎると繊維が十分に支持体に沿わないことおよび繊維の融着が弱く賦形ができず、嵩高な凹凸形状とならない。一方、風速が速すぎると、繊維ウエブ50の繊維が支持体部112の突起114により選り分けられ、繊維が支持体の形状に沿った凹凸形状にならず、また開孔した不織布となる。よって、第1の熱風W1の風速は上記の範囲とするのが好ましい。またより好ましくは、20m/sec以上80m/sec以下とし、特に好ましくは40m/sec以上60m/sec以下とする。
そして繊維ウエブ50を通過した第1の熱風W1は、支持体110の孔115を通して吸引部125より排気装置127によって外部に排気される。
次に、繊維ウエブ50を支持体110の回転とともに第2ノズル122の第2の熱風W2の吹き付け位置まで搬送する。そして、第2ノズル122によって第2の熱風W2を吹き付け、繊維ウエブ50の凹凸形状を保持した状態で繊維ウエブ50の繊維同士を融着させて凹凸形状を固定する。この第2の熱風W2は、支持体110の表面に対して垂直方向から吹き付ける。また第2ノズル122の吹き出し数は繊維ウエブ50の搬送方向にそって複数個所とすることが好ましい。
第2の熱風W2の温度は、繊維の種類、加工速度、熱風の風速などによって変わるので一義的に定めることはできないが、ヒータ124によって、第1の熱風W1で仮融着された繊維ウエブ50の凹凸形状を保持した状態で繊維ウエブ50の繊維同士を融着させてその凹凸形状を固定する温度に制御することが好ましい。例えば、繊維ウエブ50の繊維は低融点成分とこの低融点成分より融点の高い高融点成分を有する複合繊維である場合、第2の熱風W2は、繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点以上、繊維ウエブ50の繊維の高融点成分の融点未満、好ましくは低融点成分の融点より40℃高い温度以下の温度の熱風に制御することが好ましい。より好ましくは低融点成分の融点以上この融点より20℃高い温度以下、さらに好ましい温度として低融点成分の融点以上この融点より15℃高い温度以下に制御する。例えば低融点成分として融点132℃のポリエチレンを用いた場合には、より好ましい温度範囲は132℃以上152℃以下、さらに好ましくは132℃以上147℃以下となる。
なお、第2の熱風W2の温度が繊維ウエブ50の繊維の低融点成分の融点未満であると、凹凸形状の保持性が不十分になる。他方、180℃を超える温度であると、風合いが悪くなる。
また第2ノズル122から吹き付けられる第2の熱風W2の風速もその目的を考慮して適宜に定められるが、好ましくは、1m/sec以上10m/sec以下の風速に制御される。第2ノズル122から吹き付ける第2の熱風W2の風速が遅すぎると繊維への熱伝達ができず、繊維が融着せず凹凸形状の固定が不十分になる。一方、風速が速すぎると、繊維へ熱が当たりすぎるため、風合いが悪くなる傾向となる。よって、第2の熱風W2の風速は上記の範囲とするのが好ましい。より好ましくは、1m/sec以上8m/sec以下とし、特に好ましくは2m/sec以上6m/sec以下とする。
その後、賦形された繊維ウエブ50は支持体110より案内部132としての案内ローラよって所定の方向に送り出される。
上述の第1実施形態の不織布の製造方法では、第1の熱風W1の吹き付けにより繊維ウエブ50の繊維同士を凹凸形状が保持される状態に仮融着させてから、第2の熱風W2の吹き付けにより凹凸形状を保持した状態で繊維ウエブ50の繊維同士を融着させるので、その凹凸形状に固定することができる。また、第1の熱風W1による熱により繊維ウエブ50の繊維が柔軟化されるので支持体110の突起114の形状に沿いやすくなり、凹凸形状の保持性がよくなる。その結果、賦形性のよい低密度で嵩高な不織布が得られる。
次に、本発明に係る不織布の製造方法の第2実施形態については、前述の図7に示した支持体110Bを用いること以外、上述の第1実施形態の不織布の製造方法と同様である。したがって、第1の熱風W1を繊維ウエブ50に吹き付けて、繊維ウエブ50の繊維同士を仮融着し、支持体110の支持体部112および別の支持体部116の形状に沿った凹凸形状に繊維ウエブ50を賦形する工程、第2の熱風W2を繊維ウエブ50に吹き付け、繊維同士を融着させて凹凸形状を固定する工程は、前述と同様である。
この第2実施形態の不織布の製造方法は、前述の第1実施形態の不織布の製造方法と同様な作用が得られ、同様の効果を奏する。
上記第1および第2実施形態の不織布の製造方法では、上記作用効果の他に、第1の熱風W1および第2の熱風W2が外部に排気されることから装置周囲に拡散することがないので、装置周囲の雰囲気の温度上昇を防止することができる。よって、装置周辺で作業するオペレータ等の作業の安全が確保できる。
次に、本発明に係る吸収性物品の好ましい一実施形態について、図12を参照しながら、以下に説明する。なお、図示した吸収性物品は、一例としてテープ型の乳幼児用使い捨ておむつであり、平面に展開した状態の使い捨ておむつを多少曲げて内側(肌当接面側)からみた状態で示している。
図12に示すように、本発明の使い捨ておむつ5に使用される吸収性本体4は以下の基本構成を有する。すなわち、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1と、非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シート2と、表面シート1と裏面シート2との間に介在される液保持性を有する吸収体3とを有する。
表面シート1には上記実施形態の不織布10が適用されている。裏面シート2は展開状態で、その両側縁が長手方向中央部Cにおいて内側に括れた形状を有しており、1枚のシートからなるものであっても、複数のシートからなるものであってもよい。本例においては、サイドシート6がなす横漏れ防止ギャザー7が設けられており、これにより着用者の運動等による股関節部分における液体等の横漏れを効果的に防止しうる。なお、図12においては各部材の配置関係や境界を厳密には図示しておらず、この種のおむつの一般的な形態とされていれば特にその構造は限定されない。
上記使い捨ておむつ5はテープ型のものとして示しており、背側Rのフラップ部にはファスニングテープ8が設けられている。ファスニングテープ8を腹側Fのフラップ部に設けたテープ貼付部(図示せず)に貼付して、おむつを装着固定することができる。このとき、おむつ中央部Cを緩やかに内側に折り曲げて、吸収体3が臀部から下腹部にわたって沿わされるように着用する。これにより***物が的確に吸収体3に吸収保持される。このような形態で用いることにより、特に不織布10を表面シート1として適用したことにより、軟便等の粘性の高い液の液流れを所定の位置で止めることができ、しかも肌触りが柔らかでしなやかな風合いの良さを示す。
吸収性本体4の形状は、装着時に着用者の股下部分を介して下腹部側から臀部側へと配される長手方向とこれと直交する幅方向とを有する縦長の形状である。本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌当接面側または表面側といい、その反対側を非肌当接面側または裏面側という。さらに吸収性本体4の平面視において相対的に長さのある方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。上記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
表面シート1は、前述の本発明の不織布10で構成される、親水性不織布であることが好ましい。親水性不織布としては、その繊維がポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく使用できる。
上記裏面シート2は、防水性があり透湿性を有していれば特に限定されない。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラーまたは相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸または二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高密度ないし低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独でまたは混合して用いることができる。
吸収体3には、例えば、繊維集合体またはこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m以上500g/m以下が好ましい。また吸収体3を被覆する被覆シートを用いることもできる。この被覆シートには、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布(スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド(SMMS)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SSMS)等の複合不織布)等を用いることができる。
本発明の使い捨ておむつ5は、軟便等の粘性の高い液が供給された場合であっても、表面シート1としての本発明の不織布10の第1凸部11(前記図1参照)によって、液流れを防止することができる。
上述した実施形態に関し、さらに以下の付記(不織布、不織布の製造方法、吸収性物品および使い捨ておむつ)を開示する。
<1>シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出する第1凸部と、前記第1凸部に囲まれた第1凹部とが配された第1凹凸構造と、
前記第1凹部底面は前記第1面側に突出する第2凸部と前記第1面側とは反対側の第2面側に突出する第2凹部とが配され該第2凸部が前記第1凸部より高さが低い第2凹凸構造を成し、
前記第2凸部は前記第2凹部より低密度である不織布。
<2>前記第2凹凸構造は、前記第1凹部の底面内において、第2凸部と第2凹部とが異なる方向に交互に配列されている<1>に記載の不織布。
<3>前記第2凸部は、前記第1凸部よりも2mm以上低い<1>又は<2>に記載の不織布。
<4>前記第2凸部の密度は前記第2凹部の密度より150本/mm以上高い<1>から<3>のいずれかに記載の不織布。
<5>前記第1凸部は、前記第1面側とは反対の第2面側の一部が平坦面であり、
前記平坦面は、前記第2凹凸構造が前記第2面側で接する仮想平面と同一平面または前記仮想平面より第2面側に存する<1>から<4>のいずれか1に記載の不織布。
<6>前記不織布の平面視全面にわたって縦長の長方形の前記第1凹部が等間隔に縦横に配され、前記各第1凹部の周囲にはそれらを囲むように前記第1凸部が連続的に配されている<1>から<5>のいずれか1に記載の不織布。
<7>前記不織布の平面視全面にわたって縦長の長方形の前記第1凹部が等間隔に縦横にかつ縦方向に1/2ピッチずつずらして配され、前記各第1凹部の周囲にはそれらを囲むように前記第1凸部が連続的に配されている<1>から<5>のいずれか1に記載の不織布。
<8>前記不織布の平面視全面にわたって円形の前記第1凹部が等間隔に縦横に配され、前記各第1凹部の周囲にはそれらを囲むように前記第1凸部が連続的に配されている<1>から<5>のいずれか1に記載の不織布。
<9>前記不織布の平面視全面にわたって縦方向に前記第1凹部が縞状に等間隔に配され、前記各第1凹部の周囲にはそれらを囲むように前記第1凸部が連続的に配されている<1>から<5>のいずれか1に記載の不織布。
<10>シート状の不織布を平面視した側の第1面側に突出する第1凸部と、前記第1凸部を囲む第1凹部が配された第1凹凸構造と、
前記第1凸部上面が前記第1面側に突出する第2凸部と前記第1面側とは反対側の第2面側に突出する第2凹部を配した第2凹凸構造を成し、
前記第2凹部は前記第1凸部より低密度である不織布。
<11>前記第2凸部における繊維密度と前記第2凹部における繊維密度の差は、150本/mm以上である<10>に記載の不織布。
<12>前記第1凹部は、前記第1面側とは反対の第2面側の少なくとも一部が平坦面である<10>または<11>に記載の不織布。
<13>複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置した支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送し、第1の熱風および第2の熱風を吹き付けて、第1凸部と該第1凸部に囲まれた第1凹部とが配された第1凹凸構造に賦形するとともに、前記第1凹部底面を第2凸部と第2凹部とが配され該第2凸部が前記第1凸部より高さが低い第2凹凸構造に賦形する工程を有し、
前記繊維ウエブに前記繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上の前記第1の熱風を吹き付けて前記繊維ウエブを前記支持体の形状に沿わせて繊維同士を仮融着し、前記第1の熱風よりも高温の前記第2の熱風を吹き付けて前記仮融着させた形状を保持した状態で前記繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する不織布の製造方法。
<14>前記支持体上に前記繊維ウェブを搬送し、前記第1の熱風を吹きつけることにより、前記第1凹凸構造及び第2凹凸構造の形状が保持される状態に仮融着し、前記第2の熱風により、繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する、<13>に記載の不織布の製造方法。
<15>前記支持体の前記所定間隔により前記第1凸部を形成し、前記支持体基部により、第2凹凸構造を有する第1凹部を形成する、<13>又は<14>に記載の不織布の製造方法。
<16>前記孔の開孔率が好ましくは20%以上45%以下、より好ましくは25%以上40%以下、さらに好ましくは30%以上35%以下にである<13>から<15>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<17>複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置するとともに該支持体部間に該支持体より高さが高い別の支持体部を配し、両支持体部を配した支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送し、第1の熱風および第2の熱風を吹き付けて、第1凹部と該第1凹部に囲まれた第1凸部とが配された第1凹凸構造とともに前記第1凸部上面を第2凸部と第2凹部が配された第2凹凸構造に賦形する工程を有し、
前記繊維ウェブに、前記繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上の前記第1の熱風を吹き付けて前記繊維ウエブを前記支持体の形状に沿わせて繊維同士を仮融着し、前記第1の熱風よりも高温の前記第2の熱風を吹き付けて前記仮融着させた形状を保持した状態で前記繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する不織布の製造方法。
<18>前記支持体上に前記繊維ウエブを搬送し、前記第1の熱風を吹きつけることにより、前記第1凹凸構造及び第2凹凸構造の形状が保持される状態に仮融着し、前記第2の熱風により、繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する、<17>に記載の不織布の製造方法。
<19>前記支持体はドラム形状を有する<13>から<18>のいうちのいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<20>前記第1の熱風を吹き出す第1ノズルと前記第2の熱風を吹き出す第2ノズルを有し、前記第1ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつける、または前記第1ノズルと前記支持体との間および前記第2ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつける<13>から<18>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<21>前記第1の熱風の温度は、繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上とすることが好ましく、低融点成分の融点より50℃低い温度以上とすることがより好ましく、この融点より15℃高い温度以下に制御することが好ましく、この融点より10℃高い温度以下の温度に制御することがより好ましい<13>から<20>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<22>前記第2の熱風の温度は、好ましくは繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点以上、繊維ウエブ50の繊維の高融点成分の融点未満、好ましくは低融点成分の融点より40℃高い温度以下、より好ましくは低融点成分の融点以上この融点より20℃高い温度以下、さらに好ましい温度として低融点成分の融点以上この融点より15℃高い温度以下に制御する、<13>から<21>のいずれか1に記載の不織布の製造方法。
<23>複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置した支持体と、前記支持体上に搬送された熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブに第1の熱風を吹き付ける第1ノズルと、前記繊維ウエブに前記第1の熱風よりも高温の第2の熱風を吹き付ける第2ノズルとを有し、
前記支持体部とこれより高さの低い前記支持体と間隔によって前記繊維ウエブに第1凸部と第1凹部が賦形された第1凹凸構造が作製され、前記支持体部の前記突起と前記孔によって前記繊維ウエブに前記第1凸部より高さが低い第2凸部と第2凹部が賦形された第2凹凸構造が作製される不織布の製造装置。
<24>複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置するとともに、前記支持体部間に前記支持体よりも高さの高い別の支持体部を配置した支持体と、前記支持体上に搬送された熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブに第1の熱風を吹き付ける第1ノズルと、前記繊維ウエブに前記第1の熱風よりも高温の第2の熱風を吹き付ける第2ノズルとを有し、
前記支持体部とこれよりも高さの高い別の支持体部によって前記繊維ウエブに第1凸部が賦形され、前記別の支持体部によって前記繊維ウエブに第1凹部が賦形された第1凹凸構造が作製され、前記支持体部の前記突起と前記孔によって前記繊維ウエブに前記第1凸部より高さが低い第2凸部と第2凹部が賦形された第2凹凸構造が作製される不織布の製造装置。
<25>肌当接面側に配置される液透過性の表面シートと、非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シートと、前記両シート間に介在される吸収体とを有し、
前記表面シートは、<1>から<12>のいずれか1に記載の不織布からなる吸収性物品。
<26>肌当接面側に配置される液透過性の表面シートと、非肌当接面側に配置される液不透過性の裏面シートと、前記両シート間に介在される吸収体とを有し、
前記表面シートは、<1>から<12>のいずれか1に記載の不織布からなる使い捨ておむつ。
以下に、不織布の実施例および比較例を説明する。
実施例1は、前述の第1実施形態の製造方法により以下の条件で製造した。すなわち、繊維ウエブ50の繊維には、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点が255℃)で、鞘部がポリエチレン(融点が132℃)の芯鞘構造の複合繊維を用いた。その繊維ウエブ50を支持体110と通気コンベア133とにより搬送し、支持体110の表面で第1の熱風W1、第2の熱風W2を吹き付けることによって凹凸形状に賦形させた。第1ノズルから吹き出す第1の熱風W1は、温度を130℃、風速を50m/secに設定し、第2ノズルから吹き出す第2の熱風W2は、温度を145℃、風速を5.0m/secに設定した。凹凸形状に加工する加工速度は50m/minとした。また支持体部112は所定間隔(15mm)に配置されている。ドラム111の表面からの支持体基部113の表面の高さΔh1を3mmとした。上記条件にて不織布の試験体を製造した。
実施例2は、Δh1を1.5mmとした以外、実施例1と同様の方法により製造した。
実施例3は、Δh1を4.5mmとした以外、実施例1と同様の方法により製造した。
実施例4は、前述の第2実施形態の製造方法により以下の条件で製造した。すなわち、繊維ウエブ50の繊維には、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点が255℃)で、鞘部がポリエチレン(融点が132℃)の芯鞘構造の複合繊維を用いた。その繊維ウエブ50を支持体110と通気コンベア133とにより搬送し、支持体110の表面で第1の熱風W1、第2の熱風W2を吹き付けることによって凹凸形状に賦形させた。第1の熱風W1は、温度を130℃、風速を50m/secに設定し、第2の熱風W2は、温度を145℃、風速を5.0m/secに設定した。凹凸形状に加工する加工速度は50m/minとした。また支持体部112は所定間隔(15mm)に配置され、その間に別の支持体116が配されている。別の支持体116の高さと支持体112の高さとの差Δh2を3mmとした。上記条件にて不織布の試験体を製造した。
実施例5は、Δh2を1.5mmとした以外、実施例1と同様の方法により製造した。
実施例6は、Δh2を4.5mmとした以外、実施例1と同様の方法により製造した。
比較例1は、前述の特許文献2に開示された不織布の製造方法により不織布の試験体を製造した。
比較例2は、実施例1と同様の熱可塑性繊維を用い、前述の特許文献3に開示された不織布の製造方法により不織布の試験体を製造した。
参考例は、支持体部112を配置する際に間隔を開けずに配置した以外、前述の実施例1と同様の条件にて不織布の試験体を製造した。
次に測定方法について説明する。
第1の熱風W1の温度は、アネモマスター(日本カノマックス株式会社製:商品名)により第1ノズル111の吹き出し口の直下で測定し、第1の熱風W1の風速は、ピトー管により第1ノズル111の吹き出し口の直下で総圧から静圧を引き動圧を測定し、ピトー管による流速計算式より求めた。第2の熱風W2の温度は、上記アネモマスターにより第2ノズル112の吹き出し口直下で測定した。
不織布の厚みの測定方法は、不織布に0.05kPaの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン社製のレーザー変位計を用いた。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
第1実施形態の不織布10Aの場合、実質的に、第1凹凸構造13の厚みは第1凸部11の高さH1になり、第2凹凸構造23の厚みは第2凸部21の高さH2になる。また、第2実施例の不織布10Bの場合、実質的に、第1凹凸構造13の厚みは第1凸部11と第2凹凸構造23とを合わせた高さになり、第2凹凸構造23の厚みは不織布10Aと同様に第1凸部11の高さになる。
段差は、第1凹凸構造13の厚みから第2凹凸構造23の厚みを引いて求めた。
繊維密度の測定方法は、不織布部分の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30本以上60本以下程度の計測できる倍率(150倍以上500倍以下)に調整(本実施例については400倍とした)し、一定面積あたりの前記切断面によって切断されている繊維の断面積が表れている箇所を数えた。次に1mmあたりの繊維の断面数に換算し、これを繊維密度(本/mm)とした。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とした。なお、走査電子顕微鏡には、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いた。
賦形された不織布について、不織布の風合い、軟便の液流れ、吸収体との接着性について、以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
軟便の液流れの測定方法は、第1実施形態の不織布10Aの場合、図9(1)に示すように、30°の平坦な傾斜面に吸収体3(花王株式会社製メリーズ(商標登録)2011年製造の吸収体)を置く。さらにその上に不織布の試験体30A(不織布10A)を置く。そして不織布の試験体30Aの上方1cmから10gの疑似軟便60を供給し、不織布の試験体30A上を流れた距離を測定した。なお、実施例1の不織布の試験体の場合、第1凸部11から斜め上方150mmの位置に疑似軟便が供給されるようにした。
第2実施形態の不織布10Bの場合は、図9(2)に示すように、30°の平坦な傾斜面に吸収体3(花王株式会社製メリーズ(商標登録)の吸収体)を置く。さらにその上に不織布の試験体30B(不織布10B)を置く。そして不織布の試験体30Aの上方1cmから10gの疑似軟便60を供給し、不織布の試験体30A上を流れた距離を測定した。なお、実施例1の不織布の試験体の場合、第1凹部12の幅方向上端から斜め上方150mmの位置に疑似軟便が供給されるようにした。第1凹部12の幅方向の長さは15mmである。したがって、疑似軟便60の供給位置から第1凹部12の幅方向下端までの距離は165mmである。
疑似軟便60は、室温20℃、湿度60%の環境下において、グリセリン100%にイオン交換水を添加することにより粘度を300mPa・sに調整したものを用いた。
また、軟便液流れの測定も同環境下にて行った。
不織布の風合いは、5人のモニターを対象として、肌触りとしなやかさで判定した。肌触りが非常に柔らかく、しなやかのものを4、肌触りが柔らかく、しなやかのものを3、肌触りがふつうで、しなやかのものを2、肌触りが堅く、しなやかさに欠けるものを1として点数付けし、結果は、5人の平均値を下記のように評価した。
評価結果
A:判定平均2.5以上3.5未満
B:判定平均1.5以上2.5未満
軟便の液流れは、疑似軟便を供給した位置から流れ落ちた距離を測定した。
吸収体との接着性の評価方法は、図10に示すように、30°の平坦な傾斜面に吸収体3(花王株式会社製メリーズ(商標登録)2011年製造の吸収体)を置く。この吸収体3の表面に、ホットメルト接着剤(図示せず)をスパイラル状に塗布した直後にこのホットメルト接着剤を介して不織布の試験体30を貼り合わせた。ホットメルト接着剤の塗布量は10g/cmとした。貼り合わせた状態で30分放置した後、傾斜面上端側の不織布の試験体30の端部を傾斜面にそって下方に向かって剥がし、以下のように評価した。
評価結果
A:しっかり接着していて剥がれ難い
B:接着があまく剥がし易い
Figure 0005498562
表1に示した結果から明らかなように、実施例1の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは6.75mm、第2凹凸構造23の厚みは3.09mm、したがって、段差は3.66mmであった。また、第1凸部11の繊維密度は84本/mm、第2凸部21の繊維密度は82本/mm、第2凹部22の繊維密度は435本/mmであった。また肌触りが柔らかく、しなやかであり、風合いが良かった(評価「A」)。図11(1)に示すように、疑似軟便60の液流れは、150mmであり、不織布10Aや吸収体3で吸収しきれなかった疑似軟便60が不織布10Aの表面を流れるが、第1凸部11で流れを止めることができた。また、吸収体との接着性は、不織布の試験体がしっかり接着していて剥がれ難かった(評価「A」)。
実施例2の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは5.16mm、第2凹凸構造23の厚みは3.02mm、したがって、段差は2.14mmであった。また、第1凸部11の繊維密度は82本/mm、第2凸部21の繊維密度は82本/mm、第2凹部22の繊維密度は442本/mmであった。また、風合い、軟便の液流れおよび吸収体との接着性は、実施例1と同じ評価結果となった。
実施例3の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは8.11mm、第2凹凸構造23の厚みは3.03mm、したがって、段差は5.08mmであった。また、第1凸部11の繊維密度は85本/mm、第2凸部21の繊維密度は84本/mm、第2凹部22の繊維密度は446本/mmであった。また、風合い、軟便の液流れ、および吸収体との接着性は、実施例1と同じ評価結果となった。
実施例4の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは6.54mm、第2凹凸構造23の厚みは3.27mm、したがって、段差は3.27mmであった。また、第1凹部12の繊維密度は82本/mm、第2凸部21の繊維密度は80本/mm、第2凹部22の繊維密度は442本/mmであった。また肌触りが柔らかく、しなやかであり、風合いが良かった(評価「A」)。図11(2)に示すように、疑似軟便60の液流れは、165mmであり、不織布10Bや吸収体3で吸収しきれなかった疑似軟便60が不織布10Bの表面を流れるが、第2凹部22で流れを止めることができた。また、吸収体との接着性は、実施例1と同じ評価結果となった。
実施例5の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは4.99mm、第2凹凸構造23の厚みは3.11mm、したがって、段差は1.88mmであった。また、第1凹部12の繊維密度は88本/mm、第2凸部21の繊維密度は84本/mm、第2凹部22の繊維密度は455本/mmであった。また、風合い、軟便の液流れおよび吸収体との接着性は、実施例4と同じ評価結果となった。
実施例6の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、第1凹凸構造13の厚みは8.11mm、第2凹凸構造23の厚みは3.05mm、したがって、段差は5.06mmであった。また、第1凹部12の繊維密度は83本/mm、第2凸部21の繊維密度は84本/mm、第2凹部22の繊維密度は460本/mmであった。また、風合い、軟便の液流れおよび吸収体との接着性は、実施例4と同じ評価結果となった。
比較例1の試験体は、繊維ウエブの坪量は27g/m、第1凹凸構造の厚みは1.3mmであった。また、第1凸部の繊維密度は65本/mm、第2凸部の繊維密度は0本/mmであった。また、風合いの評価は「B」であり、吸収体との接着性の評価は「A」であったが、軟便の液流れは350mm以上であり、液流れを止めることができなかった。
比較例2の試験体は、繊維ウエブの坪量は27g/m、第1凹凸構造の厚みは5.5mmであった。また、第1凸部の繊維密度は80本/mm、第2凸部の繊維密度は0本/mmであった。また、風合いの評価は「A」であり、吸収体との接着性の評価は「A」であったが、軟便の液流れは350mm以上であり、液流れを止めることができなかった。
参考例の試験体は、繊維ウエブ50の坪量は30g/m、不織布(実施例1の第2凹凸構造23に相当)の厚みは3.14mmであった。また実施例1と同様に風合いは良かった(評価「A」)が、吸収体との接着性は、接着があまく剥がし易かった(評価「B」)。さらに軟便の液流れが220mmであり、不織布の途中で液流れを止めることができなかった。
以上説明したように、本発明は、軟便等の粘性の高い液の液流れを所定の位置で止めることができ、しかも肌触りが柔らかでしなやかな風合いの良い不織布を得ることができる。
1 表面シート
2 裏面シート
3 吸収体
4 吸収性本体
5 使い捨ておむつ
6 サイドシート
7 横漏れ防止ギャザー
8 ファスニングテープ
10 不織布
10A 第1の不織布
10B 第2の不織布
11 第1凸部
12 第1凹部
13 第1凹凸構造
21 第2凸部
22 第2凹部
23 第2凹凸構造
50 繊維ウエブ
100,200 不織布の製造装置
110 支持体
111 ドラム
112 支持体部
113 支持体基部
114 突起
115 孔
116 別の支持体部
117 通気部
121 第1ノズル
122 第2ノズル
123 第1ヒータ
124 第2ヒータ
125,126 吸引部
127,128 排気装置
128 排気装置
131 搬送部
132 案内部
133 通気コンベア
W1 第1の熱風
W2 第2の熱風
Z1 第1面側
Z2 第2面側

Claims (2)

  1. 複数の突起と複数の孔を配した複数の支持体部を所定間隔に配置した支持体上に熱可塑性繊維を含有する繊維ウエブを搬送し、第1の熱風および第2の熱風を吹き付けて、第1凸部と該第1凸部に囲まれた第1凹部とが配された第1凹凸構造に賦形するとともに、前記第1凹部底面を第2凸部と第2凹部とが配され該第2凸部が前記第1凸部より高さが低い第2凹凸構造に賦形する工程を有し、
    前記第1の熱風を吹き出す第1ノズルと前記第2の熱風を吹き出す第2ノズルを有し、前記第1ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつける、または前記第1ノズルと前記支持体との間および前記第2ノズルと前記支持体との間で、通気性を有するベルトで前記繊維ウエブを前記支持体側に押さえつけ、
    前記繊維ウエブに前記繊維ウエブの繊維の低融点成分の融点より60℃低い温度以上の前記第1の熱風を吹き付けて前記繊維ウエブを前記支持体の形状に沿わせて繊維同士を仮融着し、前記第1の熱風よりも高温の前記第2の熱風を吹き付けて前記仮融着させた形状を保持した状態で前記繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する不織布の製造方法。
  2. 前記支持体上に前記繊維ウェブを搬送し、前記第1の熱風を吹きつけることにより、前記第1凹凸構造及び第2凹凸構造の形状が保持される状態に仮融着し、前記第2の熱風により、繊維ウエブの繊維同士を融着させて形状を固定する、請求項に記載の不織布の製造方法。
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